第1章
僕の名は桐山大介。
去年高校を卒業し、ろくに仕事もせず、個人塾でアルバイトをして暮らしている。
そんな僕だけど、実は人に言えない秘密があった。
『催眠術』
一般にそう呼ばれているモノがそれだ。
幼少の頃から興味はあった。
テレビのヒーローモノでヒロインが操られたりするのを見るのが大好きだった。
でもそのことを特別誰かに言うわけでもなく、ましてそんな術が使えるようになるなんて考えてもいなかった。
だけど...ある日突然、僕はそれが出来るようになってしまった。
「せんせぇ~そろそろ休憩にしませんかぁ」
明るい声がする。
ホワイトボードに数学の問題を書いている手を止め、振り向いた。
ブレザーにミニスカという定番の制服姿、一人の可愛い少女の笑顔が目に飛び込んでくる。
山村あすか。僕の働いているこの塾の生徒だ。
流れるような、背中まである黒髪が特徴的な明るく元気な少女だ。
あすかは僕が初めてこの塾に来た日、緊張で自己紹介が上手く出来ないでいると、
「せんせぇ~、挨拶が暗いよぉ。声張って~」
と言って、その場の雰囲気を和ませてくれた。
今時のおしゃれな子で、成績も学年で上位の方に位置している。人のことを気遣う優しさも持ち合わせた可愛らしい女の子だ。
「あぁもう8時かぁ。じゃあ休憩にします」
僕の言葉を聞くと、あすかはすぐに隣の女子生徒に話しかける。
「ねぇ加奈ぁ、勉強しすぎてノド渇かない?ジュース買いに行こうよ」
話しかけられた子は、取り掛かっていた問題を解き終わると、ゆっくり顔を上げる。
「あすか、さっきまで寝てたじゃない」
「うっわぁバレてたの?」
「わかってたわ。まったくあすかったら」
瀬野崎加奈。あすかと同じ学校で、同じクラス。中学からの親友らしい。
眼鏡をかけているのもあってか、加奈の顔はあすかよりもずっと大人びて見える。
しかも成績は学年トップクラスだ。いつも静かに、でも暗いというわけでなく、物静かな印象の子だ。
天は二物を与えたんだなぁ、と真剣に思ってしまう。
今は二人の通う学校のテスト期間。
それぞれの学校によって期間は異なり、今日の僕のクラスの生徒はあすかと加奈の二人だけだ。隣の部屋も誰もおらず、この塾にいるのは僕達3人と1階の事務室にいる塾長のおばあさんだけだ。
「二人とも疲れたかい?」
僕は二人に話しかける。
「うん、かなり...ちょっと寝ちゃったしね」
あすかは申し訳なさそうにペロッと舌をだす。その仕草が可愛くて、つい笑顔がこぼれる。
「加奈ちゃんも?」
加奈は少し間をあけて答える。
「...はい...少しだけ」
僕は二人のその言葉を聞いた直後、心の奥から黒い欲望が沸き起こってくるのを感じた。
夜の闇より暗い、冷たい気配。
一瞬の出来事のはずなのに、永遠にも思え、時間が止まったかのような錯覚さえ起こった。
なんだこの感覚は...?
『コノコタチヲ...アヤツッテドレイニ...シタイ』
何だって...?ダメだ!そんなこと...大体どうやって...
『ドレイニスル...サイミンジュツカケル...アヤツル...』
そんなの無理だ...む...り...?まさか...出来るのか...僕...に...?
『アヤツル...オカス...ドレイ...シハイ...センノウ』
操る...犯す...奴隷...支配...洗脳…...ふっ...ふふ...
僕は多分、笑っていた。
「そう...じゃあちょっとしたリフレッシュ方法教えてあげるよ」
「えっ、そんなのあるのぉ?なになに?教えて!」
あすかは机を移動させ、加奈と並んで座る。僕を見る目がきらきらしてる。
加奈は何も言わなかったが、興味はあるようだ。ようし...
「二人とも...僕の右手の人差し指の先を見て...」
あすかも加奈も、僕の指に視線を合わせる。
僕は立てた人差し指をゆっくりと左右に振る。
「目だけで追いかけてごらん...そう...ゆっくり...」
あすかの瞳は興味津々に僕の指を追いかける。
加奈も初めはあまり乗り気でないようだったが、少しずつ目で追い始めた。
僕の口調が変わっていく。なにか別の存在になったみたいに。
「何も考えずに追うんだよ」
少しずつ指の振り幅を大きくする。
「ほらすごい揺れてるね...」
二人はもう、僕の指から目を離さない。
あすかの口は少し開き、視線も焦点がずれてきているようだ。
加奈はしきりに瞬きをし始める。
「目が疲れたね...ゆっくり目を閉じよう...体の力も抜けていくよ...」
僕の言葉に、まず加奈がそっと目を閉じる。普段まじめなだけあって、暗示にかかりやすいようだ。両手はダランと椅子の両脇に下ろされ、脚も少し開き気味になっている。
あすかももう限界のようだ。
その瞳は虚ろになり、もはやどこをも見ていないようだ。
僕はあすかの背後に静かにまわり込むと、耳元でそっと囁く。
「体から力が抜ける...だんだん気持ちよくなっていく...さぁあすか...眠りなさい」
あすかの瞳がゆっくりと閉じ、力の抜けた体がグッタリと椅子の背もたれにもたれかかる。
まさかはじめての催眠術がこんなに上手くかかるなんて。
二人の美少女を眠らせた僕は、これからどうするのか考える。
どう操ってやろうか...
僕の心から理性が抜け落ち、邪心が瞬く間に膨らんでいく。
「あすか...僕の声が聞こえるかい...?」
僕はまず、あすかに話しかける。
「...はい」
少しの間の後、あすかの口から、小さく返事が返る。
「何も考えなくていい...何もしなくていい...君は深い催眠状態に堕ちた...そのまま目を開けて...」
僕の言葉に、あすかはゆっくりうなづくと、目を開ける。
その瞳からは、さっきまでの活気に溢れた輝きが消え失せている。
全身が弛緩しきって、座っているというより椅子に引っ掛かっていると言った方がいいくらいだ。
あまりにも辛そうなので、手を貸して座りなおさせる。
「僕の声を聞いていると君はとても幸せな気分になるよ...ほら」
あすかの顔に笑みが浮かぶ。
「この声を聞くとすごく幸せだろう?」
あすかは再びコクッとうなづく。本当に幸せそうだ。その顔を見ていると、僕の欲望がさらに膨らんでいく。
可愛い少女が自ら堕ちていく姿を見せてもらおうか...
「そうだろう...この声を聞くと幸せ...僕の命令を聞くことはもっと幸せだ...あすか...何も考えずに僕の命令のままにすれば、君は信じられないくらい幸せな気分になれる...」
「あ...」
「強制はしない。君が自分で決めるんだ」
「私...は...」
あすかの意思と催眠による暗示が喧嘩しているのだろう。少し苦しそうだ。
では別の作戦でいこうか...落とす手立てはいくらでもある。
僕はあすかの前の机をどかす。今まで机に隠れていた緑とエンジのチェックスカートが姿を現した。
そのまま何の抵抗もしないあすかの脚をゆっくりと左右に開いていく。
「あ...」
あすかの頬が、羞恥に朱に染まる。そのまま限界まで開いていく。
すらっとしたきれいな脚の付け根には白地に水玉模様の下着が見えている。
僕はあすかの中心をそっと撫でる。
「あっ...」
あすかの口から吐息が漏れる。
僕はじらすように触るか触らないかの愛撫を続け、刺激を与える。
「はぁ...ん」
あすかは明らかに感じてきている。パンティの中心の色が濃くなっていく。
「気持ちいいだろう?」
「は...い...」
喘ぎ声を押し殺すかのように小さな声で答える。
「あすか...僕の操り人形になればこの快感の何倍もの快感を与えてあげるよ...ならないなら...残念ながらここまでだ」
僕は愛撫をやめる。指を離すとあすかの濡れたパンティから糸を引き、つっと切れた。
僕はあすかを弄んだ指を舐める。
あすかは名残惜しそうに僕の指を見つめる。
その虚ろな視線が僕をさらに興奮させ、黒い欲望を掻き立てる。
「あすか...もっと触って欲しいのかい?」
「あ...は...い...触って欲しい...です」
「もっと気持ちよくなりたいの?」
「はい...気持ちよくなりたい...です」
「でも分かってるね...?僕は僕の奴隷となる子しか気持ちよくしてあげたくない...あすかは僕の奴隷になりたいの...?」
もはやあすかの思考は、催眠と快感を得たいという思いによって正常に機能していない。
虚ろな表情を浮かべたまま、ゆっくりと口を開く。
「...はい...先生の奴隷に...なりたいです」
あすかはついに僕の奴隷になることを受け入れようとしている。
「ではあすか...僕の奴隷だと言いなさい...君の心と体は僕のものだ」
僕はあすかの瞳を覗きこみながら囁く。
「あ...」
あすかはうっとりとした目になり、自ら望んで奴隷の道へ堕ちていく。
「私は...先生の...奴隷...心も体も...先生のもの...」
その言葉を言った瞬間から、あすかの心は永遠に僕のモノとなった。
「いい子だよあすか...君は僕の奴隷だ...」
そう言って、再び僕は大きく開かれたあすかの脚の付け根に手を伸ばす。
「あ...ん...はぁ...」
何の抵抗もせず、僕の指の弄るままに感じるあすか。
僕はそのまま、あすかの幼いパンティの隙間から指を忍ばせ、あすかの一番敏感な部分を擦り上げる。
「んんっ!あぁん...」
僕の愛撫があすかを快楽の奥深くへと導いていく。
激しく、優しく、リズムを変化させながら刺激を与え続けていく。
「あっ!あっ!せんせぇ!何かっ!何か来るぅっ!いやっ!...あんっ!」
あすかの喘ぎ声が大きくなる。もう絶頂を迎えるようだ。
「イってもいいよ。イったらあすかは僕の完全な奴隷になれる」
体を震わせ感じているあすかの耳元でそっと囁く。
それはあすかにとって、とても甘美な響きを持った言葉だった。
僕はパンティを脱がすと、親指で肉豆を、中指であすかの秘壷を執拗に攻める。
「いやっ!...ダメェ!私っ!イクっ!イクぅっ!!...ああっ!」
一瞬あすかの体が硬直し、力を失うと僕の肩にもたれかかってくる。
「はぁはぁ...せんせぇ...気持ちよかった...です」
そう言って僕を見上げるあすかの目はトロンとしていて、もはや僕の命令ひとつで思うがままに操ることが出来るだろう。
「先生か...それでもいいけど、僕はあすかのご主人様だろう?」
「はい...せんせぇは...私の...ご主人様...」
「あすかは僕のなんだっけ?」
「私は...ご主人様の奴隷です...」
何度も言わされることで、山村あすかは完全な僕の奴隷へと堕ちていく。
僕は虚ろな表情のあすか、そして隣で眠らされている加奈の顔を見て、湧き上がる支配欲を抑えきれないでいた。
『コレカラ、フタリトモ、モットモット、アヤツッテヤルヨ...』
僕の中の狂気が笑っている。
< つづく >