○○なあたし03 番外編2 中編

番外編2 騎士と閻魔のR&R(中編)

「都ちゃんって、すっかり痴女になったよね」
「え?」
 僕の言葉に、きょとんとする都ちゃんの顔。
 あれ? 思ったのと反応が違う。
「チジョ?」
 と、都ちゃんが聞き返す。
「あれ、痴女ってわからない?」
「うん」
「痴漢のオンナの人版。とってもいやらしいオンナの人」
「……ぅううううううううううう」
 意味を理解した都ちゃんは、今度は予想通り僕をにらみ返す。
 上目遣いで。
「いや、褒めてるんだよ?
 さっきの都ちゃん、ものすごく色っぽかったし。
 色っぽくなきゃ痴女って呼ばないし」
「嬉しくないやいっ! そもそも色っぽくないっ!!」
「いんや、すんごく色っぽいよ、都ちゃん。
 さっきオナニーで腰振ってたとき、僕と同い年とは思えなかったもん。
 成長したよねぇ」
「やっっっっっっっっかましいっ!!!」
「そんなに否定しなくても良いのに……それに」
 ぎゅっと腕に力を込めて、

「真っ昼間から裸で男と抱き合ってるんじゃ、説得力ないよ?」
「うるせえええええええ!!!!!!」

 と、いうわけで、僕たちは今寝室で抱き合っているわけだ。
 お風呂に入った後、かれこれ30分はベッドでいちゃついている。

 改めて都ちゃんの肌に密着すると、とても張りがあってすべすべしていて、男なら誰でも手放したくなくなる感触だ。
 そして、僕の鼻と口の先で怒り心頭のハズの都ちゃんは、決して僕の手を振りほどこうとしない。
 むしろ、さっきより僕にしがみつこうとしている。

 ……もう、超っ絶かわいいなあこいつ。

 顔を少しだけ下に落として、都ちゃんのつり上がった口元に狙いを定める。
 都ちゃんは、避けるそぶりを見せない。

 ちゅっ。

 唇同士が触れた途端、都ちゃんの口元がゆるんで、そのまま僕の舌を迎え入れる。
 ――怒るフリするなら、もうちょっと頑張んなよ……
 と、内心苦笑しつつ、都ちゃんの口腔を蹂躙していく。
「んぅっ!?」
 ついでに、90度転がって都ちゃんを組み敷いてやる。
 さらについでに、都ちゃんの両腕をベッドに押さえつける。
 キスを中断して、耳元でささやく。
「僕のモノが、そんな反抗していいと思ってるの?」
 びくん。
 都ちゃんの身体が一瞬強ばったのを、僕は全身で感じ取る。
 もちろん、恐怖のせいじゃない。呆然としたような、それでいて期待するような(ついでに真っ赤な)都ちゃんの表情を、僕は見逃していない。

 ふふふ、そろそろかな。
 と思って、僕は都ちゃんの瞳をのぞき込む。
 そして、

 ふぅっ――

 あ、れ?
 僕が口を動かす直前に、都ちゃんの全身から力が抜ける。
「……都ちゃん?」
「……ん……」

 これは――

 催眠、入ってる?
 ふと、「いつもの質問」を口に出す。
「都はセックス大好きな淫乱娘だよね?」
「……うん、いんらん、だよ……」
 間違いない。
 この力のないしゃべり方。オウム返しにちょっとプラスがある返事。
 こりゃ「眠くなる催眠」にかかってる。

 ……何で?

 よくわからない。
 まだキーワードも唱えていない。キーワードを唱えないと、都ちゃんは催眠状態にはならないはず。
 ……
 ……
 ……わかんねえな。今度流さんに聞こう。あの人がまたなんかやったかもしれん。
 催眠にかかっているのは間違いなさそうなので、考えていた催眠を埋め込む。
「ねえ、都は――……

 がちゃ
「おっそぉい」
 部屋のドアを開けると、普段の都ちゃんには似つかわしくない甘い声が響く。
「ごめんねー」
 僕は適当に応じる。

 ――うーん、やっぱりかわいい。

 出迎えた都ちゃんの姿を見て、改めて女としての成長を実感する。
 つかつかと寄ってきて、
「えいっ」
「っ!」
 と抱きついてきた都ちゃんは、ライトブルーのブラとショーツ(と、星形のペンダント)だけを身にまとっていた。
 ……綺麗なウエストだよなあ。

 そんなことで意識を飛ばしていた僕を、潤んだ瞳で見つめた都ちゃんは、
「ねぇ、セックスしましょ?」
 と、思いっきり甘い声で僕を誘うのだった。

『都は、ものすごく僕とセックスがしたい。セックスすることを考えると、おま○こがどんどん熱くなって、どんどん蕩けていってしまう。
 都は、早くセックスしたいから、色っぽく、色っぽく、僕を誘います――』

 うわ。
 思いがけない都ちゃんの表情に、僕は思わず固まってしまう。
 潤んだ目を細めて、口を半開きにする都ちゃん。
 既に上気した頬、全身に伝わってくる都ちゃんの体温。

 ――「平日は元気娘、休日は娼婦」ってか?

「うふ」
 都ちゃんは立ったまま、僕の右手を掴んで、都ちゃんの股間に導く。
 ショーツの船底に僕の指を押しつけて、
「あぁんっ」
 感極まったように、あえぎ声を上げる。船底は、既にしっとりと湿っていた。

 ――なんだこりゃ……都ちゃん、凄すぎる。

 あまりの色気に、僕の股間は一気に臨戦態勢になっていた。
 思わず、都ちゃんが誰か違う男に調教されてるんじゃないか、などとあり得ないことを考えてしまう。
 どこでこんな色香を身につけたのだろうか。
 ……身につけたというより、女ってみんなこういう本性を持っているのか?

「ふふ」
 僕が気を逸らした隙を突いて、都ちゃんは空いた手で僕の股間をなでさする。
「涼のお○んちん、おぉっきくなってるわよ?」
 というと、都ちゃんは僕のスラックスのベルトを外して(「都ちゃんを待たせる」という設定だったので僕はもう一回服を着たのだ)、そのまま僕の股間を露出させる。
「あぁぁ……っ」
 僕の股間を見た都ちゃんは、思わず声を漏らして跪く。
 あ、この体勢は……
 何をしたがっているのかすぐに分かった僕は、同時に都ちゃんが躊躇していることに感づいた。

 ……そーいや、都ちゃんに今までフェラチオさせたことなかったな。
 今さらそんなことに気づく。
 させなかったのは、単に僕がそんなことをさせる趣味がなかったからだけど。
 さすがに「今の」都ちゃんも、僕のを口でくわえるのには抵抗が……

 にゅるっ

 !
 っと考える間もなく、気づいた時には僕の肉棒は都ちゃんの口に消えていた。
「んっ」
 思わず、声が出る。
 わ、きつい。
 都ちゃんは、実は口が小さい。しゃべる時に口の動きが大きいから気づきづらいけど。
 おかげで、僕の肉棒を咥えると、それだけで目一杯になってしまう。
「んんふぅ」
 都ちゃんが、咥えたまま笑う。
 と、
 じゅぷ……じゅぷ……
 都ちゃんの頭が動き出す。

 お、これなかなか気持ちいいな。
 黙々と(都ちゃんがしゃべれないから当たり前だ)奉仕する都ちゃんを見つめながら、そんな感想を抱く。
 当然、都ちゃんはフェラをするのは初めて(のはず)だから、巧いというわけではないのだろう。
 でも、やらせてる方の征服感はなかなかたまらないものがある。

 ふと、都ちゃんの目が僕の瞳を捉えた。

 ――どくん。
 股間が思わず反応してしまう。
 誘う女の「上から目線」と、普段から都ちゃんが知らず発している「媚び」がない交ぜになった、視線。

 ……本当に何なんだ都ちゃん。
 天性のド淫乱か?

「ん……んふ……」
 じゅぶ、じゅぷ、じゅぷ、ずぷっ。
 だんだんと、しゃぶる音が激しさを増す。
「んふぅっ、んっ」
 突然、都ちゃんの声のトーンが変わった、と、

 あ。

 気づいた時には、都ちゃんは自分の股間に指を這わせていた。
 ここからはよく見えないけど、ショーツの中に指を突っ込み、大事なところをなでさすっているようだ。

 ――限界だな、お互いに。

 僕は僕で征服感に犯され、射精したい欲求が爆発しそうだ。
 
「都ちゃん、ストップ」
 不思議そうに動きを止める都ちゃんに向かって、
「ベッド行こう」
 と誘う。
「ちゅぱっ……ふふふ、口に出しても良いのよ?」
 都ちゃんが、余裕ありげな表情で挑発する。

 ――嘘つけ。都ちゃんだって目一杯なくせに。

 ……という責めはとりあえず封印して、僕は都ちゃんをベッドまで連れて行ったのだった。

「うふふ……あたしもすっかり発情しちゃった……」
 裸になった僕をまたいで、股間のショーツを見せつける都ちゃん。
 ショーツは、僕の位置から見ても完全に染みができていて、都ちゃんが猛烈に発情していると分かる。
「脱ぐわね……」
 と宣言して、ゆっくり、見せつけるように、腰を振りながらショーツを下ろしていく。
 綺麗な股間が露わになって、都ちゃんはブラ一枚の姿になった。

 すっかり妖艶な演技が身についている。
 この演技は誰を真似してるんだ。
 よく考えたら、誰かの調教というより本か何かの知識だろ。

「あぁん……」
 都ちゃんは露わになった股間に、そっと指を這わせる。
「もう、クリ○リスもコリッコリに勃起してるぅ……」
 僕を挑発的なまなざしで見つめながら、トンだ実況中継だ。
 ――要するに、「入れたい」んでしょ?
 と……言うのは止めて、都ちゃんに自由にやらせておく。
 ま、せっかく都ちゃんが頑張ってくれてるんだし、ね。

 それに……
 ……ふふふ。

「ふふふ……。
 涼のお○んちんも、カチカチよ?」
 僕の股間に手を伸ばして、撫でさする。
 そのまま肉棒を掴んで、挿入し……

 にちゃ……
 うっ!?

 と思ったら、都ちゃんは、肉棒の先を自らのおま○この筋と擦り合わせ始めた。

 うわっ、これは予想外っ! というか、気持ちいい!

 思わず射精しそうになり、すんでの所で堪える。
「ん……あぁぁ……」
 都ちゃんも息を荒くし、口を半開きにしながら、なかなか挿入しようとしない。
 催眠の内容を覚えてて抵抗してるのか、覚えてないでやってるのか。
 どうやらうっすら覚えてそうだな。

『でもね、都ちゃん、

 都ちゃんは、お○んちんを入れてしまうと……』

 でも、やっぱり淫乱な都ちゃんは、すぐに我慢できなくなったらしい。
 必死に堪えていた僕には嬉しいことに。

「涼……入れるわよ? 入れちゃうわよ?」
 妖艶な笑みを浮かべつつ、ゆっくり、本当にゆっくり腰を沈めていく。
 ……内心は催眠が発動することを分かりつつ、抵抗しながらも期待しているんだな、と思うと、見ているこっちもゾクゾクする。

 そして、都ちゃんのおま○こが僕の先っぽを飲み込み、……止まる。

「ふふふ……うふふふ……」
 艶めかしい、それでいて壊れたようなほほえみを発し、僕を見る。
「あたし、頑張った?」
「……うん、十分」
「ありがと」
 そして、
 どすん。
「う……んぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ! イク! イク! いくうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

『都ちゃんは、お○んちんを入れてしまうと、それだけでイッてしまいます。
 すると、自分で誘ったのに、あっさりイッちゃったことになるよね?
 だから都ちゃんは、とっても惨めな気持ちになります。
 でも、都ちゃんはマゾだから、それが気持ちいい。
 イッた瞬間に都ちゃんはドMに戻ってしまいます』

「あ……あ……」
「都ちゃん? あんなに誘ってたのに、もうイッちゃったの?
 かっこわる」
「う……うぅ……ごめんなさい……あああんっ!」
 ずんっ!
 腰をねじ込んで、都ちゃんをさらに追い込んでやる。
「だ、だめえ……おま○こがあ……」
「おま○こがどうしたの?」
「……も、っと欲しいっ! もうダメっ! あたし変態で淫乱でマゾなのぉ!! 頭おかしいのぉ!!!」
 僕の攻撃に翻弄された都ちゃんは、本当に頭がおかしくなったように、軽くわめきながら腰を振りたくった。
 ずんっ!
「ひあああぁぁ………………っ!!!」
 上半身が崩れ落ち、僕の首のあたりに都ちゃんの頭が落ちる。
「都ちゃん」
「ぅ……」
「そうだよ? 都ちゃんはもう頭おかしくなっちゃってるんだから、何も考えずに気持ちよくなって良いんだよ?」
 とどめを刺す。
「うへぁ……」
 僕のだめ押しを聞いた途端、都ちゃんは本当に壊れたような笑顔で僕を見つめて――
 都ちゃんの頭はそのまま、ぱたりと僕の首に倒れ込んだ。
 ……僕の背が低くて、胸に落ちてこないのが少しだけ悔しい。

「あ、あ、あぁっ、ああん、あん、あん、あああああっ」
 意思を失った都ちゃんは、僕の突き上げに応じて声をだだ漏らしするだけの人形と化してしまった。

 ふと気が向いて、僕は腰の動きを止める。
 都ちゃんの頭がのそっと動いて、僕を見る格好になる。でも、目の焦点は合っていない。
 都ちゃんは今は(「今は」、ね)すっかり壊れてしまっているようで、多分、記憶回路も完全に崩壊している。きっと、僕に何をされても全く分からないだろう。
 ふと、前に流さんに聞いたことを思い出す。
 一番催眠術が効きやすいのは、こんな状態のときなんだそうだ。
 巧くやれば、本当に洗脳してしまうこともできるとかなんとか。
 確かに、何も考えられないこんな状態じゃ、何を言っても抵抗することなんかできなさそうだ、と思う。
 さて。
「都」
 僕は命令を埋め込む。
「今から僕が突き上げると、都はいつもの激しい快感の代わりに、やわらか~い、心が熔けちゃうようなあったかい気持ちよさを感じるよ。
 気持ちよくなるたびに、都は頭が真っ白になっていって、幸せな気持ちになってしまう。
 そして都は、僕がイったら、今まで感じたことがないくらい幸せな気持ちになって、そのまま眠ってしまう」
 よし。

 だって、壊れた都ちゃんをこれ以上激しく追い詰めたら、本当に粉々になりそうだもの。
 正直、見てるこっちが怖くなる。
 それなら、穏やかに意識を失ってもらった方が、ね。
 その方が僕も、安心して都ちゃんを犯せるし。

 ぱん、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
「あぅっ……うあぁ……んっ」
 勢いよく腰を打ち付けると、よどんでいた都ちゃんの顔が、柔らかくなってくる、ように感じる。
 だけどおま○こは、僕の責めに反応して、きゅぅっと僕の肉棒を締め上げてくる。
 その締め上げに負けないよう、都ちゃんにねじ込んでいく。
「あ……はぁぁっ……ぁぁぁぁぁ……ぁぁぁ……ぁぁ」
 都ちゃんは、あえぎ声というより、あくびのような声を出して、心地よさに酔っている。
 口の端が少しだけ持ち上がり、ぬいぐるみに抱きついて眠る寸前のような、幸せそうな笑顔を形作っていく。

 ――よかった。喜んでくれてるな。

 ほっとした……途端に、腰の異変を感じ取る。
「うっ」
 ヤバっ、出るっ! そういや、さっき焦らされまくってたんだっ!
 尿道を駆け上がってくる白濁。それは――止める間もなく、都ちゃんの蜜壷に放出されてしまう。

「ぁ――」
 都ちゃんの身体は、待ち望んでいた衝撃に震え。おま○こは貪欲に、僕の精液を吸い上げ。

「――――――――――――――――――ぁぁぁ……すぅっ」

 僕が出し終わるのも待たず都ちゃんは、天に召されるかのような渾身の笑みを浮かべ、そのまま深い眠りに落ちていったのだった。

< つづく >

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