第一幕
ある競技が、行われる。全ての夢魔の母にして女王である、魔王リリスが主催する競技だ。
そしてプレイヤーは、その女王が魔王となった最初の日に生んだ、百人の子供達。いずれも優れた悪魔達だ。
賞品は、魔王の称号と自分以外の九十九匹の兄弟姉妹の支配権。
競技はポイント制。そのポイントは、破滅させた・・・もしくは手に入れた知的生物によって決まる。
会場は・・・もちろん人間界。
「ここが人間界か・・・日差しがきついな」
金色の髪と瞳をした、くたびれた感じのするス―ツを着てよれよれのマントを垂らした男が、空を見上げてつぶやいた。
男の名はカンディス(十万八千歳)。リリスの二十七番目の子供、つまりは百匹の魔王候補の一人だ。
「旦那―、カンディスの旦那―」
パタパタと飛んできたのは、手の平サイズでコウモリの羽を生やした、緑色の肌の少女だった。
「おお、我が使い魔ザジよ、人間界での情報収集ご苦労」
この競技では、選手は使い間を一匹使役できるだけで、他の僕は魔界から連れ出すことは出来ない。
「旦那・・・一番初めに来るだろうとは思ってやしたけど、何で真っ昼間にそんな服装で・・・せめて格好をつけてくださいや」
たしかに、どこの世界にこんな登場の仕方をする悪魔が居るのか。悪魔が魔界から降魔するのなら、暗闇の中からと相場が決まっているのに。
「何を言う。時間が持ったいないだろうが。それに、そんな格好とはなんて言いぐさだ。まだス―ツもマントも現役だぞ」
「旦那・・・そんなだから実力はあるのに、小物って馬鹿にされるんですぜ」
「フンッ! そんな事我輩の知ったことではない。まだ使えるのに新調するなんて、もったいない事が出来るか」
もったいない。この口癖が、カンディスが百人の兄弟姉妹の中で、最も小物と評される理由だった。この悪魔はよく言えば庶民的、悪く言えば貧乏臭い性格の持ち主で、何かにつけて節約をするのが癖だった。
上級悪魔なら使い捨てるはずの下級悪魔達を大事に使い、時間を無駄に過ごす事に耐えられない。もちろん衣装代だって節約する。
しかし、もったいなくないと思えば大胆に使うが、それは今までほとんど無かった。・・・偉大なる母リリスの前にでも、この格好で謁見するのだから。唯一の救いは、他人にそれを強制しないことだ。
そのため部下には信頼されているが、兄弟姉妹の中ではぶっちぎりのお味噌扱いである。・・・実力はあるというのに。
どれぐらい侮られているかと言うと、競技開始に当たってカンディス一人がハンデとして、先に人間界に行くことに誰も反対しなかったくらいである。
・・・カンディスも素直にハンデを受け取るし。
「その話はもう終わりだ。それよりもザジよ、人間界のガイドを頼むぞ。我輩は魔界から出た事の無い箱入り息子だからな」
「・・・箱入りって言うか引きこもり・・・」
「何か言ったか?」
「いえいえっ! 旦那も人間界に降魔したばかりだから早く楽しみたいでしょう? あっしが人間界に派遣されてから、一回も出してないんじゃないですかい?」
ザジの言うとおり、カンディスはここしばらく一回も射精をしていない。まだ大丈夫だが、そろそろ限界も近づいてきている。
「そうだな・・・ではザジよ、余の食事に相応しい娘はおるのか?」
リリスの息子であるカンディスの食事は、もちろん若い娘の生気だ。・・・知的生物の魂でもいいのだが、それをカンディスは好まない。生気は、ある程度なら自然回復するが、魂は一度食ってしまうと無くなってしまうからだ。
さらに言うと、貧乏性のこの悪魔はその娘を最初のポイントにするつもりだ。
人里からやや離れた、山の中の修道院。そこが見える茂みの中に、カンディスとマリは隠れていた。
「どうです旦那、上玉が揃ってますぜ」
マリの言う通り、ここから見る限り修道院のシスター達は上玉揃いのようだ。健康的な少女達に、未亡人らしき熟女。はずれを探すほうが難しい。
「クロス教の宗教施設か、良い所に目をつけたな。神に仕える乙女達を我が物とすれば、母上も我輩を高く評価してくださることだろう。
・・・しかし、こいつらはこんな所に集まって何をしておるのだ? 集団花嫁修業か?」
「何バカなこと言ってるんですかい旦那。クロス教は、貞淑と清貧を美徳とする宗教で、特にこいつらはシスターですぜ。神にその身を捧げ、一生を清いまま・・・つまり処女のまま過ごすって誓いを立ててるはずでさぁ」
クロス教、天使の父たる神を奉じる宗教だ。神の言葉を伝えたという、聖者クロスが布教した教えだと言われている。はっきり言って、悪魔であるカンディスにとって天敵の集まりで、この修道院には居ないようだが、悪魔祓いの専門家なんて物騒な連中も存在する。
「ではあの宗教施設の娘全員が、子供を作らぬまま一生過ごすということか?」
「そうでしょうねぇ。まあ、一人夫に先立たれたから子供と一緒にこの修道院に入った女がいやすけど、男を知ってるのはそれぐらいっすね」
「なにぃっ! そんな事が許されると言うのかっ!?」
くわっと目を見開いて、カンディスが小声で叫ぶ。・・・器用な奴だ。
「人間が我々悪魔より優れている点は、短いタイムスパンで世代交代を繰り返す事であろうが。その利点を自ら放棄するなどと・・・。
特にあのシスターの小娘を見ろ」
カンディスが指差したのは、成人してから、二年ぐらいたってそうな少女のシスターだ。
ちなみに、人間界では成人は十五歳からという地域もあれば、二十五歳からと言う地域もある・・・ここがどの地域かは、この作品を読む読者の一人一人の、心の中に答えがあります。
「あのドバドバと母乳の出そうな胸っ! ボコボコと子供を生めそうな安産型の尻っ! それを・・・それを生かしもせずに一生を終えると言うのだぞ・・・そんなもったいないっ!」
カンディスの口から、本日何度目かの口癖が出た。カンディスの『もったいない』は、人間にだって当てはまるのだ。・・・修道服の上からそこまで見抜くのはさすがだが。
それをザジは呆れたような目で見ている。
「それじゃあ旦那、あの修道院を獲物にするのは良いんですけど・・・どうやるつもりですかい? 旦那お手製の道具でも使うんで?」
「無論だ。・・・淫魔の母を持つ身としては、小細工なんぞしなくても小娘程度たらしこむなぞ容易いが、一人ずつ相手をしていたのでは時間がかかりすぎる。・・・術を我輩が使えればもっと手っ取り早いのだが」
この言葉から解るように、カンディスは悪魔としては致命的に術が苦手だった。と言うより、自身の持つ魔力が大きすぎて、道具に頼らないと上手くコントロールできないのだ。
例えば、放水車でコップに水を汲むような物で、術をうっかり使うと、暴走させまくってしまうのだ。
「それで、どの道具を使うんですかい? 『淫花の香水』とか使えそうですぜ」
マリの提案に、しかしカンディスは渋い顔をする。
「たしかにあの媚薬は強力だが、一度に一人にしか使えん。それにあの修道院には、食事に使うシスター以外にも何人か居るはずだ。・・・いくら我輩でも、ストライクゾーンと言う物がある」
『淫花の香水』この香りを最初に嗅いだ者は、使用者に発情する。一度にどれだけ使っても同じ効果を発揮するので、節約できる道具だが、予期せぬ相手が最初に嗅いでしまっても効果を消せないと言う欠点がある。
「じゃあ一体何を使うんで?」
「この『解説魔』と、これはお前を人間界に派遣している間に造ったものだが・・・」
懐からカンディスが取り出したのは、クロス教の聖典によく似た分厚い本だ。表紙には『偽善者の聖典』と書かれていた。
洗濯物を干し終わって、次は昼食の準備をシスター達は始めようとしていた・・・が。
「あら、まだこんな所にいたの貴方達。もうすぐミサが始まるわよ」
そうシスター達に声をかけたのは、赤い髪のシスターだ。その横には、なんと堂々とカンディスが立っている。
『クレア、成人して二年。穏やかだが芯が強く、信仰心も厚い。両穴とも処女。胸と尻は標準』
耳に付けたピアス型マジックアイテム『解説魔』が、クレアのデータを(カンディスが必要としている分だけ)耳元で囁く。
「シスターの鏡よな。年下の者からもよく慕われていそうだ」
そうつぶやくカンディスを、当然だがシスター達は訝しげに見つめる。男子禁制の修道院に、見るからに怪しい男がいきなり居るのだが、横に立っているクレアが平然としているので、どうしたらいいのか戸惑っているのだ。
「あのー、クレアの横にいる方は、一体どなたなんです?」
そう訊いたのは、額が広い緩いウェーブのかかった金髪をしたシスターの少女だ。
『シスターレイシア。成人してから一年。ややのんびりした性格。胸は標準だが、尻が大きめで本人はそれを気にしている』
「ほほう、見事な安産型だな。それを気にする必要は無いと思うが・・・と、感想を言っている場合ではない」
カンディスは、パラパラと『偽善者の聖典』のページをめくると、ペンで何事か書き記した。
「何を言っているの、レイシア。この方は、私たちカンディス教徒の崇める、カンディス様に決まっているじゃないの」
「ああっ、そうでしたっ! 私ったら、こんな大事な方を忘れるだなんてっ!」
まるで自分が大失敗をしてしまったように、レイシアは嘆く。初対面のカンディスを、忘れるも何も無いだろうに。
これは全て『偽善者の聖典』と、カンディスの魔力のせいだった。『偽善者の聖典』とは、ある程度までの規模の集団のルールを記した物(今回の場合は、この修道院内のクロス教の聖典)と入れ替わり、その書かれた内容が真実のように思わせる事が出来ると言う、洗脳アイテムである。
カンディスは無粋な剣や鎧などより、美学や趣があると言っては、こうした洗脳や幻覚のアイテムをこのんで作成していた。
そして『偽善者の聖典』のにはクロス教ではなく、カンディス教と書かれている。つまりは、この修道院はすでにカンディスの手に落ちたも同然ということだ。・・・これだけでも、ポイントにはなるが、より高いポイントと性欲を満足させるため、カンディスはさらさらとペンを走らせる。
「まったく、レイシアはもっとしっかりしないとだめね。そんなことじゃ、立派なカンディス様の使徒にはなれないわよ」
「まあまあ、レイシアちゃんもがんばっているんだし、そんなにきつく言うもんじゃないわ」
長身でショートカットの、生真面目そうな顔つきのシスターがレイシアを注意して、栗色の髪の幼い顔つきの小柄なシスターが、それをたしなめる。
『シスターリムリー、顔つき通りの生真面目で、堅い性格。両穴とも処女。長身に合った、バランスの取れたプロポーションをしているが、その長身がややコンプレックスになっている。
シスターチェッタ、柔和だが悪く言えば優柔不断な性格。両穴とも処女。小柄な身体にあった幼さの残る顔と身体つきをしている』
「・・・人間というのは、劣等感が強いのか? 欠点ではなく美点だと思えばよかろうに」
「・・・それは旦那が女心を理解してないから、そう言う風に思うんですぜ」
小声でのツッコミは、マントの裏に隠れたザジだ。
「この人がカンディス様なの? なんか冴えないおじさんって感じだけど・・・」
「ミーシャっ! なんて事を言うんですかっ!」
「だって、母さん・・・」
「すみません、この子にはよく言って聞かせますから」
生意気なことを言って母親に怒られる小シスターと、娘を注意してこちらに許しを請う母シスター。
『シスターミーシャ。ややませて、気の強い性格。成人まで三年。両穴とも処女。胸も尻も発展途上だが、将来に希望はある。
シスターランシャ。のほほんとしているが、しっかり者。前の穴のみ非処女。巨乳で尻もむっちりと肉付きが良い』
「なんだか、解説魔の解説が微妙に詳しくなってやしませんかい?」
「それは我輩が、魔力を多めに解説魔に供給しているからだ。良く調節してやらんと、解説の情報量が丁度良くならんからな」
「って、そんなことよりこの小娘、『偽善者の聖典』が効いてないんじゃないですかい? 旦那の事をおじさんって言いやしたぜ」
ふうむと唸って、カンディスはミーシャを観察する。特に変わった気配は感じない。
「おそらく、この娘の信仰心が元々薄いのだろう。『偽善者の聖典』は、対象の従うルールをすり替えるアイテムにすぎんからな。法律を元々守るつもりの無い者に、いくら法を説いても無駄ということだ」
「それって、まずくないですかい?」
ザジの不安に、しかしカンディスは不敵に笑ってみせる。
「安心しろザジよ。我輩が魔界より持ってきたアイテムは、他にもあるのだ」
「ほらっ! なんか訳解んないこと言ってるよーっ!」
「ミーシャッ! もう、この子ったら!」
不敵な笑いを浮かべたまま、カンディスが凍りつく。その後、ぼそりと『今に見とれよ』とつぶやいたのが、ザジには聞こえた。
六人のシスターと二匹の悪魔が、ミサのため教会の中に入る。教会の中には、驚いたことに、カンディス以外の男が、祈りを上げているところだった。しかも、立派な鎧を纏い腰には剣を挿している。
「レスター様、こんな時間までどうしたんですか?」
「ああ、シスタークレア。祈りを上げていたら、つい時間を忘れてしまったようだ。・・・おや、そちらの方は?」
レスターと呼ばれた男の視線の先には、もちろんカンディスが立っていた。
格好はくたびれたスーツとよれよれのマント。それだけなら、一夜の宿を求めに来た貧しい旅人にも見えなくもないが、右の耳に付けた髑髏型のピアス(解説魔)がどうしても浮いている。
その事は、カンディスも良く理解していた。そして同時に、このレスターという男がこの修道院に普段は居ない悪魔祓いの神官戦士である事も、察しが付いた。つまり、この男には『偽善者の聖典』が効かない上に、目をつけられると面倒という事だ。
「怪しげな気配は感じないが・・・失礼、貴殿はどのような用件でこの修道院へ?」
「それはカンディス様が―――」
「いや、答えなくてよい、シスタークレア」
クレアが答えようとするのを遮って、カンディスが前に出る。その手に何時の間にかあるのは、黒い表紙の一冊のメモ帳とペン。
「この戦士殿は、我輩の事などすぐに忘れてしまうからな」
「それはどう言う・・・はて、シスタークレア、私は何を聞こうとしていたのだったかな?」
きりりと引き締まっていたレスターの顔が、急にぽかんと間の抜けた、情けない顔になる。
「はい、カンディス様が何者なのかを気にしていました」
「我輩と貴殿は初対面。故に、クレアを通して挨拶をしようとしていたのだよ。我輩の名はカンディス、よろしくレスター殿」
「・・・そうだったか?」
怪訝そうに眉をしかめるレスター、だが反論の言葉が見つからない。まるで急に何かを忘れてしまったようだ。
「そう言えば、レスター殿はこれから何処か行く所があったのではないかね?」
「そうだった、本神殿に帰還しなくては。カンディス殿、出会って早々だがこれで失礼する」
そう言うと、レスターは何処か納得がいかない顔つきながらも、教会から外に出て行った。
その様子を見送りながら、カンディスは安堵のため息をついた。
「・・・この『忘却のメモ帳』が無ければ、面倒な事になるところであった」
その手にあるメモ帳には、レスターの名の後に修道院での異常と不審と、書かれていた。
『忘却のメモ帳』とは、対象の名前と忘れさせたい事を書くことによって、対象の記憶から書いた内容を忘れさせると言う効果を持つアイテムだ。忘れさせた事を思い出させるには、書いた文字を消せばいい。
ちなみに、具体的な物事だけではなく○○に対する怒りと言うように、感情も忘れさせる事が出来る。
「アイテムを使う前にあっしらが悪魔だって気がつかれたら、まずいところでしたぜ」
「・・・うむ。最も気配で我輩達を悪魔だと見抜くことは、人間にはまず不可能だがな」
悪魔は、体臭のように己の魔力を無意識にごく少量ずつ身に纏っている。それが悪魔の気配だ。
ザジは偵察や情報収集を主な仕事にしているため、気配を隠すのが上手い。カンディスは・・・なんと悪魔の気配を生まれつき持っていない。
カンディスは、膨大な量の魔力を持ちながらも、自力ではそれを身体の外に出すことが出来ないと言う、悪魔としては重いハンディキャップを背負っていた。しかも体内の魔力は、無限に溜まり続ける。そのためカンディスは、何らかの方法で魔力を定期的に一定以上使わなければ、溜まった魔力が許容量を超えてしまい、暴走して大爆発を起こしてしまうと言う、難儀な悪魔だった。
その何らかの方法というのは、アイテムを使う事も含まれるが、最も効率がいいのは射精という形で魔力を放出することだ。そのため、カンディスにとってセックスは死活問題なのである。
「カンディス様、どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。クレアよ、早くミサの支度を整えるのだ」
「はい」
恭しくお辞儀すると、クレアはミサの支度を始める。それを横目に見ながら、カンディスは開きっぱなしの『忘却のメモ帳』のページにペンを走らせた。
「出会って早々だがレスター君、我輩の事は忘れてもらおう」
ページにはカンディスに関する事全てと、書かれていた。
荘厳なパイプオルガンの演奏と、修道服のシスター達が歌う賛美歌が、教会に響き渡る。シスター達の右端で歌うのは、カンディスが昼間指差したシスターだ。やんちゃな猫を思わせる容貌の少女で、修道服の上からでもカンディスならずともシスターにしておくのが惜しいと思うほどの曲線が見て取れる。
と言っても、今は修道服も随分と過激になっている。カンディスが『偽善者の聖典』に『シスターは、ミサの時は修道服のスカートの裾を、股下十センチまでにする事』と書いたため、全員ミニスカート状態だ。
『シスター? エルマ。成人して二年。スリルを感じることに目が無く、金銭よりもスリルに価値を見出す。胸は現在も成長中、両穴とも処女』
「旦那、何だか『解説魔』の様子が変ですぜ。疑問符ついてるし、解説の内容がシスターのだとは思えませんぜ」
「我輩もそう思うが、『解説魔』に故障は無い。もうしばらく様子を見よう」
「それはそれでいいかも知れやせんが、何で賛美歌なんですかい? 悪魔でしょう、旦那は」
「それはそうだが、さすがに即興で曲を作るのは不可能なのでな」
神を讃える賛美歌が、悪魔に捧げられる。背徳的と言えなくは無い風景だ。
そしていよいよ悪魔を讃えるミサも、淫魔の主催らしい展開になりそうだ。
「では、これより初性交の儀式を行います」
厳格な顔つきの修道院長が、顔つきに合った口調で宣言する。
『シスターエリザベス。成人して三十五年。りょ・・・』
「ストップだ。名前も解説せんでいい。あそこの二人もだ」
あそこの二人というのは、修道院長の補佐の壮年の二人だ。壮年はカンディスのストライクゾーン外なようだ。
宣言にしたがって、シスターたちがスカートの裾をあげようとした時・・・。
「あたしはそんな儀式やんないっ!」
「あたしもよっ!」
いきなり異議の声が上がる。異議を唱えたのは、『偽善者の聖典』の効果があまり無かったミーシャと、本当にシスターかどうか疑問の残るエルマだ。
「ミーシャ、なんて事を言い出すんですっ!」
「だって、ママ・・・」
「シスターエルマ、それはどういうことですか?」
「こんな儀式をしなくちゃいけない理由が無いからよ」
母に怒られつつも、不服を隠そうとしないミーシャ。一方エルマは、修道院長の怒りが静かにブレンドされた詰問に、余裕をにじませて答える。
「初性交の儀式は、カンディス教の一人前のシスターになるのに必要な儀式です。カンディス様の紋章をその身に刻み、精液で子宮を満たし、不浄の穴を清めていただくことで、初めてシスターになれるのですよ」
言い聞かせるように、ゆっくりと言うエシザベス。
「そうよミーシャ。オマンコとお尻の穴の処女を捧げて、初めてカンディス様の僕になれるの。ミーシャは初めてだから怖いかもしれないけど、大丈夫。クレアお姉ちゃん達も初めてだから、怖くないわ」
「ミーシャちゃん、お姉ちゃんがついているし、ママも見守ってくれるわ。心配なんてしなくていいのよ」
ミーシャを説得しようと、ランシャとクレアが落ち着かせるように左右から説く。
「旦那、あの修道院長とランシャの言い方が違うんですけど・・・やっぱり聞きたくないっすか?」
「当たり前だ・・・片っ端から『三十代までは』とか、限定条件を何故つけていると思っておる。
それより、何故二人が儀式を拒むのか聞きださねば」
そう言いながら取り出すのは、黒淵の片眼鏡。
『正直者の片眼鏡』 これを付けている者の質問には、どんな秘密でも打ち明かしてしまう。カンディスの初期の作品の一つだ。
「シスターエリザベスもランシャもクレアもよい。我輩が直接話を聞こう」
カンディスが前に出ると、三人は頭を垂れて後ろに下がった。偉大なる主として、彼女達はカンディスを敬っている。
しかし、ミーシャとエルマは挑戦的に睨みつけている。少なくとも、偉大な主としては見ていない。
「ではミーシャよ、何故に儀式を受けることを拒否するのか答えよ」
「だって、あたしまだ小さいし・・・それに好きでもない変なおじさんにエッチなことされるなんて、嫌に決まってるじゃないっ!」
・・・常識的な理由だ。
「ふむ、つまりは信仰心の無さが原因か。
では、エルマは何故拒否するのだ?」
「決まってるじゃない。嫌だからよっ!」
・・・明確すぎて、理由がわからない答えだ。
「しかしエルマよ、お前はシスターではないのか? シスターであれば、我輩を崇めるのが当たり前のはずだが?」
「・・・そうね。そろそろ潮時かも。
修道長様っ! それにこの場に居る皆に懺悔しますっ!」
重ねて質問をされたエルマが、突然懺悔すると高らかに宣言した。
「実はあたし、シスターじゃないんですっ! それどころか、クロス教の信者でもありませんっ!」
エルマの突然の懺悔とその内容に、声も無い修道院長を横目にカンディスはザジに向かって囁いた。
「どう言う事だ?」
「いや、あっしにはなんとも・・・。あっしは一週間からこの修道院に目をつけたんですが、おかしなところはありやせんでした」
「そうか・・・。
クレア、エルマはいつからこの修道院にいる?」
「はい、二十日前からです。突然やって来て修道院長様に紹介状を見せて、ここにしばらく置いてほしいと」
「つまり、エルマは元々ここに居た訳ではないと言うことか」
カンディスが一人考えている間も、エルマの懺悔は続いている。
「あたしは実は泥棒で、ある町で盗みをしてたんだけど、ヘマをしてあしがつきそうになったので、シスターに変装してこの修道院でほとぼりが冷めるまで、役人をやり過ごそうと思ってここに入り込みましたっ!
もちろん、あの紹介状も偽者です」
修道院関係者の全員が呆然としているのをいい事に、エルマのしゃべることしゃべること。上機嫌なその様子からは、この状況をエルマが楽しんでいる事を確信させる。
これで二人に『偽善者の聖典』が効果を発揮しなかった理由が判明した。ミーシャは信仰心が他のシスターと比べて低く、エルマは信仰心云々以前に信者ですらない。
「なるほど、二人の言いたいことは良くわかった。しかしエルマよ、何故ここまで隠していた秘密を自ら暴露したのだ?」
「懺悔で聞いた内容は、例えどんな話でも他人に話してはならない。基本よ、基本」
「そういうものか・・・?」
『偽善者の聖典』は、特に書かれていない内容に関しては、摩り替わる以前のルールがそのまま機能する。つまりここで懺悔した内容は話してもいいと書き込めば、いきなりエルマの計算は崩れることになる。
しかし、それでは趣に欠けると考えるのがカンディスだ。
「それでは、二人は儀式に参加しなくても構わん。無理強いはできんからな。しかし・・・その前にこの箱を見てもらおう」
出したのは、片手に収まる程度の木の箱。典型的な宝箱の形をしている。
「あたしは母さんも・・・な・・・に、その、はこ?」
「そんな箱・・・なん・・・て・・・」
カンディスの取り出した箱を見て、二人が怪訝そうにした次の瞬間には瞳の理性の輝きが曖昧になる。この箱には目にした使用者以外の者に、ある暗示をかける効果がある。
「だんな・・・この箱なんですかい・・・?」
「きれいな・・・はこ・・・ですね。なかに・・・なにがはいっているん・・・で・・・す?」
「このアイテムには、効果に指向性を持たせるべきかも知れんな。まったく。クレアまだしも、ザジまでかかってどうするのだ。」
予定外に暗示にかかった二人の視線を、マントで遮る。箱が見えなくなれば、この暗示はすぐに消える。箱本来の機能は暗示ではなく、おまけのような物でしかない。
「この箱の中にはお前たちが最も欲しいもの、望むものが入っている」
そう言ってから、箱をゆっくり開いて中身を二人に見せる。
箱の中に入っていたのは・・・。
「これ・・・が・・・」
「あたし・・・の、欲しいもの?」
二人が見つめている箱の中身。それは箱を持っているカンディス自身の幻像だった。
『詐欺師の宝物箱』 箱の中に使用者が自由に幻像を映すことが出来る。その幻像を、見た者にとって最も大切な存在だと思わせる事ができる。
ぼんやりと、『詐欺師の宝物箱』の中に映るカンディスの幻像を、二人は見つめている。
「そう。この我輩こそがお前たちがこの世で最も望む存在だ。我輩に従い、我輩を愛し、我輩の寵愛を受ける。それがお前達の人生で、最高の幸福だ。
しかし残念だ。その幸福を自ら捨ててしまうとは。・・・だが、それも仕方ないだろう。お前達が、幸福を望むのも望まないのも、自由なのだからな」
自分でも笑ってしまいそうな程芝居かかった台詞回しで、わざとらしく嘆いて見せる。
そして、『詐欺師の宝物箱』の蓋をカンディスが閉めると、それまでぼんやりと靄のかかっていた二人の瞳に、理性の輝きが戻ってくる。
「ご、ごめんなさいっ! あたし・・・」
「あ、あたしは、その・・・」
だが、理性が戻ってもそれは『詐欺師の宝物箱』の影響下にある理性だった。二人は顔色を青くして、狼狽する。何せ自分から幸福を捨ててしまった事に、今気がついたのだ。思考は止まり、頭の中は後悔で埋め尽くされている。
「お願いしますっ! あたしをもう一度カンディス様の僕にしてくださいっ!」
エルマは、いち早く立ち直った。そして、一度失ってしまった幸福なる機会を取り戻そうと、カンディスに懇願する。
「なんて恥知らずなっ! あなたにカンディス様の僕になる資格は―――」
「ある」
激高して叫ぶリムリーを、カンディスが制する。
「我輩の僕になるのも、エルマの自由だ。しかし、それ相応の罰は与える。それでよいな?」
もちろんカンディスはエルマを元から手に入れるつもりだった。エルマの不敵さと図太さは、不愉快どころか悪魔であるカンディスにしてみれば、好印象であった。
「ありがとうございますっ!」
エルマは、深々と頭を垂れた。
次にカンディスは、ミーシャに目を向けた。
「ミーシャよ、どうした? そんなに青くなって。何か不満なことがあるのか?」
「あ、あたし、あたしは・・・」
歯の根が合わない様子で、必死に謝罪しようとするミーシャ。彼女にはエルマのような図太さは、無いようだ。
「カンディス様、どうかお願いします。娘の無礼を許し、僕にお加えください。子の罪は親の責任。私がミーシャの分まで罪を背負いますので」
「母さんっ!?」
ランシャが娘を庇うために、前に進み出た。それでミーシャも吹っ切れたらしい。母親のさらに前に出ると、前以上の必死さで懇願する。
「お願いです! あたしもカンディス様の僕にしてくださいっ、罰だって何だって喜んで受けますっ!」
もちろんカンディスにそれを断る理由はない。
「いいだろう。ただし、罰は二人に半分ずつ受けてもらう」
そして、ようやく修道女(一名除く)を悪魔に捧げるためのミサは、再開された。
儀式の始めは、カンディスの印をその身に刻む。
「で、その手袋は一体なんですかい?」
「これは『淫縛の手袋』と言ってな、対象に我が紋章を焼き付ける事が出来るのだ。しかも、ただ焼き付けるだけではない。なんと・・・っと、実際に見せた方が早かろう」
まず前に出たのは、クレアとレイシアだ。クレアは期待に頬を染めて、レイシアは緊張した面持ちで修道服を脱ぎ捨てる。すでに下着はミサの始まる前から付けていない。
「クレアよ、どこに我輩の紋章を刻みたい?」
「はい。私の胸にお願いします」
「私は―――」
「お前は決まっている。尻だ」
「そんなぁっ!?」
自分のコンプレックスの源に紋章を刻まれると言われて、レイシアが悲痛な様子で声をあげる。
「だ、だってカンディス様、カンディス様にご挨拶する時は、紋章を見せないといけないんですよっ!」
無論、その挨拶の作法は『偽善者の経典』でカンディスが決めたものだ。この場合レイシアはカンディスに挨拶するたびに、お尻めくって見せないといけない。自身の大きなお尻がコンプレックスのレイシアにとっては、屈辱的だろう。
「それは、我輩の紋章はいらないと言う事か?」
「そんなことは・・・わかりました。お尻に刻んでください」
目を潤ませるレイシア。カンディスのマントの中から、ザジのため息が小さく響く。
「ではクレアは胸元を、レイシアは尻を向けるのだ」
言われた通りにする二人に、カンディスは『淫縛の手袋』に包まれた両手の平を、それぞれ決めたとおりの場所に当てる。
しゅうぅぅぅっと、カンディスの両手が淡く輝く。
「んんっ」
「あ、あついっ」
焼印を押しつけたにしては、痛みが驚くほど少ない。せいぜい熱い蒸しタオルを押し付けられて、ちょっと驚いたぐらいの物だ。
しかし二人の肌にはしっかりと、カンディスの紋章(左回りに歪んだ六方星)が刻まれている。火傷にもなっておらず肌は紋章が刻まれる前と、同様のきめ細かさを保っている。
「肌に傷を残さず、体感温度も自由自在。さらに・・・」
カンディスが右手でクレアの乳房を、左手でレイシアの尻を荒々しく揉む。すると、二人は痛がりもせずに顔を赤らめ、戸惑ったように小さく喘いだ。
「このように、対象の性感を高める事が出来る」
ニヤリと口の端を歪めて二人から手を離し、リムリーとチェッタに向き直る。
「お前たちは・・・そうだな。リムリーは左腿、チェッタは右腿としよう」
「はい。でも、私のやせっぽちの腿でいいんでしょうか?」
そう自信無さ気に言うチェッタに、カンディスが何か言おうとすると・・・。
「何を言っているの、チェッタ。カンディス様がそこにすると言うのだから、そこでいいのよ」
言う前にリムリーに言われてしまった。
「・・・その通りだ。気にする必要は無い。
我輩の僕になる資格と寵愛は広く与えられているのだ」
「・・・それは単に、旦那が女に見境がないだけじゃあ・・・」
「・・・やかましい」
小声で図星を突くザジに、やはり小声で言い返してから二人の太ももに手の平を押し付けた。
残るはミーシャとランシャ、そしてエルマの三人だ。
「さてお前たちの罰だが、この紋章を与える儀式を罰とする。先の四人の時のように、痛みも無く儀式が終わるとは思わんことだ」
ミーシャが表情を硬くして、そのミーシャの横にはランシャが覚悟の表情で立つ。エルマは二人から少し離れた所に立ち、頬を赤く染めている。
「ただし、ミーシャとランシャは二人で一つの罪の罰を受けるのだから、重さも半分とする」
「ありがとうございます」
「ごめん、母さん。本当にごめんなさい」
美しい親子愛である。
「旦那、今ちょっとだけ良心が痛んだでやんしょう?」
「そ、そんなことは無い。あるはずがないではないか」
動揺しまくって、そんなことを言っても説得力に欠ける事この上ない。
「お前たち三人は、下腹部に紋章を刻むとしよう。まずはランシャとミーシャ、前に」
カンディスの前に母娘二人が脚を開き、性器を晒す。上品に手入れされたアンダーヘアの美しい性器と、まだ産毛程度しか生えていない幼い性器が並ぶのは、それだけで眼福になる光景だ。
カンディスはその性器ギリギリの所に手を当てた。
「では・・・いくぞ」
しゅおおおおおおっ と、音を立てて手袋が光る。
「あう、うぅぅっ!」
「あっつうううううっ!」
本物の焼印のように肉が焼ける訳ではないが、熱さは本物だ。最も、カンディスは言った通り普通の焼印の半分の温度に調整していたが、それでも敏感な肌に高熱が押し付けられた事に代わりは無い。
二人の下腹部から手を離し、残った最後の一人であるエルマに目を向ける。エルマはランシャとミーシャが二人で半分にした温度を、全て一人で受けることになる。
さぞ怖がっているだろうと思っていると・・・たしかに怖がってもいるが、それだけではなさそうだ。
「・・・? エルマ、どうした。様子がおかしいようだが」
「あ、いえ、何でもないです」
そうカンディスには答えるが、エルマは一目で解るくらい興奮しいた。目は潤み、頬は赤く染まり、豊かな胸の頂点は硬く立っている。
これから焼印を押される者としては、あまり考えられない状態だ。
「エルマ・・・お前は泥棒を働くとき、金銭よりもスリルを味わうことを目的にしているそうだな」
「はい。でも、どうしてそれを?」
「気にするな。そんなことより、お前は盗みを働いた後何をしていた? ・・・いや、それは後で聞こう。それより今は、罰が先だ」
楽しくてたまらない。そんな風にカンディスは笑っている。それが見る者に不安を与える。
エルマの下腹部に右手を当てて、今度は最大の温度で手袋を発動させる。
じゅおおおおおおっ! と、今までに無い激しい音と輝き。
「あづうぅぅぅっ! 焼けるぅぅぅっ、やけちゃうぅぅぅううぅぅうっ!」
がくがくと、膝を折りそうになるのをそれでも何とかエルマは耐えた。下腹部が文字通り焼けるように痛むが、自分は一度カンディスの僕になるのを拒否している。もしかしたら、ここで膝を折って紋章が正しく刻まれなかったらもうチャンスはないかもしれない。そう思えば、彼女は逃げるわけにはいかない。
人間は、一度失いかけたがまた戻ってきた希望を、捨てられないものだからだ。
肉が焼ける程の熱さを感じたが、やはりエルマの下腹部が焼けることはなかった。『淫縛の手袋』の発動時の熱は暗示による物と言える。輝きも音も、それをより本物のように感じるようにとカンディスが付け足しただけの物だ。おまけに過ぎない。
が、痛みはリアルだ。エルマはその場にがっくりと膝をついた。
「これで三人の罪は帳消しだ」
『ありがとうございます』
三人は声を揃えて、自分に消える事ない印をつけた悪魔に頭を下げた。
いよいよ七人のシスターの、未開通の十三の肉穴をカンディスが頂く時が来た。禁欲生活と言う、本来淫魔とは無縁のはずの物を一月近く経験したカンディスにとって、今すぐ獣と化してシスター達に襲い掛かり、思う様肉欲を満足させたくてたまらなくなる時間だが、それをカンディスは趣が無いと自制した。
せっかくの獲物なのだ。もう少し趣向を凝らさなくては、もったいない。
しかし今はこれ以上道具を使うのも避けたい。魔界から持ち込んだ道具の中には、未完成の物や今の状況で使うには適さない物も多い。それに、道具を見せびらかすために人間界に来た訳ではないのだ。
「が、どうするか。エルマはもうネタはあるが、他は・・・『偽善者の聖典』はここまでくれば、新しく何か書き込む必要は無い。では・・・『忘却のメモ帳』と『正直者の片眼鏡』でどうとでもなるか」
道具と頭は使いよう。型にはまった使い方なら、誰でも出来る。そんな言葉を残したのはたしか人間だったとカンディスは記憶している。その言葉は事実だと認めていた。
順番は紋章をつけた順にすることにした。そして、基本は二人一組ずつ相手にすることにした。そのくらいが丁度いい。
「ではクレアとレイシアよ、まずはお前たちだ」
「はい。カンディス様、どうぞ私の処女をお受け取りください」
「く、ください」
クレアは期待に目を潤ませ、レイシアは緊張で身体を硬くしてカンディスの前で頭を下げる。そして上げた時、目に入ったのはカンディスのペニスだった。
「っ!?」
「っひぃ!」
至近距離で目にした二人はもちろん、ランシャとエルマ以外はその場の全員が息を呑む。今まで一度も目にした事の無かった男性器は、すでに天に向かって自己主張をしている。
「どうした? これがお前たちの身体の中に入り、処女を奪うのだ。それはお前たちも望んだ事なのだろう?」
カンディスの意地の悪い言葉に、さすがの信仰心も即答できないようで、クレアもレイシアも言葉が無い。
カンディスはその初々しい反応を楽しみながら、手に持つのは『忘却のメモ帳』だ。いきなりメモ帳を手にとっても、何を? とクレア達は疑問に思っても口に出さない。『偽善者の聖典』にすでに書き加えてある。
『忘却のメモ帳』にクレアの名を書き、その下に『性器と肛門の痛み』と書く。そして次に、『淫縛の手袋』の力を発動させる。これでクレアの準備は終わりだ。
「クレアよ。レイシアは緊張しているようだから、まずはお前が我輩に両穴の処女を捧げ、手本を見せてやるがいいだろう」
「ああ、光栄です。カンディス様」
クレアはカンディスに身を任せた。『淫縛の手袋』の効果か、異性が触れたことも無いその性器は、しっとりと期待で濡れている。
「これならもう前座は要るまい。我輩も余裕が無いのでな、このまま入れさせてもらおう」
カンディスは前座もせずに、クレアの膣口に挿入を開始した。ズプりと、亀頭を押し付けるようにクレアの処女穴に入れる。
通常の処女なら、いくら濡れていても痛みを訴え、悲鳴を上げるはずだ。しかし、クレアは悲鳴も上げなかったどころか、痛みも訴えなかった。
「ああぁー、入ってきます、私のオマンコの中に、カンディスさまのが入ってきますぅ」
痛みどころか、快感を訴えるようにその声には悦びが多分に含まれている。当たり前だ。『忘却のメモ帳』によって性器と肛門の痛みを忘れているのだから。
今のクレアは肛門が切れようが、クリクトスに針を突き立てられようが、痛みを感じることは無い。
これで他のシスターの緊張を解くことも狙いの一つだ。
そして、ブツリと言う音がカンディスの耳に届いた。
「ど、どうですか? クレアの処女マンコは。お気に召しましたでしょうか」
「ああ、気に入ったとも。我輩が禁欲生活を一ヶ月していたことを差し引いても、充分に上物だ」
事実、キュウキュウと締め上げてくるクレアの性器に、今にも射精してしまいようだった。
しかし、仮にも淫魔の女王の息子にして魔王候補がそんなに早く出してしまうなど、面子にかかわる。
カンディスは激しく腰をクレアに打ちつけ始めた。先程まで処女だったクレアの性器からは、その証が流れ出てくる。
「あひいぃぃぃっ! カンディス様っ、すごいですぅぅぅっ、オマンコがカンディス様のチンポとこしゅれて、熱くて溶けひゃいますぅぅぅっ!」
しかし、クレアのろれつの回らなくなった口から出てくる淫語と同様に、止めどなく愛液が流れ出してくる。二人の性器がぶつかり合うたびに、グジュグジュと音を立てて泡立つ。
性感を高められ、快楽の邪魔をする痛みを感じなくさせられているクレアを止めるものは、もう存在しない。ただただオルガニズムの高みへと上っていくだけだ。
「とんひゃうっ! とんひゃいますぅぅぅっーーーっ!?」
どびゅるるるぅっびゅくびゅく と、クレアが上り詰めるのと同時に、カンディスは大量の精液を膣内に放った。
クレアの膣口からペニスを引き抜くと、間を置かずに肛門に挿入した。ろくにほぐされていない肛門は、かなりの抵抗をしたが、ズブズブとカンディスのペニスは潜り込んでいく。プチプチと、何かが千切れる音と赤い血が流れだす。
激痛のはずだが、これもクレアには痛みを与えない。与えてはいるが、感じさせない。クレアが感じるのは、今まで感じたことの無い肛門からの快楽だけだ。
「あああっ、うあああっ、もっと、もっと突いてくださいっ! 私のケツの穴をカンディス様のチンポで綺麗にしてくださいぃぃぃいぃぃいっ!」
舌を出して涎を垂らしながらそう懇願するクレアを、シスターだと思うものはもういないだろう。その様子から連想できるのは、淫乱なメス。それだけだ。
素晴らしい締め付けに、禁欲生活の長かったカンディスが長時間持つはずは無い。すぐにクレアの直腸に膣と同程度の量と濃度の精液を出してしまう。
「―――――――ッ!」
すでに声になっていない声を上げ、クレアが身体を再度痙攣させる。二回目のオルガニズムは、一回目よりも高く深かったようだ。
ズポリとカンディスがペニスを引き抜くと、膣口とまだ開きっぱなしの肛門から、精子が流れ出していた。
「ところで旦那、いくら禁欲生活が長かったからって、あんなに乱暴にしてよかったんで? この娘のケツしばらく使い物になりませんぜ」
「いや、よく見てみるがいい」
カンディスは血の赤と精子の白の二色の液体にまみれたクレアの肛門を、指でよく見える液体をぬぐってやる。
すると、驚いたことにクレアの肛門は傷一つ無かった。
「これが我輩の魔力がふんだんにブレンドされた精液の力だ。受けた者の傷を癒し、その身に宿り定着する」
そして、その分カンディスは魔力を消費する。が、それはカンディスにとってメリットにしかならない。
半ば放心状態のクレアの前に、クレア自身の腸液と己の精液で濡れた指を持っていくと、クレアは瞳に恍惚の色を浮かべて、その指を舐め始めた。
「お前もこれに助けられたのであろうが」
「・・・そうでやんした。死に掛けていたあっしを、旦那が道具で人間大に大きくして・・・」
「む、昔の話はともかく、続きをするぞ、続きをっ!」
話が都合の悪い所に行きかけたので、慌ててカンディスは儀式を再開することにした。
次はレイシアの番だが、レイシアは緊張で完全に固まってしまっている。クレアの痴態を見て、緊張が解けるどころか、増してしまったようだ。
「レイシアよ、恐れることは無いぞ。もっと楽にするが良い」
「お、恐れているわけじゃないんです。ただ、クレアのように上手くできるか自信が無いんです」
その言葉に嘘はない。『正直者の片眼鏡』は、いまだその効力を発揮している。
「上手くも何も、穴があれば旦那は満足だって言うのに」
「・・・ちょっとは主人に敬意を持たんか。
その心掛けが気に入った。我輩がレイシア、おまえをセックスのプロフェッショナルにしてやろう」
カンディスは『忘却のメモ帳』をひっくり返し、裏からページをめくった。
このアイテムは裏からページをめくって使うと、まったく逆の効果を発揮する。つまり、対象が知りもしない事を覚えさせることが出来る。赤子に帝王学を習得させる事も可能だ。・・・使いこなせるかどうかは別にして。
レイシアの名の下に、カンディスは『絶妙な腰使い』と『性器と肛門を使った自慰の方法』の二つを書き込む。
「さあレイシアよ、まずは我輩を受け入れやすくするために、己を慰めるがいい」
「は、はいっ! がんばれ私っ、やれば出来るはずですっ!」
「・・・いや・・・そういう意味ではない。マスターベーション、自慰をしろと言っておるのだ」
「え、あっ、そうですよねっ、すみませんすぐやりますっ」
そう言って、レイシアは慌てて自分の性器と肛門にそれぞれ手を伸ばす。最初はたどたどしく、稚拙な動きだったが、すぐにそれが変化し始めた。
性器はクリクトスを優しく弄り、膣口には軽く指を入れ出し入れを繰り返し、クリクトスに刺激を加える。肛門は、指の腹でシワに沿うようにマッサージをする。
「へ、変です、おかしいです。こんな、こんなの知らなかったのにぃ」
戸惑いの声を上げながら、レイシアの指は止まらない。湿り気の足りなかった性器は、性感を強化された事もあり洪水のように愛液を分泌している。
ビチャビチャといやらしい音を立てて、レイシアが己の性器と肛門で自慰を続ける。それを横目で見ながら、順番を待っているリムリー達に目を向けて、カンディスは一つ質問をした。
「お前達、自分をああやって慰めたことはあるか?」
「あ、あるはずがありませんっ!」
リムリーが、顔を赤くして真っ先に答える。予想通りの答えだ。見るとそれに同意するようにチェッタとミーシャが、頷いている。
クレアは・・・まだ放心状態から回復していないが、おそらくした事は無いだろう。
「お前たちから見て、レイシアの自慰はどうだ?」
リムリーの言葉に頷かなかった二人、ランシャとエルマに聞くと、やはり正直に答えてくれた。
「わ、私の時は・・・」
「母さんもあんなふうにしてたのっ!?」
「してないわっ! あんなにいやらしくっ」
ぎょっとして声を上げるミーシャに、慌てて言う。これはアイテムの効果と言うより、ミーシャのせいかもしれない。
「あたしは・・・お尻の穴まで弄ったことは無いから・・・。でも、この子すごいわ。普段からやってないと、あんなに濡れないわよ、普通は」
エルマが感心するように答えた。シスターの変装をしていただけの彼女は、忌憚無くこの手の意見を言える。
「わたしぃ、いやらしくなんか無いですっ、それに、普段からこんな事ぉ、んあぁぁぁっ、ああぁーっ!」
抗議の言葉の途中で、ビクビクと身体を震わせるレイシア。カンディスが思っていたより時間がかかったが、オルガニズムに達したようだ。
「そう言うけど、そんなに気持ちよさそうにしてたんじゃ、説得力無いわよ」
「まったくだな」
「そ、そんなこと言われても・・・」
エルマとカンディスにそう言われて、瞳を潤ませるレイシア。しかしその瞳には、隠し切れない程の悦びが浮かんでいる。
「レイシアよ、自慰は気持ちが良かったか?」
「そ、それは・・・」
カンディスの問いに、レイシアは答えたくなさそうに言いよどむ。その反応を確かめ、カンディスは胸の内で『正直者の片眼鏡』の強化改造を決めた後、もう一度同じ質問を繰り返した。
「レイシアよ、自慰は気持ちが良かったか?」
「はい・・・とっても気持ちよかったです」
仕方なく、レイシアが答える。
「どのように?」
「それは・・・お豆が―――」
「クリトリス。それの事はクリトリスと言うのだ」
「クリトリスがピリピリして、お尻の穴がだんだん熱くなってきて、指が止まらなくなって・・・」
自慰の最中のことを説明して興奮しているのか、性器からまた愛液を分泌させ始めた。
『淫縛の手袋』によって高められた性感と、裏返しの『忘却のメモ帳』で習得させられた自慰のテクニック。これにより効果以外にも、レイシアには素質があったのかもしれない。
「そのあたりで説明はよい。そろそろお前の肉穴も緊張も、ほぐれてきただろう。さ、我輩に処女を捧げるがよい。皆によく見えるようにな」
そう言ってカンディスは、その場で仰向けに横たわった。
「あの、カンディス様?」
「あれは自分でしろって意味よ」
レイシアが困惑の声を上げるが、エルマのアドバイスで自分に何が求められているかを理解する。
「しろって、上に乗るんですかっ!?」
「それ以外にどうやってやるのよ。それと、カンディス様に背中を向けてね」
「でも私、そんなの・・・」
そう言いながらも、レイシアはぎこちない動きでカンディスをまたいで、カンディスに背中を向けて、ゆっくりと腰を降ろし始める。
「知らない・・・はずなのになんで、こんな・・・?」
知らないと言う言葉と裏腹に、レイシアはカンディスのペニスを片手で支え、自分の膣口に標準を合わせる。その動作からは、徐々にぎこちなさが消え、慣れが見え始める。
すでに愛液が滴っている膣口に、カンディスのペニスが当たる。
「は、入って、入ってきちゃいますぅ」
ズプ、プププ・・・ブツリッ レイシアは己の中にカンディスのペニスを飲み込みながらゆっくり腰を降ろし、その処女膜を自ら破る。
「ひぎっ! あ、ひあああ」
クレアの時のように、痛みを忘れさせられているわけではないので、レイシアの動きが処女喪失の瞬間、悲鳴を洩らし腰の動きを止める。しかし、すぐに再開した。
そして、そのままレイシアは腰を降ろし続け、レイシアの性器はカンディスのペニスを根元まで咥え込んだ。
処女を喪失したレイシアが落ち着くのを待ってから、カンディスはまた問いかけた。
「こう言う時、どう腰を動かすのか知っているか?」
「し、知らない・・・ですぅ。わたし・・・そんな・・・」
「ではそうだな・・・目を閉じて腰を動かしてみるといいだろう。お前が気持ちいいと思う動き方をしてみろ」
カンディスに言われた通りに目を閉じてから、レイシアはどう動けば自分が気持ちいいかをイメージした。処女膜が破れてから間もない性器は痛んだが、それ以上に熱いペニスがもたらす快楽は大きく、イメージの妨げにはならなかった。
レイシアが腰を動かし始めた。まずはゆっくりと上下に。次第に早く、激しく、上下に左右に腰を振る。
「んあああぁあぁぁっ! カンディスさまぁ、こうしてぇぇぇっ」
膣できゅうぅぅぅと、ペニスを締め上げながら腰で右に弧を描くように昇り・・・。
「こうするのがぁぁぁ・・・」
亀頭が抜ける寸前で止まり、一気に腰を降ろす。
「きもちいれすぅぅぅっ!」
パンッと、音を立ててレイシアの尻が着地する。
そろそろいいだろうと、カンディスはにやりと笑って言った。
「もう目を開けていいぞレイシア。
ところで皆よ、レイシアの腰使いを見てどう思う?」
レイシアが目を開けてまず見えたのは、自分を見つめる幾つもの目だった。
「す、すごい・・・」
「あんなに腰を振って・・・気持ちよさそうに。ああすると、カンディス様も気持ちがいいの・・・」
「か、母さんはどう思う?」
「すごいと思うわ。・・・私は、あの人とした時でも、あんないやらしい動き出来なかったもの」
正面から散々言われ、思わずレイシアの動きが止まる。しかし、すぐにカンディスが下から腰を上げて、一突きすると・・・。
「あはぁぁぁんっ!?」
喘ぎ声を上げて、腰の動きを再開した。
「うらやましです」
それまで放心していたクレアが、口を開いた。
「私はそんなすごい腰の動かし方を知らなかったから、カンディス様に奉仕できなくて・・・」
「すっごい。あたしはまだ男とやったこと無いけど・・・そんな腰の振り方知ってるの、きっと淫乱女だけよ」
「淫乱なんてぇ、そんな事、あひぃぃぃっ」
レイシアは抗議しようとするが、喘ぎ声で後が続かない。
「そんな事言っても、さっき以上に説得力無いわよ」
レイシアの性器はとめどなく愛液を分泌し、接合部からは腰が動くたびグチャグチャと水音を立てている。肉付きのいい大きな尻は、パンパンと耳に心地いいリズムを刻んで、止まる気配は全く無い。
これでは誰もレイシアの言葉を信じないだろう。
「そんな事いっれもぉっ あひゃあぁぁぁっ!」
抗弁しようとしたレイシアの肉穴に、カンディスがドクドクと注ぎ込む。タイミングを計っていたのだろう」
「レイシアよ。今、お前は淫乱じゃないと言おうとしたのか?」
絶頂の余韻に浸るレイシアに、また問いかける。
「はい・・・あたしは、淫乱じゃないです・・・」
「ほほう、そうか・・・。
クレア、我輩の記憶が正しければ、淫乱とは自分からペニスを銜え込み、愛液を洪水のように流しながら腰を振る者の事を言ったはずだ。
では、このレイシアはそうではないか?」
この質問は、答えが一つしかない。クレアがレイシアを淫乱だと思っていれば当然答えはイエス。思っていなくても、レイシアはカンディスの言う淫乱の行為をしていたので、やはりイエスだ。
『汝、主を疑うこと無かれ』である。
「そうです。レイシアは、淫乱です」
「そ、そんな・・・」
クレアにまで断言されて、レイシアが言葉を失う。しかし、それだけでこの言葉責めは終わらない。
「クレアまでそう言うのだから、レイシアが淫乱なのは動かしようの無い事実なのだろう。となると・・・レイシアは我輩に偽りを口にしようとしたわけだな?」
「そんな事っ!」
血の気が引いた顔で、レイシアが振り返る。しかし、それ以上の抗弁は出てこない。カンディスが自分を『淫乱』だと決めたのだから、それに口を挟むことは出来ない。だがそれではカンディスを偽ってしまったことになる。
「しかし我輩の心は広い。お前の順番が終わるまでにお前が偽りを認め、真実をこの場に居る全員に告白すると言うならば、お前の罪は忘れよう」
「はいっ、私は―――」
レイシアが勢い良く告白を開始した瞬間、カンディスはレイシアから己のペニスを引き抜くと、ついさっきレイシアが自分自身でほぐした肛門に挿入を開始した。
「あぎぃぃぃっ!?」
「私は・・・なんだ?」
「わた・・・し・・は・・・」
肛門に深々とペニスを挿入され、大きな快楽と小さな痛みで頭が真っ白になりそうになっても、レイシアは言葉を何とか紡いでいた。
「私は・・・淫乱で・・・す」
「たしかにそうだが・・・言葉が足りんな。もっと詳しく」
「く、詳しく・・・ですか?」
「そうだ、少し前の自分と自分の今の姿を省みるがいい」
カンディスはまだ腰を動かしていない。なので、レイシアはまだ自分を省みる余裕があった。
少し前の自分・・・裸で自分を慰め、それどころか処女であるのに自分で腰を振り、処女を捧げ絶頂に達した。
今の自分・・・ついさっきカンディスに出された精子を性器から垂らしながら、肛門を貫かれ、気持ち良くて今にも喘ぎそうになっている。
「省みたか? そう、それがお前の真実だ」
悪魔の囁き。しかしそれはレイシアにとって神の神託に他ならない。
「わ、私は自慰のときクリクトスだけじゃ物足りなくてっ、肛門も弄らないとイケない淫乱です!」
「まだだ、続けろっ」
「はっ・・・ひいぃぃぃっ!?」
返事をして続けようとしたが、ここでカンディスが腰のピストン運動を開始した。
「私はあぁぁぁっ 自分から、チンポを処女マンコにハメて、処女膜を破るぅ、淫乱女ですぅぅぅっ!」
ズブズブと肛門を陰茎でえぐられねがら、レイシアが叫ぶ。
「まだお前の真実の、半分も告白していないぞ? さっさと済まさないと、お前の番が終わってしまうぞ」
「オマンコからぁ、出していただいたザーメンをぉぉぉっ、垂らしながらケツの穴をえぐられて感じてる、淫乱女ですぅぅぅっ!」
「惜しい、もう少しだ。それで今までのお前は語れたが、これからのお前はまだ語れていないな」
これからの自分・・・それをレイシアは考えた。快楽に押し流されそうになりながら、考えた。自分のこれからとは何だ?・・・。
答えは出た。
「カンディス様に、体中の肉穴で奉仕するっ、淫乱僕なりたい淫乱女ですっ」
「よし、いいだろう。さ、今度も自分で動くがいい」
腰の動きを止めてしまったカンディスに、言葉通りレイシアが代わりに腰を動かして奉仕する。
「ひっ、ぎぃっ、あぁぁぁああぁっ!」
喘ぎ声を上げ、腰をくねくねとさせながら振るレイシア。知らないはずの動きを知っていようが、もうレイシアが戸惑うことは無い。
「レイシア、お前は何だ?」
「わたひはぁ、チンポをハメていただくのが大好きなぁ、淫乱ケツ振り女ですぅぅぅっ、オマンコでもケツでもどちらでも、何度でもぉぉぉ、ハメてくだひゃいぃぃぃっ」
その言葉を聞いて、カンディスはそれまで抑えつけていた射精感を解放した。未使用だった肉穴の締め付けと、熟練の腰使いの組み合わせに、そうそう我慢が出来るはずは無いのだ。
直腸にたっぷりと注ぎ込まれ、まだぽっかりと開いたままの肛門と膣口から精液を洩らしつつ、レイシアは時折ピクピクと身体を震わせる。
その様子をカンディスは満足気に眺めていた。
「クロス教の教えも、なかなかいいものだな。予想以上にうまくいった」
「・・・祖も言葉を聖者クロスが聞いたら、怒り狂いますぜ」
「その時は懺悔するさ。それで許してくれるのだろう?」
次はチェッタとリムリーの番だ。カンディスは二人をどうするのか・・・実はまだ考え付いていなかった。
「どうしたものか・・・二番煎じはつまらんしなぁ」
とりあえず、時間を稼いでその間に考えるかと、順番を待っているミーシャとランシャに命じることにした。
「ランシャ、我輩の代わりにミーシャの準備をしてやれ」
「準備・・・そんな事親子でっ!?」
「出来んか? それでも我輩は構わんぞ。ただし・・・」
カンディスはまだ成熟さとはほど遠いミーシャの幼い裸体に、視線を這わせた。
「我輩の男根を突き入れるのだ、ただ痛いだけでは済まんだろうな。膣は裂け、肛門は括約筋ごと切れ、排泄物が一生垂れ流しになるかもしれん。
いや、そもそも我輩がミーシャの罪を半分ランシャが背負うことを許したのも、お前たちの愛故。その愛が無いというのなら、わかるな?」
カンディスはそう言っているが、例えミーシャがカンディスの言う通りの状態になっても、精液に触れればすぐに治癒する。そもそも、そんなもったいない事をカンディスがするはずが無い。
しかし、そんな事はこの親子にはわからない。ミーシャの顔から血の気が引いて行くのを見て、ランシャも覚悟を決めたようだ。
「ミーシャ、お母さんに任せて、楽にするのよ」
「か、母さん、でも・・」
まだ躊躇するミーシャを横にすると、ランシャは己の舌で娘の幼い性器を舐め、唾液で濡らした指で肛門に刺激を当てえ始める。
「やあぁ、そこ汚いよぉっ」
「そんな事無いわ、ピチャ、大丈夫、んちゅうっ、お母さんが綺麗にしてあげるから」
「うーむ、感動的な親子愛だな」
「一応言っておきやすけど、倒錯的な親子愛の間違いですぜ。それより旦那、あの二人はどうするんで?」
「ああ、それは思いついた。テーマは愛だ」
まず、『忘却のメモ帳』の裏から、チェッタとリムリーの名を書き、その下にお互いを愛する心と書き、さらにお互いを愛し合っていると書く。これで二人は、潜在的にはレズのカップルとなる。
これでよし。
「チェッタ、リムリー、二人とも我輩に隠していることがあるな?」
隠すも何も、たった今覚えさせられた心なのだが、二人はカンディスの詰問にギクリと全身をこわばらせる。
「そ、そんな事ありませんっ」
「いや、あるはずだぞ。正直に言ってみよ、チェッタ」
言い逃れようとしたチェッタに、カンディスはそう言ってからリムリーに目を向けた。
「お前が言わないなら、リムリーに罰を与えよう」
「な、そんなっ!」
悲鳴のよな声を上げ、チェッタが言葉を詰まらせる。
「いいの、チェッタ。カンディス様は全てお見通しよ・・・」
「でも・・・」
「いいのよ。私は、チェッタとならどうなっても構わない」
「リムリー・・・」
「・・・いや、ちょっとすまんが・・・何故にそこまで悲劇的になるのだ?」
突然の悲劇ムードに、カンディスがやや困惑したように声をかける。
「それは・・・同性愛は禁じられているからです」
リムリーの答えを聞いて、カンディスは一冊だけ残しておいたクロス教の聖典のページを、猛然とめくり始める。
しばらくして、該当の項目を発見した。
「・・・こんなことまで禁じられているとは。この宗教は人間の本能を全て否定するきか?
せめて、女同士の同性愛くらい認めてもよかろうに」
「旦那、ボケは一度に一箇所にしといてくださいや」
とりあえず、前言を翻す事になるが『偽善者の経典』に同性愛に関するルールを書き加えることにした。『同姓でもカンディスの前で誓いの儀式をするのなら、その愛を認められる』・・・そう書き終わると、カンディスは再度二人にもを向けた。
二人はやや戸惑いつつも、今新たに改竄された教えが脳裏に浮かんでいるはずだ。
「カンディス様、今まで黙っていましたが、私達愛し合っているんです」
「お願いします、私達に誓いの儀式をさせてくださいっ」
ずいぶんと早い決断だが、カンディスにはそれは好都合だ。
「よかろう・・・。これから我輩の言葉を復唱しながら実行するがよい」
『はいっ!』
幸福に瞳を潤ませながら、二人は儀式に望む。
「私達は、カンディス様とお互いを愛することを誓い、ここにカンディス様の男根を同時に舐めることで誓います」
『私達は、カンディス様とお互いを愛することを誓い、ここにカンディス様の男根を同時に舐めることで誓います』
二人は復唱が終わると同時に、カンディスの出しっぱなしのペニスに同時に舌を這わせる。端から見れば、ただのダブルフェラだが、二人にとってはカンディスの男根越しの誓いのキスだ。
「私達は、これより自慰の代わりにお互いの性器を擦り合い、肛門を弄りあうことで慰め合う事を誓います」
『私達は、これより自慰の代わりにお互いの性器を擦り合い、肛門を弄りあうことで慰め合う事を誓います』
今度はペニスから舌を離し、チェッタが上、リムリーが下になってお互いの性器を擦り合い、相手の肛門に指を伸ばす。
「リムリー、リムリーの指気持ちいいのぉ、お尻にもっと指突っ込んでぇぇぇっ!」
「あうぅぅぅっ! チェッタのクリトリスが、私のクリに擦れていいのぉっ」
性感を高められていること+愛している相手も愛撫と言うことで、二人の性器はビチャビチャと愛液を分泌し、擦れるたびに水音を立てる。肛門も、進入してくる指を異物ではないと判断したかのように、旨そうに指を咥え込んでいる。
「私達は、共にカンディス様の僕として生きていく事を誓い、ここに処女を捧げます」
『私達は、共にカンディス様の僕として生きていく事を誓い、ここに処女を捧げます』
カンディスがまず挿入したのは、チェッタの性器だった。
「あぐぅっ! 大きいぃぃぃっ!」
「ああっ、チェッタのお尻の穴、指をきゅっと締め付けてるぅっ」
愛液でグチャグチャになっていたチェッタの膣口は、何とかカンディスのペニスを飲み込んだ。
「リムリー、我輩の動きに合わせて、交互に指を入れるのだ」
「はいっ」
グチャグチャとカンディスがペニスをチェッタの膣に出し入れすれば、リムリーがそれと交互に指を肛門深くに突き刺す。
「あぎぃ、はあああぁぁんっ! オマンコとお尻が溶けちゃうぅぅぅっ!」
背中を弓なりに反らし、チェッタが絶頂に達する。そして、リムリーの直腸に潜り込んでいるチェッタの指が、グリンと、激しくリムリーの肛門をえぐる。
「ひぃぃぃっ、お尻熱いぃぃぃっ!」
そして、チェッタに遅れてリムリーも達し、カンディスも小さなチェッタの膣内に、溢れよとばかりに精液を注ぎ込んだ。
ジュプリとペニスを引き抜くと、チェッタの膣口から溢れ出た精液が、下のリムリーの性器に垂れていく。
「あ、どろどろしてて、熱い」
「それをお前にも注ぎ込んでやろう」
すぐに、リムリーの膣口に当てがいズププと、一気に挿入する。
「あぐぅぅぅっ! カンディスさまぁぁぁっ!」
絶頂に達したばかりで、敏感になっている所に挿入され、カンディスの名を叫びながら、きゅうぅとチェッタを抱きしめる。
「大丈夫。あたしがちょっとの痛みなんて気にならなくしてあげる」
チェッタはリムリーを落ち着かせるためか、優しく囁くと愛する女の肛門に入り込んでいる指を、一気に引き抜いた。
何をするつもりかとカンディスが問おうとするが、チェッタはそれよりも早くさっきまでリムリーの肛門に入れていた人差し指に、中指を添えると、そのまま一気に突き入れた。
「ぎひぃぃぃぃぃっ!?」
濁った悲鳴をリムリーが上げる。しかし、それに構わずチェッタは二本の指を根元まで入れると、同じ勢いで引き抜く。
「んひぃぃぃぃぃぃ!?」
しかもただ引き抜いただけではなく、指を鉤状に曲げて。デリケートな内臓をこれでもかとかき回す。
「・・・やりすぎではないか?」
ややひるんだカンディスが言うと、チェッタは笑顔で答える。
「そんな事ないですよ、リムリーも私のお尻の中の指を動かすのを忘れるぐらい、気持ち良いって」
「それは単に、余裕が無いからだと思うが・・・ザジよ、我輩もしかして、引いてはいかん引き金を引いてしまったんじゃなかろうか?」
「・・・じゃあ、記憶を消しますかい?」
「いや、このままにしておこう」
気を取り直してリムリーの中に注ぎ込むと、その時点でリムリーが気を失った。放心状態などではなく、完全に気を失ったのだ。
「リムリー、起きないと儀式が終わってしまうわよ」
「いや、これで起きろというのは無理だと思うが・・・」
カンディスの言う通り、リムリーが意識を取り戻すのは、しばらく後になるだろう。
「しかし、儀式は続けなければならんしな・・・まあ、良いか」
そう言って、あっさりと方針を変えてしまった。意識を失っている相手でも、それなりに楽しめるがやはり味気ない。そう判断したためだ。
「チェッタよ、お前の肛門はリムリーによって清められ、リムリーはお前に清められた。これでお前達の僕の儀式は終了だ。そしてここに、お前たちの愛を認め、ここに祝福する」
取り繕って終了・・・と使用としたら、チェッタが残念そうな顔をする。
「そんな顔をするな。後で二人そろって抱いてやる」
「はいっ!」
輝く笑顔でチェッタは頷いた。
それで、残りはランシャ、ミーシャ、エルマ、の三人になった。
ランシャは、カンディスに命じられた通りにミーシャの愛撫を続けている。クリクトスを舐め、膣に指の第一関節まで入れて処女膜を破らないように軽く出し入れする。それと同時に、肛門にもクニクニとソフトなマッサージを行う。動機が娘のためとは言え、淫靡な光景だ。
「あぁんんんっ、くぅ、はあぁぁぁんっ、母さんっ」
ランシャの愛撫による快楽に、幼い肢体がヒクヒクと痙攣する。絶頂に達したようだ。
「ああも一生懸命だと、もう少し時間をやりたくなるな」
二人の次のエルマに目を向けると、もじもじと両腿をすり合わせている。尿意を催した訳ではないようだ。その証拠に、エルマの性器からは透明な液体が漏れ出ている。
愛液だ。
「エルマ、自慰をしたわけでもないのに、一体何をそこまで興奮している?」
そうカンディスに訊かれると、エルマは慌てて姿勢を正した。
「こっ、これからカンディス様に処女を捧げられると思うと、身体が勝手に火照ってしまうんです」
「違うな」
エルマの返答を一刀両断すると、カンディスはむんずとエルマの豊かな胸を鷲?みにした。
「あうぅん」
「お前が興奮している理由は、そんな事ではあるまい。・・・我輩が気づいていないとでも思っていたのか? お前がクレアの時もレイシアの時も、そしてチェッタとリムリーの時もじっと見ていた事を。発情したメスの目で」
「それは・・・はい、あたしはクレア達がカンディス様に犯されるのを見て、発情してました」
これ以上誤魔化しは通じないと判断したか、エルマが正直に言う。
「ほう、何故だ?」
「それは・・・」
エルマが言いよどむ。しかし、それをカンディスが許さない事をエルマは、レイシアが犯された時に知った。
「クレアみたいに変になる一歩手前まで犯されたり、レイシアみたいに恥ずかしい事を大声で言わされながら置かされたり、リムリーみたいに、気絶するまでお尻の穴をほじられるのかと思うと・・・」
エルマが見たのは、多くの女性なら悪夢のような光景と思うかもしれない。
しかし、エルマがその多くの女性に含まれていないことは、明白だ。それはエルマが話し出してから、性器の愛液の分泌量が誰も触れてもいないのに増したことから、推測が出来るだろう。
「思うと?」
「・・・オマンコが疼くんです」
「くっくっくっくっく、やはりな。お前には素質があると思っていたのだ」
上機嫌のカンディスに、エルマは怪訝そうに首をかしげる。
「あたしに、何の素質が?」
「もちろん、マゾヒストの素質だ」
そう言いながら、カンディスはギリリとエルマの乳首に爪を立てる。
「痛いっ」
エルマはそう言うが、その短い悲鳴には痛み以外の物も含まれている。
「エルマ、お前は盗みの後何をしている?」
「オ、オナニーをしてましたっ、見つかりそうになったり、捕まりそうになって何とか逃げ出せた時なんかは、身体が火照って仕方なくて・・・オナニーしないと寝付けなかったんです」
「ほれ、お前は自分ではスリルが求めているように考えているようだが、そうではない。お前は自分を虐めるのが好きな、マゾヒストだ。
よくお前のような盗賊が、その年まで純潔を守ったものだと思っていたが、普通の男に興味が無かっただけなのだろうな」
「はいっ、そうですっ」
「そうだ、それでいい。
さて、この正直者にどんな褒美を授けてやろうか・・・」
考えるふりをしながら、カンディスは懐から道具を取り出した。
「旦那、それはなんですかい?」
ザジが小声でその正体を聞いた道具は、革の鞭のように見えるものだった。
「・・・ただの鞭だ。特に何の魔力も無い」
「・・・なんでそんなもんを持ってるんですかい。あんたは」
「淫魔のたしなみだ」
さらりと答えて、カンディスは己の魔力を『淫縛の手袋』に注ぎ込む。また紋章をつけようと言う訳ではない。こうすることによって、紋章をつけた者の性感をより高め、発情させることが出来るのだ。
それによって、人を痛めつけるためだけに作られた鞭の禍々しさに一度は身をすくませたエルマに、興奮が戻って来る。
「エルマよ、我輩にお前はどうやって犯されたいのだ? 褒美にお前の好きなように犯してやろう。優しくゆっくりとか? それとも、愛の言葉やお前の美しさへの賛美の言葉でも囁いて欲しいか?」
それを聞いて、エルマの瞳が期待に輝く。そして、エルマが望んだのは・・・。
「あたしを、虐めながら犯してくださいっ! その鞭で、あたしのお尻や胸が腫れ上がるまでぶっ叩きながらチンポ突っ込んでくださいっ!」
「いいとも。その願いをかなえてやろう」
まず、エルマを床に仰向けに寝かせて、正常位で挿入する。
「ひぎぃぃぃっ!、いきなりぃ、オマンコ切れるぅっ!」
「その言うわりに、お前の膣はぬるぬるとして旨そうに我輩の男根を飲み込んだぞ?」
エルマの性器は、カンディスの言った通り処女喪失の証と愛液を流しながら、男根を銜え込んでいる。そして愛液の分泌は収まるどころか、活発になっている。
「あ、あたしはカンディス様の言う通り、マゾなんですっ。だから感じてるんですっ」
「きっとだと? そんな物言いをするのは、我輩の言葉を信じきっていなかった証拠だな」
それはそうだろう。いきなり『お前はマゾだ』と言われて、そうそう信じられるはずは無い。
しかし、この場にそんな常識的な判断を下せるのは誰も居ない。
「罰だ。言葉で自分を辱めるろ。言っておくが、レイシアのマネそのままは許さん」
「はいっ。・・・あたしのオマンコは、虐められると喜ぶマゾマンコなんですっ、ビラビラが千切れるくらい引っ張られても、クリをつぶれそうなくらい捻られても、感じちゃう、変態マンコですっ」
レイシアにも負けない事を、教会の外まで聞こえそうな大声で叫ぶエルマ。そして、その度にエルマの膣の締りが良くなり、ぎゅうぎゅうとカンディスのペニスを締め付ける。
「そしてあたしの胸もお尻も全部虐められると感じる、マゾオッパイにマゾケツですっ!」
なかなかの仕上がりになりそうだと、カンディスは胸中でつぶやいた。『淫縛の手袋』で性感を高めてやれば、エルマのマゾの素質を目覚めさせられると思ったが、その通りだった。
今の状態なら、例えエルマに素質が無くても鞭で感じられたろうと思いながら、エルマの身体に手を這わせる。
盗賊として盗みを働いていたエルマの身体は、引き締まっていながらもしなやかさがある。乳房の張りも申し分ない。
「そして我輩の魔力のブレンドされた精を受け続ければ・・・今から楽しみでたまらぬな」
自分を辱めたエルマに、これが褒美だといわんばかりに腰を叩きつける。
「あぎっ! ぐうあうぅぅっ!」
そして、すかさず鞭を乳房に振るう。・・・ほどほどの強さで。
ぴしぃぃぃっ! 実際に入れた力よりも、派手な音を立てる。
「ひぁぁぁぁっ!」
それに合わせて、『淫縛の手袋』で強弱をつけて性感を高める。
「痛いぃぃぃっ、痛いのがいいぃぃぃぃっ、おっぱいわれるぅぅぅっ!」
ぐちゃり、ぬちゃり、と水音を立てるエルマの性器に叩きつけるようにペニスを突っ込み、そして引き抜くと同時に鞭を振るう。
パンッビシィィィパンッビシィィィパンッピシィィィ 二人の腰がぶつかる音と鞭が肉を叩く音は途切れる事無く続く。
「ひぃ! きゃぁぁぁっ! んぁぁあぁぁっ! ぎひぃぃぃっ!」
それと同じように、エルマの嬌声混じりの悲鳴も途切れずに続く。
カンディスがエルマの奥に精子を出した時には、エルマの胸は鞭によって赤く腫れ上がり、一回り大きくなったように見える有様になっていた。
「はひぃっ、はひぃっ、・・・おっぱいがじんじん痛くって・・・オマンコの中もドロドロで、熱くて・・・余韻だけで、また・・・イッちゃいそう」
「ほほう、痛むか。ならば・・・」
カンディスがペニスを引き抜くと、出したばかりの精液がエルマの膣口から、漏れ出してきた。その精液まみれの膣に、指をツプリと入れる。
「んあっ、あふぅぅぅっ」
気持ちよさそうに喘ぐエルマ。ひとしきり指でかき回した後、指を引き抜く。指はテラテラと濃厚なカンディス自身の精液が、エルマの愛液と一緒についている。
そのぬるぬるの指を、腫れ上がったエルマの胸に擦り付けていく。すると、瞬く間に胸の腫れが消え、元の白い乳房に戻っていく。
「・・・すごい、あんなに腫れて、真っ赤になってたのに」
目を丸くして驚くエルマに、カンディスが得意げに胸を張る。カンディスの精液は、このように性器や肛門だけではなく、万病や怪我に効く万能薬なのだ。・・・当人は自分のストライクゾーン内の女性に分類される存在にしか、与えない気だが。
「どうだ? これで痛みも引いただろう」
「あ、はい。でも・・・」
エルマはくるりとうつ伏せになると、肉付きのいい尻を両手で広げ、肛門をカンディスにむき出しにする。
「お尻でする時も、サルみたいに真っ赤になるまでぶってください」
淫乱マゾの女盗賊が、ここに完成した。
鞭ではやりにくいので、手の平でエルマの尻をスパンキングしていると、周りが騒がしくなった事にカンディスはやっと気がついた。
「ん? なんだ」
周りを見回してみると・・・淫靡な光景が広がっていた。
レイシアは、クレアに責め立てられている。リムリーは、気絶しているにもかかわらず、チェッタの愛撫を受けてピクピクと腰を痙攣させている。
「そう言えば、この『淫縛の手袋』での性感強化は、紋章をつけた全員に効果が及ぶのだったな。・・・うっかりが多いな、我輩」
「と言かいながら、まったく反省してるようには見えないのが旦那らしさっスねぇ」
ザジが言うとおり、上半身は『うっかりが多いなとか言っているが、下半身は一瞬たりとも止まっていない。
「そうか? 我輩的には反省しているんだが・・・」
と、反省を口にしながらカンディスはエルマの尻の肉を指で摘むと、千切り取るかのように思いっきりつねり上げた。
「いだぁぁぁぁああぁっ! お肉ちぎれるぅぅぅっ!」
悲鳴の大きさに比例しているのか、エルマの括約筋が万力のようなきつさで、己につきたてられているペニスを締め上げる。
そのままドクドクと流し込むと、エルマは身体を上下に揺らして、ぐったりと力を抜いた。
「で、どの当たりが反省しているように見えんのだ?」
「主にその辺り・・・いや、何でもないッス」
何を言っても効果無しと、ザジはあきらめると主人の本日最後の獲物の母娘に視線を移した。
ランシャとミーシャも、例外無く『淫縛の手袋』の効果の影響を受けていた。
つい先程まで優しく穏やかだったランシャの愛撫は、快楽を求めた激しい責めになっていた。
クリクトスには舌ではなく前歯が当てられ、膣口からは処女膜を破ってしまわないか、見ていて心配になる程激しく指が出入りしている。もちろん肛門も、マッサージなど生易しい物ではなく指が挿入されている。
「かあさっ、んひぃぃぃっ! お尻の穴ほじんないでぇぇぇっ!」
堪らずミーシャが絶頂に達するが、それももう何度目なのか。幼かった性器はすっかり充血し、汁をトロトロと垂らして母親の指を咥えている。
ランシャは娘の声が聞こえていないかのように、夢中でミーシャを責めていた。まるで、そうすることで自慰をしているようにランシャの身体は、発情している。
「ミーシャ、もうチュウッ、少し・・・んんっ、だから」
そのもう少しが、『カンディスにペニスを入れられても裂けない』のか、それとも『私が満足できるから』なのか。そのどちらを指しているのかは、ランシャにも解らなくなっているのかもしれない。
後者だとしたら、そのもう少しが来ることはミーシャが後何十回とイったとしても、無いだろう。
このままだと、リムリーの二の舞になりかねない。そう判断してカンディスはエルマの尻に精液を塗りたくるのもほどほどに、母娘の方に向かった。
「ランシャ、もういいだろう。ミーシャの儀式を始める」
「・・・はい」
残念そうにしたが、ランシャはすぐに口を娘の性器から離し、指を両穴から引き抜いた。
「ミーシャよ、いよいよ我輩の僕になる時が来たぞ」
この一言に、カンディスはミーシャが喜び、自ら股を開くことを疑ってはいなかった。そして挿入の寸前で『忘却のメモ帳』を使い、ついさっきの『詐欺時の宝物箱』の暗示を忘れさせ、あの小生意気なミーシャに戻してやろうと考えていたのだ。
泣き叫ぶ少女の肉穴は、カンディスの嗜虐心を大いに満足させてくれるだろう。
が、その甘美な企みはあっさり砕かれた。
「い、いやぁっ!」
なんと、暗示の効果を忘れさせた訳でもないのに、ミーシャが開いていた股をぴったり閉じて、その上から両手で隠すように押さえたのだ。
「な、何が嫌なのだ?」
予想外の事態に、自分にとっては好都合のはずなのに聞き返すカンディス。
「だって、母さんに指で弄られただけであんなに気持ち良かったのに、もしカンディス様にそんなに太いの入れられたら・・・あたし、きっと変になっちゃうもん」
「そう言えば、『やめて』とか言っていたな。
これはこれで予定通りだが・・・何だかそう言われると、我輩としても納得がいかんな」
このままただ無理やりと言うのは、なんとなく気乗りがしない。
「じゃ、逆を試してみたらどうですかい?」
「む・・・・・・そうするか」
ザジのアドバイスに従って、『忘却のメモ帳』にミーシャの名を書き、その下に『快楽に身を委ねる事に対する不安と恐怖』と書く。
そして、もう一度同じ事を言うと・・・。
「はいっ、お願いしますっ!」
ミーシャは嬉しそうに股を開いた。
「ザジよ、お前も男心が解るようになったな」
「なら、旦那も早く女心を解ってくださいよ」
「・・・善処する」
「ミーシャ、どうせならお前が両穴を我輩に捧げる所がランシャに、良く見えるようにして儀式を行おう。子供が親に立派になった姿を見せることを、親孝行と言うのだろう?」
「いいのっ、やったぁっ!」
カンディスは背後からミーシャの両腿を広げたまま両手で支え持ち上げる。このままでは、たしかにランシャに良く見えるだろうが、その前にちゃんと挿入できるかどうかわからない体勢だ。
それはカンディスもよくわかっていた。
「ランシャ、娘に挿入できるよう、お前が我輩の男根をその手で導くのだ」
「ああっ、ありがとうございます。娘が幸せになる所を見るだけではなく、手伝えるなんて・・・」
娘の処女を奪おうとしている悪魔に、感激する母。
ゆっくりとカンディスがミーシャを降ろすのに合わせて、ランシャがカンディスのペニスを娘の膣口に照準を合わせる。
「母さん、ちゃんとオマンコに入れてよね」
「大丈夫よ。でも、お尻でもミーシャは気持ちよくなれるじゃない」
「初めてはちゃんとオマンコでしたいの」
微笑ましい様子でとんでもない会話をする二人を、禍々しい笑顔を浮かべるカンディスは、その欲望のままについにミーシャの膣にペニスの先端が触れた。
「触れてる? ねえ、母さん、あたしのオマンコにおちんちん当たってる?」
「ええ、カンディス様のチンポもミーシャのオマンコに触れて、ビクビク動いて喜んでるわよ」
そのまま、だいぶランシャによってほぐされているとは言え、まだまだ小さい膣口に挿入していく。
メズ、ズズズッ、ゆっくりとだが、確実にミーシャ自身の体重によって、カンディスのペニスが食い込んでいく。
「う、ぐぎぃぃぃっ! がんでぃずざまぁぁぁっ!」
「ん? 何だ」
愛液でぬるぬるになっていても、ミーシャの膣はきつかった。痛みどころが、締め潰されそうなほどだ。なのでカンディスは、ミーシャがかなりの激痛を味わっている事が簡単に予想がついた。まるで身体が股間から真っ二つに裂けてしまいそうな痛みだろう。
・・・だからと言って、止める気はなさそうだが。
ミーシャが答える前に、カンディスのペニスの先端に何か薄い物が触れ、そしてそれをすぐ貫いた。
「おねがっ、おねがぃぃぃっ!」
涙を流しながら、振り返ってカンディスに向けて何かを訴えるミーシャ。それをしばらく眺めていたカンディスはミーシャが、舌を出すのを見てようやく何が求められているのか理解した。
「いいだろう」
ミーシャの小さな唇に己の口を付け、舌を絡ませて味わう。
「・・・ランひゃ、もう導くのはひひぞ。もうミーシャの中ひははひらぬ」
まだカンディスのペニスは入りきっていなかったが、もうミーシャの膣の子宮口に先端が当たっている。
ちなみに、カンディスの言葉が不明瞭なのは、キスの最中に傷みで思わず歯を動かしたミーシャに舌をかまれたからだ。
「らので・・・ミーシャの気をそらしてやれ」
すぐに舌の傷も癒えたカンディスに言われた通り、ランシャはミーシャの薄い胸の頂点、乳首に舌を伸ばす。
「ミーシャ、がんばって。あなたなら、母さんみたいに緩くないから、すぐ終わるわ」
「んあ・・・かあさあぁん」
ミーシャが痛みが薄れたのか、甘い声を出す。
「もうそろそろいいな」
ズズズ、ゆっくりとミーシャを両腕で上に持ち上げ、そして降ろす。ゆっくりとしたピストン運動だが、例えそれでもミーシャには引き裂かれるような激痛だ。
「ぎひぃぃぃっ! あぎっ! あぐぅぅぅぅうぅぅっ!」
じゅぶじゅぶと、幼い性器を容赦なく痛みが襲う。しかし、それでも愛液の分泌が止まらないのは、痛みと同時に快楽を感じているからだ。
しかし、それと同時に愛液に混じる血の赤も止まらない。カンディスのペニスが処女膜以外も傷つけているのは確実だ。
股間から血を流し悲鳴を上げる娘から、思わずランシャが目を背けた。
「だめぇぇぇっ! 母さんっ、見ててぇぇぇっ!」
ミーシャが悲鳴以上に大きな声を上げた。
「あたしがあっあっあっあ、カンディ・・・ざざまに、熱いの出されてぇぇぇっ、立派な僕になるとこ、見ててよぉぉぉぉっ!」
「・・・解ったわ、ミーシャ。あなたがカンディス様の精液をその小さなオマンコで受け止めつところも、お尻の穴に出されて、開きっぱなしになった肛門から白い精液を漏らしてるところも、全部母さんが見てる。だから安心してね」
ああ、美しきかな母と娘の愛。そうランシャが答えるのを待っていた訳ではないだろうが、カンディスはそのすぐ後に射精した。
血と愛液でグチャグチャになった性器に、ドクドクと注ぐ。すでに九回目だが、その量は減るどころかむしろ増えている。
「うああぁぁ・・・ああぁぁぁ・・・お腹の中が、熱いのでどろどろになってるよぉぉぉ」
ペニスを引き抜くと、どろどろと収まりきらなかった精液が、漏れ出してきた。
その様子を感極まった様子で見ているランシャに、もっと近くで見ろと言わんばかりに、精液を垂らすミーシャの性器を顔にずいっと近づける。
「どうだ、ランシャ。お前の娘の性器は」
ランシャは娘に言ったとおり、目を背ける事無く見続けている。
「ああ、こんなに穴が広がって。クリクトスも、ビラビラも大陰唇に収まって、綺麗なスジだけだったのに・・・」
カンディスの精液によって、ミーシャの性器は傷一つ残さず癒えているが、挿入による変化までは消えない。
「かあさん、あたしのオマンコ、大人のオマンコになった?」
「ええ、ヌメヌメ輝いて、精液を垂らして、あなたのお父さんのチンポを何度も咥えた、お母さんのオマンコと同じよ」
「そして、一足早く母親より先に、我輩の僕になるのだ」
カンディスは母と娘の会話に割って入ると、持ち上げたままだったミーシャを少し前にずらすと、今度は肛門に標準を合わせた。
「さあ、今度はもっと感じるようにしてやろう」
そういううと同時に、ミーシャはもちろん、ランシャや荒い息をするだけだったエルマ、さらにはクレアやチェッタまで身体の芯が、まるで溶けた鉄を流し込まれたような強烈な熱さを感じた。
カンディスが『淫縛の手袋』の力を最大にしたのだ。
その結果、すさまじい物だった。クレア達互いの相手とレズ行為をしていたクレア達は、同時に潮を吹いて絶頂に達し、エルマは身体の火照りを抑えきれず、クリクトスを自分でつねり上げ、オナニーを始めた。
そしてミーシャは、これ以上ないくらい顔を赤くして、カンディスからは見えないが、母親の前で別の生き物のように性器は蠢き、ピクピクと物欲しそうに肛門が震えている。
「カ、カンディスさまぁ、裂けてもいいからぁぁぁ、チンポお尻に突っ込んでぇ、変になっちゃうよぉぉぉっ!」
今ミーシャ達『淫縛の手袋』の影響下にある者は、高性能で高濃度の媚薬に全身が漬かっているような状態だ。普段とは逆に、快楽が無ければ正気が維持できなくなる程の効果が出ている。
ミーシャの淫らな懇願通り、いまだ硬さを失わないペニスを肛門に挿入・・・しなかった。
「考えてみれば、お前の願いは今日何回もかなえたな。我輩は皆に平等でなければならんからな。それに我輩は少し疲れたのでな。休ませてもらおう」
偽り100パーセントの言葉を吐いて、もう少しでペニスが肛門に当たると言う微妙なところで、ミーシャを降ろすのを止めてしまう。
「お、お願いっ! お願いだからっ!」
堪らずミーシャは自分で薄い胸や性器を弄って快楽を得ようとするが、自分のすぐ下により大きい快楽を与えてくれるペニスがある状態では、ろくに満足できない。自分の指など、せいぜい粗悪な代用品程度にしかならない。
「私からもお願いします。ミーシャを早くカンディス様の僕にしてください」
『淫縛の手袋』の影響下にあるというのに、ランシャが自分の快楽よりも娘のために頭を下げる。最も、今にも自慰を始めてしまいようなのを、無理やり抑えているようだったが。
「ほう、そうして欲しければランシャよ、我輩がやる気を起こすような頼み方があるであろう。それを試してみるがいい。もし我輩が気に入ったら、その願いを叶えてやろうではないか」
「・・・私の娘のケツの穴を味わってください」
「やる気の欠片も湧かんな」
「・・・私の娘のケツを、その逞しいチンポでズボズボ突いてください」
「まだまだだな。そんな事では、いつまでたっても我輩のやる気は起きないな」
意を決したように、ランシャは顔を上げた。
「娘のケツの穴にチンポを突っ込んでくださいっ! ぶっといチンポで何度も出し入れして、だらしなく半開きにしてくださいっ! お腹が妊娠したように膨らむまでザーメンで浣腸してくださいっ!」
ピシリピシリと、ランシャの自制心にひび割れが走っていく。それを認めて、カンディスはズポリと、ミーシャの肛門に挿入を開始した。
「うぐぐっ、あぎぃぃぃっ!」
性器の時とは異なる感覚に、ミーシャは顔をくしゃくしゃにして声を上げる。括約筋がプチプチと嫌な音を立てているが、それにまったく頓着しない、容赦ない荒々しい挿入だ。
しかし悲鳴ではない。快楽にまみれた、嬌声だ。
「あうぅぅぅっ! あつくて、痛くてぇぇぇっ! 頭の中、ぐりゅぐりゅまわってるよぉぉぉっ!」
ランシャの願い通り、カンディスのペニスはミーシャの肛門を激しく責めた。デリケートな内臓を突かれ、ミーシャが嬌声を上げる。性器からは、ペニスが一往復するたびに、愛液を大量に分泌し、ビクビクを痙攣する。絶頂に達しているのだ。
そして、快楽の渦の中にいるのはランシャも同じだった。
「もっと、もっとズボズボしてくださいっ! 娘のケツマンコが壊れるまでチンポでゴシゴシこすってくださいっ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てて、ランシャの指が自らの膣を往復する。娘のアナルセックスを見ながら、自慰をしているのだ。もうカンディスに娘の肛姦を懇願する必要は無いと言うのに、舌が止まらない。
しかし、ミーシャの肛門を壊す前にカンディスは射精に至った。
「うあああっ、あついのがたくさん入ってくるよぉぉぉ、お腹がいっぱいになっちゃうううう」
ドクンドクンと直腸内に出される大量の精子が、今まで垂れ流した愛液の代わりにと言うように、際限なく注がれる。
そして・・・。
「あうっ!?」
麻痺して快楽しか感じなくなっていた肛門から、再度痛みが走る。カンディスの精液によって、肛門が回復したのだ。
「たしか・・・ランシャの願いでは、腹が妊娠したように膨らむまでザーメンで浣腸して欲しいのだったな。が、今は儀式の最中だ。終わったからその願いは叶えてやろう」
「んんっ」
ズポリと肛門からペニスを引き抜くと、涎のように精液が垂れた。
「次はお前だ、ランシャ。お前が本当にユルマンかどうか確かめてやろう」
もし本当にユルマンだったらどうするか・・・実はカンディスには、どうしようもなかったりする。カンディスのアイテムは精神を弄れても、肉体を弄る物は無い。肉体を調整する必要のある人間は、今までなら相手にする必要が無かったのだ。
唯一あるのはザジに使った巨大化と縮小のアイテムだけだが、これは肉体全体に効果が及ぶので、この場合使えない。
「・・・肉体操作のアイテムの製作にも取り組むべきだな」
ぼそりと呟いて決意を控えめに表し、ミーシャを床に降ろした。
ランシャはゴクリと喉をならし、カンディスの勃起し娘の腸液で濡れてヌラリと光を反射するペニスを、熱い視線で見つめた。
「試してください・・・精一杯締め付けますから」
興奮に震える声で言いながら、ランシャが両脚を開き濡れた性器を晒す。
「フム・・・色は悪くない。いや、むしろ・・・」
子供を一人生んでいるとは思えない。そう続けそうになったカンディスは、口を閉じた。試す前にいきなり褒めてどうする。
「準備は言われる前にやっていたからいいな」
ジュブリと、カンディスは熟した女性器に挿入した。
「ああぁぁぁああぁっ!」
挿入した瞬間、ランシャはかん高い声を上げて達してしまった。しかし、カンディスもまたそれにつられかけた。
「・・・バカな」
戦慄すらにじませて、カンディスは思わず口を開いてしまった。
カンディスは人間界に来たことは、今まで一度も無い。しかし淫魔であるだけあって経験は豊富だ。禁欲生活さえしていなければ、挿入した途端射精しそうになるなどと言うことはまず無い。すでに八回の射精をしたカンディスは、まだ満足には程遠いがそれでも飢えている状態ではない。
しかし、それが今起きかけたのだ。ランシャの性器はそれほどの名器だった。
膣内の無数のヒダは、挿入されたペニスに絡まり、きつすぎずほど良い締め付けでペニスを包む。熱くビクビクと震える柔肉は、カンディスに素晴らしい快楽を与えていた。
「何がユルマンだ・・・それどころか名器ではないか。
クロス教は、こんな名器を時の彼方に葬り去ろうとしていたとは・・・。つくづくもったいない。奴らは性欲が無いに違いない」
「クロス教が直接そうしようとしたって、訳じゃないんですぜ、旦那」
ザジが突っ込みを入れるが、それも今のカンディスには確実に届いていない。
「いいです、カンディス様のチンポ、とってもいいですぅっ!」
カンディスの戦慄も驚愕も、何処吹く風と言う感じで、ランシャは快楽を貪っている。
「どれくらいだ?」
まだ驚愕から立ち直っていないカンディスが、反射的に質問した。
「あの人と、同じくらいですーーーっ」
ピクリと、こめかみが動いた。偉大なるリリスの息子であるカンディスが、その言葉を不愉快に思わないはずが無い。あの人、つまりランシャの亡き夫とカンディスは『淫縛の手袋』の効果を入れても、互角と言う事だからだ。
「お父さんの話?」
好奇心に瞳を輝かせて、ミーシャが割り込んでくる。
「せ、せっかくだ。お前の夫がどんな風にお前を孕ませたか、娘に話してやるがいい。その褒美に、我輩がその通りに犯してやろう」
「はっ、はいっ! あの人は私の胸を吸いながら、チンポを出し入れするのが好きでしたっ!」
「へぇー、父さんって、母さんのおっぱいが好きだったんだ」
そういうのは、ミーシャだ。カンディスにはそんな余裕は無い。もちろんランシャの胸を吸っているからだ。歯に強弱をつけて、乳首に刺激を与える。ランシャの亡き夫と同じ事をしつつも、技術で勝利しようとしているのだ。
しかし、努力虚しくランシャから出た言葉は・・・。
「あはぁぁぁっ! あの人に抱いてもらってるみたいぃぃっ!」
だった。
「つ、次はどうしたのだっ!?」
それでもめげたりせずに、カンディスは挑戦を続けた。
「次はぁぁぁっ、オマンコの一番奥をぉ、コツコツってしてくれましたっ!」
短く早いストロークで、子宮口を連続で突く事だろうと推測して、まずはその通りにしてから、腰の動きに変化を加える。強弱を調節し、グチャグチャとかき回す。
ここまでまじめにセックスをしたのは、何万年ぶりだろうかと思うほどカンディスは真剣に取り組んだ。自分の持てる全ての技術を最大限活用した。
その結果・・・。
「そうですっ! そうしくれましたぁぁぁっ!」
人間と互角であった事が照明された。
「あはぁぁぁぁああぁっ!」
カンディスに注ぎ込まれて、ランシャは再度イッた。そしてランシャの膣からペニスを引き抜いたカンディスは、今は亡きランシャの夫に向けて言った。
「人間にしては、なかなかやるではないか」
「・・・負け惜しみ言ってないで、さっさと後ろの処女でも奪ったらいいじゃねえですかい。そこを犯せば、前しかやってない前の男にはトータルで旦那の勝ちって事になるはずですぜ」
「いや、それだけでは勝ちとは言えんな。ミーシャ、これを付けろ」
そして懐から取り出したのは、黒い棒状の物。
「やっぱりそれも、ただの双頭の張り型なんで?」
「もちろん」
ミーシャは目の前に突き出された双頭の張り型を、訝しげに見ているだけだ。今まで見たことも無いからだろう。
「ミーシャ、お前もまだ身体が疼いて仕方が無いのだろう? お前も母親と一緒に気持ち良くなりたくはないか」
「うん。母さんとカンディス様の儀式見てたら、またチンポ突っ込んでもらいたくなっちゃった。いいなー、母さんは父さんにそんな風にしてもらって」
ランシャに触発されたのか、激しいアナルセックスで鎮まっていた興奮がぶり返してきたようだ。
「なら、これからランシャの儀式を手伝わせてやろう。これをお前の膣に入れろ」
「入れろって・・・こんなの入らないよ」
「全て入れろと言う訳ではない。こうして・・・」
カンディスは双頭の張り型の先端を、ミーシャの膣に挿入した。半分も入らなかったが、それはどうでもいい。
「くぅぅぅっ、カンディスさまぁ、チンポ、チンポがミーシャに生えたみたいになってるよぉ」
まだ濡れていて、きついミーシャの膣は、双頭の張り型をしっかりと咥えた。潜り込んでいる部分が半分より短いので、出ている部分はカンディスのペニスより立派に見える。
「それでお前が生まれた肉穴を犯してやるといい。我輩と一緒にな」
「あたしが生まれた・・・母さんの肉穴・・・」
ミーシャの目は、精液と愛液で穢れたランシャの性器に釘付けだ。
そしてランシャは、ミーシャの股間から生えた張り形に目が釘付けになっている。
「ミーシャが・・・私のオマンコを・・・」
ランシャの目には、張り型を使っての擬似セックスとは言え、実の母娘で交わる事に対する、背徳感がある。しかしそれは行為を止める事には結びつかず、より深い快楽を得るためのものでしかないようだ。
それを確認して、カンディスはこの教会のシスター達は、完全に自分の手に堕ちたことを確信する。もう次からはただ肉穴を使うだけなら、道具を使うまでもないだろう。
「では、まずは我輩からだ」
ランシャの後ろに回ると、尻を上げさせる。そして、ミーシャと同じように物欲しそうにピクピクと震えている肛門に、ペニスを突き立てる。
「んぐぅぅぅうぅっ」
ランシャが上げた獣じみた声も、ミーシャの小ぶりでまだ硬さの残る尻とは正反対のむっちりとして柔らかい尻も、全てがカンディスの性欲を刺激する。
ランシャは尻もなかなかのものだった。しかしそれだけで満足しては、張り型を出した意味が無い。カンディスは、ランシャの膝に手を回すとそのまま一気に持ち上げた。
「ふ、深いぃぃぃっ! こんな事、あの人にもぉ、されたこと無いぃいぃぃっ!」
その言葉を聞いて、カンディスは溜飲の下がる思いだった。
「次はお前の番だ。遠慮する事は無い。思いっきり突っ込んでやるがいい」
「・・・母さんっ!」
ずにゅうと、張り型がランシャに挿入される。肛門の括約筋と繋がっている膣の筋肉が広がって、肛門の締りが強くなる。
ミーシャはそのまま休まずに腰を振り、張り型で母の膣を蹂躙する。
「犯してるっ! あたし自分が生まれてきた母さんのオマンコを、チンポでグチャグチャにしてるぅぅぅっ!」
「そうだ。ミーシャ、お前は父親が犯し、そして自分が通って生まれてきた穴を犯しているのだ」
カンディスも、ズプンズプンと、激しくランシャの肛門を突き上げる。
「あああっ、オマンコきもちいいぃっ! ケツもいいぃぃぃっ! もっと犯してぇぇぇっ! ケツにチンポ突っ込まれてぇ、娘にオマンコ滅茶苦茶にされるのがいいのぉぉぉぉおぉっ!」
「かあさんのオマンコォォォッ、もっと犯すのぉぉぉ、だからあたしももっと犯してぇぇぇっ! オマンコも頭もとろけて変になるまで滅茶苦茶にしてぇぇぇっ!」
すでに貞淑な母親としての顔も捨てたランシャと、淫乱そのものになったミーシャが叫びながら絶頂に達する。
カンディスも達しながら、ミーシャの妹とランシャの孫を作ってやるのもいいかもしれないと、考えていた。
これで初性交の儀式は終わった。しかし、儀式の参加者は誰も満足していない様子だった。
「これより先は自由参加だ。疲れた者は参加せんでいいぞ」
そうカンディスが言うが、誰もこの場を動かず、いまだ勃起しているカンディスのペニスに熱い視線を向けるだけだった。
「くっくっくっくっくっ、我輩を見くびった九十九の兄弟たちよっ! 今に見ているがいいっ! この我輩が競技に勝利した暁には、貴様らを僕として使ってやろう。週休完全二日制、有給要相談、昇給年一回賞与年二回の待遇でなぁぁぁっ!」
「それ、本当にやるんですかい? とても恨んでるようには聞こえませんぜ」
「当たり前だ。使いつぶしてしまったら、せっかくの人材がもったいないではないか」
何処まで行っても、カンディスは貧乏性だった。
< 続く >