夢から始まる物語 3rd plane

3rd plane・「獲物」と「乙女心」と「思い出」

 登場人物:
 レオン・・・天界から来た天使と悪魔のハーフの美男子。明日香にレオンと名づけられる。天界ではリファイスによってシオンと呼ばれていた。天使術『マスターオブスペース』で相手を支配する。天使階級は無く、現在最終試験中。
 明日香・・・男の人(父親代わり)が欲しいと願った小4。レオンが天使になれるかどうかは明日香次第。
 美佳・・・明日香の母。未亡人。レオンの天使術でレオンのセックスフレンドに。
 歩美・・・明日香の学校の教師。何故かレオンをシオンと呼ぶ。天使術でレオンの性奴隷に。
 リファイス・・・シオンの婚約者の女性。超美人。天使第5階級。
 フィリシーン・・・堕天使で魔界に住む。ハーフであるシオンを欲する。
 エンカーブレイス・・・シオンの母で天使第8階級。美しく優しく強く、皆の憧れだった。シオンを産んだ際に命を落とす。

≪「前編で~す♪」byリファイス≫

 レオンが下界に来て数日後・・・明日香は4年に進級した。
 レオンは校舎内を歩いていた。

「あ、シオンさん!おはようございます!」

 その声に振り返ると、歩美が笑顔でレオンのもとに走り寄ってきた。
「シオンさん!今日はいつやるんですか?どこでやりますか?」
 そしてレオンの腕に身体を摺り寄せてきた。
 どうやら一線を越えてしまったことで理性が効きにくくなっているらしい。

「あ~。分かった分かった。後でしてやるから」
 そう言ってレオンはその場を離れた。

 そんなレオンが新たに目をつけたのは保健室の女の先生。
 名前は沢木恵子。25歳の独身。黒のセミロング。顔も整っていて申し分ない。

 レオンがその獲物を手に入れるきっかけは意外にも明日香がもたらした。

 その日の午後、明日香は体育のリレーの時間に思いっきり転んだ。
「痛いよ~!うわ~ん!」
 痛々しく脚が擦り剥けて血が滲んでいた。

 明日香はレオンに助けを求めた。
「レ~オ~ン~!助けて~!」

「・・・保健室には連れて行ってやる」
 そう言ってレオンは明日香を背負って校舎へと入っていった。

 校舎を歩いていると明日香がレオンに文句を言い始めた。
「何で治してくれないの~?不思議な力で治してよ~」
「傷を治すとか生命にかかわる力は与えられていない。天界にも『癒しの力』を持つものは稀にしか生まれない。男なら『ユグドラシル』。女なら『マーテル』の称号を得られる。まあお前の好きなRPGで言うとロトの勇者みたいなもんだ」
 レオンが淡々と説明するが、明日香は納得しなかった。

「何でもできるって言ったじゃん!!」
「俺は天界で最も力があるだけだ。できないこともあると知っておけ」
「でも痛いもん~!!うえ~ん!!」

 レオンは泣きじゃくる明日香に手を焼いていた。
「じゃあ痛みだけ消してやる。それでいいか?」
「ひぐっ・・・ひぐっ・・・う、うん・・・」
 その返事を聞いてレオンは力を使った。

 『マスターオブスペース!!』

 レオンは歩きながら後ろにいる明日香に暗示を与えていく。
「明日香。お前の『感覚』を支配する。脚の怪我はまったく痛みを感じない」

 『リリース!!』

 気がついた明日香は急にはしゃぎ始めた。
「うわ~。ホントに痛くない~。すっご~い!!ねえ、校庭に戻ろうよ~」
「バカが。痛くないだけで怪我をしたことには変わらん。大人しくしろ」
「う~・・・」

 保健室・・・
 その美しい女先生、沢木恵子は明日香の傷の手当をしていた。

 明日香がまた文句を言い始めた。
「う~。痛くないけど染みる~。染みないやつがいい~」

 恵子は優しい口調で明日香の脚に包帯を巻いていた。
「ほらほら。元気なのはいいことだけど。怪我には気をつけるのよ?」
「は~い・・・」
 そんな恵子を見ていてレオンは素直に美しいと思った。
 そしてこんな女性が乱れるところが見てみたいと。
 そんなこんなでレオンは恵子に向けて力を放った。

 『マスターオブスペース!!』

 なんともいえない感覚が恵子を包み、恵子の身体が硬直する。

 ちなみに明日香まで硬直している。

 まずレオンは明日香に指示を与える。
「明日香・・・お前はこのベッドで俺が声をかけるまで眠るんだ・・・」

 明日香はこくんと頷いてベッドに横になって目を閉じた。
 すうすうと気持ちよさそうに眠っている。

 レオンは翼をばさっと開いて暗示を続ける。
 そして羽根を一枚抜いて恵子に見せ付ける。

「さて・・・恵子・・・お前はこの黒い羽根が視界に入ると性欲が高まる・・・そしておまえ自身は羽根を見ていると認識することは出来ない・・・感触も認識できない・・・いいな?」
 恵子もこくんと頷く。

 『リリース!!』

 レオンは天使術を終えた。
 意識の戻った恵子はハッとしてレオンを見る。
「あ、あれ?・・・今野さんは・・・」

 ベッドを見ると明日香が眠っている。
「あ、寝てる・・・あれ?いつの間に?手当てしたところまでは覚えてるのに・・・ん~・・・疲れてるのかしら・・・今度の休みにでも遠出しようかな」
「・・・おい?」
「え?・・・あっ!レオンさん!ごめん!忘れてた!」
 恵子は、自分の記憶が途切れていることを疑問に思いながらも、とりあえずレオンと話すことにした。

「大変ですよね~レオンさんも。今野さんに付きっ切りなんでしょ?」
 そう言ってお茶を差し出す。
(もちろん恵子は既に認識を変えられていてレオンのことは知っている)

 レオンの大きな翼は嫌でも恵子の視界に飛び込んでくる。
 レオンが入れた暗示はじわじわと効果を示し始めていた・・・

-とくんっ・・・-
(・・・何?・・・この感じ・・・)

 恵子はそれが何なのかは分からず、話を続ける。

「レオンさんは恋人とかはいらっしゃるんですか?」

 レオンはじっと恵子を見て答えた。
「気になるか?」

 しばしの無言・・・
 そして恵子は今の質問が変な誤解を受けていると思い込んだ。
(や、やだ・・・まるで私が意識してるみたいじゃない・・・)

 恵子は気まずそうにちらちらとレオンの顔を見ながらお茶を流し込む。
(そ、そりゃあ・・・カッコイイし体格もいいけど・・・私じゃあ不釣合いよね・・・・・・や、やだっ。何考えてるのよ・・・でも・・・新しい彼氏は欲しいけど・・・・・・って違う違う!・・・やっぱりレオンさんってエッチも上手なのかな・・・濃厚なキスとかしちゃったりして・・・)

 恵子はじっとレオンを見ると慌てて顔を背けた。
 何気なく壁やベッド、掲示物などを眺める。
(は、話をしなくちゃ・・・変に思われちゃう・・・)

 ちらちらとレオンを見ては顔を赤くして目線を外す。
 そしてまたちらちらとレオンを見る。
 恵子が抱いた感情は収まるどころかますます急増していく。

「あ、あの・・・良かったら肩でも揉みましょうか?」
 言ってしまって恵子は慌てる。
(や、やだ・・・変に思われる・・・っていうか私が変に思ってる?・・・え~っと?私は・・・)

 レオンはそんな恵子を見てきっかけを与えることにした。
「そうだな・・・だったら背中を診てくれないか。少し痛むんだ」
「・・・え?あ、はい。分かりました」

 恵子は慌ててレオンの後ろに椅子を持って移動する。

「どこら辺ですか?・・・・・・あ・・・」
-とくん・・・-
 意識はしていないが大量の羽根が視界に入る。

 戸惑いの声もしっかりとレオンに聞こえている。
 それには気づかない振りをして続けた。
「そうだな・・・首の辺りが・・・」
「じゃあ・・・す、少し触ってみますね・・・」

 恵子は震える手でレオンの首に近い背中を触る。

-ドクン!-
(や、やだ・・・何なのこの気持ちは・・・ダメ・・・このまま飛びついて・・・キスして・・・身体を弄って・・・ダメよ・・・ここは学校だし・・・誰かが来るかも・・・もし見られたら・・・見られたら気持ちいいのかな・・・背徳感のあるエッチって気持ちいいかな・・・こんな姿見たら皆どう思うかしら・・・・・・っっ!!!!ダメ!ど、どうしたの私・・・今日の私変よ・・・何で・・・こんなドキドキして・・・・・・・・・えっちなの?)

 ずっと手でさすっている恵子を見て、レオンは手ごたえを感じる。

 レオンはくるっと半回転して振り返ると、翼を閉まった。

「どうだ?何か分かったか?」

 レオンの問いかけに恵子はしばらく考え込む。
 一体何を考えているのか・・・
 恐らく口実を考えているに違いない。

 恵子はごくっと生唾を飲み込むと、意を決したように喋り始めた。
「・・・あ、あの・・・前も触ってみます・・・」
 そう言ってレオンの胸板に手を置く。
「心音・・・聞いてみますね・・・」
 もう顔は耳まで真っ赤だ。
 そしてその真っ赤な顔をレオンの胸板に引っ付ける。

(いい・・・凄くいい・・・カッコよくて逞しくて・・・凄く暖かい・・・抱かれたい・・・したい・・・したいよ・・・凄くしたい・・・)
 あまりにもうっとりとしている恵子。

「おい。どうなんだ?」
 レオンは少しイラついたような声を出した。
「・・・はっ!あ、え、えっと・・・」
 恵子は慌てて次の台詞を考える・・・
 そしてレオンの下半身に目をやる。

 恵子は真っ赤な顔で呟いた。
「あ、あの・・・あっちのベッドに・・・横になってくれますか・・・」

 明らかに誘っている恵子に、レオンは心の中で爆笑しながらベッドに横になった。

 恵子はレオンのズボンを下ろした。トランクスも下ろす。
 そしてレオンのペニスを持って口に咥えた。
 レオンに自分の恥部が見えるように移動する。シックスナインだ。

「お、おいっ!何を考えてるんだ!!」
 レオンが困ったように声に出す。勿論芝居だ。
 そんなレオンの声を聞いて恵子の身体がピタッと固まった。

 ペニスを咥えたままの長い葛藤・・・
(こんなことしちゃダメ・・・でも・・・止まらない・・・違う、止めなきゃ・・・止めたくない・・・どうせここまできたらもう・・・そうよ・・・もう変態教師でもいいじゃない・・・・・・そんなことしたらこれから私はどうなるの?・・・レオンさんのものになるの?・・・・・・・・・や、やだ・・・ダメなのに・・・ダメ?何で?)

 しばらくすると身体が震え始めた。
 そして弾けるようにフェラチオを始めた。

-じゅぼっじゅぼっじゅぼっ-
「ん・・・あん・・・・・・」

 恵子がすっかりセックスに入ったのでレオンも恵子のズボンを脱がせ、ストッキングを下ろし、パンティーをずらし、恥部を舌で刺激する。手馴れた様子だ。

-ちゅっくちゃっちゅくっ-
「んっ・・・ふあっ・・・」

 恵子は完全に蕩けた表情で、快感に身を委ねていた。レオンの狙い通り、背徳感が恵子の身体を一気に沸騰させている。

 レオンは自分のテクニックに絶対の自信を持っている。
 そのレオンでさえ気持ちよく思うほど、恵子のフェラチオは上手だった。
 恵子は自分が先にイカないように、必死でフェラチオを続けた。
 その甲斐もあって先に達したのはレオンだった。
「だ、出すぞ!」

 レオンは恵子のフェラチオで口に大量に出した。人間では考えられないような量だ。
「ん~~・・・」
 恵子の口からぼたぼたと唾液と混じった精液が垂れる。

 こぼさないように耐えている恵子・・・
 そしてレオンは指で恵子の膣を弄る。

「んっ!んんっ!!ごはっ!!あああぁぁぁっ!!!!」
 思いっきり絶頂に達した。
 口に含んでいたものが一気に飛び散った。

 レオンは恵子に後始末の暗示と、羽根が見えるようにし、一枚羽根を手渡すと、家に帰ってこの羽根で自慰をすると気持ち良くイケると暗示をいれた。

 そしてレオンは恵子を手に入れた。レオンを見ると尻尾を振って抱きつく。

 ・・・そういえばもう一人同じような女が居た気が・・・

 ここで必然と問題になるのが歩美の存在である。
 恵子と歩美がお互いの存在を知る日はそう遠くなかった。

 わずか3日後・・・
 レオンは授業時間を利用して職員トイレで歩美を抱いていた。

「ん・・・あん・・・し、シオンさんっ・・・」

 レオンはその腕力を生かして歩美の身体を持ち上げている。
 そしてレオンのペニスが歩美の恥部を出入りする。

「あっ・・・はっ・・・激しっ・・・」

 歩美が頭を激しく振る。愛液が床に飛び散る。
 どうやらそろそろ絶頂も近いようだ。

 が、その時・・・

 恵子が真っ赤な顔をして入ってきた。
「レオンさん!!星野先生!!何してるんですか!!」

 恵子は凄い剣幕で歩美を睨みつける。
「あ、あんたねえ・・・こんな所でレオンさんをたぶらかすんじゃないわよ!!」
 どうやらあくまでも歩美が悪いらしい。まあ当然か。

 そんな恵子を見た歩美が妖艶な笑みを見せる。
「あら・・・沢木先生もして欲しいんじゃないの?私に妬いてるんでしょ?」

 余裕たっぷりの歩美に対し、恵子の怒りが頂点に達した。
「っ!!・・・・・・星野先生!!どきなさい!!それは私に挿れるのよ!」
「嫌よ!!私が相手なのっ!!」

 レオンはとり合えず歩美の恥部からペニスを抜いて様子を見ている。

 そしてついに恵子が手を出した。

「このおっ!!淫乱女!!」
-パシィン!-

「何すんのよっ!!このド変態!!」
-パシィン!-

「レオン」「シオン」
「「さんは私のものよっ!!」」

 パシンパシンとビンタしあう音が響く。
 お互いの頬が赤くなっている。

 ずっと見物していたレオンがようやく口を開いた。
「だったら今からお互いにイカせ合えばいいじゃないか。我慢した方の勝ちってことでどうだ?」

 結局レオンは手を出さないようだが、恵子は乗り気のようだ。
「望むところです!!」

 だが、歩美は既にイキそうなので抵抗している。
「そ、そんな!今までシオンさんと交わってたのに!!不利です!」

 それを聞いたレオンはおもむろに恵子の顎を持って上を向かせる。
 そして覆いかぶさるようにディープキスを始めた。

「んふっ!?・・・ん・・・ふぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」
 あっという間に恵子の表情が蕩けた。

 2分・・・

 3分後・・・

 恵子が膝からかくんと脱力してレオンに支えられる。
 歩美は羨ましそうにじ~っと眺めていた。

「これでほぼ互角だろ?歩美は俺との経験が長いから少しハンデな」
 レオンがそう言うと2人は意を決したように抱き合った。

 2人は全裸になって身体を擦りつけあっていた。
「あん・・・な、なかなかやるわね・・・ふあっ・・・」
「んふ・・・そ、そっちこそ・・・ひゃ・・・」

 レオンは2人が真剣に抱き合っている間にその場を後にした。

 放課後・・・

 レオンと明日香が家に向かって歩いていた。
 どうやら歩美と恵子はまだ闘っているらしい。
 おかげで歩美が担当する授業が自習になったり、恵子が居ないため自分で怪我の手当てをしたりとかなり迷惑を受けたらしい。

「ねえレオン。この街にはだいぶ慣れた?」
「ん?そうだな・・・まだまだ知らないところは多いが・・・とり合えず店とか病院とか必要な場所は把握したぞ」
「じゃあねえ・・・今日は神社を紹介する!」
「・・・何故に神社だ?」
「え?・・・だ、だってお参りとか・・・縁日とか・・・」
「ああ。日本人は多神教だと言うからな。神道と仏教が混在してるんだろ?イベントだけを取り入れる傾向があるらしいな」
「へぇ~。いや、私は知らないけど。そうなんじゃない?」
「戦後に宗教教育がなくなって国家宗教から神道が外されたんだろ?」
「へぇ~。いや、私は知らないけど。そうなんじゃない?」

 全く興味がなさそうな明日香にレオンは少しがっかりした。
「・・・もういい・・・」
「あ、怒んないでよ~。私まだ子供だし良くわかんないよ~。レオンって物知りだね~。凄い凄い~」
「お、お前なぁ・・・俺は子供か?」
「後でチョコレートあげるよ~」
「・・・願い主じゃなければぶっ飛ばしてるぞ」

 2人は小さな神社にやってきた・・・

「どう?ここが神社だよ」
「どう?って言われても別に・・・。俺は知らないけど。そうなんじゃないか?」
「んもう!まだ怒ってんの?ちゃんと聞いてなかったのは悪かったって」

 明日香は中に向かって呼びかけた。
「こんにちは~。百合さ~ん。詩乃さ~ん」

 しばらくして中から巫女姿の女性が現れた。
 美しいセミロングの黒髪の女性だ。
 顔は綺麗と言うよりは可愛い系だろう。歳は・・・18ぐらいだろうか。
「あ、明日香ちゃん。こんにちは。今日はどうしたの?」

 明日香はレオンに紹介する。
「この人は妹さんの蕪木百合さん。とっても優しいんだよ。お菓子もくれるし」
「お、お前・・・それ目当てで来てるんじゃないだろうな・・・」
 レオンがぼそっと呟いた。

 百合はレオンを見て表情を変えた。
「待って!!あ、あなた・・・」
「ん?・・・俺がどうかしたか?」
 レオンも表情を変える。
(まさかこいつ・・・俺の悪魔の血を察知・・・)

「・・・悪霊が憑いてますね」
-ずるっ-
 思わずレオンがずっこけた。

「しかもコレは強力な悪霊ですよ・・・是非お祓いしたほうがいいです。姉に紹介します。こちらにいらしてください」
 百合はすたすたと中に入っていった。

 レオンはぽかんとした顔で百合の後姿を見ていた。
(な、何だあいつは・・・悪霊って悪魔のことなのか?それともただの間違いか?あるいは本当に霊が・・・)

 明日香はちらっとレオンの顔を見る。
「え~っと・・・レオン。いってらっしゃい!私こういうの苦手なの。家で待ってるね!」
 そういって走って帰ってしまった。
 遠くから最後に叫んだ。
「死なないでね~っ!!」

(こんな所で死んでたまるか!!アホ!!)
 取り残されたレオン・・・

 仕方なくレオンは百合の歩いていった方に向かう。
 中はかなりぼろいが、掃除は行き届いていた。
(ん~。何にも無いところだな・・・)

 奥で百合が待っていた。
「どうぞ・・・こちらです・・・」
 重々しい口調で扉を開く。

 沢山の蝋燭と何やら供え物をする台が置かれていた。
 中央にござが敷かれている。

 百合がレオンを案内する。
「あちらに居るのが姉の詩乃です・・・」

 台の前に長い黒髪の女性が座っていた。
 レオンの気配に振り返る。
「・・・なるほど。確かに禍々しい・・・失礼ですが・・・霊界の方ですか?」
 蕪木詩乃・・・百合を大人にした感じだが、可愛いと言うより綺麗系だ。
 歳は20代前半といったところか。

 レオンは来たことを激しく後悔した。
(う、こいつら・・・どこかずれてる・・・何だよ悪霊とか霊界とか・・・)

「悪霊は霊界からやってきて人々に取り憑き災いをもたらします・・・大丈夫です。私達がすぐに祓って差し上げます・・・」
 詩乃がそう言ってレオンの背中に人型の紙を当てた。
 そして何かを呟いた後でそれに火をつける・・・

 突如としてレオンが苦しみだした。

-ドクンッ!!-
「ぐっ!?くぅぅぅっ!!ぐあああぁぁっっ!!」

 姉妹が慌てる。
「お、おかしい・・・苦しまないはずなのに・・・」
「姉さん!とり合えず火を消しましょう!!」

 火が消えると何とかレオンは落ち着いた。
「ぜーっぜーっ・・・こ、殺す気かてめえらは・・・」

 姉妹は暢気に今の異変を考えていた。
「おかしいですね・・・絶対悪霊が憑いていると・・・」
「でも姉さん。最近やたらと霊力が溢れていて、少し分かりにくくなってますし」
「・・・ずっと霊力が垂れ流しになってる人が居るみたいね。普通そんな霊力ありえないんだけれど・・・」
「う~ん・・・」

 たまらずレオンは力を使って姉妹の動きを止めた。

 『マスターオブスペース!!』

 百合も詩乃も虚ろな目でどこか宙の一点を見つめている。

「何だよ・・・この力には無抵抗かよ。やっぱ偽者なんじゃねえのか?」

 そしてレオンは2人にある暗示を入れた・・・

 『リリース!!』

 2人がビクッとして意思を取り戻す。
「あ、あれ・・・な、何かがおかしいような・・・」
「わ、私もです・・・なんでしょう・・・」

「ほら、悪霊はもう祓ったんだろ?」
 レオンがそういうと2人は思い出したように喋り始めた。

「そ、そうでした・・・追い出した悪霊が今度は百合に取り憑いて・・・」
 詩乃が慌てて百合を見る・・・

「うう・・・あ、熱い・・・か、身体が熱い・・・」
 百合は苦しそうに胸を押さえて蹲っている。
「あ、ああっ・・・あ、熱い!熱いよぉっ!!」
 百合は着物をばっと脱ぎ去った。

「ああ・・・熱い・・・胸がじんじんする・・・子宮がうずく・・・熱い・・・」
 中につけている下着も脱ぎ捨てていく。

「こ、これは!!悪霊に性欲を操作されているの!?」
 詩乃が慌てるがどうすることも出来ない。

 全裸の百合がレオンに歩み寄っていく・・・
「お、お願い・・・私の熱を冷まして・・・めちゃくちゃに犯して・・・あなたの力で悪霊を祓って・・・」
 何故詩乃でなくレオンに祓ってもらうのか疑問に思ってはいない様だ。

 百合はレオンの手を取って自分の胸に押し付けた。
「どう?凄くドキドキしてるでしょ?苦しいの・・・助けて・・・このままじゃ悪霊に支配されちゃう・・・」

 真剣な顔でレオンに性行為をねだる。
 レオンは笑いを堪えていた。

 レオンは百合を押し倒して胸を揉んでいく。
「本当に俺に祓えるのか?・・・どうすれば祓えるんだ?」
「・・・えっと・・・そうだ。私がイケば悪霊が満足して私の身体から出て行くんです・・・多分・・・」

 レオンは笑いを堪えながら百合の胸をこねるように揉んでいく。
 百合が喘ぎ声を出す。

「あん・・・悪霊が喜んでる・・・もっと・・・もっと・・・」

 レオンは百合の乳首をつまんだり弾いたりと新たな刺激を与えていく。
「ひゃんっ!!す、凄く・・・気持ち良い・・・うんっ!あんっ!!あっ!!」

 とりあえずレオンは百合を仕上げに入る。
 指で百合のおま○こをほぐしていく・・・
(・・・ふむ。もう十分トロトロだな・・・問題は入るかどうか・・・そして処女かどうかだ・・・)
 指を中に入れる・・・すぐに引っかかった。
(む・・・やはり処女か・・・)

 レオンは予定を変更してもっと百合を快楽の海に沈めることにした。
 クリトリスを中心として次々に刺激を与えていく。
「どうだ?気分は・・・」

「あっ!な、なんか!なんかきそう!!あっ!!なにこれっ!!く、くるっ!!」
 百合の体が震える。
 経験の無い百合にとってレオンの経験豊富な愛撫はとてつもない快感をもたらしていた。
「だめぇぇぇぇっっっ!!!!」

 とりあえず絶頂に達した。
 百合ははあはあと息を整えている。
「だ、だめぇ・・・ま、まだまんぞくしてないよぉ・・・」
 子供っぽい口調で再びレオンの愛撫を待つ。

 レオンは再び愛撫を再開する。
「んあっ!!」
 快感を覚えた身体にレオンの愛撫が染み込んでいく。
「ああっ!?な、なんで!?ま、またくるっ!!んああぁぁぁっっ!!!」

 百合は身体を大きくのけぞらせてくたっと脱力した。
 レオンはようやく自分のペニスを出して恥部にあてがった。
「絶対に力むな」
 レオンがゆっくりとペニスを押し込む。

「ふにゃ?・・・ん・・・ひぐぅぅぅっっっ!!?」
 消えかけていた意識が一気に呼び起こされた。
 やはり初めてでレオンのペニスは厳しいものがあるのだろう。

「ち、力を抜け!!身を委ねろ!!そうすれば気持ちよくなるぞ!!」
「い、いたいっ!!いたあぁぁぁいっ!!」
 レオンの呼びかけで百合はなんとか力を抜こうとするが、痛みですぐに力んでしまう。

「ちぃっ・・・仕方ないな・・・」
 レオンはゆっくりと動かし続ける。
 百合はなんとか痛みを堪えると、レオンにがっしりとしがみついた。

「ああっ!!ん!!ああっ!!ん!!ん・・・あっ・・・あっ・・・」
 次第に快感も感じてきたようだ。
 レオンは一気に加速させる。
「うああぁぁぁっっっ!!!!」

 百合はそのまま絶頂に達した。
 レオンを掴んでいた腕がするっと脱力した。

 レオンはあろうことか百合の着物で破瓜の血をふき取った。
 そして詩乃の様子を見る。

「ご、ごめんなさい・・・つ、捕まえようとしたら・・・こ、今度は私の身体の・・・中に・・・」
 汗だくで震えていた。どうやら詩乃も悪霊にやられたらしい。

「はぁっはぁっはぁっ・・・こ、こんな・・・こんなに・・・したい・・・ねぇ・・・私を犯して・・・」
 詩乃も着物を脱ぎ捨てて下着を脱いでいく。
 ただ百合と1つだけ違うこと・・・詩乃はブラではなくさらしを巻いている。
 さらしを解くとどう隠していたのか分からないような豊満な胸が現れる。

「お、お願いします・・・抱いて・・・」
 詩乃の方は経験があるようだ。
 これが性行為であることも理解している。
 だが、悪霊を祓うためにはこれは必要なのだ。

 詩乃からレオンに飛びついてくる。
「ご、ごめんなさい・・・抑えられない・・・悪霊の、悪霊のせいだから・・・」

 レオンは覆いかぶさるようにキスをする。
「ん・・・はぁ・・・」
 詩乃がレオンの舌に自分の舌を絡み付けてくる。
 どうやらかなり積極的なようだ。

 キスをしながらレオンは詩乃の胸を揉んでいく。
 詩乃の顔が蕩けていく。
「ふぁ・・・ぁ・・・」

 レオンは詩乃を寝かせる。
 そして再びキスをしながら膣に指を入れる。
「あぁん・・・あはぁ・・・」
「ふ・・・とろっとろじゃないか」

 もう大丈夫と判断したレオンはペニスをあてがって一気に貫いた。

「ふぅぅんっ!!あっ・・・あんっ!あんっ!あんっ!」
 次第に詩乃の身体が痙攣し始める。

「あんっ!!あっ!い、イク・・・んんんんんんんっ!!!!」
 詩乃はぎゅううっとレオンにしがみついて絶頂に達した。
 百合も詩乃もだらしなく失神している。

「やれやれ。とんだ一日だったな・・・」
 レオンは自らのズボンを穿き終ると、翼を広げて自宅に飛んで帰った。

 レオンは2階から今野家に戻った。
 宿題中の明日香が話しかけてきた。
「あ、レオン。悪霊はどうなったの?」
「ん?ああ。ちゃんと祓ってきた」
「へぇ~。良かったね」
「ま、いろんな意味でな」
「??」

 そして夜・・・
 帰宅した美佳と共に3人が食事していた。

 美佳がレオンから女の匂いを嗅ぎつける。
「・・・ねえレオン。今日は何人の女とヤッたの?」

「あ?別に俺が何人やろうといいだろ」
「良くないわよ~。だって私が手を抜かれたら困るじゃない」
「別に美佳に手を抜く気は無い。下界では美佳が一番だ」

 美佳はがたっと席を立った。
「あら、それ本当なのね?だったら今すぐしましょう?そして夜、深夜、朝とやりまくっていいのよねぇ?」
 やや苛立っているのが分かる。

 レオンはそんな美佳を刺激しないように軽く流した。
「・・・別にお前の身体が持つならな」
「勿論。じゃあ明日香、洗い物はお願いね」

 美佳は皿洗いや洗濯を明日香に任せてレオンとセックスしに部屋に入った。

「ちょっとぉっ!!私だって忙しいのよっ!!今日はアニメがあるのに~・・・宿題もあるし~」

 翌日、歩美と恵子はぐったりとしていた。どうやら勝負は同時イキで終わったらしい。

 ≪「後編よ~♪」byフィリシーン≫

 明日香は6年になった。
 身体もそれなりに成長した。といっても人並みではあるが。
 相変わらずレオンは美佳と歩美と恵子、蕪木姉妹やその他もろもろを抱いて性欲を発散している。
 歩美はレオンの調教のかいもあって、すっかり淫乱な女性になった。
 同じく恵子も、歩美にライバル意識を燃やして頑張っている。
 蕪木姉妹とは相変わらず霊が取り付いたシチュエーションで行っている。
 美佳はレオンと抱き合う快感が一番好きだ。そしてレオンのおかげで充実した生活を送っている。

 明日香の部屋・・・
 明日香は明日の準備をしている。
「え~っと。着替えは入れたし、歯ブラシも入れたし、しおりも持ったし・・・」

 レオンが押入れから顔を覗かせていた。
「そうか、明日だったな。気をつけて行って来いよ」

 明日は明日香の修学旅行だ。
 明日香は数日前から張り切って準備をしている。

 明日香が振り返る。
「何言ってんのよ!!レオンも行くのよ!」
「俺がぁ?どうやって」
「そのおっきな翼で飛んで来れば良いじゃない」
「そんなことしたら注目の的だろうが!」
「力使って誤認させれば良いんじゃないの?」
「気軽に言うな!・・・とにかく。俺は行かないからな!」

 そこまで聞くと再びバッグを確認し始めた。
「ふ~ん。どうせ私たちが居ない間に先生やお母さんとエロエロするんでしょ」
 ふてくされたようにレオンを咎める。

「・・・さあな。ネンネのお前には関係のないことだ」
「ふ~んだ!どうせ私はガキですよ~」
「寝とけ。電車なんだろ?遅れたらシャレにならんぞ」
「は~い・・・え~っと。明日は5時にセットして・・・」
 明日香は早めにベッドに入った。

 そしてレオンは美佳の部屋に向かった。
 勿論セックスするためである。
 『あの日』以外はほぼ毎日抱き合っている。

 翌朝・・・
「あひゃあああっっっ!!!」
 明日香が慌てて飛び起きる。
 ちらっと時計を見る。8時前・・・とっくに予定の時間は過ぎていた。
 そして台所に向かう。

 台所には初日用のお弁当が作ってあった。
 だがレオンも美佳も居なかった。
「あ、あれ・・・居ない・・・まさか!!」

 明日香は風呂場を覗く。
 2つのシルエットが抱き合っていた。
「な、何してるのよ!!どうして起こしてくれなかったの!?」

「ん~?・・・今何時~?」
 中から声が聞こえる。甘ったるい美佳の声だ。

「あ~もう!!8時よ!!もう電車出ちゃったわよ!!」
 明日香はイライラしながら扉を開ける。

「・・・ったく。ガキじゃあるまいし自分で起きろよ」
 レオンがタオルで髪を拭きながら愚痴る。
「そうよそうよ。もうとっくに行ったと思ってたわ」
 美佳も頭にタオルを巻く。

「朝っぱらからイチャついてるんじゃないわよ!!」
 明日香が怒りをぶつけた。
「うるっさいわね!!あんたが悪いんでしょ!!」
 美佳が一蹴すると、明日香の顔がくしゃっとなって泣き出した。
「うわ~ん!!楽しみにしてたのに~!!行けないなんて嫌だよお~!!」

「ああ・・・もう、この子ったら!!」
 美佳は明日香の背中をさすって落ち着かせようとしている。
 レオンはお構い無しに2階に上がっていく。

「あ、レオン!!待って!!」
 明日香は急いでレオンを追いかけた。

 明日香がレオンにすがりついた。
「送って行って!!」
「・・・言うと思ったぜ。言っておくが場所も知らん。無理だ。素直に諦めて学校に電話しろ」

「レ!オ!ン!!・・・いいの?私にそんな態度をとっても!!いつまでも帰れないよ!!」
 明日香はレオンの任務をちらつかせた。
「・・・ったく。最近権力行使が増えたな・・・」
 レオンは頭をばさばさとかくと、明日香の荷物を持った。

 明日香はにんまりと笑った。
「ふふん。それでいいのよ~。だ~いすきレオン!」
「調子のいい奴だ・・・」
 そして明日香と共に階段を下り、玄関に向かった。

 途中で明日香が口に朝ご飯を詰め込んでいた。

「・・・んんっ!!」
 レオンの翼が開く。

 明日香はレオンに抱えられながら手を振る。
「じゃあお母さん。行ってきま~す!」

「ごめんねぇ。レオン。わがままな子で」
 美佳は申し訳なさそうにレオンに話しかけた。
 レオンはふっと笑って美佳に振り返った。
「あんたにそっくりだぜ・・・」

 レオンと明日香が空に飛び立った。
 美佳が手をふっていた。
「飛行機に気をつけていくのよ~」

 レオンは高く上昇すると、目的の場所に向かって飛んだ。
 初めて見る空の景色に明日香は感動していた。
「うっひゃああぁっ!!たっか~い!!はや~い!!」

 駅に近づくと線路沿いに飛んでいく。

「追いついたら降ろすからな。電車に乗ってけよ」
 レオンは先回りして明日香を駅のホームに下ろし、帰るつもりだった。

 明日香はポケットに手を入れる。そして異変に気がついた。
「うん・・・・・・あれ?・・・あ、あははははっ・・・キップ忘れた・・・」

 レオンはそんな明日香に呆れる。
「・・・バカが・・・やれやれ。俺はいつになったら天界に帰れるんだ?」
「さあ~。いつだろうね~」
 他人事のように軽くあしらう明日香・・・
 だが!間違いなく明日香が当事者の願い主である。
 レオンは線路を見つけると、線路に沿ってスピードを上げた。

 レオンのスピードですぐに電車に追いついた。

 中から景色を見ていた女子がレオンに気がつく。
「あ、あれって明日香じゃない?」
「え、うそうそ~。何で飛んでるの~?」
「あ、じゃああれってレオンさん?空飛べるんだ~。さっすが天界人~」

 明日香がクラスメイトに気付いて手を振る。
 レオンはそんな暢気な明日香に少しカチンときていた。

 目的の駅・・・
「いやあ~。すみませんね~。レオンさん」
 教師達が翼を閉まったレオンに頭を下げる。

 さっそく歩美と恵子がレオンにべた付いている。
「まさかシオンさんが来られるとは思ってませんでした」
「ちょっと星野先生!近寄りすぎよ!歩きにくいわ」
「だったらそっちが退かれたらどうです?」
「なんですって!」

 レオンはそんな2人を気にせずに答えた。
「いや、悪いのはこのバカだ。ほら、謝れ」
 レオンが終始はしゃいでいた明日香をつまみあげる。

「ふ~んだ!起こさないから悪いんだよ~。べ~っ」
 相変わらず身勝手な明日香にレオンは力を使った。

 『マスターオブスペース!!』

 明日香の目が虚ろになる。
 さっそくレオンは暗示をかける。
「ほら、お前は凄く迷惑をかけた。悪かったと思っている。深く反省している・・・」
 明日香の身体が小刻みに震え、涙が流れる。

「じゃあ謝るんだ。いいな」
 明日香がこくんと頷いたのを確認する。

 『リリース!!』

 明日香はビクッとして今の状況を思い出した。
 そして謝罪の気持ちが込み上げてくる。
「あ、み、皆・・・私、ごめんなさい!!すみませんでした!!」
 明日香がぺこぺこと頭を下げて謝罪する。

「・・・もういいですよ。さあ、行きましょうか」
 あまりの豹変振りに驚きながらも、皆が並んでバスに乗り込んだ。

 皆は順序良く各地を回る。
 レオンはバスの後部座席で眠っていた。
 そのせいで運転手が居辛く思っていることには気がついていないらしい。
 さらに、レオンはバスガイドのお姉さんに膝枕してもらっていた。

「レーオーン!!」

 聞きなれた大声でレオンは起きた。
 明日香と数人の女子生徒がレオンの目の前に立っていた。
「・・・何だ」
「ほら、あっちでアイス食べよう?」
 腕を引っ張られて明日香たちと行動することになった。

 歴史的建造物を見学する・・・
「ほらほら~。この建物すっごいね~」
「・・・そうだな」

 坂の上から綺麗な風景が広がっていた・・・
「うっわ~。綺麗な景色~」
「・・・そうだな」

 博物館を見回る・・・
「あ、見て見て~。スタンプラリーがある~」
「・・・そうだな」

 単調な返事しかしないレオンについに明日香がキレた。

「何よ!せっかく誘ってあげてるのに!!」
 他の女子が止めようとするが、明日香はムッとしたまま怒っていた。
 レオンはそんな明日香を見て冷たく言い放った。
「・・・俺は天界人だぞ?いくらでも下界は覗いたからな」

 明日香はそんなレオンになんとか言い返した。
「う・・・もっとこう・・・楽しそうにしなさいよ」
「・・・何を言っている。お前の修学旅行だ。お前らが楽しむのが大事だろ」
 まわりの生徒もレオンの言葉にそりゃそうだと頷いていた。
「う・・・ごもっとも・・・」
 明日香はあっさりと負けを認めた。

 それでも明日香はレオンと一緒にまわり続けた。
 明日香にとってレオンはかけがえの無い家族なのだ。
 そして唯一遠慮なく甘えられる人物でもあった。

 夕方、旅館・・・
 宴会場に皆が並んでいる。
 目の前には料理があるが、予定外のレオンの分は無い。
 まあ当然だろうと壁に寄りかかっていると、歩美がレオンを手招きした。

「シオンさん。こっちこっち」
 レオンは言われるままに歩美の右隣に座った。
「まかない料理でよければ用意してくれるって。ほら」
 確かにそれらしき料理が置いてある。

「わざわざ言ってくれたのか?すまんな」
「いえいえ。シオンさんのためですもの。私のと食べ比べしましょう?」
 歩美が顔を赤らめて笑顔を見せる。

 明日香たちはがっかりした顔でレオンを見ていた。
「あ・・・レオン・・・私たちのあげようと思ったのに・・・」

 恵子が右に座ってお膳をレオンに差し出した。
「レオンさん!そんなまかない料理なんてダメですよ。私のをどうぞ」

「!!あら~沢木センセ。センセは何も召し上がらないんですか?そのまかないは私が頼んで用意してもらったんですよ?」
 歩美が恵子に突っかかった。
 恵子はそんな歩美を見てふっと鼻で笑った。
「ええ。私はこういうこともあろうかと売店でパンを買ってきましたから」

 レオンを挟んでバチバチと火花が飛ぶ。

「あら。沢木センセ?買い食いは禁止じゃなかったかしら?先生ともあろうものがそれでは生徒に示しがつかないと思いません?」
「はい?星野センセーこそ勝手にまかないなんて頼んで。あつかましいと思わなかったんですか?旅館の方にご迷惑でしょ?それ、ちゃんと食べなくちゃいけませんよ?折角用意してもらったのに残したとあっては生徒に示しがつきませんよ?」

 まさしく女の戦いだ。
 普通なら居心地の悪いところだが、レオンは全く気にしていない。

 ともあれ食事は進んでいく。
 歩美がレオンにビールを注ごうとした。
「ささっ。シオンさんも一杯どうぞ」

「・・・いいのかよ。職員が酒飲んでても」
「いいのよ。多分」
 歩美はふふっと笑うと、シオンのグラスにビールを並々と注いだ。

 それをみた恵子は不機嫌そうにジュースを飲んでいた。

 その夕食は大いに盛り上がり、それぞれは部屋に戻っていった。

 レオンの側には歩美がべったりとくっついていた。
「そういえばシオンさんはどこにお休みになられるんですか?」
「俺か・・・明日香の部屋で寝るつもりだが?」
「私の部屋で寝ましょうよ~」
「お、おい・・・酔ってるのか?」
 歩美はレオンを自分の部屋に引っ張って行った。
 一方恵子は今は何もしない。
 歩美は酔っていて判断力が鈍っている。歩美の部屋は女性教師用。つまり恵子も同室なのだ。だからどっちが誘っても同じなのだ。

 深夜・・・
 消灯時間を過ぎた部屋は静まり返っている。
 が、ある部屋の扉が開いた。
 明日香がひょこっと顔を出す。
 誰も居ないのを確認すると、くいくいと中に手招きした。
 ぞろぞろと女子生徒が外に出る。
 全員で6人が、連なって歩いている。

 明日香がとある部屋の前で止まり、扉を開いて中に入った。
 そして更に中の扉に耳をくっつける。

「みんな。そ~っとだよ・・・」
 扉を少しだけ開いて中を覗く。

 レオンが歩美を犯しているところだった。
 歩美だけではない。恵子も全裸で倒れている。
 同室の女性の先生達はレオンの能力のせいなのか熟睡していた。
 明日香達が縦に連なってその様子を見る。

 歩美がひときわ大きな声を出す。
「あんっ!!お、お願い!!で、電気を消して!!」
「何だ?今更恥ずかしがるなよ」
「やあっ!!」
 親指を咥えて歩美が腰を激しく振っている。

 そしてそれを見る明日香たち。
「う~ん・・・ちょっと連結部分は見えないなぁ」
 何故かエッチな話題になり、明日香の提案でレオンの性行為を見学しに来たのだった。
「うわ~。先生の顔・・・厭らしい顔してる・・・」
「何?そんなに気持ちいいものなの?」
「え?ちょっと私にも見せてよ・・・」
 喘ぎ声にかき消されるほど小さい声でひそひそと話している。

「んぐぅっ!!・・・・・・」
 歩美の身体が固まる。
 しばらくして脱力すると、今度はレオンのほうに身体を向いた。
「何だ?今日はいろんな体位のオンパレードか?」
「旅行って特別な気分にならない?ただ犯されるだけじゃ満足できないもの・・・んっ」
 再び腰を動かす。
「俺としてはさっきと一緒なんだが?」
「あんっ!!私は違うの!!カリのあたる部分が違うから!!」

「ね、ねえ。カリって何かな?」
 1人が明日香に尋ねる。
「さ、さあ?って何で私に聞くのよ!」
「だって一緒に住んでたら一回ぐらいあるでしょ?」
「無いわよ!レオンの事をそんなふうに見たこと無いもの!」

「んっ・・・」
 1人がモジモジし始める。
「な、何やってるのよ!こんなところで!」
「わ、わからない・・・何だか変なの・・・」
「あわわわ~。ど、どうしよう・・・と、とりあえずあんたは部屋に帰りなさい」
「や、やん・・・帰れそうに・・・ん・・・無いよぅ・・・」
 次第に6人の周囲の温度が上がる。

「はんっ!!んっ!!・・・・・・」
 またイッたようだ。
 今度は四つん這いになる。
「シオンさん・・・突いて・・・」
「やれやれ。ようやくか」

「うっうわっ!!モロに見えてるんすけど・・・」
 1人が顔を手で覆う。けれどもしっかりと凝視している。
「あ、あんなに大きいんだ・・・あれが入るのかな?」
 1人が自分の性器に指を入れる。
「ちょ、ちょっと皆!こんなところで・・・」
 明日香が皆を制するが、数人が自慰に没頭している。
(みんな・・・やめてよ・・・や、やだ・・・私までジュンってしてきた・・・)
-ドクッ、ドクッ、ドクッ・・・-

「あんっ!!あぅっ!!はんっ!!」
 歩美は腕の力が抜けてへたり込んでいる。
 完全にレオン主体で進んでいる。
「ふっ。もう限界か?」
「あっ!!らめっ!!あたひこわれひゃうっ!!!」
「出すぞ!!」
-ドクン!!ドプッ・・・-
「ひゃあああっっっ!!!!」

 レオンがペニスを引き抜く。
 歩美の恥部から精液が漏れている。

 歩美が失神した頃、恵子が起き上がってレオンの腕を取った。
「やっと終わったのね。次は私よ」
「起きてたのかよ!ってお前は一番に終わっただろうが」
「でもぉ。星野センセったらやりすぎよぉ。だったら私ももっとね?」
「いいだろう。まあ俺も満足はしてないからな」

 レオンは既に出来上がっている恵子を持ち上げる。
 そしてゆっくりと下ろして挿入する。
 明日香が来る前に一度達しているらしい。

「うぁっ!あん!あはっ!こ、こんな体位!普通の男じゃ!できないわねっ!」
 恵子は物凄く満足そうにレオンにしがみついている。
「く・・・お前は締め付けが素晴らしいな・・・」
「あっ!はっ!うあっ!」

 その様子をまじまじと見つめている明日香たち・・・
-ドクッ!ドクッ!ドクッ!・・・-
「・・・ね、ねえ・・・みんな・・・帰ろうよぉ・・・」
 明日香が息を荒くしながら皆に話す。
「だ、ダメ・・・収まらない・・・」
「と、止まらないよぉ」
「ん・・・切ないよぉ」

「そ、そんな・・・どうするのよぉ・・・」
 明日香は自分がどうするべきなのか悩んでいた。

「くふぅっ!!ふあぁぁっ!!」
 一際大きな喘ぎ声。どうやら絶頂に達したらしい。
 その声を聞いても明日香たちは固まったように動けなかった。

-ガラッ-
「っ!!?」
 明日香たちが突然開いた扉に驚く。
「・・・何やってるんだ?お前ら」
 全裸のレオンが立っていた。
-ドクン!-
 愛液や唾液や汗で身体が艶かしく光っている。
 そして頭から思考を奪うような強烈な匂い。
 何よりもそのペニス・・・
-ドクンッ!-

 そして地面に這うように倒れている恵子。
「あらぁ・・・大人の行為を覗くなんておませな子ね。もう消灯時間は過ぎてるわよ?」
 恵子は凄く妖艶な笑みを見せた。
 -ドクンッ!-
 明日香はその笑みを見てぞくっとした。

 明日香はレオンに話しかける。
「ね、ねえレオン・・・」
(ちょ、ちょっと待って・・・私は何を言うつもりなの?)
「まだまだビンビンじゃない・・・」
(ダメよ!私とレオンの関係がおかしくなっちゃう!!)
「・・・私たちで・・・出しちゃえば?」
(や、ヤバイ・・・今の私・・・絶対エッチな目をしてる・・・)

 レオンはじっと明日香の顔を見ると冷たく突き放した。
「アホか。ネンネは大人しく寝てろ」
 レオンはユニットバスで身体を洗うつもりだ。

 明日香の胸の奥がズキッと痛んだ。
(や、やだ・・・勇気を出して言ったのに・・・)

 そんなレオンの腕に1人の女子生徒がしがみ付いた。

「・・・何の真似だ」
「れ、レオンさんの・・・太いので・・・私をめちゃくちゃにしてください・・・」
 泣きながらおねだりするその女子。

 レオンはその女子を見てキッと表情を変えた。
「本当に滅茶苦茶にすればいいんだな?」
「え?そ、それは言葉のあやという・・・」
 レオンは聞く耳も持たずにその女子を壁に押し付ける。

 と、一瞬だけ明日香たちの目の前が眩んだような気がした。

 レオンは怪しい笑みを浮かべていた。
「入れるぞ?」
「え?そ、そんな・・・絶対無理・・・あ、ああっ!!い、痛い!!やめてぇっ!!」
「自分で言ったんだろ?滅茶苦茶にしろと」
「ああっ!!い、痛い!!裂けるぅっ!!!」
 レオンは笑みを浮かべて乱暴に突いた。
「ふぐううぅぅぅっっっ!!!!」
 少女はあまりの激痛に失神してしまった。
 レオンのペニスを血が伝う。

「あ・・・おち○ち○・・・」
 別の女子がふらふらと近づく。
「ちょ、ちょっと!!あんたも処女でしょ!?無理よ!!」
「はあ~~~。これ欲しい・・・」
「いいだろう。くれてやる」

 レオンはその少女も無理やり処女喪失を体験させた。
 次の女子も・・・
 次の女子も・・・
 次の女子は処女ではなかったが、レオンの巨根の前ではその痛みに大差は無かった。

「れ、レオン・・・み、みんなの大事な処女を簡単に奪うなんて・・・」
 明日香はレオンに初めて恐怖を覚えた。

「こいつらから言ったんだぜ?でなきゃガキなんか相手にしねぇよ」
 血まみれのペニスは勢いを失うどころか増している。
「だってあんたたちを見てたら誰だっておかしくなるわよ!」
「誰だって?・・・ほう。お前も発情しているのか?」
 レオンが明日香の顎をくいっと持ち上げる。
-とくん・・・-

「や、やっぱりあんたは悪魔だわ!!」
 レオンの眉がピクリと動いた。
「・・・欲しいんだろ?」
-ドクンッ!-
 明日香の潤んだ瞳が小刻みに震える。
 一旦驚いて瞳孔が小さくなるが、すぐに大きく開いた。

「知っているか?好きなものを見ると輝いて見えるのは本当なんだよ。それをもっとよく見ようとして瞳孔が光を取り入れようと拡大する・・・まさしく今のお前だ」
「や、やめて!!レオンっ!!」
「だったら言ってみろ。俺なんか『要らない』と。すぐに帰ってやるぜ?」
-ドクンッ!-

「あ、あんたなんか・・・あんたなんか要らないわよ!!」
 そう叫ぶと、明日香が崩れ落ちた。
 分かっている。今の自分にはレオンが必要なのだと。

「お前の負けだな。こそこそと大人の遊びを見るからこうなる。マンガとかにしておけばよかったな。少女マンガにもエロいのは山ほどあるらしいぜ」
「あ・・・あ・・・」
 明日香が喉をゴクンと鳴らす。
(わ、私は・・・レオンを男として見た事が無かった・・・)

 明日香は消え入りそうに泣きそうな声でレオンにねだった。
「ち・・・ちょうだい・・・」(レオンは私の願いの為に居る・・・だったらこれは私の願い?)

「・・・」
 レオンは何も言わずに明日香の身体を壁に押し付けた。
 そして無造作に突き破った。
 明日香もあまりの痛さで気を失った。

 レオンは床に寝そべって悶えている女子を見ていた。
 恵子はその様子を疑問に思い尋ねた。
「レオンさん。今野さんたちは?」
 恵子の目には何が起きているのかがわからなかった。なぜなら・・・
「こいつらは今俺に犯されている・・・という感覚を味わっている」
「何故ですか?直接やってしまえば・・・」
「小学生を犯して後々の責任まで取れないからな。特に明日香はここで潜在意識の俺に対する性欲を消しておかなければ面倒になる」
「レオンさん・・・折角だからもう一回・・・」
「はぁっ?」
「いいでしょ?」
 恵子は起き上がると、レオンを誘う仕草を見せた。

「・・・一回だけだぞ。一回だけ」
「ふふっ。うれしいっ」
 レオンは結局恵子の身体を抱き寄せた。

 その後、恵子は3回イッた後でようやく満足した。
 レオンは女子達に、部屋に帰って此処で起きたことを忘れるように暗示を入れた。

 翌朝、明日香たちは違和感を感じていた。
「なんかさ~・・・身体がだるくない?」
「あ、私も~・・・なんていうか~・・・」

 しばらくするとその違和感にもなれ、明日香たちは修学旅行を満喫し、帰りの電車に乗った。

 が、明日香は・・・・・・

「レオン。宜しく!」
 そう言ってレオンに荷物を差し出した。
「お、お前・・・帰りの切符も持っていないのか?というか先生に言わなかったのか?」
「・・・う、うん・・・」
「やれやれだぜ・・・」

 レオンは今野家へと帰ってきた。

「あ、レオン~~。2日もしてないから溜まっちゃって~」
 美佳が外で待っていた。
 レオンに抱きついて腰を擦り付ける。

「あ~あ~・・・エロエロしちゃって~」
 明日香があきれた。

「おい、お前何入れているんだ?」
 レオンが美佳の愛液に気がついた。

「!!あ、こ、これは・・・」
 美佳はにんじんを取り出した。

「うっわ~。野菜でオナってる~・・・」
 明日香が美佳を軽蔑の眼差しで見る。
 美佳は恥ずかしそうに俯いていた。

 時は流れ卒業式・・・
 明日香たちはほとんどが同じ中学に進学するので別れは無い。
 だがここに1つの別れが・・・

 レオンは校門の側で寄りかかって立っていた。
 そこに2人の女性がやってくる。
 歩美と恵子だ。
「シオンさん」
「レオンさん」

「・・・たまには逢いに来てくれますよね?」
 歩美がレオンの側に寄りかかる。
「私も。レオンさんは忘れたくありません」
 恵子が反対側に寄りかかった。

 そんな2人にレオンは冷たく言い放つ。
「・・・悪いがお前たちは女の1人に過ぎない」

「3年間・・・楽しかったですよ・・・」
 レオンはゆっくりと前に歩くと、振り返って2人を見た。
「歩美・・・恵子・・・今までご苦労だったな」

「そ、そんな・・・別れるなんて・・・」
「そ、そうですよ!せ、せめて休みの間だけでも・・・」

 『マスターオブスペース!!』

 歩美と恵子の虚ろな瞳から涙がこぼれる。
「お前達の『記憶』を支配する。お前達の記憶からレオンを消し去る・・・」

 ・・・・・・・・・・

 しばらくして歩美と恵子は正気に戻った。
「ん、あれ?私泣いてる・・・」
「あ、私も・・・どうして?」
 歩美と恵子はお互いに見つめあうと、校舎に戻る。
 途中で振り返ると、見知らぬ男が校門の側に立っていた。
((??へぇ~。カッコイイ人。誰かのお兄さんかしら・・・))
 2人は男に気に留める様子も無く校舎に入っていった・・・

 明日香が卒業し、新学期が始まって数ヶ月後・・・
 恵子は、レオンを失った喪失感から無気力状態になっていた。
(はぁ・・・なんか・・・すっごく大事なことを忘れてる気がする・・・何なの?この何とも言えないモヤモヤした感じは・・・)

 恵子は机に頬杖をついて、大きくため息をついた。

「ねえ。貴女欲求不満なの?さっきからため息ばかりついてるわ」

 どこからとも無く聞こえた声に、恵子はため息をつきながら答えた。
「うん・・・自分でも理由が分からないんだけどさ・・・やる気が出ないのよ・・・」
 そして恵子は、ようやく誰かが居ることに気がついた。
「えっ!?・・・・・・」
 恵子の目線の先には、カジュアルな服装の女性が立っていた。その顔立ちはアイドル並に可愛い。何よりも驚くべきはその頭とお尻だった。

「だ、誰!?・・・え?猫耳?・・・尻尾?・・・(コスプレ好きなのかしら)」
 恵子は驚いて立ち上がった。

 女性は恵子を見て頬を膨らませた。
「失礼ね。これは猫耳じゃなくって犬耳。尻尾もふさふさで猫とは違うでしょ?」
「え、えっと・・・ご、ごめんなさい・・・」
「別にいいわよ。良く間違えられるし」
「で・・・貴女は誰?」
「私?私は通りすがりのワンちゃん・・・ちなみに名前はくうって言うのよ。宜しくね♪」
「は、はあ・・・で、くうさんが一体何の御用で?」

 くうはゆっくりと恵子に歩み寄り、恵子の目を覗き込んだ。
「私が叶えてあげましょうか?」
「えっ?」
「貴女の欲求不満・・・解消してあげるわ」
「あ、あの?」
「ふふふ・・・拒否はしないのね。可哀想に・・・無責任な飼い主に飼われてよっぽど退屈してたでしょ?」
「か、飼い主?何の話――」
「彼方達は丁度2人のペット・・・ならお互いがペット兼飼い主になればいいのよ。簡単で効率的でしょ?」

 恵子はくうの瞳に意識を吸い込まれそうになっていた。
(な、何・・・このままじっとしていれば・・・私の願望は満たされるってこと?・・・)

 くうは自身の唇をペロッと舐めると、口を開き舌を出した。
 恵子はその妖艶な仕草に、同姓ながらもぞくぞくした感覚を味わっていた。

 くうが恵子と唇を重ねる・・・舌を割り込ませ、からめる。
(な、何これ・・・な、なんか・・・初めてなのに・・・なつか・しい・・・)

 恵子の意識はそこで途切れた。

 くうは同じく猫耳のみゅうと合流した。校門のところには青年が立っていた。
「終わったか?みゅう。くう」
 みゅうとくうは青年に抱きついた。
「うん♪いいことした後って気持ち良いね♪くう♪」
「そうね。不幸になるペットは見たくないもの」
「じゃ、帰るぞ。皆が待ってる」
「ご主人様~♪今日はマグロ丼かな~?」
「ご主人様~♪くうはステーキがいいな~」
「それは今日の食事当番次第だな~」

 3人は仲良く帰っていった。

 その数分後。意識を取り戻した恵子は、自分の中に不思議な感情が沸いているのを感じた。
(・・・あ・ゆ・み・・・?何で?)

 何となく中庭に出た恵子。そこに居たのは歩美だった。
 歩美の姿を目にした途端、自分の中の抑えてきた感情が何なのかを実感した。
(犯したい・・・犯されたい・・・)

 歩美はじっと恵子を見ると、微笑んで言った。
「これからはずっと一緒ね。恵子・・・そして・・・ご主人様・・・」

 ご主人様・・・
 何故かその言葉が親しみやすかった。
「ちょっと歩美。お互いにペットでご主人様なんだからその呼び方はやめましょ?」
「ふふっ。そうね・・・恵子・・・」
「歩美・・・」

 2人の至福の時はこれからも続くようだ。

< つづく >

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