ダンジョンマスターの日記帳 6ページ

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「またかい」
 レッドソニアは迷宮の壁に書き込まれた模様を見つけた。
 これで何度目だろう。
 最近エロルは迷宮のあちらこちらに六芒星の魔方陣を書き込んでばかりいる。
「一体何のまじないかねえ」
(でもまあ、きっと)
 気持ちよくなる魔法に違いない。
(エロル様のおっしゃるには、この二つの三角はチ〇ポとマ〇コを表しているらしいからねえ。あん、かんじてきちゃった)
 もはや戦士の誇りなど忘れはて、快楽のことしか考えないレッドソニア。
 その場で自慰にふけりたいのを必死にこらえる。
(だめ、エロル様に、私の料理を食べていただくなくちゃ、人間の雌どもがいっぱい来て、最近ご無沙汰なんだから精つけてもらわなきゃ)
「はぁん」
 それでもため息が口をついて出る。
「エロル様ァ、私のお料理たべてぇ、私もたべてぇん、かんでぇ、お汁すってぇ」

 さてエロルであるが、難しい顔をして机に向かっていたところ、いきなり串刺しにしてこんがり焼いた牛を丸々一頭持ってきた、レッドソニアを見て絶句していた。
 しかも裸エプロンだし。

**********************

牡牛の月 9の日
 六芒星の呪印により雌どもが快楽に狂うたびに魔力が増大してくる。
 もっと力を増すにはより多くの雌が必要だ。
 その準備としての迷宮拡張工事のため、設計図を作成しようとするが、挫折。
 ゴブリンどもの技術では少し難しい。ドワーフのような専門家がほしい。
 手をつけるつもりはなかったが、“生き人形”の薬の調合に着手する。
 単純な命令しか聞かなくなるが、食生活向上のためだ。料理ぐらいならこれでよかろう。
 ソニアは最近調子に乗りすぎだ。一度締めるべきだろう。

牡牛の月 10の日
 “生き人形”の薬を作るため、マンドラゴラを収穫に畑に行く。
 死に掛けの年寄りでも使い道があるものだ。犬の代わりにはなった。
 ジャガイモのほうはどうも発育が悪い。マンドラゴラに養分を取られているようだ。

牡牛の月 11の日
 足りない材料を買いに街まで出かけたら、薬屋が妙な話を持ちかけてきた。
 断ろうかと思ったが、一応話を聞いてみたところ気が変わった。
 ほかにも需要がありそうだということで、引き受けることにする。
 起源は半月、平行作業になるが、まあ何とかなるだろう。

牡牛の月 12の日
 レニを連れて、“生き人形”の薬の検体を確保してきた。
 実験は成功、久々にうまい飯が食えた。
 わざわざ遠くまで、料理上手の娘をさらいに行った甲斐がある。
 今日はいい日だった。

**********************

「やめてぇ!やめてぇ!」
「触るな!化け物!」
「冷たいことおいいでないよ、それにここはそうは言ってないようだよ」
「く!」
 状況を説明すると、壁に鎖でつながれている若妻、裸に剥かれ、蜘蛛女の本性を顕したレニにその媚薬糸で縛り付けられ、床に転がされている夫、その夫の怒張した男根をもてあそぶレニ、それらをじっと観察するエロルとなる。
 国境を越えた街で料理がうまいと有名な宿屋の若女将サリと、その夫カイを、レニとともに拉致してきたエロルである。
 エロルは料理が出来ないわけではない、師であるゼノビアに女装メイドとして家事全般仕込まれている。しかし研究及び調教に熱を入れるため、食事については今まで簡単に済ましていた。
 しかしやはり人並みにいいものは食べたい。そういった不満はくすぶっていたのだ。
 それに火をつけたのが、レッドソニアの料理、いや料理ともいえない大雑把な牛の丸焼きである。似合ってもいない裸エプロンも怒りにさらに苛立ちの元になった。(どこで覚えたんだか)
 かくして料理人確保に動き出したエロルである。
 しかし、この世の人間すべてを憎悪し、全く信用していないエロルである。金で雇ったとしても人間の料理人は信じられなかった。
 そこで思い出したのが、“生き人形”の薬である。
 この薬を服用したものは、自分の意思を失い、他者からの命令に無条件で従うようになるという魔薬だ。
 ただし単純な命令しか実行出来ないという欠点がある。この薬を自国の兵士に飲ませた王は、安易に“皆殺しにしろ”という命令をだし、自分も殺された。殺す相手を判断する能力も失われてしまったわけだ。
 この薬により料理人の“心を殺し”たなら安心して使えるというわけだ。
 その検体として思い出したのがサリである。
 かつてエロルが残飯をあさっていたとき、野良犬のように追い払われたのをしつこく根に持っていたのだ。
 標的を極めると行動は早かった。レニを引きつれサリ捕獲に向かう。
 かくしてまだ少年少女といってもいい若夫婦は、邪悪な魔道士によって拉致される運命となった。
 ちなみに夫も拉致したのは、レニの望みだ。まだ少年をいたぶる趣味は健在らしい。今も嬉々としてカイの服をはぎ、媚薬糸で縛り上げながらなぶっている。
「おやおや、縛られて硬くするなんて、あんたも変態だねえ」
「くっ、や、やめろ」
「うふふ、こんな変態ち〇ぽなんか、こうしてやる」
 かぷり
 レニがカイの怒張を甘噛みする。
「あぐう!」
 レニの歯から媚薬がうちこまれる。がくがく痙攣するカイ。
「が、ぎ、ぎ、ぐ」
「いやあ!やめて!なにをしたの!」
「毒を打ち込んだのさ」
「え!」
「このままほっとけばすぐに狂い死にだ」
「そ、そんな、お願い!カイを助けて!」
「タスケテ?」
 サリの哀願を嫌みたらしく繰り返す。
「口のきき方がなっていないな」
「!お願いです!カイを助けてください!
「ふん、まあ、いいだろう、条件次第だ」
 勝ち誇った顔のエロル、顔を輝かせるサリ。
「ほんとうですか」
「ああ、お前がこの薬を飲んだら、こいつを助けてやろう」
「!……わかりました、飲みます」
 覚悟をきめるサリ。
「や、やめろ、あひい!」
 制止の言葉をかけるカイ。そこにレニの手が怒張を握りしめ、あっけなく射精してしまう。それでもまだ萎えない
「早く毒を抜かないと死ぬぞ、最も俺は構わんが」
 サリの前で薬瓶を振るエロル。
「そんな!飲みます!飲ませてください!」
「そうか」
 サリの口に薬瓶を突っ込むエロル。
「やめろ~~~~!」
 カイの叫びもむなしく、薬がサリの口に流し込まれていく。
 ついに瓶が空になった。
「うぐ、ごほっ、さあ、飲みましたからカイを…ひ、あ、なに、頭が割れるう!」
 せき込んでいたサリが急に悲鳴を上げ、その頭を振りまわす。
「おまえ!サリに何をした!う!だ、だめ」
 エロルに抗議するカイ。しかしレニに怒張を口に含まれ、再びあっけなく射精してしまう。
「まったく若いから濃いのはいいけど、せっかちすぎだよ、すぐにわかるさ、すぐにね」
 妖艶で邪悪な笑みを浮かべるレニ。
「レニ、そいつの口をふさいでおけ」
「はい、ご主人様の仰せのままに」
 カイの顔にまたがり、びしょぬれの秘所で口をふさぐ。それだけでまた射精するカイ。その間にももだえ苦しむサリ。
「いやああああ!だめええ!……わたし…消える…いや…ダメ…」
 激しく身をよじっていたサリがおとなしくなる。まるで糸の切れた操り人形のように。
 その髪をつかみ上げ、サリの顔を乱暴に自分に向けるエロル。その眼からは光が全く消えていた。
(ここからが肝心だ)
 これからの刷り込み次第で使えるかどうかが決まる。
「サリ、おれの声を聞け」
 サリは反応しない。
「俺は、お前のご主人様だ」
 これでサリの脳に自分が命令者として刷り込まれたはずだが…
「そしてお前は俺の淫らな肉人形だ。俺の命令は絶対だ。拒否は許さん。わかったな」
 やはりサリは反応しない。眉をひそめるエロル。
(失敗か?)
「では聞くぞ、お前にとって俺はなんだ?」
 のろのろと口を開く。
「…あなたは…私の……ご主人様です…」
(うまくいったか)
「おまえはなんだ」
「……私は…ご主人様の……み、淫らな…に、肉人形です……」
(まだ抵抗があるようだな、効き目が弱かったか?)
 もう少し試してみることにする。
「サリ、服を脱げ」
「…はい…」
 のろのろと服を脱ぎだす。その顔は無表情だが、心なしか赤くなっているようだ。
(やはり感情が死滅したわけではなさそうだ。気をつけなくてはならないが、これはこれで面白そうだ)
「サリ、命令を受けた時は必ず復唱しろ」
「…はい、命令は必ず復唱いたします」
 そして一糸まとわぬ姿となったサリに新たな命令を下す。
「サリ、オナニーをしろ」
「……はい…オナニーします」
 無表情で自分の胸をもみしだき、秘所をこすりだすサリ。最初はまったく無反応だったが、次第に息が荒くなり、甘い声を漏らし始める。
「ハアハア、ウンッ、アハン、アウ、アアア、クゥ!」
 どうやら絶頂に達したようだ。
「サリ、来い」
 サリを自分のもとに引き寄せ、いくつかの指示を与えると、次はレニに声をかける。
「いつまで座っている、そいつを窒息させる気か」
「はいはい」
 レニが腰を上げる。愛液まみれのカイの顔があらわになる。
「うう、あ、サ、サリ」
 全裸でほほ笑むサリを見て驚きの声を上げるカイ。
「サリ、抱いてやる。尻をこっちに突き出せ」
「…はい…いとしいご主人様……この淫らな肉人形めの…腐れマ〇コに……たくましいオ〇ンポ様を…ぶち込んでください…」
 張り付いたような笑みを浮かべ、自らを辱める言葉を吐くサリ。
 自らも服を脱ぎ、後ろからサリを貫くエロル。エロルの肉槍が自らを貫いても、サリの表情は変わらない。張り付いたような微笑みが浮かんだままだ。
 しかしエロルが腰を動かすにつれ、その表情がゆがみだし、あえぎ声が漏れ出した。
「はん、いい、あう、くっ…」
(くくく、人形がこのときだけ、メスに戻るというのも一興だな)
「やめろやめろやめろ~~~!」
 狂ったように喚くカイ。
 冷笑しながらサリの体を抱え込み、肉体の結合部分がカイによく見えるように、位置をとる。
「さあ、亭主の前で逝っちまえ、そらそらそら」
「ふわああああ!」
「く!」
 エロルの荒腰に絶頂に達するサリ。同時にエロルも射精する。
「あふう」
 うつろな目で、それでも満足そうな溜息を吐くサリ。
 それを見て勝ち誇ったような顔でサリに尋ねるエロル。
「サリ、あの男に抱かれて、逝ったことがあるか?」
「…一度も…ありません」
「ほう」
 ちなみに嘘ではない、ここで嘘をつけという指示は出していない。
「う、うそだ」
 カイが抗議するが、そこに冷笑をかけたのがレニである。
「うふふ、情けないねえ、ま、こんな早漏じゃむりもないか」
 そう言ってカイを騎乗位で犯し始める。
「男の値打ちは女を喜ばせてなんぼだよ、お姉さんが鍛えて・ア・ゲ・ル」
 勢いよく上下に動くレニの体。
「うあああ!あぐ!ひ!」
「ああん!すごい!射精が止まらない!アタシの中でビクビクいってる!いい!これいい!」
「こいつらだけ楽しませていくのも癪だ。サリもう一度だ、かわいがってやるぞ」
「…はい…いとしいご主人様……この淫らな肉人形めの…腐れマ〇コに……たくましいオ〇ンポ様を…ぶち込んでください…」
 先ほどと同じ言葉を繰り返すサリ。「抱いてやる」「かわいがってやる」と言われたら、こう返答するように命じられているのだ。
「ふふふ、いい子だ、それ!」
「あああん!ご主人様ぁ!ありがとうございますぅ!」
 いい子と言われたら、礼を言えというのも命令だ。常にほほ笑んでいろという命令もある。
「いいだろ!坊や!アタシのマ〇コ、あんな小娘より、いいだろ!」
「うあああああ!やめろお!やめてくれえええ!」
 エロルとレニは、若夫婦の凌辱を心ゆくまで楽しんだ。
 二人の外道がお互いの獲物を堪能しきって、立ち上がった時、エロルはサリに新しい命令を思い付いた。
(最終テストだ)
 プリスが使っていたメイスをサリに渡す。
「サリ、カイを殺せ、こいつでな」
「……はい」
 のろのろと動きだすサリ。
「サ、サリ、うそだろ」
 カイの言葉に反応せず、メイスを振り上げる。そのままほんのわずかだが動きが止まる。
「サ、サリ」
 安堵したようなカイの声。
 しかし次の瞬間。
「!」
 メイスが力いっぱいカイの頭に振り下ろされた。
「!!!」
 続いて何度も何度も振り下ろされるメイス。
 ついにカイの頭が石榴のように砕け散った。
「ああ、もったいないねえ、かわいい顔も台無しだ、ま、いいか、あんな粗チン」
 レニが返り血にうんざりしながら漏らす。
「サリ、よくやったぞ、いい子だ」
 エロルの声にふりかえるサリ。
「ご主人様ありがとうございます」
 その顔にはまだ微笑みが張り付いていた。しかし、そのうつろな目から血の涙が流れていた。

 

**********************

牡牛の月 14の日
 豊乳剤が完成した。
 やはり爪の垢を煎じて飲むというのは迷信にすぎない。
 しばらく実験の経過を観察してから、薬屋に売ることにしよう。

< 続く >

牡牛の月 14の日
 薬屋から頼まれた薬の試作品が出来上がる。
 試してみるが、効果が今いちだ。
 成分を変えた試作品を、いくつか作って試すことにする。
 

**********************

「ああん、いいのぅ!」
「あああ!すてきぃ!すてきぃ!」
「エロル様ぁ!私はもうエロル様のものですぅ!」
 迷宮内に淫らな叫び声が響く。
「はあはあ」
 自分の手に余る乳房をもむプリス。その手が股間に伸びる。しかし冷たい金属の感触に我を取り戻す。
「わ、わたし」
 自分が再びオナニーをしようとしていたことに罪の意識を感じる。
「ああ、神よ!弱い私に力を!」
 祈りの声に返ってきたのは、向かいの牢からのあざけりの言葉だった。
「ふん、今更かっこつけんじゃないよ」
「そうそう、あんなみっともない姿さらしてさ」
「さらに貞操帯までつけられたってのに、無様だねえ」
「ううう」
 村の女たちの言葉が胸に突き刺さる。
 あの妖術師に何らかの術をかけられた自分は、ここ数日(時間の感覚が鈍っているのでしかとはわからないが)肉欲の塊といった姿を、向かいの牢の女性たちにさらしつづけていた。
 純潔こそ守っているものの、絶えず自慰をおこない、ゴブリンやオーガーにまで色目を使い、その男根をなめたり咥えたり、最低の淫売でもここまでひどいことはしないだろう。
 今はどういうわけか正気だ。しかし、体に術の影響が残っているのか、発作的に自慰を行おうとしてしまう。だがなぜか昨日から、自分の秘部に貞操帯がつけられているため、自慰を行わずに済んでいる。その分欲求不満がたまっていくのだが。
 だが肉欲に負けてしまう自分よりも辛いのは村の女たちの変貌ぶりだ。
 ここにきて五日ほどたったろうか、一人が連れ出され、戻ってきたときは、おかされたことが一目でわかるほど、着衣が乱れていた。彼女は口をきくこともできないほど疲れ切っていたらしく、すぐ眠ってしまった。
 みな彼女を気遣い、そっとしておくことに決めた。自分も何か言葉をかけようとしたが、白い眼が返ってくるだけだった。
 翌日、前日の一人ともう一人が連れ出され、しばらくしたら帰ってきた。
 だがその様子は昨日とかなり変わっていた。
 二人とも五年から十年若返ったように肌がつやを取り戻し、眼がうるみ、顔が紅潮していた。まるで恋する乙女のようだ。
 服も前日以上にはだけているが、それを直そうともしない。色っぽく染まった肌が露出している。
 みな不安に思い、彼女たちを遠巻きに見ているだけだった。
 さらにその次の日、多くの女たちが連れ出され、全裸で帰ってきた。
 もはや夢遊病者のようにうつろな目で、みな欲情していることは一目でわかる。さらに、あまやかな声で「エロル様ぁ」とよびかける。
 明らかに何らかの術によりあの妖術師に心を奪われてしまったのだ。
 さらに翌日、牢の中の全員が連れ出された。全員が喜びの表情で、愛液を垂らしながら牢を出て行った後、あの妖術師がやってきて、牢内に六芒星をベースとした魔方陣いくつもを刻み込んだのだ。その後隙を狙っている自分に金縛りをかけた後、貞操帯をつけて牢を出て行った。
 やがて女たちが返ってきた。昨日以上に肉欲にまみれた姿で。
 そして牢内で、痴態をさらし始めた。
 あるものは自分で、ある者は女同士で、乳をもみ、乳首を吸い、女陰をねぶり、指をいれた。
 自分の説法など、誰の耳にも入らない。何度やっても無駄だった。
 この牢に入っているのは、みな貞淑な妻であり、こどもにやさしい母親だったはずだ。それが今は自分の夫も、子供も忘れてしまったようにあの男の名前を呼び、快楽を貪る。
 そして女たちが快楽の叫びをあげるたびに魔方陣が光る。まるで女たちの快楽を吸い取るように。
 それが昨日からずっと続いている。
(いったい、あの男は何を考えているというの)
 何とかしてそれを知りたいと思う。
 そこにエロルが入ってきた。
「エロル様!」
「エロル様!」
「エロル様!私をかわいがってください!」
「エロル様抱いて!」
「ほしいの!」
「オチ〇ポ様ください!」
 聞くに堪えない恥知らずな哀願をする女たちに目もくれずに、プリスの牢にをあける。
(いまだ!)
 弱った体に鞭を打ち、エロルの股間をけり上げる。しかしその蹴りはかわされた。
(く!まだよ!)
 蹴りあげた脚をそのまま前に突き出すように踏み込み、腹をこぶしで狙う。
 しかしその腕をからみとられ、逆関節にねじあげられ、地面に押さえつけられてしまった。
(くそう!)
 内心とは言え、神に仕える者としては不適当な悪態をつくプリス。
(ここまでなの、私も、こいつに、おかされてしまうの)
 そう思ったとき、自分がジュンと濡れたのを感じた。
(え、なんで、私……)
 当惑するプリス。しかし彼女の当惑をよそに、エロルが行ったことは奇妙なことだった。
 爪楊枝の様なもので、彼女の詰めと指の間の汚れを削り取り、シャーレに保存したのだ。
(何をしているの?)
 エロルが何をしているか分からず、呆然としているプリス。
 しばらくして、プリスから離れたエロルは、呆然とするプリスも、哀願する女たちも無視して帰って行った。
(なんで、なぜ、私を、犯さないの、アンさんたちみたいに、どうして!)
 そして彼女は気づいてしまった。自分の隠された心に。
(どうして私だけ犯してくれないの!)
 ハッとなって、否定しようとするが、気づいてしまった感情は、欲望は消えることがない。
「イヤ…」
 そう自分の体はあの男を求めている。
「イヤ」
 アンたちがあの男に犯されているのに、自分が無視されているのが許せない。
「イヤ」
 エロルニオカサレタイ。コノムネガツブレルホドモンデホシイ。セイエキガノミテイ。カオニカケテホシイ。ナカニダシテホシイ。
「イヤアアアア!」
 叫びをあげるプリス。
 自分で自分が信じられない。
 もちろんこれは彼女の責任ではなく、彼女に憑依している悪霊の仕業だ。悪霊の欲望が彼女の深層心理に影響を与えているのだ。
 現実から快楽に逃れようとしているのか、再び、胸をもみ始め、手が股間に伸びる。そして貞操帯に阻まれる。
「ああああ!」
 叫び声をあげて鉄格子に突進する。鉄格子にぶつけて貞操帯を壊そうというつもりらしい。
 ガキイイン
「ひゃん!」
 鋭い金属音とプリスの叫び。
 どうやら激突の衝撃が、彼女の子宮に響き快感を与えたらしい。
 鉄格子をいとしい男のように抱き締めるプリス。その鉄棒を男根に見立てなめ上げ、その巨大な乳房にはさむ。そしてその姿勢で股間を鉄棒にぶつけだす。
 ガチン!ガチン!ガチン!
「いひい!いいい!きもちいい!」
 それを見ていたアンたちもプリスのマネを始める。最もこちらは貞操帯がないので、ぶつけるわけでなく、その秘裂で鉄棒を挟み込むようにこすりつけるだけだが。
「あひい!いいよぅ!これ!」
「きもちいい!きもちいい!」
「エロル様!」
 プリスもわれ知らず叫んでいた。
「エロル様ぁ!犯してぇ!犯してくださいぃ!」
 その巨大な胸がブルンと振り子のように揺れ、鉄棒を食いこませる。
 しばらくその淫らな地獄絵は続いた。

 

**********************

牡牛の月 14の日
 豊乳剤が完成した。
 やはり爪の垢を煎じて飲むというのは迷信にすぎない。
 しばらく実験の経過を観察してから、薬屋に売ることにしよう。

< 続く >

 その後風呂に入ったエロルは、サリに料理を作らせ、久々の人間らしい食事に舌鼓を打った。
 当然そばには、エプロン以外何もつけていないサリを侍らせて。
 

**********************

牡牛の月 13の日
 冒険者どもが大挙来襲。
 すわ総力戦かと思いきや、いつまでたっても入り口そばの部屋から動かない。
 疑問に思って水晶玉を使うと、Mの亡霊の部屋の前に、行列ができていた。
 一部で先生と呼ばれたりして、人気があるのは知っていたが、ここまでとは思わなかった。
 しかしなんなんだ、ファンクラブとは。

牡牛の月 14の日
 薬屋から頼まれた薬の試作品が出来上がる。
 試してみるが、効果が今いちだ。
 成分を変えた試作品を、いくつか作って試すことにする。
 

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「ああん、いいのぅ!」
「あああ!すてきぃ!すてきぃ!」
「エロル様ぁ!私はもうエロル様のものですぅ!」
 迷宮内に淫らな叫び声が響く。
「はあはあ」
 自分の手に余る乳房をもむプリス。その手が股間に伸びる。しかし冷たい金属の感触に我を取り戻す。
「わ、わたし」
 自分が再びオナニーをしようとしていたことに罪の意識を感じる。
「ああ、神よ!弱い私に力を!」
 祈りの声に返ってきたのは、向かいの牢からのあざけりの言葉だった。
「ふん、今更かっこつけんじゃないよ」
「そうそう、あんなみっともない姿さらしてさ」
「さらに貞操帯までつけられたってのに、無様だねえ」
「ううう」
 村の女たちの言葉が胸に突き刺さる。
 あの妖術師に何らかの術をかけられた自分は、ここ数日(時間の感覚が鈍っているのでしかとはわからないが)肉欲の塊といった姿を、向かいの牢の女性たちにさらしつづけていた。
 純潔こそ守っているものの、絶えず自慰をおこない、ゴブリンやオーガーにまで色目を使い、その男根をなめたり咥えたり、最低の淫売でもここまでひどいことはしないだろう。
 今はどういうわけか正気だ。しかし、体に術の影響が残っているのか、発作的に自慰を行おうとしてしまう。だがなぜか昨日から、自分の秘部に貞操帯がつけられているため、自慰を行わずに済んでいる。その分欲求不満がたまっていくのだが。
 だが肉欲に負けてしまう自分よりも辛いのは村の女たちの変貌ぶりだ。
 ここにきて五日ほどたったろうか、一人が連れ出され、戻ってきたときは、おかされたことが一目でわかるほど、着衣が乱れていた。彼女は口をきくこともできないほど疲れ切っていたらしく、すぐ眠ってしまった。
 みな彼女を気遣い、そっとしておくことに決めた。自分も何か言葉をかけようとしたが、白い眼が返ってくるだけだった。
 翌日、前日の一人ともう一人が連れ出され、しばらくしたら帰ってきた。
 だがその様子は昨日とかなり変わっていた。
 二人とも五年から十年若返ったように肌がつやを取り戻し、眼がうるみ、顔が紅潮していた。まるで恋する乙女のようだ。
 服も前日以上にはだけているが、それを直そうともしない。色っぽく染まった肌が露出している。
 みな不安に思い、彼女たちを遠巻きに見ているだけだった。
 さらにその次の日、多くの女たちが連れ出され、全裸で帰ってきた。
 もはや夢遊病者のようにうつろな目で、みな欲情していることは一目でわかる。さらに、あまやかな声で「エロル様ぁ」とよびかける。
 明らかに何らかの術によりあの妖術師に心を奪われてしまったのだ。
 さらに翌日、牢の中の全員が連れ出された。全員が喜びの表情で、愛液を垂らしながら牢を出て行った後、あの妖術師がやってきて、牢内に六芒星をベースとした魔方陣いくつもを刻み込んだのだ。その後隙を狙っている自分に金縛りをかけた後、貞操帯をつけて牢を出て行った。
 やがて女たちが返ってきた。昨日以上に肉欲にまみれた姿で。
 そして牢内で、痴態をさらし始めた。
 あるものは自分で、ある者は女同士で、乳をもみ、乳首を吸い、女陰をねぶり、指をいれた。
 自分の説法など、誰の耳にも入らない。何度やっても無駄だった。
 この牢に入っているのは、みな貞淑な妻であり、こどもにやさしい母親だったはずだ。それが今は自分の夫も、子供も忘れてしまったようにあの男の名前を呼び、快楽を貪る。
 そして女たちが快楽の叫びをあげるたびに魔方陣が光る。まるで女たちの快楽を吸い取るように。
 それが昨日からずっと続いている。
(いったい、あの男は何を考えているというの)
 何とかしてそれを知りたいと思う。
 そこにエロルが入ってきた。
「エロル様!」
「エロル様!」
「エロル様!私をかわいがってください!」
「エロル様抱いて!」
「ほしいの!」
「オチ〇ポ様ください!」
 聞くに堪えない恥知らずな哀願をする女たちに目もくれずに、プリスの牢にをあける。
(いまだ!)
 弱った体に鞭を打ち、エロルの股間をけり上げる。しかしその蹴りはかわされた。
(く!まだよ!)
 蹴りあげた脚をそのまま前に突き出すように踏み込み、腹をこぶしで狙う。
 しかしその腕をからみとられ、逆関節にねじあげられ、地面に押さえつけられてしまった。
(くそう!)
 内心とは言え、神に仕える者としては不適当な悪態をつくプリス。
(ここまでなの、私も、こいつに、おかされてしまうの)
 そう思ったとき、自分がジュンと濡れたのを感じた。
(え、なんで、私……)
 当惑するプリス。しかし彼女の当惑をよそに、エロルが行ったことは奇妙なことだった。
 爪楊枝の様なもので、彼女の詰めと指の間の汚れを削り取り、シャーレに保存したのだ。
(何をしているの?)
 エロルが何をしているか分からず、呆然としているプリス。
 しばらくして、プリスから離れたエロルは、呆然とするプリスも、哀願する女たちも無視して帰って行った。
(なんで、なぜ、私を、犯さないの、アンさんたちみたいに、どうして!)
 そして彼女は気づいてしまった。自分の隠された心に。
(どうして私だけ犯してくれないの!)
 ハッとなって、否定しようとするが、気づいてしまった感情は、欲望は消えることがない。
「イヤ…」
 そう自分の体はあの男を求めている。
「イヤ」
 アンたちがあの男に犯されているのに、自分が無視されているのが許せない。
「イヤ」
 エロルニオカサレタイ。コノムネガツブレルホドモンデホシイ。セイエキガノミテイ。カオニカケテホシイ。ナカニダシテホシイ。
「イヤアアアア!」
 叫びをあげるプリス。
 自分で自分が信じられない。
 もちろんこれは彼女の責任ではなく、彼女に憑依している悪霊の仕業だ。悪霊の欲望が彼女の深層心理に影響を与えているのだ。
 現実から快楽に逃れようとしているのか、再び、胸をもみ始め、手が股間に伸びる。そして貞操帯に阻まれる。
「ああああ!」
 叫び声をあげて鉄格子に突進する。鉄格子にぶつけて貞操帯を壊そうというつもりらしい。
 ガキイイン
「ひゃん!」
 鋭い金属音とプリスの叫び。
 どうやら激突の衝撃が、彼女の子宮に響き快感を与えたらしい。
 鉄格子をいとしい男のように抱き締めるプリス。その鉄棒を男根に見立てなめ上げ、その巨大な乳房にはさむ。そしてその姿勢で股間を鉄棒にぶつけだす。
 ガチン!ガチン!ガチン!
「いひい!いいい!きもちいい!」
 それを見ていたアンたちもプリスのマネを始める。最もこちらは貞操帯がないので、ぶつけるわけでなく、その秘裂で鉄棒を挟み込むようにこすりつけるだけだが。
「あひい!いいよぅ!これ!」
「きもちいい!きもちいい!」
「エロル様!」
 プリスもわれ知らず叫んでいた。
「エロル様ぁ!犯してぇ!犯してくださいぃ!」
 その巨大な胸がブルンと振り子のように揺れ、鉄棒を食いこませる。
 しばらくその淫らな地獄絵は続いた。

 

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牡牛の月 14の日
 豊乳剤が完成した。
 やはり爪の垢を煎じて飲むというのは迷信にすぎない。
 しばらく実験の経過を観察してから、薬屋に売ることにしよう。

< 続く >

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