第一話
催眠術を極めた僕は、学校中の美少女に催眠をかけてハーレムを作り上げた。僕のクラスの男子は僕だけにしてもらい、残りはお気に入りの女の子だけで構成してもらったのだ。もちろん、全員洗脳済みでイイナリでヘンタイで僕にベタ惚れの女の子になってもらっている。僕が教室の扉を開けると、途端に黄色い歓声が上がるのだ。
「きゃ~! 賢哉くんが来たわよ~!!」「ご主人様ー!」「ダーリン!」「賢哉ちゃん~!!」
女子たちが身につけているのは、学校の制服ではない。ある女子はウサギの耳と尻尾がアクセントになったバニーガールのコスチュームを、またある女子はTバック状にお尻に食い込むレースクイーン風のハイレグレオタードを、他にもショーツが見えそうなミニスカメイド服や、スリットから覗く太股が生々しいチャイナドレス、エトセトラ……彼女たちは、僕好みのセクシーコスチュームを身にまとった姿で僕を取り囲む。彼女たちは、思い思いに素肌を僕に擦りつけながら、かわるがわる僕の顔にキスの雨を降らす。デレデレになった僕は、女子たちに引きずられて自分の席に座らされる。一人の女子が、僕の目の前にひざまずいた。
「賢哉さん……今日は、私がご奉仕しますね」
彼女は、僕のズボンのチャックを下ろす。途端にビンビンに張りつめていたペニスが外に向かって飛び出してくる。眼前の女の子はうっとりとした目で僕の男根を見つめると、先端に突き出した唇を触れた。瞬間、リアルな快感が背筋を走り……
僕は、目を覚ました。
自室のベッドの上に、僕は横たわっている。寝相が悪かったのか、身体の上に布団がかかっていない。風邪を引いたらイヤだな……などと考えながら身じろぎすると、股間から夢の続きのような鋭い快感が湧きおこる。寝ぼけ眼をこすりながら、自分の下半身に目を向けると、そこには見慣れた顔があった。
「ん……ッ。ふぁ、おはほぉ……おひぃはん」
上目づかいでこちらを見つめながら、舌足らずな言葉で挨拶するのは、僕の妹の真由だった。真由は、僕の股間に熱心な様子で顔をうずめている。朝勃ちで硬くそそり立った僕の肉棒は、すっぽりと妹の口内に呑み込まれていた。唇をすぼめて肉茎にこすりつけ、口角からピチャプチャといやらしい水音がこぼれるたびに、真由の口内で僕の性感がもてなされる。
「うッ……真由、お前……!?」
僕は思わずうめいた。フェラチオを体験するのは初めてだったけど、そんなことは関係ないくらいに妹の口淫はレベルが高い。たっぷりとあふれ出す適度なぬめりをもった妹の唾液が潤滑油となって、桃色の舌が男根の筋に絡みつき、頬の裏側で亀頭部を擦りあげてくる。その全てが混然一体となって、緩急巧みな淫蕩のリズムを刻んでいるのだ。
「真由……出る……ッ!」
僕が余裕なく叫ぶと、真由はすぐさま欲望を受け止める態勢に切り換えた。舌先で尿道口をつついて射精を促し、頬をこけさせるようにして吸引する。細い指を玉袋に這わせ、ポンプを押し出すように柔らかくマッサージし始める。たまらず、僕の射精衝動ははじけ飛んだ。
どぴゅ……! どぷっ……!!
普段自分で性欲を処理するときとは格段に違う鮮烈な甘味感が、肉茎の芯を通り抜けていく。噴水のように噴き出す白い精を真由は喉で受け止める。初め、小さくむせ込んだようだが、やがて喉を鳴らしドロドロの欲望を胃袋へと流し込んでしまった。
「ん……こくん……うふ。どうだった? お兄ちゃん。エロマンガに描いてある通りにやってみたんだけど……」
唇にこびりついた精液を舌で舐めとった真由が、はにかんだ笑顔を浮かべて尋ねてくる。俺は、想像以上の淫靡な光景にしばし放心状態になっていたが、やがて我に返り妹の頭に手をおいた。
「すごい良かった。フェラチオの宿題は、百点満点を上げざる得ないな」
真由の頭を撫でてやると、妹は照れながらも表情を緩める。
「えへへ。ありがとう、お兄ちゃん……でも、私はお兄ちゃんのイイナリヘンタイ妹なんだから、これくらい当然だよ!」
異様な言葉を誇らしげに口にする真由を見て、僕は昨夜の催眠術の効果をあらためて実感する。才能なのかは解らないけれど、理香子先生が上手く使えなかった催眠術は、真由に確実な効果をあげた。
「真由。おまえが僕のイイナリでヘンタイな妹であることは、他の人には絶対秘密だぞ?」
僕は念のため、真由に釘を刺しておく。
「うん、わかった。絶対に秘密にするね」
真由は一切の疑いをはさむことなく、うなずく。僕と妹は、朝食をとって登校すべく、我が家のリビングへと向かった。
学校に着くと、朝のホームルームで理香子先生が中間試験が近いこと、今日からテスト期間に入ることを皆に告げた。真由のフェラチオに酔いしれて、そんなことすっかり忘却の彼方に置いてきた僕は、少しばかりブルーな気分になる。それでも、授業が始まるころには、僕の頭は催眠術を使って何をするかという妄想に切り替わっていた。
放課後の教室、太陽が低くなる時間帯になると大抵の学生は部活動に精を出すか、学習塾に足しげく通うか、一足先に帰宅するかのいずれかで、ほとんど無人の状態になる。そんな誰もいない夕暮れの教室に、僕と真由はいた。真由はキャラクターモノのストラップで装飾した携帯電話を耳に押し当て、電波越しの相手と通話している。
「……あ、清美先輩? はい。私、真由です……えぇ、もし先輩ヒマだったら一緒に勉強しようと思って……はい、私、教室のほうにいるんで……あ、それじゃあ、また後で……」
通話が終わったのか、真由は携帯電話をたたんで、僕のほうに向きなおった。
「清美先輩、あと五分くらいでこっちに来るって」
真由が俺に報告する。催眠術の効力を確かめた僕が、授業も上の空で考えて選んだターゲット……鹿野清美ちゃんのことだった。清美ちゃんは僕の同級生で、真由と同じく生徒会に所属し、あの門倉生徒会長の下で副会長を勤めている。学年成績は生徒会長が一位だが、清美ちゃんはそれに次ぐ不動の二位。品行方正な優等生でながら、鼻にかける様子もないおっとりとした性格をしている。内面が反映したような優しげな容姿も手伝って、男子の間では密かな人気を集める学園のマドンナだ。さらに僕は、清美ちゃんの着替えを覗いた経験から、彼女が着やせするタイプで見た目以上にグラマラスな身体の持ち主であることも知っている。
下着姿の清美ちゃんを夢想して鼻の下を伸ばしていると、真由が僕の脇を肘で突っついた。我に戻ると、廊下のほうからパタパタと足音が聞こえる。僕が真由に向かって目配せすると、真由がニッと笑ってうなずく。教室の扉が押し開かれると、肩にかかったセミロングの黒髪を揺らしながら清美ちゃんが部屋に入ってきた。丸い瞳が僕たち兄妹の姿を捉える。待ち合わせした真由はともかく、予想していなかったであろう僕の存在を確かめた彼女は戸惑いの表情を浮かべた。
「えっと、真由ちゃんに……小野村くん……?」
「清美先輩っ!!」
首をひねる清美ちゃんの前に、真由が内の企みを覆い隠す人懐っこい笑みを浮かべて歩み出る。
「聞いて下さい! お兄ちゃん、スゴイんですよ!!」
「え……何があったの、真由ちゃん?」
真由は興奮した様子で……もちろん演技なのだが……清美ちゃんにまくしたてる。押しが弱くてお人よしな清美先輩は、強く勢いで言うと断れない、というのは真由の弁だ。普段から清美ちゃんが、真由にこうして何かを押しつけられているのかもしれないと思うと、少しばかり申し訳ない気持ちになってくる。
「催眠療法ですよ! 私も初めは半信半疑だったんですけど……実際にお兄ちゃんにやってもらったら、すごいスッキリして、ストレスもさっぱり消えちゃったんです!!」
「え? 真由ちゃん、あの……」
「そうだ。清美先輩も、お兄ちゃんに催眠療法をやってもらえばいいですよ! 最近、寝付きが悪いって言っていたじゃないですか!!」
清美ちゃんが半ば強引に、僕の前の机に座らされる。清美ちゃんは、戸惑った表情で僕と真由の顔を見回している。性善説を心の底から信じていると評判の彼女だけれども、さすがに僕の悪評は聞いたことがあるだろう。警戒心を抱いているのかもしれない。それでも、自分が良く知る真由がいることに安心したのか、観念したように席に着く。
「それじゃ、少しだけ……」
清美ちゃんが伏し目がちで、困ったように言った。
「ごめんね。真由が、ヘンなこと言いだしちゃって」
僕はカタチだけでも清美ちゃんに同情しておく。制服のブレザーの内ポケットから昨晩作った五円玉の振り子を取り出すと、清美ちゃんの目前に吊り下げる。
「はい。それじゃあ、この五円玉を見てね……」
真由にしたのと同じ要領で、左右にゆっくりと振っていく。
「右に……左に……段々と清美ちゃんの意識が五円玉の中に吸い込まれていきます……すると、次第に肩の力が抜けて、気持ち良くなって……僕の声だけが、頭に響くようになっていきます……」
「……あっ……」
清美ちゃんが声をこぼした。それを境に彼女のまぶたが半分ほど瞳を覆い、椅子の背もたれに身を預けるように脱力する。
「清美ちゃん、僕の声が聞こえますか?」
「……はい……」
清美ちゃんが抑揚のない返事をする。催眠状態に落ちた証拠だ。僕は、妹と生徒副会長の前だと言うのにいやらしい笑みが顔に浮かんでしまう。もちろん、催眠にかからなかったらどうしようか、という不安も少しはあったが。僕は、うつらうつらとする清美ちゃんを前に、真由のほうを振り仰ぐ。
「真由。教室の前で、見張りをしているんだ。誰かが入ってこないように」
「うん。わかった」
僕が指示を出すと、真由は一切の疑問を挟まずにうなずいた。全く表情を変えずに、教室の外に移動する。昨夜と言い、今日と言い、真由はこの短期間で都合のいい操り人形のようになっている。良心が少しばかり痛んだが、それにもまして背徳的な欲望が高鳴った。僕は、虚ろな視線を投げ出す清美ちゃんに向かい合う。再び、ゆっくりと振り子を動かしていく。
「清美ちゃん。僕の声が聞こえますね?」
「……はい……」
ガラス玉のような瞳を向ける清美ちゃんは、繊細な人形のようだった。僕は生唾を飲み込みながら、彼女の心に操りの糸をかけようと試みる。
「清美ちゃん。あなたは、僕の言うことをなんでも聞きます。良いですか?」
「……」
ぴくっと肩が反応する。返事はない。
「清美ちゃん。あなたは、僕の言うことを聞かないと、どんどん不安になっていきます。それでも、良いですか?」
「……不安……それは、イヤ……」
清美ちゃんのかすれ声が、消え入りそうな返事をする。小さな口からこぼれる呼吸音がわずかに乱れる。五円玉を揺らしながら、彼女の眼前に突きつける。
「それなら、僕の言うことを聞いて下さい……僕のイイナリになって下さい……そうすれば、心が穏やかになりますよ……」
「……はい……言うこと聞きます。イイナリに……なります……」
清美ちゃんへの催眠を通して、僕はコツのようなものを掴んできた。心の中に『ライン』のようなものを作り、それに従って暗示をささやけば、暗示の言葉を受け入れてしまうらしい。もちろん、清美ちゃんが素直な性格だから催眠が効きやすいと言うこともあるのかもしれないけれど。
「はい。清美ちゃんは、僕の言葉のイイナリになりました。心が、とても穏やかになります……どんどんリラックスします……」
「あ……はぁ……」
清美ちゃんが、安心したようにため息をつき、呼吸が安定していく。
「では、次に行きますよ。僕の言うことを聞けば、もっと気持ちが穏やかになって、気持ち良くなっていきます……いいですね?」
「……はい……」
清美ちゃんの返事を確認し、僕は本命へと切り込む。
「清美ちゃん。あなたには、ヘンタイな女の子になってもらいます」
「え……?」
さすがに突拍子もないことだったかな? 清美ちゃんが、戸惑いの言葉をこぼす。
「ヘンタイという言葉を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?」
「それは……誰かに裸を見せて喜んだり……えっちなことされるのが大好きだったり……」
視線は五円玉に釘づけになりながら、清美ちゃんの息を荒く、顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
「清美ちゃんは、ヘンタイな女の子になるのがイヤですか?」
「……はい……」
「それは何故ですか?」
「それは……友達や先生に、ヘンな目で見られて……嫌われちゃうから……」
「その点は、安心して下さい。清美ちゃんは頭の良い女の子です。ヘンタイ女子になっても、周りに気が付かれないように、うまくごまかすことができます。どうです? 安心したでしょう」
「え……あ、はい……」
半信半疑の様子ながら、清美ちゃんは肯定の返事を返してしまう。よしよし、もう少し。
「これで、安心してヘンタイ女子になれますね?」
「……あ……はい……ヘンタイ女子に……なります……」
混乱したような様子ではあるが、清美ちゃんは僕の言葉に同意する。
「はい。清美ちゃんは、僕の言うことを聞いてくれました。リラックスして、気持ち良くなって下さい」
「あ……はあぁぁ……っ!」
清美ちゃんが感嘆にも似たため息を吐く。紅潮した頬が、どことなく色っぽい。僕は、最後の仕上げに取りかかる。
「いいですか。清美ちゃん。あなたはヘンタイ女子で、その事実を上手に隠しています。しかし、本当は誰かに自分のヘンタイ性欲のことを相談したいと思っています」
「……はい……私は、自分がヘンタイであることを誰かに相談したいです……」
「そこで、清美ちゃんは僕……小野村賢哉を相談相手にすることにしました。小野村賢哉は、ヘンタイに関して理解があります。この相談ができて、信用できるただ一人の相手です」
「……小野村くんに……相談する……小野村くんなら……理解してくれる……」
「清美ちゃんは、僕に相談するためにこの教室に来ました。いいですね?」
「……はい。わかりました……」
「それでは、これから清美ちゃんは目を覚まします。いま、僕が言った通りに行動して下さいね……僕のイイナリヘンタイ女子の清美ちゃん……」
「……はい……」
清美ちゃんがうなずく。僕が三つ数えて手を叩くと、清美ちゃんがビクッと背筋を伸ばし、瞳の焦点が戻る。
「あれ……小野村くん? あ……」
一瞬、冷静な顔になった清美ちゃんだが、僕と目を合わせると頬を赤く染める。清美ちゃんは肩をすくめて目を伏しながら、ちらちらと僕のほうを覗き見る。
「今日は、ごめんなさい。無理なお願いて相談に来てもらっちゃって……」
清美ちゃんが、心底申し訳なさそうに言う。早速、僕の刷り込んだ設定に順応しているみたいだ。僕は鼻が伸びそうになるのをどうにか隠して、愛想笑いを浮かべる。
「いいよ。気にしないで? 真由が、教室の外で見張りしているから、誰かに聞かれる心配もないし」
「あ、ありがとうございます……」
消え入りそうな声で礼を告げた清美ちゃんは、ますます顔を赤くして黙りこんでしまう。暗示は効いているけど、羞恥心はしっかりと残っているらしい。まあ、そこがたまらなく可愛らしいんだけど。
「あの、小野村くん……わたし、あの……その……」
小さな声音で清美ちゃんは、何度ももじもじと繰り返し、その度に顔がますます赤くなっていく。やがて、意を決したのか、息を吸った。
「私! あの……痴漢願望がッ……あるん、です……」
「……えっ?」
尻すぼみなしゃべり方で清美ちゃんが聞きなれない言葉を口にしたので、僕は思わず聞き返してしまう。恥ずかしさで顔から火が出そうな表情をした清美ちゃんが、僕をにらむ。
「痴漢願望……です。わたし、満員の電車とかバスとかに乗っているとき、ヘンな男の人に身体を触られたりしたらどうしようって想像して……ドキドキしちゃうんです……私のほうが、ヘン……ですよね」
清美ちゃんは、そこまで言って「恥ずかしいですから、何度も言わせないでください」と付け加えた。僕は、むしろ清美ちゃんが刷り込んだ暗示では触れていないことを口にしたので驚いていた。短い時間で、清美ちゃんの無意識がこの状況を合理的に理解するために造り出したストーリーなのか、それとも、清美ちゃんが元々持っていた願望なのか……それは解らない。
「ねえ、清美ちゃん。オナニーとか、するの?」
「えっ!? あ、その……はい、しています……」
清美ちゃんは恥じらいながらも、僕の質問に答える。催眠による暗示は、問題なく働いているようだ。
「じゃあ、オナニーの時も、痴漢のことを想像して……?」
「はい……見知らぬ男の人に、体を触られて、無理やり気持ち良くさせるって想像して……うう、恥ずかしいです……」
羞恥心と、僕の暗示に板挟みになって、清美ちゃんが泣きそうな顔で質問に答えている。僕は、できるだけ優しく清美ちゃんに声をかける。
「ねえ、清美ちゃん」
清美ちゃんが、ハッとしたように顔を上げた。
「僕が痴漢してあげようか?」
彼女が沈黙し、顔をそらす。それでいながら、視線を僕からそらすことができない。肩が小刻みに震え、じんわりと汗が浮かんだ頬はゆで上がったように血が上っている。しばらく、視線を宙に漂わせた後、清美ちゃんは自分の言葉を口にする。
「……はい……お願い……します……」
清楚な美少女が、恥じらいながら卑猥な行為を求める姿に、僕はすっかりメロメロになってしまう。心臓が高鳴り、脳の深い部分から妄想が止めどもなく這い出てくる。
「じゃあ、清美ちゃん。ブラウスの胸元を緩めてよ。胸の谷間とブラジャーが見たいな」
「……はい……」
清美ちゃんは従順に僕の言葉に従って、制服のブラウスのボタンを上から三つほど外す。彼女の胸元から、たわわに実った果実のような乳房と、それを包み込むパステルピンクのブラジャーが顔を覗かせる。
「スカートもまくりあげて」
僕が言うと、うなずいて清美ちゃんはひざ丈まであるスカートをまくりあげる。ブラと同じ色合いのショーツと、肉付きのいい太股が露わになる。恥じらいからか、太股をもじもじとすり合わせている。
「あの……小野村くん……」
清美ちゃんが大きな目を潤ませながら、遠慮がちに尋ねてくる。
「私みたいな地味な女子相手だと……迷惑じゃ……ないですか……」
僕は、思わず噴き出しそうになった。清美ちゃんは、自分で自分の魅力に気づいていないらしい。
「清美ちゃんって、男子の間では人気あるんだよ。知らなかった?」
そんな清美ちゃんが僕のイイナリになっちゃったなんて笑いが止まらないんだけどね。そう思ったけれど、口にはしないでおいた。僕は、席から立ち上がる。清美ちゃんの視線が下がり、彼女は息をのむ。僕の股間が欲情に膨らんで、ズボンがテントを張っていた。
「これが、清美ちゃんが魅力的な何よりの証拠だよ」
清美ちゃんは僕の股間から顔をそむけようとしたが、視線だけは男性器の隆起を示す膨らみから外すことができずにいる。僕は清美ちゃんに歩み寄ると、両手で彼女の乳房を鷲掴みにする。彼女の背筋がビクッと伸びるが、抵抗はない。
「んん……」
艶っぽい声音で、清美ちゃんがあえぐ。盗撮するときのファインダー越しとは全く違う、清美ちゃんの肉体の生々しい感触が掌に広がっていく。指先に力をこめてこね回すと、彼女の乳房は答えるようにグニグニと形を変えて、その度に清美ちゃんのあえぎ声が上がる。僕はたまらず、清美ちゃんの身体を抱き寄せた。
「ねえ、清美ちゃん。もっと、やっちゃってもいいかな?」
清美ちゃんの耳元に、そっとささやく。僕の耳元には、清美ちゃんの小刻みな息づかいが響いている。
「小野村くんの……言う通りに……します……」
清美ちゃんが、途切れ途切れに返事をした。僕はその言葉を受けて、ズボンのチャックを下ろす。ビンビンにそそり立っていたペニスが解放され、密着状態の清美ちゃんの太股に触れる。直接は見えないが、初めて触れたのであろう異性の性器に清美ちゃんが身をよじる。僕は一度腰を引くと、清美ちゃんの太股とショーツのわずかな間隙に男根の狙いを定め、腰を突き出す。
「あっ……! これ……お、男の人の……!?」
清美ちゃんがうわ言のように繰り返す中、僕は夢中になって腰を前後にピストンする。
「あぁ……清美ちゃんの、太股の感触……最高だよッ!!」
僕は、思わず声をあげた。上側でこすれるショーツの生地と、左右から挟み込む絹のような太股に、あふれる先走りの液体を塗りたくる。粘液と汗がまじりあい湿り気を増すにつれて、むっちりとした太股の肌が僕の男根に吸い付いてくる。顔を彼女の肩口にうずめると、女子の髪の匂いがした。両手は、清美ちゃんのお尻に回し、彼女のヒップを乱暴に掴み、撫でまわす。僕は全身を使って、清美ちゃんを味わい尽くそうと懸命になる。そのまま限界に到達するまで、時間はさほど必要ではなかった。
「清美ちゃん……僕、イクよ……ッ!」
「……え? イクって……あぁッ!?」
射精衝動が決壊し、精液の奔流がほとばしり、清美ちゃんの太股とショーツとスカートの裏側をベッタリと汚す。僕は、欲望が満たされた気だるく、どこか空虚な満足感に身をゆだねて、椅子に身を預ける。目の前の清美ちゃんを見上げた。初め、何が起こったか理解できない様子で茫然としていた彼女が、次第に状況を認識するにつれ、小刻みに身体を震わせていく。
「これって、男の人の……あ、私……あぁッ!!」
清美ちゃんに声をかけようと思ったその時、彼女は耳の先まで赤くなり、感極まった声を上げた。僕が異常を感じるのと同時に、清美ちゃんは制服をはだけさせたまま廊下に向かって駆けだしていく。
「清美ちゃん!? 待ってよ!!」
僕は慌ててズボンのチャックを戻しながら、後を追う。廊下に出ると、呆然と清美ちゃんの後ろ姿を見送る真由の姿があった。
「お兄ちゃん。清美先輩のこと、怒らせちゃったの?」
真由があきれたような顔をしながら、おっとりと僕を見上げる。
「真由! そんなこと言ってないで、早く清美ちゃんを追いかけるんだッ!!」
僕は、妹に怒鳴り返す。もし、行為の最中に催眠が解けていたら……そうでなくても、あの格好の清美ちゃんを誰かに見咎められたりしたら、言い訳は難しい。僕は、真由を引き連れて、大急ぎで清美ちゃんのことを追いかけた。
< 続く >