おままごと

「ナーナーちゃん、あーそーぼっ!」

 あっ!タカシくんだっ!

 わたしがまどをあけると、むこうのまどでタカシくんがてをふってた。

「うんっ!いいよっ、タカシくん!」
「じゃあ、うちにおいでよ、ナナちゃん!」
「わかった!」

 わたしは、かいだんをかけおりてサンダルをはく。

「おかーさん!タカシくんちにあそびにいってくるね!」
「また?晩ご飯までには帰ってくるのよ」
「うんっ!」

 げんきよくへんじをすると、わたしはそとにでた。

 わたしとタカシくんは、おとなりどうしのなかよしさん。
 だから、いつもいっしょにあそんでいた。
 わたしたちがよくあそぶところは、タカシくんのおうち。
 だって、タカシくんのところは、おとうさんもおかあさんもおしごとがあるから、ふたりっきりであそべるんだもん。

 わたしがいくと、タカシくんはもうドアをあけてまってくれていた。

「なにしてあそぼうか、ナナちゃん?」
「んーとね……おままごと!」
「うんっ、いいよっ!」

 わたしがいつもタカシくんとするのは、おままごと。
 タカシくんがおとうさんで、わたしがおかあさん。

 だけど、そのひはタカシくんがこんなことをいいだした。

「ねえ、ナナちゃん。きょうのおままごとは、せんせいとおきゃくさんでやろうよ」
「ええー?なに、それ?どうやるの?」
「えーとね、ぼくのおとうさんのおしごとごっこ、みたいなの」
「タカシくんのパパの?」

 タカシくんのところは、おとうさんもおかあさんも、かうんせりんぐ、とか、せらぴー、とかいう、なんかむずかしそうなおしごとだっていってたけど。
 わたしには、どんなことをするのかわかんない。

「そう。ぼくのおとうさんはせんせいだから、ぼくがそのやくだね」
「せんせいとおきゃくさんって、それ、おいしゃさんごっこみたいなの?わたし、なにをしたらいいのかな?」
「うん、ナナちゃんはぼくのいうとおりにしてたらいいから、とにかくやってみようよ」

 そういうと、タカシくんはわたしのめのまえで、てのひらをゆーらゆーらさせた。

「ほら、ナナちゃん、ぼくのてをみて」
「うふふっ、なんかへんだよ、タカシくん!」
「もうっ!ナナちゃんったら、ちゃんとやってよ!」

 まじめなかおで、てをゆらゆらさせているタカシくんがなんだかおかしくて、クスクスわらったらおこられちゃった。

「ごめんごめん」
「じゃあ、もういちどやるよ」
「うん」

 また、タカシくんがてをゆらゆらさせる。
 わたしは、タカシくんのてをじーっとみていた。

 ゆーら、ゆーら……。

 やっぱり、なんかへんなかんじ。

「ほーら、このてといっしょに、からだをゆらゆらさせて、ナナちゃん」
「うん」

 タカシくんにいわれて、わたしはからだをゆらゆらさせる。

 ゆーら、ゆーら……。

 タカシくんのてといっしょに、からだをゆらゆらとうごかす。

 ゆーら、ゆーら……。

「ほーら、そうしてるとふわふわってしない?」

 うん……なんか、からだがゆらゆらしてるから、ふわふわってきもちがする。

「うん……ふわふわする」
「じゃあ、もうすこしそうしてて。そうしたらもっとふわふわしてくるから」
「うん」

 ゆーら、ゆーら……。

 タカシくんのてをみながら、からだをゆらゆらうごかす。
 ……うん、ほんとうだ。
 すごくふわふわしてくる。

「どう?ふわふわしてきもちいでしょ?」
「うん、きもちいい……」

 ほんとうに、こうしてると、なんだかきもちよくなってくる。

「そうしていると、もっときもちよくなるよ」
「……うん」
「すごくきもちよくなって、からだがぐったりしてくるよ」
「……うん」

 ゆーら、ゆーら……。

 ……ほんとうだ。
 こうしていると、ほんとうにきもちよくなってくる。
 それに、なんかからだが、すこしづつぐったりしていくみたい。
 でも、それもきもちいい。

「こうしていると、ほんとうにきもちよくなってぐったりしちゃうよ。だから、めをつぶっちゃおうか」

 ……え?
 それじゃ、おままごとにならないよ。

 ……あれ?
 からだがぐったりして、ちからがはいらない……。
 すごくきもちよくて、めをつぶっちゃうよ……。

「こうしてめをつぶってると、きもちよくてぼくのいうことが、すぅーってはいってくるよ」

 うん、きもちいい……。
 なんだか、タカシくんがしゃべってるのもきもちいいよ。

「ほーら、すごくきもちいい。ぼくにこうされてると、ナナちゃんはすごくきもちよくなってしまうよ」

 ……あれ?このかんじ?
 そうか……タカシくんがだっこしてくれてるんだ……。
 からだにちからがはいらないけど、タカシくんにだっこされて、すごくきもちいい……。
 それに、ほんとうにタカシくんのこえが、すぅーってはいってきちゃう。

「とてもきもちいいから、ナナちゃんはすごくたのしくなって、このおままごとがすごくすきになっちゃうよ」

 ……うん。
 ほんとうにきもちよくて、とってもたのしい……。

「ほーら、こうされてるときもちよくてたのしくて、またこのおままごとがしたくなちゃうよ」

 ……うん。
 こうやってタカシくんにだっこされてると、きもちよくてたのしくなっちゃう。
 また、このおままごとをしたいな……。

「ほーら、こうしてると、もっとふわふわして、きもちよくなっちゃうよ」

 ……うん。
 ほんとうにきもちよくて、なんだかねむくなっちゃう。
 すごくいいきもちで……わたし……。

「ナナちゃん!ナナちゃん!?」

 ん?だれかよんでる?
 ……これって?

「……タカシくん?」

 めをあけると、タカシくんがこっちをみていた。

「もう、ナナちゃんったらおままごとしてるのに、ねたらだめだよ」

 あ、そうか。
 わたし、おままごとのとちゅうでねちゃったんだ。
 でも、すごくきもちよかったんだもん。

「ごめんね、タカシくん。すごくきもちよかったから」
「そんなにきもちよかったの?」
「うん、ふわふわして、とってもいいきもちだったよ」
「そうだったんだ。でも、あまりおままごとできなかったね」
「じゃあ、もういっかいしたらいいのに」
「でも、もうすぐばんごはんのじかんじゃないかな?」
「えっ!?たいへん!わたし、おうちにかえらないと!」
「じゃあ、おままごとはまたこんどにしようね」
「うん!」

 わたしは、いそいでタカシくんのおうちをでていく。

* * *

 そして、つぎのひ。

 きょうも、わたしはタカシくんのおうちにあそびにきていた。

「きょうはなにしようか、ナナちゃん?」
「えっとね、きのうのおままごと!」

 タカシくんにきかれて、わたしはすぐにそうこたえた。
 だって、きのうのおままごと、なんか、すごくきもちよくてたのしかったんだもの。

「いいよ、じゃあ、ぼくのてをみて」
「うんっ!」

 タカシくんのてが、わたしのめのまえでゆらゆらするのを、わたしはじっとみる。

「じゃあ、このてといっしょにからだをゆらゆらさせて」
「うん」

 ゆーら、ゆーら……。

 わたしは、タカシくんのてといっしょにからだをゆらゆらさせる。

「ほーら、そうしてると、ふわふわしてきもちいい」
「うん、きもちいい」

 うん、からだがふわふわってして、いいきもち。

「からだをゆらゆらさせてると、どんどんきもちよくなる」

 ……うん、こうしてると、どんどんきもちよくなるよ。

 ゆーら、ゆーら……。

「ほーら、すごくきもちよくなって、からだがぐったりなって、めをつぶっちゃうよ」

 ……うん、からだがくたってなって、めをつぶっちゃう。

 ……あ。
 ぐったりしたわたしを、タカシくんがだっこしてくれてる。
 きのうとおなじだ。

「ぼくにこうされてると、どんどんきもちよくなる。でも、ねたらだめだよ、ナナちゃん」
「……うん」

 うん、ねない。
 きょうは、ねないよ。

「こうしてると、すごくきもちよくてぼくのいうことがすぅーってはいってくるよ」
「……うん」

 ……うん、すごくきもちいい。

「ぼくのいうことがすぅーってはいってきて、ナナちゃんは、ぼくのいうことはなんでもきいてしまうよ」
「……うん」

 ……わたし、タカシくんのいうことは、なんでもきいちゃう。
 だって、こんなにきもちいいんだもん。

「いい?ナナちゃんは、こうしてぼくといっしょにいるのが、だいすきなんだ」
「……うん」

 ……わたしは、タカシくんといっしょにいるのがだいすき。

「だからナナちゃんは、こうやってぼくがさわってると、すごくあんしんで、きもちよくなるよ」
「……うん」

 ……わたしがたおれないように、タカシくんがだっこしてくれてる。
 だから、すごくあんしん。
 それに、こうしてるとタカシくんにいっぱいさわってもらって、すごくきもちいい。

「ぼくがさわるとナナちゃんはすごくきもちよくなるから、こんなことをしてもきもちよくなるよ」
「……ん」

 ……あ。
 タカシくんが、わたしにチュウしてる。
 タカシくんのくちびる、やわらかくて、あたたかくて、きもちいい……。

「いま、ナナちゃんはなにをしたの?」
「……タカシくんと、チュウしちゃった」
「どうだった?」
「……タカシくんのくちびる、やわらかくて、すごくきもちよかった」
「もういちどしたい?」
「……うん」

 ……ん。
 また、タカシくんのくちびるがわたしのくちびるにあたってる。
 タカシくんとのチュウ、すっごくきもちいい。

「どう?きもちよかった?」
「……うん」
「じゃあね、いいことをおしえてあげる。ぼくが、”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”っていうと、ナナちゃんは、ぼくにチュウしちゃうんだ。でも、そうするとナナちゃんはすごくきもちよくなって、とてもたのしくて、ぼくのことをもっとすきになるよ」
「……うん」

 タカシくんが、”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”っていうと、わたしはタカシくんにチュウしちゃう。
 タカシくんにチュウすると、すごくきもちよくて、タカシくんのことをもっとすきになっちゃう。

「じゃあ、ぼくがみっつかぞえると、ナナちゃんはめをあけて、からだをうごかせるようになるよ」
「……うん」
「でも、そのまえに、ナナちゃんは、またこうやってきもちよくなりたい?」
「……うん」

 こうして、タカシくんにだっこされてるのってすごくきもちいい。
 だから、またきもちよくなりたいよ。

「じゃあ、ぼくが、”かわいいナナちゃん、ぼくのナナちゃん、おにんぎょうさんになあれ”っていって、ナナちゃんのはなをポチッておすと、ナナちゃんはすぐにぐったりとしてきもちよくなれるよ」
「……うん」

 タカシくんが、”かわいいナナちゃん、ぼくのナナちゃん、おにんぎょうさんになあれ”っていって、わたしのはなをポチッておすと、わたしはすぐにぐったりとしてきもちよくなる。

「じゃあ、ぼくがみっつかぞえると、ナナちゃんはめをあけてからだをおこすよ。……いち、に、さん!」
「……ううん?」

 タカシくんがみっつかぞえて、わたしはめをあける。
 まだ、からだがふわふわして、きもちいいかんじがする。

「ナナちゃん」
「なに?タカシくん?」
「”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”」
「ん……ちゅっ」

 ……あれ?
 わたし、タカシくんにチュウしてる。
 でも、これでいいんだよね?

 ……ん。
 タカシくんのくちびる、すごくやわらかい。
 こうしてると、きもちよくて、タカシくんのこと、だいすきになっちゃう。
 チュウするのきもちよくて、なんかたのしくなってきちゃう。

「んちゅ……ふふっ、ふふふふっ!」
「どうしたの?ナナちゃん?」
「なんか、タカシくんにチュウしてると、すごくたのしくなってきちゃった」
「じゃあ、”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”」
「……ちゅっ」

 また、タカシくんにチュウしちゃった。
 でも、タカシくんとのチュウ、すごくきもちよくて、とってもたのしい。
 だいすきだよ、タカシくん。

「ふふふふっ、またチュウしちゃった」
「そうだね、ナナちゃん。はははは」

 チュウするのがすごくたのしくて、なんだかおかしくて、わたしとタカシくんはわらいだしちゃった。

* * *

 それから、わたしはまいにちタカシくんとおままごとをした。
 タカシくんとのおままごとは、すっごくきもちよくて、とてもたのしかった。

 タカシくんが、”かわいいナナちゃん、ぼくのナナちゃん、おにんぎょうさんになあれ”っていうと、わたしはすごくきもちよくなれる。
 そして、タカシくんは、わたしにいろんなことをおしえてくれた。

 そして、きょうも……。

「”かわいいナナちゃん、ぼくのナナちゃん、おにんぎょうさんになあれ”」
「……ん」

 タカシくんがそういって、わたしのはなをおす。
 そうすると、からだがぐったりして、めをあけていられなくなる。
 でも、こうやってタカシくんにだっこされてると、すごくきもちいい。

「ねえ、ナナちゃんはぼくのことがすき?」
「……うん、だいすき」

 だって、タカシくんとのおままごと、すごくきもちよくてたのしいんだもの。
 こんなにきもちよくしてくれるタカシくんのこと、だいすきだよ。

「ぼくとまた、おままごとしたい?」
「……うん。したい」

 だって、こんなにたのしいんだもん。
 また、おままごとしたいよ。

「ずっと?」
「……うん。ずっと」

 だってわたし、タカシくんのこと、だいすきだもん。
 ずっとこうしていたいよ。

「じゃあ、よくきいて、ナナちゃん。ナナちゃんが、ぼくのものになったら、ナナちゃんは、ずっとぼくとおままごとができるよ」
「……わたしが、タカシくんのものになるの?」
「うん。でも、あんしんして。ぼくのものになったら、ナナちゃんのこと、すっごくたいせつにしてあげる。いっぱいきもちいいことして、たのしいことしてあげる」
「……なる。わたし、タカシくんのものになる」

 だって、タカシくんが、すっごくたいせつにしてくれるっていうんだもん。
 タカシくんが、いっぱいきもちいいことして、たのしいことしてくれるっていうんだもん。
 わたし、タカシくんのものになっちゃうよ。

「きまりだね。じゃあ、”わたしはタカシくんのもの”って、じゅっかいいってよ。そうしたら、ナナちゃんはぼくのものになるから」
「……うん。わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの、わたしはタカシくんのもの」

 うん、わたしはタカシくんのもの……。

「じゃあ、これでナナちゃんはぼくのものだよ。だから、ほかのひとのものになっちゃダメだよ」
「……うん」

 そんなことしないよ。
 だって、わたしはもうタカシくんのものなのに。

「ナナちゃんはぼくのものだから、ぼくがいないとダメなんだ」
「……うん」

 ……わたしは、タカシくんがいないとダメなの。

「ぼくのものになったんだから、ぼくとふたりだけのときには、ナナちゃんはぼくのことを、ごしゅじんさま、ってよばなくちゃいけないよ」
「……ごしゅじんさま?」
「そう。ごしゅじんさま」
「……うん」

 ごしゅじんさま、ごしゅじんさま、ごしゅじんさま、ごしゅじんさま、ごしゅじんさま……。
 タカシくんは、ごしゅじんさま……。

「でも、ほかのひとがいるときには、ぼくのことを、タカシくん、ってよばなきゃいけないよ」

 ……ほかのひとがいるときには、タカシくん。
 なんだか、むずかしいな。

「じゃあ、ぼくがみっつかぞえると、ナナちゃんはめをあけてからだをうごかせるようになるよ。……いち、に、さん!」
「ん……ごしゅじんさま?」

 めをあけると、わたしはタカシくんのことを、ごしゅじんさま、ってよぶ。
 ……これであってるよね?
 だって、ここには、わたしとタカシくんしかいないんだから。

 あっ、タカシくんがわらってる!
 やっぱり、まちがってなかったんだ。

 あれ?なんでこんなにうれしいの?
 そうか!わたしが、タカシくんのものになったからだね。

「ナナちゃん」
「なに?ごしゅじんさま?」
「”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”」
「あ……ん、ちゅっ」

 わたしは、タカシくんにチュウする。
 こうしてると、すごくきもちよくなってくる。

 ……だいすきだよ、ごしゅじんさま。

* * *

 ――15年後。

「あっ、おかえりなさい」
「うん、ただいま、七海」

 夜の9時を過ぎた頃、貴くんがバイトから帰ってきた。

 2年前、ふたりで東京の大学に入ってからすぐに、私は貴くんと一緒に暮らし始めた。
 そのことは、お父さんとお母さんには内緒にしてるけど、実家が隣同士で昔から家族ぐるみのおつきあいもあるし、私と貴くんがつき合ってるっていうのはどっちの家も公認だし、ばれてもきっと大丈夫なんだけど。
 でも、貴くんとつき合っているなんて、おこがましいのもいいところよね。

 だって……。

「ご主人様、ご飯にしますか?」

 そう。
 貴くんは、私のご主人様なんだもの。
 15年前のあの時から……。

「それよりも七海」
「どうしました?ご主人様?」
「”かわいいナナちゃん、ぼくにチュウしてよ”」
「あっ……んっ、ちゅっ、んむっ……」

 その言葉を聞いた途端に、私は貴くんに飛びついてキスをする。

「んふっ、んっ、んんんっ!」

 すぐに、貴くんが舌を絡めてきて、私の体が歓びに打ち震える。
 昔からそうだった。
 もう、おままごとをする年齢じゃないけれど、この言葉を聞くと私は貴くんにキスしてしまって、気持ちよくて頭の中がふわふわしてくる。
 そして、貴くんのことを好きだという気持ちが溢れてくるのを止められなくなる。

 それに、今の貴くんは、おままごとよりももっと気持ちいいことをしてくれる。

「んむむむっ、んぐ、あふう……ご主人様ぁ……」
「”エッチな僕の七海、もっともっといやらしくなっていいんだよ”」

 そう言うと、貴くんは私の鼻をそっと押した。

「あっ、あああ……ご主人様……」

 貴くんの言葉に、私の体が一気に燃え上がる。
 熱くて熱くて我慢ができない。
 アソコがズキズキ疼いて、ももを擦り合わせてしまう。

 この言葉は、高校に入った記念に貴くん、ううん、ご主人様がくださった言葉。
 私は、この言葉を聞くとすごくいやらしい気分になって、ご主人様のが欲しくてたまらなくなってしまうの。

「あっ、ひゃん!」

 ご主人様が、スカートの中に手を入れてアソコを指でなぞった。

「なんだ?もうこんなに濡らしてるんだ」
「はい……私、ご主人様のが欲しくて、もう……」
「本当にいやらしいな、七海は。でも、僕の準備がまだできてないよ。だから、七海がやってよ」
「はい、ご主人様」

 私は、手を伸ばしてご主人様のズボンのベルトを外すと、下にずり降ろしていく。
 そして、その場に膝をつくとご主人様のおちんちんを手に取った。

「ちゅ、ぺろ……」

 まだ、それほど大きくなっていないそれにそっとキスをすると、舌を伸ばして舐める。
 舌の先をご主人様の味が刺激してきて、それだけでうっとりとなってしまう。

「ぺろっ、えろ、じゅ、ちゅむ、ぺろろ……ん、れろろおぉ……」

 先っぽを舐めているとおちんちんがむくむくと大きくなってきたので、根元から先っぽまで裏側を舐め上げた。
 すると、ひくひくっと震えたその先端から透明なお汁が出てきて、いやらしい味と臭いがしてくる。

「ん、じゅるるっ、ぺろっ、ちゅっ……ん、んむ、はむっ……んんんっ!」

 もう、すっかり大きくなったそれを口の中に咥えると、熱くてドクンドクンと脈打ったおちんちんが口の内側を擦る。

「んふっ、んっ、ぐむむむっ、んっ……んふう、じゅっ、じゅぽっ……」

 熱くて堅いおちんちんを咥えて扱くと、口の中で擦れて、体中をビリビリと電気が走る。
 まるで、お口がアソコになったみたい。

「しゅぼっ、ちゅっ、ちゅばっ、んっ、んぐぐっ!んぐぐぐぐぐぐぐぐぐうぅ-!」

 思いきり深く咥え込むと、堅くなったおちんちんが喉の奥に当たって、それだけで目の前が真っ白になってしまった。

「なんだ?もうイッちゃったの?」
「……んふうううぅ……ごめんなさい。ご主人様に精液出してもらって、ごっくんする前にイッてしまって」
「いいんだよ。その分、こっちにたっぷり出すことにするから」
「んんんっ、ああっ、はぅんんんんんっ!」

 ご主人様が私を立ち上がらせると、アソコの中に指を入れて掻き回した。
 ただでさえご主人様に触られると感じてしまうのに、イッたばかりで敏感になってるから、それだけでまたイキそうになる。

「ほら、壁に手をついてこっちにお尻を向けて」
「はい……んっ、んんっ」

 ご主人様に言われたとおりに壁に手をついてお尻をご主人様の方に突き出すと、ご主人様が私の左足を抱え上げて股を広げさせて、アソコの入り口におちんちんが当たる感触がした。

 ああ……ご主人様におちんちんを入れてもらえる。

 その期待に、アソコからおツユが溢れてくるのが自分でもわかる。

「じゃあ、いくよ、七海」
「はい……あっ、ふわぁぁああああああああああんっ!」

 堅くて熱いおちんちんがアソコを掻き分けて入ってくると、中が擦れて気持ちよくて、また頭の中が真っ白になった。

「入れただけでイッたの?」
「はいぃ……。ごめんなさい、ご主人様。ご主人様のおちんちんが熱くて、気持ちよくて……」
「ううん、大丈夫。七海は何度イッてもいいんだよ。僕が何度でもイカせてあげるから」
「はい、はいっ、ご主人様……あんっ、んっ、はぁああんっ!」

 ご主人様のおちんちんが動き始めて、熱い快感の波が何度も押し寄せてくる。
 ただただ、すごく気持ちいい。
 気持ちよくて、自分から腰を動かしちゃう。

 ご主人様は、本当に私のことを大切にしてくれる。
 こうやって、いっぱい気持ちよくしてくれて、何度も何度もイカせてくれる。

「あっ、ふぁああっ、はあっ、ああああっ!イクッ、またっ、イッちゃうううううううううううううっ!」
「本当にいやらしいね、七海は。じゃあ、もっともっとイカせてあげるよ」
「はいっ、はいっ、ご主人様ぁ!いやらしい七海をっ、いっぱいイカせてくださいいいいいっ!ふぁんっ、あうっ、ああっ、んんんっ、またっ、んふぅぅううううううううううっ!」

 また、目の前が真っ白になって全身がビリビリと痺れる。
 それでも、気持ちいいのはまだまだ止まらない。

 ああ……こんなにいっぱいイカせてもらって、私、本当に幸せ。
 いつまでもこうしていたい。もっといっぱい気持ちよくして欲しい。
 私はずっとずっと、ご主人様のものだから。
 だから、お願いします、ご主人様……。

「ふあああああああっ!七海っ、またっ、またイキますぅううううううううううう!」

 何度目かの絶頂の後、頭の中がクラクラして、わけがわからなくなる。
 目の前で、白や赤の光がフラッシュしている。
 それでも、気持ちいいのはまだ止まらない。
 いっぱいの幸福感に包まれて、私はただただ夢中で腰を振り続けた。

< おわり >

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