第6話
催眠術エッチってどんなもの?
そして、ふたりきりで過ごした夢のような週末の余韻が醒めやらぬまま新しい週が始まって……。
どうやら、学校では僕と優帆がつき合ってるっていうのはまだ広まってないみたい。
なんでそんな曖昧な言い方かというと、みんなの反応がいつもと変わらないからなんだけど。
そもそも土曜日の明石と加藤の反応を見ると、僕たちはとっくの昔につき合ってるもんだと思っている人間がかなりの数いるっぽいし。
だから取り立てて冷やかされることもないんだけど、ただ優帆だけがひとりで気にしてる感じだ。
そんなに気にすることでもないと思うんだけどな。
それでも、いつも通りふたりで学校に行っただけで明石に「朝っぱらからいちゃつくの禁止!」とか言われたけど。
あれは冷やかしてるっていうか、半分マジで言ってそうな気がする。
……そんなに土曜日の惚気がうざかったのかな?
で、優帆はそれで少し顔を赤らめてたりしたけど。
まあ、まだ大丈夫そうだし、しばらく様子を見ることにするか。
と、そんなこんなで僕たちの日常生活にはそんなに変化もなく……いや、ひとつだけ変わったことがある。
学校から帰って優帆が僕の部屋に来るのはいつもどおりなんだけど、昨日からノートと参考書を広げてひたすら勉強してる。
「優帆、なにしてるの?」
「なにしてるのって? 勉強に決まってるでしょ」
「いや、どうして?」
「どうしてって、あと2週間で中間テストじゃないの!」
いや、それは僕もわかってるけど。
優帆は成績がいいからかなり勉強してるだろうっていうのはわかるけど、基本的に僕の部屋に来るときは遊ぶのが目的だったじゃん。
だからこれまでは学校の勉強は自分の部屋でしてたはずなのに、なんで急に?
たぶん訊いても素直に答えてくれなさそうなオーラが漂ってるし、こんなときは……。
「優帆」
「だからなによ?」
「”素直な優帆になって”」
すっと優帆の顔に手を当てると、キーワードを言う。
手を除けると、さっきまでの真面目な顔とはうって変わって満面の笑みが浮かんでいた。
「なあ、どうして昨日から僕の部屋で勉強してるんだよ?」
「それは、まあ、さっきも言ったけど中間テストが近いってのがあるんだけどねー。それプラス、なるべくケンタと一緒にいたいからここで勉強しようかなって思ったの」
「あー、なるほどなぁ」
そうか、一緒にいたいから僕の部屋で勉強することにしたのか。
「それにしても、2週間も前から中間テストの準備してるんだ。優帆の成績がいいはずだよなぁ」
「まあ、あたしも……っていうかあっちのあたしだけど、いろいろ考えることがあってね。ケンタのことは大好きだしいちゃいちゃラブラブするのはすっごく幸せなんだけど、それに甘えてちゃダメなんじゃないかって思ったのよね。ちゃんとケンタにふさわしい彼女でいるためには、勉強とか私生活ももっと頑張らなくちゃって思ったの。そうでないと、ケンタといちゃいちゃする資格なんかないんじゃないかって」
いやいやいや、そんなこと言い出したら僕の方が優帆のカレシにふさわしくなくなるって。
学校の成績なんか優帆よりもずっと下だし、特に運動ができるわけでもないし。
ていうか、そんなことを言うんだったらせめて素の状態で僕といちゃいちゃできるようになってくれよ。
だけど、そんなことを考えてたんだ……。
「ごめん、勉強の邪魔しちゃったね。じゃあ、もとに戻すよ」
「ダメ!」
「へ? ダメって?」
「せっかくこっちのあたしにしたんだからエッチしようよ!」
「でも、試験が近いから勉強してるんだろ?」
「それはあっちのあたしだもん! こっちのあたしはケンタといちゃいちゃするのがなにより大事なの!」
「って、おまえなぁ」
「とにかく! エッチするまであっちのあたしに戻すのは禁止だから!」
そう言って、優帆は頬をぷくっと膨らませる。
あー、これはエッチするまで諦めない顔だなぁ……。
まあ、僕としては優帆とセックスするのは全然構わないんだよね。
ただ、勉強中にいきなりだったからもとに戻したときにあっちの優帆が怒るだろうなぁ。
あ、でも、こっちの優帆がこんなにエッチしたがってるってことはあっちの優帆もエッチしたがってるってことだよね。
「ねっ、エッチしようよー」
「しかたないなぁ」
「やった! でねでね、あたし、ちょっと思いついたことがあるんだ!」
「思いついたことって?」
「あたしに催眠術をかけてエッチして!」
「……どういうこと?」
「これまでも、ケンタが催眠術でいろいろあたしにさせたでしょ。ものの名前を忘れさせたり、ブラのことを忘れさせたり。そういった催眠術を、エッチを楽しむために使ったらどうかなって思ったの!」
「エッチを楽しむためって、例えばどんな?」
「うーん、すぐには出てこないけど、気持ちよくなれるような催眠術をかけてよ!」
「おまえ、こういうときになにをするかは僕任せなのな」
「でも、ケンタが楽しめるようなことをして欲しいし、だからケンタが決めた方がいいかなーって」
そう言って、優帆はへらへらって笑ってるけど……。
「じゃあさ、まず優帆がされたら嫌なことを教えてよ」
「えっ?」
「いくら優帆が頼んできたからって、優帆が嫌がることはさせたくないもん。だから、そういうのは避けるようにするからさ」
それは僕の本心だった。
たしかに、催眠術を使えば嫌なことでも喜んでさせることはできるだろうけど、それじゃ催眠術を解いたときに優帆が嫌な思いをするだろうし。
それになにより、優帆が嫌なことをさせたくなかった。
「そうだねー……やっぱり気持ちよくなりたいし、痛いのとかは嫌かなー?」
うん、それは僕もそう。
痛がってる優帆を見るのは絶対に嫌だ。
「うん、痛いことは絶対にさせない。他には?」
「特にはないかなー? とにかく、催眠術を使わないとできないようなおかしなことで、それで気持ちよくなれることだったらなんでもいいよ」
「また難しいことを……」
催眠術を使わないとできないことって、どんなことができるんだろう?
腕を込んで考えていると、不意にこの前のお泊まりのときのことを思い出した。
お風呂場でセックスをしたとき、優帆のアソコがすっごく熱くなってていつもよりも気持ちよくなるように感じたな。
どういう仕組みになってるのかわからないけど、女の子のアソコってすごく不思議。
「よし、じゃあ……」
「なにするか決まったの?」
「うん、それじゃあ行くよ。……5、4、3、2、1、ほら、もう優帆は僕の言うことしか聞こえない」
いつものように指2本を突き出して、優帆を催眠状態にする。
「いいかい? 次に目が覚めたら、優帆はアソコが望んだことしか行動できなくなるよ。優帆の頭とアソコがつながって、体はアソコがしたいようにしか動かないし、アソコで感じたままのことしか口にできないんだ」
「次に目が覚めたら……あたしはアソコが望んだことしか行動できなくなる……あたしの頭とアソコがつながって……体はアソコがしたいようにしか動かないし、アソコで感じたままのことしか口にできない……」
ボソボソと、優帆が僕の言ったことを繰り返す。
実のところ、それで優帆がどうなるのか具体的なことは僕にもわからない。
だけど素直モードの優帆だから、アソコが望んだとおりに動くってことはとりあえずエロいことになるのは間違いない。
「じゃあ、僕が手を叩くと優帆は目を覚ますよ」
そう言って、僕はパチンと手を叩く。
すると、ゆっくりと開いた優帆の目が僕を見る。
「きゅふぅうううううん……」
いきなり優帆の目がうるうると潤みはじめたかと思うと、小さな子犬みたいな声をあげた。
「……優帆?」
「きゅうぅううううん……きゅふぅうううん……」
潤んだ瞳で僕を見つめて、きゅんきゅん言いながら優帆が服を脱いでいく。
まさか、それがアソコで感じたままのことしか口にできないってこと?
ていうか、アソコがきゅんきゅんするっていうのを聞いたことがあるけど、あれって本当だったの?
だから、それしか口にできないんだ……。
「きゅうん……きゅうううう……」
すっかり裸になった優帆が、涙目で見上げながら僕に体をすり寄せてきた。
その姿がものすごくエッチで可愛らしくて、ズボンの下でチンポがむくむく起き上がってくるのを感じる。
「きゅうううううー」
「あっ、こらっ、優帆ったら!」
僕が興奮したのがわかったのか、優帆はベルトに手をかけるとズボンを脱がそうとしてくる。
まあ、僕もそのつもりだから優帆がするままに任せてるけど。
「きゅううううううんっ!」
パンツごとズボンを引っ張って脱がせた優帆が、顔を出した勃起チンポを見て弾けるような笑みを浮かべた。
そのまま嬉しそうにチンポをにぎにぎしてくる。
「きゅうん、きゅうぅん……」
「わっ、わわっ……優帆っ!?」
いやらしい……とにかくやらしすぎるよ、優帆。
可愛らしい声をあげながら笑顔でチンポを扱いてる姿がエロすぎて、優帆の手の中であっという間にガチガチになっていく。
「ゆっ、優帆っ! もう充分だって! もういつでもできるから!」
「きゅううううううーん」
僕の言葉と手の中のチンポの感触に納得したのか、優帆はひと声鳴くような声を出すとベッドに上がって大きく足を広げた。
「きゅうん、きゅううーん……」
なにこのエロくてかわいい生物は?
いや、それは間違いなく優帆なんだけど、僕を誘うようにM字に足を開いてきゅんきゅん鳴きながら涙目で見つめてくるのはさながら未知のエロエロ生命体だった。
「ちょっ、ちょっと待っててね、コンドーム着けるから」
「きゅぅぅぅぅん……」
唇に指を当ててそんなに不満そうな顔してもダメ。
これだけは絶対に譲れないから。
鳴き声と表情のプレッシャーを感じながら急いでゴムを着けると、僕もベッドに上がって優帆の足を抱え上げた。
「じゃあ、いくよ、優帆?」
「きゅうんっ!」
アソコにチンポを宛がって声をかけると、優帆が期待に満ちた表情で頷いた。
もう見るからにエッチなお汁を溢れさせてるそこに、チンポを押し入れていく。
「きゅふぅううううううううううんっ!」
チンポがズブズブと入っていくと、優帆が甲高い声をあげた。
ていうか優帆の中、すごいことになってるよ。
熱くてトロトロで、入れただけでまだ動いてないのにアソコの中の方が動いているみたい。
それだけでもとんでもなく気持ちいいっていうのに……。
「きゅうーん、きゅうーん……」
まるで、僕に動けって言ってるみたいに優帆が鳴きながら腰をくねらせる。
「うん、わかった、動くよ」
「きゅん! ……きゅっ! きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!」
優帆の両足を抱えてズンズンとピストンを始めると、それに合わせて優帆の声が短くなった。
「きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!」
アソコの奥を突くたびに、優帆の鳴き声がリズミカルに響く。
「きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!」
「すごっ……すごすぎるよっ、優帆っ!」
「きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!」
ただ僕の動きに合わせて声をあげてるだけじゃない。
優帆がきゅって短く鳴くたびに、アソコがチンポをきゅんって締めつけてくる。
ただでさえ熱くてうねうねしてていつもよりも気持ちいいのに、こんなに締めつけられたらもう保たないよ。
「きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ!」
「優帆っ……僕っ、もうっ!」
「きゅっ……きゅうぅううううううんっ!」
あまりの気持ちよさに、僕の方があっけなくイッてしまう。
最後に思いっきり深く突くと、優帆もひときわ高い声をあげて体を捩った。
だけど……。
「ふう……すごかったね、優帆。……って、うわっ!? 優帆?」
「きゅううううーん……」
体を起こした優帆が、いきなり僕を押し倒してきた。
「……えっ? 優帆? わっ、わわっ!?」
「きゅううううん……」
僕の上に馬乗りになった優帆が、まだ固さを保ってるチンポを嬉しそうに掴んでアソコの入り口に当てる。
そして、ゆっくりと腰を沈めた。
「きゅうううううんっ!」
「ちょっ、優帆っ!?」
「きゅうん、きゅうん、きゅううん……」
すごくいやらしい笑顔を浮かべて僕を見下ろしながら、優帆がゆっくりと腰をくねらせ始める。
その圧倒的な快感に、またチンポの固さが増していくのが自分でもわかった。
「きゅうん、きゅううん、きゅうう……きゅっ! きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん……」
アソコの中でチンポが膨らんだのがわかったのか、嬉しそうに目を細めた優帆の腰の動きがだんだんリズミカルになっていく。
僕に跨がって自分からズンズンと腰を振ってる優帆の姿がとんでもなくエロい。
「きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅん、きゅふうううんっ!」
「わっ、わっ、すごっ……!」
軽くイッたのか、僕の上でテンポよく腰を上下させていた優帆の背筋がピンと伸びた。
きゅううんっと甲高い声をあげるのと同時に、アソコがきつく締まる。
だけど、それくらいじゃ優帆の動きは止まらなかった。
「きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ!」
顎を跳ね上げるようにして顔を反らせたまま、さっきよりもさらに速いリズムで腰を揺すってくる。
その動きに合わせて、形のいいおっぱいがぷるんぷるんと跳ねるように踊っていた。
ていうかエロい、エロすぎるよ、優帆。
それは、素直モードのときの優帆はいつもエロいけど。
さっき僕がいつもより早くイッちゃったから物足りないのか、それとも僕のかけた催眠術のせいでアソコが望んだことしか行動できなくなってるからなのか、普段の素直モードときの数倍エロい気がする。
「きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅんっ!」
「くうううっ! 優帆っ、激しすぎ!」
とてつもない快感に、僕はまたイキそうになる。
だって、こんなエロかわいい声で鳴きながらズンズン腰を動かしてくるうえに、声に合わせてアソコがチンポをきゅっきゅって締めつけてくるんだから。
そんなの、すぐイキそうになっちゃうに決まってるじゃないか。
でも、優帆だって。
「きゅんっ、きゅふっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅふううっ、きゅんっ、きゅん、きゅううんっ、きゅんっ、きゅんっ、きゅうっ……!」
さっきまであんなにテンポがよかった声が乱れてきてる。
それに、アソコだってチンポを締めつけながらヒクヒク痙攣してるみたい。
優帆も、もうイキそうになってるんだ。
じゃあ、今度は優帆がイクまでなんとか頑張らないと……。
そう思って、優帆のリズムに合わせて僕の方からも突き上げていく。
「きゅふっ! きゅんっ、きゅううっ、きゅんっ、きゅふうううっ、きゅんっ、きゅうんっ! きゅんっ、きゅうっ、きゅんっ、きゅふっ、きゅうんっ……きゅうううっ!」
「くうっ、きつっ!」
僕の方からも動いてみると、膨れあがる快感が想像以上だった。
それでもなんとか堪えながら腰を動かす。
「きゅふぅん! きゅっ、きゅうっ、きゅんっ、きゅううんっ! きゅんっ、きゅんっ、きゅふっ、きゅうっ、きゅんっ、きゅふううっ!」
「くうううっ! 優帆ぉおおおおっ!」
「きゅふうぅうううううううううううううんっ!」
僕としてはかなり頑張ったと思うけど、チンポが音を上げてイッてしまうのとほぼ同時に優帆もイッたみたいだった。
喉を震わせるようにして大きく鳴いたかと思うと、思いきり深く腰を沈めた優帆の体がひっくり返りそうなくらいにのけ反った。
優帆のアソコが、ギチギチに締めつけてくる。
いや、冗談抜きにチンポがもげるんじゃないかって思うくらいに。
「きゅっ……きゅううううううぅぅぅ……」
顎を跳ね上げたままプルプルと小刻みに震えていた優帆の体から急に力が抜けて、クタッと僕の上に倒れ込んできた。
そのまま、蕩けた瞳でこっちを見つめてくる。
「すごかったね、優帆」
「きゅうううううぅん」
僕の言葉に、甘えたような鳴き声が返ってくる。
あ、そうか、このままじゃ優帆と話できないや。
「……5、4、3、2、1、ほら、優帆は力が抜けて僕の言ったとおりになるよ」
優帆のまぶたを閉じるようにそっと指を当てて5つ数えると、その体から力が抜けてぐったりとなった。
「はい、優帆の頭とアソコがつながってたのは元に戻るよ。次に目が覚めたら、頭も体もいつもどおりだし普通に話せるよ、いいね?」
僕がそう言うと、優帆は目を閉じたままコクリと頷く。
「それじゃ、僕がほっぺたを叩いたら優帆は目を覚ますよ」
そう言って、優帆の頬をペチッと叩く。
すると、優帆が目を開いてニコッと嬉しそうな笑みを浮かべた。
「うふふっ! すごかったね、ケンタ!」
「うん、すごかった。それに、すごく気持ちよかった」
「あたしも! アソコにきゅんきゅんきてるのが頭に直接響くみたいで、それしか考えられないっていうか、本当にアソコと頭が直結したみたいでホントに気持ちよかった!」
「そういえば、しゃべるのもきゅんきゅん言ってるだけだったけど、あれってどうなってたの?」
「うーん、なんていうかアソコがきゅうんって疼いて、エッチし始めたら今度はアソコがきゅってなって、それをそのまま口にすることしかできないっていうか、アソコが感じるままに口に出したらああなってたの」
「ふうん……でも、さっきのきゅんきゅん言ってる優帆、すごくエッチでかわいかった」
「そう!? じゃあまた催眠術エッチしよ! あたしもすっごく気に入っちゃった!」
「うん」
嬉しそうに笑ってる優帆に、僕も笑顔で返す。
たしかに、今日のエッチはいつもよりも気持ちよかったし、さっきの優帆はエロかわいくてすごく興奮した。
……催眠術ってこんなこともできるんだ。
優帆も満足してるみたいだし、ふたりでエッチを楽しむためだったらもっとこういうのをやってもいいかなと思う。
他にどんなことができるんだろう?
もっといろんなことを試してみたいな。
だけど今日は。
「さてと、じゃあエッチもいっぱいしたし、そろそろ元に戻ろうか?」
「うん、テストも近いし勉強しないとね。……ん? どうしたの?」
「なんか、最近は元に戻るのを嫌がらないんだなって」
「ああ、それはね、ケンタは絶対またこっちのあたしにしてくれるって思うから。最初は、もうこっちのあたしにしてくれなくなるんじゃないかって思って不安だったのよね。ケンタが催眠術をあまり使いたがってないような気がして。だけど、最近はケンタが催眠術に前向きになってる気がして、安心して元に戻ることができるんだよ」
……優帆のやつ、まるで僕の気持ちを見透かしてるみたいだな。
たしかに、最初の頃は催眠術を優帆にかけるのはなんかいけないことをしてるみたいで僕自身催眠術を使うことに抵抗があった。
だけど、今ではこうやって素直モードにするのも、さっきみたいにエッチを楽しむために催眠術を使うのも、それくらいだったらいいかなって思うようになってる。
それもこれも全ては……。
「だって、こっちの優帆もあっちの優帆も優帆じゃんか。全部ひっくるめて優帆だと思うし、そんな優帆を僕は大好きだから」
「嬉しい!」
笑顔で抱きついてくる優帆をぐっと抱き返す。
腕の中の暖かくて柔らかい感触が心地いい。
せめて、素のときの優帆も抱きしめるくらいはさせてくれてもいいのにとは思うけど、あの恥ずかしがりやじゃすぐには無理だろうな……。
「じゃあ、元に戻ろうか?」
「うん!」
力強く頷いた優帆の顔に手を当てて目隠しをする。
「”いつもの優帆になって”」
その言葉を言って手を除けると、いつもと同じように優帆の顔がみるみる赤くなっていく。
「やだ、あたし……あんな……きゅん、きゅんって……」
耳まで赤くして動揺を隠せない優帆。
まあ、この反応ももう慣れたけど。
「えっ……うそ……きゅっ、きゅうって……あんなの……それにあたし、自分からあんなに……」
「でも、気持ちよかっただろ?」
「うん……って、そっ、そうじゃなくって!」
思わず頷いた優帆が、僕の言葉の意味に気づいて急にあたふたし始める。
「でも、催眠術を使ってエッチがしたいって言ったのは優帆の方だよ?」
「そそそそそっ、そんなのわかってるわよっ!」
あー、またそのセリフ。
もう完全にお約束だよな。
「ととととっ、とにかくっ、しばらくはあっちのあたしにするの禁止!」
「ええっ?」
「そっ、それは、た、たしかにケンタの好きなときに催眠術をかけてもいいって言ったのはあたしだけどっ! とりあえず中間テストが終わるまでは催眠術は禁止だから! こっ、これもテスト勉強に集中するためなんだからね!」
片手を腰に当て、もう片方の手でビシッと僕を指差しながら優帆がそう宣言する。
だけど……。
「優帆ー、それはいいけど、そんなに胸張ってると全部丸見えだよー」
そう、さっきまでセックスしてたから優帆は素っ裸のままなんだよね。
「きゃあっ! ちょちょちょっ、なっ、なにしてるのよ!?」
優帆が茹でダコみたいに全身真っ赤になって、さっき脱ぎ捨てたブラウスを拾い上げる。
いつもは服を着させてから素の優帆に戻すんだけど、今日は服着させるのを忘れちゃってたんだよね。
え? 確信犯じゃないかって?
そそそっ、そんなことないってば!
「ちょっ、こっち見ないでよね!」
パニックになりながら、おぼつかない手つきで服を着ていく優帆は、それはそれでまた微笑ましい。
ていうか、いっつもセックスしてるんだからもう裸を見られるくらいいいじゃんって思うんだけど。
まあ、しかたないよね。
僕の彼女は催眠術をかけないとこうなんだってわかってるから。
< 続く >