マゾロイド 第五話

第五話

 はぁぅ……。あ!あ!ぅぅう……もっと!もっとおぉ……」

 くちゃくちゃと淫らな音を立てて、自分の股間をまさぐっている女の目の前には、ぶ厚い古書が開かれていた。ただ、そこに書かれている文字は、日本語でも英語でもない文章だった。
 ベットの上ではしたない行為に没頭している、女の周りには、さまざまな画面が浮かんでいる。
 ニュース。映画。株価のデータ。それらは何もないところをに浮かんでいるように見える。どこから投影されているのだろうか?わかることは普通の技術ではありえないということだ。
 そんな異様な光景の中、オナニーに没頭する女が、ふと、思い伝いように、一つの画面に目をやる。ただし、自分の股間を弄ることはやめない。

「ふ~♪ふふん~♪な~にがあるかな~?」

 鼻歌を歌いながら、女は画面をじっと見つめる。すると、外国のニュースを流していた画面は真っ暗になったかと思うと、いくつかの数字とアルファベットが高速で流れ始めた。

「あ~して!こ~して!ヨシ!突破~♪」

 女が微笑むと、画面のカーソルが点滅し、その後、次々とウィンドウが開き始めた。

「どれどれ……『次世代戦闘機開発計画』に『軍事衛星定期報告』。それと、『新型ミサイル実験結果』に『現時点での部隊展開マップ』……。つまんない……」

 女は心底くだらないものを見たという顔をして、その画面を閉じた。すると、残りの画面が次々と切り替わる。

「あは!やっぱこれこれ!どっか軍隊のサーバーなんかハックするよりこっちのほうが何千倍もいいわ~♪」

 先ほどまでと、うって変わって、嬉しそうに画面を食い入る。画面にはどこぞの深夜のオフィスで抱き合ってる男女。
 ベットの上でSEXしているカップル。縄でつるされ、鞭で叩かれてるのに喘いでいる女性。どれもいかがわしい物ばかりだ。

「ああん!あの人たち!あんなに激しく!いい!あら!あっちはぎこちないわねえ……初めてなのかしら!懐かしい!おお!すっごいおっきいチンポの子!発見!私も!わたしにもいれて~!!」

 女はその画面にもう夢中だ。身を乗り出し、チンポが写っている画面に飛び込もうとしているようにしか見えない。
 だが、それをは、来訪者の足音で中断された。

「又そんな使い方して……それは高価で作るの大変だったんですよ……」

「あら?これが正しい使い方じゃないの?私は、世界中のいやらしい情報を集められるって聞いたからGOサインしたんだけど……」

「妙に乗り気だったのはそんな理由からだったんですね……」

 来訪者は、ため息をはく。そんなことだろうとは思っていたが、心の隅で、そんな理由ではないと思っていたかったからだ。
 こういう性格だとは、昔から知っていてなれているつもりだが、時々疲れる。だが、仕事でここに来ているため逃げるわけにはいかない。

「まあいいじゃない。それじゃあ聞きましょうか?ドクターの定例報告」

 そういいながら、女はベットの上で寝転びながら、オナニーをし続ける。普通なら怒るかあきれるかだが、ドクターは慣れているのか、気にせず、真面目な顔にで姿勢を正した。

「わかりました。それでは始めますよ。女王陛下」

 ドクターからの報告が続く中、女王陛下と呼ばれた女は長い髪をベットに広げたまま、オナニーをし続ける。
 報告を一見聞いていないように思えるが、実際はほとんど聞いていない。

(実際、こういう報告って儀式みたいな者で、たいした事言わないのよね。本当にヤバイならもっと早く言うか、隠すし。今も昔も変わらないわ)

 なので、そんなつまらない報告よりも、大好きなオナニーに女王陛下は没頭する。昔は真面目な顔をして聞いていたが、そんなことをする必要がないと悟った後は、真面目に聞くふりすらしなくなった。
 だから、女王陛下にとって、この定例報告は、報告を聞くのではなく、ドクターに会うために予定に入れているにすぎない。正確に言えば、ドクターの目の前でオナニーをしたいのだ。
 なので、もっと反応してほしい。蔑むのでも、怒るのでも、喜ぶのでも何でもいい。女王陛下にとってドクターは自分の正体を知っていて、尚且つ反応を見て楽しめる数少ない存在だからだ。そうでなければこの部屋に入れたりしない。だがドクターはそんな気持ちを無視して、報告を続ける。

「つづいて、M計画の進展です。現在、新型の研修を終え、使えるレベルに達したと判断し、任務につかせています」

「あら?ヒナトちゃん。今ここにいないの?久しぶりの当りだったのに。あはぁ……思い出したら濡れちゃった。一緒に変態特訓。楽しかったわ~。それにしても技術レベルはもう、問題ないんじゃない?たったあれだけの期間で完成できるんだから」

「……変態だけならね。それ以外はまだまだです。ですが、実地試験には十分対応できると判断しました」

「ええ~。まだ完成しないの?私的にはヒナトちゃんは十分満足レベルだったわ。早く、一杯マゾロイド作って軍団編成して、一緒に遊びたい!それと!さっきは『あなたは、思い出さなくても、年中濡れてる』って突っ込むとこでしょ?」

「女王陛下レベルの変態、量産してどうするんですか?というかマゾロイドはそんなんじゃありません。説明しましたよね?変態にする理由も。本当の使命も」

 女王陛下の指摘をドクターは華麗に無視する。この手の話は乗ると、どこまでも脱線すると知っているからだ。

「そだっけ?あ!う~……変態女王御開帳~♪」

 罰の悪い顔をしたかと思うと、急にどや顔になって足を広げ股間を見せた。
 都合が悪くなるとこうしてくだらないことをするもの特徴の一つだ。対策としては無視が一番楽だ。

「……」

「ほらほら~♪こんにちまんこ~♪くぱぁ♪」

 見て見てといわんばかりの笑顔で、マンコを見せ付けている。

「……。ひとまずヒナトは協力者と一緒に任務をしてるはずです。一応監視はしてますので……」

「……無視することないじゃない。私は女王!えらいのよ~!!」

 そういうと、ベットの上で駄々っ子のように暴れ始めている。いい年をした大人がすることではない。
 嫌、その言い方は正確ではない。外見は若い女だが、年齢がそのとおりなわけではない。ドクターでさえ精確な年齢は知らない。
 というか人間かも怪しい。どうしようもないほど馬鹿で変態にしか見えないが。

「……。報告続けます。どこまで話したかな?ああ。そうそう監視。担当はフレアウルフをつけてます」

「あ~ん!女王様泣いちゃうわよ~って、ふーちゃん?大丈夫なの?あの二人一緒にして?あなたがそばにいないのに……?」

「ま。そこらへんはなんとかなりますよ。保険はかけてありますし」

「あらそう。なら大丈夫ね。あなたのことだからいろいろ仕組んでいるんでしょう。ふふふ……悪い顔……あの人を思い出すわ。でもまだまだ」

 そういうと、女王陛下は舌なめずりをして、不気味に笑う。先ほどまでのだらしないただれた笑顔ではない。
 ドクターのは思わず、身構えてしまった。

(……あなたのほうが、よっぽど悪い顔していますよ)

 秘密組織の頂点。その存在にふさわしい笑顔となった女王は、それでもオナニーはやめなかった。

****************************************

「「まったく……。ひどい目に会った……」」

(それはこっちの台詞だよ!!)

 雨降りの公園。憩いの場所となるはずの東屋でぼろぼろの3人が顔を合わせて座っていた。
 いや精確には4人だ。ヒナトはベンチに座らず、四つんばいにした恭太に座っている。

「はあ…」

 ため息をついたのは雄介だ。二人を止めるコードを叫ぼうとしたが、やはり間に合わず、衝突の衝撃で吹き飛ばされた。
 華麗に着地などという、運動神経は持ち合わせておらず、地面にごろごろと転がり、見事この東屋にインしたため、ぼろぼろだ。

「まったく……。濡れるは、痛いはで散々な目にあった……餓鬼とかかわるとろくなことがない!!」

 そういって、ヒナトをにらみつけるのは、組織の幹部というフレアウルフだ。
 びしょびしょになった髪を拭きながら、鼻を痛そうに押さえている。
 さっきまでのコスプレのような衣装ではなく、真っ赤なキャリアスーツを着こなし、豊満な胸と抜群のスタイルからあふれる色気。
 まさに大人の女だが、雄介は心の中でアホ犬という単語が、先ほどの痴態から浮かび上がってしまう。

「は!それはこちら台詞というものだ!チン太の邪魔がなければ、無様な格好で吊るしてやった物を!ああ!まだ感触が取れない!!」

 にらみつけられたバカ犬ことヒナトは、負けじと反論するが、今は、タオルで顔を拭くほうが優先らしい。
 ただ、相当許せないのか、足で時たま椅子となっている恭太を蹴っている。
 こちらは、フレアウルフのように普通の服には戻らず、マゾロイドの正装(ほぼ裸)のままだ。

(すまん……恭汰……逃げたと勘違いして悪かったし、二人を止めてくれたのは感謝してるけど、もう何も言う気が起きない……)

 恭太に対し始めて起こる、本気の同情と感謝を抱きながらも、雄介の口からは、ため息しか出ない。
 ヒナトとフレアウルフが激突し、雄介が吹き飛ばされた後、逃げたと思った恭太が何かを持って戻ってきて、それをヒナトに投げつけた。
 それはカエル。しかもここらでは見かけないなかなかの大きさだった。
 フレアウルフに集中していたヒナトは、そのカエルをよけきれず、顔面で受け止めてしまった。実は、ヒナトはカエルが苦手だった。
 そんなものが顔についたのだ。悲鳴を上げてヒナトはカエルを振り払いながら、のた打ち回ることとなった。

 一方、それを見たフレアウルフは、一瞬驚いたが、好機と見て襲い掛かろうとした。
 だが、ヒナトによって伸ばされたパンツが、紐のように足に絡み、盛大にこけた。顔面強打のおまけ付だ。
 下半身丸出しのまま、顔面を押さえ、うずくまった。

 まさに、バカ犬とアホ犬。駄目犬コンビの間抜けな喧嘩にふさわしい終わり方だった。
 その後、とうとう、雨が降り始め、全員、この東屋に退避し、今に至る。

「何を話してたんだっけ……」

 雄介が、重い口を開き、つぶやく。気を抜くと、今日何のためにここに来たのかすらも忘れそうになる中、必死で搾り出した。

「そうだ!おばさんが出てきたせいで忘れるとこだった!SEXだよ!雄介様が私のゴミ袋にたくましいおチンポを突き刺したいって話だ!!」

「だれがおば……。はあ……。もういい。そこに突っ込んだら、いつまでたっても先に進まない……。」

 深いため息をついて、フレアウルフはヒナトに食って掛かるのをやめた。それを見たヒナトは勝ち誇ったかのように平らな胸を張る。
 今回は、フレアウルフのほうが年長者なせいか、それともほんとにしんどかったのかわからないが、身を引いた。

「さあさあ!そうと決まったら早速任務!任務だよ!雨のなかでのSEXもなかなか風情がある!早く!早くだワン!まずは一発、バックで♪その後は駅弁ファック♪ああ……あは♪ヒナトもう我慢できない!!」

 ヒナトは、立ち上がり雄介の腕を引っ張って、雨の中に連れ出そうとする。

(ふ……ふざけるなよ!誰がこんな雨!しかも野外で!お前みたいな家畜じゃあるまいし!!ほんとに変態行為しかあたまにないのかよ!!)」

 雄介が、ヒナトのあまりの変態ぶり、キチガイぶりに嫌気が差し始めていると、持っていたポータブルPADに又メッセージが表示された。

(ん……また……。でも今度は番号じゃないぞ。むしろ……。これを言えってことなのか?)

 ふと、フレアウルフを見ると、携帯でメールをうっている。時折ちらちらとこちらを見ているが、携帯ははなさい。むしろ何かを待っているように見える。

「なあ!どうしたんだい?早くしようじゃないか!あ!もしかして、彼女の私が濡れて風邪を引くかもなんて心配してくれてるのかい?やさしいなあ。でも、安心してくれ!マゾロイドの私が雨で濡れて風邪なんか引くものか!何せ、私のオマンコはいつも濡れてるからな!ははは!」

 ヒナトは相変わらず、空気を読まない台詞をのたまっている。顔を見ると、昔は凛として整っていた顔も、だらしなく、壊れた笑顔だ。洗脳改造されていると知らなければ、悪い薬をうたれた薬物中毒者か、病院送りの精神異常者にか見えない。
 はっきり言って幻滅だ。雄介とて、以前のヒナトは憎たらしく思っていたが、同時にかっこよくも思っていた。
 だがななんといおうと、自分が正しいことを貫く姿は憧れでもあった。
 この間そのヒナトを、犯した際、あこがれた存在を犯すという高揚感を覚え、又今日もそれ味わえると思っていたが、今のヒナトは、あこがれたヒナトではない。外見は同じだが、家畜以下に成り下がったキチガイだ。勃つどころではない。汚らわしい嫌悪感すら覚える存在だ。SEXなんてとんでもない。

(とにかく、このキチガイを黙らせないと……。これにでてきたって言うことは間違いなく、ヒナトに関するはずだ。……よし!)

 雄介は、意を決して、ポータブルPADに表示された言葉をしゃべる。

「マゾロイドモード!バカ犬ヒナト!」

「ははは!さあ!雄介様!だからわ……」

 雄介がコードをしゃべると、うるさいぐらい騒いでいたヒナトの動きが止まる。
 PCが立ち上がるようなキュインという甲高い音がしたかと思うと、ヒナトは姿勢を正して、手を後ろに組んで立った。

「このたびは、マゾロイドシリーズ。バカ犬ヒナトをお使い頂きありがとうございます。ご使用は注意事項を守り、安全にお楽しみください」

「……は?」

 てっきり、先ほどの馬鹿な姿を晒すと思っていた雄太はあっけに採られた。

「ふう。ようやくまともに話ができるな」

 そういうと、さっきまで携帯をいじっていたフレアウルフが、携帯をしまい、髪を掻き揚げて足を組む。

「え?あ……あの……」

「さっき教えたのは、このバカ犬のマゾロイドコードだ。本来マゾロイドはこういう商品だからな。実際は、購入した奴の言うことを聞くように設定されるが、それまでは、お金で自由に使えるようになってる。下のものへの娯楽と、そいつの教育のためにだ。100円くらいはもってるな?」

「は…はい。そのくらいなら」

 雄介は財布から、100円玉を取り出す。

「そいつを入れろ」

「いれろってどこへ入れれば……」

 フレアウルフは、しゃべらず、四つんばいになっている恭太に目を向ける。
 すると、恭太のアナルからにゅっと、缶が出てきた。その間には、自販機についている硬貨投入口のようなスリットがついている。

「……」

「そこだ。そいつはこのバカ犬とセットらしいからな。そこらへんのセンスはドクターと女王陛下の趣味だ。受け入れろ」

 雄介はあきれたが、仕方ないので、そこに、100円玉を入れる。チャリンと音が響くと、硬貨口がついた缶が収納される。

「入金を確認しました。それでは、マゾロイドヒナトを存分にお楽しみください。ご命令を」

 そういうとヒナトはにこっと微笑む。最近はただれた笑顔ばかり見ていたため、そのギャップについドキッとしてしまった。
 
「え……あ……」

「ご命令を」

 慌てていると、ヒナトは再度命令を求めてきた。

「何かさせたいなら、早く命令しろ。何も言わなければ、元も戻るが、お金はもどってこないからな。できれば、話ができるよう大人しくさせろ」

 フレアウルフは少し不機嫌そうに、話しながら携帯をしまう。

(?な……なんで不機嫌に?さっきまでのうっとしいヒナトに比べれば断然ましじゃねえか……。まあ、とりあえず、命令するか)

 不機嫌なフレアウルフにちょっとびびりながら、ヒナトに与える命令を考える。

(SEX……は無しだな。しおらしくなっても、マンコは汚いままだし。とりあえずフェラで奉仕でもしてもらおうか。バカ犬じゃあ奉仕どころかむしゃぶりつくしかできなさそうだけど、このヒナトなら大丈夫だろ。……)

「よし!ヒナト。俺に口で奉仕しろ!やる前に口をゆすいで綺麗にしてからな」

「はい。わかりました」

 命令を聞くや否や、ヒナトは恭太が持っていたバックから、ペットボトルを取り出し、中にはいっていた水で口をゆすぐ。

「雄介様。口をゆすぎました。それでは始めます。お好きな体勢になってください」

「お…おう。しっかりやれよ」

(う……調子が狂うな。今までヒナトには大抵蔑まされるか、馬鹿にされるか、もしくはあの変態ぶりしかみてないから。こんなにおとなしいのは……)

 さっきまでのバカ犬なら、遠慮なくひどい扱いができたが、今のヒナトはできない。
 うまく説明できないが、罪悪感が心をつつくのだ。そのためどうしていいかわからず、大きな態度で、ベンチに座った。

「はい。それでは失礼します」

 そう返事をしたヒナトは、雄介の股の間にしゃがんで、丁寧に、ズボンのチャックを下ろし、チンポを取り出す。
 状態としては半立ちだ。だが、ヒナトはそんなことお構いなしに,亀頭を咥える。否、吸い付いたといったほうが精確だ。

「ふむ。んん……ジュる……」

「うわあ!あ……」

 あまりの感触に、雄介はつい声を上げてしまった。
 ヒナトは唇でしっかりと亀頭を包み込み、歯で適度に刺激を与えながら、舌で尿道口をちろちろなめてる。

「ぷは!どうしました?強すぎましたか?もっと優しいほうが好みですか?」

 そういうと、ヒナトは口からチンポを離し、竿を舌でなめだした。
 まるでよだれを塗りつけるように接触させたまま、顔を動かし、根元まで動かすと、今度は玉を優しくなめだす。

「い……いや!なんでもない。いいぞ!もっとしろ」

「はい。わかりました」

 そう、返事をすると、玉をくわえ込み、中で舌をこすり付けてきた。奉仕というより、口でチンポを掃除してもらってる感じだ。

(き…気持ちいい!何だこれ!以前してもらった時と全然違う!フェラってこんなによかったのか?)

「まあ……当然だろ?マゾロイドにはわが組織が集めてきた、そういう知識と技術が詰め込まれているからな。経験の少ない奴には刺激的なはずだ。そこらの風俗嬢にも負けん」

 心を見透かされたようで、恥ずかしくなった雄介を、不機嫌プラスあきれた顔で眺めていたフレアウルフがつぶやく。

「はい。そのとうりです。雄介様がお望みならもっとすごいこともできます。どのようなことがお望みですか?」

(ウオ!あのヒナトが!やっぱ洗脳すげえ!というかこれだけの完成度でまだあの人は不満なのか?よくわからねえなあ……。そういうことなら……あれ?)

 ヒナトに命令をしようとしたとき、雄介は物足りなさを感じた。バカ犬と違い、大人しく、素直なのに。

(おかしいな?まさか俺、あんな変態じゃないと興奮しない体質に!?いやいや……それは違う。そこまで変態じゃない。でもなんでだ?)

 ふと、目を落とすと、ヒナトは亀頭にキスをしてチンポに頬刷りしている。だが、その表情に変化がない。

(ああ!わかった。今のヒナト。まるで感情がないんだ。ロボットみたいで)

 嫌がることもなければ、喜ぶこともしない。ただ単に命令をこなす。テクも悪くないのに物足りなさを感じたのはここだった。
 たとえ感情がなくても、可愛い子に奉仕されれば嬉しいが、雄介はヒナトを知っている。
 昔の活き活きとしたヒナトをしっていると、今の感情のないヒナトでは満足できない。
 たとえ同じ顔だとしても、どうしても物足りなく感じてしまうのだ。

「あ……おい!ヒナト。物足りないからもうちょっと激しくしろ。できれば昔みたいに生意気に!」

 だからだろう、つい思いついたことを言ってしまったのは。

「……」

 それを聞いたヒナトは、舌でチンポをちろちろなめながら上目遣いでじっと見ている。

(……ん?は!しまった。まずい!せっかく大人しくなったのに!こんなこといったら、又あのバカ犬になる!)

 こんな状態ならあのバカ犬はチンポに噛み付いてくるかもしれない。
 そんな恐怖に駆られた雄介は、命令を取りやめるのではなく、とっさに、ヒナトの頭を抑えた。
 だが、ヒナトの行動は雄介の予想とは違った。

「ふむ……それなら、こんなのはどうかな?雄介様?」

 そういうとヒナトは笑顔で、竿の側面にキスをしたかと思うと、チンポを一気にくわえ込んだ。
 根元まで一気にくわえ込んだと思うとそのままの姿勢で、さらに飲み込もうとすらしている。違う。ヒナトがチンポを口全体で締め付けてるのだ。

「うわああ!ああ!すっげえぇ!!」

 雄介は、自分の目を疑った。目からはチンポを咥えられている光景が目にはいるのだが、チンポから上がってくる感覚は、まるでチンポをオマンコに入れてるような感覚なのだ。

(なんだこれ?ああ!あ!やばい!元々今日は、ヒナトに思いっきり出してやろうってすうじつ我慢していたから!だめだ!でる!)

 あまりの気持ちよさに、我慢できず雄介は射精してしまう。
 それと同時に、ヒナトもチンポを加えたままビクビク!っと痙攣したかと思うと、ゆっくり、チンポを口から引き抜いた。

「はは。雄介様の熱い精子が出されたとき、私も逝ってしまったよ。はしたない女だ。だが許してくれ。こんな立派なおチンポ入れられていかない女がいるものか。ペロペロ……」

 ヒナトはそういうと、楽しそうに、舌先で雄介の亀頭の先をなめる。

(な……なんだこれ?こいつがあのヒナト?あ!いや!違う!こいつは、変態でもマゾロイドでもない!昔のヒナトだ!)

 今のヒナトの顔は、昔、友達と楽しそうに笑っていたヒナトの顔だ。不良の雄介には絶対に見せなかった顔。
 その顔で、自分のチンポをおいしそうに舐めている。

「はあぁ……。おいしい……いつまでも舐められる。ああ。すまない。美味しすぎてつい没頭してしまった。今はご奉仕をしてるところだったな。ペロペロ……。は!また……だめだぁ。どうやらヒナトはこれを見ると馬鹿になるようだ……。雄介様ぁ。この奉仕もまともにできないバカ犬にお仕置をぉ……」

 そういうと、しおらしく、チンポに頬ずりをしながら、お尻を可愛く振り出した。
 それを見た、雄介は、えもいわれぬ快感が湧き上がった。

(間違いない!こいつは、あのヒナトだ。みんなの憧れの!そのヒナトが俺におねだり!)

「いやいや!そんなことないぜ!十分気持ちよかったぜ!ヒナト!」

 あまりのかわいらしさについ優しい言葉と、ヒナトの頭をなでた。

「あうぅ……。気持ちいいぃ。優しいな。雄介様は。私は幸せ物だ。こんな優しくて立派な男が彼氏……いや。飼い主なのだから。ヒナトは嬉しいワン!」

 なでられたのがよほど嬉しいのか、手を軽くまげて、犬のまねをする。その姿は実にかわいらしかった。

「わぅ……はぁ……はぁ……。雄介様ぁ。そのぅ……とてもはしたないんだが、ヒナトのオマンコを足にこすり付けさせてくれないか?疼きすぎて我慢の限界なんだ」

 そういうと、ヒナトは足にしがみついてきた。しかし今までの違うのは、マンコはこすり付けず、上半身のみ寄り掛かっている。

「はぅ……。こんなにもオマンコからたれて……。いや。汚いことはわかってるんだ。こんなゴミマンコを雄介様にこすり付けるなんて申し訳ないのに……でも、もう駄目なんだ。このままだとヒナトのオマンコが壊れてしまう!たのむ!こすり付けるのが駄目ならオナニーの許可をくれないか?この哀れなバカ犬に慈悲をぉ」

 瞳に涙を浮かべながら、甘えた声で哀願するヒナトは実に魅力的だった。ほんとに申し訳ないと思ってるのか、こすり付けたいオマンコを離し、へこへこ腰を動かして我慢している。

(おお!そう!これだよ!これ!俺が望んでたのは!いつも俺を見下してたヒナトが、心のそこから屈服いや、隷属する!あんな理性も常識もない家畜以下のバカ犬じゃなく!こんなふうにしとやかで、かわいらしく!)

 心のつぼをピンポイントでついてきたヒナトに雄介は興奮した。雄介のチンポは出したばかりなのに、そそり立っている。

「馬鹿!オナニーなんてするな!そこまで我慢できないなら俺が手でいじってやる!何背お前は俺の犬なんだからな!」

 その言葉を聞いたヒナトは、花が咲くような笑顔を見せて歓喜の声を上げる。

「え!?あ!ああぁ……!ほんとうかい?うそじゃない?うれしい!!!雄介様にヒナトのおまんこいじってもらえる?」

「ああ!ほら!あがってこい!」

「!!はい!あ……ちがった……わん!」

 そういうと、ヒナトは雄介が座っているベンチの上にあがって、中腰になり、手を軽く上げて、腰をつきだした。

「は!は!……うう。雄介様ぁ……。申し訳ありません。あまりの嬉しさにヒナトマンコのよだれが止まりません。はしたない……。ああでも、私もちょっとでも気を抜くと、顔がマンコみたいにだらしなくなっちゃうう。はずかしいよぅ」

 ぽたぽたとマン汁をたらしながらも、ヒナトの顔はきりりと引き締まっている。しかし、頬は真っ赤で、身体もプルプル震えている。

「んん?どうしたんだよ?アヘ顔なんて見せまくってたじゃないか?」

 雄介が聞き返すと、ヒナトはイヤイヤと顔を振る。

「だって!だって!雄介様は、昔のカッコつけてた私がいいんだろ?だけどヒナトはバカ犬だから!せめて、顔としゃべりかただけは何とかしてるんだ!でもマンコだけはどうしても!うう……きらわれちゃう……」

(ははは!あのヒナトが!俺に対してこんなふうに!イイ!)

 しおらしくかわいらしい、ヒナトを見て雄介はついつい虐めてみたくなった。

「そうだなあ。確かにそうかも。だからな。ヒナト。俺がいじってる間、ずっとかっこつけた顔してろよ。あのバカ犬みたいなアヘ顔にはなるな。なったらふるからな。ほら!」

 そういって、すっかり膨らんでるヒナトのクリを指ではじく。

「ひゃぁあ!ああ!わ……わかった……。ま……任せてくれ。ヒナトにとっては造作もな!ひいぃぃ!!」

 ヒナトがしゃべっている間なのに、雄介はそのクリをつまんで軽く引っ張っていた。

(ははは!ヒナトが歯食いしばって耐えてる!まさにおもちゃだな!今までなら、こんなことしたら殴られてか!)

 殴るどころか、歯を食いしばって、顔を赤らめ真面目な顔をしているヒナトを見ていると、ますます楽しくなり激しくいじくる。

「くぅう……はあぁ……はげし……あぁぁ!我慢だ!我慢だ!ヒナト!我慢しなければふられてしまうぅ・・・。ふぁあ!!」

「ひ……ヒナト……」

 逝きたいの、逝けず苦しんでるヒナトを見て、恭太は心配そうに声をかける。

(あ……コイツいたんだっけ。ついついヒナトを虐めるのが楽しすぎて忘れてたぜ……)

「ずいぶん、お楽しみのようだな……。バカ犬と見下してた女にそこまで興奮して恥ずかしいとは思わんのか……?」

(あ……この人も忘れてた)

 フレアウルフは呆れているのか怒っているのか良くわからない顔でこちらを見ている。
 われに返ると、事情を知っているとはいえ、他人の前でチンポを出してヒナトを虐めてることに対し、恥ずかしく感じた。
 しかし、雄介のチンポは相変わらずそそり立ったままだ。いや、むしろ強度が増している。

(おいおいなんで?!以前なら、こんな姿見られるなんて恥ずかしくでできないっておもってたのに!むしろこっちのほうが興奮!?俺本当はこういう性癖なのか!?)

 変態同士、露出狂カップルそんな言葉でヒナトと一緒にされる光景が目に浮かびぞっとっとしたが、一方でドキドキしていることを感じている。

(うそだろ?おい!まさか!!)

「いい加減、遊ぶのをやめろ。これだからガキは……。やめないとひどい目に会うぞ。そろそろ時間だからな」

「え!?時間?」

 すると、又甲高い音が聞こえたと思うと、ヒナトの動きが止まる。

「使用時間が終了します。又のご利用をお待ちしています」

 事務的な台詞の後に、顔の表情がなくなり、うつむく。

「……。おい。ヒナト?」

 心配して声をかけると、ヒナトが笑った。いや歓喜のあまり、口が広がったといったほうが正解だろう。
 いやな予感がすると共に、ヒナトはがばっとかを上げ、いきなり唇をうばってきた。

「な!なに!!……うぐ!」

「ふあ!はぁあ!ん!!!」

 ヒナトはそのまま雄介の上半身を抑え逃げれないようにした後、口の中に舌を押し込んできた。

「ふー!ふー!ふふふ!んぐんぐ!!」

 キスではない。文字通り唇を奪われた。ヒナトはよほど嬉しいのか身体を押し付けてくる。
 目の前にある顔はまさに逝っている顔だ。

「ん~~~!!(離せ!何だ!さっきまでしおらしかったのに!何で急にバカ犬!いや超バカ犬になってるんだ!?)」

 舌で口の中をかき回す。いや自分のよだれを、雄介の口の中に押し込んでいる。そして、股の間でそそり立ってる、雄介のチンポを自分のオマンコに押し込んだ。

「!!んん!!っふ~~~ん!」

 何のためらいもなく一気に突き刺したかと思うと、ヒナトは白目をむいて、身体を痙攣させる。しかし、上の口と下の口は離さない。
 むしろ下の口、オマンコは今までにないくらい締め付けてきた。

(うわ!痛い!やめろ!離せ!!ああ!でる!だめだ!!)

 射精すると同時に、ぶしゅっと結合部から液体が拭きでる。2回目というのに大量に出た。いや、搾り出されたといった感じだ。

(うう……これ……SEXじゃない。レイプだ……)

「ぷは!ああ!雄介様のおチンポ汁!ヒナトのオマンコを通って子宮に来てる!!ヒナトのワンこ袋の中にはいってるぅ!いい!すごい!」

 ヒナトは、口を離すと、つながったまま、身をもだえだした。

「ワォン!!ああ!ヒナトの中で、雄介様のおチンポ汁がマゾエネルギーになってる!!」

「こ!このバカ犬!さっきまでしおらしかったのに!というかどういうつもりだ!はなれろ!」

 雄介は怒りにあわせて、ヒナトを突き飛ばす。油断していたのか、結合部はあっさり抜けて、ヒナトは地面に倒れこんだ。

「きゃん!」

「はあ……はあ……」

「時間切れだ。マゾロイドモードはお金を入れて一定時間だけなれる。それが終わったから元に戻ったんだ」

「そういうことは……もっと早く言ってほしかった……」

「は!私の存在を無視して、そのバカ犬に夢中になっていたのによく言う。それにしてもあのバカ犬があんなふうになるなんて。ドクターが新型というだけのことはある。とういかこれだけの技術をなんでこんなことに……ぶつぶつ」
 
 何が不満なのかわからない雄介が、フレアウルフを見ていると、ヒナトがにやけた笑顔で這って来ているのに気がつき思わず手を伸ばした。

「STOP!何するつもりだ!バカ犬!」

「あう!何って雄介様のおちんぽをペロペロするつもりだが……?それにしても雄介様。生意気な私が好きだったんだな。そういってくれればいいものを。さあ!早くチンポを寄こすのだ!ペロペロもしてやるし、かみかみもするぞ!」

 そういって口を広げて、歯をみせてきた。

(ふざけるな!しおらしいがどっかいってさらにうっとおしくなった!この馬鹿!)

「うるさい!いい加減に……ええい!マゾロイドモード!バカ犬ヒナト!」

 再び、コードを叫ぶと、動きが止まった。

「このたびは、マゾロイドシリーズ。バカ犬ヒナトをお使い頂きありがとうございます。ご使用は注意事項を守り、安全にお楽しみください」

「はあ……はあ……。ようやく大人しくなった……。とりあえず、バカ犬だと手におえないから……あ!」

 財布を取り出すと、100円がないことに気がついた。あるのは10円と1円。500円玉だけだ。

「……。とりあえず500円いれておくか……。これだけいれれば、しばらくマゾロイドモードになって、バカ犬は出てこな……あれ?」

 500円玉を恭太のケツ穴に入れようとしたが入らない。ケツ穴から出ている、投入口が小さく、500円玉が入らないのだ。

「もしかして、100円専用!?まじか!これだけ手間隙かけてるのになんでここだけてぬいてるんだ!?くそ!」

 無理やし押し込もうとして大きさが違うのだ。入るわけがない。

「いた!痛い!痛い!やめて!やめてください~!!」

 お尻を突き出していた恭太が、男とは思えないほどかわいらしく痛がった。

(痛い分けないだろ!久々に聞いたけどこいつの泣き顔は女々しくて腹が立つ!)

 そこに、100円玉が投げられてきた。

「え!?」

「ほら!くれてやる。そいつを入れて、黙らせろ。そうだな。30分寝てろとでもいえばいい」

 フレアウルフが見かねて、100円を寄こしたのだ。

「早くしないと、又そいつが手におえなくなる。さっさとしろ!」

「は!……はい!」

 雄介は言われたとおり、100円を入れて、ヒナト大人しくさせた。雄介の横に座って眠るヒナトは美しくかわいらしい。

「さてと……いい加減はなしをしようか。人前でいちゃつくほど私は暇ではないし!」

「いや……べつにいちゃついてたわけじゃ……」

「なにかいった?」

 不機嫌なフレアウルフににらまれて、雄介は身が縮こまる。

「いえ……なにも……」

「まあいい。……任務の前に一つ確認しておこう」

 雄介の見定めするようにフレアウルフは真剣にみつめる。

(う……。緊張する。ヒナトと絡むとアホ犬なのに、こうしてると仕事ができるバリバリのキャリアウーマンって感じだな。スタイルもいいし。それにしてもこの構図、なにか面接されてるみたい……いや!そうだよ!この人もドクターと一緒で組織の人なんだ!しっかりやる気を見せてないと!)

「お前は、組織の一員になりたいらしいな?」

(お……!ますますそれっぽい。なんて定番だ。まあ、ここはやる気を見せておくか!どっちかというと組織より、洗脳技術に興味があるんだけどね。俺は!)

「それは嘘なんだろ?」

「へ……?」

< 続く >

感想を書く

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。