カルト学園狂躁曲!? 第五章

第五章:喧々囂々の校長室での大バトル・・・そして見事に敗北

 校長室。突如、夏の大会で優勝候補ともいわれるピカイチ女子生徒小越郁子の、しかもたわわなお乳の形や、絶妙な女体ラインもくっきりの鮮やかなレオタードでの表敬訪問を受けた影乃原隆元はニヤニヤと目じりを下げる。
「校長センセイッ、体操部の顧問の藤澤先生を洗脳したってどーいう事ですか!? 学校乗っ取りを計画しているみたいだけど、ホントですか!? 白状しないと、私マスコミに全部お話しますけど良いですかぁ!?」
 純粋まっすぐなお嬢様は駆け引きを知らない。真っ向勝負で一癖も二癖もあるカルト宗教の教祖に向かっていく。
「オイオイ、小越クン、何を言っているのだね。私は純粋に教育者としてこの学校を買収・・・じゃなかった支援しているのだよ。それをPTA会長令嬢であり、次期生徒会長候補ナンバー1の君が何たる言い草かね。先生は悲しいよ」
 と、隆元は郁子の瑞々しい肢体を嘗めるように見つめつつ、続ける。

「体操部のエースとして、そのマニア垂涎の肉体美をいかんなく披露して、メダルを目指してくれたまえ」
「もうーッ、話をそらさないでくださいッ!! 校長センセイッ、いえ影乃原隆元さん!! 先生がそれもカルト教団の教祖だってことは、もう御見通しなんですからね!! わたし次期生徒会長として徹底ぇー的に闘いますからッ!!」
 郁子の追及に、さすがに行を煮やした様子の影乃原隆元は急に声音を変える。
「フフフフ、我が『淫華学会』をそこまで侮辱されては、いかに優等生のお嬢様といえど、ただでは返せんなぁ・・・。特別授業と称した折檻が必要なようだ」
 隆元はパチンと指を鳴らす。すると・・・。
 
 校長室の壁がズンズンと上に引き上げられていき、姿を現したのは例の実験室だ。その中に鎮座ますのはそう、巨大な試験管の様な洗脳室だ。
「な、なにコレッ!? 超妖しいんですけど!?」
 郁子が引いてしまうのも無理はない。洗脳器の周囲はピンクとムラサキの扇情的なライトが点滅し、獲物を待ち構えるように扉をぱっくり開いた試験管の内部は、ビリビリと稲光が走っている。その前で、白衣の天使ならぬ、技術士、亀頭博士がニマニマと微笑み手招きしている。
「よーこそ、小越郁子嬢。この学び舎一の優秀な女子生徒の、身体的特徴はもちろん、処女、非処女の判定をはじめ、性感帯までじっくりと調べ上げ、わが『淫華学会』の思うが儘に洗脳できるとあって、理化学教師としては、冥利に尽きるってもんですよ」
「じょっ、ジョーダンでしょ!? 処女? 性感帯? そんなこと調べられて溜まるもんですか! 絶ッ対、洗脳なんてされないですから!!」
 狼狽する郁子に、宗教団体にありがちな舎弟、いや配下、いや狂った信者のような男たちが、いつの間にやら背後から迫りくる・・・。
「ちょッ、ちょっと放してよ、止めてッ!!」
 能面みたいな無表情の男が、乙女の二の腕を捕まえたその時だ。
 
 郁子の二の腕を捩じろうとした男は敢え無く壁まで吹っ飛んだ。
「その娘に指一本触れるんじゃあねぇよ!! この学校でカツ上げ、万引き、女子生徒の下着ドロ・・・数え上げたらきりがない異色の経歴を持つ稀代のヤンキー、加々見俊のまえで郁子に手出しは許さねぇ!!」
「加々見クン!」
実は俊、めちゃくちゃ喧嘩の強い、敬和学館始まって以来の悪としても知られた不良だ。暴力沙汰は専売特許とばかりお姫様の傍らに立って鼻の穴を膨らませてみせる俊。『来てくれたのね、郁子嬉しい』とかっていう態度を、当然期待するヤンキークンだ。が・・・。
「キミってそんな悪いことばっかしてたんだ・・・。最ッ低!!」
 下着ドロ告白には嫌悪感を露わに美少女フェイスを歪めて睨む郁子に、落胆する俊。だが、生意気お姫様は結構きまぐれで、我儘、そして意外だ。
「でも・・・助けに来てくれたんだ・・・。ありがと」
 ほっぺを微かに赤く染め上げつつ、ボソッと呟く。俊がその言葉に嬉しさを感じる間もなく、珍しく男の子に素直になったお姫様の、照れ隠しの大暴れが始まる。

「ほらほら、わきが甘―いッ!!」
 郁子の生足が信者の顎に食い込む。背後から忍び寄る男も、背負い投げの要領で床にたたきつけると、腹に強烈な拳を叩きこむ。
「だから甘いって言ってるんでしょーが!!」
 お嬢様はかなり強い。鮮やかなレオタード娘の活躍で、信者たちは一網打尽にされてゆく。その傍らで青くなるヤンキー俊。 
「お、小越ってこんなに強かったのかよ。気をつけよぉ~~」
 そうこうしている間にも、最強お姫様は教祖、隆元とマッドサイエンスト亀頭にずんずん詰め寄る。麗しの女体のラインもくっきりのレオタ姿で、腰に手を当て、まるでヤンキークンを説教するような口調で、震えて抱き合う黒幕二人を詰る。
「ど、ど、どどうか、お許しを~~」
「校長、亀頭センセイ、観念なさいッ! 藤澤先生と皆の洗脳を解いて、学校の経営から撤退することを約束したら、許してあげますから!! さもないと、二人ともここでばっちり懲らしめて、PTA、マスコミ合同で『淫華学会』を追求しますよ!!」
 だが、そこはマッドサイエンストの端くれ、鬼頭博士は奥の手を隠していた。

「小生意気な小娘だ。ちょっとばかし可愛くて頭が良いばっかりに、親の権力まで使ってわしらを追い込もうとは・・・。だが、これでどうかな!?」
 亀頭が小さなリモコンを操作する。すると・・・。
「きゃッ、な、なにコレ、いやあああん」
「小越ッ!!」
 突如、床がバカンとめくれ上がり宙に持ち上げられる郁子の瑞々しい肢体。そのレオタードに包まれた魅惑のボディが天井から現れた大きな網に捕えられた。何とも原始的な手段だが、さすがのお転婆令嬢もこれでは手も足も出ない。
「ああんッ、う、動けないッ、卑怯よ、こんなのぉ~~!!」
 形勢逆転。口惜しげに身悶える郁子を子気味よく眺める隆元と亀頭。
「フフフ、素行の悪い生徒を折檻するのに卑怯も何もあるものかぁ!! 小越郁子、予定通り、我が洗脳室の中で、その小生意気でお転婆、粗暴な性格までキッチリと調教し、仕込み直してやるぅ!!」
 気勢を上げる黒幕二人。
「小越ッ、今助ける」
「か、加々見クン・・・」
 天井高く吊り上げられたレオタード美少女に駆け寄る俊。だが・・・。
「待ちなさい、加々見君」
 と、妙に艶めかしい表情で現れたのは、そう洗脳された藤澤絵里センセイだ。絵里は俊に歩み寄ると、年下のボーイフレンドを手名付けるように、その頬をナデナデすると耳元で囁く。
「校長先生の言うことは守らなくては駄目。小越さんの体罰は尊師にしていただくわ。加々見君は可愛いから、特別に貴方の折檻は私がしてあ・げ・る!! ・・・。良いですよね。校長先生?」
 絵里先生の問いかけに満足げに頷く。かくして、校内レジスタンスの郁子、俊は囚われの身とあいなったのだった。

< To Be Continued >

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