憧れの教師 第二話

第二話

 この日をどれほど待っていたことか。
 辰巳は恐怖に顔を歪めたまま眠っている夏帆の体を直し、両手で顔を挟む。

「よく聞いて……。お前は俺のことをすごく信頼している。親よりも、友達よりも、他のどんな人よりも信頼しているんだ。だから、俺の言うことはどんなことでも信じられるし、正しいと思う。わかるな?」
「……はい」
「お前にはどうしても俺に相談したいことがある。それは、男の人を見るとエッチな気持ちになってしまうことだ。お前は男を見ると、とてもいやらしい気持ちになってしまう。すごくエッチなことがしたい。でも、これまでは頼める相手がいなかった。だけど、心から信頼している俺になら相談できる。……じゃあ、次に俺が手を叩くとお前は目を覚ます。目を覚ましたお前は、催眠術にかけられたことは何も思い出すことができない。でも、暗示は心の中に残っていて、必ずそれに従ってしまう。お前は俺に相談したいことがあって体育倉庫に呼び出したんだ」

 辰巳が手を打ち鳴らす乾いた音が響き、夏帆はぼんやりとまぶたを開いた。

「う、ん……あっ」

 寝ぼけ眼のまま頭を上げた夏帆が、目の前に立っている辰巳を見て、ぴくりと体を跳ね上げた。
 落ち着きなく視線をさまよわせる少女の肌が、見る間に赤く染まっていく。とめどなく湧いてくる性欲に体が疼くのか、右腕はしきりに脇腹をさすっている。
 唇を固く引き結んだ夏帆は何度も辰巳に目をやっては、すぐに逸らす。この姿を見ているだけでも強固に暗示が作用していることは明らかで、にわかに下腹部が熱を持ちはじめる。

「どうした白石。相談したいことがあるんだろ?」
「えっ、あ……。あの……」

 どうして体育倉庫で相談をしているのか、いつの間に眠っていたのか。淫らな感情でいっぱいになった少女に、そんなことまで頭を回す余裕はない。信頼する教師に相談したい欲求と、自分の異常な性癖を告白することへの羞恥心が、心の中で激しくせめぎ合っている。
 正面から見つめてくる辰巳に耐えられなくなったのか、夏帆はついに顔を伏せてしまった。

「ほら、恥ずかしがることなんてなんにもないぞ。生徒が先生に悩みを相談するのはあたりまえのことだからな」

 辰巳の言う事ならどんなこと信じてしまうよう暗示をかけられた少女には、恥ずかしくないという言葉が魔法のように響く。
 おもむろに頭を上げ、夏帆は桜のように淡く色づく唇を動かした。

「先生……あたし……いやらしい女なの……」
「うん? どういう意味だ」
「だから、その……男の人を見てると、すっごくエッチな気持ちになっちゃって……」

 カモシカのような足でトラックを駆ける体育会系の少女からは想像もつかない、破廉恥な告白。
 自分の言葉にますます顔を赤く染めた夏帆は、よほど恥ずかしいのか、いまにも涙が零れ落ちそうなほど目を潤ませている。そわそわと身じろぎしている姿を見ているだけでも、心臓の鼓動が伝わってくるようだ。

「つまり、いまも俺を見てやらしい気持ちになってるってことか?」

 ほんのわずか、よく見ていなければわからないほど小さく少女は頷いた。

「そうか。それで、俺にどうして欲しいんだ?」

 辰巳の問いに夏帆は再び黙りこむ。
 誰も言葉を発する者がいなくなった体育倉庫は、ことさら土臭さを意識させられる。辰巳が高校生の頃にも、体育倉庫でセックスをしている生徒がいるという噂が流れていたものだが、まさか自分が当事者になろうとは思いもしていなかった。
 数多の汗が染み込んだ汚らしい器具が乱雑に並べられた、美少女の処女を頂戴するにはあまりにふさわしくないこの舞台が、ますます辰巳の興奮を煽り立てる。
 体の中で渦巻く性欲がいましも爆発しようとしたそのとき、少女のわななく唇が開かれた。

「あたしとエッチしてください……」

 活発な美少女が唇を噛みしめて羞恥に震える姿は、本能のまま襲いかかってしまいたいほどいじらしい。
 いまの自分は信頼できる教師でなければならないと言い聞かせ、顔中の筋肉を意識しながら、できうる限りの真摯な表情をつくる。

「俺でいいんだな?」
「うん……。他の人にはこんなこと頼めないから……」

 思い通りにことが進むのは、どうしてこれほど楽しいのだろうか。毛穴の隅々まで獣のような欲望で満たされるようで、もう辛抱することができそうにない。
 一秒でも早く、夏帆を犯したい。

「じゃあ、さっそく裸になってくれ」

 伏せられていた頭をばね板のように跳ね上げると、夏帆はまじろぎもせず辰巳を凝視する。

「どうした? エッチなことがしたいんだろ。裸にならないとできないじゃないか」
「そうだけど……」
「恥ずかしがることなんて何もないぞ。教師と生徒なんだから、俺に見せることは全然恥ずかしくない。そうだろ?」
「……そう、だね」

 心から信頼する辰巳の言葉に従い、昇降台から立ちあがった夏帆は、制服のプリーツスカートに手をかけた。
 グレーとネイビーのチェックがあしらわれた薄い布きれが下りていくと、柄もレースもない無地の下着があらわになる。ミントグリーンのショーツは色気も何もあったものではないが、シンプルな装いがかえって肉感的な肢体を強調していた。
 体のラインが出にくい制服の上からでは目立たないが、陸上の薄いインナー姿を目にしている辰巳は、夏帆が豊かな体躯の持ち主であることをよく知っている。
 辰巳が少女の肉体に見とれている間にも、流れるように動く指先が、健康的な肌色を少しずつ剥き出しにしていく。シミ一つない肌は鏡のようにつやつやとしていて、光を当てれば反射しそうだ。
 ブラウスを脱ぎ去り、下着だけになったところで夏帆の指が止まった。

「あの、先生、やっぱり……」
「ほら、早く裸にならないと。俺とエッチなことがしたいんだろ?」
「……うん」

 かすかに頷いた少女の手が後ろに周り、ブラジャーが外される。
 形の良い乳房は支えを失ってもきれいなお椀型を維持しており、その頂にある突起は赤子のように桃色のまま。
 上体を晒したことで吹っ切れたのか、夏帆はさしたる躊躇もなくショーツから足を抜き取った。
 これまで手入れしたことなどなかったのだろう、すらりと伸びた足のつけ根では、薄い恥毛が幅広にデリケートゾーンを覆っている。
 制服を全て脱ぎ捨てたまではよいが、性行為など経験したことのない少女にはこのあとどうすればよいのかわからない。一糸まとわぬ姿となった少女はまな板の上の鯉のように、直立不動のまま辰巳を真っ直ぐに見つめている。
 まるで好きに調理してくださいとでも言わんばかりの態度だが、すぐに手を出すのはあまりに惜しい極上の素材。
 辰巳は毛穴が見えるほどの近距離からまじまじと鑑賞する。

「……先生、そんなじろじろ見ないで……」

 見るなと言われても、男であれば誰でも目を奪われるであろう魅力的な裸体。陸上で鍛えた体は薄く引き締まっているが、胸部と臀部は女性らしい柔らかな丸みを帯びており、縦に刻まれた腹筋によってメリハリの効いたボディラインを描いている。大きなストライドを作る足は長くしなやかで、まったく歪みがない。
 これまで飽きるほど官能的な肢体の持ち主を相手にしてきたが、そのどんな女とも違う圧倒的な健康美。この健やかな肉体を、健やかでない行為で犯していくのはどれほど楽しいだろうか。

「お前、スタイルいいなあ」
「ぅ……」

 そっとくびれに指を這わせると、静かな倉庫に息を飲む音が響いた。
 辰巳は両手で夏帆の顔を挟み、濡れた瞳を覗き込む。
 とろんとした目は欲情に酔っているかのようで、今度は少女も顔を逸らすことなく見つめ返してきた。

「男を見るとエッチな気持ちになるって言ってたけど、どんな感じなんだ」
「えっと……。なんだか、胸がどきどきして、体が熱くなって……。あとは、その……。あそこが、変な感じに……」
「じゃあ、こうするとどんな感じだ」

 そっと胸に手を添えると、きれいに並んだ上下の歯の隙間から笛の音が漏れる。
 ちょうど手のひらに収まるほどの、まだ固さを残した、けれど女性特有の柔らかさを持つ膨らみ。瑞々しい女子高生の乳房がいま、手の中にある。
 少しだけ指を押し込むと乳肉は生きもよく跳ね返してきた。

「あっ、は、はい……。あの、あっ……!」
「たしかに、鼓動が早くなってるな」

 乱れた呼吸に従い、忙しなく上下する胸を優しくいたわるように揉んでやったら、夏帆の体がぴくりと揺れた。
 柔らかな肉塊に指が沈みこむたび敏感な反応を見せながらも、少女は手を払いのけることなく、心地よさそうに目を閉じて愛撫を受け入れている。
 両の手で双丘を寄せるように揉み上げれば、艷やかな吐息が頬をくすぐり、肉棒がみちみちと膨らんでいく。

「いま、どんな気持ちだ?」
「……気持ちいいです……」
「そうか。じゃあ、もっと触らせてくれ」

 耳元で息を吹きかけるようにささやくと、夏帆は細くしなやかな柳腰をくねらせた。
 辰巳は少女を抱きかかえ、走高跳のマットに横たわらせる。
 組み伏せられる形となった教え子は、いまさら羞恥心がぶり返したのか、野獣のような性欲を剥き出しにした教師から目を逸らした。
 所在なく臍の上に置かれた手をどけて、腹筋をなぞるように指を走らせる。並の男子を置き去りにする強靭な足腰を支える、一朝一夕では決して身につけることのできないこの割れ目。
 これほど上質な肉体を味わうのは初めてかもしれない。

「やだ、腹筋、恥ずかしい……」
「何言ってんだよ。かっこいいし、やらしいよ……」

 欲情もあらわな辰巳の言葉に、清廉な少女の目がとろける。
 舌を伸ばして割れ目に沿うように舐めてやれば、綺麗なシックスパックにますます力が入り、より深い溝を刻む。ほんのりと汗ばんだ夏帆の肌は、シルクのようにさらさらとしていて、舐めているだけでも心地がいい。
 たっぷりとお腹をくすぐりながら、再び胸に手を伸ばし、先ほどよりも幾らか強い力で握りしめる。

「あっ……せ、せんせい……」

 下から上へと持ち上げるように指を動かせば、年の割に豊かな乳球が手の中で横に潰れ、平面に広がった。
 右手でたおやかな感触を楽しみつつも、辰巳は舌を持ち上げてゆき、柔らかな双丘の頂点に達したところで硬く尖った乳首にむしゃぶりつく。

「はっ……!」

 腹から先端まで、ざらついた軟体を存分に使って責め上げると、乳頭は弾ける前の蕾のように膨らんでいく。
 舌先で転がしたり、前歯で甘噛みしたり、唇で吸ったりと、コリコリした感触を楽しんでいたら、甘やかな声が響いてきて、口を離して顔を覗き込めば、夏帆の頬は淫らなまでに上気している。

「一人でするときはあるのか?」
「た、たまに……」
「じゃあ、ここも触るんだな」
「ああっ、あっ!」

 指が下の唇を撫でただけでも、発情した少女は雛鳥のようにさえずった。
 そのまま陰裂に指を添え、割れ目に沿って上下させれば、口をぱくぱくとさせて熱い吐息を漏らす。

「どこを触るのが好きなんだ?」
「あっ、あの、クリが……んんっ!」

 包皮の上からピンク色の肉芽を圧迫してやると、一瞬夏帆の上体がへの字に反り返った。

「こういう風に触ってるのか?」

 陰核に親指を押しつけたまま、手首を揺すって振動を加えてやれば、夏帆の下半身は微弱な電流でも流されているかのように震えを起こす。
 男を知らない少女の体は、男を求める女の体へと移り変わり、膣からじわりと愛液が滲み出した。

「ほら、濡れてきたぞ。お前はほんとうにやらしいなあ」
「いやあ、見ないでぇ……」

 嫌がる言葉とは裏腹に、夏帆の膣はますます分泌液を排出し、性器を撫でる指先にぬめりを与えてくれる。
 貪欲な肉体に答えるように、辰巳はたっぷりと愛液を絡めた人指し指を押し当てて、ぐにゅぐにゅとした肉のマットに沈み込めていく。

「いっ……!」

 未開の肉路は指一本でさえ容易に受け入れようとせず、強烈な締めつけで異物の侵入を拒もうとする。人差し指でこれなら、ペニスを埋め込むと一体どれほどの圧迫が加えられるのだろうか。

「夏帆、深呼吸して落ち着くんだ……。落ち着いたら、膣から痛みはなくなっている。痛かったのは最初だけ……。ほら、もう全然痛くない」
「あ、ふっ……」

 口から空気が抜けるような音が漏れ、眉間に皺を寄せていた夏帆の表情が緩んだ。

「ほら、すっごく気持ちよくなってきた。中に入れられていると、とっても気持ちいい。これまで感じたことがないほど、すっごく気持ちよくなれる……」
「あっ、あ……」

 スラックスに押し当たるそれを痛いほど意識しつつ、辰巳は丁寧に粘膜に覆われた柔肉をほぐしていく。
 夏帆の中は暖かく、指に吸いつくように形状を変化させるここに自分の一物を挿入した感触を想像するだけで、体が火照ってくるようだ。

「んん、ぁ……」

 生やかな声を漏らす夏帆の表情に苦痛の色はない。だらしなく頬を緩めたまま、焦点の定まっていない瞳で天井を見上げている。

「二本目、入れるぞ。二本目が入ると、一本目の倍気持ちがよくなる」
「あっ、はっ……ああっ、あっ、あっ!」

 中指を第二関節まで挿し込み、砂山にトンネルを掘るかのごとく慎重に穴を拡張させていくと、夏帆はたった一本でも呻いていたことが嘘のように身悶えする。
 全ては夏帆に気持ちよく男根を受け入れてもらうため。初めての挿入でも絶頂を迎えることができるよう、膣を敏感な性感帯へと染め上げる。

「せ、せんせい、い、いっちゃう……」

 開きっぱなしになった夏帆の唇が、身の昂ぶりを隠しきれないように震えている。
 愛液がとどまることなく溢れ出したのを見計らい、指をくの字に曲げ、触診のような優しい愛撫から、容赦のない責めへと切り替える。

「はあっ、あっ、あっ……。だ、だめ……!」

 土砂を削るシャベルのように、二本の指で膣壁を掻きむしる。指先だけでなくゴツゴツとした関節も使い、特に鋭い反応を見せた恥骨の裏側のあたりを徹底的に刺激してやれば、夏帆の体が大きな引きつけを起こした。
 少女はいまにもエクスタシーに達してしまいそうだが、辰巳にこのままイかせてやるつもりはない。
 もうまもなく爆発してしまうというタイミングで指を引き抜くと、たっぷりと溢れた粘液は意思を持っているかのように絡みつき、長い長い糸を引いた。

「はっ、……あああ……」

 行き場をなくしたオーガズムを発露させるように、数度の痙攣を起こしたあと、夏帆は全身の力を抜いて深くマットに身を沈めていった。
 絶頂の間際というところでお預けをくらった肉体は、汗で湿り気を帯び、赤く上気した肌が健康的な美しさに官能的な艶を加えている。
 昂ぶりが鎮まらないのか、夏帆は手のひらで全身をまさぐりながら、引き締まった腰をくねらせていた。それでいて決して辰巳から目を外さず、視線だけで不満を訴えてくる。
 熱っぽい瞳で続きを求めてくる少女に、辰巳はトランクスから性器を取り出して晒して見せる。
 長らく窮屈なスペースに押し止められていたそれは、すでに剛棒のごとくいきり立っていた。
 生で見たのは初めてなのだろう。エラが張り出し、青黒い血管が浮いた怒張を夏帆は目を丸くして凝視している。

「こんなに、大きくなるんだ……」
「まあ、俺は大きいほうだけどな。入れて欲しいか?」

 かすかに、夏帆は頷いた。

「それじゃあ、しゃぶってくれ。こういうのは、入れる前に濡らしたほうがいいんだ」
「うん……」

 足元に跪いた夏帆がおずおずと男根を手に取ると、膨張し鋭さを増した亀頭が細い指先の感触を敏感に脳へと伝えてきた。
 夏帆はグロテスクな膨らみ慈しむように頬ずりし、先端に口づけをする。
 そのまま柔らかでしっとりとした感触が亀頭を滑り、少しずつ奥まで咥えられていく。
 全身の血液が集まって破裂しそうなほど膨らんでいる海綿体は、夏帆のぬるぬるした口腔が触れただけで痛いような、こそばゆいような刺激を届けてくる。

「んっ、ふ……」

 平均を遥かに上回るサイズのそれを、なんとかカリ首まで丸呑みしたところで、少女の進行は止まった。
 生暖かい夏帆の口内はぬめりに満ちていて、鈴口へ熱い呼気がかかると、背筋をぞくぞくとさせる痺れが流れる。
 頬をすぼめ、怒張に柔肉を密着させると、夏帆は顔を前後させはじめた。
 技術的にはまだまだ未熟。単調に顔を前後させるだけで、手を使うことまで思い至らない。それでもたおやかな唇が亀頭をこすり、裏筋を舌がなでるたび股間のさらに奥底までひどく疼いた。
 先端から我慢汁がにじみ出し、涎と絡み合うことで夏帆の動きはますます滑らかになっていく。顔を引くたびにじゅるじゅると粘液と唾液の混合液をすする下品な音が鳴り、それでも飲み切ることのできなかった液が口から溢れ出る。

「ふぐ、んん……うう……」

 辰巳の膝に手をついた夏帆が、体ごと引いて頭を動かすと、カリ首に引っかかった唇がこすりつけられて、強烈な快感が生み出される。そのうえ、顔を押し込む際は裏筋を抉るかのごとく舌先を押しつけてくるからもうたまらない。
 少女の奉仕に、体の奥底から溢れるような快楽が押し寄せてくる。下腹部から下半身へと気持ちのよい痺れが広がってゆき、太腿に力が入らなくなってきた。

「夏帆、出そうだ……!」

 限界を告げる辰巳の声に従い、夏帆の前後運動が一段と激しくなる。敏感な部分をこする間隔がどんどん短くなり、途切れることのない刺激に頭が真っ白になりそうだ。
 挿入する前に射精してはいけない。それはわかっている。それなのに、口淫をやめて欲しくない。
 かすかに残った理性は、このまま出してしまいたいという欲望に、あっさりと押し流された。
 わずかな空気も入る隙のない強力な吸引でしごき上げられた肉棒が爆発し、粘度を持った液体が尿道を通り抜けて夏帆の口内へ放出される。

「んっ、む……んんん」

 苦しそうに顔を歪めた夏帆は、健気にも精液を飲もうとしてくれているが、喉を動かすたびえずきそうになっている。

「最初はちょっと苦かったかもしれないけど、慣れたらとっても美味しいだろう。女はみんな精子が大好きなんだ。そして、精子を飲むと、女はとってもやらしい気持ちになる。ほら、体が疼いてきた」
「んっ……。ふんん……!」

 ぴくんと夏帆の体が揺れたかと思えば、何度も吐き出しそうになっていたのが嘘のように、一口で精液を飲み干した。
 夏帆は萎んで小さくなった男根にしゃぶりつき、亀頭の周りを舌で乱暴に掃除する。
 根本までしっかりと舐め取ったあとは、鈴口に吸いついて尿道に残った子種まで搾り取ってきた。

「はあ……美味しい……」

 最後の一滴まで精子を舐め尽くした夏帆は、潤んだ瞳で辰巳を見上げてくる。

「せんせえ……いれて……」

 目元を真っ赤に染めた夏帆が、かすれた声で言った。
 トラックを走っている真剣な顔とも、友人と話をしているときの朗らかな顔とも違う、初めて見せる女の顔。
 恍惚とした表情で口から白濁液を垂らす夏帆は、たまらなく淫らだ。
 健やかな処女が性欲を剥き出しにしたこの姿こそ、辰巳の求めていたもの。
 新鮮な美少女を操り人形にして犯す、ただそれだけのために、辰巳は教師になったのだから。
 射精したばかりにも関わらず、辰巳の生殖器は瞬く間に元気を取り戻す。
 股ぐらに体を入れてMの字に開脚させても、頭の中が淫らな感情でいっぱいになっている少女は、一切抵抗するそぶりを見せようとしない。それどころか、早く入れてくれと言わんばかりに、女陰が粘液を吐き出した。

「さっき膣をほぐしてやったから、俺のちんこが入ってきても全然痛くないぞ。ちんこが入るとな、指よりもずっと気持ちよくなれるんだ……」

 はしたない格好になった少女が、気持ちよく性交できるよう暗示をかけると、ぱっくりと割れた肉びらの、さらにその先にある小さな穴にペニスを押し当てて、慎重に挿し込んでいった。

「あっ、ふっ……」

 ぶよぶよとした裂け目に亀頭が半分ほど埋まったところで、夏帆の口からとろんとした声が漏れた。
 初めてで痛いはずなのに、奥へ奥へと突いていくだけで、少女は頬をとろけさせる。

「は、ああっ……!」

 先端が子宮口にあたったところで進行を止め、ゆっくりと後ろへ引けば、絡みついたひだが亀頭とカリ首をこすってくる。
 経験豊富な辰巳でさえ目の前がかすみそうなこの刺激に、汚れのない少女が耐えられるはずもなく、肉路をえぐられた夏帆は、処女にあるまじき嬌声をあげていた。
 頭を振ってよがる夏帆に、辰巳も心置きなく全力の抽送を開始する。

「ああっ、やあっ、ああっ、んんん! あっ、あっ、あああ!」
「声を出すな。外に聞こえるぞ」

 一突きするたび夏帆は髪を振り乱し、汗ばんだ裸身をのたうたせる。ぐちゅぐちゅと音が鳴る結合部からは気泡を含んだ粘液が垂れ、マットの上に水たまりを作っている。
 二人きりの体育倉庫は湿度を増し、むせ返りそうになる性の匂いが充満した。

「あっ、はあっ。ああっ……! あっ、はっ、うう……!」

 夏帆は快感に身悶えこそすれど、自ら腰を動かしてこようとはしない。セックスというより性具を使って自慰をしているようなものだが、ざらざらとした肉ひだは陰茎にぴったりと張りついてきて、単調に腰を前後させているだけでも強烈な疼きを与えてくる。
 繰り返し肉棒を突き刺されている少女の額には、びっしょりと汗が浮いている。歯を食いしばって必死に声を漏らさないようにしていても、快感に耐えかねた全身が引きつけを起こすたびに、喉の奥から喜びの音が漏れていた。
 辰巳はピストン運動を続けながら、赤々と膨らんだクリトリスを指で摘む。

「ああっ!」

 フードの上から触れただけでこれだけ敏感な反応を示すのならば、直接の刺激には到底耐えられそうにない。
 抽送を続けながら、辰巳は指の腹を表皮にこすりつけて右へ左へこねくり回す。

「はっ! くっ、ああっ! あっ…はっあああ!」

 膣とクリトリスを同時に刺激された女体は震えを起こし、さらに肉壁を抉るように容赦なく突き上げれば、夏帆は舌を突き出して喘いだ。
 陰芽をいじめるたび男根を咥えた肉壺がうごめいて、ひだの一粒一粒まで竿をしごいてくる。

「あああっ、あああっ、やあっ、あっ、あああ!」

 オーガズム寸前の媚肉は、肉棒から精液を搾り取ろうと、絶え間ない収縮運動を起こしており、亀頭を引くたびに強烈な快感を植えつけてくる。
 激しい摩擦運動の繰り返しに、辰巳の全身に力が抜けるような快感が押し寄せてきた。最も気持ちのいい瞬間、射精の間際。

「夏帆……出すぞっ!」

 爆発の直前、思いっきり突いてやると、夏帆は天を裂くような咆哮をあげた。
 辰巳を突き飛ばすほどの勢いで伸ばした体が弓のように反り返り、つま先までぴんと伸びた足には筋肉が浮かび上がる。

「あっ、あ……」

 少女の全身から力が抜けたのとほぼ同時に、辰巳も全ての性を注ぎ終わった。
 小さくなったペニスがするりと抜けて、割れ目から粘っこい白濁液が流れ出す。
 処女と交わるのは何年ぶりだろうか。
 夏帆は目こそ開いているものの、明らかに焦点があっておらず、ときおり絶頂の余韻のように体がぴくぴくと震えている。
 ほとんど自失状態にある夏帆を催眠状態に戻し、服を着るよう命令すると、ふらふらしながらも下着を履き、制服を身につけていった。

(ありがとう夏帆。久しぶりに気持ちよかった。やっぱり、お前は俺の恋人にふさわしいよ)

 全ての衣服を身にまとい、跳び箱に腰掛けたままうなだれている少女の耳元に、辰巳は顔を寄せる。

「セックスは気持ちいいだろ。お前は俺とセックスをしたことで、男を見てもやらしい気持ちになることはなくなった。だけど、俺だけは別だ。お前は俺を見ているとドキドキするし、すごく淫らな気持ちになる。そう、お前は俺のことが大好きなんだ。さあ、はっきり口に出して言ってみてくれ」
「……あたしは、辰巳先生が大好き……」
「そうだ、お前は大好きな辰巳先生とセックスをして、とっても幸せな気持ちだ。でも、まだ自分の思いを伝えていない。さあ、目を覚まして思いの丈を存分に伝えるんだ」

 ゆっくりと頭を上げた夏帆は、辰巳を見て大きな目を潤ませると、跳び箱から降りて深々とおじぎをした。

「あの、先生。ありがとうございました……」
「気にするなよ。大事な生徒のためなんだから、当たり前だ」
「それで、その……」

 わずかな逡巡ののち、少女はまっすぐに教師を見つめてきた。

「あたし、辰巳先生のことが好きです……」

 誰もが羨む美しい教え子からの告白。これまで何度夢想したことか。
 教師生活で溜め込んだストレスが洗い流されていくようだ。

「ありがとう夏帆。俺もお前のことが好きだよ」
「――っ」

 声にならない声をあげると、少女は辰巳の胸に飛び込んできた。
 夏帆は体をぶつけてきた勢いそのままに、瑞々しい唇を押しつけてくる。
 教え子にここまで愛されるなんて、なんて幸せものだろう。
 この柔らかな唇も、魅力的な肢体も、すべて自分のもの。
 でも、まだ足りない。
 夏帆を手中に収めたにもかかわらず、いや、むしろ収めたからこそ、体の奥底に押し留めていたとめどない欲望が湧き出してくる。

(今夜、沙織を俺のものにする)

< 続く >

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