[AI]「あれ、これ催眠じゃない?」14春野ひまり 追想

※この作品は生成AI「ChatGPT4o」を利用して製作しています

 

 

 そーまを見送ったあと、私は蓮を連れて、そのままグラウンドへ向かった。

 

 蓮の所属しているサッカー部は、放課後のこの時間、体力づくりや足回りの基礎練習をしている。

 パスを回して、走って、またパスして――そんな地味な練習の繰り返し。

 

 私は澪ちゃんと並んで、ベンチに座って見学させてもらっていた。

 でも――正直、居心地はあまりよくなかった。

 

(……視線、刺さってる)

 

 サッカー部のマネージャーの子が、ちらちらとこっちを見ている。

 はっきり睨んでくるわけじゃないけど、分かる。あれは警戒の目。

 

(……狙ってる子がいるんだろうな)

 

 視線の先をたどっていくと、グラウンドの中央――

 短髪で、汗をきらきら光らせながら走っている3年の先輩がいた。

 確かに、目立つ。体格もいいし、動きもキレがあって、見ていてかっこいいと思う。

 

(あの人かな。……うん、たぶんそうだ)

 

(大丈夫だよ、私は興味ないから――って、言ってあげたいけど。無理だよね)

 

 口に出したら、それはそれでなんか逆に感じ悪いし。

 そもそも、言い訳する時点で、もう怪しく見えちゃうんだ。

 

(……まさか、あの子のお目当てが蓮ってことはないだろうし)

 

(いや、ない。絶対)

 

 蓮は見た目も悪くないし、ノリもいいけど、ああいう子のタイプじゃないと思う。

 それに、彼女さん――高野さんがいる。ちゃんと付き合ってる。……はず。

 

(私も、別に狙ってないし)

 

 ただの付き添い。今日の放課後、ちょっと気になったから、様子を見にきただけ。

 

 なのに、ああいう視線を向けられると――

 

(……こういうの、いやなこと思い出しちゃうんだよな)

 

 昔ほどじゃない。今はもう、自分を守れるって思ってるし、クラスでも普通に過ごせてる。

 けど、こういう視線って、たまにふと意識しちゃうと、やっぱり苦手だ。

 

(……克服したつもりだったんだけどな)

 

 笑って流せばいいだけの話なのに、どうしてか、胸の奥がちくっと痛む。

 

 私は小さく息をついて、蓮の背中に視線を向けた。

 

(……れんれん)

 

 今日も、張り切ってる。

 いつもの空回りは見慣れてるけど、今日はその熱が、もっと強く感じられた。

 

(……高野さん、預けてるもんね。そーまに)

 

 部活に集中するふりでもしないと、不安に潰されそうなのかもしれない。

 

 れんれん――蓮はというと、今日もグラウンドで空回っていた。

 

 今やっているのは、ただの基礎練。パスをつないで走って、またパスして走るだけ。紅白戦ですらない、見どころのない時間帯。

 

 なのに蓮は、声を張って、全力疾走して、ガッツポーズまでしてる。見ていて痛々しいくらいには、気合いが空振っていた。

 

(……いつも通りっちゃ、いつも通りだけど)

 

 でも、今日はもっとひどい。空回り度が明らかに一段上がってる。

 

 その理由は、分かってる。

 高野さん――蓮の彼女さんを、そーまに預けたこと。昼休みにその話をしたばかりだった。

 軽口を叩いていたけど、言葉の端々に滲んでいた不安は、ごまかしきれてなかった。

 

 きっと今も、胸のどこかで焦ってる。だから、こんなに必死になってる。

 私はベンチで澪ちゃんと並んで座って、そんな蓮の姿を見ていた。

 

「……中西くん、すごく頑張ってるね」

 

 澪ちゃんが言う。澪ちゃんにとって、蓮の練習姿を見るのは今日が初めてだ。

 

「うん。……まあ、いつもあんな感じだよ」

 

 私は答えながらも、小さく首を傾けた。

 

「……でも今日は、もっと空回ってる気がする」

 

「え?」

 

「走ってるだけでガッツポーズするの、なかなかないでしょ?」

 

「……確かに」

 

 澪ちゃんがくすっと笑う。

 

 そのとき、グラウンドの端で給水タイムになったのか、蓮がボトルを手にして、こっちに向かって歩いてきた。

 

 タオルで汗をぬぐいながら近づいてきたところで、別の部員――がっしりした体格の男子が、すれ違いざまに蓮の肩をぽんと叩いた。

 

「よっ、中西。春野さんと、どういう関係なんだよ?」

 

 唐突な問いかけ。思わず私は目を瞬いた。

 

 蓮がなにか言いかけたのを、私はすぐさま遮った。

 

「ただの友達です」

 

 ぴしゃりと即答すると、蓮が「えっ」と間の抜けた声を漏らす。

 

 でもすぐに、いつもの調子で強がった。

 

「そんなことないし! ソウルメイトの彼女だからさ、ただの友達ってことはないじゃん!」

 

 ……どんな理屈?

 

 私が無言で蓮を見ていると、部員の男の子が「あ~、そうだよな」と妙に納得した風に言った。

 

「いつも佐久間と一緒だもんな。あんな奴のどこがいいんだか」

 

 その言葉に、私はほんの少しだけ、胸の奥がざわついた。

 

(……何も知らないくせに)

 

 確かにそーまは、他の生徒から見たら根暗で、目立たなくて、印象も薄いのかもしれない。

 でも、私は知ってる。彼が本当にすごいってこと、ちゃんと見てる。

 

 何も言わずに、私は蓮の方を向いた。

 

「はい、水」

 

「お、おう。サンキュ」

 

 受け取ったボトルを蓮がぐいっとあおって、私たちの前のベンチに腰を下ろす。

 

「……てか、やっぱオレ、今日浮いてた?」

 

「浮いてた」

 

 私と澪ちゃんがハモって、思わず顔を見合わせて笑った。

 

「でも、仕方ないよね。れんれん、今日ちょっと落ち着かなかったんでしょ?」

 

「……まあな。じっとしてると、変なこと考えちまうし」

 

 蓮は言って、ボトルの蓋を閉めた。

 

「チカのこと、気になって仕方ない」

 

 そう呟いた声は、どこか弱々しくて、少しだけ、素直だった。

 

「無理しないで。倒れたりしたら、彼女さん、きっと怒るよ」

 

 私がそう言うと、蓮は小さく笑って、前髪の汗を拭った。

 

「……春野、優しいな」

 

「そう?」

 

 そのとき、隣に座っていた澪ちゃんが、少しだけ間をおいて口を開いた。

 

「ひまりちゃんは、みんなに優しいから……」

 

 落ち着いた声だったけど、その言い方には、どこか含みがあった。

 

 ……うん、分かる。

 あれは、れんれんに向けて言ってた。

 “特別扱いじゃないからね”って。そんな感じ。

 

 私はちょっとだけ、苦笑する。

 

(澪ちゃん、そういうとこ、素直じゃないなあ)

 

 でも、それを見ていた蓮は――まったく気づいた様子もなく、気まずそうに黙っていた澪ちゃんの手元に視線を向けた。

 

「あ、文庫本? それ、さっきから読んでたの?」

 

「え、あ……うん。少しだけ」

 

「へー、おおっ、文芸部っぽいじゃん、なんか」

 

 文庫本の表紙をのぞき込むようにして、蓮が少し明るい声を出す。

 

 澪ちゃんも、ほんのり笑った。

 

「そう見えたなら、ちょっと嬉しいかも」

 

「いや、マジで。何ていうか、雰囲気ある」

 

「……雰囲気?」

 

「うん、こう……椅子にちゃんと座って、静かに本読んでる感じ? それだけで文芸部」

 

 わけの分からない感想に、私は思わず吹き出しそうになる。

 

「何それ」

 

 蓮がにかっと笑った。

 

「だって、なんかいいじゃん。文芸部って響きもかっこいいし」

 

 澪ちゃんが小さく笑って、「ありがと」と返す。

 

 なんとなく空気が柔らかくなって――蓮がふと思い出したようにこっちを見た。

 

「そういや春野って帰宅部だっけ? なんか理由あんの?」

 

「え? あー、えっとね……」

 

 私は言いよどんで、目を伏せた。

 

(体を動かすのも嫌いじゃないし、澪ちゃんに文芸部に誘われたこともあるけど……)

 

 でも、やっぱり放課後は――

 

「あ、それ……」

 

 澪ちゃんが言いかけたそのとき、

 

「もしかして、蒼真と遊ぶためか? 放課後」

 

 蓮が、何気ない口調で、でもすごく図星なことを言った。

 

「……あー、うん、まあ……」

 

 私が曖昧に言葉を濁すと、蓮が勢いよくのけぞって笑った。

 

「何だよそれぇ! お前ら仲いいなあ~!!」

 

 声が大きくて、ちょっと恥ずかしくなった。

 

「ち、ちがうってば……!」

 

 私が否定しても、蓮はニヤニヤが止まらないままだった。

 

 蓮が満足そうに笑いながら、立ち上がる。

 タオルで額をぬぐって、ボトルの口を軽く閉じてから、グラウンドの方を指差した。

 

「よし、そろそろ戻るわ。またアピールしてくる!」

 

「はいはい、空回らないようにね」

 

「おう!」

 

 そう言って、蓮は軽く手を振ってグラウンドへ戻っていった。

 

 残されたのは、私と澪ちゃん。

 

 しばらくの間、ふたりとも何も言わずに、蓮の背中を目で追っていた。

 

 そして――澪ちゃんが、ふっと小さく笑った。

 

「……蒼真くんは、特別だもんね」

 

 その声は、いつもよりほんの少しだけ、静かで遠くを見ているみたいな響きだった。

 

 私は少しだけ目を丸くして、それから、ふわっと笑い返した。

 

「うん。そうだね~」

 

 風に紛れるくらいの小さな声で、そう言ってから、少しだけ間を置く。

 

 

「助けてもらったから」

 

 

 自分でそう言って、胸の奥が少しだけ、ざわっとした。

 言葉の響きと一緒に、ずっと奥のほうに沈めていた記憶が、浮かんでくる。

 

 あれは、この学校に入学するよりも前のことだった。

 

 あの頃の私は、人と話すのが苦手で、教室でもほとんど声を出さなかった。

 何か言おうとしても、喉の奥がぎゅっと詰まったようになって、結局、黙ってしまう。

 そのくせ、人の目線には敏感で、いつもおどおどしていた。

 

 そんな私にとって、鬱陶しいほど伸ばしっぱなしの髪は、ちょうどよかった。

 うつむけば顔にかかってくれるし、前髪の隙間から誰かを見るだけなら、少しだけ安心できた。

 まるで心に引いたカーテンみたいに、髪があることで、私は“外”から守られていた気がした。

 

 

 ――その日も、なるべく目立たないようにしていたはずだった。

 

 

 でも、静かにしているだけでは、守られないことがある。

 

 

 

 

 

 

 ――変なものが、鞄の中に入っていた。

 

 

 筆箱のファスナーを開けた瞬間、指先に触れたのは、異質な感触だった。

 

 ぺたっとしたビニールの包み。正方形の、小さなパッケージ。

 少し押すと、内側でコリコリと輪のようなものが動くのがわかる。

 

 私は、それが何なのか知っていた。

 

(……コンドーム)

 

 どう見てもそうだった。しかも未開封のやつ。

 

 教室の空気が、ピキッと割れた気がした。

 

「えぇ~? 春野さん、何これ~~?」

 

 わざとらしく大きな声で、後ろの席の子が笑いながら言った。

 私の手からそれを取るようにして掲げる。

 その瞬間、数人が顔をこちらに向けてきて、ニヤニヤと視線が交差する。

 

「うわー、ガチなやつじゃん」

 

「マジで? これってさ~、使う予定あったってこと?」

 

「やっぱり、春売りのひまりちゃんだったんだね~」

 

「春のひまり、ってそういう意味だったんだ?」

 

 声にならない抗議が喉で詰まって、言葉が出ない。

 机の上に避妊具が置かれて、私はそれをどうしたらいいか分からず、ただ見つめるしかなかった。

 

 笑ってない子もいた。でも、その子たちも、目だけはこちらを見ていた。

 誰も何も言わなかった。

 

(……お母さんが、“明るい女の子になりますように”って、つけてくれたのに)

 

 “ひまり”って名前が、笑われるのがつらかった。

 お父さんも、「春野って苗字にぴったりなんだよ」って、嬉しそうに教えてくれたのに。

 

 

 ――こんなこと、初めてじゃなかった。

 

 

 机に入れておいたハンカチが真っ黒に汚されていたことも、

 上履きに落書きされていたこともあった。

 物がなくなったり、壊されたり、汚されたりするほうが多かったけど――

 でも、こうして変なものを入れられることも、何度かあった。

 

 やりそうな人は思い当たる。でも、その中の誰かとまでは、どうしても分からなかった。

 分からないくらい、たくさんの心当たりがあった。

 

 

 

 昼休み、席を立って向かった先は、校舎の裏――体育倉庫の横だった。

 

 ここには以前、一度だけ来たことがある。

 

 そのときは立ったまま、ひとりで泣いていた。

 でも、遠くのほうにいた女子グループに見つかって――笑われた。

 

「立ちんぼってやつじゃん」

 

「一発1000円だってさ」

 

「体育倉庫でヤってるんだよ、あれ」

 

 ひそひそ声じゃなくて、わざと聞こえるようなトーンで。

 あのときの視線と笑い声が、まだ耳の奥に焼き付いている。

 

 

 

(……なのに、またここに来てる)

 

 他に、行く場所がなかった。

 

 図書室は先生がいて居心地が悪いし、トイレは音が響いて泣けない。

 校庭は人が多すぎて、どこかに紛れることすらできない。

 

 だから、分かってるのに――ここに戻ってきてしまった。

 

 今度は立たずに、しゃがみ込んで、壁際に背をつけて座った。

 

 スカートの下から冷たいコンクリートの感触が、じんわりと伝わる。

 

 鞄をぎゅっと抱きしめて、顔を埋めるようにして、丸まる。

 誰にも見つからないように。声も、なるべく出さないように。

 

 だけど、涙だけは勝手に頬をつたって、止まらなくて、髪の先まで濡れてしまいそうだった。

 

 

(……なんで、私が)

 

 ただ黙っていただけなのに。

 笑ったわけでも、何かを盗ったわけでも、偉そうにした覚えなんて一度もないのに。

 

 鞄の中のあれも、もちろん私じゃない。

 

 でも、言ったって、誰も信じてくれないって――もう、分かってた。

 

 

 

 足音がした。

 

 誰にも聞かれたくなくて、声は殺していたつもりだったのに――

 それでも、気づかれてしまったらしい。

 

 気配を感じて顔を上げると、すぐそばに、誰かが立っていた。

 

 制服のズボン。痩せた足。視線を上げて、やっと顔が見える位置まで来たとき――

 

 そこにいたのは、同じ学年の男の子だった。

 確かに見覚えがある。教室の後ろのほうで、いつも静かに座っている子。

 名前は、知らない。でも、何度か視界には入っていた。

 

 彼は何も言わずに、ポケットからハンカチを取り出した。

 

 薄い水色の布。よく洗われたのか、端が少しほつれていた。

 

 それを、私の前に差し出す。

 

 ゆっくりと。急かさず、まるで、呼吸を合わせるみたいに静かな手の動きだった。

 

 私はそれを見つめて、少しのあいだ躊躇したけれど――

 そっと両手で受け取った。

 

「……ありがとう」

 

 声が震えてしまうのが恥ずかしくて、なるべく小さな声で言う。

 

「ハンカチ、持ってないの。……全部、ぐちゃぐちゃになっちゃったから」

 

 それだけのことなのに、また涙が出そうになった。

 

 そんな私に向かって、彼は初めて口を開いた。

 

「泣きたいときは、ちゃんと泣いたほうがいいよ」

 

 抑揚の少ない声。でも、不思議と心に沁みる響きだった。

 

「涙にはカタルシス効果がある。心理的なストレスを解放する作用も強い。抑え込むと、後で別の形で出る」

 

「……カタル……?」

 

 言葉の意味が分からなくて、私は顔を上げた。

 

 彼は少しだけ目を細めて、答えてくれた。

 

「簡単に言うと、悲しいときにちゃんと泣くのは、心にとって必要なことなんだって話。だから、誰にも見られたくないなら、ここで泣いてもいい」

 

 声も、表情も、淡々としていた。

 

 けれど、不思議と傷つかない。むしろ、心が静かに緩んでいく感じがした。

 私はまた、ハンカチに顔をうずめた。今度は、少しだけ、息を吐きながら。

 

 ――そうなんだ、泣いてもいいんだ。

 

 静かな空気の中で、彼はしばらく何も言わなかった。

 

 その沈黙が、居心地悪くないことが、少し不思議だった。

 

 そして数秒後、彼がゆっくりと言葉を継いだ。

 

「……僕がここにいても、嫌じゃなければ」

 

 その声は変わらず落ち着いていて、まるで風景の一部みたいだった。

 

「少し、話に付き合うけど」

 

 私はハンカチ越しにちらりと彼を見て、こくりと小さくうなずいた。

 

 それを見て、彼はほんの一瞬だけ視線を遠くに投げる。

 

「……さっきの、見てた。教室で、鞄の中から出てきたやつ。……あれも、あの子たちの反応も」

 

 やっぱり、見られていた。恥ずかしさが胸に走るけど、不思議と否定されている気はしなかった。

 

 彼は続ける。

 

「君が何かしたから、ああなったんじゃない。そういうとき、人はよく“自分が悪いのかも”って思うけど――違う」

 

 私は、またそっと顔を上げた。

 

「……あの子たちはね、君を攻撃することで、たぶん“自分の欲望”を整理してるんだよ」

 

 彼の言葉は、難しいのに、なぜか分かりたくなる響きをしていた。

 

「ラカンって人が言ってた。“欲望は他者の欲望である”って。つまり、人が欲しいと思うものは、誰かが欲しがってるものなんだって」

 

「……?」

 

「簡単に言うと――君が男子に注目されてることが、女子たちにとっては“羨ましい”のかもしれないってこと」

 

 その言葉が、胸のどこかにひっかかった。

 

「ジラールって人も、似たようなことを言ってる。人の欲望は、真似するものだって。“誰かが持ってるもの”を見て、自分も欲しいって思う」

 

 彼は遠くの空を見るような目をしていた。淡々と、でも、たしかに私に向けて。

 

「だから、君がなにか特別なことをしたんじゃない。彼女たちは“欲しがってる誰か”がいる君を見て、まねしたくなって、でもまねできなくて、苛立って――それで攻撃した」

 

 静かに、でもしっかりと、締めくくるように彼は言った。

 

 

「……つまり、あの子たちは、君が羨ましいんだろうね」

 

 

 

 心の奥に、あたたかいものが落ちた気がした。

 

 それは、ぽつんと静かに降ってきた一滴の雨みたいで――

 でも、冷たくなくて、じんわりと胸のなかに広がっていった。

 

 

 

(……羨ましい? 私が?)

 

 そんなふうに思われることなんて、一度もなかった。

 

 笑われるのはいつも私で、避けられて、囁かれて、

 どうせ気づかないと思われながら傷つけられてきたのに。

 

 

 

 でも、今。

 誰かが――それも、あの佐久間くんが、そんなふうに言ってくれた。

 

 

 

 信じきるには、まだちょっと怖い。

 でも、胸の奥がふわっと浮かび上がるような感覚があった。

 

 照れくさくて、くすぐったくて、

 それでいて、少しだけ気持ちいい。

 

 

 

 私は、ふと小さく笑ってしまった。

 

(……ふふ)

 

 

 

 音にはならなかったけど、自然と笑みがこぼれていた。

 

 自分でも気づかないくらい、小さな、小さな変化。

 

 

 しばらく、その言葉を反芻してから、私はぽつりと聞いてみた。

 

 

「あの、ところで……その、ラカ……とか言う人、誰?」

 

 彼は少しだけ目を細めて、答える。

 

「心理学者だよ。正確には精神分析の人だけど。フランスの人。難しい理論をいっぱい書いた」

 

「ふーん……」

 

 難しそうなのは分かったけど、彼の口から出ると、不思議と遠く感じなかった。

 

 彼は続けた。

 

「さっき、もうひとり言ったよね。ジラールって人。彼もフランス人。社会や文化の構造を分析する人で、“模倣によって欲望が生まれる”っていう理論を出してる」

 

 私はじっと聞いていた。

 

 彼の声は静かで、落ち着いていて、でもどこかあたたかかった。

 

「その理論の中には、“スケープゴート・メカニズム”って考え方がある。……人の集団が不安定になったとき、誰かひとりを悪者にすることで、バランスを保とうとする」

 

「……それって、私が?」

 

 彼はうなずいた。

 

「君は、たぶん今、その“スケープゴート”にされてる。罪を着せられてる。でも、実際は何もしていない。君が悪いわけじゃない」

 

 その言葉に、私は喉の奥がきゅっと締まるような感覚を覚えた。

 

 誰にも言われたことがなかった。“君は悪くない”って。

 

 それだけで、胸の奥に詰まっていたものが、少しだけ溶けていく気がした。

 

 彼は、ほんのわずかだけ表情をやわらげて、言った。

 

「……それほど恋愛に興味がない僕から見ても、君が男の目を集めるのは分かるからね」

 

 一瞬、意味が分からなかった。

 けれど、その言葉の意味を反芻した瞬間――

 

 胸が、じんわりと熱くなった。

 

(……分かってる)

 

 私は、自分の胸をぎゅっと両腕で隠すようにして、縮こまった。

 

 人より大きいって分かったのは、たぶん小学校の高学年のころ。

 制服を着たときのラインも、体操服に着替えるときの視線も、嫌でも気づかされた。

 

 それがきっかけで、男子にからかわれて、女子に嫌われて――ずっと、ずっと、それが自分のせいなんだと思ってた。

 

 私は、胸を隠して、視線を落としたまま黙っていた。

 そんな私を見ながら、彼は、淡々とした声で言葉を続けた。

 

「……ひどいことをする人たちだって、思うかもしれないけど。実は、僕はそうは思わない」

 

 ゆっくりと、空を見上げるように言葉を紡ぐ。

 

「水が高いところから低いところへ流れるみたいに、人の心も――ただ、そうなるようにできてるだけなんだ。物理と心理って、同じだと思ってる」

 

「……同じ?」

 

「うん。重力で水が落ちるのと同じで、人間の感情も条件が揃えば、同じように動く。誰かを羨ましがったり、排除したりするのは、ただの“現象”なんだよ」

 

 それを聞いて、私はまた小さく息を吸い込んだ。

 

「だから君が、“どうしてこんな目に”って思わなくてもいい。……そうなるように、彼女たちもできていた。ただ、それだけのことなんだ」

 

 

 彼の言葉には、怒りも嘲りもなかった。

 ただ静かに、ひとつの理を伝えるような、穏やかな声だった。

 

 

 

(……この人、何なんだろう)

 

 不思議な人。

 言ってることは別に優しいわけじゃないのに、冷たいわけでもなくて。

 慰めるでもなく、寄り添うでもなく――でも、ちゃんと伝えようとしてくれてる。

 

(……そういえば)

 

 私はふと、教室の中での彼の姿を思い出していた。

 

 本を読んでいた。いつも難しそうなやつ。分厚くて、字がぎっしり詰まったやつ。

 文庫本じゃなくて、もっと大きくて堅そうな表紙のやつ。

 

(綾瀬さん……澪ちゃん。本好きな子。あの子と、話してるのを見たことがある)

 

 それ以外のことは知らない。

 でも、今こうしてここにいて、話してくれている。

 

「……あの」

 

 私はそっと口を開いた。

 

「きみ、名前……なんていうの?」

 

 彼は一拍だけ間を置いて、穏やかに答えた。

 

「佐久間。佐久間蒼真」

 

「……そっか。佐久間くん」

 

 名前を口に出してみると、なんだかそれだけで、少し距離が縮まった気がした。

 

 

 

(佐久間くん……)

 

 

 

 きっとこの人、変わった人なんだ。

 でも、さっきの私を見て、そっと座って、話してくれたのは――この人だけだった。

 

 

 

 

 

 

 蒼真くんと、綾瀬さん――澪ちゃん。

 

 図書室の奥の席で、ふたりが並んで座っていた。

 机の上には数冊の本。ページをめくる小さな音が、静かな空間に溶けていた。

 

 

 

 今年はクラスが分かれちゃったけど、澪ちゃんとは今でもたまにお話する。

 物静かで、あまり目立たないけど、ずっと前からの友達。

 引っ込み思案な私とも、変に気を遣わずに接してくれる、貴重な子だった。

 

(佐久間くん、綾瀬さんと一緒にいるの、見たことあるんだよね)

 

 ふたりとも本が好きだから、仲がいいのかもしれない。

 そう思って、放課後、なんとなく図書室に足が向いた。

 

 

 

 棚の影からそっと覗くと、ちょうどふたりが話しているところだった。

 澪ちゃんの声は、少しだけ高くて柔らかい。

 

「……ちゃんと行ってくれたじゃない。……助かった。ひまりちゃん、前より顔が穏やかになってたし」

 

 その名前に、思わず声が漏れた。

 

「え……わたし!?」

 

 思っていたより大きな声が出てしまって、慌てて口を手で押さえる。

 

 ふたりの会話が止まり、蒼真くんがこちらに視線を向けた。

 

「……あれ、春野さん」

 

 私のことを見つけて、ほんのわずか眉を上げる。

 でも、その反応はどこか優しかった。

 

 澪ちゃんも顔を上げて、ぱっと笑った。

 

「ひまりちゃん、来てたんだ」

 

 彼女の声に、私は固まったまま、どうしたらいいか分からなかった。

 

「あっ、え、えっと、ごめんなさい、話、邪魔するつもりじゃなくて……」

 

 しどろもどろに言いながら、足が勝手に引き返しはじめる。

 

「わ、わたし、ちょっと探しものがあって……じゃなくて、気になって……あの、ほんとにごめんね……!」

 

 頭を下げかけたとき、その声が止めた。

 

「春野さん」

 

 佐久間くんの声だった。静かで、でもはっきりとした声。

 

「なにか相談があるなら、聞くよ」

 

 思わず足を止めると、彼は席を立って、椅子をひとつ引いてくれる。

 

「……一緒に、座る?」

 

 私は一瞬だけ迷って、それから澪ちゃんの顔を見る。

 

 澪ちゃんはにっこりと、優しく笑って、もうひとつの椅子をぽんぽんと軽く叩いてくれた。

 

 その笑顔に背中を押されて、私は静かにうなずき、ふたりの間に座った。

 

 

 

 しばらく、何も言わずに、本棚の並ぶ静かな空間のなかで呼吸を整える。

 

 それから、ゆっくりと口を開いた。

 

「……あのね、前に、佐久間くんが言ってたこと、覚えてて」

 

 蒼真くんが、視線を少しだけ私のほうに向ける。

 

「“そうなるようにできてるだけ”って、言ってたでしょ。人の心のこと」

 

 私は机の上の木目を見つめたまま、言葉を探しながら続けた。

 

「……でも、それって、変えることはできないのかなって……思って」

 

 私の声はかすれていたけど、ふたりとも、ちゃんと聞いてくれていた。

 

 彼は、しばらく黙っていた。

 

 それから、いつもの調子で淡々とした口調のまま、答えた。

 

「……物理現象と同じだからね。重力とか、空気抵抗とか。人の心の動きも、それと似てる」

 

「つまり、それ自体を何とかするっていうのは――雨を止めるようなものなんだ。とても、難しいことだよ」

 

 私は目を伏せたまま、そっと息を吸う。

 

「……うん、そうだよね」

 

 だけど、彼は続けた。

 

「春野さんなら――雨が降ったら、どうする?」

 

 蒼真くんの問いに、私は少しだけ考えて、静かに答えた。

 

「……傘を、さす、かな」

 

 その言葉に、蒼真くんはほんのわずか、目を細めた。

 

「うん。正しい選択だと思う」

 

 彼はゆっくりと背を伸ばし、淡々とした調子で続ける。

 

「傘をさすっていうのは、雨そのもの――つまり、悪意や誤解そのものを止めるんじゃなくて、それに濡れないように自分を守る手段を持つこと」

 

「自分の中に、“それはその人の欲望や感情の動きにすぎない”って思えるスペースがあると、心がずぶ濡れにならずに済む」

 

「……うん、わかる気がする」

 

 澪ちゃんが、そっと相槌を打った。

 机の上に手を添えたまま、真剣な表情で聞いている。

 

「私も、最初は“自分が悪いのかな”って思っちゃってた。でも、そうじゃないんだって思えたとき、少しだけ楽になった」

 

 その言葉が、静かに胸に響いた。

 

 蒼真くんは一度言葉を切ってから、また続けた。

 

「“雨の降ってない場所に行く”っていうのもある。たとえば、いじめがある場所から離れるとか、環境を変えること」

 

「それから、“建物の中に入る”っていうのは、人との関わりを最小限にして、自分だけの安全な空間にこもること。閉じることになるけど、そのぶん傷つきにくい」

 

 私は、机の木目を見つめながら、真剣に考え込んだ。

 

 どれが正しいのかなんて、分からない。

 でも、たしかに今の私は、雨の中にいる気がする。だから――

 

「……でも、傘って、自分ひとりじゃさせないときもあるよね」

 

 ぽつりと私が呟いたとき、澪ちゃんがそっと笑った。

 

「うん。風が強いときとか、荷物が多いときとか……誰かが横にいてくれるだけで、全然違うよね」

 

「……そう」

 

 蒼真くんも、小さくうなずいた。

 

「誰かが傘を持ってきてくれたり、一緒に入れてくれるときもある。……澪さんが、春野さんにそうしてくれたみたいに」

 

「……え?」

 

 驚いて顔を上げた私に、澪ちゃんは少し照れたように笑った。

 

「そんな、私は何も。でも……ひまりちゃんのこと、大事だよ」

 

 その言葉に、何も言えなくなって、私はただ頷いた。

 

 言葉を重ねるうちに、心の中の何かがゆるんでいくのを感じていた。

 

 澪ちゃんの言葉。蒼真くんの静かな問いかけ。

 

 どれも、私のことをちゃんと考えてくれていて――それは、とても嬉しかった。

 

 でも――どこかで、引っかかる。

 

「……ありがとう、佐久間くん。すごく、嬉しかった」

 

 そう言いながら、私は目を伏せた。

 

「でも……うまく言えないけど、ちょっとだけ、違うような気もしてて」

 

 2人が、私の方を見た。

 

 私は、指先でもてあそぶように制服の裾をつまんだ。

 

「傘って……どうしたらいいんだろう。うまくさせるのかな、私」

 

 ぼそっとこぼした私の言葉に、澪ちゃんがぽつりと返した。

 

「してあげたらいいんじゃない? 催眠術」

 

「……え?」

 

 思わず顔を上げる。

 

「催眠術? って、あの……テレビでやってたようなやつ?」

 

 芸人さんが変なことさせられたり、「3・2・1、はい!」でコテンと寝たりする、あれ。

 

 私が首をかしげると、澪ちゃんは少しだけいたずらっぽく笑って言った。

 

「蒼真くんは、催眠術師なんだよ」

 

「……えっ、うそ」

 

 横にいる彼のほうを思わず見ると、本人はちょっと肩をすくめて、淡々と返した。

 

「そんな立派なもんじゃないよ。綾瀬さんに試させてもらっただけだし、まだ練習中だから」

 

「でも、ちゃんとできてたよ。少なくとも私は、かかったし」

 

 澪ちゃんがさらっと言ったその言葉に、私は目を丸くした。

 

「ほんとに……? どんな感じなの?」

 

 思わず身を乗り出してしまう。

 

 催眠術。まさかそんなものが、現実に、しかもこんな近くにあるなんて。

 

「催眠術って、テレビのショーで見るようなこともできるけど……それがすべてじゃないよ」

 

 佐久間くんは、窓のほうに目をやりながら、静かに言った。

 

「人によって、使い方も受け取り方もいろいろある。だから、“本来はこう”って決めつけるのも、ちょっと違う気がするけど……」

 

 彼は言葉を選ぶように、ゆっくりと続けた。

 

「……ただ、ぼんやりした気持ちの中に、ぽつんと誰かの言葉が落ちてきて、それがしずくみたいに広がって……気づいたら、自分の中の考え方が少し変わってた、みたいな」

 

 私は、小さくまばたきをした。

 

「そういうふうに、何かを“伝えやすくする”っていうのが、催眠の一番素直な使い方かもしれない」

 

 佐久間くんは、こちらを見ずに、どこか遠くを見るような目で言った。

 

 澪ちゃんが、その横でやわらかく頷いた。

 

「……心の中のもやが晴れて、全部見渡せるような……そんな感じだった。

 自分の本当の気持ちが、ちょっとずつ見えてくるような」

 

「……へえ……」

 

 私は、ごくりと喉を鳴らした。

 

 なんだか、知らない世界の話みたいだったけど――

 でも、少しだけ、心が引き寄せられていくのを感じていた。

 

「やってみたい、って言ってもいいの?」

 

 少し不安になって、私は佐久間くんの顔を見た。

 彼は少し黙ってから、静かに言った。

 

「……催眠術は、人の心を扱うものだから」

 

 声は淡々としていたけど、そこにはどこか、強い慎重さがあった。

 

「心の奥をさらけ出すようなことになるかもしれない。だから、無理にやるものじゃないし……」

 

 彼は、一度だけ私に視線を向けた。

 

「春野さんが、それだけ僕のことを信じてくれていないと――難しいと思う」

 

 

 

 その言葉に、私は思わず身を乗り出していた。

 

「信じてるに決まってるよ……!」

 

 自分でも、声が大きくなったのが分かった。

 

 恥ずかしくなって少しだけ目をそらしたけど、言葉は止められなかった。

 

「だって……本当に、助けてもらったから……。

 あのとき、あんなふうに、そばにいてくれて……ちゃんと話してくれて……」

 

 喉の奥がきゅっと締まって、でも、それでも私は言った。

 

「……だから、信じてるよ。佐久間くんのこと」

 

 

 

 隣で、澪ちゃんが小さく笑った。

 

「ほら。……ね?」

 

 

 

 蒼真くんは、それでも少しだけ考えるような間を置いてから、ようやくうなずいた。

 

「……それなら。少しだけ、試してみようか」

 

 

 

 その言葉に、胸がきゅっと熱くなる。

 

 でもすぐに、私はまた口ごもってしまった。

 

「あっ、でも……その……佐久間くんが、嫌じゃなければだから……ごめん、変なこと言って……」

 

 口から出た言葉に、自分でも顔が熱くなる。

 

「別に無理にやりたいとか、そういうんじゃなくて、ただ、その、ちょっと気になっただけで……だから、別に断ってくれてもいいし……」

 

 言い訳が止まらない。止めたいのに、口が勝手に動いてしまう。

 

(……また、これ)

 

 私はいつもこうだ。

 人にお願いするとき、心からそう思ってても、すぐに引っ込めてしまう。

 あとで、どうしてちゃんと伝えられなかったんだろうって、何度も後悔して――

 

(……自分のことなのに)

 

 胸の奥が、じんわりと苦くなる。

 

 そんな私の視線の先で、佐久間くんが、ふっと小さく息を吸って口を開いた。

 

「僕が嫌なわけないよ。だって――」

 

 と言いかけた、そのときだった。

 

「蒼真くん、エッチだから」

 

 澪ちゃんの声が、ぴたりと重なった。

 

「えっ……?」

 

 思わず変な声が出た。顔が一気に熱くなる。

 

「ちょ、澪……今それは反則だろ」

 

 蒼真くんが少し眉をしかめて、困ったように澪ちゃんを見た。

 あと、澪って呼んでる。

 

 でも澪ちゃんは、どこ吹く風といった様子でにこにこしている。

 

「だって本当のことでしょ? 蒼真くん、興味ないふりしてるだけだし」

 

「……違うとは言わないけど、今言うなよ。タイミングを考えてくれ」

 

 私はもう、どうしたらいいか分からなくて、机の端をじっと見つめたまま固まっていた。

 

(な、なにこの空気……)

 

 

 

 しばらくして、蒼真くんが少しだけ肩の力を抜き、軽くため息をついた。

 

「はぁ……まあいいや。……じゃあ、セッティングお願い」

 

「はーい」

 

 澪ちゃんが返事をして、さっと立ち上がる。

 

 

 

 私はそのまま、図書室の奥――窓際の読書コーナーに案内され、柔らかめの椅子に座らされた。

 そこはちょうど周囲から少し死角になる場所で、光も柔らかく落ち着いていた。

 

 ふたりはてきぱきと動いている。

 

 澪ちゃんは図書室の奥のカーテンを閉めて回っていて、蒼真くんは図書委員の机に向かっていた。

 やがて手に持ってきたのは、シンプルな黒い筆箱だった。

 

 佐久間くんがそれを開けると、中にはボールペンと、紐のついた少し大きめのペンダントのようなものが見えた。

 あと、もう一つ――薄い紙の束。数学の時間に使う、グラフ用紙だった。

 

 

 

(なにを、始めるんだろう)

 

 わかっているはずなのに、胸がどきどきして止まらなかった。

 

 

2件のコメント

  1. 主人公かな?(主人公です)

    イケメンムーブが催眠術でエロ行為をする蒼真くんに全然合わないけど、そもそも蒼真くんはエロ催眠はしても手を出さない悟りを開いてるやつでしたでよw
    にしても、イケメンムーブをしてサッカー部の陽キャと付き合いもあり、催眠術をかけるためのラポールもちゃんと構築出来る人間が陰キャって・・・え?
    まあ、図書室で本を読んでれば陰キャレベルの決めつけでぅかねw

    1. そうですね……エロ催眠に手を出し始める前の彼は描写されていませんからねぇ……。
      高校ではすっかりヤベー奴扱いになっていますが。

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