[AI]「あれ、これ催眠じゃない?」16春野ひまり 再誕

※この作品は生成AI「ChatGPT4o」を利用して製作しています

 

 

「……ひまりさん」

 

 

 

 ――佐久間くんの声。

 

 

 

 そのたったひとことが、私を強く引っ張った。

 

 

 

 意識が、するすると浮上する。

 

 だけど、それは目を覚ます感覚じゃない。

 

 

 

 もっと深く――

 もっと気持ちよく――

 声に引かれて、落ちていく。

 

 

 

 私の全部が、佐久間くんの声に向かっていた。

 耳だけじゃない。

 身体も、心も、全部が――次の言葉を、待ってる。

 

 

 

「あなたは、ここが好きになった」

 

 

 

 まぶたが、ぴくんと動いた。

 

 心の奥で、その言葉がふわっと反響する。

 

 

 

(……すき……)

 

 

 

「催眠が……この声が……

 トランス状態が……ここで味わった気持ちよさが……

 大好きになったよね」

 

 

 

 唇が、わずかにひらいて――

 

「……だいすき……」

 

 

 

 かすかな声が、熱と一緒にこぼれた。

 

 反射のように、心の中でくり返す。

 

 

 

(……このこえ……すき……)

(……さいみん……すき……)

(……きもちよかった……だいすき……♡)

 

 

 

 言葉がそのまま、快感になる。

 音の響きが、胸の奥に甘く染み込んでいく。

 

 

 

「君の心は……まだ僕が、持っている」

 

 

 

 その言葉とほとんど同時に、

 小さな金属音――ちゃら、と、やさしい鎖の音が響いた。

 

 

 

 次の瞬間――

 

 手の甲に、なにかが乗せられる感触。

 

 

 

(……?)

 

 

 

 それは、よく知っている重みだった。

 ペンダント――“水晶”。

 

 

 

 さっきまで、自分の手で持っていたはずのもの。

 

 でも、今のそれは――

 

 

 

 あたたかい。

 

 

 

 じんわりと、熱をもっていた。

 

 手の甲に伝わる温度は、明らかに誰かのぬくもり。

 

 

 

「ほら……温かいでしょう」

 

 佐久間くんの声が、そっと降りてくる。

 

「君の心は……僕の手の中に、あったから」

 

 

 

(……あ……ほんとうに……)

 

 

 

 私の心――

 

 この“水晶”は、私の心で。

 

 それを……本当に、佐久間くんが、持っていてくれた。

 

 

 

(……あずかってくれてたんだ……)

 

(……ちゃんと……)

 

(……私のこと……)

 

(……もっててくれた……)

 

 

 

 あたたかい。

 それだけで、胸の奥がじんわりしてくる。

 

 

 

 しあわせ……

 やさしくて、うれしくて、きもちいい……♡

 

 

 

 ほんの少し、涙が浮かびそうになった。

 

 でも、それもすぐに快感の波に溶けて、

 ただ――心がとろけるように、あたたかかった。

 

 

 

「君の心の振り子は……僕が、持っていてあげる」

 

 

 

 ちゃらり。

 

 また、鎖の音。

 

 

 

 手の甲から、“水晶”がすっと持ち上がる。

 

 重みが消える。

 

 だけど、不思議と、さびしくはなかった。

 

 

 

(……まだ、もっててくれるんだ……)

 

(……だいじに、してくれる……)

 

 

 

 音が消えたあとも、手の甲にはぬくもりが残っていた。

 

 

 

 それだけで――

 私はまた、もうひとつ深く、幸福に沈んでいった。

 

 

 

 

 揺れている。

 ゆらゆらと、気持ちよく。

 さっきまで手の甲にあった“水晶”のぬくもりが、まだ肌に残ってる。

 

 そのあたたかさを感じながら、

 私は、佐久間くんの声を――また、待っていた。

 

 

 

「君は……ここに落ちるのが、

 ここで気持ちよくなるのが……

 大好きになってしまった」

 

 

 

(……すき……)

(……おちるの……すき……)

(……きもちよくなるの……すき……♡)

 

 

 

 まぶたがわずかに震える。

 

 言葉が、そのまま、甘さになる。

 

 

 

「だから、いつでも同じように……

 深く落ちてこられるし……

 いつでも、こうして、気持ちよくなれる」

 

 

 

(いつでも……)

(おなじように……おちられる……)

(また……きもちよくなれる……)

 

 

 

 うれしかった。

 あたりまえのように、安心できること。

 それがこんなに、気持ちいいなんて。

 

 

 

「安心して、揺れて……

 安心して、落ちられる。

 それは、君の心がこうして……僕の手に、握られているから」

 

「すべて……委ねているから」

 

 

 

 わたしのこころ。

 いまも、佐久間くんが持ってる。

 

 それを思っただけで、胸の奥がじんと熱くなる。

 

 

 

(……ゆだねてる……)

(……まるごと……あずけてる……)

(……しあわせ……♡)

 

 

 

「だから君は……僕に、心を委ねてしまいたい。

 そうだよね」

 

 

 

 唇が少し開く。

 でも、まだ声にはならない。

 

 からだの奥が、やさしく、ふるえてるだけ。

 

 

 

「ほら……ゆっくり呼吸を整えて」

 

「トランスに入ったまま……声が出せることを確かめよう」

 

 

 

(こきゅう……)

(すって……はいて……)

 

 

 

 胸がゆっくり上下する。

 まるで誰かに揺らされているみたいに、呼吸も、思考も、心も、ゆっくり――

 

 

 

「吸って……」

 

 

 

 私は、小さく鼻から息を吸い込む。

 

 

 

「吐いて……」

 

 

 

 口から、静かに、長く吐き出す。

 

 

 

 気持ちいい。

 それだけで、もう――胸の奥が、とろけそうになる。

 

 

 

「準備ができたら……

 “はい”と返事をすることができるよ」

 

 

 

 言われたとおり、声を出そうとした。

 

 ほんのすこしだけ勇気を出して。

 喉の奥にたまった甘さを、そっと、言葉に変えるように――

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 かすかな声だった。

 自分でも、ちゃんと出せたかどうかは、わからない。

 届いたのかどうかも――わからなかった。

 

 

 

 でも――

 

 

 

 佐久間くんの声が、すぐに返ってきた。

 

 

 

「いい子だね……」

 

 

 

 胸が、きゅんとふるえた。

 

 

 

「きちんと、返事ができた……

 心を委ねてしまうのは……気持ちいいこと」

 

 

 

(……きもちいい……)

 

 

 

「気持ちよくなって、いいよ。

 声が届いたのが、嬉しい。

 その喜びで、全身が震えるくらい……気持ちいい。

 ……ほら」

 

 

 

「……あ、……ふぁ……ぁぁん♡……!」

 

 

 

 言葉が、熱になって、喉から漏れた。

 からだの奥が、ビリビリと震えて――

 

 わたしは、また――イってしまった。

 

 

 

「気持ちよかったら……

 気持ちよかった、と言うことができる」

 

 

 

(……いえる……?)

 

 

 

「言えたら、もう一度……気持ちよく、なっていいよ」

 

 

 

「……きも……ち、よか……った……♡」

 

 

 

 また震える。

 また、あふれる。

 声が、熱が、甘さになって、勝手に出ていく。

 

 

 

「これで、ひまりさんは……

 トランスの快感と……

 心を委ねる安心を、すっかり覚えることができた」

 

 

 

(……おぼえた……)

(……きもちよかった……)

(……あんしん……♡)

 

 

 

「だから、いつもこれを……欲しがってしまう」

 

 

 

 そう言われて、胸の奥がくすぐられる。

 

 甘くて、あたたかくて――

 そこに、なにかが沈んでいく。

 

 

 

「普通にしていても……

 心の奥では……気持ちよくなりたい。

 落ちたい。

 心を、もらってほしい。

 そんな風に、思っている」

 

 

 

「ん……っあ……♡」

 

 

 

 またひとつ、熱いものがあふれる。

 心が、何度も、ふるえて――

 それが全部、気持ちよさになる。

 

 

 

「だから、僕にこのペンダントを見せられると……

 どうしても、見つめてしまう。

 吸い込まれるように……自分の心だ、と、理解してしまう」

 

 

 

(……みつめちゃう……)

(……すいこまれる……)

(……あれ、わたしの……こころ……)

 

 

 

「この言葉は……心に深く沁み込んで……

 君を、必ずそういう風に、変えてくれる」

 

 

 

(……かわる……)

(……かわっちゃう……)

(……いい子に……)

 

 

 

「ほら、繰り返そうか。ひまりは、自分の心を……見つめます」

 

 

 

 言葉の響きが、深く、やさしく胸に落ちてくる。

 まぶたの裏に浮かぶ“水晶”が、ゆらゆらと揺れている。

 

 

 

 その動きに合わせるように、私の唇が、ゆっくりとひらいた。

 

 

 

「……ひまりは……じぶんの……こころを……みつめます……」

 

 

 

 甘く、とろけた声だった。

 熱を含んで、のどの奥から自然にこぼれた。

 自分で発した実感もなくて、でも、確かに言葉になっていた。

 

 

 

 くりかえすことが、きもちいい。

 

 言えば言うほど、深く沈んで――

 “こころ”が、ほんとうにそこにあるように感じる。

 

 

 

 佐久間くんの手の中。

 大事に、やさしく、包まれている気がした。

 

 

 

 

 

「見つめると、心を、委ねます。はい」

 

 

 

「……みつめると……こころを……ゆだねます……」

 

 

 

 とろけた声で、私はくり返した。

 

 言葉の意味なんて、もう考えていない。

 ただ、言うだけで――うっとりしてしまう。

 

 

 

「委ねるのが、気持ちいい。はい」

 

 

 

「……ゆだねるのが……きもちいい……」

 

 

 

 舌がとろけて、音が甘く揺れる。

 言えば言うほど、体がぽかぽかしてきて、

 胸の奥が、じゅわっと熱くなる。

 

 

 

「いい子だね」

 

 

 

 そのひとことが、優しく響いて、

 また、胸の奥が小さく震えた。

 

 

 

「ほら、君から預かった心を――一緒に、確かめよう」

 

 

 

 ちゃら、と鎖の音。

 その音がした瞬間、

 佐久間くんの手が、私の手をそっと包み込んだ。

 

 

 

 手のひらの中に――“水晶”の感触。

 さっき、確かに預けた、私の心。

 

 

 

 でも、今は――あたたかい。

 佐久間くんの手の温度が、私の中にまで沁み込んでくる。

 

 

 

(……あたたかい……)

(……こころ、もっててくれた……)

(……だいじに……だいじに……)

 

 

 

 心が、ほどけていく。

 

 

 

「でも――この心を、僕が……『心をもらうよ』と言って、手の中に隠してしまうと」

 

 

 

 佐久間くんの声が、静かに降ってくる。

 

 

 

「君の心は、すべて……僕のものになる」

 

 

 

(……さくまくんの、もの……♡)

(……こころ、ぜんぶ……)

 

 

 

「それはとっても気持ちよくて――

 君は、一瞬で……ここ、トランスの底まで、落ちてしまう」

 

 

 

 その言葉を聞いただけで、

 胸の奥がくすぐられて、喉が鳴りそうになる。

 

 

 

 でも、まだ――佐久間くんの声を聞いていたい。

 

 

 

「心を委ねた相手の言葉に、全部従うことができる……

 幸せな女の子に、なることができる」

 

 

 

「……しあわせな……おんなのこ……♡」

 

 

 

 唇から、熱を帯びた言葉が漏れた。

 

 甘くて、ゆるくて――

 でも、それが嬉しくて、気持ちよくて、たまらなかった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、試してみようか。――『心をもらうよ』」

 

 

 

 ちゃらり、と鎖の音。

 “水晶”が、私の手からそっと離れていく。

 

 その瞬間――

 

 

 

「ぉ……ぁ、あぁんっ♡」

 

 

 

 全身の力が、一気に抜けた。

 

 視界が、すうっと黒く沈む。

 まぶたがびくんと痙攣して、唇が甘くふるえた。

 

 

 

(……おちる……)

 

 

 

 心が、全部――

 佐久間くんに、預けられてしまった。

 

 

 

「……落ちる。気持ちいい……幸せ……

 心を委ねるの、気持ちいい……」

 

 

 

 声が、ふわりと染み込んでくる。

 

 言葉がそのまま、快感になる。

 

 

 

(きもちいい……)

(しあわせ……)

(ゆだねると……もっと……♡)

 

 

 

 どこまでも落ちていけそうだった。

 でも――その中で、たったひとつ、確かなものがある。

 

 

 

「どんなに深く落ちても……僕の声だけは、聞こえている」

 

 

 

(……きこえてる……)

(さくまくんの……こえ……)

 

 

 

「心を奪われた相手――

 一番、大事な声」

 

 

 

 その言葉が、胸に深く届いてくる。

 

 うれしくて、あたたかくて、

 また、ふるえそうになる。

 

 

 

「僕が君に……『心を返すね』と言うと、

 君の心は、自分のところに戻ってくる。

 元通りになれる」

 

 

 

(……もどる……)

(……かえしてくれる……)

 

 

 

「この深いところに居たのが……

 嘘みたいに、すっきり、はっきり目覚めることができるよ」

 

「でも、またいつでも……

 心を委ねたいと、思っている」

 

 

 

 その言葉だけが、まだ甘く胸の奥に残った。

 

 

 

「三つ数えてあげるから……

 ゆっくり、目を覚ます」

 

 

 

「1……呼吸が、少しずつ整っていく」

 

「2……まぶたに、感覚が戻ってくる。頭が軽くなってくる」

 

「3……」

 

 

 

「――心を返すね」

 

 

 

 その声とともに、

 腕を、そっと引かれる感触。

 

 

 

 指先が、肩が、胸が――

 ゆっくりと、目を覚ましていく。

 

 

 

 身体が浮かぶような軽さと、

 心がちゃんと戻ってきたという、

 不思議な安心感に包まれて――

 

 

 

 私は、静かに――目を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 まぶたがゆっくりと開いて――

 

 ぼやけた光が、世界に戻ってくる。

 

 

 

(……あれ……?)

 

 

 閉じられたカーテンの向こう――隙間から差し込むだけの、ほの暗い夕方の光。

 

 

 

 ゆっくり、まぶたを開く。

 ぼやけた視界に、机の影が浮かんでいた。

 

 

 

 (どうして……私……)

 

 

 

 手のひらが熱い。

 少し汗ばんでいて、でも、なぜか安心する温度。

 

 

 

(……ここ、図書室……?)

 

 

 

 少し重たい頭。

 背中が椅子にもたれていて、動こうとしてもうまく力が入らない。

 目の奥がじんとしていて、呼吸だけが静かに続いている。

 

 

 

 ふと、後頭部に柔らかい感触を覚える。

 

 そこには――誰かの、手。

 

 

 

(……え? だれ……?)

 

 

 

 すぐに、その手がそっと引かれた。

 続いて、やさしい声が、すぐそばで。

 

 

 

「……おかえり、ひまりちゃん。……大丈夫?」

 

 

 

 顔をのぞき込んできたのは、澪ちゃん。

 

 少し不安そうで、でもすごくあたたかい笑顔だった。

 

 

 

「……う、うん……たぶん……」

 

 

 

 喉が乾いていて、うまく声が出ない。

 息を整えて、なんとか言葉をつないだ。

 

 

 

 頭がぼんやりしていて、

 でも――そこにあった感覚だけは、はっきりしている。

 

 

 

(……気持ちよかった……)

 

 

 

 思い出そうとすると、

 胸の奥がじんわり熱くなっていく。

 

 

 

(わたし……イってた……?)

(何回も……? そんな……)

 

 

 

「っ~~……その、あの……」

 

 

 

 しどろもどろになって、視線を泳がせる。

 

 うまく言えない。どう言っていいかもわからない。

 自分の声すら、少し恥ずかしい。

 

 

 

 頭の奥が、まだぽうっとしている。

 夢の中にいたような感覚が、薄く残っている。

 

 

 

 記憶の端っこに、熱くて甘くてとろけそうな感覚が、

 断片的に残っていた。

 

 

 

(な、なんか……何回も……へんな声……っ)

 

 

 

「~~~っ! ちょっと、ちが……!」

 

 

 

 耳まで熱くなって、

 思わず顔を伏せそうになる。

 

 

 

 でも――

 

 

 

「うん、びっくりするよね。でも……ちゃんとできてたよ」

 

 

 

 澪ちゃんが、ふわっと笑ってくれる。

 

 あの優しい、安心する笑顔。

 

 

 

「催眠って、気持ちよくなるものなんだって……わかったでしょ?」

 

 

 

「~~~っ!」

 

 耳まで真っ赤になる。

 否定できないどころか、思い出すたびに胸がふるえる。

 

 

 

 そのとき、机の向こうからもうひとつの声がした。

 

 

 

「初めてでここまで入れるのは、本当にすごいことだよ」

 

 

 

 佐久間くんだった。

 机の向こうで、静かに立っていた。

 

 変わらない落ち着いた口調なのに、

 その声が、今はなぜか……すごく、安心する。

 

 

 

「……ほんとに……? 変じゃなかった……?」

 

 

 

 小さな声で聞き返すと、

 彼は少しだけ目を細めて、首を横に振った。

 

 

 

「ううん。君は、ちゃんと素直だった。とても、いい子だったよ」

 

 

 

「~~~っ……!」

 

 

 

 その言葉が、胸に甘くしみた。

 

 なんでもない言葉のはずなのに、

 どうしてこんなに――気持ちいいんだろう。

 

 

 

 ふう……と、小さく息をついた。

 

 胸じゃない。喉でもない。

 身体の――もっと奥。

 腰の、深い場所に、まだ残っている。

 

 熱の名残。

 とろけたままの感触。

 じんわりと、あたたかくて、溶けるような余韻。

 

 

 

(……気持ちよかった……)

 

 

 

 思い出すだけで、肩がゆるむ。

 息が細くなって、ほおが、熱くなる。

 

 

 

 幸福が、からだの真ん中から、にじむように広がっていった。

 

 思わず、うっとりと目を伏せて――

 

 

 

 でも、そのとき。

 

 

 

(……わたし、やっぱり……)

 

 

 

 思考の隙間に、黒いものが、ふと入り込んできた。

 

 

 

(わたし、やっぱり、エッチだったんだ……)

 

 

 

 温かくて気持ちよかった記憶が、

 急に、背中の奥で冷たく変わっていく。

 

 

 

 唇を、ぎゅっと噛んだ。

 涙をこらえようとして――

 

 だけど、その想いは留まってくれなかった。

 

 

 

 ぽろ、ぽろ、と。

 理由なんて、うまく説明できない。

 

 

 

 ただ、溢れてくる。

 

 

 

「……ごめんなさい……っ」

 

 

 

 わけもわからず、そう口にしていた。

 佐久間くんと、澪ちゃんに向かって、私は泣きながら、謝っていた。

 

 

 

「ごめん……ごめんなさい……っ、ほんとに、私……」

 

 

 

 そのとき――

 

 

 

「……君が謝るようなことは、なかったけど」

 

 

 

 佐久間くんの声だった。

 いつもの静かな声で。責めるでも、否定するでもなく。

 ただ、まっすぐに、私の心に届いてきた。

 

 

 

 私は、首を横に振る。

 

 

 

「私……やっぱり、あの子たちの言う通りなの……っ」

 

 

 

 ぽろぽろと、涙がこぼれた。

 声にならないしゃくりあげのなかで、言葉を繋ぐ。

 

 

 

「ぜんぜん、嘘なんかじゃないの……

 おっぱい……大きいのも……エッチなこと、大好きなのも……」

 

 

 

「頭……よくないのも……みんな、ほんとだもん……っ」

 

 

 

 泣きながら、ただ言葉があふれてくる。

 

 止めようとしても止まらなかった。

 

 

 

 そんな私の横で、澪ちゃんがそっと身を寄せてくる。

 

 

 

「……ひまりちゃん、大丈夫。大丈夫だよ……」

 

 

 

 低く、やわらかな声。

 子どもをあやすみたいに、優しく頭を撫でてくれる。

 

 その手が髪を通るたび、

 心の奥にある何かが、ほんの少しだけ、溶けそうになった。

 

 

 

 でも――

 

 

 

「……ちがうの……」

 

 

 

 私は首を振る。

 

 涙でぐしゃぐしゃになったまま、

 口の端を震わせながら、喉の奥で絞り出す。

 

 

 

「私、やっぱり……エッチな、悪い子なんだよ……っ」

 

 

 

 自分でも、止まらなかった。

 

 

 

「気持ちいいの……好きで……っ、あんなこと……嬉しかったのに……っ」

 

 

 

「こんなの……いじめられて当然だよ……。だって、ほんとだったんだもん……!」

 

 

 

 声がかすれる。

 

 胸が苦しい。

 

 涙がどんどん流れていく。

 

 

 

「私が悪いんだよ……。あの子たちが……正しいんだよ……」

 

 

 

 澪ちゃんの手が、ぎゅっと強くなった。

 

 でも、私は受け止めきれなくて――

 

 

 

 そのときだった。

 

 

 

「……じゃあ、ひまり」

 

 

 

 佐久間くんの声が、まっすぐに届いてきた。

 

 

 

「――これを、見て」

 

 

 

 そう言って、彼が指先で、

 小さな金属の鎖を持ち上げる。

 

 

 

 ちゃらり。と、小さく音が鳴った。

 

 

 

 その先にあるのは――

 

 

 

 “水晶”。

 

 

 

 青く、透き通って、光を反射する小さなかけら。

 

 

 

「っ、それ……だめ――」

 

 

 

 拒もうとした。

 言葉も、気持ちも。

 

 

 

 でも。

 

 

 

 目が、もう離せなかった。

 

 

 

「……ぁ……」

 

 

 

 かすかな声が漏れた。

 

 

 

 視線が吸い寄せられて、

 それだけで、身体が固まる。

 

 

 

(みつめる……)

 

 

 

 その言葉が、頭の奥で、ひとりでに浮かんだ。

 

 誰にも言われていないのに。

 なのに――身体が、従ってしまう。

 

 

 

 “水晶”が、そこにある。

 

 青く揺れている。

 

 

 

 私はただ、黙って、それを見つめた。

 

 涙も、震えも、忘れて。

 

 何も、動けなくなっていた。

 

 

 ちゃらり……と、

 青い“水晶”が、わずかに光を跳ね返す。

 

 

 

 佐久間くんの手の中で、

 細い鎖の先が、静かに、揺れていた。

 

 

 

「……そう、見つめる」

 

 

 

 その声が聞こえた瞬間、

 私はもう、目を逸らせなくなっていた。

 

 

 

「これは、君の心」

 

 

 

 低く、抑揚のない声。

 落ち着いているのに、不思議と、頭の奥へとすうっと入り込んでくる。

 

 

 

「おかしいね。どうして心がここにあるんだろう。

 本当なら……君の中にあったはずなのに」

 

 

 

 “水晶”は、ただそこにあるだけなのに、

 それを見ているだけで、意識が引っ張られていく。

 

 

 

(……私の、心……)

 

 

 

 ぼんやりと、そう思った。

 

 

 

「目が、離せない。

 口を閉じることすら、もう思いつかない」

 

 

 

「ぼおーっと、見つめていると、なんだか……気持ちいいね」

 

 

 

 その言葉に――反射的に、

 何か、奥から浮かび上がってきた。

 

 

 

(きもち……いい……)

 

 

 

 頭の奥で、甘い記憶が蘇ってくる。

 

 腰のあたりが、じんと熱を帯びた。

 

 

 

「ゃ、だ……」

 

 

 

 かすかに、唇から声がこぼれる。

 否定したかったのに、声はとても弱くて、掠れていた。

 

 

 

 佐久間くんの声は、淡々と続く。

 

 

 

「君の心は……僕が持っている」

「だから、安心。僕以外の誰にも、揺さぶられることはない」

 

 

 

 その言葉とともに――

 “水晶”が、左右に揺れ始めた。

 

 

 

 ゆら、ゆら。

 

 細く、静かに。

 でも確かに、心地よいリズムで。

 

 

 

 それを見つめていたら、

 身体がふわりと、同じように揺れていた。

 

 

 

 ゆら、ゆら。

 

 揺らされているわけじゃない。

 ただ、自分の心が、そのまま動いている。

 

 

 

(……心が、揺れてる……)

 

 

 

 ほんのり、首が傾いていく。

 

 その瞬間――

 

 

 

 澪ちゃんの手が、私の背中にそっと触れた。

 

 

 

 落ちないように、支えてくれている。

 優しくて、安心できる力。

 

 

 

 私はただ、“水晶”を見ていた。

 

 まばたきも忘れて、

 ゆら、ゆら、ゆら――

 

 身体と一緒に、

 心が、深く揺れていくのを感じていた。

 

 

 ゆら、ゆら、ゆら……

 静かに、等間隔で揺れていた“水晶”が、

 少しずつ、その動きを小さくしていった。

 

 

 

 ゆっくりと、弧を狭めながら――

 

 揺れは収まっていく。

 

 

 

 それに合わせるように、

 胸の奥が、深く静まっていくのを感じた。

 

 

 

「揺れが収まると、すっかり心は穏やかになる」

 

 

 

 佐久間くんの声が、

 水のようにすっと染みこんでくる。

 

 

 

「心を委ねた人の言葉に、従うのは、幸せなこと」

 

 

 

 その言葉が、あたたかくて、気持ちよくて。

 私の中に――静かに、深く、沈んでいく。

 

 

 

 完全に止まった“水晶”。

 

 でも、それは、もうどこか他人のものみたいだった。

 

 だって私は――

 もうすっかり、心をあずけていたから。

 

 

 

「ひまり」

 

 

 

 優しい声で、でもはっきりと名前を呼ばれる。

 

 

 

「理解したら……“はい”と返事をしなさい」

 

 

 

 その声音に、

 逆らおうなんて思いもしなかった。

 

 

 

 優しいのに、命令されてる。

 強制されてないのに、心が勝手に――応えようとしてしまう。

 

 

 

 それが、うれしかった。

 

 それが、ほっとした。

 

 心から、満たされていくのが分かった。

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 かすれた声が、喉の奥から漏れる。

 

 

 

 思考じゃない。意思じゃない。

 

 

 

 言われたから、答えた。

 

 それが自然で、

 それが、気持ちよかった。

 

 静かに止まった“水晶”を、私はまだ――見つめていた。

 まぶたも動かさず、瞳も揺らさず。

 じーっと、吸い込まれるように。

 

 

 

「これから、僕が尋ねることに……君は、はいか、いいえで、答えることができる」

 

 

 

 佐久間くんの声が、落ち着いたまま、耳に染み込んでいく。

 深い場所にいる私にとって、それはただの言葉じゃなかった。

 約束のようで、決まりのようで――嬉しい音だった。

 

 

 

「素直に答えると、とても幸せだ」

 

 

 

 私の胸が、ふわっと温かくなる。

 

 

 

「ひまり――わかった?」

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 自然とこぼれた。

 頭の中では、もう考えてなんかいないのに。

 口が、喉が、返事をしてしまう。

 

 

 

「ひまり。君は……さっきの催眠で、エッチな気持ちになっていたね?」

 

 

 

 “水晶”を見たまま、私の口がわずかに開く。

 

 息が、浅く出ていく。

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 認めた。

 恥ずかしいはずなのに、恥ずかしくなかった。

 

 

 

 だってそれが、自然だったから。

 嘘じゃないから。

 

 

 

「君は、エッチなことが好きなんだね?」

 

 

 

 今度は、一瞬だけ、唇がわずかに震えた。

 

 でも、それでも――言葉は口をついて出てきた。

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 その瞬間、私の中にあった何かが、またひとつ、溶けていった。

 

 

 

 口が閉じられない。

 舌が脱力して、唾液がこぼれる。

 音も立てずに、とろりと顎の下をつたう。

 

 

 

 なのに――

 

 おかしいのに――

 

 恥ずかしいはずなのに――

 

 

 

 気持ちよかった。

 

 

 

「素直に答えられて、幸せだ」

 

 

 

 佐久間くんの声が、またひとつ深く沈む。

 

 

 

「いいよ、素直に……気持ちよくなりなさい」

 

 

 

 その言葉に――

 

 

 

 身体が、びく、と、小さく反応する。

 

 

 

 気づかないうちに、足先が揃っていて、

 指先がわずかに震えていて、

 呼吸が、甘く熱く、上擦っている。

 

 

 ――イって、る。

 

 

 私はただ、“水晶”を見ていた。

 

 青く、透き通っていて、

 そこに全部――私の心が、映っているみたいだった。

 

 

 

 

「これから……とっても、大切なことを、聞くから……」

 

 

 

 佐久間くんの声が、やわらかく響く。

 

 けれどその言葉には、不思議な重さがあった。

 

 

 

「ゆっくり……時間をかけて……答えることが、できる」

 

 

 

 言われてすぐに、何かを答えようとは思わなかった。

 

 というより、もうすっかり、そういう「考える」ことが、ゆっくりになっていた。

 

 

 

「自分の心を……じーっと見つめているから……

 一番奥の、本当の気持ちを――見つめることができる」

 

 

 

 私は、“水晶”を見ていた。

 

 目はもう、揺れのないそれをまっすぐに捉えたまま。

 まばたきも忘れて、ただ、見つめていた。

 

 

 

「ひまり。君は……エッチな自分が、嫌いなの?」

 

 

 

 その問いが届いた瞬間、

 心の奥が、そっと揺れた気がした。

 

 

 

(……エッチな、わたし……)

 

 

 

 すぐには答えられなかった。

 

 

 

 身体のことを、思い出す。

 

 胸。腰。みんなに言われた言葉。

 あの子たちの視線。

 

 

 

 いじめのことを、思い出す。

 

 あの日、笑われた。

 鞄の中の、避妊具。

 “エロ女”って言われたこと。

 

 

 

 教室のすみで、誰かがひそひそ話してた。

 聞こえないふりをしても――全部、聞こえてた。

 

 

 

 机の中には、勝手に差し込まれたメモ。

 

 “春野ってさ、処女じゃないらしいよ”

 “胸だけじゃなくて、腰もヤバい”

 

 

 

 そんなこと、誰にも言ってないのに。

 してもいないのに。

 なんで、勝手に決めつけられるんだろうって――悔しかった。

 

 

 

 でも、そういう目で見てきたのは、女子だけじゃなかった。

 

 

 

 男子の視線も――いやだった。

 

 すれ違うときに舐めるように胸を見られた。

 後ろから歩かれるのが、いつも怖かった。

 

 

 

 ときどき、変なふうに呼び止められた。

「ちょっとさ、揉ませてよ」とか、「一回だけでいいから」とか――

 

 断ったら、

「ちっ、つまんねー」とか、「やっぱビッチのくせに清純ぶってんだ」とか。

 

 

 

 それが当たり前みたいな空気が、教室にあった。

 

 あのときの自分は、怖くて、悔しくて、ただ俯くことしかできなかった。

 

 

 

 ……いやだった。

 

 

 

 全部、ほんとにいやだった。

 

 

 

 でも――

 

 

 

 でも、たぶん――

 その中のどこかで。

 

 

 

 見られているってことが。

 求められているってことが。

 

 

 

 少しだけ、くすぐったかった。

 

 

 

 自分でも気づかないところで、

 心の奥のもっと奥の方で――

 その視線を、感じてしまっていた。

 

 

 

(……みんな、私が欲しいって、思ってる)

 

 

 

 あのときの私は、

 それを――いやらしくて、恥ずかしいことだとわかっていても、

 どこかで、受け入れてしまっていた。

 

 

 

(こんな私でも、見られてる)

(私のこと、気になってる)

 

 

 

 それが、気持ちよかった。

 

 全部がじゃない。

 でも――全部、嫌だったわけでもない。

 

 

 

 だからこそ、つらかった。

 

 自分の中の、いやな気持ちと――

 気持ちよさに似た感覚が、いつもぐちゃぐちゃに混ざってた。

 

 

 

 ……バカみたいだった。

 

 でも――それが、本当だった。

 

 

 

 ネットのことも、思い出す。

 

 画面の中では――

 私に似た体の子が、褒められていた。

 

 “天使”“女神”“最高の女の子”

 

 

 

 一人でしたことも、思い出す。

 

 恥ずかしいのに。

 やめられなかった夜。

 

 

 

 そして――さっきのこと。

 

 気持ちよかった。

 幸せだった。

 全部、嬉しかった。

 

 

 

 頭の中に、言葉が浮かんだ。

 

 でも、口が動くまでには、少しだけ時間がかかった。

 

 

 

 そして、ようやく――

 

 

 

「……い……い、え……」

 

 

 

 小さな、小さな声だった。

 

 でも、それは確かに、

 心の奥から出てきたものだった。

 

 

 

 そのとき、澪ちゃんの手が、そっと私の髪を撫でてくれた。

 

 優しく、あたたかくて、

 すごく、すごく安心する手。

 

 

 

 私は、ぼんやりと水晶を見つめたまま――

 そのぬくもりに包まれていた。

 

 

 

 

「ひまりは、いい子だ。とても素直な、いい子」

 

 佐久間くんの声が、耳じゃなくて、心に響くようだった。

 

 

 

「ひまりは、そのままでいい。ううん――もっと、君が、なりたいようになっていい」

 

 

 

 その言葉が、あたたかくて。

 

 胸の奥にじんわりと広がって、

 それだけで、もう泣きそうになった。

 

 

 

「君が変われなくても、僕が変えてあげる」

 

 

 

 ゆっくり、優しく、でも確かに。

 

 

 

「君は、暗示で――変わることができる子だ」

 

 

 

(……私が……)

 

 

 

 あんなに変われなかったのに。

 なりたい私に、なれなかったのに。

 今の私は――ちゃんと、変われてる。

 

 

 

「ひまり。君は――変えてほしい?」

 

 

 

 その言葉が届いたとき、

 私はもう、とろけるように――答えていた。

 

 

 

「……は、い……」

 

 

 

 迷いなんて、なかった。

 

 自分の声が、こんなにも素直に出ることが、ただ嬉しかった。

 

 

 

「じゃあ――“心をもらうよ”」

 

 

 

 その言葉とともに、

 水晶の鎖が、小さく、ちゃらりと鳴った。

 

 

 

 目の前で、佐久間くんの指が、そっとその“水晶”を持ち上げる。

 

 ひらひらと揺れていた心が――

 ゆっくりと、彼の掌の中に包まれていく。

 

 

 

 そして、完全に――見えなくなった。

 

 

 

 その瞬間だった。

 

 

 

「ぁ……っ♡」

 

 

 

 甘く、蕩けるような声が、喉の奥から漏れた。

 

 

 

 胸がぎゅっとなって、腰の奥が、きゅんと熱を帯びる。

 

 ただ見ていただけなのに――

 “心”が、手の中に隠された、それだけで。

 

 

 

 私は――気持ちよくなっていた。

 

 

 

 

 脳が、痺れるみたいに震えた。

 

 背筋に走る快感の波が、

 腰の奥で弾けて――全身に、熱を撒き散らす。

 

 

 

 何もしていないのに。

 ただ、“心”を預けただけなのに。

 

 

 

 また――イってた。

 

 

 

(……すき……)

 

 

 

(エッチな私で、よかった……)

 

 

 

 全部が、解き放たれて。

 全部が、肯定されて。

 

 

 

 もう、恥ずかしくなかった。

 

 私のままで、こんなにも――幸せになれる。

 

 

 

 そんなの、知らなかった。

 

 

 

 だから、私は……深く、深く、トランスに――

 

 

 

 ――落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――そのあとのことは、あんまり覚えていない。

 

 

 

 全部が、夢みたいだった。

 ふわふわしてて、気持ちよくて、

 声も、頭も、とろけてて。

 

 

 

 私……どんなことを、言ったんだっけ。

 

 

 

 たしか……私は、

 可愛くて、えっちで、誰からも愛される――

 理想の女の子に、なりたかったんだ。

 

 

 

 えっちなゲームのヒロインみたいな、

 明るくて、愛嬌があって、

 みんながほしがる、そんな女の子。

 

 

 

 そうなりたいって、

 私は――蒼真に、話した。

 

 

 

 恥ずかしかったはずなのに。

 でも、すごく気持ちよかった。

 心を委ねるのって、気持ちいいって……覚えちゃったから。

 

 

 

 ……蒼真は、ずるい。

 

 

 

 何もかも見透かしてて、

 あんなふうに言われたら、もう、逆らえなかった。

 

 

 

 それで、蒼真は、

 少しずつ、私の心を――変えていった。

 

 

 

「他人から押し付けられた、いらないものを全部取って、

 ひまりが欲しいものを、くっつけた」

 

 

 

 そう言って、笑ってた気がする。

 

 

 

 取られるたびに、

 気持ちいいところが、ぐちゅってなって、

 入れられるたびに――私、イってた。

 

 

 

 気持ちよくて、

 こわれそうで、

 幸せで、苦しくて、

 ずっと泣いてた気もする。

 

 

 

 死んでもいいって、

 本気で、思った。

 

 

 

 ……というか――

 

 

 

 あの日、私は、一回死んだ。

 

 

2件のコメント

  1. ひまりちゃん大改造

    本人のため、本人の了承があるとはいえ、これ洗脳でぅよねw
    まあ根本から変えてるわけじゃなく取捨選択と方向性だとは思うけど

    1. せ、せせせせせ洗脳じゃないし解放だし。

      すみません洗脳だと思います。

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