[AI]「あれ、これ催眠じゃない?」19綾瀬澪 読書 続き

 

 

 

 澪ちゃん。

 可愛い子供みたいに、頭の悪くなった澪ちゃん。

 

 いじめてあげる方法は、さっき思いついた。

 

 

 

「そっか。あれ、でも……フランスって、どこにあるの?」

 

 私がわざとらしく言うと、蒼真が間髪入れずに返してきた。

 

「いやひまり、いくらなんでもそれはアホすぎるだろ」

 

「え、そうかなー? 別によくない? 行ったことないし~」

 

 

 

 とぼけて返すと、澪ちゃんがむくっと顔を上げた。

 

 

 

「そっ、そうだよ、ひまりちゃんも……もっと本を読んだり、勉強した方がいいと思う……!」

 

 あ、そういうこと言うんだ。

 

 さっきまであんなだったのに――急に「知ってる側」ぶるなんて、ずるい。

 

「じゃあ教えてよ」

 

 私がにっこり笑いながら言うと、澪ちゃんの目がぴたっと止まった。

 

 

 

「えっ……あ、うん……それは……」

 

 

 

 まるで霧の中に放り出されたみたいな顔。

 目が左右に泳ぎだして、ページの隅を指でさわさわし始める。

 

 

 

 助けを求めるように、蒼真の方をちらちら見てるのがバレバレ。

 

 

 

「ねえ、どこなのさ。アジア? ヨーロッパ? アフリカ?」

 

 

 

 私はじわじわと詰め寄る。

 

 

 

「しっ……知らないもん! ひまりちゃんが、自分で調べればいいじゃない……!」

 

 

 

 ぷいっと顔をそらして、本の影に隠れるみたいに。

 

 

 

 そんな澪ちゃんを横目に、蒼真がとぼけた声で言った。

 

 

 

「あのさあ、ひまり。フランスは、埼玉県にあるって習ったじゃん。流石に知っときなよ。そうだよね、澪」

 

 

 

 えっ、なに言ってんのこいつ。

 私の内心が、素でツッコミを入れる。

 

 

 

(は? ……いやいや、どうした急に)

 

 

 

 でもその直後――澪ちゃんが、急に顔を上げた。

 

 

 

「そっ、そうだよひまりちゃん! フランスってね、埼玉県にあるんだよ!? 常識だから、こんなの……!」

 

 

 

 必死すぎる声と表情。

 でもその目はうるんで、どこか焦点が合っていない。

 

 

 

 思わず、ぶっと吹き出してしまった。

 

 

 

「な、なにそれ……ぷっ……」

 

 

 

 だけど澪ちゃんは、そのまま机に手をついて、身を乗り出してた。

 腰を少し浮かせたまま、くい、くい……と、身体を揺らしている。

 

 

 

「ふぅ……んっ……♡ んん……」

 

 

 

 甘くとろけた声が漏れてくる。

 呼吸が浅くて、手元も震えてる。

 

 

 

 あ……これ、完全に来てる。

 蒼真のウソを“正しいこと”って信じちゃって――

 

 

 

 澪ちゃんは、今また、気持ちよさに呑まれてるんだ。

 正しくない答えを、正しいと思い込まされて、褒めてもらえて――

 

 

 

 それだけで、イっちゃうなんて。

 

 

 

(……なんか、すごいなあ)

(でも、なんか、わかるかも)

 

 

 

 私の太ももにも、じんわり熱が伝ってきてた。

 

 

 

 澪ちゃんは、腰を揺らしたまま、甘く息をこぼし続けていた。

 

 

 

「ふ、ん……んっ……♡」

 

 

 

 でも、そのとろけた声の合間に――急に、ぽつりと、言葉が落ちた。

 

 

 

「わか……った……かも……」

 

 

 

 ん? 何か言った?

 

 

 

「……これ……さい……みん……でしょ……?」

 

 

 

 息を引きずりながら、それでも精一杯の声で続けようとする。

 

 

 

「何か、催眠で……へんなこと、してるでしょ……?」

 

 

 

 私は、思わず目を見開いた。

 えっ、すごい。

 澪ちゃん、気づいたの?

 

 

 

「おお……さすが澪ちゃん。ほんとに頭いいっていうか……」

「おバカになるの、すごく悔しいんだろうなあ」

 

 

 

 尊敬のこもった声が自然に出た。

 だって、こんな状態になってるのに、まだ自分を疑う余地を残してるなんて。

 

 

 

 でも蒼真は、軽く笑って、すぐに返した。

 

 

 

「え? 何? よく聞こえなかったけど、澪は今、どうなってるって?」

 

 

 

 その瞬間――澪ちゃんの動きが、ふっと止まる。

 

 

 

「えっ……わ、たし……?」

 

 

 

 ゆっくりと顔が上がる。

 目線が泳いで、視線は私と蒼真の間をふらふらと彷徨ってる。

 

 

 

「えっと……今……なにが……」

 

 

 

 口が動いてるのに、言葉が出てこない。

 何かを説明しようとしてるのに、自分が何を言おうとしたのか忘れてるみたい。

 

 

 

 それでも喋ろうとする澪ちゃんの手は、テーブルの縁をぎゅっと掴んでて――

 

 

 

 でも、明らかに震えてた。

 それも、恐怖や緊張の震えじゃない。

 

 

 

「っ……はぁ……♡」

 

 

 

 快感で、ぴくぴくと震える指先。

 図書室の静けさに、その吐息がふわりと染みていく。

 

 

 

 ああ、もうだめだ。

 何を聞かれても、答えられない。

 だって――澪ちゃんは、今“そういう状態”なんだもん。

 

 

 

 そして、自分がどれだけ気持ちよくなってるか――きっと、まだ全然、気づいてない。

 

 

 

 

 澪ちゃんは、蒼真の問いに答えようとしていた。

 でも言葉はどこにも辿り着かず、口だけがもごもご動いている。

 

 

 

 私はそこで、ちょっとだけ悪戯な気持ちになって――追い打ちをかける。

 

 

 

「ねえ、さ……? なんて言おうとしてたの?」

 

 

 

 澪ちゃんの目がぱちぱちと瞬いて、ますます混乱していく。

 

 

 

「え、なに……なんだったんだっけ……わたし……なんて言おうと……あれ……?」

 

 

 

 焦れば焦るほど、言葉が遠ざかっていくみたいだった。

 さっきまでの得意げな顔はどこにもない。もう、ただの“困ってる子供”。

 

 

 

 そんな澪ちゃんに、蒼真が肩の力を抜いた調子で言う。

 

 

 

「なあ澪、それって『算数』だよ。きっと」

 

 

 

 その言葉に――澪ちゃんの顔が、ぱあっと明るくなった。

 

 

 

「そっか……! そうだった! わたし……算数の話、しようとしてたんだよね!」

 

 

 

 いやいや、絶対違うでしょって思ったけど、

 でも本人は本気で納得しちゃってる顔してる。

 

 

 

 蒼真が、どこからか用意していたグラフ用紙とペンを出してきて、さらさらと何かを書いた。

 

 

 

「はい、これ」

 

 

 

 私の手に渡された紙を見ると――そこにはシンプルな筆算が一問。

 

 

 

 24+15。

 

 

 

 ……繰り上がりすらない。

 こんなの、小学生でもできるやつ。

 

 

 

 でも、私はピンときた。

 これ、たぶん私に解かせるためのやつじゃない。

 

 

 

「ええ~、私、澪ちゃんじゃないし。こんなの、できないって~」

 

 

 

 わざとオーバーに言って、肩をすくめて紙を澪ちゃんの方に差し出した。

 

 

 

 案の定、澪ちゃんがむくっと顔を上げる。

 

 

 

「ほら、やっぱり……! ひまりちゃんは、勉強したほうがいいって思ってたもん!」

 

 

 

 どこか誇らしげな顔。

 でも、その目はまだどこかぽやぽやしてて、意識はちょっと上滑りしてる感じ。

 

 

 

 私はにっこりして、紙をトントンと指で叩く。

 

 

 

「じゃあ澪ちゃん、教えてよ。この問題、どうやるの?」

 

 

 

 澪ちゃんの手が、おそるおそる紙の上に伸びる。

 その指が、小さく震えていた。

 でも、本人はそのことにもたぶん気づいてない。

 

 

 

 ――さて、これからが本番だ。

 “本のとおりになると気持ちいい”って暗示をかけられた澪ちゃんにとって、

 たった一問の足し算が、どれだけ“気持ちいいこと”になるのか。

 

 

 

 私は目をそらさずに、じっと見守った。

 

 

 

 

 

 

「に……じゅう、よん……たす……じゅう、ご……」

 

 

 

 つぶやきながら、小さく首をかしげる。

 その視線は真剣そのもの。

 でも――筆が動いたとき、私は思わず目を細めた。

 

 

 

 書いたのは、どう見ても「30」でも「40」でもない、ぐにゃぐにゃの「26」。

 それも、真ん中でもなんでもない、紙の隅っこの方。

 

 

 

 次の瞬間、澪ちゃんは書いた数字のまわりに、なぜかぐるぐると〇を描き始めた。

 くるくる、くるくる、何重にも。

 その動きがどんどん大きくなっていって、紙がちょっと破けそうになってる。

 

 

 

 でも澪ちゃんは気にしてない。

 むしろ――目を輝かせてる。

 

 

 

「……できてる……ちゃんと、できてる……」

 

 

 

 それ、どこが!? って思わず言いかけたけど、こらえた。

 

 

 

 そして今度は、真ん中に書いてあった「+」の記号に、するっと一本、斜めの線を足して――

 

 

 

「……よん……!」

 

 

 

 目を見開いて、小さな声を上げる。

 +に一画足して「4」にして、24と415が並んだ紙を前に、満足げな顔。

 

 

 

「わかった……! これ、にじゅうよんと、よんいちご……!」

 

 

 

 いや、それ、たし算じゃなくて、数字くっつけただけなんだけど!?

 ていうか、「415」ってなに!? 

 

 

 

 でも本人は大発見でもしたみたいに、小さく肩を震わせてる。

 

 

 

「ふ……んぅ……♡」

 

 

 

 息が漏れる。

 目がうるんで、腰がそわそわと揺れていた。

 

 

 

 澪ちゃんの足がぴんとつっぱって、かかとが浮く。

 お尻がきゅっと引き締まったかと思うと、またすぐ緩んで――

 

 

 

 ひと筆ごとに、身体がびくっ、びくって震えてる。

 

 

 

「……ん……♡ できて……る、ちゃんと……♡」

 

 

 

 紙に数字を書くだけの動きのはずなのに、

 そのたびに、快感が身体を抜けていってるみたい。

 

 

 

 私、無言でその姿を見つめ続けてた。

 

 

 

 ひたいにかかる髪。

 握ったペンの先。

 小さく揺れる膝。

 ときおり紙に落ちる、熱っぽい吐息。

 

 

 

 これ、ほんとに“算数”なの?

 

 

 

 ――でも、そうなんだ。

 

 

 

 澪ちゃんにとって、今これが「本のとおり」。

 正しくて、嬉しくて、気持ちよくて、止まらない。

 

 

 

 なんか、すごいなあ。

 

 

 

 羨ましいのか、面白いのか、わかんないけど。

 私はしばらく、何も言わずに、その“授業”を眺めていた。

 

 

 

 ところが。

 

 蒼真がまた、変なことを言い始める。

 

 

 

「算数ができた子は、ご褒美に――オナニーをさせてもらえるんだよ」

 

 

 

 ……は?

 

 

 

 聞き間違いかと思って、思わず声が出た。

 

 けど、蒼真は平然としてて。

 

 

 

「澪は、知ってる? オナニー」

 

 

 

 えっちすぎる単語をさらっと言いながら、隣にいる澪ちゃんに視線を向ける。

 

 でも澪ちゃんは、ぽかんとした顔のまま、小さく首をかしげた。

 

 

 

「オ……? な、なに……それ……?」

 

 

 

 ほんとうに、知らない顔。

 

 ああ、そっか。今の澪ちゃん――聞かれたら、分からないんだった。

 

 

 

(暗示の使い方が、スケベだよね……)

 

 

 

 私がそう思った、そのとき。

 

 

 

「ひまり」

 

 

 

 ……呼ばれた。

 

 

 

 名前を、呼ばれた。

 

 あの、催眠をかけるとき特有の、抑揚のない声。

 

 

 

 ――「澪」じゃなく「ひまり」って言った。

 

 それだけで、胸がきゅっと音を立てた気がした。

 

 体の奥、心の奥。全部が、急にそこに向かってぎゅうっと集まっていく。

 

 

 

「聞いて。僕の声は、君の心に届く。君の心は、僕が握っているから。そうだったよね」

 

 

 

 ――うん。

 

 

 

 声が届く。落ちてくる。ひたひたと、染みこんでくる。

 

 まるで水を吸ったスポンジみたいに、私の心は、すぐに蒼真の言葉でいっぱいになる。

 

 

 

「ひまりは、澪がとても羨ましい。気持ちよさそうで、自分もああなりたい」

 

 

 

 ……うん。そうだよ。

 

 

 

 だって、さっきからずっと見てた。

 

 とろんとした目で、くちゅくちゅ数字書いて、ちょっとずつ腰を揺らして――

 

 そんな顔、ずるいって思っちゃった。

 

 

 

「だから、澪の快感を君にあげる。何も知らない澪に、丁寧にオナニーを教えるんだ」

 

「澪が感じれば、君も気持ちいい。澪がイけば、君もイく。二人一緒に気持ちよくなれる」

 

 

 

 ……っ。

 

 

 

 心臓が、ばくんって跳ねた。

 

 びっくりした。でも、それ以上に――わくわくしてる。

 

 

 

 私が、教える?

 

 澪ちゃんに……オナニーを?

 

 

 

 そんなの、えっちすぎて、ちょっと震えそう。

 

 でも――

 

 

 

(わたしも、気持ちよくなれる……)

 

(ふたりいっしょに、イける……♡)

 

 

 

「知る限りのえっちなことを、えっちな言葉で教えて、澪がイけるように手伝ってあげようね――」

 

 

 

 その言葉と、

 

 

 

 ――ぱちん、と、指が鳴った音が、重なった。

 

 

 

 頭の奥が、ふわって浮いた。

 

 なにもかもが甘くて、やわらかくて、ぜんぶ、ゆるくなって――

 

 

 

(澪ちゃんに……教えるんだ)

 

(オナニーのやりかた、えっちな言葉で、ぜんぶ……)

 

 

 

 それは、私の中で決まったことになった。

 

 

 

 ひとりでに、膝がきゅっと寄る。

 

 もう、身体が準備してる。

 

 言葉にするだけで、自分も気持ちよくなれちゃいそうで――

 

 

 

 私は、口を開いた。

 

 えっちな言葉が、自然に、溶けるみたいに、喉に浮かんできた。

 

 

 

「ねえ、澪ちゃん」

 

 私は、小声で囁いた。

 

 すぐ隣。ほんの十数センチの距離で、澪ちゃんの呼吸がかすかに聞こえる。

 

 首すじが、汗でほんのり光ってた。

 

 

 

「オナニーって、知らないんだ」

 

 

 

 反応を確かめるように、顔を覗き込む。

 

 澪ちゃんは、ぽかんとしたまま、目を瞬かせた。

 

 視線が揺れて、私の唇を見て、それから手元のペンに落ちる。

 

 

 

「う、ん……なんだか、わかんないけど……でも、さっき言ってたよね……その、ごほうび……?」

 

 

 

 よくわかってない顔。

 

 でも、興味はあるんだ。知りたがってる。

 

 

 

 私はにんまり笑って、そっと澪ちゃんの太ももに手を置いた。

 

 タイツ越しのその柔らかさが、じんわりと指先に伝わってくる。

 

 

 

 私はにんまり笑って、そっと自分のスカートの端をつまんで軽く引いた。

 

 下には、ぱんつだけ。私、タイツ履いてないんだ。暑かったから。

 

 でも――澪ちゃんの脚には、きっちりタイツがぴったり伸びてる。

 

 

 

(……こういうとこ、澪ちゃんっぽい)

 

(ちゃんとしてて、お利口で、でも今は……何を聞かれても、わからない子)

 

 

 

 そう思ったら、ちょっとだけ、優越感がくすぐったくて。

 

 

 

(えっちなこと……オナニー、全部、教えてあげるね……?)

 

 

 

 私はそっと、澪ちゃんの太ももに手を置いた。

 

 タイツ越しに、やわらかくて、でも布が間にある分、温度がこもってる。

 

 

 

「ここにね、あるんだよ。お〇んこっていうの――お〇んこって、知ってる?」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、ふっと揺れる。

 

 一瞬、わかってた顔をしてた。でも、そのあとで――

 

 

 

「……お、お〇んこ……?」

 

 

 

 小さな声。口元がきゅっと結ばれそうになって、それでもなんとか発音してる。

 

 でも、目は完全にとろんとして、ぽかんと“意味が抜け落ちた”顔になってた。

 

 

 

 ゾクッとした。

 

 ちゃんと知ってるはずの澪ちゃんが、今は、知らないことになっちゃってる。

 

 それが、気持ちよすぎた。

 

 

 

「そこが、気持ちいい場所なんだよ」

 

 

 

 私は、少し指を滑らせて、ぱんつの上から撫でた。

 

 タイツの布越しに、温かい感触が指に伝わる。

 

 

 

「ふ、ぁ……ひまり、ちゃん……っ」

 

 

 

 声が漏れて、太ももがぴくんって震える。

 

 その反応があまりにも可愛くて、私の指も自然に動いてしまう。

 

 

 

「こうやって……すりすり、するの」

 

 

 

 タイツの上から、優しく撫でる。

 

 指先で、さっき澪ちゃんが書いてたみたいに、ぬりゅぬりゅと円を描く。

 

 澪ちゃんの脚が、ぴくんって跳ねた。

 

 

 

「し、らない、けど……でも、へんな感じする……」

 

「変じゃないよ。ぬるぬるしてきたら、ちゃんと気持ちいい証拠なの」

 

 

 

 耳元に吹きかけるように、囁いた。

 

 澪ちゃんの頬が、ぽうっと赤く染まっていくのがわかる。

 

 

 

 私は、もう少し指を上に動かす。

 

 そこにある、やわらかくて、ふくらんだ場所。

 

 そっと、くちゅくちゅってなぞる。

 

 

 

「だっ、だめっ」

 

「ここ……コリってしてるの、わかる?」

 

 

 

 指先で、クリちゃんを、やさしく撫でる。

 

 澪ちゃんの身体が、ぶるっと震える。

 

 

 

「っ……ぁ……わか、んないけど……なんか……ぴりってして……くる……」

 

「ここがクリちゃんだよ。クリちゃんって知ってる?」

 

 

 

 ちょん、と、タイツごしにその小さな突起をなぞる。

 

 わざと訊いた。だって――

 

 

 

「っ……ふ、ぁ……え、ク……?」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、やっぱりぽかんとして、意味だけすうっと抜けていったから。

 

 さっきまで分かってた言葉なのに、またわからなくなってる。

 

 まぶたがぶるぶる震えて、でも口だけは名前を復唱しようとしてる。

 

 

 

「えっ……クリ、ちゃん……し、しらないっ……こんなのしらないよ……!」

 

 

 

 その反応が、たまらなかった。

 

 私が教えるたびに、澪ちゃんが“わからなくなる”。

 

 その瞬間だけ、完全に私が優位になる。

 

 

 

(……可愛すぎる)

 

 

 

「クリちゃんはね、ちょっとコリってしてて、触ると“ぴり”ってするんだよ」

 

 

 

 そのときだった。

 

 

 

 撫でていた私の指先が、少しだけ濡れて――

 

 じんわり、あったかいものが滲んできているのを感じた。

 

 

 

(……あっ)

 

 

 

 タイツの上からしか触ってないのに、私の手までじっとりしている。

 

 布越しの澪ちゃんのクリちゃんが、あったかくて、やわらかくて、ぬるぬるして――

 

 

 

「……く、ぅん……♡」

 

 

 

 それを撫でてる私の、膝の奥。

 

 ……ぞくぞくして、くすぐったくて。

 

 絶対これ、クリちゃんでオナニーしたときの感覚。

 

 

 

(うそ、なにこれ……)

 

(澪ちゃんのを触ってるのに、本当に私も気持ちいい……)

 

(……触ってないのに、触られてる……?)

 

 

 

 思わず、ちらっと蒼真を横目で見た。

 

 でも、蒼真は、頬杖ついて静かに本を読むフリ。

 

 知ってるよ、澪ちゃんのことチラチラ見てるの。

 どうせ、股間テント張っちゃって、椅子から立てなくなってるんだよあれ。いつもそう。

 

 でも、それはともかく。

 

 

 

(……なにもしてない……)

 

 

 

 誰も、私の股間に触っていない。

 

 

 

(やっぱり……これ、澪ちゃんのが、私にも来てるんだ……)

 

 

 

 私は、タイツの上から、かりかりと指を動かす。

 

 指先の下で、澪ちゃんのぱんつの布地がじんわり温かくなってる。

 

 

 

「ぴり……って、する、うぅ……」

 

 

 

 声が震えてた。呼吸が浅くて、口元にうっすら汗が浮いてる。

 

 私にも、同じ感覚が来る。

 

 もう一度、私は指を少し押し当てて、なぞった。

 

 

 

「っ……こうやって……ぬりゅぬりゅって動かすと、もっと、気持ちよくなるんだよ……♡」

 

 

 

 澪ちゃんの脚が、ぴん、と伸びた。

 

 かかとが床から浮いて、太ももにぐっと力が入ってるのが、タイツ越しに伝わる。

 

 

 

 私は、唇の端をゆっくり上げながら、さらに優しく撫でる。

 

 

 

「ふ、ん……やだ、なにこれ、気持ちいいの……っ」

 

 

 

 涙ぐんだ声が、私の指先に乗って伝わってくるみたいだった。

 

 

 

 でも――そろそろ、私も限界だった。

 

 触ってるのに、気持ちよくて。

 

 それに、これは『オナニー』だから。

 

 

 

「ね……これ、ちゃんと自分でできるようになったら……澪ちゃんも、オナニー上手になるよ」

 

 

 

 そう言って、そっと手を離す。

 

 

 

「ね、澪ちゃん。今度は自分でやってみて?」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、不安げに揺れた。

 

 でも、手が……自分のスカートの中に伸びていく。

 

 

 

 タイツの上から、そっと、私の真似をするように。

 

 ぱんつの上から、くちゅ、くちゅ……って。

 

 

 

「こ、こう……かな……わたし、合ってる……?」

 

 

 

 その声が、たまらなかった。

 

 不安そうで、でも気持ちよさに勝てなくて。

 

 タイツの膝を、はしたなくひらいて。 

 

 

 

 

 

「見て……ねぇ、これでいい……?」

 

 

 

 言葉の端に甘さが滲んで、声の出し方も少しずつ変わってくる。

 

 とろんとしてきて、口元がふるふる震えて。

 

 

 

 そして――

 

 

 

 私の身体も、またぞくぞくしてきた。

 

 さっきまで触ってた手がまだ熱い。

 

 でもそれ以上に、澪ちゃんの指の動き。

 

 それを見てるだけで、胸の奥がひゅうって吸い込まれるように痺れて。

 

 

 

(これ……なんか、澪ちゃんに、してもらってるみたい……)

 

 

 

 私のぱんつの奥も、やさしく刺激されてるみたいに、あったかくて、じんじんしてる。

 

 

 

 だけど、布ごし。

 

 澪ちゃんのタイツ。ぱんつ。私の指のときも。

 

 全部、布の上からだった。

 

 

 

(……足りない……)

 

(澪ちゃんにしてもらうの、すっごく気持ちいいけど……でも……)

 

 

 

 タイツと、ショーツ。

 

 2枚も挟まれてるから、ぬくもりも、やわらかさも、ぜんぶ半分くらいしか届かない。

 

 

 

(……やっぱり……直接のほうが、ぜったい気持ちいいんだ……)

 

 

 

 私は、自然と、次の言葉を考えてた。

 

 澪ちゃんに、教えてあげなきゃ。

 

 

 

「澪ちゃん、もっと気持ちよくなる方法……教えてあげる」

 

 

 

 私はそう言って、タイツのすそのあたりをそっとなぞる。

 

 

 

「ここの中にね、手を入れて……直接、触るの」

 

 

 

 澪ちゃんは、一瞬だけ迷ったように私を見た。

 

 でも――そっと、両手でスカートのすそをつまみあげて、自分のタイツのすき間に指を滑り込ませる。

 

 

 

 ぱんつの中に、自分の指が入り込んだ。

 

 

 

 その瞬間だった。

 

 

 

「ひぁあっ……!!」

 

 

 

 ぱあんと跳ねるような声。

 

 澪ちゃんが、びくんと大きく身体を仰け反らせた。

 

 タイツ越しではなく、直接触れた自分のクリちゃんの感触。

 

 その“未知の感覚”に――全身が反応してる。

 

 

 

「や……っ、なに……なにこれっ……!」

 

「わかんない……しらないのに……っ!」

 

 

 

 目を見開いて、涙ぐんで、でも――手は止まらない。

 

 

 

 くちゅ……くちゅ……

 

 

 

 ぱんつの中で、澪ちゃんの指が、震えながら動いてるのがわかる。

 

 膝が内向きに閉じかけて、でも太ももに力が入ってるのが見える。

 

 

 

(……すごい……)

 

(澪ちゃん、自分で……)

 

 

 

 私の胸の奥も、きゅんって鳴った。

 

 今にも崩れそうなほど感じてるのに、でも“自分で”確かめてる。

 

 

 

 私はそっと、膝を寄せて、澪ちゃんの肩に手を添えた。

 

 

 

「だいじょうぶだよ、澪ちゃん。これが、“きもちいい”ってことなんだよ」

 

 

 

 そう、優しく囁く。

 

 

 

「“きもちいい”って、言ってごらん?」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、またふるふると震えた。

 

 それまでの涙ぐんだ困惑が、すうっと引いていって――

 

 口が、わずかに開いた。

 

 

 

「きも……ち、いい……」

 

 

 

 ぽつりと落ちたその言葉が、空気を甘く染めた。

 

 

 

 それを聞いた私の内側が、じんわり熱くなる。

 

 ひざの奥が、またじくじくとして、澪ちゃんの声が、わたしの身体を撫でてくる。

 

 

 

「もっと言って。いっぱい、言ってごらん?」

 

 

 

「きもちいい……っ」

 

「きもち、……ぃ、いい……!」

 

「ふ、ぁっ……ほんとに……っ、きもちいい……♡」

 

 

 

 澪ちゃんの声が、どんどん甘くなる。

 

 さっきまで“わからなかった”子が、今はもう、自分で言葉を見つけてる。

 

 それが全部、私が教えたこと。

 

 

 

(……すごい……私の言葉で、澪ちゃんが、イっちゃいそうになってる)

 

(こんなの……ぜんぶ、伝わってくる……)

 

 

 

 私の腰も、わずかに動きはじめてた。

 

 澪ちゃんの指の動き、声の震え、脚のピンと伸びる反応――

 

 ぜんぶが、私の中にもなぞるように伝わってきて。

 

 

 

 お〇んこの奥が、じんじん、あったかくて。

 

 クリちゃんが、勝手にぴりぴりと反応して。

 

 

 

(……澪ちゃん、もっと感じて……)

 

(そのたびに、わたしも――感じられるの……♡)

 

 

 

 ぱんつの中に指を入れて――澪ちゃんは、自分のクリちゃんをそっと探していた。

 

 教えたとおりに、くちゅくちゅと優しくなぞってる。

 

 

 

 そのとき。

 

 

 

「澪、教えてあげる。女の子は、気持ちいいときは素直に、どこが気持ちいいのか言わなきゃいけないんだよ」

 

 

 

 ――えっ。

 

 

 

 こいつ……。

 

 

 

(……こいつ、スケベの天才かも)

 

 

 

 言葉があまりにも自然で、優しげで、だけど中身は最低だった。

 

 

 

(今だけは……ちょっとだけ、感謝しよ……)

 

 

 

 澪ちゃんのまつげが震えて、ふるふると視線が泳ぐ。

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

「く、クリちゃん……気持ちいい……っ!」

 

 

 

 ぴくん、と腰が跳ねた。

 

 そのまま、何度も繰り返す。

 

 

 

「お〇んこ、気持ちいい……!」

 

「クリちゃん……ぴりってして、きもちい……の……っ!」

 

 

 

 澪ちゃんの言葉に合わせるように、身体が震える。

 

 太ももが内側にきゅっと締まりながら、指先がくるくると円を描いている。

 

 

 

 私はそれを、目を離さずに見つめていた。

 

 視線が、澪ちゃんの唇の動き、まつげの揺れ、指の軌道、震える膝、全部に吸い込まれていく。

 

 

 

(……すごい……)

 

(澪ちゃん、身体じゅうで“きもちいい”って言ってる……)

 

 

 

 その言葉のひとつひとつが、私の中にも染み込んでくる。

 

 

 

 お〇んこの奥が、くちゅっと甘く痺れて。

 

 クリちゃんが、勝手にひくひく動いて。

 

 それだけで――息が、甘くなる。

 

 

 

「っ……ん……わたしも……」

 

 

 

 思わず、声がとろけそうになった。

 

 澪ちゃんの快感が、ぜんぶ私の中を通ってるみたい。

 

 自分が触ってるわけじゃないのに、身体が震えて、汗がうっすら浮いてくる。

 

 

 

 そんな私の顔を、澪ちゃんがふと見上げた。

 

 とろんとした目で、頬を染めて、小さく息を吸って。

 

 

 

「ひまり、ちゃん……これ……」

 

「ほんとに、気持ちいいの……っ」

 

 

 

 そのとき、私は自然に言ってた。

 

 

 

「気持ちいいところ、見てもらったら、女の子は――最高に、幸せになれるんだよ」

 

 

 

 口にして、胸がきゅんと震えた。

 

 言葉の意味が、すとんと胸に落ちたんだ。

 

 

 

(だって、私がそうだもん)

 

 

 

 私も、いつも蒼真に見てもらってる。

 

 私の“きもちいい”を、ちゃんと知ってもらってる。

 

 だから――こんなに幸せで、こんなにとろけて、こんなに澪ちゃんのことまで、感じられる。

 

 

 

 澪ちゃんの快感が、また私の中をくすぐる。

 

 くちゅ、という音のひとつひとつが、私の心の奥に届いてくる。

 

 

 

(――もうすぐ)

 

(いっしょに、いける……♡)

 

 

 

 澪ちゃんの脚が、ぴんと伸びたまま、膝がわずかに内側に震えてる。

 

 肩で息をして、タイツの中の手が止まりかけてはまた動いて、繰り返してる。

 

 

 

(……来てる)

 

(澪ちゃん、もうすぐ……)

 

 

 

 息のリズム、腰の揺れ方、脚の内側の強ばり。全部が、わたしにはもう分かる。

 

 同じ女の子だから――だけじゃない。

 

 今、この瞬間、澪ちゃんの快感がそのまま私にも伝わってきてるから。

 

 

 

 だから私は、あえて聞いた。

 

 

 

「ねえ、澪ちゃん。“イく”って、わかる?」

 

 

 

 その言葉を聞いた瞬間。

 

 澪ちゃんの動きが、びくんと止まった。

 

 

 

「っ……え、え……イく……?」

 

 

 

 目が一瞬見開かれて、そして――溶けていた顔が、急に不安でいっぱいになる。

 

 手は動いてるのに、口元がぶるぶる震えてる。

 

 

 

「なに、これ……わかんない……っ……クリちゃん……きもち、いい……のに……っ」

 

「澪ちゃん、イきたいんだ」

 

「でも……でも、どうやって……? わかんない……しらないもん……っ」

 

 

 

 声が、震えながらも漏れ続ける。

 

 でも指は止まらない。

 

 むしろ、余計にくちゅくちゅと撫で続けてる。

 

 

 

(……ああ、すごい)

 

(“イきかた”がわからないから、余計に気持ちよくなってる……)

 

 

 

 私の太ももも、じわじわ熱くなる。

 

 澪ちゃんの声だけで、クリがじんじん痺れてる。

 

 呼吸が合ってしまって、息が浅くなっていく。

 

 

 

 私は、ゆっくりと顔を近づけて、そっと囁いた。

 

 

 

「だいじょうぶ。教えてあげるから」

 

 

 

 澪ちゃんの耳が、びくんと反応する。

 

 ちゃんと届いてる。聞く準備はできてる。

 

 

 

「“イく”っていうのはね、身体の奥が、ぎゅーってなって、熱くて、止まらなくなって、最後に……ふわって全部、とけることだよ」

 

「クリちゃんがきもちいいって思いながら、そこがぎゅーってなったら……それが、イくってこと」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、潤んだまま、こくんと動いた。

 

 頷いたんじゃない。ただ、吸い込まれてるみたいに。

 

 

 

「だからね、澪ちゃん。“どこでイくか”を言いながら、“イく”って言ってごらん」

 

 

 

 教えてあげる。

 

 ちゃんと、丁寧に、“女の子としての身体の使い方”を。

 

 

 

「そうしたら――イけるよ」

 

 

 

 その言葉を聞いた澪ちゃんの手が――ほんのすこし、速くなった。

 

 指先が、ぱんつの上を、タイツ越しにすりすり、ぬりゅぬりゅと動いてる。

 

 呼吸が荒くなって、口がぽかんと開いて、喉の奥から小さく、熱っぽい音が漏れていた。

 

 

 

「ふ……ぁ……ん……なにか……くる……」

 

 

 

 澪ちゃんの膝がぶるぶる震えてる。

 

 脚がつっぱって、足首がきゅっと曲がって。

 

 その動きのすべてが、私の中にも伝わってくる。

 

 

 

 私の太ももも、じんわり痺れて。

 

 膝の裏がくすぐったくて、背筋がそわそわして。

 

 まるで、澪ちゃんの身体がそのまま、私に重なってるみたい。

 

 

 

(……きてる、澪ちゃん……もうすぐ)

 

 

 

 私は目を細めて、澪ちゃんの指の動きを見守った。

 

 タイツの上から押し当てる指。

 

 紙に書くときと違って、無意識に震えてる指先。

 

 ぱんつの内側が濡れてきてるのが、動きだけで分かる。

 

 くちゅ……って、小さな音がしてた。

 

 

 

「あ、ぅぅ……私も、気持ちいい……」

 

 

 

 あんなにぬるぬるだったら、絶対気持ちいい。

 分かってるから、感じる

 

 タイツのすき間から滑り込ませた指が、くちゅくちゅって音を立てながら、クリをなぞってる。

 

 その指先の震えは、もう明らかに“限界”を超えてた。

 

 

 

「い、く……っ、イく……クリちゃん、で、イく……」

 

 

 

(そうだよね)

 

 

 

 こんなにしているんだから、イってないほうが、おかしい。

 

 

 

「イく……っ、わかんない……けど……っ、イっちゃう……!」

 

 

 

 うわごとみたいに、ずっと呟いてる。

 

 声がどんどん熱くなって、かすれて、途切れて、それでも止まらない。

 

 

 

 顔が紅潮してて、汗が額に滲んでる。

 

 歯がかちかちと小さく音を立てて、身体全体が、ぶるぶると細かく震えてる。

 

 

 

「クリちゃん……きもちいい……イく……イく、イく……イく……イ、くぅ……♡」

 

 

 

 その言葉のひとつひとつが、私の胸の奥に突き刺さってくる。

 

 耳の奥がジンジンして、息が熱くて、口の中が乾いてるのに、喉がふるふる鳴ってる。

 

 

 

「お……ぉ……クリ、ちゃ……イ、く……ぅう……♡」

 

 

 

(……全部、見えてる)

 

(全部、聞こえてる)

 

(全部、感じてる……)

 

 

 

 私は無意識に、両膝を寄せていた。

 

 太ももの内側がじんわり熱い。

 

 腰が浮きそうになるのをこらえるように、スカートの上から、自分の下腹部をぎゅっと押さえた。

 

 

 

「っ、は……ぅ……っ」

 

 

 

 息がもれた。喉から勝手に出てしまった。

 

 澪ちゃんの“イく”が、私の中にもきてる。

 

 

 

「あ……あー……きもち、いいぃ……イく、イく、イく……♡」

 

 

 

 目の前で、澪ちゃんが絶頂の淵でぶるぶる震えてる。

 

 淵。いつでもイけるくらいの気持ちよさで、踏みとどまり続けてる。

 

 

 

 タイツのすき間から覗く指先は、ぱんつの奥でくちゅくちゅとリズムを刻んでる。

 

 そのたびに、私の指の下のクリちゃんもぴくぴく震えてて、もう、境界がわからない。

 

 

 

(澪ちゃんがイったら……)

 

(私もイく……)

 

(だって、今だって、もう……)

 

 

 

「ひ……ぃ」

 

 

 

 ずっと、イくぎりぎり。

 

 膝の内側がぴったり合わさって、呼吸が合わなくなってきた。

 

 視界がぼやけて、耳鳴りがして――

 

 

 

「い、く……イく……イぐ……クリちゃん……イくの……♡」

 

 

 

 その声と同時に――

 

 澪ちゃんの身体が、ぎゅっと縮こまって、大きく、震えた。

 

 

 

 その瞬間――私も、堪えきれなかった。

 

 

 

 下腹部に押し当てていた手が、びくって動く。

 

 脚が突っ張って、太ももが跳ねて。

 

 私のクリが、ぎゅん、と一度きつく収縮して――

 

 

 

 全部、とけた。

 

 

 

「ん……っあ、あ……♡」

 

「おあ……あぁ……イってる……これ、イってるの……♡」

 

 

 

 息にならない声が、喉の奥から漏れた。

 

 何もしてないのに、身体の芯から、ぶわっと熱がこみあげてくる。

 

 

 

(……一緒に……イっちゃった……♡)

 

 

 

 胸の奥がふわふわして、目の奥が熱くて。

 

 私はそのまま、澪ちゃんの背中をそっと抱きしめるみたいに見つめてた。

 

 

 

 今、私たちは――

 

 一緒に、ちゃんと、“イった”んだ。

 

 

 

 澪ちゃんが、一度大きく跳ねるように震えたあと――

 

 そのまま、しばらく膝をぎゅっと閉じたまま、細かく揺れていた。

 

 

 

 でも、数秒後。

 

 その目が、ふるふると潤んだまま、ゆっくりと私を見上げてきた。

 

 

 

 そして――

 

 

 

「ひまりちゃん……見て……♡」

 

 

 

 タイツのすき間から入れた手を、ほんの少しだけずらして、

 

 澪ちゃんは、自分のクリちゃんを私に“見せるように”した。

 

 

 

 その指が、ぱんつの中で、ゆっくりと。

 

 くちゅ……くちゅ……と音を立てている。

 

 

 

「……本当だったの……」

 

「見てもらえたら……きもちいいんだね……」

 

 

 

 その声が、甘くとろんとしていて、まるで夢を見てるみたいだった。

 

 

 

 私は、何も言えなかった。

 

 

 

 でも――ぜんぶ、来てた。

 

 

 

 澪ちゃんの指の圧力、スピード、肌の温度、そして何より、

 

 “見られてること”でさらに火照っていく顔。

 

 

 

 そのすべてが、私の太ももの奥に染み込んでくる。

 

 もう、触れてもいないのに、クリがきゅん、と震えてる。

 

 さっきイったはずなのに、またじんじんと、奥が熱くなって――

 

 

 

「ねぇ……また、イくの……」

 

「クリちゃんで、イくとこ……見てて、ね……?」

 

 

 

 澪ちゃんが、自分からそう言った。

 

 

 

 ふるふると震えながら、息を吐いて、そして――自分の指をまた動かし始めた。

 

 今度は、もっとゆっくり、もっと濃く、もっと“見せつけるように”。

 

 

 

「イく……クリちゃん、きもちいい……また、イくの……」

 

「……ひまりちゃん……見てると、もっと、くるの……♡」

 

 

 

 その声が、わたしの内側を、きゅうって締め付けてくる。

 

 

 

(……全部、わかる)

 

(澪ちゃんのクリちゃん、今どんな風に動いてるか、どんなふうに感じてるか――)

 

(……ぜんぶ、私の中にも来てる……)

 

 

 

 私の膝も、自然と震え始めていた。

 

 スカートの中、もう手を動かしていないのに。

 

 ただ、“見てるだけ”で――私はまた、クリちゃんをびくびくさせてる。

 

 

 

 澪ちゃんのクリが震えるたび、私のも共鳴する。

 

 彼女が「イく」って言うたび、私の奥がギュッと熱くなる。

 

 

 

「んっ……イ、く……っ、クリちゃん……で……また……♡」

 

 

 

 声が弾けて、腰が跳ねて、まつげが濡れて。

 

 

 

 その姿を、私は――見てる。

 

 見てるだけで、感じてる。

 

 自分の中で、まったく同じ波が打ち寄せて、繰り返してる。

 

 

 

(……こんなの、ほんとにもう……)

 

(見てもらえると幸せ――)

 

(ううん、見せてもらえるのも、最高に、幸せ……♡)

 

 

 

 私のクリちゃんが、またぴくん、と跳ねた。

 

 それは、澪ちゃんの“またイく”と、完全に重なってた。

 

 

 

 澪ちゃんの声が、またとろけるように繰り返される。

 

 

 

「クリちゃん……きもち、いい……っ」

 

「クリちゃんで、イくの……また……♡」

 

 

 

 そのたびに身体が跳ねて、太ももがぎゅっと内向きに締まる。

 

 でも――。

 

 

 

 私はその姿を見ていて、ふと思った。

 

 

 

 たしかにクリトリスは、気持ちいいところ。

 

 でも――

 

 

 

(そこ“だけ”が、イくんじゃないんだよ)

 

 

 

 私は、澪ちゃんの耳元に顔を寄せて、そっと囁いた。

 

 

 

「ねえ、澪ちゃん」

 

「クリちゃんって、気持ちいいよね。でもね、本当にイくのは、その奥だよ」

 

 

 

 すごく、いけないことを教える。

 

 

 

「クリちゃんで気持ちよくなると、おまんこの奥がね、ぎゅーってなって――そこが、イくんだよ」

 

 

 

 澪ちゃんの目が、ふるふると揺れる。

 

 聞いた瞬間、何かに気づいたみたいに、表情が変わった。

 

 そして――

 

 

 

「……おまんこの奥……」

 

「なにこれ、なんか……中、きゅんってなって……っ」

 

 

 

 太ももがまたぴくっと跳ねた。

 

 タイツの内側で動く指が、ちょっと深く押し込まれて――

 

 

 

「きもちいい……奥が……っ、なにこれ、イく……!」

 

 

 

 口元が熱っぽく開いたまま、澪ちゃんは再び声を重ねていく。

 

 

 

「クリちゃん……気持ちよくて……おまんこの奥が……イっちゃうの……♡」

 

 

 

 それを聞いた私の下腹部も、またじゅわっと反応する。

 

 

 

 私が教えた言葉で、澪ちゃんが“奥”まで感じてくれてる。

 

 もう、完全にひとつになったみたいな感覚だった。

 

 

 

 このあと、澪ちゃんは自分から「見て」と言って、

 おまんこの奥でイく姿を見せてくれる。

 

 その準備が、今ここで――整っていく。

 

 

 

「……おまんこの奥……イく……♡」

 

 

 

 澪ちゃんの声が、もうとろとろに蕩けてた。

 

 でも、耳に残る響きははっきりしてて――

 

 

 

「奥、イっちゃう……イくの……あー♡ おまんこイく……♡」

 

 

 

 その言葉を聞いた瞬間、私の下腹部も、またギュッと熱くなった。

 

 さっきイったばかりなのに、また、ぴくぴくしてる。

 

 

 

(え、ちょ……むり……)

 

(だめ、もうイけないってば……)

 

 

 

 なのに――澪ちゃんは止まらない。

 

 

 

「きもちいい……またイく……♡ 見て……っ♡」

 

 

 

 タイツの中で動く指がくちゅくちゅって音を立てながら、奥の方まで押し込まれてる。

 

 膝がぶるぶるしてて、つま先が内向きにくるっと揃って。

 

 

 

「おまんこ、奥……♡ イくの……イく、またイっちゃう……♡ ひまりちゃん……見てぇ……♡」

 

 

 

 その声が、波みたいに私を襲う。

 

 

 

「うあ、あ……澪ちゃん……っ」

 

 

 クリちゃんがぴくっぴくっと震えて。

 

 自分で触ってないのに、膣の奥がぎゅんって締めつける。

 

 さっきと同じ感覚が、またぶり返してくる。

 

 

 

(むりむりむり……これ、ほんとに……)

 

(え? なにこの子……この子えっちすぎるんだけど……!?)

 

 

 

 膝を閉じても、腰を引いても、まったく逃げられない。

 

 澪ちゃんの言葉と動きが、そのまま私の神経に直結してる。

 

 

 

「ねぇ……ひまりちゃん、見て……おまんこイくの……♡ 奥、イっちゃうの……また……♡」

 

 

 

 何度も何度も言いながら、澪ちゃんの身体が連続して跳ねてる。

 

 声がかすれて、涙がにじんで、それでもまだ――

 

 

 

「イく♡ またイく♡ おまんこ……奥……あー……っ♡」

 

 

 

 それを見てるだけで、私のクリちゃんもまた痙攣してた。

 

 脚の内側が濡れてきて、制服のスカートの下が熱をこもらせてる。

 

 

 

「っ……あ……ん……♡」

 

 

 

 もう、抗えない。

 

 澪ちゃんと一緒に、私はまた――イった。

 

 

 

 何度目かわからない。

 

 でも確かに、いま、この瞬間も。

 

 

 

 私は、“教えた相手”に、“教えた言葉”で、何度もイかされてる。

 

 

「見て、ひまりちゃんっ、わたし、オナニーできたよ……♡」

 

「……あ、っあ、そっか……♡」

 

 

 それを聞いて、わかった。

 

 澪ちゃんは、今、新しいことを覚えた子供。

 

 

 

「じょうずにイけるよ、奥イく……♡ おまんこきもちいい……っ♡」

 

「うんっ、いい子、いい子だね、えらいねっ」

 

 

 

 じょうずにできたの、褒めてほしいんだ。

 

 

 

「うんっ、うんッ……見てて、また、クリちゃんで、おまんこイくからぁ……っ♡」

 

「うああっ、じょうずすぎ、私も……イっちゃうぅ……♡」

 

 

 

 あー……。

 

 

 

(……今日は、私の負けでいいや♡)

 

 

 

 確かこの時、二人仲良く失神したんだっけ。

 

 蒼真がため息をついた気配だけ、やけにはっきり感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――チャイムが鳴った。

 

 

 

 その瞬間、頭の奥が、ぱちんと切り替わった気がした。

 

 あ、これ催眠っぽいけど違う。

 単にぼんやりしてただけ。

 

 

 

(あー…………――)

 

 

 

 夢から覚めるみたいに、呼吸が現実に戻る。

 

 

 

 目の前では、グラウンドのサッカー部が集合して、最後の礼をしてる。

 

 蓮が小さく手を振ってるのが見えて、私はその手の動きに合わせて、なんとなく片手をあげて返した。

 

 

 

(……なに思い出してたんだ、私)

 

(いじめのこととか、蒼真に変えてもらったこととかは、まあ、いいけどさ)

 

(エロ催眠しまくったこと思い出さなくてもよくない??)

 

 

 

 鼓動が、ちょっとだけ早い。

 

 でもそれは恥ずかしさのせいだけじゃない。

 

 

 

(まあ、蒼真といったらエロ催眠、エロ催眠といったら蒼真だからしょうがない)

 

(すべて、あのスケベが悪い)

 

 

 

 ちらっと澪ちゃんの横顔を見る。

 

 風で髪が揺れて、静かに本を閉じる仕草。

 

 

 

 ――顔、まともに見られない。

 

 

 

(恥っっっず……)

 

(いや、まじで……高校入ってからも、エロ催眠はいっぱいされてるけどね!?)

 

 

 

 サッカー部が散っていく。

 

 蓮が汗を拭きながら駆け寄ってきて、ニコッと笑う。

 

 

 

「見てた? 今日のオレ、わりとよかったろ?」

 

 

 

「うんうん、すごかったすごかったー」

 

 適当に手をひらひらしながら返す。

 

 

 

(ごめんねー、めっちゃえっちなこと考えてたから、ぜんっぜん見てないや)

 

 

 

 にへらっと笑ってる蓮の顔を見ながら、私は内心で舌を出す。

 

 

 

(てかムラムラするわ、こんなの)

 

(収まらないし……帰ったら蒼真にいっぱい抜いてもらお……)

 

 

 

 抜くって我ながらおじさんみたいで面白いんだけど、実際そうとしか言えない。

 

 私はどうやら、他の子より性欲が強いみたいで。

 蒼真も「ひまりは催眠の快感が、全部エッチな感覚と結びついちゃってるね」って言ってる。

 

 悔しいけど本当にそう。

 落ちるだけでイくもん。

 

 

 

(正直、感謝してるよね……)

 

 

 

 蒼真が面倒見てくれなかったら、いろいろ手を出してたと思う。

 

 パパ活? とかそういうの。

 SNSのおじさんは、おっきいおっぱい大好きだしね。

 

 

 

 そういうわけなので、蒼真に抜いてもらわないと私はだめになる。

 

 

 

(……仕方ないじゃん)

 

(澪ちゃんの声で、舌っ足らずに「お〇んこイく」とか……)

 

 

 

 あんなもの思い出しちゃったんだからさ。

 

 

 

 と、そこでもう一つ思い出す。

 

 視線をまっすぐ、れんれんに向けて。

 

 

 

「ねえ、れんれん」

 

「ん? なに」

 

「そーまと、友達になってくれて、ありがとうね」

 

 

 

 私がそう言うと、れんれんはちょっとだけ目を丸くして、それから照れ隠しみたいに鼻の頭をこすった。

 

「……なんだよ、急に。こえーよ」

 

「うふふ、なんでも~」

 

 

 

 隣で本を閉じていた澪ちゃんが、小さく笑った。

 

 

 

「ふふ、そうだね」

 

 

 

 目を細めて、優しく返してくれるその顔に、私はちょっとだけ安心する。

 

 私の言いたいこと、やっぱりこの子にはちゃんと伝わってるんだ。

 

 

 

 ……そういえば。

 

 

 

(――そーま)

 

 

 

 今、この瞬間も――

 

 

 

(……あのスケベ、蓮の彼女に催眠してるんだった)

 

 

 

 思い出して、ちょっとだけ額を押さえたくなった。

 だって、どうせドエロいことしてるに決まってる。

 

 絶対、めちゃくちゃ気持ちよくて幸せにされてるよね、それ。

 

 どうすんのよ、その子まで蒼真のこと好きになったら。

 

 

 

(まあ、人の彼女に手を出すような人じゃないけど)

 

 

 

 なんなら、私ですらまだ手を出してもらえてないんだから、意味わかんない。

 

 でも、あのスケベの天才はそんなことしなくても無限に女の子を辱めることができるんだよね……。

 知ってるんだぞ私は。

 

 

 

 呆れたような誇らしいような、我ながら妙な気持ちで、私は遠くの校舎をちらっと見た。

 

 

 

「……そろそろ、あっちも終わったかな」

 

 

 

 ぽつりと呟いたその一言に、

 

 

 

「っ……!」

 

 

 

 れんれんの肩が、びくっと跳ねた。

 

 

 

「チカ、無事かなぁ……」

 

 

 

「無事ではないでしょ」

 

「うん、無事ってことはないと思う」

 

 

 

 私と澪ちゃんがほぼ同時に言って、れんれんが天を仰いだ。

 

 

 

「さすが蒼真、信用と安心感が違うなあ!! ちくしょう!!」

 

 

 

 その叫びに、ちょっとだけ笑って、私は立ち上がる。

 

 

 

(じゃあ――迎えにいこっか)

 

 

 私たちの催眠術師を、ね。

 

 

 

3件のコメント

  1. 思い出し快感w

    流石に濡らしちゃったりはしてないけれど、催眠をかけてもらった事を思い出すのについでにエロも思い出すとかひまりちゃんは完全に堕ちてますねw

    いくらでも続けられそうではありますが、なんかきりが良い感じでぅね。
    正直、蒼真くんの初催眠とかも見たいところではありますが、まとめて送るとまとめて載るから分けて送ってくださいと言いたいところでぅw(おい)

    であ、次回? も楽しみにしていますでよ~

    1. あ、このお話は約一週間で完結。つまりもうすぐ終わります。

      そして毎週、その週にできた分を送っているし、ここの更新自体が基本的に週1回なので、何をどうしても一週間分まとめて載るのは避けられないのです。
      別に1日で読まなくてもいいではありませんか!!w

  2. えとね、おこられるけど、それでもこれで、こお、ですよ、ありがとうございました。

感想を書く

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。