~ 公彦の場合・桜舞い散る時 ~ ある冬の日の晩、夜空には大きな丸い月が煌々と輝いていた。 雲一つなく、空気も澄み切ったこの夜、月の光は星々の光を打ち消すほどだった。 そんな強い月の下、二つの存在がにらみ合っていた
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短編連作
澱 ~紗依の場合~(後編)
~ 紗依の場合(後編) ~ 「紗依~っ、ゲーセンに行かない?」 放課後、廊下を歩いていると友人の涼が声をかけてきた。 「ごっめ~ん、今日は用事があってさ~」 「またぁ~、この間もそんな事言ってたじゃ~ん」 涼は怒って
もっと読む澱 ~紗依の場合~(前編)
~ 紗依の場合(前編) ~ 「あなたは深く沈む・・・どんどん沈む・・・もう僕の声しか聞こえない・・・」 ゆったりと浮かんでいるあたしにその声が届き、水の上から沈んでいく。 水の中に沈んでいるのに息苦しくなく、むしろ心地よ
もっと読む澱 ~比売子の場合~
~ 比売子の場合 ~ 山が真っ赤に染まる秋の頃。空気が徐々に寒くなり、それに合わせてどんどん澄んでいく。 季節に関係なく街には人が溢れ、そこかしこに暮らしを漂わせている。 綺麗で長い黒髪に、ニキビ一つない肌。モデル
もっと読む澱 ~桜月姫キルシェ・ブリューテの場合~
~ 桜月姫キルシェ・ブリューテの場合 ~ 一人の男が恋をした。 相手は正義のヒロインだった。 エッチとは無縁の究極美少女。その恋は絶望的に思われた。 でも、男はあきらめなかった。 彼女を手に入れる方法を模索し始
もっと読む澱 ~サリアの場合~
~ サリアの場合 ~ 「なんだ、これ?」 少年はそれを手に取りしげしげと眺めた。 少年の手にあるのは古ぼけたランタンだった。 ここはとあるアンティークショップ。いろいろと怪しげなものが所狭しと置いてある。中でも今、
もっと読む澱 ~咲耶の場合~
~ 咲耶の場合 ~ 「ここが例のオカルト研究会ね」 コンコン・・・ 木花 咲耶(このはな さくや)は目的の教室の前に立つと、その閉じられたドアをノックして中に入った。 中には少年が1人、椅子に座って本を読み耽ってい
もっと読む澱 ~美姫の場合~
~ 美姫の場合 ~ コツコツコツ・・・・。 「もう~、なんでこんなに残業が長引くのよ!!」 小倉 美姫(おぐら みき)は歩きながらそう吐き捨てた。 彼女は今年会社に入社したばかりで残業は日常茶飯事だったが、この日は
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