8 風呂上がり。 失神したリスフィーナを脱衣所へと移し、軽く頬をはたくとすぐに復活した。どうやら意識を失っていたのは数十秒程度のことで、脱衣所に抱え込まれた時点で起きていたらしい。 「お姫様抱っこで寝室まで運んで欲し
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触れるだけの口づけを交わし、僕はまた口づけをする。
「心配しないで。2人を傷つけるようなことは、絶対にしないから……」
「………うん、にいさま………」
そう言ったのは、どちらの声だったか………。
竜の血族・外伝 7
7 レオンフィールドのメイド、兼愛人のレミカは、ふと昔のことを思い出していた。 独房――そう呼ぶにふさわしい、無骨な石造りの部屋の中。 冷たい風がひっきりなしに吹き込み、奥歯がかちかちと鳴る。 たった1枚の毛布に
もっと読む竜の血族・外伝 6
6 「ふ……ん………」 人差し指をカギ型に曲げ、小さな唇にあてる。 藍色の瞳に怒りの炎を宿し、彼女は侵入者を睨みつけていた。 「忌々しい」 深夜、さる貴族の邸宅での出来事。 パーティに招待され、護衛を伴って出向い
もっと読む竜の血族・外伝 2
2 熱気が、身体を赤く染め上げていた。 暖炉で燃える炎と、裸を見られていることへの羞恥と、愛しい人に触れていることからの快楽と。 ペチャペチャ……………ピチュ………クチャ……… 1つの竿を分け合うように、左右から
もっと読む竜の血族・外伝 5
5 エイフィーナと――母親を殺した相手と対面した後、レオンはサリアと2人きりになった。 「話していただけますか? 僕の生い立ちのことを」 師を見るレオンの目は、いつになく険しい。 サリアは容疑者だった。 乞食に過
もっと読む竜の血族・外伝 4
4 夜の帳が降りていた。 チキチキチキと、外で羽虫が愛を囁き、無数の夜行性の獣が雑木林を徘徊してガサガサと音を立てる。 奥地と呼ばれるに相応しい未墾の山、ランロルド。標高はそれほど高くはないが、道なりは複雑に曲がり
もっと読む竜の血族・外伝 3
3 王宮を抜け出し、僕は酒場でひとり、ちびちびと飲んでいた。 2時間ほど前に、リスフィから自分の父親が国王ではないことを、僕は聞かされた。 その事実が、僕を躁鬱の沼に浸らせていた。 親、というものに対して、僕には
もっと読む竜の血族・外伝 1
1 触れるだけの口づけを交わし、僕はまた口づけをする。 今、キスをしたのは別の相手と。 ベッドに座る僕。 その左の膝と右の膝。 各々の膝に1人ずつ女の子が座り、僕と交互に口づけを交わす。恋人と初めてするような、
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