「マコト、さん。本当にこんな所で……その、するの?」
 身を硬くしてエリは言った。両手は自分を守るかのように、しっかりとコートの襟元を握り締めていた。
「ふふ、こんな場所でするのが、エリは好きだったじゃないか」

ホントの私

(1) 「うん。この辺がいいかな」  芝生を踏みしめながら、男は周囲を見渡して言った。眩しげに両目を細めていた。  遠方で鳴く野鳥の声が響いてきた。広々と開けた空間を、暖かい春の風が通り過ぎていた。  『N市総合運動公園

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