後編 「どういう…ことだ?」 ぴくりとガラドリエルの眉が吊り上がるが、フランツは頭を下げたまま動かない。 早朝のひんやりとした空気の中、沈黙が部屋を覆う。 そんな中、のそりと身を起こした者がいた。エファリスだ。 「
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アルノー砦は、日が高いにも関わらず暗い雰囲気に包まれていた。
鎧で身を固めた見張りの者も、傷ついた肉体を包帯で覆っている者も、防具や武器についた血や泥をぬぐっている者も、一様に敗北のあまりの重さに頭を押さえつけられて下を向いていた。
La Hache 中編
中編 こんな様子のエファリスを、ガラドリエルはいまだかつて見た事がなかった。 一心不乱にフランツの唇を求め、黒い髪も大きな胸も振り乱して男の体に裸身を擦り寄せる、媚びた『女』としてのエファリスを。有能な副官としての彼
もっと読むLa Hache 前編
前編 アルノー砦は、日が高いにも関わらず暗い雰囲気に包まれていた。 鎧で身を固めた見張りの者も、傷ついた肉体を包帯で覆っている者も、防具や武器についた血や泥をぬぐっている者も、一様に敗北のあまりの重さに頭を押さえつけ
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