そこは魔法と精霊と緑の世界。
 精霊が世界の主であり、人間は辺境に住む被差別種族にすぎない。
 アシュオウは人間だった。
 精霊のように美しく幸福に生きたいと願う、普通の人間だった。

亜種王 第5話

第5話 *  俺の上で嬌声を上げるウィルネを、突き上げる。 「あぁッ! 愛しています、アシュオウ様! 私の体は、アシュオウ様のモノです! この髪の毛の、ひとすじまで、全て、アシュオウ様のオナホです! どうぞ、私の体を、ア

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亜種王 第4話

第4話 *  ガキの頃から、自分は底辺の人間だという自覚はあった。  腹を空かせて泣いていた記憶しかない。他人より多くを食べるために、誰もが必死だった。兄弟すら信用できなかった。いつも汚い顔で食い物を探していた。  精霊

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亜種王 第3話

第3話 *  夜の森。深く誰も踏み込まないような奥地で、わずかな灯りに、ウィルネが立像のように佇んでいる。  鬱蒼とした森の中、俺の欲望に絡め取られた妖精だ。その神々しいまでの姿に目を十分に楽しませてから、俺はボイスコン

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亜種王 第2話

第2話 *  地上に出てみれば、まだ夜も明けてなかった。  PCを通じて、何千年も旅をしてきたような感覚が俺を戸惑わせる。  だが、世界は何一つ変わっていない。  大きく息を吸う。  何度もバイオテクノロジーに汚され、洗

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亜種王 第1話

第1話 * 最初、悪食の神がいた。 神は地上を食べ尽くし、身動きできぬ巨体となった。 それでも満足できぬ神は、人間を作って食べ物を集めさせた。 しかし人間は神の命令に背き、自分勝手に暮らし始めた。 次に神は、精霊を作って

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