(7) あのあと、弘樹はよくコンドームを使うようになった。 生のペニスを求める女たちからは、わりあい不評で、結局つけないことも多いのだが、やはり弘樹としては、妊娠するかどうかの主導権が女だけにあるのが怖いと思う。
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とある村にやってきた一家。
しかし、その村は、みんなで乱交するのが当たり前の村だった。
或る村の記録 第三章
(5) 「加奈ちゃん?」 弘樹が、その名前を聞くのは、初めてだった。 クラスの人じゃないはずだ、弘樹はそう思ったのだが。 「ひきこもり、になるのかな。教室には来てないんだ」 委員長、恵美子の言葉に、弘樹は首をかしげ
もっと読む或る村の記録 第二章
(3) 「ねえ、ちょっと変なことを聞くけど、大丈夫かしら?」 ある日のカウンセリングで、小枝子は弘樹に声をかけた。 「はい、なんでしょう?」 「実は、この村で取れる食べ物には、どこか性欲を高める作用があるらしいのね」
もっと読む或る村の記録 第一章
第一章 (1) 磯貝一家三人が、その村にひっこしてきたのは、春先のことだった。 ひとり息子である弘樹が思っていたことは、ここでうまくやっていけるだろうか、ということだった。 なんだか、自分はいつでも、どこでも、浮い
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