章 之 弐 「虎口」 2 母がみつづけた夢があった。 つらい修行の後、妖げつとの死闘を乗り切ったとき、仙道どものはりめぐらした方陣うちやぶったとき。 母が語った夢。 あの方に”囲”われること……。 それはさちの
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外仙 章之弐「虎口」 1
章 之 弐 「虎口」 1 天翔静理(あまかけしずり)はいらついていた。 なにもかも、思いどおりにいかない。そんな想いが、最近は常につきまとっている。 彼女の人生は、常に順風を受け続けてきた。 上級公務員試験に上位
もっと読む外仙 章之壱「囲」 2
章 之 壱 「囲」 2 そこは、広い部屋だった。 床には、美しい模様が織り込まれた絨毯が敷き詰められている。 奥の方に大きな机が置いてある他は、調度品らしいものは見当たらない。 二人の婦警さんは、阿斗にあやつられ
もっと読む外仙 章之壱「囲」 1
章 之 壱 「囲」 1 ひどくうらびれた感じのする男。 響阿斗を一言で表現すれば、そんな感じだろう。 背広は皺だらけであちこち擦り切れていたし、ネクタイは日にやけて変色していた。 顔立ち自体は悪くない……っていう
もっと読む外仙 章之序「人形」
章 之 序 「人 形」 ついに見つけることが出来た。 殺戒を明けてから、ずっと探しつづけてきた人間を。 3千年かけて造り上げた宝貝(パオペエ)“光輝班”。それを埋め込むための人形を。 いくつか条件があった。まず、
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