第1話 -綾香-
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「ハイ♪諒一、元気?」
朝、高校に行く途中で、見知った背中を見つけた。諒一だ。アタシが元気に朝の挨拶をしたのに、諒一はなんだか反応がニブい。ちょっと、むっとした。幼馴染のアタシが声をかけてるのに、どういうつもりなんだか。諒一の前に回って、顔を覗き込む。
「ん~?元気無いぞぉ、相川諒一!・・・朝からナンカしてたとか?」
「綾香、そんなんじゃないよ。っていうか、下品だよ、それ」
「いいじゃん。別に、誰彼構わず言ってるワケじゃないしね」
「ぼくに言ってるだろ・・・。・・・今作ってる、癒し系のBGMをいろいろ試しててさ・・・」
「あぁ、PCで作ってるヤツね。でも、それで元気が無いって、本末転倒ってヤツ?」
「完成させればいいのさ・・・もう、ほとんど出来てるしな」
ふん・・・とでもいいそうな表情で、諒一がそっぽを向く。せっかく可愛い系の顔なんだから、性格も可愛ければもてるのにね、残念。
「勉強の時に流しておくと、集中力が上がって、効率アップ・・・だっけ?」
「予定では、ね」
「今日は持って来てるの?」
「一応、Mp3プレイヤーに入れてきたけど」
「じゃあ、後で聞かせてよ。アタシ、先に行ってるから」
「ああ」
諒一とは同じ高校、同じクラスになったんだけど、幼馴染って言われるのが嫌らしい。朝、一緒にクラスに入るのも嫌がるんで、アタシは最近は先に行くようにしてる。別に、気にする事じゃないと思うんだけど、この年頃のオトコノコって、難しいのかも。
「おはよう、鈴崎さん。ダンナさんをほっぽっといていいの?」
「あ、田代せんせー、おはようございま~す。で、ダンナじゃないですよ、アレ。そんな事言って、アイツが怒っても知りませんからね」
「そうなんだ?」
朝からそんなバカな事を話し掛けてきたのは、保健室のヌシ、田代先生だ。メガネがカッコイイ知性派(に見える)美人で、体だってすっごくえっちぃカンジなのに、なぜか少しズレてる。でも、そこが好きっていう男子が多いのも事実だけど。アタシも田代先生は気に入ってて、時たま保健室でお茶してる。
「諒一とは、ただの幼馴染ですっ!今更恋愛感情なんて、湧きませんよ」
「そお?ちょっと残念ねぇ」
「なんでそこで残念がるかな、せんせーは・・・」
「うふふっ。保健医なんて、ステキな出会いなんてないんだからね。せめて、高校生の初々しい恋愛を見たいじゃない?」
「初々しいって・・・いつの時代のお話ですか・・・」
「ふふっ。女性に年齢を聞くのは、タブーなのよ」
「いや、そーじゃなくて・・・」
そんな話をしているうちに、明聖高校に辿り着いた。今日もいい天気だ。
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放課後、アタシはブラスバンド部に出る前に、諒一に声をかけた。なんでも、癒し系のBGM・・・諒一は『海の記憶』って呼んでた・・・は、放課後じゃないと聞かせてくれないって事らしいから。周りにはもう誰もいないし、アタシも部活に行かなきゃいけないから、少し強めに話すことにする。
「諒一っ!アタシも部活行くんだから、早く聞かせてよ」
「あぁ、そうだね。・・・これだよ」
そう言って諒一が出したのは、丸っこいイメージのMp3プレイヤーだった。なんだろう?なんだか諒一は少し緊張してるみたいだった。コイツがアタシ相手に緊張するなんて、今まで無かったんだけど・・・。ふぅん、そう言いながらイヤホンを耳に填めて、リモコンで三角マークを押した。
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アタシは気が付くと、自分の部屋にいた。なんだか疲れていて、頭が働かないカンジ。周りを見渡して見ても、やっぱり自分の部屋だ。
「あれぇ?」
それまで自分が何をしてたのか、さっぱり憶えてない。まあ、いっかぁ、なんて思いながら、そのままベッドに倒れ込む。頭のどこかで制服がしわになっちゃうかな、とか考えたけど、疲れたカラダに、今のベッドは凄く魅力的に見えた。
「はぁ・・・」
ごろん。
カラダを転がして、胸が楽になるように仰向けになる。このまま寝ちゃおうかなぁ、とか思ったけど、なんだかもやもやする。さっきうつ伏せに倒れ込んだせいか、胸がうずうずするカンジが残ってる。
「ん・・・」
ぎゅっと制服の上から胸を掴んでみる。ブラの硬さの向こうに、自分の胸の柔らかさが感じられた。中学生の頃は、強い刺激はただ痛いだけだったけど、今は強くするのも気持ちいい。服の上からだと物足りない気がして、左手を服の中に潜り込ませた。ブラをそのままずらした時、硬くなった乳首がカップにすれて、痛いような、気持ちいいような感触にぞくぞくした。
「く・・・んふ・・・」
中指と人差し指で乳首を挟み込むようにして、胸を揉んだ。掌にちょうど収まるくらいだけど、形がきれいで仰向けになっても潰れないアタシの自慢の胸は、左手が動くたびに電気が走るみたいな快感を送ってきた。
「あぁん・・・なんで、こんなぁ・・・んっ!」
いままで、一人えっちをしていて、こんなに気持ち良くなったことはなかった。たまらなく気持ち良くて、カラダが止まらなくて、もっと欲しくなる・・・。無意識のうちに、親指が乳首を転がすように根元を回って、押し潰すように圧力を加える。アタシのカラダがベッドの上で跳ね上がる。
でも、まだ足りない・・・。アタシは右手をゆっくりと下ろして行った。大事な所には直接触れないで、大きく開いたももの内側をさする。早く触れたい自分と、じらす自分が同時にいる・・・。とてもじれったくて、切なさに涙が滲んだ。
「あ・・・もぅ・・・だめぇ・・・」
スカートがすっかり捲くれ上がったはしたない姿で、足を突っ張ってお尻を浮かすと、右手を使ってパンティを脱ぎ捨てた。アタシの愛液を吸って重くなったパンティは、小さく丸まって、ベッドの下にポテッと落ちた。
「はやく・・・はやくぅ・・・ひあっ・・・!」
やっと、中指の先がクリトリスに触れる。その瞬間、感電したかのように、カラダが仰け反った。興奮してすっかり皮から顔を出したクリトリスは、いつもよりも、大きくなっているみたいだった。本当なら、強く触ると逆に気持ち悪くなるのに、今日はいくら刺激しても・・・すればするだけ気持ち良くなった。
つぷっ。
アタシの右手の中指は、そのまま下の唇を押し開き、中に向かって行った。これも、今日が初めてだった。いつもは、胸とクリトリスを刺激するだけで、満足できたから。でも、今日は、カラダもココロも、もっともっとって叫んでる気がした。
さすがに自分の処女を指にあげる訳にはいかないので、途中の浅い所を掻き回す。アタシの処女は、大事なヒトにあげたい、そう思ってるから。その瞬間、ココロに浮かんだ名前を、無意識に口に出していた。
「あん・・・りょういちぃ・・・あっ・・・んぁ!・・・っ!」
その瞬間感じた快感は、今までの快感を全て足した以上に気持ち良かった。頭の中が真っ白になって、カラダ中が快感にバラバラにされそうだった。
アタシのあそこが無意識のうちに締め上げているのか、中指が、まるで唇に力一杯挟まれて、吸い込まれるみたいなカンジを伝えて来る。その唇が中指を締めつける感触に合わせて、背筋が何度もゾクゾクして、アタシは何度も何度もイッていた。
「・・・ひっ・・・あ、またっ・・・ふあっ・・・!」
たまらなかった。カラダ中ががくがく震えるのが止まらない。右手が愛液でぐっしょり濡れるのが感じられた。カラダもココロもどうにかなりそうな、尽きることのない絶頂に、いつしかアタシは気を失っていた。
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翌日も快晴。雲一つ無い青空を見ながら、アタシは登校していた。今日は、朝目が覚めたら、制服のまま寝てたし、昨日のアレで、スカートのお尻の部分が染みになってるしで、なんだか朝からへとへとになってた。
でも・・・気持ち良かったなぁ・・・。
はふ。ちょっと思い出して、なんだかまた切なくなってきたかも。アタシはちょっと内股気味になりながら、そのまま学校へ歩いていった。
「おはよう、鈴崎さん。今日はダンナさん、一緒じゃないの?」
「ひゃっ、あ・・・田代先生、おはようございます」
「その『ひゃっ』って、ナニ?」
「え?な・・・なんでもないですっ」
まさか、朝からえっちな気分になってましたぁ、なんて、言えるワケがない。ちょっと顔の火照りを感じながら、話題を変える。
「そういえばせんせー、最近保健室って、ご盛況なの?」
「ご盛況って・・・?あ、でもそういえば、最近は放課後は静かになったわね」
「あ、やっぱそうなんだ?」
「なんか、理由があるのかしら?」
「ひみつ♪」
「えー、教えてよぉー」
「ひみつですー♪」
なんだか、先生と生徒の会話ってカンジがしないけど、これがアタシが保健室で良くお茶をする理由だ。外見のクールさと、しゃべる内容のアンマッチさが快感なんだよね。ちなみに、最近保健室が静かになった理由は、田代先生の治療がぞんざいだから。アタシは目の前で、筋肉も激しいむくつけき男子が、傷口に消毒液をかけられて、脱脂綿で擦られて、第二校舎にまで聞こえるような悲鳴をあげたのを目の前で見たことがある。いくらクールビューティーに見えても、あくまで中身はおおぼけなのだから、男子が近寄る事を諦めてもしょうがない。
「ねぇー、教えてー。今度保健室に遊びに来たら、とっておきのお菓子だすからー。おいしいんだよ、ほんとだよー」
「子供ですかっ、せんせーはっ!」
「だってぇぇぇぇ」
なんだか、このまま足に縋り付いて、そのまま泣き出しそうだ。さすがに田代せんせー&綾香レズ説とかがまかり通るとコワいから、焦らすのはここらへんまでにしておく。だってココ、通学路だしね。
「判りました。今度お茶しに行ったら、教えたげます」
「鈴崎さん、ほんと?」
「ほんとのほんと。その代わり、お菓子取っといて下さいね」
「うん。大丈夫っ!まーかせて♪」
「・・・なんかそれ、違う・・・」
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そして放課後。なんだか今日は、やけに一日が長かった。原因は、熱っぽいカラダと諒一・・・。アタシのカラダはなんだかずっと興奮してるみたいだったし、昨日オカズにしちゃったせいか、諒一のコトを意識して、ずっと落ち着かなかったし。こんな調子じゃ部活にも身が入らなそうだったから、保健室でお茶しようかと思って立ち上がった。ブラスバンド部って、今の時期は大会もないから、結構融通がきくのがいいところだね。
ふと周りを見渡すと、諒一以外はみんな、教室から出て行ったみたいだった。このままアタシが黙って行くのもヘンだし、軽く声ぐらいはかけとくかな。
「じゃあ諒一、また明日だね」
「・・・」
「・・・諒一?」
返事もしないでアタシを見上げた諒一の目は、なんだか怖い目をしていた。怖くて・・・引き付けられる。アタシは諒一の目を見詰めたまま、動けなくなってしまった。
「憶えて・・・ないんだね?」
「・・・なにを?」
「昨日のコトさ・・・。でも、これで効果があるって確認できたよ。感謝する、綾香」
「何のコト?」
自信なくそう聞くアタシに、諒一はMp3プレイヤーを取り出して見せた。
「コレのことさ。聞きたいだろ?」
「・・・うん。聞きたい・・・」
熱にうなされたように、アタシは虚ろに答えた。なにもかもがどうでもよくて、今、その音楽を聞くことだけしか考えられなくなってた。・・・こくん・・・。物欲しげに、のどが鳴った。
「いいよ。好きなだけ、聞きなよ」
「ありがと」
お礼もそこそこに、アタシはイヤホンを耳に付けた。早く聞きたい・・・そんな思いに震える手で、Playボタンを押す。
寄せては還す、なみのおと・・・蒼い海の底にたゆたい、流れに身を任せる海藻。
アタシはそのイメージに捕らわれ、何も考えられない・・・何も考えなくていい、静かな世界に・・・いた。
───聞こえるかい?綾香
誰かの声がイヤホン越しに聞こえてきた。こくん。アタシの首が緩やかに上下する。何も考えなくていいアタシにとって、この声は絶対だった。
───昨日はちゃんと、オナニーした?
こくん。
───気持ち良かっただろう?
こくん。
───今日から、君は僕のモノになるんだ。
こくん。
───嬉しいだろう?
こくん。アタシの心が悦びに満たされた。アタシは諒一のモノ。身体中が、ぞくぞくするほど嬉しい。
───これから僕の家に行くんだ。
こくん。悦びを顔に張り付けたまま、アタシは立ち上がった。これから、アタシは諒一の家に行く。蒼い海の底を辿って。
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諒一の家で、アタシは色々な事を、ココロの奥底に書き込まれた。なみのおとが聞こえてくるイヤホン越しに、諒一はアタシがなんなのか、なにをすればいいのかを教えてくれた。だから、それは全て本当のコト。アタシは悦びながら、全てを受け入れた。アタシは諒一のものだから。
───お前は僕のモノだ。
───僕の命令は、何でも喜んで従う。
───お前は、僕が大好きになる・・・僕のモノだから。
───僕のモノだ・・・ずっと。
アタシは・・・諒一のモノ・・・。
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MP3Playerが止まってからも暫く、アタシはぼんやりしていた。なんだかとっても嬉しいコトがあったような・・・そんな気がするのだけど。
周りを見渡すと、そこは諒一の部屋だった。数年振りだけど、基本的な作りは変わっていない。アタシはどうやら、ベッドに腰掛けているみたいだった。そして・・・正面のイスには、諒一が座っていた。
「あれ?・・・なんでアタシ、諒一の部屋にいるんだっけ?」
「それは、綾香が僕のモノだからだろ」
「えっ?・・・あ・・・」
諒一に『僕のモノ』・・・そう言われた瞬間に、アタシの背筋を電気みたいな刺激が走った。まるで、イっちゃった時みたいに、ぞくぞくした。アタシのあそこが、熱を持ってぬかるむのが判ったけど、顔に出すワケにはいかない。
「な・・・なによ・・・『僕のモノ』って・・・。アタシを・・・勝手にモノ扱いしないでよねっ」
「そうかい?でも、確かにただの『モノ』じゃないよね。どっちかって言うと、えっちなおもちゃって感じだよね。そんなに顔を赤くしちゃって・・・えっちなコトをして欲しいんじゃないの?」
「そんなコトっ!」
「スカートをめくって、足を広げるんだ。僕が見やすいようにね」
そう言われて、アタシは怒鳴らなきゃいけなかったのかもしれない。でも、アタシのカラダは、諒一に言われた通りに、スカートをめくっていた。・・・違う・・・アタシが見て欲しかったんだ。濡れたあそこを・・・。諒一の命令通りに動くのが、気持ち良くて・・・諒一がアタシのカラダを見つめるのが嬉しくて・・・。
「凄いね・・・。ぐちょぐちょだよ・・・そこ・・・。半分透けて、形が判るよ・・・」「あぁ・・・は・・・恥ずかしいよぉ・・・」
諒一は我慢できなくなったみたいで、ズボンのチャックを開けると、自分の固くなったアレをひっぱりだした。そのまま呆然として見ていたアタシを跪かせると、顔の前にそれを突きつける。
「舐めてよ・・・。歯を立てないでね・・・」
「・・・これが・・・諒一の・・・」
アタシはソレから視線を外せないまま、顔を近付けていった。口を開き、舌を出す。震える舌がソレに、後もう少しで触れる、というタイミングで、諒一は腰を引いてしまった。
「あ・・・」
「そんなに・・・舐めたいの?ヤラシイんだ、綾香って」
「違うの・・・。だって、諒一が・・・」
「僕のせいなんだ?」
「あっ・・・違う・・・違うのっ・・・。・・・アタシが舐めたかったの・・・」
アタシは、諒一が呆れた様に冷たい言葉を言った瞬間に、諒一の腰に縋り付く様にして叫んでいた。諒一に見捨てられたくない、そのことだけしか考えられなかった。アタシは媚びるように上目遣いで、諒一を見上げた。
「お願い、諒一・・・諒一のに、ご奉仕させて・・・ね、がんばるから・・・」
「しょうがないなぁ。いいよ、舐めても」
「嬉しい・・・」
はぁ・・・。熱い吐息を吐きながら、アタシは諒一のソレに顔を近づけた。不思議な匂い・・・でも、ぜんぜんイヤじゃない。歯を当てないように唇だけで先端を咥えると、ソレがびくっとしたのがわかった。諒一も感じてるんだ・・・そう思うと、ソレがとっても愛しく感じられて、舌を使ってご奉仕を始めた。
ご奉仕のしかたを教えてくれたのは、田代先生だ。その時は、絶対にアタシがそんなコトをするワケが無いって思ってたけど、今はとってもありがたかった。そう言えば、フェラチオするっていうよりも、”ご奉仕”するって言った方が、相手が喜ぶっていってのも田代先生だった。教わったコトをぜんぶ試してみた。
先端だけを咥えて、舌で突っついたり、舐めまわしたり。
舌だけで裏側を舐め上げたり。
笛のように、横に咥えて顔を動かしたり。
空気をみっちり吸い込んで、喉の方まで使ってストロークしたり。
アタシの知識にある全てのテクニックを使った。諒一はずいぶんと頑張ったのだろうけど、オンナのコみたいな悲鳴を上げると、アタシの顔に大量に出した。アタシはうっとりとして、舌を出して受けとめた。初めて味わう精液の味は、諒一のだと思うと、とっても美味しかった。諒一のソレを吸い上げると、フローリングの床に落ちた精液を、舌で舐め取った。諒一のだから、床に落ちても汚くない・・・そこまで諒一の為に出来る自分が嬉しかった。ぴちゃぴちゃと、子猫がミルクを舐めるように、床の精液を舐め取った。
諒一は息が収まってくると、ベッドのそばに置いてあったティッシュを数枚とって、アタシの顔や制服についた精液を拭ってくれた。泣きたくなるほど幸せだった。
「すごく気持ち良かった・・・。ああいうテクって、誰かに教わったの?」
「うん・・・田代先生が教えてくれたんだ・・・。将来、必要になるからって」
「へぇ。ヘンな先生だとは思ってたけど、そんな事も教えるんだ?じゃぁ、今度お礼しなくちゃね・・・」
「お礼?」
「それはいいから、続きをするよ。ぜんぶ脱ぐんだ」
「うん」
アタシは制服を脱ぎ始めた。夢中でご奉仕していて気が付かなかったけど、アタシのアソコは凄いことになっていた。さっきもグチョグチョに濡れていたけど、今は滴るほどに濡れてた。セックスするのは初めてだけど、ぜんぜん恐くなかった。それどころか、早く諒一に入れて欲しくて、頭がくらくらするくらいだ。
「アソコを、指で開いて中まで見せてよ」
1回出したからか、諒一は余裕を持って、そう言った。そんな恥ずかしいこと・・・だけど、見て欲しい・・・諒一が見たがってるんだし・・・。悦びと恥ずかしさが混ざった複雑な心境で、アタシはゆっくりと右手の人差し指と中指を使って自分の大事な所を開いた。興奮しておっきくなったクリトリスが掌に触れて、諒一の視線と一緒に快感を送ってくる。
はふ・・・。熱い吐息が自然に漏れた。・・・イヤらしい声・・・。そう思った時、また愛液が溢れるのが判った。もう、諒一に入れてもらうコトしか、頭に無かった。欲しい・・・たまらない・・・。
「ふふ。見られて感じるなんて、綾香はイヤらしいね」
「だって、諒一だから・・・お願い、もう・・・欲しいの!」
「そこに這って、お尻をこっちに向けるんだ」
「・・・こぉ?」
アタシの・・・恥ずかしいところが全部見られてる・・・。アソコも、お尻もぜんぶ・・・。諒一が、見てる・・・。
ぞくっ。また、背筋に快感が走った。アタシ、知らなかった。見られるだけで、こんなに感じちゃうなんて・・・。我慢できなくて、お尻を揺すった。早く、入れて欲しくて、早く、入れてくれるように。
ぐっ、と諒一の手がアタシのお尻を掴んだ。まるで火傷するような熱さを感じて、アタシは身悶えた。そのまま、アタシの熱く濡れたアソコに、熱いものが押し当てられて、ゆっくり入って来た。
熱くて、痛くて、幸せで、気持ち良くて、嬉しくて・・・処女膜を破って一番奥まで来たのを感じると、目からなみだが流れた。
「大丈夫?」
少し、心配気な諒一の声に、アタシのココロに幸せが満ちる。
「だいじょうぶ・・・。もっと、したいようにして、いいよ。アタシ・・・諒一のモノだから」
「判った」
アタシのお尻を掴んでる手に力をこめると、諒一の腰の動きが速くなった。アタシの中で、諒一のが暴れてるのが感じられる。
「ひっ、あぁっ・・・あっ・・・あっ・・・ひんっ・・・ああっ・・・んっ・・・っ!」
もう、自分がどんな声を上げてるかも判らなかった。繋がってる部分から自分が蕩けて、諒一とひとつに混ざり合う、そんな気がした。
「あくっ・・・りょ・・・りょういちっ・・・!・・・スゴイよ・・・あっ・・・りょういち・・・りょういちっ!」
「うぁ、すごいよ、綾香・・・。名前を呼ぶ度、凄く締めつけて来る・・・。もっと・・・呼んでよ・・・僕の名前・・・綾香・・・」
「りょうっ・・・ああっ・・・りょういちっ・・・んっ・・・すき・・・すきぃっ・・・あんっ・・・りょういちっっ!」
「くっ・・・そろそろ・・・イクよ・・・」
「あっ・・・きてっ・・・アタシの中に・・・りょういちっ!」
「うあっ」
諒一が叫んだその瞬間、アタシの身体の奥深くに、諒一の熱い精液が叩き付けられた。溶けた身体が白い光に飲み込まれ、アタシの身体が翻弄される。アタシもなにか叫んだのかもしれないけど、なにも記憶に残らなかった。気が狂いそうになるほどの快感の中、諒一の精液が吐き出される度に、官能の高い波が押し寄せてきて、アタシの意識は刈り取られそうになった。少しずつ波が収まってくると、アタシはフローリングの床に崩れ落ちて、幸せに咽び泣いた。
ゆっくり諒一が抜き出すと、にちゃっていうイヤらしい音と一緒に、精液と愛液の混ざり合った液体が流れ落ちた。抜かれる感触とももを液体が伝う感触が、妖しい快感を伝える。恥ずかしくて、あん・・・と無意識のうちに甘えるような、媚びるような、そんな声をあげてた。
諒一がアタシの顔の方に来て、アタシを見下ろした。アタシが見上げると、諒一はニヤリと笑うと、アレを見せびらかすようにした。
「綾香の中に入れたら、僕のが汚れちゃった。綺麗に舐めとってよ」
「・・・はぁい」
ぞくん。諒一にそう命じられて、また気持ち良くなった。まるで背筋がぞくぞくする感じ。アタシは自分がなんでそう感じるかも、ぜんぜん気にならなかった。ただ、もっといろいろ言って欲しい、いろんなコトを命令して欲しい、それしか考えられない。目を閉じて舌を出したアタシは、だるい身体を起こして、諒一のアレを清め始めた。諒一の匂いや、味、カタチをいつでも思い出せるように、ゆっくりと舌を這わせた。
「いいコだね、綾香。可愛いよ」
「嬉しい・・・」
舌を休めて諒一を見上げると、アタシは一番の笑顔で微笑んだ。汗と涙に濡れた顔で・・・。
「綾香は、僕にとって、何だと思う?」
「アタシ・・・諒一の”モノ”だよ。諒一のためだったら、なんでもできる”モノ”だよ」
「なんでもしてくれる?」
「うん。だから、そばにいさせてね・・・ずっと」
「いいよ・・・ずっとだ」
アタシは、諒一のモノ・・・ずっと。
- 5 -
翌日、とってもいい天気。まるで、アタシの幸せを祝ってくれてるみたい。なんだか、アソコにものが入ってるような、痛いような切ないような感じが残ってるけど、アタシが諒一のモノって証拠みたいに感じられて、ぜんぜん辛くない。
前に、SMっぽい本を友達と見たとき、女のヒトが胸にピアスしてたのがなんでだか判らなかったけど、今だったらアタシもしてみたい気がする。きっと、ピアスすることで、誰のモノなのかをはっきりさせてるんじゃないかな。あ、でも、諒一がイヤじゃなかったらだけど。
「おはよう、鈴崎さん。なんだかさっきから、面白い顔してたよ?」
「おはようございます、田代せんせー。でも、朝から”面白い顔”ってひどいコト言ってません?」
「だって・・・一人でへらへらしてるんだもん」
「へらへらって・・・ピアスしてみようかなって考えてたんですよ。それだけです」
「それはいいけど、学校じゃダメよぉ。そういえば、ダンナさんは?」
「また先生ってば・・・ダンナじゃありませんって!」
「え~?お似合いだと思うんだけどな~」
「たとえお似合いでも、違うんですっ。もぉっ、先行きますからねっ」
「あっ、待ってよ~」
アタシは、田代先生の声を背に、足を速めた。そう、諒一は”ダンナ”なんかじゃない・・・アタシの全て、”ご主人さま”なんだから。
< 続く >