第1話
単身赴任中の父さんを騙してニンペンドーDSiiを買ってもらった。ついでにコツコツと貯めてきた僕のクラブニンペンドーのポイントも、とうとう500を超えた。
これだけ貯めれば、会員特典限定のゲームがもらえるんだ!
僕はさっそく、ニンペンドーの会員向けページへ向かった。
でもサーバーエラー? みたいのしか出なくて、なかなか繋がらない。なんだか変だ。壊れちゃったかな?
パソコンは家族共用だから、僕がおかしくしたって言ったら、またしばらく使用禁止になってしまう。
姉ちゃんに聞いてみようかな?
でももう午前3時。そろそろ寝ちゃったかも。どうしよう。困ったなぁ…。
それでも線を繋ぎ直してみたり、いろいろ挑戦しているうちに、やっとネットに繋がった。だけど…いや、でもこれ違くない?
クラブニンゲンドーって書いてる。ニンゲンドーだって。
黒いし、ホラーっぽいデザインだし、なんか違う。
でもちゃんと会員特典のページあるし。見たことないグッズばかりだけど。僕の持ってるポイント数で、一応ゲームも貰えるみたいだ。
たとえばこのDSii用育成シミュレーションの『ポケットガールズ』ってソフト。
聞いたこともないゲームだけど…詳細を見ると、ニンゲンの女の子を捕まえてコレクションするんだって。
そしてペンでタッチして成長させたり、衣装を着替えることで心も着替えるとか…どういうことだろ? よくわかんない。
他のも見てみたけど、なんだか変なのばかり。
ニンゲンの魂を狩り集めて神を倒すRPGとか、ニンゲンの体をバラバラにして積み上げていくパズルゲーとか、車を運転してるニンゲンの脳を乗っ取って通行人をヒットしながらレースとか、悪魔のようなゲームばかりだ。
グッズも変なのばっかり。
鎌コントローラー専用シャープナーとか、ヨッチーの一夜干し(ピリ辛)とか、どういうことなの? ヨッチー食えるの? 甘いのはないわけ?
これ本当にニンペンドーのサイトかなぁ。それとも欧米向けのページとか?
せっかくポイント貯めたのに、気持ち悪いグッズばっかり。なんだか頭にくる。
でもこれしかないなら、仕方ないか。
レースゲームにしようかちょっと迷ったけど、一番おとなしそうな『ポケットガールズ』を注文して、もう疲れたから寝た。
「…届いたけど」
確かにこれは、僕が昨夜頼んだポイント特典のゲームだ。
でも、それがどうしていきなり僕のパンツの中に入ってるんだろう? 夜中に何があったんだろう?
我が家のサンタさんでさえ、ここまでネジ込んできたことはなかったけど。
包装もなければ、配達票もない。いったい誰が届けに来たの? 姉ちゃんがふざけて入れてったのかな。
“ポケットガールズ”
カラフルでポップなパッケージに、大きくタイトルが書いてある。メーカー表示なし。それどころかニンペンドーの商標もなし。
昨夜は、ついカッとなってクリックしてしまったけど、本当にあそこは正しいページだったんだろうか。あれはいわゆるフィッシング詐欺ってやつだったんじゃないだろうか。
まったく、これだからインターネットは規制するべきだっていうんだ。20才以上は禁止にしろ。ネットやってる大人なんて犯罪者か変態しかいないんだから。
説明書を開いてみる。一応、DSii専用のゲームということにはなっているようだ。カメラ機能を使うみたい。
まず始めに、カメラで女の子の写真を撮る。それで女の子をゲームの中に捕まえたことになるらしい。
あとはその子の体をイジってみたり、用意された衣装に着替えさせたりできる。このへんは昨夜ネットで見たけど、どういう意味かわからない。
要するに、写真に撮った子をこの中で好きにできるらしいんだけど。
昨日も思ったんだけど、改めてよくわからない。それのどこが面白いんだろう? 僕、ゲーム&ウォッチコレクション欲しかったんだけど。ポイント損しちゃったかなぁ。
でも、もう交換しちゃったんだから仕方ない。僕はソフトを差して起動してみた。
メニューから『ポケットガールズ』を選択する。
みたことないメーカーのロゴと、地獄の底から響くような笑い声。
ドロドロしたSEが、ますます恐怖をかき立てる。ジー、ジーとDSiiが不審な音を立てる。
大丈夫か、これ? 壊れないか?
買ったばかりのDSiiにもしものことがあったらヤバイ。母さんに殺される。
不安な気持ちで見守る僕の前で、やがて画面は真っ白な光に包まれ―――
『おっはよー★』
いきなり、脳天気なアニメキャラが登場した。
四頭身にデフォルメされた悪魔の女の子だ。
くりっとした大きなつり目と、牙みたいな八重歯が一本。レオタードみたいな薄手のセクシー衣装だけど、胸はぺったんこ。背中に黒くて小さな羽がパタパタしてる。
悪魔といっても、可愛い感じのキャラだった。
『はじめまして! あなたがこのゲームのマスターなのね! あたしは今日からあなたのパートナーになる、チルルっす! よろしくよろしくー! 2人でいっぱい、ポケガをゲットしようぜー★』
上下の画面の中をめちゃくちゃに跳びはねて、どアップで僕にビシっと指を突きつける。すごい動きがいい。
『まずは、まずはー! このDSiiのカメラで好きな女の子をパパラっちゃおう! 魂をぶった斬る勢いでシャッター切るのがコツだニャー!』
主要キャラクターのくせに全然キャラが固まってないらしく、いまいち不安定でムカつく口調のチルルとかいう悪魔っ娘が、頭の上にクルリと指で丸を描く。
すると、そこから上画面が実写モードで拡がっていく。
カメラ視点の僕の部屋。その下の画面ではチルルが(可愛い子いないかな~?)と、『撮影』と書かれたボタンの上に女の子座りして、実写モードの上画面を覗き込んでいる。小さいお尻から伸びる、細い尻尾をフリフリしながら。
…いきなり始まってるの、これ? 何を、どうすればいいの?
「魁斗ー。いいかげん起きなさいよー」
そのとき、ノックもなしに戸が開けられた。
姉ちゃんだ。何度言っても、勝手に僕の部屋に入ってくるんだ。
「なんだ、起きてんじゃん。何してんのよ?」
どうせ今日は学校休みなんだから、何時に起きたっていいだろ。なんでこんなに偉そうなんだろ、姉ちゃんって。
「あー、また朝っぱらゲームしてー。お母さんに1日1時間って言われてるでしょ」
「ゲームしてないよ。見てただけだよ」
「ウソついてもダメだからね。あんた、ゲームばっかりして勉強しないからバカなんだよ」
母親よりもうるさい小姑だ。自分こそまだパジャマのくせに何言ってんだ。
だらしなくおへそを見せておなかをボリボリする姉ちゃんに、どうせだからと僕はDSiiのカメラを向ける。「変なとこ撮んなよー」と姉ちゃんはピースする。DSii買ったばかりのときは何度も撮りやっこしたから、姉ちゃんは撮られ慣れてる。
画面の中では、チルルが(可愛い子いたよ~!)と嬉しそうに実写画面を指さしていた。確かにまあ、姉ちゃんはみんなに可愛いって言われるらしいけど、でも、そんなの見た目だけの話で、性格は全然可愛くないんだ。中学ん時なんか、すっごく凶暴だったんだぞ。
僕は姉ちゃんにカメラを向けたまま「撮影」ボタンをタッチした。
眩しく画面効果がチカチカして、無愛想っぽくポーズとった姉ちゃんが画面内に収まる。
『ポケガー、ゲットだぜー★』
チルルが画面の中で大騒ぎを始める。
飛び回って、クラッカー鳴らして、くす玉を割って、花火を打ち上げて、ダルマに目を入れて、実家に電話して、写真の姉ちゃんにキスして、僕に向かってチュッチュって唇を突きだして、ハッとした顔をする。
『べ、別に嬉しくなんかないんですからね!』
いや、自分のキャラを模索するのは後回しにして、まず僕が何をしてるのか、きちんと説明して欲しいんだけど。
「それじゃ、私は先に下行ってるからね。お母さんに怒られる前に、あんたも来なさいよ」
姉ちゃんはアクビして僕の部屋を出て行った。
僕は適当に生返事しながら、そっぽ向いてるチルルの後頭部を軽くタッチする。
『あテッ!?』
星が飛び散り、チルルはコケた。じつに良いリアクションだ。
それより、さっさとゲームを進めろ。
『もう、わかったわよ。それじゃ、さっそくゲットしたポケガの調教を開始するね!』
「調教?」
『チルルの部屋へゴー!』
ビシィッと、どアップで指を突きつけたチルルが画面から引くと、背景が昭和のRPG風のドット画面に切り替わった。
そして、そこの中央にあるお城に向かって、同じくドット画になったチルルが2音くらいの寂しい音楽にのって旅をして、ガッガッガッと、城の中へ入っていった。
『到着~!』
また唐突に元に戻った彼女が登場すると、そこはバロック風の豪華な部屋に変わっていた。音楽も落ち着いて華やかなものに変わり、画面もキラキラと綺麗な効果を出している。
でも、よく見ると部屋の中央に敷いてあるラグは某有名クマさんの柄だし、液晶テレビとかあるし、テーブルはコタツの布団抜きだし、細かい生活感であふれまくっていた。
『…男の子を部屋に上げるのは、カイトくんが初めてなんだよ…』
部屋の端っこでモジモジしてるチルルが、そろそろマジウザ。
ていうか、あれ? 僕、いつのまに名前登録したっけ? してないよね?
画面の中では、チルルが楽しそうに飛び跳ねてる。
『それじゃ、さっそく調教の手順を説明するよ! 1回しか言わないから、ちゃんとメモってね! 「HELP」をタッチしてくれたら、何度も同じ説明するから覚えておいてね!』
どっちだよ。
『まずは、さっきゲットしたポケガを召喚します★』
そういってチルルが豪華なタンスを開けると、そこからひょこっと、さっき撮影した姉ちゃんの画像が出てきた。そこだけ実写でなんだか気持ち悪かった。
『次に、あたしの魔法で世界観を統一します★』
姉ちゃんの画像の周りに編集ツールが登場し、超高速で画像が編集・加工され、チルルの『ここまでやりゃあトレースなんてバレっこないだろ!』という掛け声とともに、モデルの特徴を残しつつ、チルルみたいに可愛く萌え絵にデフォルメされた姉ちゃんが登場した。
ていうか、世界観? はたして素材だけの問題か、この世界観?
『さてさて、これで調教の準備はできました! このポケガは今日からチルルの同居人として、この部屋で一緒に生活してもらいます。24時間、いつでも調教可能なわけだな!』
ピョンピョン楽しそうに飛び跳ねるチルルの後ろで、アバター化された姉ちゃんがテクテクと歩き始めた。パジャマのまま歩いてるから、本当にこの部屋の住人みたいに見えた。
『では、さっそく調教はじめようぜ! まずはペンを構えて、彼女に優しくタッチしてみ!』
歩き回ってる姉ちゃんにタッチした。すると、彼女の横にメニューウインドウが開いた。『タッチモード』と『ステータスモード』の2つだ。
『ねえねえ、お兄ちゃん。まずはステータス見てみようよぉ。チルル、パラメータと成長率の配置に、その子の性格と人生を見いだしてハァハァするのだぁい好きー★』
僕は『タッチモード』をクリックする。
『キャー!?』
チルルは悲鳴を上げて小さくなっていった。
そして部屋が暗転し、姉ちゃんのアバターだけが残され、くるくると、ゆっくり回転を始める。
やがて、ひょこっと画面の右下からメガネをかけたチルルが登場し、カタカタとキーボードを叩きだす。
『タッチモードに移行します! ステージ構築60%、対象との接続を開始。神経パルス、問題なし。順調にモード変換中。あたしの想いとは裏腹に!』
姉ちゃんのアバターが回転の速度を上げて、キラキラと星が散り始める。
やがて画面がピカァっと明るくなって、ピンク色のバックになり、チルルの背後でリアルな頭身に戻った姉ちゃんのアニメ絵が、どこかうつろでポワンとした表情で下から登場し、そのまま上下画面を跨いでゆっくりと、全身を写すように視点がスクロールを繰り返し始めた。
『タッチモード、開始だー!』
チルルがキーボードをモニターに突き刺して、ドカンと思い切り蹴飛ばして画面の外に放り出した。そしてメガネもポイと捨てて、マイクを握り、小さな羽根でパタパタと、巨大化(?)した姉ちゃんの周りを飛び回った。
『お待たせしました、お待たせいたしました。タッチタイム、スタートでーす。お触り自由のセクハラ天国。うちの子、たっぷり可愛がったげてー』
キラキラと光の粒が降り注ぐ。姉ちゃんはうつろ状態で空を見つめている。
僕は試しに、ほっぺの辺りを突いてみた。
「あんっ」
ピクンと、姉ちゃんが震えた。しかも、声まで本人そっくりだから、びっくりした。
『その調子、その調子ー』
チルルは『にしし』と笑いながらクルクル回る。
僕は姉ちゃんのほっぺを、もう一度ツンツンした。
「あっ、あんっ」
なんか、エッチっぽい声出して、姉ちゃんが首をすぼめる。ペンを離すと、またボウっと顔に戻るけど、なんとなく目がウルってるし、ほっぺも赤くなってる。
『まだまだー。もっとやれー』
これなんか、エロい。ドキドキしてきた。まるで本当に姉ちゃんをイタズラしてるみたい。僕は首のあたりもペンで擦ってみた。
「やん、あっ、くすぐっ、たい、あっ、はぁ」
小さい頃、よく一緒にお風呂入ったときにくすぐりっこしたから、姉ちゃんの弱点は知ってる。
例えば、この耳の後ろとか。
「んんっ、ダメ、そこ、ダメ、ェ」
鎖骨をさわさわとか。
「きゃんっ、やっ、あふっ、いやぁ…」
なんだか興奮してきた。姉ちゃんにこんなことしていいんだろうか。
でもこれ、姉ちゃんだけど、姉ちゃんじゃないし、なんか、まあ、いいか。もっとやってみよう。
「んっ、はぁ、あっ、あっ、あんっ」
首の回りをいろいろタッチして、姉ちゃんにエッチな声を出させる。チンチンがむずむずしてきた。姉なのにやばい。危険な気持ちになってきた。でも続行する!
「はぁ、はぁ、ダメ、もう、あぁ、はぁ、あぁっ」
姉ちゃん以外の場所をスライドすると、視点をスクロールできるらしい。姉ちゃんの胸のあたりまで下りた。パジャマの胸は結構膨らんでる。そういや、いつのまにか姉ちゃんのおっぱい、大きくなってたよな。
僕はそこをツンと突く。
プルンと、姉ちゃんのおっぱいが揺れる。
「あぁん!」
アバターの姉ちゃんの声が大きくなる。僕はますます興奮してくる。固くなったチンチンを布団に押しつけて、タッチを続行する。
「あ、やぁ、ダメ、胸、しびれるっ、あぁ、しびれるぅ!」
『うっひゃあ。エロいね~、エロいわ~…あテテッ!?』
すげえ。柔らかい。軽く突くだけでプヨンプヨン跳ねる。面白い。僕は夢中になってツンツンする。姉ちゃんのおっぱいをツンツンする。おっぱいの周りを飛んでるチルルの後頭部を間違ってツンツンする。
邪魔だ。ウロチョロすんな。つぶすぞ。
「あぁ、あん! あん! あん!」
胸の真ん中へんがツンと立ってきた。パジャマがそこだけ尖ってた。
僕はそこに集中砲火する。正確無比なクリックで連打する。液晶破れるかもしれない勢いで弾く。スライドする。それに合わせて姉ちゃんが悶える。よがる。悲鳴を上げる。
エロリズムてんごくだ!
『来る! これは、例のヤツが来るよ! 信じられない。まさか初見でここまでタッチモードを使いこなすなんて、カイトくん、恐ろしい子…!』
チルルがシリアスな顔線を入れて小芝居してるが、僕は姉ちゃんのおっぱいバレーでトスを上げるのに忙しくて構ってられなかった。
はじく。はじく。姉ちゃんのおっぱいボタンを、僕はビンビン弾き続ける。
「あぁっ、あぁっ、あぁぁっ…」
『来る! 来るわ! 大変、あたしも準備しなきゃ…!』
画面のキラキラが大きくなってきた。姉ちゃんの顔がエロくて声もすんごく大きくなってた。僕はひときわ大きく、姉ちゃんのおっぱいをビィンと弾いた。
「あぁぁぁーっ!」
姉ちゃんが絶叫して、体を仰け反らせて、下から上へとスクロールする。
『あぁぁーん!』
次にチルルも気持ちよさそうな顔して、姉ちゃんに付いてくる。お前は関係ないだろ。うぜーよ。
蕩けた表情を浮かべるエロ顔の姉ちゃん。その下にあるエロい体も舐めるように画面がスクロールして、さらに、大きな吹き出しがせり上がってくる。
“ヘヴン状態!!”
「あああぁぁぁー!」
そのとき、下の部屋で同じような悲鳴が上がった。そして、お母さんの騒ぐ声がした。
「え、え? なに?」
僕は慌てて下へ降りていく。
「大丈夫、お姉ちゃん! ちょっと、お姉ちゃんってば!」
キッチンでお母さんが姉ちゃんを呼んでいる。姉ちゃんが、苦しそうな顔して椅子から転げ落ちていた。
「ど、どうしたの!? 何があったの!?」
「わかんないわ。急にお姉ちゃん、大声出して倒れたのよ。顔も赤いし、熱でもあるの? 今、お水持ってくるわ!」
「姉ちゃん、しっかりして、姉ちゃん!」
「何でもない…何でもないの…」
僕が抱き上げると、姉ちゃんはピクンと震えて、苦しそうに顔をしかめた。ほっぺは真っ赤だし、息も荒いし、なんだかさっきのポケガの姉ちゃんを思い出して、僕はドキっとした。
そして、激しく上下するパジャマの胸の先端には、ポツンと何かが尖ってて―――。
「…や」
僕の視線を感じた姉ちゃんが、色っぽい仕草で胸を隠した。
「どこ見てるの、魁斗…エッチ」
そう言って、僕を見る瞳の濡れ具合。ほんのわずかに微笑みを浮かべる唇。
僕は全速力で2階へ駈け上がり、布団の上に伏せてあったDSiiを拾い上げる。
「チルル!」
『きゃあ!?』
そこはトイレだった。僕が開いた画面の中で、チルルが衣装を足首まで下げたほぼ全裸状態で、便座に座っていた。
『ノックくらいしてよ、エッチ!』
「ご、ごめん!」
トイレットペーパーが飛んでくる画面を慌てて閉じる。そしてすぐ開く。
「遊んでる場合じゃないんだよ! なんなんだよ、このゲームは! 姉ちゃんはどうなったんだ!? 僕の質問に答えろ!」
『む?』
チルルはコタツでお茶を飲んでいるところだった。
湯飲みをガブっと一呑みして、『よしきた!』と威勢よく応え、ジャンプして一旦画面から消えると、テレビのリモコンを持って降りてきた。
そして『とう!』というかけ声をともに、チルルの部屋のテレビにスイッチが入った。
DSiiの上画面がテレビにクローズアップされる。下画面では、チルルがテレビを見ながらお茶の続きを飲んでいる。
テレビに映ってるのは通販番組風のセット。そこでチルルが、ポケットガールズのソフトを掲げて商品紹介しているところだった。
『ではではー。本日ポケガをゲットして、無事ヘヴン状態まで自力クリアしたカイトくんに、今さらながらゲームの内容を説明しちゃいまーす!』
「ホント、今さらだよな…」
脳天気な音楽が流れるテレビを、僕と下画面のチルルは一緒に眺めている。
『ポケットガールズは、あなたがマスターになってニンゲンさんの女の子をゲットしていくアクマ専用ソフトだよ! ゲットした女の子は自分だけのポケットガールズ略してポケガにすることが出来るにょろ。ポケガはタッチしてあげると、ふわふわ気持よくなってマスターのことが好き好きになるんだなあ。そしてヘヴン状態までイクと1レベルアッピョ! マスター好き好き度とかいろいろ上がるんス。だから一度ゲットしたポケガにはたくさんタッチしてあげて、君だけのヘヴンへ連れてってあげなよベイビー★』
「イライラするから、普通に喋ってくんないかな?」
あちこち飛び回り、変なポーズを決めたりしながら説明するキャラの固まらないチルル。少しは落ち着け。
ていうか、そんなことより今アクマ専用ソフトって言った? さらっと冒頭でそんな爆弾発言を流してた?
これ、やっぱりまともなゲームじゃなかったんだ。アクマ系の生き物が遊ぶゲームなんだ。薄々は気づいていたけど、人間の技術でこんなゲームは作れっこない。
しかも僕、さっきからゲームのキャラと普通に会話してるし。普通にツッコミ入れてるし。
『ポケガのレベルがアップしたり数が増えたりすると、マスターもレベルアップ! 使える機能が増えていくよ! 召喚ボタンに、お着替えモード、デュエルモードなどなどー!』
「召喚ボタンに、お着替え…デュエル?」
『おっと、今はこれ以上ムリですぜ! このゲームの機能はポケガをゲットしてレベルを上げていくうちに、いずれ明らかになるでしょう! カミングスーン待っててね!』
ビシって手のひらを画面に突きつけ、毅然とプレイヤーにゲームの説明を拒否するお助けキャラ。
糞ゲーすぎる。
『とにかく、カイトくんはポケガのマスターになったんだから、あとはひたすらタッチアンドヘヴンですよ。他の機能については、解禁されてから順番に説明しますんでー』
「なんだか…全然わかんないよ。姉ちゃんはどうなったの?」
『姉っちはレベルアップしました! マスター好き好き度と、HP、MP、攻撃力、防御力、すばやさ、かしこさ、いやらしさ、あどけなさとかわいらしさをかねそなえてるさなど、各ステータスが成長したのです!』
「体は何ともないわけ? 姉ちゃん、倒れてたよ?」
『ヘヴン状態は単なる性的なエクスタシーで、有害なものではありません。うちらはホントに超健全なゲームだし、むしろ心と体の健やかな成長を促す3大栄養素の4番目的存在だし、文科省も推奨しちゃってもいいみたいなこと言っております! そんでそのヘヴン状態を何度も経験することによりマスターとポケガの絆は深まり、ポケガ自身も成長します。さらにパーティーの成長に応じてマスターのレベルも上がり、ポケガの使えるお楽しみ機能も増えていき、マスターうはうは、あたしも濡れ濡れっていう寸法なのです★』
「いや、そもそもポケガを成長させてどうするの? そして、僕のこと好き好きにして…それから僕はどうすんのさ?」
チルルは恥ずかしそうに、モジモジとし始めた。
『それはー、チルル女の子だから、よくわかりませーん。ただぁ、さっきのカイトくん、すっごく必死で、なんか可愛かったでーす』
布団に固くなったチンチンを擦りつけてた自分を思い出し、僕も顔が熱くなった。
「これって…ようするに、僕が好きな子集めて、ハーレム作るゲームってこと?」
『身も蓋もねー! でも、大正解ー! このポケガによって、可愛い子ちゃんは全てマスターのモノに! レベルを上げれば上げるほど美しさと忠誠を増すポケガたちによって、マスターの日常がピンクピンクに染まっちゃう! 尽きぬ欲望、堕落の毎日、素晴らしきかなチルルのいる人生! あなたはその終わりなき酒池肉林の宴の中で、必ずやこの白く小さな機体に感謝を献げることでしょう。「持ってて良かった、DSii★」と!』
ぴょんぴょんとチルルが飛び跳ねる。
僕は姉ちゃんの色っぽい顔を思い出す。色っぽい声と、色っぽいおっぱいも思い出す。
確かにあれは…良いものだ。
でもそれは危険だ。異常だ。やっぱりまともじゃない。
僕んちのPCは、あのとき偶然アクマ専用サイトに繋がってしまって…やばいソフトを手に入れてしまったんだ。
「…代償は、何?」
『んー?』
「悪魔のソフトを手に入れて…僕はこれからどうなるの? 魂を取られるの? 死ぬの? ポケガを使ったものは天国にも地獄にも行けないとか、最後に僕もチルルの手でポケガの世界に取り込まれて終わりとか、そんな感じなの?」
チルルは、ニヤリと悪魔的な笑みを浮かべた。
『ええ…あたしたちはこのソフトの代償として……』
ドロドロした音楽が流れる。
僕は思わず息を呑む。
『500ポイントいただきましたー! ゴチでーす★』
チルルは嬉しそうに『500』と書かれたプラカードを掲げた。
『ポイント引換商品ですので、お代も送料も無料でございまーす。ではでは、あとはゆっくりお楽しみくださーい! バイバーイ!』
本当に特典ポイントで貰えちゃったんだ。ていうか、悪魔とはニンペンドーポイントで取引できるんだ。
どうりでこの不況下にも業績伸ばすはずだぜ、あの会社…!
大きく手を振るチルルのテレビ画面がブツンと消されて、下画面のチルルがこちらを振り向いた。
そして、百点満点の笑顔を浮かべる。
『そんじゃ、さっそくレベルアップした姉っちのステータスを確認してみましょう!』
……瞬きするのも忘れていた目を離して、はあ、と息をつく。
大変なものを手に入れてしまった。とんでもない世界に踏み込んでしまった。
でも僕にはもう、このゲームを止める気はなかった。ごきゅりと喉を鳴らして、タッチペンを姉ちゃんのアバターに向かって構える。
深みにはまる一歩を、僕は自らの意思で踏み出していたんだ。
『ステータスモード! シャキーン!』
チルルがスカウターを目に当てて、姉ちゃんのアバターが拡大される。
上画面に細かいステータスが表示される。
Lv2…さっきのヘヴンで、姉ちゃんは1つ成長したようだ。
チルルの説明(うるさいので省略する)によると、各ステータスの数値が現在の能力値で、その横にカッコ書きされてるのが直近のレベルアップによる変更値。
ただそのステータスというが、やたら細かく設定されていて、いやらしさだの、ほほえましさだの、はだねんれいだの、すいーつ(わら)だの、Rボタンでどんどんページ送りしても、全然終わらないんだけど。
『全28ページありまーす!』
多すぎだろ。姉ちゃん図鑑かよ。誰が得するんだよ。
『あぁ…この「ぼせいほんのう」+5と「せわずき」+4の上がりっぷりを見てぇ…姉っちったら、ベタベタお姉ちゃん目指してるぅ』
一番先頭にある「マスター好き好き度」は+10も上がってる。「攻撃力」と「防御力」は+2だ。
他にも「がんめんへんさち」が+2、「やさしさ」や「おしゃれ」が+1など上昇していた。なんと「ばすと」は3ミリアップだ。
さらに「つめたさ」や「どめすてぃっくばいおれんすさ」が減少。「だらしなさ」も減少。
あ、喜べ姉ちゃん、「うえすと」も2ミリ減ったよ。
他にもいろいろ項目はあるけど、「ふじょしど」とか意味のわからないものが多い。
さすがに全部把握する気になれないので分析は数値マニアのチルルに任せるが、確かに姉ちゃんは僕に対して愛情を深めているようだ。
あと、ひとつ気になるものがある。
「チルル…これは何?」
アバター姉ちゃんの頭の上に、キラキラ星が1個、思わせぶりに浮いていた。
『あー! これはラッキーだよ、カイトくん! 姉っちは処女でございまーす!』
「しょ…!?」
『処女スタートの子は初期成長の値が大きいから、最初のポケガに向いてるよ! ちなみに経験人数が1~10人くらいのポケガは伸び方が平均的。10~30人くらいまでは後半爆発タイプ。30人以上は、やめとこうね? 経験人数はステータスの最初のページで確認できるから、覚えとこー★』
チルルの言うように、確かに姉ちゃんの「わたしのうえをとおりすぎていったおとこたち」の数値はゼロになっていた。
そっか。いつも告白されたとかナンパされたとか自慢してたくせに、彼氏いたことないんだ。ざまーみろ。
ちなみにチルルの説明によると、僕(マスター)はポケガの取得経験値の総計でレベルアップするそうだ。
さらにポケガが2人以上いる場合、1人のポケガの取得した経験値の50%を、他のポケガたちも地味に取得する。つまりポケガを増やせば増やすだけ、マスターのレベルも上がりやすくなるらしい。
『ねえねえ、カイトちん。それで次はどうすゆ? お外で別のポケガゲットすゆ? それとも姉っちの調教、続けゆー?』
今日は学校も休みで、天気も雨。
姉ちゃんは、どうするのかな?
「…ホラ、いいから今日は寝てなさい」
「んー、もう、なんともないってのにー」
「貧血なんだから、ちゃんと寝てなきゃダメ。魁斗ー、あんたもさっさとゴハン食べちゃいなさい!」
お母さんと姉ちゃんが僕の部屋の前でそんなこと言ってる。
どうやら今日は姉ちゃんも外出しないで、部屋に閉じこめられるようだ。
僕はさっさとゴハン食べちゃって、姉ちゃんをじっくりレベルアップすることに決めた。
“ヘヴン状態!!”
「あぁーん!」
『ヘヴンきたー!』
隣の部屋から、姉ちゃんのエロい悲鳴が聞こえる。
燃える。タッチモード燃える。
この小さなペンを姉ちゃんのボディラインに沿って滑らせる。
時に強く、時に優しく姉ちゃんの体を攻め立てる。
マイク機能も使えることに気づいた。
そこに息を吹きかけると姉ちゃんがビクンビクンってなる。乱れたパジャマの裾から、おへそを狙ってツンツンする。耳元でフーフーする。
“ヘヴン状態!!”
「あぁーん!」
『本日3回目でーす!』
小刻みな振動を胸に与えて震わせる。パジャマの隙間から白い丘が少し覗ける。そこを狙ってツンツンする。なぞる。円を描いてスライドさせる。
「あっ、あっ、やだ、あぁ、もう、ダメ、あっ、あんっ、あぁっ」
姉ちゃんのエロい声を楽しみながら、お尻をなぞって、前の方に視点を回転させる。
女の子のここも、擦ると気持ちいいらしい。ツンツンする。コシコシする。ブルブルする。
「あっ! やだぁ、あっ、ここ、ダメ、やだ、来ちゃうっ、また、アレ来ちゃう…!」
僕は視点をスクロールさせる。画面を姉ちゃんの耳のアップにする。
くすぐったがりの姉ちゃんが、一番苦手なのはこれだ。僕はマイクに口を近づけて、ウィスパーヴォイスで囁いた。
「…姉ちゃん…」
“ヘヴン状態!!”
「あぁーん!」
『ヘヴンのすし詰め状態やー!』
「おもしれー!」
僕はそうして夢中になってタッチモードを遊び続けた。何度も何度もヘヴン状態で、僕も姉ちゃんのヘヴンタイミングがわかってきた。いつでもヘヴン。ヘヴンヘヴン。ヘヴン姉弟。
このままでは、やり込みすぎて早くに飽きてしまうかも。
『あっ!? ちょっと待ってカイトくん! ストップ! ストーップ!』
「え、なに?」
『シーッ』と指を立てて、チルルは彼女の部屋の窓を開けた。そして僕に『静かにしてて』と小声で言って、外に向かって耳に手を当てる。
…ぱらっぱっぱぱー…
遠くでかすかにラッパの音がした。
『カイトくん、マスターのレベルが上がったよ!』
「小っさ! SE、小っさ!」
『おめでとうございます! 機能が追加されました! 今から『召喚ボタン』が使えるようになりまーす!』
「召喚ボタン?」
『イエス! これはポケガをいつでも自分のそばに呼べる寂しがりやさんスイッチだよ! これで24時間、ポケガはいつでもマスターの招集に応じるようになります。ポチっと押せば最寄りの交通手段ですぐさま参上! ただし強制招集になりますので、お風呂や睡眠中でも呼ばれちゃうんだよ! もしもマスターが「そんなの俺のポケガがかわいそー」とお思いでしたら、コンフィグで召喚ボタンの設定を『いつでも来い』から『常識的に考えて』に変更を。これにしとくと、ちょっと召喚に応じられない時は『ムリムリ』って首を振りますゆえー』
「なるほど」
僕はさっそく、姉ちゃんのアバターにタッチしてみた。『タッチモード』と『ステータス』だけだったメニュー画面に、『召喚』と書かれたメニューが登場する。
どうせ姉ちゃんは隣の部屋で寝てるだけだ。僕は『召喚』をクリックしてみた。
ガチャ。
無言で姉ちゃんが僕の部屋に入ってくる。
乱れたパジャマと、くしゃくしゃになった髪。少しボーッとした顔で僕の目の前まで来ると、トスンとクッションに腰を下ろした。
「ね、姉ちゃん…?」
ボーッとした姉ちゃんが、顔を上げる。
でも、何度呼んでも、こっちを見るくらいの反応はするけど、寝ぼけてるみたいにぼんやりして返事もしてくれない。
うつろな目をしている。
『ちなみにー、召喚されたポケガは、アバターとしてそばに呼ばれたって感じですので、ハッキリとした意識はありません。召喚解除すれば意識は戻りますし、そのときに元の場所に戻してから解除するか、ついでに記憶消すか選べますので、細かいことは全然気にしないでフリータイムー。ではでは、この状態でタッチモードを始めてみましょう!』
「チルル、声大きい!」
『あ、カイトくん焦ってるー。でも大丈夫だお! 今はあたしの声はマスターにしか聞こえませーん。スピーカーを最小にしとけば、ゲームの音声はマスターにしか聞こえない仕様なんです。チルルが放送禁止用語、めっちゃ言っちゃうんでー』
「本当?」
まあ、今さらこのソフトの機能を疑ってもしょうがないので、ぼんやりしてる姉ちゃんの前でタッチモードを起動する。
『召喚中のタッチはリアルモードです。通常は抑え気味なタッチ感覚がダイレクトで本人に伝わるんで、本物とリンクしたタッチモードをお楽しみいただけまーす』
僕は試しに、画面の中の姉ちゃんのほっぺたにタッチした。
「はぅっ」
ポケガの姉ちゃんと、目の前の姉ちゃんが同じように反応し、同じ声を出す。そのままツツッと撫でると、「あぁ、あんっ」と同じ表情で体を震わせる。
そして、僕も震えた。
これはエロい! マジで姉ちゃんがエロい!
「んっ、はぁ、あっ、あっ、あぁ!」
ツンツンとおっぱいを突くと、リアル姉ちゃんのおっぱいもツンツン跳ねる。スライドさせるとブルブル揺れる。アバターと本物の姉ちゃんを何度も見比べて目が乾いてくる。
股間は苦しいくらいに大っきくなってる。僕のタッチで身悶える姉ちゃんがエロすぎてたまんない。
撫でる。はじく。フーフーする。おっぱいと股間を何度もこする。
『さてさて、そろそろタッチモードの真のお楽しみー。各種アイコンをこのへんに置いちゃいまーす!』
どさどさっと、チルルが下画面の隅っこにアイコンをいくつか置いた。
舌。手。羽根。ムチ。先っちょの丸っこい棒っこみたいの。卵形カプセルにコード付けたようなの。
『アイコンをタッチしてカーソルを変えてから、ポケガに触れてみてー。いつもと違う感触に、彼女もめがっさ興奮しちゃうにょろ★』
僕はペンを舌に変えて、姉ちゃんの首スジを撫でてみた。
「ひゃぅぅ!?」
ゾクゾクッと、姉ちゃんが体を震わせる。
羽根で脇腹のあたりなぞると、くすぐったそうに笑う。
ムチでお尻に触れると痛そうに悲鳴を上げて、かわいそうだから止める。
「この棒っこと玉子みたいのは、なに?」
『バイブくんとローターちゃんでーす。詳細については、あとでグーグルさんに聞いてみてー』
「わかった」
履歴の消し方わかんないから、うちのPCであんまり変なの調べたくないんだけど、まあいいや。姉ちゃんに頼まれたって言おう。
僕は舌で姉ちゃんのほっぺたとか首スジとかを舐め回す。姉ちゃんはビクンビクンってすごい反応して声を出す。ポケガ姉ちゃんも、今回は現実とリンクして動きが激しい。攻略難易度が上がった感じ。でも作業自体はすごく楽しい。興奮する。
『手のアイコンですばやく2回タッチすると、手のカーソルが掴む動作に変わるよ。あと、場所によっては特定の動作を示すから、矢印に合わせてスライドさせれやー』
僕は姉ちゃんのふとももを掴む。そのままグッと横に動かすと、姉ちゃんが足を開く。もう片方の足も掴んで、僕に向かって股を開かせる。
パジャマのボタンのあたりで、手のアイコンが摘む形になった。ツンと叩くと、ボタンが外れる。現実の姉ちゃんのパジャマも、なぜか外れる。脱がせるんだ。DSiiで姉ちゃんを裸に出来るんだ。上からボタンを1つずつ外していき、そして、左右にはだけさせる。
「うわ…!」
大きい。なにこれ? 姉ちゃん、いつのまにこんなことになってたの? すごくない?
母さんは知ってるのかな、姉ちゃんがこんなに巨乳だってこと? じゃあ父さんは? 父さんはこれをどう思ってるの?
姉ちゃんのおっぱいは、汗で湿ったパジャマから開放され、呼吸に合わせて大きく上下している。
丸いゴムボールを2つに分けたみたい。ツンと先端がピンク色に張っている。きれいに白くて、柔らかそう。姉ちゃん、グラビアアイドルになればいいのに。
『こ、こんなの邪魔っけなだけなんですから!』
チルルは自分の胸と見比べて唇を噛んでいた。
僕は、ベッドから降りて、姉ちゃんの胸に手を伸ばしていた。
ふにょんてした。ふにょんて。ちょっと力入れただけで、簡単に指が埋まる。でもなんていうか、張りがあって、指を押し戻してくる感触とか、すごくいい。中にいっぱい男の夢が詰まってる感じ。
ぐにゃぐにゃ柔いのに、上向きな乳首は頑張って尖ってて、ちょこんと押したらそこだけクリクリしてて、可愛いし、気持ちいい。
このおモチみたいな感触を、ずっと揉み揉みしたい。乳首をくにくに、ずっとイジっていたい。
ポケットガールズすごい。本当にすごい。こんなエロいことまでできちゃうなんて。
このまま僕の手で、姉ちゃんをヘヴン状態にしちゃえ!
『あ、今はタッチモード中なんで、リアル姉っちは全然感じてないッスよ。おっぱい触るなら画面上で触らないと』
姉ちゃんは、うつろな目で宙を見つめるだけだった。
「…絵に描いたモチかよ!」
『カイトくん、うまいこと言ったー』
うつろな姉ちゃん触り放題ってのも悪くない気もしたけど、レベルアップもしたいので、僕はおっぱいの柔っこい誘惑も堪えて、タッチペンの疑似モミモミで我慢した。
目の前で揺れるおっぱいを、ただ眺めるだけ。
くっそ、ボインボイン。くっそ、ボインボイン!
“ヘヴン状態!!”
「あぁーん!」
『やったー! ゴーゴーヘヴン、どこまでもいこー、ヘーイ、イエー! 矛盾だらけの世の中じゃ良いも悪いも興味はないけど、リアルモードのボーナスで、「せいかん」に+4されたよー!』
僕の「がまんづよさ」も4くらい上がったけどね。
しかし僕は、まだまだ飽きてない。むしろ、モチベーションは超上がってる。
リアルモード燃えてきた。萌え絵姉ちゃんも悪くはないけど、リアル姉ちゃんの方がやっぱりいい。そこらのおっぱいゲーなんてもうバカバカしくて出来ない。目の前でボインボイン揺れるおっぱいに勝るグラフィックなど無いのだ。
僕は姉ちゃんのお尻を画面で掴んで持ち上げる。現実の姉ちゃんも力を失ったまま、お尻を上げて僕に向ける。苦しそうだから顔は横。お尻だけ高く上げてる変な格好。
手アイコンで、パジャマを膝まで下げた。ブルーのトランクスショーツ登場。
ゲームの中のアニメ姉ちゃんも同じパンツはいてる。リアルと同じく、ちゃんと真ん中が濡れてて、お漏らししたみたいだった。
でも、それがおしっことは違うことくらい、僕でも知ってる。女って感じるとマンコ濡れるんでしょ?
でもこんなに濡れるとは思わなかった。何回もヘヴンしてるからかな?
僕はさらに、ショーツも下げる。お尻の割れ目が見えて、そのへんちょっときつそうで、そしてお尻の穴が見えてビックリする。
変な色。ギュッとシワの寄った小さい穴で、ここからウンチとか出るのかと思ったら、おかしな感じ。そういや僕は自分のも見たことない。姉ちゃんのお尻の穴を先に見ちゃった。自分にもあるのに、不思議だね肛門。
もっと下げる。ズズッと、湿った音がして重くなる。僕は、一気に下ろしてしまう。
「うわあっ」
『ひゃああっ』
僕とチルルが同時に声を出した。
これが、姉ちゃんのマンコ。姉マンコ。
でも昔一緒にお風呂入ってたときと、全然違うような。こんなんだったっけ?
『あ…あたしのは、こんなにエロくありませんからね!』
チルルは真っ赤な顔で叫んで、どっかへ逃げてしまった。
姉ちゃんのそこは、ピンク色で、ぷっくりしてて、ちょっと開いて、中身が少し見えてた。トロトロした液体で毛まで濡れていた。
少しショックだった。前に校長先生が僕たち男子を集めて地面に描いてくれたオマンコの絵と全然違くて、ぬちゃぬちゃしてそうで、エロすぎっていうか、リアルは引いた。アバターのアニメマンコの方が僕たちの目には優しかった。
姉ちゃんは悪くないんだけど、なんか、ごめんね姉ちゃん。
「あっ、あんっ、あん!」
タッチペンでツンツン突くと、つぷつぷって音がする。ぐりぐり広げると、姉ちゃんのマンコも形を変える。
くちゅっ、くちゅってヒダが震える。姉ちゃんの声はずっと色っぽくなってる。
心臓がバクバクしてきた。僕のチンチンがギンギンしてる。チルルが周りでハァハァしてる。
『これエロいよぉ、エロすぎるよぉ…』
確かにエロい。怖いくらいエロい。こんなことしていいんだろうか? 大人はみんな、こんなとこ触ったり舐めたりするわけ?
なんか皮膚っぽくない。中身が見えてる。これ、本当はもっと閉じてないとダメなんじゃないだろうか。生々しい。なんて不思議な器官なんだろう。まるで湿地の洞窟だ。僕も昔、こんなところを潜って生まれてきたの? 人は誰しも、生まれたときから旅人なの?
ペンでそこを撫でると、姉ちゃんは気持ちよさそうな声を出して、お尻を震わせる。ビクっ、ビクって痙攣する。
「あぁっ、あぁ…はぅ! んっ、あぁ、やあっ、そこ、あぁ、あぁぁっ」
姉ちゃんのエロ声が、どんどん大きく湿っぽくなってく。
僕はタッチペンのアイコンを舌にして、べろりと舐めあげてみた。
「あああぁぁぁっ」
ビクンビクン! と、姉ちゃんのお尻が跳ねる。
「あぁ…魁斗ぉ…」
「えっ!?」
そして、姉ちゃんが僕を呼ぶから驚いて手が止まった。姉ちゃん、いつから気がついてたの?
でも、チルルは『ちゃうちゃう』と手を振っている。
『姉っちはレベルが相当上がってますし、マスターのことがかなり好き好きであることはデータでも確認できます。おそらく体のエッチな反応に伴い、ついつい彼女はカイトくんのこと考えてしまい、無意識に口にしてしまっただけと思われます』
学者っぽい白衣とメガネでチルルが解説してくれる。
そっか。ずっとタッチしてたから、姉ちゃんは僕のこと好き好きなっちゃったんだ…。
「あぁん! 魁斗、魁斗ぉ…ダメ、姉ちゃんに、そんなこと、しちゃ、ダメぇ、あぁっ、あんっ、魁斗ってばぁ…」
タッチペンで舐めると、姉ちゃんはエロい声出して震える。
そして僕の名前が出るたび、僕は心臓が苦しくなるくらいドキドキする。
姉ちゃん、どんなこと考えてんだろ? 僕にマンコ舐められてるの? それで、気持よくなってるのかな?
「魁斗ぉ…魁斗……」
姉ちゃんのあそこ、ヒクヒクしてる。くいっくいってお尻を上げて、僕のこと呼んでる。
僕は、姉ちゃんのマンコの前で膝をついた。
そして、そこにキスをしていた。
ぬめってした感触。変な匂い。しょっぱい味。でも僕はそこに舌を伸ばす。
くちゅり。姉ちゃんの汁が舌の上に広がる。
手はDSiiでポケガ姉ちゃんのあそこを舐め、リアルでも僕は自分の舌で姉ちゃんのあそこを舐めている。
「あぁッ! 魁斗ッ、魁斗っ!」
姉ちゃんが僕の名を叫ぶ。ゲームと現実の両方で僕を呼ぶ。僕は姉ちゃんに応えるように舌と手を動かす。僕らは犬みたいな格好でエロエロな行為に没頭する。
『ああ、なんてエロいのかしら…もうやだこの姉弟』
くちゅくちゅと姉ちゃんのマンコが汁をこぼす。僕はそれを顔中で受け止めながら、舌を奥へ奥へと伸ばしていく。
恐竜の肛門を舐めてるみたいなこの不思議な味と感触も、慣れれば刺激的な行為だった。
僕の姉ちゃん。僕だけのポケガ。もっと気持ち良くしてあげる。僕がいっぱいマンコ舐めてあげる。
舌を穴の中に入れたまま、僕は思いっきり吸った。タッチペンを、ねじ込むような勢いで動かした。
「魁斗! 魁斗ぉ! 好きっ、好きィィ!」
姉ちゃんのあそこが、僕の舌の上で、ブルブルとすごく震えた。プシッて、顔に汁がかかった。
“ウルトラヘヴン状態!!”
『で、でたー! ウルトラヘヴン状態! 約2,700分の1の確率でしか発生しないと言われる超レアなボーナスヘヴン! 通常のヘヴンの7倍もステータスアップするですよー!』
“ウルトラヘヴン状態!!”
『それが2回連続きたー! これたぶんバグってる! あたしたちバグってるかもですよー!』
「あぁっ、あぁ、あぁっ、あぁーん!」
姉ちゃんが絶叫して崩れ落ちる。僕の顔にいっぱい汁を飛ばして。
僕は呆然と姉ちゃんのお尻を見下ろす。息が苦しいくらい疲れてる。でも、すごい達成感。満足感。
パンツの中が、いつの間にか大変なことになってた。
僕、射精してた。
『カイトくん…姉っち、すごいステータスアップですよ。これはひょっとして、さっそく今夜あたり何かあるかも…うししっ』
チルルが何か言ってるけど、僕はもうヘトヘトで、早く姉ちゃんを帰して横になりたかった。
その夜。
お風呂に入って、パンツをこっそり洗って、僕はさっさとベッドに入って電気を消した。
今日は面白かった。姉ちゃんエロかった。すごい体験した。DSiiは今夜中に忘れず充電中しておこう。
明日は絶対、同じクラスの立花 知佳理(ちかり)ちゃんを僕のポケガにするんだ。
窓際の一番後ろの席で窓の外を眺める、知佳理ちゃんのショートカットとクールな横顔を思い浮かべて、そして今日の姉ちゃんのタッチモードを思い出して、ボッキしちゃう。
どこか冷めてる感じがクラスのみんなから浮いてて、でも勉強もできてキレイな彼女は男子の隠れ人気が高く、かくいう僕もファンの1人だ。
その知佳理ちゃんを、僕だけのポケガにしてイタズラしちゃおう。
想像すると、なんだかまた興奮してきて、なかなか寝つけなくなった。
ガチャリとドアが開かれる。
「え…姉ちゃん?」
暗くてよくわからないけど、そこにいたのは確かに姉ちゃんだ。
じっとそのまま、ドアの向こうで立っている。
「どうしたの、姉ちゃん?」
姉ちゃんが僕の部屋に入ってきた。電気を消したまま、ベッドのすぐそばまで来て、声を潜める。
「…ごめん、魁斗」
「はい?」
布団を剥がされ、姉ちゃんが僕の上に覆い被さるようにして乗ってきた。暗くてよく見えないけど、姉ちゃんは、なんか息が荒くて、怖い顔してるみたいだった。
「え、なになに?」
「魁斗…私、やばいかも」
「いや、なにが? つーか、どしたの? ちょっと、姉ちゃ…んーっ!?」
姉ちゃんの顔が近づいてきて、キスされた。ぶちゅって柔らかい唇がくっついて、離れた。
「ねえちゃ――」
「ごめん、何も言わないで。わかってるから」
「でも…」
「なんかもう、私、頭おかしくなったみたい。今日ずっとあんたのことばっかり考えてた。ドキドキして眠れなくて、魁斗の顔が見たくなって、そんで…あんたに『姉ちゃん』って呼ばれたら、我慢できなくなった。ごめん。キモい姉ちゃんでごめんね。ぐすっ」
「ど、どうして泣くの?」
「…好きだからに決まってんでしょー。弟の、あんたのことが」
そう言って、またキスされる。ちゅっちゅって、何度もキスされる。姉ちゃんの涙が僕の顔にもくっつく。
「少しだけ、我慢して。今日だけだから。約束するから。ね?」
何度もキスして、僕を抱きしめて、柔らかい体が乗っかってくる。大きなおっぱいが僕の胸で潰れる。
「魁斗…好き、んっ、好き…」
僕の唇やほっぺたや喉にたくさんキスされて、くすぐったくて思わず声が出る。
でも、気持ちも良くって、やめて欲しいような続けて欲しいような、苦しいような嬉しいような、不思議な感じ。
姉ちゃんの…女の子の体って、こんなに気持ちいいんだ。
「脱がすよ、魁斗。お願いだから、じっとしてて。痛いことしないから」
姉ちゃんが僕のパジャマのボタンを外していく。左右にはだけられて、肌を上を姉ちゃんの温かい手のひらが這う。くすぐったい。ぞわぞわする。でも、イヤな感じじゃない。
「魁斗…ちゅっ」
鎖骨の辺りに姉ちゃんはキスをして、そのまま僕の体のあちこちにキスをした。胸のあたりとかくすぐったくて、乳首をチュウって吸われたときは、思わず「あっ」て声が出ちゃった。
「可愛い…魁斗、可愛い」
姉ちゃんは僕の乳首をチロチロと舐めた。ぞくぞくって痺れた。舐められて、吸われて、そのたびに声が出た。姉ちゃんは僕の左右の乳首を、レロレロと嬉しそうに角度を変えながら舐め回してて、姉ちゃんのその表情も色っぽくて、僕は頭が沸騰しそうだった。
男でもこんなとこ感じるなんて思わなかったから、気持ち良いんだけど、すっごく恥ずかしい。
だから、お返しに姉ちゃんのパジャマに手をかけた。
「んっ、魁斗?」
姉ちゃんは、驚いて僕を見上げたけど、僕が黙って最初のボタンを外したら、目を閉じて、じっとしてくれた。
僕の上で手をついてる姉ちゃんのパジャマを、1つ1つ外していく。そして、左右に開いたら、電気消しててもわかるくらい白い肌と、大きなおっぱいが目の前に現われた。
ぶるんと揺れて、でかい。さっきも思ったけど、このアングルで見たら余計にでかい。
姉ちゃんは、体を起こして、僕を見て笑った。そして、あっさりとパジャマの上を脱いでしまった。
「…姉ちゃんのおっぱい、見たい?」
髪をかき上げながら微笑む姉ちゃんは、なんだか、ホントに姉ちゃん? って思えるくらい色っぽかった。
僕はそんな姉ちゃんのおっぱいを下から見ながら、唾を飲んで、こくんと頷いた。姉ちゃんは、嬉しそうに笑って、僕に抱きついてきた。
「可愛いなー、もー!」
顔中にキスされて、胸が僕の胸にあたって、そこは柔らかいけどコリっとした場所もあって、さっきモミモミした感触を思い出して興奮してくる。
「いいよ、魁斗。好きなだけ見ていいよ」
そういって、姉ちゃんは僕の顔の上におっぱいを持ってくる。ぶらりと揺れる2つのおっぱい。僕はそこに手を伸ばして、握る。
「うんっ」
姉ちゃんがピクンと喉を反らせる。僕はさらに姉ちゃんのおっぱいを揉む。
「んっ、うんっ、んっ、んっ」
鼻にかかった声を出して、姉ちゃんは僕の好きにさせてくれる。揉んで、乳首をコリコリして、こねた。汗ばんでいく姉ちゃんのおっぱいを、僕は口に含んだ。
「あぁっ!?」
ピンと張った乳首はグミみたいな弾力で僕の舌を押し返す。僕は負けじとチュウチュウ吸う。姉ちゃんくらいでかいとお乳出るかもって思って吸ってみたけど、出てこなかった。でもこの感触はやみつきになる。僕は舌で姉ちゃんの乳首を転がしながら、強く吸って、口に入るだけおっぱい咥えて、べろべろ舐めた。
「あぁん! 魁斗…あぁ…」
姉ちゃんの手が僕のパンツの中に入ってきた。僕のチンチンを掴んで、にぎにぎと確かめるように握って、上下に動き始めた。
マスターべーションするときと同じ動きで、僕は「あぁっ」てまた声出してしまった。
「魁斗、魁斗ぉ!」
姉ちゃんが僕のチンチンをシコシコする。僕が姉ちゃんの乳首をチュパチュパする。しばらくそれを続けて、僕が我慢できないくらいに高まってところで、姉ちゃんはいきなり手を離して、シーツを自分の腰に巻いた。
モゾモゾとその中でパジャマを、たぶんパンツも一緒に脱いで姉ちゃんはベッドから捨てた。
そして僕の下のパジャマもパンツと一緒に脱がして、僕の天井向いてるチンチンを見て「あぁ」と色っぽい声を出した。
「…魁斗のおちんちん…」
姉ちゃんは、さっきと同じように僕のを握った。そしてさっきよりずっと優しい動きで僕のを擦る。
「おちんちん…魁斗のおちんちん…」
僕も、姉ちゃんの腰に巻いてるシーツを取ってやろうと思ったんだけど、姉ちゃんは「ダメ!」って怒って、シーツをお尻に敷いて取れないようにした。ずるい。
「…乗っていい?」
しばらく僕のチンチンを擦ってから、姉ちゃんはそう言って僕の腰の上に乗った。
シーツは巻いたままだから姉ちゃんのアソコは見えないけど、太もものあたりに、生温かくてぬめぬめした感触があった。
「魁斗…セックスって知ってる?」
僕が頷くと、姉ちゃんも安心したみたいに頷いた。
「でも、したことないよね?」
僕は頷く。
「…初めて同士、しちゃおっか?」
姉弟でしてもいいのかな?
ポケガのせいで、姉ちゃんの処女を僕が貰っちゃってもいいのかな?
つーか童貞にそんなことできるのかな?
いろんな疑問が頭を巡るけど、姉ちゃんの、いろんなこと振り切っちゃったみたいな迷いのない表情と、僕の太ももあたりの温かい感触と、未知への好奇心で僕は頷いていた。
「見ちゃダメ」
やっぱり見ちゃダメルールの姉ちゃんはシーツを巻いたまま腰を浮かせて、僕のチンチンの上に自分の腰を合わせた。
僕に覆い被さるようにして、おっぱいがのしかかる。僕のチンチンを姉ちゃんが握る。先っちょが柔らかい部分に触る。姉ちゃんが上にいるから僕からはそこが見えない。姉ちゃんは僕にキスして、「いくよ」と囁いた。
僕はどうすればいいの? なんて思ってる間に、姉ちゃんが「えいっ」と腰を下ろして、先端が何かに埋まった。
「あぁっ!?」
僕たちは一緒に声を出した。僕は気持よくて。姉ちゃんは、なんか苦しそうに。
「姉ちゃん…?」
僕が呼びかけても、姉ちゃんはギュッと目をつぶったまま顔をしかめて、「んんーッ」と呻いて、僕のを中に入れた。
きつくて、ぬめぬめして、少し痛いけど、気持ちいい。姉ちゃんは、僕よりずっと痛そうな顔して、さらに僕のを奥に沈めた。
「あぁッ!」
姉ちゃんは限界みたいで、すごい大きな声を出した。僕が「大丈夫?」って聞いても首を振るだけで、苦しそうに歯を食いしばってた。
でも僕がどけようとすると、ギュウって太ももで僕の腰を掴まえて、逃がそうとしてくれない。
「へへっ…入ったね」
姉ちゃんは、目に涙を浮かべて笑った。
「魁斗…今日はもう、姉弟だってこと忘れよ? ね?」
そして優しいキスをされた。
僕は姉ちゃんの体を抱きしめた。そのままじっとしていた。
「んっ」
そのうち、姉ちゃんの腰が動いた。小刻みに、上下に、僕のチンチンをアソコで擦るみたいに。
「姉ちゃん、はっ、姉ちゃん!」
気持ちいい。すごい気持ちいい。これがセックス。女の子のアソコ。自分でするより、手でしてもらうより、ずっと気持ちいい。
「魁斗っ、んっ、魁斗ォ! んっ、あっ、いっ、いたっ、あっ、あっ」
でも姉ちゃんは苦しそうだった。だから僕は「もういいよ」って言った。でも姉ちゃんはブンブン首を振る。
「最後まで、しないと、ダメなのっ。んっ、魁斗は、どうっ? 姉ちゃんの、気持ちいい?」
僕は「気持ちいい」と言った。姉ちゃんは「そう」と嬉しそうに笑って、腰の動きを速くした。
「魁斗っ、んっ、姉ちゃんも、あっ、気持ちいいからね! んんっ、だから、魁斗は心配しなくていいからっ、気持よくなりなっ」
ぐちっ、ぐちって僕らの繋がってるあたりで音がしてる。姉ちゃんが一生懸命、腰を振ってくれる。
僕は姉ちゃんを抱きしめてキスをした。姉ちゃんは嬉しそうに笑った。
姉ちゃんの舌が僕の口の中に入ってくる。僕も姉ちゃんと舌を絡める。それが気持よくって僕ら姉弟はベロキスに夢中になる。お互いの舌を吸って、舐めて、歯をぶつけてキスをした。
「あっ、あっ、あっ、魁斗、あぁんっ」
姉ちゃんの腰が動いてぢゅぶぢゅぶエロい音がする。僕は姉ちゃんのおっぱいに手を伸ばす。握って、揉んで、乳首摘んでぐにぐにする。
腰がうずうずしてきた。もう限界がすぐそこまで来ていた。
「姉ちゃん、出るッ! せーし、出ちゃうよ!」
「いいよ、出して! 魁斗の精子、姉ちゃんに出して!」
「あっ、あぁ、姉ちゃん!」
姉ちゃんの動きが速くなって、僕はもう我慢できなくて、思いっきり姉ちゃんの中に出してしまった。ビクビクって、腰が跳ねるくらいたくさん出た。
チカチカ、目の前が白くなる。気持ちいい。腰から下が溶けちゃったみたいに。
「あぁっ、出てるのッ!? これが魁斗の精子ッ? あんっ、あぁ、熱いっ、あぁ…気持ち、いい…」
ブルッと体を震わせて、姉ちゃんは、ごろりと僕の横に転がった。二人して、はぁはぁ息ついて、見つめ合った。
姉ちゃんは、上気した頬で笑った。
「しちゃったね」
やっちゃいけないことしたのに、姉ちゃんは楽しそうで、僕も何だか、姉ちゃんとセックスしちゃったのが嬉しくて笑った。
2人でイタズラばっかりしてた小さい頃のことを思い出す。あのときよりずっと洒落にならないことしちゃったけど、でも久しぶりに姉ちゃんと一緒に悪いことをして、なんだか嬉しくなった。
僕たちはキスをする。いっぱい舌を絡ませてキスをする。
姉ちゃんのおっぱいを揉んだ。姉ちゃんは、このおっぱいを「魁斗のもの」って言ってくれた。だからいっぱい揉んだ。吸った。姉ちゃんは僕の頭を抱いて、僕の名前を何度も呼んだ。その切なそうな声が僕をまた興奮させる。
僕は姉ちゃんの上に覆い被さった。さっきと逆の格好で、今度は僕が姉ちゃんのあそこにチンチンを当てた。
姉ちゃんは、「…いいよ」って笑ってくれた。
朝。
くしゃくしゃのシーツにくるまって、ひとりぼっちで目を覚ます。
ぼんやりとした頭で昨夜のことを思い出して、そして、跳ね起きた。
慌ててDSiiのコードを抜いて、ソフトを起動する。
昭和のRPG風な宿屋のカウンターで、ドット絵になったチルルが立っていた。
『ゆうべは おたのしみでしたね』
僕はその額をめがけてペンを突き立てる。
『あテッ!?』
やっぱり、夢じゃなかったんだ。
これ、本物なんだ。
< 続く >