第3話
最近は昼休みと放課後に藤野と練習してる。
藤野は何だかんだラヴラヴ路線に持っていきたがるけど、それを毎回僕がエロエロ路線に魔法で誘導している。
お陰で随分魔法の使い方にも慣れて色々なことがわかった、できる事もちょっとだけ増えたんだよ。あと藤野はエロ関係の技術が向上したし、僕もちょっと慣れてきたからゆっくり焦らしながら藤野の性感帯を時々刺激してやるなんて事もできるようになった。レベルアップってやつさ。ファンファーレみたいな効果音は聞こえないけどね。
色々実験してわかったのが、どんな風にイメージすれば魔法が効きやすいかとか、こういうのはまだ難しいとかね。
具体的にはこんな感じかな。
・単純なイメージだと強くするのも楽で効きやすい。
・相手が普段使うような言葉でイメージした方が効きやすい。
・複雑なイメージは弱くなりがちだけど、重要なポイントを絞ってところどころ強くイメージすれば効きやすくなる。
でもこういうのはまだ上手くできない。
・もともと強く思い込んでる事は新しく書き換えようとしても効果が薄い。でもまったく効かない訳でもない。
・体を思い通りに動かしたり、生理現象を操作するのは難しい。
たとえば微妙に残ってる藤野の羞恥心とかがそうだね。あと膣出ししても大丈夫なように生理周期を操作できないかなって思ったんだけど遅れもしなかった。
でも快感の増幅ってのは結構すんなりできたから、気持ちとか雰囲気とかが大きく関わってる部分は結構融通が利きそう。
生理現象とかは仕組みをしっかり理解して具体的にイメージしないと駄目なのかも。
あと体の動かし方なんてのは普段意識してやるものじゃないしね。そのせいかも。
この辺りまだ発展途上な感が残ってるけど、体の仕組みの勉強とか面倒でちょっと放ったらかしなんだ。
体を直接操作できなくても、そうしたくなるように思い込ませて誘導していけば何とかなるし、膣出しはできないけど飲んでもらったり、まだやってないけどアナル開発って手もあるしね。
取り敢えずあんまり困ってないから自分の中で重要度が低いんだと思う。
それにできる事が増えたからそっちに気を取られちゃってね。そうそう、それだよ。もう凄いんだから。
今まではさ、イメージを植え付けた後に相手の反応とか行動を見て、魔法の効き具合を何となく確かめるしかなかったんだけどね。これからはそんなまどろっこしい事をしなくても済むんだよ。
相手の意識に同調してる時なんだけど、耳を澄ませればその人の考えている事が聞こえる事に気付いたんだ。
お陰で今まで曖昧だった魔法の効き具合をリアルタイムで確認できるし、同調が成功したかどうかもわかりやすくなったんだ。
でも注意しなくちゃいけない事もあってさ。その人の考えている事を聞いている間は、どうにも僕自身がボーっとしちゃうみたいだからいつも以上に僕自身の言動にも注意しなくちゃならない。だから結構疲れちゃうんだよね。
まあ時々確認する程度なら誤魔化すのも簡単だけど長時間は止めといた方が無難って感じかな。
小難しい話はこれぐらいにしとこう。頭が痛くなっちゃう。とにかく藤野と色々試したお陰で魔法の使い方に自信が付いた僕は次の女の子をモノにするべく行動を開始した。
今度の相手は隣のクラスの島村ヨーコ。
剣道部のエースで短くこざっぱりとした髪に涼やかな顔立ち。背も高くてどこか中性的。そんな見た目で自分に厳しく他人に優しいもんだから、周りの女の子に王子様扱いされててラヴレターもらったりもするらしい。
え?帰宅部代表みたいな僕と接点がないだろうって?
まあ確かにあんまりないけど、皆無って訳ではないよ。実は前、文化祭の実行委員をやらされた時に島村も実行委員でさ。それ以来は挨拶を交わしたり、たまにちょっと話したりする程度の仲なんだ。
放課後、藤野に捕まる前に教室を出た僕は少し前を歩いている島村を見つけて声を掛ける。
「よっ、島村。これから部活?」
「やあ、菅原。久しぶりだな。うん、今日も部活だ。稽古をサボるとすぐに腕が落ちるからな」
「相変わらず真面目だな。たまには息抜きしろよ」
話しながら自分の姿をイメージして島村との同調を試みる。
「稽古してる方が落ち着くからな。何なら菅原も入部するか?お前ならすぐに上達する」
こんな感じかな?僕は耳を澄ませる。
「そりゃ買い被りすぎだ。僕じゃ体力が保たないよ」
おかしいな。何も聞こえない。上手くリンクできないぞ、どうしてだ?
「体力は稽古してればじきにつくさ。菅原は集中力があるからな。本気でやればきっと私より強くなる」
仕方なく意識を戻す。もしかして魔法が使えなくなった?ちょっとパニクってきたけど何とか普通に会話を続ける。
「おいおい。エースより強くって、どんな本気だよ。勘弁してよ」
結局同調できないまま下駄箱まで来てしまった。
「残念だな。でも気が向いたら道場に来てくれ、歓迎するぞ。じゃあ、またな」
そう言って島村は靴を履き替えると道場へと歩いていった。適当に相槌を打ち、それを見送る。
何でだろう?全然リンクできなかった。下駄箱の前で考え込んでいると藤野がやってきた。
「あれ?菅原?てっきりもう帰っちゃったのかと思ったけどまだ学校にいたんだね」
ちょっと藤野で確認してみよう。
「あ、うん。ちょっとね」
藤野の視界に切り替えて耳を澄ます。すると声が聞こえてきた。
(教室にいないから探しちゃったよ。でも最近ずっと練習に付き合わせちゃってるけど菅原だって用事とかあるだろうし、あんまり無理言っちゃいけないよね。ホントはビシッと告白してこ、恋人同士ってのになりたいけどやっぱり告白とか恥ずかしいし断られちゃったら今みたいに一緒にいられることもなくなっちゃうかもだし…もうしばらくはこのままでも良いかな)
うん、ちゃんと聞こえる。じゃあ魔法が使えなくなっちゃった訳じゃないのか。僕は意識を戻した。
目の前の藤野を見ると何だかモジモジしている。
「あ、あのさ。菅原、今日は用事あるんでしょ?その、忙しい日は言ってね。あたしも無理には誘わないからさ」
「いや、ちょっと考えごとしてたんだ。別に忙しくはないよ」
「え、じゃあ…」
「『練習』だろ?良いよ。まあ、あんまり遅くまでは駄目だけどね」
「うん!大丈夫!ちょっとの時間でも、うれ、いやあの助かるから」
藤野は健気だなぁ。多分付き合ったら結構尽くすタイプなんだろうな。甘えたりもするけど相手の都合もちゃんと考える感じ。
その健気さに免じて今日はラヴラヴ路線でも許してあげよう。何で島村に効かなかったかも考えたいし、今日は魔法はお休みって事で。
藤野とのエロくない練習を終えて家に帰るといつもより早い時間だった。何だかんだ魔法もセックスも時間が掛かるって事だね。僕は部屋着に着替えるとベッドに寝転んだ。
何で島村には魔法が効かなかったんだろう?いつも通り自分の姿をイメージして島村に同調しようとしたんだけど…。ん?いつも通り?
僕はベッドから跳ね起きる。そうか、わかったぞ!
部屋のドアに駆け寄ると自分の顔ぐらいの高さに鉛筆で印を付ける。片隅に積んである漫画雑誌を数冊引っ掴んで床に置く。うん、確かこれぐらいかな。雑誌の上に立ってドアに書いた印を見る。やっぱりそうか。
藤野の身長は大体僕と同じぐらい。視覚イメージに多少の誤差があってもそれぐらいなら頭脳は誤魔化される。でも島村は僕より背が高い。それを考慮に入れてイメージしないと駄目なんだ。ジャ○プ二冊分は誤差として大きすぎるって事だね。せめてまんがタ○ムくらいの誤差に留めないと駄目だ。
そうとわかればこっちのもの。僕は母さんの部屋から大きな姿見を持ってきて島村から見える僕の姿がどんな感じなのかを夜遅くまで研究した。
次の日、僕はいつもより早く目が覚めた。今度こそ島村が僕のモノになる。ワクワクしてきた。まるで遠足へ行く子供みたいに。しかし下半身を見ると相変わらずちんぽがギンギンだ。流石にここは子供みたいではない。
学校へ着くと下駄箱のところに島村がいる。
「おはよう。島村も今来たとこ?」
「おはよう。いや私は朝練の後だ。菅原こそ早くないか?」
早速試してみよう。僕は昨夜頭に覚え込ませた角度を元に島村が見ている僕をイメージする。
「今朝は珍しく早く目が覚めたんだ」
島村と早くエロいことがしたくてね。僕は視覚イメージを頼りに自分に思い込ませていく。
「そうか。早朝の学校もなかなか良いものだろ?」
良し!今度こそ島村の視界だ。耳を澄ませてみる。いいぞ、何か聞こえてきた。どれどれ…。
(一応朝練の後、シャワーを浴びたが汗の臭いは大丈夫だろうか?)
そういや道場の更衣室にはシャワーが付いてるんだっけ。ていうか島村もそういう事気にするんだ、見た目は中性的だけどやっぱり女の子なんだな。妙に感心してしまう。
「ああ、たまには良いね。毎日だと辛いけど」
さてどうしよう?どんな思い込みでエロに持ち込もうかな?
「ははは、慣れない内はそんなものだな」
僕の返答に笑いながら島村が下駄箱の蓋を開ける。するとヒラリと何かが落ちた。ん?封筒?もしかしてラヴレター?
それを拾い上げた島村は溜め息をつく。
「…またか」
「愛しの王子様へってか。島村は女子に人気あるもんな」
「好かれるのは悪い気はしないが…流石に女の子に恋愛感情は持てない」
「ふ~ん。王子様も大変だな」
「その、何だ…私はやはり女に見えないのか?」
お?これはもしかして使えるかも。僕は早速イメージを植え付ける。単純で強いヤツ。
『もっと女らしくなりたい』
これを軸に島村をいじっていこう。
「う~ん。なんて言うか島村は女とか男とかそういう分類じゃない感じ」
効いてるかな?ちょっと聞いてみるか。
(私がもっと女らしければ、こういう事も減るんだろうな。王子様なんかじゃなく、私はもっとこう…。恋文も女の子からではなく、一度くらい、お、男の人から貰ってみたい)
お。効いてる、効いてる。
「そ、そうか。そう見えるのか…」
良し、イメージを追加しよう。
『女らしくなる方法を菅原に尋ねてみよう。もし知っているのなら是が非でも教えて貰おう』
「菅原、ちょっと聞くが女らしくなる方法に心当たりはあるか?」
「え?何だよ急に。まあ、ないこともないけど…」
「ほ、本当か!?頼む!教えてくれ!」
島村が僕の肩を掴んで揺する。な、何か凄い効き目だな。もしかしたら島村が元々持っていたコンプレックスと噛み合って相乗効果が出たのかも。
「わ、わかった。教えるから、ちょ、落ち着け」
何とか返事すると島村はハッとなって手を離した。
「す、すまない。取り乱してしまった…」
そう言って頬を染める島村は結構可愛かった。
「い、いや熱意は充分伝わったよ。幸い始業まで時間があるし、ちゃんと教えてやるから」
「そうか!有り難い!」
「取り敢えず場所を変えよう。ついて来て」
「ああ、勿論だ!」
やって来たのはいつもお世話になってる屋上へ続く階段の踊り場。階段を昇り切った僕は振り向いてついて来てる島村に言った。
「ここなら誰も来ないから邪魔されずに教えられる」
「そうだな。じゃあ早速教えてくれ」
「わかった、わかった。急かさなくても教えるから。ええっと…女らしさとか男らしさってのはホルモンバランスで決まってくるんだ」
僕は話しながら再び島村に同調し、イメージを送り込む準備を整えた。
「ふむ」
「女性ホルモンが多ければ女らしくなるし、逆に男性ホルモンが多ければ男らしくなる。だから女らしくなりたいなら女性ホルモンがより多く分泌されるよう促してやれば良い」
「なるほど、具体的には何をすれば良いんだ?」
このタイミングがベストかな。
『教えてもらった方法を何が何でも実行しよう。女らしくなる為に私はきっとやり遂げてみせる!』
実はさっき来る途中に聞いた心の声と大体同じ内容。島村のヤツ、結構気にしてたみたい。魔法で更に強く思い込ませて並大抵の事では諦めないように仕向ける。
「色々あるけど、要は自分が女性である事を体に意識させれば良い。そうだな、たとえば男性に胸を揉んでもらうなんてのも良いね」
「む、むねを!?そ、それはちょっと恥ずかしいぞ」
「そうそう。そうやって恥ずかしくなったりする事も重要なんだ」
「そ、そうなのか。それなら仕方ないな。だが…」
「どうかした?」
「女らしくなる為とは言え、気軽に、その、お、男の人に頼めるような事ではないからな。どうしたものかと」
「何だ、そんな事なら僕が手伝うよ。友達が悩んでいるのに黙って見ている訳ないだろ」
そうだ!島村は僕のモノだ!他の男に触らせてたまるか!
「何から何まで…すまないな、菅原」
「気にするなよ。良し、そうと決まれば早速始めようか。島村、脱いで。上だけで良いから」
「こ、このままでは駄目か?」
「さっきも言ったろ?恥ずかしさも重要なんだよ」
「…そうだったな。じゃあ脱ぐからちょっと待っててくれ」
島村は耳まで真っ赤にしながらスルスルと制服を脱ぎ始めた。キュッと唇を引き締めて震える指でボタンを外していく。ブラウスを脱いでしまえば薄い緑色のシンプルなブラジャーが残るのみだ。そこでちらりと僕を見るが目で促すとゆっくりとそれも外していく。
「ぬ、脱いだぞ」
予想してはいたけど島村の胸は小さい。ていうか薄い。微乳ってヤツだ。貧乳とは言わない。人によって解釈の仕方はあるだろうが、少なくとも僕は言わない。その字面に小さな胸を楽しめない心の貧しさを感じるからだ。
「あんまりじっと見ないでくれ。私の胸、小さいから恥ずかしい…」
その調子でどんどん恥ずかしがってくれ。その方が楽しめる。藤野の時は羞恥心をなくそうとしたけど結局なくならなかったし、それに色々やってて思ったけど恥ずかしがってくれる方が萌える気がするんだ。その内また宗旨替えするかもだけどね。
「大丈夫。可愛いよ、島村」
そっとその胸に触れる。
「あぅ」
結構敏感なんだな。でも面白いからもっと感じてもらおう。僕は島村の胸を撫でながら新たにイメージを送り込んでいった。
『なんだ?自分で触る時と全然違う。菅原の指が触れたところが奥からジンジンしてどんどん熱くなっていくぞ。凄くキモチイイ…。もっとずっと触ってもらいたい』
「あ、ん…す、菅原」
「何だい?」
「わ、私を、女にしてくれ」
ヤバい、そのセリフ、ギュンギュンくる!何だよ、その破壊力?核ミサイルか?僕の股間でキノコ型のモノが勃ち上がっちゃうじゃないか!
お返しだ!僕は島村の両乳首を摘み上げる。
「ひぃぁあっ!!」
「どう?キモチイイ?」
「あ、頭が、はぁはぁ、真っ白に、なりそうだ…」
ゆっくりと全体を撫で擦るようにやわやわと揉み上げる。でも感じまくってる島村がふらふら動くせいで時々意図せず乳首に指が当たってしまったりする。そのたびにまた島村が声を上げて体を揺するからその動きで更に乳首が僕の手の何処かしらに擦れて島村がビクンビクンする。何コレ、無限ループ?
もうちょっと楽しんでいたいけどそろそろ時間がないな。僕はベロンと乳首ごと胸を舐めてやった。
「んぁああああ!!」
1オクターブ高い喘ぎ声を上げると島村は膝を折ってその場に座り込んでしまった。逝っちゃったみたい。荒い呼吸の島村はとろけた目で僕を見上げている。
僕は中腰になって島村に服を着せてやる。
「今回はここまでにしておこう。もうすぐ始業時間だ」
「も、もう、終わり、なのか?」
島村は何処か残念そうな素振りを見せる。
「何度も繰り返しやれば『女らしく』なれるさ」
「そう、か…次が、あるんだな。また、頼む」
「任せとけって。さ、教室に行こうぜ」
僕はまだ座り込んでいる島村に手を貸してやった。
どうしよう?余裕ぶっこいて島村と別れたけど、僕のちんぽはまだ興奮状態だ。だって島村の反応と控えめな胸の感触が素敵すぎるんだよ!僕のせいじゃないぞ!
トイレに行って抜いておいた方が良いかな?
いやいや、僕はひとつ上の男。自分でするなんてとんでもない。ムラムラしながら教室に向かうと後ろから声を掛けられた。
「菅原、おっはよー!」
「ああ、藤野。おはよう」
「どしたの?前かがみになって。調子悪いの?」
「いや、ちょっと、その…」
僕はさりげなく大事なところを手で隠す。
「あ…もしかして、そういうこと?」
何て鋭いんだ、藤野!これが恋する女の観察力ってヤツなのか?う~ん、侮れないな。
「ま、まあね」
「ええと、どうしよう?そのままじゃ教室入りづらいよね」
藤野はそう言うとケータイを取り出した。
「ギリギリ間に合うかも…菅原こっち来て!」
「ちょ、引っ張るな。激しく動くと布の感触が!」
僕は慌ててポケットに手を突っ込み位置修正を行う。
しかし藤野は僕を掴んだまま走り出す。僕は仕方なくポケットに突っ込んだ手で内部に空間を作って暴発を阻止する。藤野が僕を連行したのは…女子トイレだった。
「この時間ならあんま人いないから」
「え、ちょ、マジで?」
瞬殺でした。藤野、レベル上がりすぎ。早技すぎて描写できなかった。何だろう、ゲームで後から入ったメンバーにレベルで抜かれた時のような置いてきぼり感がある。
瞬殺とは言え、もう時間はギリギリだ。僕らは早歩きで教室に向かう。隣を歩く藤野に声を掛ける。
「ありがとう、お陰で助かった」
「いーの、いーの。菅原にはお世話になってるし、それにもしかしたらこーいうこともあるかもしれないから練習しといて損はないでしょ」
練習って…藤野はこんな特殊すぎるケースまで想定してるのか?それは一体どんなお付き合いなんだ?
…まあ、良いや。藤野はエロくて可愛い女の子。それで良いじゃないか。でもちょっと悔しいから昼休みに一杯イジメる、エロエロ路線で。
< つづく >