人妻人形日記 五週目②

 

・6月24日(火)

 

 

「んんっ、ふっ」

 

 枕元の艶めかしい声で目を覚ました。

 昨夜、あのまま眠ってしまった僕の隣で、佳織さんは夢を見ているらしく鼻にかかった吐息を漏らしていた。

 うなされている、というよりも悶えている。

 布団の中で太ももがよじれ、僕の足に絡んでくる。

 

「あっ……は、んんっ……」

 

 そして僕の腕に掴まって爪を食い込ませる。

 彼女の唇が口の端に挟まれて柔らかそうに歪んでいた。そして、頬がカーテンに覆われた薄暗い朝日の中でも紅潮しているのがわかった。

 どんな夢を見ているのか、素直な佳織さんは寝顔で教えてくれる。

 僕はゆっくりかと体を起こす。めくれた布団の中で彼女のパジャマは上のボタンが外れて乳房をわずかに見せていた。そして、下を脱いだまま寝てしまったせいで丸見えになっている下着を、もどかしそうに太ももが擦っている。

 

「あぁ…ッ!」

 

 そしてそのお尻は、後ろから誰かに突かれているのかクイクイと誘うように揺れていた。

 彼女の見ている夢の内容を僕は知っている。

 夢ですら僕が彼女をコントロールしている。

 そのことが嬉しくて誇らしくて――興奮する。

 

「佳織さん……」

 

 思わず口にしてしまった僕の声に反応して、佳織さんは目を開けた。

 そしてゆっくり僕の顔を見上げると、ボッて火がついたみたいに真っ赤になって、胸をかばいながら起き上がる。

 

「えっ? え? あれ、あ、私、あのまま寝ちゃって……? ご、ごめんなさいっ」

「いえ、おはようございます。よく眠れましたか?」

「お、おはよっ。うん、ごめん、すぐ朝ごはんの支度するからっ」

「まだ6時前ですよ。もう少し寝てませんか?」

「いやっ、ごめん、私――」

 

 あたふたとパジャマの裾を引っ張りながら言う佳織さんが可愛い。そして朝の生理現象で勃起している陰茎が彼女を抱きたがっていたので、僕はいつものキーワードを彼女にささやいた。

 

「僕の催眠人形」

 

 お人形さんになった佳織さんを、僕はベッドに横たえて質問する。

 

「佳織さん、今朝はどんな夢を見ていましたか。正直に答えてください」

「……セックスをする夢……」

「もっと細かく。正確に教えてください」

 

 言いながら僕は下を脱ぐ。寝起きで固くなっているそれは、目の前の女性に対する性欲でさらに敏感に猛っている。

 コンドームを装着する作業でもう爆発しそうなくらい感じていた。

 

「……貴司くんが、マッサージだって言って私を四つんばいにする。下着も脱がされて、嫌だって抵抗する私の中に強引に入ってくる」

「それはどんなペニスでしたか。教えてください」

「固くて大きくて、すごく熱くて、ふっ」

 

 佳織さんのも濡れていた。夢で僕に犯されて彼女はアソコを濡らしていた。

 これは夢の続き。

 僕らは週末まで夢の世界にいるんだ。

 だから佳織さんのそこも、まるで恋人のを迎えるようにスムーズに僕を飲み込んだ。

 

「あなたが抵抗をしても僕はあなたを犯した。こんな風に犯した。そうですね?」

「ふっ、ふっ、はい、ふっ、ふぅっ、お、犯されました、ふっ」

「それは生で? コンドームを僕はしていましたか?」

「ふっ、して、いない、ふっ、と思います、ふっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ」

「僕のは深くあなたの中に入って、夫でも触ってくれない幸せのスイッチを押した。そうではないですか?」

「はい、ふっ、何度も、ふっ、押され、ました、ふっ、ふっ」

「あなたはそうされてどう思いましたか?」

「いけないと、ふっ、思い、ふぅっ、ました、ふっ」

「どうしていけないと思ったんですか?」

「ふっ、夫よりも、ふぅっ、気持ちよかったから、ふっ、これは、ふっ、いけないと、ふっ」

 

 少し射精してしまった。

 夫よりもよかったと佳織さんの口から聞いて、天国に舞い上がりかけた。

 腰のスピードがますます速くなる。

 

「佳織さん…ッ!」

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ」

 

 彼女の夢を支配した。

 その世界で僕は先輩に勝った。

 僕に犯されて「夫よりもいい」とよがる佳織さんの姿を想像して、どうしようもない甘い征服感に酔いしれる。

 隣人に犯される人妻。

 僕とセックスする夢から覚めて真っ赤になる人妻。

 可愛くて仕方ない。

 愛したくて気がおかしくなる。

 

「佳織さん、気持ちいいですか? 僕に犯されて気持ちいいですか?」

「はい、ふっ、ふっ、ふっ」

「言ってください。夫よりも気持ちいいですか?」

「夫よりも、ふぅっ、気持ちいいです、ふっ、ふぅっ」

「繰り返して。夫よりも気持ちいいって繰り返して」

「夫よりも気持ちいい。ふっ、ふっ、夫よりも気持ちいい。ふっ、ふぅっ、夫よりも、気持ちいい。ふっ、夫よりも、ふっ、気持ちいい。ふっ、ふっ、夫、よりも、ふっ、気持ちいい。ふっ、ふっ、夫、ふっ、よりも、ふぅっ、気持ちいいっ、ふぅっ、ふぅっ」

「あぁっ、佳織さんっ! 佳織さん!」

 

 壊れた自動音声のように繰り返す人妻の体を僕は犯す。

 倒錯的な快楽が寝起きの頭を麻薬のように刺激する。

 背骨が溶けそうなくらい気持ちいい。このまま会社にも行かず彼女を抱き続けたいって心から思う。

 だけどそんなわけにも行かず、僕は混濁した醜い欲望を彼女の中に射精して、そのままぐりぐり彼女の子宮の入り口に擦りつける。

 

「夫よりも気持ちいい。夫よりも気持ちいい。夫よりも気持ちいい。夫よりも――」

 

 最後まで出しきってから、佳織さんの口を閉ざす。

 そして、キスをして命令した。

 

「そのまま眠りついて。目覚ましが鳴るまで寝ていましょう。そして、また夢の続きを見る。僕に犯される夢を。犯されて、夫よりも感じてしまう夢を」

 

 乱れたパジャマと下着を直して、僕は佳織さんの頭を腕に乗せる。

 彼女の火照った体の放つ匂いを吸い込み、その寝顔に幸福な気持ちになる。

 

「んんっ、あっ、んっ、やぁ……」

 

 やがて夢の中で身悶えを始める彼女を抱きしめ、たっぷりと僕の匂いも嗅がせた。

 

 その後、目覚ましの音と同時に目を覚ました佳織さんはやはり真っ赤になってあたふたとし、朝食の席でもずっと恥ずかしそうにして僕と目を合わせづらそうにしていた。

 

「いってきます」

「いってらっしゃ……きゃっ」

 

 出かけの前に抱きしめてキスをする。

 佳織さんは、驚いていたようだけど身を竦まらせるだけで、僕の腕の中でじっとしていた。

 

「も、もう、やめてよ。びっくりした……」

 

 胸を押さえて首元まで真っ赤になる佳織さんの頬に、「ごめんなさい」と謝りながらキスをする。

 佳織さんは「だめだってば」と言いながら、僕に抱きしめられたままでいる。

 

「……遅刻しちゃうよ」

「もう少しだけ」

 

 わがまま言って人妻を抱きしめ続ける僕に、困ったように佳織さんは僕の服の裾を掴む。

 でも、そろそろ自分の部屋に戻って準備しないとと本当にまずい。

 そう思って体を離すと、佳織さんは目元を赤くして僕の顔を見上げていた。

 たまらなくなって、またゆっくりと顔を近づけていく。

 佳織さんは、そっとまぶたを閉じるだけだった。

 

 仕事中もずっと上の空だった。

 今朝の可愛い佳織さんの姿が何度も浮かんでにやけそうになる。

 帰ったら、まず優しくキスをしよう。そして抱きしめて好きだって言おう。

 どれくらいあなたのことを好きなのかって、この気持ちを余すことなく告白したい。

 だけど、佳織さんに「おかえりなさい」と照れくさそうに微笑まれた瞬間に、僕の感情は爆発して彼女の肉体を求めた。

 

「んんんっ、んっ、ぷはっ、ん、ちゅっ、だめ、んんっ、どうしたの、貴司くん、んんっ」

 

 キスをして、彼女のエプロンを剥ぐように奪い取る。

 そして、服にも手をかける。

 

「ま、待って。自分で脱げるから、ねっ、落ち着いてよ、あっ、んんっ、キスも、ダメだってば、ちゅぷっ、んっ、ねえ、落ち着いて、あんっ」

 

 僕たちが2人きりのときは下着姿になる。

 そのことを常識のように思い込ませてはいても、当然ながら僕に脱がされることには抵抗がある。

 だけど、その手順もルールも今の僕にはもどかしい。強引に彼女の服を奪い、僕自身も脱いでいく。

 

「マッサージをしたいだけです。今日はずっと佳織さんのマッサージがしたかった。だから、いいですよね?」

「じゃ、じゃあ、リビングで、んんっ、して? こんな場所で、いきなり、あんっ、変だってば。やっ、恥ずかしいから、んんっ、脱がされるのは恥ずかしいからっ、んんっ」

「いつも僕の前で脱いでるじゃないですかっ。手伝ってあげてるだけです、早く脱ぎましょうっ。僕のマッサージ、気持ちいいですよねっ」

「き、気持ちいいけどぉ。んんっ、なんだか、すごい、恥ずかしい……強引にされるの、恥ずかしいってば、んんっ、ちゅっ」

 

 真っ赤になった佳織さんを抱きしめてキスをする。素肌を重ねて体温を感じ合い、唇を吸う。

 佳織さんはポニーテイルだった。そのうなじを撫でながら僕はキスをして、床に押し倒した。

 

「あ……貴司くん」

 

 これから犯される格好で足を広げ持って腰を寄せてくる僕に、佳織さんは複雑そうに眉根を詰めて目を細める。

 いつものマッサージと言いつつ、家に入っていきなりレイプのように服を脱がせて押し倒してきた僕に、彼女の中の常識は対処しきれず疑問が数々浮かんでいるはず。

 だけど、佳織さんは僕がどうしても『マッサージする』という意思で自分の股を開いていることに、観念したように力を抜いた。

 

「お願い、乱暴はしないで……優しく、マッサージして?」

 

 僕の熱く猛りきった陰茎を彼女の陰部に押し当てると、「あっ」と仰け反って白く無防備な喉を見せた。

 ゆっくりと腰を動かすと、佳織さんは「はぁっ」と体をくねくねさせて肩をゴツンと床に当てた。

 きっとフローリングの床は固くて冷たい。それなのに、僕のために体を任せる彼女への気持ちがじわりと胸を熱くする。

 

「すみません、佳織さん……どうしても我慢できなくて」

 

 謝りながらも腰は止まらなかった。

 彼女のそこも熱くなっていて、僕のマッサージに下着越しの体温を伝えてくる。

 

「いいよ……んっ、貴司くんがどうしてもっていうなら」

 

 マッサージの意味が、彼女の中で変化をしているのかもしれない。こうして何度も佳織さんにマッサージと称して素股セックスをしながら僕は気持ちいいと言ってきた。

 2人で気持ちよくなるマッサージ。そんな風に彼女は理解している。

 うっとりと微笑みながら、「気持ちいい?」と佳織さんは僕に尋ねてきた。

 

「はい……気持ちいいです。佳織さんとマッサージするの、本当に気持ちいい」

 

 嬉しそうに体をくねらせて、佳織さんは「あぁん」と甘い声を出した。

 手を絡ませると彼女の方から指をしっかりと絡めてくる。

 そして、胸を触ると突き出すように仰け反るんだ。

 

「佳織さんも、気持ちいいですか…ッ!」

「うんっ、気持ちいいっ。あっ、あんっ、貴司くんのマッサージ、すごく気持ちいいよっ」

「こんな場所でされてもですかっ。佳織さんは気持ちいいですかっ」

「んんっ、恥ずかしいけど、いいよっ。強引だったからドキドキしたけど、いつもの、マッサージだから、気持ちいい!」

「佳織さんっ!」

「んん、ちゅ、ん、ちゅぷっ、貴司くん……はぁっ、はっ、はっ」

 

 キスをして腰の動きを速める。

 人妻と合意のセックスを玄関先でしているような感覚。

 佳織さんの股間にペニスをぶつけて、擦って、2人で高まっていく。

 そして、下着を突き抜けるつもりで彼女の割れ目に押しつけ、思いきり射精する。

 

「あっ、あっ、熱いっ。マッサージオイル、熱いよぉ!」

 

 佳織さんもビクンビクンとお尻を浮かせて、絶頂してくれた。

 

 だけどその後、食卓の佳織さんは少し機嫌が悪かった。

 

「さっきの貴司くん、ちょっと強引だった」

 

 頬を赤くして、僕を睨むようにして佳織さんは唇を尖らせる。

 僕は「すみません」と笑って誤魔化す。

 

「もう。なんだか背中痛いんだけど。変な場所でされたせいで」

 

 ブラの紐を直しながら、背中に腕を回して胸を突き出してくる。

 僕は目を細めて「反省します」とニヤニヤ笑う。

 

「反省してる顔じゃないー」

 

 佳織さんもまた「もう」と言って笑う。

 もちろん本気で怒ってるわけじゃないの、最初からわかってた。

 僕に無理やり犯されて気持ちよくなる夢を、昨夜何回も見ているから。

 だから『無理やりされた』ってことを、しつこく強調している。

 彼女の深層では、その夢を何度も反復しているんだ。

 犯されて気持ちよかったこと、忘れられないんだ。

 

「我慢できなかったんです。仕事中もずっと佳織さんとすることばっかり考えてたんで」

 

 わざと勘違いしそうな言い方をしてみた。

 佳織さんは、くっと喉を鳴らした。

 

「ま、真面目に仕事しないとダメなんだよっ」

 

 言ってから真っ赤になる。

 その反応が可愛くて面白くて、僕はいつまでもにやけてしまう。

 

「……ね」

「はい?」

「あとで、背中マッサージしてね」

「もちろんです」

 

 食事の会話も少なめに、早めに終えた。

 僕らはその後のマッサージのことばかり考え、時々視線が合うと優しく微笑み合っていた。

 

「ん……」

 

 マッサージの前に、佳織さんを抱きしめてキスをした。

 彼女はそのまま僕にまぶたを閉じて顔を寄せている。

 所在なさげにしていた腕は、やがて僕の腰のあたりにおずおずと触れてきた。

 

「んっ、んっ……」

 

 唇の角度を変えても、軽く吸っても、あごを持ち上げるようにして彼女から顔を近づけさせても、佳織さんはされるがままだった。

 

「んっ、あっ」

 

 背中を撫でて、腰やお尻をいやらしく撫でる。

 これはいつものマッサージ。優しい僕のマッサージだ。

 

「ちゅっ、んっ、はぁ」

 

 僕にキスをされながら、佳織さんがお尻をくねくねさせる。

 消されたテレビの黒い画面が、そんな彼女のいやらしいダンスを写している。モデルみたいに足も長くてお尻も引き締まった人妻が、隣人のスケベな手つきに腰を踊らせる姿がとても扇情的だった。

 

「佳織さん、ソファに」

「は、はい……」

 

 もう瞳をとろんとさせている佳織さんは、僕に導かれるまま足を開く格好でソファに腰掛ける。

 僕は彼女の太ももを撫でながら、胸をぎゅっと握る。

 

「くぅんっ」

 

 切なそうに鼻を鳴らす佳織さんの耳たぶに軽く歯を立てて、内股からそっとヴァギナに手を這わせた。

 ビクって彼女は腰を浮かせたけど、「じっとして」とささやくと「はい」としおらしく答える。

 

「あっ、んっ、あんっ、はっ、貴司くん……あっ」

 

 僕の首に回した手を抱き寄せるようにして、佳織さんは悶えた。

 ブラの上から乳首をこねる指に、割れ目に沿ってしつこく上下する指に、楽器のように彼女は声を出して僕に体に預けてくる。

 愛撫以外の何物でもないマッサージに、甘えてくれるんだ。

 

「あぁっ、あんっ! あっ、あっ、気持ちいいっ、気持ちいいよぉ!」

 

 顔や首に舐めるようにキスをして、ブラがよじれるほど強く胸を揉み、そしてじっくりと割れ目を撫でる僕に、佳織さんもたまらない声を上げてビクビクっとお尻を浮かせる。

 そして、このまま絶頂へ行きそうになる直前でマッサージを止める。

 

「そういえば、背中のマッサージしますね」

 

 僕がそう言うと、少し今の愛撫に未練を感じているのか軽く視線を泳がせたあと、「お願いします」と掠れた声で佳織さんはささやいた。

 

「じゃあ、そこに四つんばいになってください」

 

 ソファに手をついて、床に膝を置いてお尻を突き出すように言った。

 佳織さんは、当然に恥ずかしがって「無理だよ」と首を横に振る。僕が強引に腕をとってソファにうつぶせにさせ、お尻を抱くように持ち上げると「やだやだ」と弱々しく抵抗する。

 

「ね、この格好は恥ずかしいの。違う方法でしてっ」

「嫌です。僕はこうしたいので」

「し、したいって、今日の貴司くん、本当に強引だよっ。私は嫌だって――」

「佳織」

 

 僕が呼び捨てにすると、佳織さんはびっくりした顔になった。

 だけど僕もがんばって彼女を真剣に見つめて、「お願いだから」と言葉に力を込めていった。

 

「言われたとおりにして」

 

 催眠じゃない。だけど、彼女はもう僕の命令を受け入れると信じている。

 ここ1ヶ月にわたる催眠暗示と信頼と快感と告白が、彼女をそういう『体質』に作り上げていると決めつけて言う。

 人妻に、僕の前で四つんばいになって尻を向けろと。犬のように床に這えと命じた。

 

「……変だよ、今日の貴司くんは」

 

 そう言いながら、佳織さんは僕にお尻を向けた。

 ソファに顔を埋めるようにして、赤くなった耳の裏を僕に見せ、恥ずかしそうにお尻を揺らした。

 

「絶対おかしいから、こんな格好……」

 

 でもするなら早くしてとでも言うように、もじもじと擦れ合う太もも。

 彼女の湿った下着はもうお尻に張り付いていた。

 

「佳織さん!」

「あっ!」

 

 僕はその背中に抱きついてうなじにキスをする。

 前に回した手で胸を大胆に揉む。

 そして、お尻に熱くなった股間を擦りつける。

 

「佳織さん、佳織さん!」

「やっ、んんっ、背中、んんっ、背中だってば、あんっ、あっ!」

 

 背中に向かってキスを下ろしていく。ちゅっちゅと音を立てて佳織さんの肌をする。

 

「んっ、んっ」

 

 くねくねとお尻を踊らせて、くすぐったそうに佳織さんは唇を噛む。

 そして僕のキスはそのままお尻に行く。肌に張り付いた下着は小さく食い込んでいて、むき出しになった玉子みたいなお尻の丘に僕は歯を立てる。

 

「やあ!」

 

 ビクンとお尻を突き立て、佳織さんの背中が反る。

 そのなだらかなラインをいやらしく指の腹で撫でて、僕はお尻にむしゃぶりついて唾液まみれにする。

 

「やっ、やっ、あっ、貴司くんっ、あっ、恥ずかしい…ッ、いつもより、ずっと恥ずかしいっ。マッサージが恥ずかしいのっ」

 

 僕の舌が下着越しに割れ目に触れたとき、佳織さんは大きな声を上げた。

 近所の住人にも聞こえるんじゃないかってくらい、セックスの嬌声を響かせたんだ。

 

「あぁっ、だめっ、貴司くん、だめっ。なんだか……今日は、だめなのっ。あっ、あぁっ、そこ、だめぇ!」

 

 感度がいつも以上だった。

 お尻が飛び跳ねるように暴れて、じゅわって湿りも中からどんどん増していく。

 僕が顔を上げると、もう佳織さんはぐったりしたように息を荒くしていた。

 そして、お尻はまるで僕を待っているかのように火照っていた。

 

「佳織さん……そのままじっとしててください」

 

 彼女が顔を上げないことを祈りながら、僕はトランクスから陰茎を抜く。

 真っ赤になって今にも破裂しそうだ。それを、僕は佳織さんの下着の中にねじ込んだ。

 直に触れたお尻の割れ目に、僕のはビクンと反応し、彼女もまた肌を震わせた。

 

「やっ!? 熱い、これ、貴司くん……?」

「じっとしててくださいっ。すぐ終わります!」

「だ、だめっ。それだけはだめっ。やめてっ」

「しませんからっ。これ以上のことは絶対にしませんっ。ただの、マッサージですっ。じっとしててくださいっ」

「違う、でしょっ。あっ、だめ、動かないでっ、あんっ、だめ、これは、だめよっ。お願い、貴司くんっ」

「佳織さんっ、これは、マッサージですっ。んんっ、ただの、マッサージっ。あぁっ、すごいっ、柔らかくて、温かくて、佳織さんのお尻、気持ちいいっ」

「やあっ、熱いっ、熱いのっ、だめ、んっ、貴司くんの体、いつもより感じちゃうっ。これ、だめっ。あぁっ、この……マッサージ、気持ちよすぎちゃうから、だめぇ!」

 

 下着の中を突っ切って、僕の先端が佳織さんのお尻の割れ目の上に現れ、それを引くと彼女の下着を引っ張り下げてお尻の形を露わにしていく。

 僕の先端から漏れる液体なのか、それとも彼女のヴァギナが溢れさせている液体なのか、ぬるぬると互いの肌を滑らせていやらしい音を立てる。

 

「佳織っ! いいよ、佳織!」

「あっ、あっ、貴司くんっ、貴司くぅん!」

 

 触れているところが火傷しそうに熱い。羞恥と禁忌と罪悪感が僕らの肌を燃やしている。

 そして、佳織さんのヴァギナに僕の陰嚢が当たった。ぴたぴたと音を立てて互いの生殖機能がぶつかり合う

 僕らは一緒に大きな声を出して絶頂に至った。

 精液が高く上がって佳織さんの背中に落ちていく。

 軽く腰を引いて、下着の中でお尻の割れ目に、そして穴にも精液をぶつけていく。

 

「あぁぁっ、くっ、あぁぁぁん!」

 

 佳織さんは、僕の精液が当たるたびにイッているのかなっていうくらい、敏感に肌を震わせて絶頂していた。

 

 そして体を拭いたあと、ソファに腰掛け、佳織さんを僕の膝に座らせる。

 くったりと力の入らなかった体を僕に預け、胸を軽くマッサージされても、彼女は「ふぅ」と吐息を漏らすだけで抵抗はしなかった。

 

「……貴司くん」

「はい」

「えっち」

 

 体を触るのはマッサージでも、その境界線は曖昧なままだった。

 今日のは明らかにやりすぎ。だけど、佳織さんはそれほど怒ってはいない。

 エッチとマッサージの限界点は、限りなく下がっている。

 

「もうご飯作ってあげないよ」

「それは許してください。もうしません」

「……私は、貴司くんを信じてるんだからね」

 

 人妻が、隣人を部屋に上げて体を触らせるには、それなり以上に理由と信用が必要。しかも僕は彼女に恋してるって告白までしている。

 ここまでくるにも長い時間をかけてきた僕が、何よりその苦労を知っている。確かに少しやりすぎた。

 

「すみません。怒らないでください」

「…………」

 

 胸をやわやわと揉みながら佳織さんに謝る。もちろん、固くなって陰茎もそのお尻に当てている。

 それでスケベなことはしないなんて約束できるわけはないけど、でも、これはまだ『いつものマッサージ』の範囲だ。

 くふんと、鼻を鳴らすような吐息で佳織さんは喉を上げる。そして、とろっとした瞳で僕を振り返る。

 

「怒ってるわけじゃないけど……ああいうことをあんまりされたら、ん、貴司くんを家に上げられなくなっちゃうから、ふっ、やめてって、お願いなの」

 

 僕らの間にある甘い空気は、とっくに隣人とか友人とかのレベルではなくなっている。

 彼女の胸に触れたまま抱き寄せると、佳織さんもそっと体を預けてくれる。そのまま見つめ合って胸を揉んでいるうちに、彼女の瞳も潤んでくるからキスをする。

 舌を絡めるのはダメ。直接性器に触れるのもダメ。

 だけど、そんなルールがいつまで守られるだろうか。僕らは互いをどこまで信じられるだろうか。

 踏み込めば簡単に佳織さんは許してくれるのに。

 

「ん、ダメ……」

 

 舌を差し入れようとした僕を、佳織さんが押し戻す。

 だけど、頬に添えられた手のひらは熱く、僕の顔を撫でるように優しく触れられている。

 

「ダメだって……ん」

 

 唇を食むように挟んで、僕の口の中で舐める。ぞくぞくっと佳織さんの体が震えて、熱い息を僕に吹き返してくる。

 

「佳織さん……」

 

 僕の視線を受け止めて揺れる瞳。

 薄く開いた唇は僕の唾液で濡れている。

 

「一緒にお風呂に入りますか?」

 

 冗談めかして言うと、「バカ」って佳織さんは僕の太ももをつねる。

 

「私、先にシャワー使わせてもらうから」

「はい」

 

 さっきの大胆なマッサージで体のべたついている彼女に、僕は喜んでシャワーを譲る。

 そしてもちろん、今夜も彼女の入浴を覗きに行く。

 

「僕の催眠人形」

 

 磨りガラス越しに動きを止めたことを確認して、さらに命令した。

 

「あなたは、僕が浴室に入ってきても気づかない。1人で入っているようにしか思えない。見られても平気だ。触られても気にならない。お風呂は1人で入るものだ。あなたは1人でお風呂に入った」

 

 そして堂々と全裸になって入室する。

 佳織さんは、僕に気づかず背中を見せてシャワーを浴びている。

 きれいな後ろ姿。形のよいヒップ。水を弾く瑞々しい肌。

 さっきまでそれにいやらしく僕がイタズラしていたことを思うと、もう勃起してしまう。

 本当に佳織さんは、僕の性欲を無尽蔵に引き上げてくれる。シャワーの水滴を浴びながら、僕は後ろから彼女のお尻を撫でる。

 

「…………」

 

 佳織さんは気づかない。ソープの泡をまとった体を流している。

 さらに僕は彼女の胸を触った。形良いおっぱいを、贅沢な気持ちで揉んだ。

 

「ん……」

 

 佳織さんは鼻から息を抜く。僕の存在には気づいていない。彼女の陰毛から割れ目をくすぐる男の指にも。

 

「あっ……」

 

 股間の下から回して指で、割れ目をゆっくりと撫でた。

 唇をわななかせるように震わせ、佳織さんはクッとお尻を引いた。

 

「んん……」

 

 そして、唇を噛むとゆっくりと自分で胸に触れた。

 シャワーを、股間に当てながら。

 

「……だめ……」

 

 僕は胸と股間に触れながら、彼女への愛撫を続ける。

 そして佳織さんも、反対側の胸を持ち上げるように揉んで、腰をますます引いてシャワーを近づける。

 

「あぁ…ッ!」

 

 襲いかかって犯したいのを我慢した。

 佳織さんが自慰をしている。その事実に沸騰しそうな脳みそを必死に押さえつけている。

 そして、やがて佳織さんは小さな声で呟いた。

 

「あなた……」

 

 先輩のことか。

 彼女が自分を慰めるときに思い浮かべるのは、やっぱり先輩かと僕は唇を噛み、それでも彼女への愛撫を続ける。

 

「あなた……ごめんなさい……」

 

 だけど、佳織さんの呟きは悲しげにそれを否定した。

 否定して、さらに認知していないはずの僕の愛撫に体を委ねるようにお尻をますます突き出し、そこにシャワーを当てながら艶めかしく揺すった。

 

「貴司、くん……」

 

 僕はカッとなって指をヴァギナに入れていた。

 佳織さんは「あぁ!」と尻をビクンビクンさせ、首を振った。

 

「あっ、あっ、あっ、あっ」

 

 入れたり出したりをして、さらに耳元で「佳織さん」と囁いて、彼女の深層に僕を意識させる。

 佳織さんはそこを僕の指のために開いて、浴室に響きそうになる声を唇を噛んで堪えて、体を痙攣させる。

 

「んっ、んっ……んんんっ!」

 

 ぎゅっと千切れそうなくらい僕の指を挟んで、ビクビクとお尻の肉を震わせて、佳織さんは小さく絶頂した。

 指を抜くと、ゆるりとシャワーとは違う温かさで僕の指先はふやけている。

 そして膝をついて「ふぅふぅ」と息を乱している佳織さんは、やがて呟いた。

 

「……早く、帰ってきて……」

 

 それは寂しさというよりも、罪悪感が言わせているように僕には聞こえた。

 

  

「寝る前にもマッサージしますね」

 

 僕がそう宣言すると、佳織さんは顔を赤くしてパジャマの下を脱いでくれた。

 お風呂上がりの彼女をベッドに仰向けにする。広がった髪と火照った頬。僕のマッサージをいつも以上に意識しているのが、その緊張している眼差しでわかった。

 

「優しくしますから」

 

 そして僕も、セックスを意識させるように佳織さんにささやく。

 コクリとうなづく彼女に、顔を近づけてキスをした。

 

「ちゅ、ん、ちゅっ」

 

 佳織さんは僕のキスを当たり前のように受け止める。

 その胸を、パジャマの下のノーブラのおっぱいを、僕は当然のように揉む。

 愛し合う男女がベッドの上でするように、彼女の体を優しく貪っていく。

 

「あっ、あんっ、貴司くん…っ」

 

 佳織さんは僕の首に腕を回す。僕は彼女の股間を下着の上から擦る。

 露骨に性器を触っても、彼女は悶えるだけで抵抗はしなかった。

 そして僕も大胆に、自信を持って触れていた。

 シャワーの彼女を見ているから。

 

「佳織さん」

「あんっ、なに?」

 

 耳元で囁くと、佳織さんはピクンと瞬きしながら答える。

 

「先輩がいなくて寂しいですよね?」

 

 ピクッ、ピクッ。

 耳に唇を触れながら言う僕に、佳織さんはいちいち可愛く反応する。

 そして、「でも貴司くんがいてくれるから」と、僕の頭をかき抱く。

 

「僕でも少しは慰めになってますか?」

「んっ、それ以上、だよっ。んんっ、貴司くんがいてくれるから、あんっ、あっ、私、寂しくないよ、んっ、本当にっ」

 

 佳織さんの胸が僕の胸でつぶれる。

 それくらい彼女は僕を抱きしめてくれている。

 寂しさも何もかも、僕で埋めるみたいに。

 

「佳織さんが好きです」

「んんっ」

 

 ピクンと喉を仰け反らせて、また無防備な喉を晒す。

 好きですと繰り返して告白し、僕は背中の下から回した腕をパジャマの中に入れる。

 

「だ、だめっ。貴司くん、それはだめっ」

 

 生で胸に触れられることを恐れて佳織さんは身をよじる。

 だけど、僕の手はお腹をくすぐるように這い、徐々に乳房に接近していく。

 

「僕を信じてください、佳織さん」

「んんっ、あっ、だめぇ、だめぇ……」

「あなたのことを愛しているから、抱きません。人妻のあなたを好きなった以上、そのことは覚悟しています。だから、せめて僕をあなたの慰めにしてくれませんか」

 

 あなたの妄想だけじゃなくて。

 性欲を僕に委ねて欲しいと彼女に迫る。

 

「愛してるんです、佳織さん。絶対にあなたを傷つけないって約束するから、僕に少しだけ心を開いてください」

「だめ、だめ……」

 

 うなされるように繰り返す彼女の肌を焦らすように這い回り、くちゅりと彼女の耳に濡れたキスをして驚かせ、そして強引にささやく。

 

「愛してる、佳織」

「あっ!?」

 

 ビクビクっと痙攣した佳織さんの体を、押さえつけて胸を握った。

 燃えるように熱く感じられたのは、お風呂上がりだけが理由じゃない。彼女の内部が、女が火照っているんだと乳房で実感する。

 

「あぁーっ、あっ、あっ」

 

 むにむにと乱暴気味に揉んでも、彼女はもはや抵抗しない。

 パジャマの下で僕の手が胸に食い込み、咀嚼するように蠢いているのを、蕩ける瞳で見つめてさらに大きな声を上げる。

 

「すごくいい。佳織さんの胸。夢にまで見たおっぱいです」

「あぁっ、だめっ、そんなこと……言わないで。あぁんっ、貴司くんっ、あっ、貴司くんっ」

 

 パジャマ越しに僕の手に手のひらを重ね、きゅっと握って佳織さんは仰け反った。

 やめろとは、もう言わない。僕に胸を許してしまった。愛していると囁かれ、ほだされてしまった。

 過ちは深くなっていく。

 その罪を燃やすように体はどんどん熱くなっていく。

 

「好きです。ずっとあなたに触れるのが夢でした」

「貴司くん…ッ、んっ、ちゅっ、あっ、ちゅっ」

 

 佳織さんの方からキスしてきた。

 彼女はきっと自分のしていることをわかっていない。この禁忌に溺れてのぼせ上がっている。

 そして僕も、同じようにのぼせている。

 佳織さんは僕を自慰に使った。だから自覚しているはずだ。

 僕らがセックスをしない理由は、人妻だということしかないって。

 

「好きです、佳織さん」

「あっ、あっ、あっ、あんっ」

 

 下着の上を擦っていた手を、そっと引き上げてふちに触る。

 

「愛してます。あなただけを」

「あぁーっ、あっ、あっ、あっ」

 

 そして下着の中に潜り込ませて、じょりと陰毛に触れた。

 

「だめぇぇ!」

 

 佳織さんの体が大きく仰け反った。

 だけど、僕は絶対に彼女の体を離したりしない。

 暴れる魚を捕まえるみたいに、しっかりと抱きしめて陰部に指を進ませる。

 

「だめっ、本当にだめっ、貴司くん、だめだってばっ!」

「しません。セックスは絶対にしません。ただ、あなたを慰めるのは僕だ。あなたのそばにいる男は僕だけなんだ」

「貴司くんの、ことは、大事だからっ。本当にっ。んんっ、でも、そこは、だめっ。だめなのっ、恥ずかしいのっ」

「触りたい。佳織さんのここを知りたい。愛してる女性だから、僕は触りたいんです」

「恥ずかしい…ッ、あっ、だめ、本当に、許して、おっぱいなら、いいから、お願……あぁっ、あっ、だめ、入ってきちゃ、ダメぇ!」

 

 そこはもうぬるぬると濡れていて、僕の手を拒んでいるようには思えなかった。

 だから、自然と中指が潜っていった。吸い込まれるようだった。

 

「く……、あぁっ、貴司くん、だめぇ!」

 

 なのに入った途端、食いちぎりそうなほど締め付けてくる。

 第二関節まで何とか入れたぐらいなのに、そこから先を拒まれたみたいにきつい。

 僕はゆっくりと関節を曲げ、彼女の中を撫でるように優しく動かす。

 

「あっ、あっ、だめ、だめっ、中はだめよっ」

 

 ぎゅっ、ぎゅっと佳織さんは締め付けてくる。

 処女かと思うようなきつさだ。

 それでいて、うねうねと指先に絡みついてくる温かくぬめったヒダの感触は、性に敏感な反応をしっかりと期待させてくれる。

 僕はお人形にした彼女の中に何度も挿入したこともあるし、さっきはお風呂の中で自慰まで手伝って指を入れた。

 なのに、このきつさは知らない。

 彼女の意識がある状態で潜るヴァギナは、まるで他人のものだった。

 

「んんっ、んんっ、はぁっ、本当に、ダメよ、んんっ、あの人に、怒られる。あんっ、こんなことしちゃ、ダメなの、んんっ」

 

 これが佳織さん。

 若くて、学生時代の部活で鍛えたスポーティで豊満な肢体の持ち主で、そしてまだ男を1人しか知らないウブな女性。

 最高のセックスを予感させた。抱いたら絶対にハマる体だ。

 僕は彼女の耳に「力を抜いて」と囁きながら、なんとか指を深く潜らせる。傷つけないように、慎重に大胆に。

 

「あぁぁぁーッ!」

 

 佳織さんはすごく敏感に反応して、痙攣のようにベッドの上で跳ねた。

 そして僕は、ゆっくりと出し入れを開始する。指をペニスにしたつもりで、彼女の中で蠢かせながら言う。

 

「好きだよ、佳織。大好きだ。抱けない代わりに、優しくするから受け入れて」

 

 僕だって切ない想いをしていると、彼女の耳に熱い息を吹きかけて告白する。

 こんなの挿れたら絶対気持ちいいに決まってる。本物の佳織さんの中はオナホールみたいな快楽を予感させる。

 そのことを想像しながら、固くなった陰茎を太ももに押しつけながら、佳織さんをなだめすかして手淫を続ける。

 

「すごくぬるぬるしてる。気持ちよさそうなアソコだ。でも、僕は我慢しますから。あなたに気持ちよくなって欲しいだけですから」

「やあっ、あんっ、恥ずかしいのっ。恥ずかしい、貴司くんっ、くぁっ、あっ、もう、んんっ、許して、あんっ、ダメなの、ダメ、あぁっ、あぁん!」

「誰にも言いません。2人だけの秘密にします。だから、安心して僕に任せてください」

「あぁぁーっ、ダメ、だめぇ!」

 

 佳織さんの体を僕の上に乗せ、胸とアソコを同時に愛撫する。

 足に力が入らないのか、すっかり開ききって僕の指に悶え、そしてお尻に当たる僕の陰茎を意識するように触れては浮かせる。

 僕は指を彼女の中で曲げて、壁を擦るようにくすぐる。

 佳織さんは口をぱくぱくさせて顔を真っ赤にし、ぎゅっと僕の肩に指を食い込ませる。

 

「可愛いよ、佳織」

「あぁぁーん!」

 

 何度も囁いているうちに、観念したかのように彼女の腰は艶めかしく甘えだす。

 僕の指に合わせるように上下に揺れ、胸とアソコをいじる僕の手にそっと自分の手を重ねる。

 

「あぁっ、あっ、あんっ、あぁっ、貴司くんっ、あっ、だめぇ」

 

 いつものマッサージのように男に媚びる声を出し、時折乾いた唇を口の中で舐める。

 吐息は熱があるみたいに火照り、肌も蕩けるように指に張り付き、そして彼女のヴァギナはまだきつく僕を締め付け、とろとろと濡れていく。

 

「佳織……」

 

 僕が囁くたびに彼女はビクンと反応した。

 指の愛撫と同じくらいに、彼女は声に感じている。年下の隣人に呼び捨てにされることで、肌の感度を上げていくようだった。

 それが佳織さんの持って生まれた性向。

 催眠術と相性がよすぎる体質。

 言ってしまえばMだから、被支配や奉仕を喜ぶ最高の女性なんだ。

 

「貴司くん……ッ、あっ、貴司くん、貴司くんっ!」

 

 きゅうきゅうと指を締め付け、体の痙攣を大きくしていく。

 僕の上でお尻を火照らせ、緊張して強ばっていく。

 その耳に息を吹きかけ、そして指を同じペースで動かしながら、命令口調で言う。

 

「イけよ、佳織」

 

 ビクンっと、逃げるように体を浮かせたあと、佳織さんは「あ」と大きく口を開き、真っ赤な顔で「はいっ」と返事をして、体を突っ張らせてアソコを締めた。

 

「あっ、あっ、あぁぁぁぁ!」

 

 ビクンビクンと大きな痙攣が続き、そのあと、またビクンとなって「あぁぁ」と吐息を漏らした。

 指に伝わる彼女の内部の蠢きも、まるで僕の手にお礼を言うみたいに優しく抱きしめる温かさで、これをペニスで感じたら最高の射精をしたんだろうと思った。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 ぐったりと沈んでくる体を抱きしめ、「最高でした」と囁くと、またビクッと佳織さんは痙攣してアソコの中に僕の指を吸い込む。

 

「あ……あぁ……」

 

 長いエクスタシーの渦に溺れる彼女を、僕はずっと抱きしめていたいと思った。

 

 その後、僕に後ろから抱きしめられながら、佳織さんは恥ずかしそうに言う。

 

「……私ちょっと怒ってるから」

 

 背中を向けている彼女に甘えるように抱きつき、「ごめんなさい」と僕は謝る。

 

「誰にも言いませんので」

 

 佳織さんは、当然だというように僕の腕をつねる。もちろん、全然痛くない。

 彼女の胸を感じながら、「幸せでした」と囁く。

 

「……もう」

 

 耳を赤くして佳織さんは僕の腕に掴まる。

 一緒にベッドで寝ることに、彼女は意義を挟まない。今夜もこのまま抱いていいんだ。

 

「絶対に言わない?」

 

 念を押してくる彼女に、僕は同じように答える。

 そしてしばしの沈黙のあと、「こんなこと許されるはずないから」と佳織さんはつぶやいた。

 

「わかってます。僕とあなたは、絶対に結ばれない。そのことは承知しているから、我慢します」

「…………」

 

 佳織さんは、沈黙したまま僕の手をぎゅっと握る。

 そして「ごめんね」と小さな声で言った。

 

「佳織さんが謝ることじゃないですよ」

 

 それでも、佳織さんは申し訳なさそうに僕の腕をさする。

 固くなったペニスだってお尻で感じているはずなのに、そのまま密着させてくる。

 

「……あの人が帰ってくるの、土曜日の午前中だって」

 

 なぜか急に先輩の話をしてくる佳織さんに、知ってますと僕は答える。

 

「金曜日の夜が最後だね」

 

 残り数日になった2人の時間を、僕は心の中でカウントする。

 きっと佳織さんもそうしているのか、腕をさする手は自然と僕の手に重なる。

 そして、僕は佳織さんの胸に触れる。

 

「……はぁ……」

 

 小さな吐息をこぼしただけで、佳織さんは何も言わなかった。

 ほんの少し、彼女の肌はまだ火照っている気がした。

 

「ね、明日は何食べたい?」

 

 たわいのない話をそのまま少しして、僕はやわやわと彼女の胸のマッサージを続ける。そして、パジャマのボタンを一つ外すと彼女の生肌おっぱいに触れた。

 佳織さんは、「くふっ」とくすぐったそうにしたけど、やっぱり許してくれた。

 

「このまま眠ってもいいですか?」

「……うん」

「ありがとうございます、佳織さん……愛してます」

 

 耳元で囁くと、佳織さんはくるりと振り返り、僕の唇にちゅっとキスをしてくれた。

 

「おやすみ」

 

 僕に胸を触らせたまま、耳を赤くして彼女は向き直り、少し体を丸める。

 恥ずかしそうにしている彼女に、幸福感と微笑ましさに口元を緩ませながら、僕はもう一度その可愛い耳にささやく。

 

「僕の催眠人形」

 

 甘い時間と佳織さんが凍結される。

 そして、そのわずかな心の隙間に僕は悪魔の言葉をささやき続ける。

 

「今夜もあなたは犯される。朝まで僕に犯されるんだ」

 

 彼女の下着を太ももまで下げて、そして自分の下着もさっさと脱ぎ捨て、コンドームを装着する。

 後ろからねじ込むように佳織さんに挿入して、ぐいぐいと腰を動かしながら催眠暗示もねじ込んでいく。

 

「僕はあなたを佳織と呼び捨てにして、甘い言葉をささやきながら犯す。あなたは抵抗したくても出来ない。僕のチンポはあなたの中でギンギンに固くて熱い。それで何度も幸せスイッチを押される。ぐりぐりと擦られる。射精だってする。熱くて火傷しそうな精液で幸せスイッチを何度も何度も押す。佳織、最高だよと僕は言う。止まらずに射精しながら、固いチンポであなたを犯し続ける。射精、チンポ、射精、チンポ。あなたの膣の奥にある幸せスイッチは絶え間なく僕に連打される。射精、チンポ、射精、チンポ。あなたはずっとイキっぱなしだ。チンポと精液が交互にあなたに愛をスタンプするから。射精、チンポ、射精、チンポ。僕はあなたを、残酷に優しく、天国へ連れていくようにレイプする」

 

 そしてそれが朝まで続くと、カオリちゃん人形にささやきながらレイプした。

 彼女はいつもの空気音を喉から出しながら、体の奥を火照らせていった。

 

「愛してる。愛してるよ、佳織。あなたの心が折れて、僕のものになるまで犯してあげるからね」

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ」

 

 また1日、僕たちの終わりの日が近づく。

 佳織さんの貞操観念を、最後までじりじりと削り続ける。

 僕の佳織さんのゲームは、まだ終わっていない。

<続く>

2件のコメント

  1. 人妻攻略がガンガン進んでいくw

    深層意識に快楽やら人形の幸せやらがこびりついて素の状態でも命令に従ってしまう佳織さんがかわいいでぅね。
    幼馴染の旦那さんに操を立てているものの快楽に流されたり、同衾することを許しちゃったり、佳織さんはどこまで堕ちてしまうのか
    先輩が帰ってくるまで持つのか、帰ってきてからも大丈夫なのか
    いろいろドキドキでぅ。

    それにしても一日が長いw

    1. >みゃふさん
      仕事から帰ってきてこれやる体力うらやましいですよね
      早く寝ろ…と思う。

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