第3話
さてさて、そんなこんなで見事に童貞を捨てることが出来た僕だったんだけど・・・どこまで話したんだっけ? あぁそうだ、まだその日の1時間目の終わりまでしか話してなかったんだね。とにかく色々あった日だったんで、全部は話しきれないんだけど・・・今日はその日の昼休みの話から始めようかな。
数学の授業が終わって、みんなが学食に行ったり、おしゃべり始めたりとガヤガヤしだした時、申しわけなさそうな顔をした里美ちゃんが、僕の席に来たんだ。
「草野君、ごめんなさい。」
「へ? どうしたの?」
「今日、・・突然のことだったから、私、草野君の分のお弁当作ってこなかったの。明日からはちゃんと作ってくるから・・。」
「あぁ、なんだ。そんなこと気にしなくていいよ。今日は友達と一緒に食べなよ。明日から2人でお昼食べることにすればいいからさ。それより、今夜僕の親外出してるから、部活が終わったら家に遊びに来てよ。」
僕のことが気がかりみたいで、何度も振り返りながら教室を出て行く里美ちゃんを、一緒に歩く彼女の友達が不思議そうに見てたよ。それにしても、里美ちゃん、よく気がつくから、将来いいお嫁さんになれそうだね。
僕はというと、その後、園芸部の物置に行って、ジョウロをかっぱらった。それをゴシゴシ洗ってる間に、昼休みはほとんど終わりになっちゃった(おかげで購買でサンドイッチ買って食べるのがやっとだったよ)。なんでそんなことしてたかというと・・・5時限目の話をしない訳にはいかないね。
5時限目の授業は化学。先生はちょっと厳しいけど若くて綺麗な、佐竹早苗先生だったんだ。結構うちのクラスにも、早苗先生のファンはいるんだよ。実験レポート忘れたりすると怖いけど、颯爽と黒板に化学式を書く姿なんかは格好よくて、女子にも人気があるね。
さて、ここに取りいだしたるのは、ジョウロの注ぎ口の部分。さっき本体から取り外して、さんざん洗っておいたんだ。水が出る部分には、20コ以上の小さな穴が空いるから、ストローよりもウンと効率よく、一気に沢山の小さいバブルを作れるって訳さ。それではいざ。
プワプワプワプワプワプワ
『これから教室で何が起こっても、普通のことと受け止めて、先生の指示どおりにしよう』
フワフワフワフワフワフワ
はぁはぁ、小さいノーティー・バブルを沢山作るのって、結構大変だね。おまけにジョウロノ口の内部の空洞も大きいから、肺がヒーヒー言ってるよ。でも、2回吹くだけでクラス全員にバブルが行き渡ったぞ。
「草野君。変なもの咥えて、授業中に何キョロキョロしているの!」
佐竹先生に叱られちゃった。慌ててストローに咥えなおして先生にもバブルを飛ばす。
「授業に集中していないと・・・お仕置きよ!」
先生はおもむろに上着を脱ぎだした。シャツをワイルドに引っ張ると、ボタンが飛んだ。大人っぽいブラを下にずらすと、はだけた胸を僕の顔に押し付けてきたんだ。ムギュ~。
「ちゃんと先生の話を聞いていない人には、おっぱいプレスです!」
張りも重量もなかなかの、先生のおっぱいに顔をうずめられちゃった僕は、その感触と、ほのかに香る上品そうな香水の匂いで頭一杯になっちゃった。オトナの体に包み込まれるのもすっごくドキドキするよ。先生は僕の頭を抱きかかえて、これでもかとばかりにおっぱいで僕を窒息させようとする。何度もやってもらいたいタイプのお仕置きだね。
「これからは、真面目に授業を受けなさいね。」
先生はおっぱい丸出しのまま、ポ~っとしてる僕から離れて、教卓に戻る。
「もうっ、草野君にお仕置きしてたら、どこまで話したか忘れちゃったじゃないの!今日は化学の授業は止めて、生物学の授業にします。大人の女と、子供との違いを、しっかり覚えてください。えぇっと、三好さん、前に出てきなさい。」
「は、はい。」
恐る恐る、三好が起立した。背の順に並ぶと一番前になる三好千沙子は、中1と言っても通用するぐらいの外見だ。発育は遅いしあどけなさが残ってるけど、そこがまた可愛くて、クラスのマスコット的存在なんだ。
「三好さん、これから成熟した大人の女の体と、発達段階にある女の子の体の違いを、みんなにしっかり分かってもらうために、あなたも全裸になるのよ。」
残りの服を脱ぎ捨てながら、当たり前のような口調で早苗先生が言う。三好は口をすぼめて、何か腑に落ちないというような顔をしながら、おずおずと制服を下ろし始めたよ。細い体は確かに、早苗先生みたいな熟した女体には程遠いって感じだね。でもそれはそれで、繊細で守りたくなるようなボディだよ。
「全部脱いだわね。ほら、隠さずに、気をつけをするのよ。」
真っ赤になってる三好と、教育者らしく堂々としている早苗先生とが、黒板の前で、背筋を伸ばして直立不動になった。
「それでは今から、女の人の体の成長について勉強しましょう。私たち2人の体はどう違うでしょう? まず最初に目につくのは、おっぱいの大きさですね。三好さんはまだちょっと膨らんでいる程度ですけど、先生のおっぱいはとっても大きいです。」
先生は豊かなお尻をこっちに向けて、板書を始めた。三好は、誰とも目を合わさないように、気をつけのままうつむいてる。
「おっぱいを始めとした、体の丸みや曲線を一つとすると、次に目につくのは、陰毛の濃さですね。三好さんはまだ、生え揃ったばかりですね?」
「はい・・・イタイッ!」
突然、陰毛を一本抜かれて、三好が悲鳴を上げる。早苗先生は自分のも一本抜いて、右前の生徒に渡したよ。
「見たら後ろに回して、みんなが確認出来るようにしなさい。2人の陰毛をよく見て比較してみましょうね。女性器やその周りの陰毛などは、大人と少女で違ったりします。代表的な例は、生理ですね。三好さんの初潮は、いつでしたか?」
「14の・・秋です。」
「14の秋・・・っと、皆さんも、ちゃんとノートをとっときなさい。ここはテストに出るかもしれませんよ。」
みんながノートをとる音が響く。三好はもう泣きそうだよ。
「じゃあ、三好さん、先生と一緒に、教卓に座って足を開きましょうね。性器の勉強です。よく見てくださいね。性器の色や形などは、本当はあまり経験の度合いとは関係ありません。みんな前に来て、ノートにスケッチしてください。」
当然男子がドっと教卓の前に押し寄せる。みんな息をひそめて2人のオマ*コに見入ってるよ。僕がニヤニヤしながらその様子を後ろから見てられるのは、今日一日でもう、いろんなモノを見てる余裕だね。
「先生、三好さんのアソコは、ちょっとおしっこ臭いです。」
鈴木って男子がわざわざ手を上げて指摘する。三好はついに泣き出しちゃった。
「普通、性器の匂いというのは、膣内の細菌が作る乳酸の出すチーズみたいな匂いか、アポクリン汗腺の出す汗の匂いなどですが、三好さんのような処女だと、あまり性器を他人に調べられることを意識しないので、恥垢や、尿の拭き残しの匂いがする場合があるの。」
先生が説明する間、みんな頷きながらノートにメモしてる。ちゃんとした授業だと思い込んでるんだね。その後は、泣きじゃくってる三好を僕があやつってウキウキさせて、さらに感度のチェックに移った。おかげで僕らはみんな正しい性知識を仕入れることが出来たんだよ。
さて、授業も全部終わって、里美ちゃんの部活が終わるまでどうしようか、なんて考えてる時に、緑色の小っちゃいのが教室に飛び込んできた・・・と思ったら、跳ねてるピンプル。そばかすでブツブツの顔を皮肉っぽい笑みでほころばせて僕の元にやってきたんだ。
「こんなとこにいやがったのか、ボウズ。オイラはすっかり元気満タンになったんで、この街のことやら、この国のことやらを調べてたところだ。てめえの方の首尾はどうだ?」
上機嫌のピンプルは僕のすねにもたれかかる。口にはキザな感じで草を咥えてる。
「どうもこうも、すっごくうまくいってるよ。ほら、僕の発明を見てよ。このジョウロの口をストロー代わりにすれば、一度に沢山の人を操れるんだ。さっきなんて教室で先生と女子がさ・・」
「おいおい、待てよ。なんて間抜けな格好してんだ、てめえは。ジョウロの口咥えてって、それじゃ、まるっきり馬鹿じゃねえか。てめえは物語の紡ぎ手にしてヒーローになんなきゃいけねえんだぞ!ガキに笑われるような格好してんじゃねえよ。」
「そんなこと言ったって、学校みたいに人が多いところで、ターゲット1人しか操れないんじゃ、不便だったんだよ。」
机に登ったピンプルは、赤毛の頭をボリボリ掻いて、顎鬚を撫でながら考え出した。
「ふむ・・・ボウズはもう童貞は捨てたんだな。だったらピンク魔術師としては次のレベルに進んだって構わねえな・・・。よし、ボウズに早速今から、集団操作魔法を一つ教えてやろう。」
「えっ、ここで?」
誰かが来るのが心配になって扉を見ると、廊下側が一面、葡萄の蔓に覆われてた。たわわな葡萄が揺れてる。
「誰も来やしねえから、オイラの話に集中しろ。ピンク魔法の基本にして究極は、あくまでノーティー・バブルだ。だが、補助の魔法を上手に使えるのが熟練の魔法使いって訳だ。これからてめえに『サブジェクティヴ・レーブル』って魔法を教えてやる。これには精霊魔法もちょいと絡んでくる紋章魔法だから、魔法と魔法的な世界の構造だけでも知っとく必要があるぜ。よく聞けよ・・・」
ピンプルは勝手に難しい講義を始めたんだ。
「オイラたち妖精の理解してるところ、世界の始めには完全無欠、全知全能の存在ってのがあった。ところがこいつは全知全能なんだから思考やら意志ってのはほとんど持つ必要がねえ。完璧で絶対なる存在ってのは無と大して変わらなくなるんだ。無にはなりたくなかったその絶対者の大親分は、意志を持った人格神たる分身を山ほど作ったんだ。ついでにこの世界も作ったらしいぜ。そういう人格神やらその一族郎党、オイラたちは、出来上がった世界の中でも、人間という不完全で定命の者が続ける永遠の実験と企てに、さらに自らの力を増やす可能性を委ねたって訳だ。人間の想像力に形態や能力を限定され得る引き換えに、その想像力のなかで自分達の存在の確認が出来て、さらには力を増すことだって望める。てめえら人間は、不完全だからこそ自分たちで法則を作り、それを試し続けて越えたり、保持したりして、世代を超えて自分たちを進化させることが出来るんだ。オイラたちはそんなてめえらの意識に大きく影響されて形態や力を変化させる。だからオイラもてめえとおんなじ言葉がしゃべれるんだ。そして神々も、てめえらに想像できるような形で現れる。前に話した通り、オイラは奔放なる偶発性の主、『七つの三つ編みの女神』の世話になってる妖精だ。彼女はワイルドで男勝りのネーチャンの形を持ってる。そしててめえが次の魔法を覚えるために契約しなきゃならない神も、人間に思い浮かべやすい形をしてるって訳だ。何だと思う?」
突然話を僕に振られたって、全然思いつかないよね。今の話について行くのに精一杯だったんだ.。
「そんなの分かんないよ。もったいぶってないで教えてよ。」
「そう言われると、教えたくなくなるんだな。・・・ヘヘッ、まあ教えてやろう。俺たち偶然を司るものと、場所を支配する地の精たちとの仲を取り持ってくれるのは、野ウサギの格好した『気まぐれペテロ』だ。てめえは今からウサギと親和性の高いことを示す儀式をして、この神と契約をしろ。そうすりゃすぐに『サブフェクティヴ・レーブル』の使い手だ。」
「ウサギとの親和性? どうすればいいのさ?」
「いいからこれをつけろ!」
ピンプルが咥えていた草を手に持って振ると、机の上に煙とともにヘアバンドが現れた。それがなんと、バニーガール用の、ウサギの耳がついたヘアバンドだったんだよ!
「これをつけて、この部屋をウサギ跳びで10週しろ!」
「えぇ、そっちのほうが、ガキに笑われるよ~。それに知ってる?ウサギ跳びって、膝に水が溜まるんだよ。」
「文句言わねぇで、さっさとやれ!チンカス野郎!」
ブツブツ、ヒーヒー言いながら、僕は3周ウサギ跳びをしたところでダウンしちゃった。
「なんだ、根性ねえな・・、そいじゃぁ次に、自分でしたウンコを喰うんだ。」
「絶対ヤダヨ!! 確かにウサギは自分のフンを食べるらしいけど、そんなことしなきゃならない位だったら、ジョウロかストローのシャボン玉だけで十分だよ!」
僕のその後の必死の抗議が身を結んで、なんとかウンコ食べるのは勘弁してもらって、ウサギの唄を歌いながら餅をつくことで代用したんだ。(ついた餅はピンプルが食べちゃったんだけどね)その後は、ピンプルが勝手に意味不明な呪文を唱えながら、僕の口元にヒゲみたいな線を書いた。そしていきなり儀式は完了だとか言って、黒板に、変なマークを書いたんだ。
「よし、この紋章をしっかり覚えとけ。『サブジェクティブ・レーブル』は、区切られた部屋の目的を自分の好きなものに変えられる魔法だ。気に入った部屋があったら、どこでもいいから、このペテロの紋章と部屋の名前を書いちまえば、みんなそういう部屋だと理解してくれるんだぜ。とにかく論より証拠だ、さっさと紋章、いくつか暗記して、実験に行こうぜ。」
威張るピンプルを肩に乗せて図書館に行ってみると、放課後も残って勉強している、真面目な生徒たちが意外に沢山いた。男女入り混じったグループで、静かにしゃべっている生徒もいるよ。僕が見回してるうちに、早速ピンプルが、下世話な笑い顔で、僕の耳元に囁きかけてきよ。
「そこらの壁に、ペテロの紋章の一つを描いて、すぐ下に『女風呂』って書いてみろ。」
言われた通りにしたら、なんとマークと文字が、淡いピンク色の光を放ったんだ。すぐ近くで、棚の本を手にとっていた女子が、いきなり本を置いて、平気な顔で制服を脱ぎ始めた。
「キャー!」
周りで黄色い声が上がる。てっきりその娘が脱ぎ始めたのにびっくりした声だと思ってたら、それは図書館にいた他の男子に向けられたものだった。
「あなたたち、何してるのよ!」
「ワッ、やべっ、間違えました~!」
大慌てで、男子生徒たちが駆け出ていく。すぐに図書館は、ほっとしたように脱衣する女子ばっかりになっちゃったよ、ムフフ・・。
僕はとりあえず覚えた2、3の紋章(結構複雑なんで3個覚えてるかどうかあやふやなんだ)のうちの一つ、術者は部屋にいないものと認識されるってやつを使ったんだ。だから男がみんないなくなった女風呂にいると思ってる女の子たちはみんな当たり前のように裸になって、体を洗うような仕草を始めた。古い紙の匂いがするような図書館の厳粛な雰囲気には散らかった服と裸でリラックスしてる女の子たちってのはかなりのミスマッチだけど、そのミスマッチぶりもなかなか悪くないね。広い図書館のあっちこっちで、頭洗ってるつもりで髪の毛くしゃくしゃしてる娘とか、絨毯に座り込んで本棚にもたれかかって『あったまってる』娘とかを、ゆっくりじっくり見ていく。こうしてみると、女の子の裸ってみんなそれぞれ違ってて、それぞれの魅力を持ってるんだね。雑誌とかで言ってる「理想の3サイズ」なんて、ひょっとしたらどうでもいいものなのかな?童貞を捨てて半日ぐらいで、僕は早くも大人の男になりつつあるのかもしれないなぁ、うんうん。
「オイ、むっつりスケベ、裸見ながら何、したり顔でうなづいてんだ? さっさと次の練習でもしろ。今度は一度書いてある紋章の、下の字だけを書き換えるんだ。」
ピンプルにせっつかれて、僕は元いたところに戻って壁の字を書き直した。『女風呂』の『女』を『レズ』って書き換えてみたんだ。すると、それぞれ個人個人で入浴してる気になってた女の子たちの様子がちょっとづつ変わってきたよ。僕の近くで目を閉じて『湯につかってた』女の子の1人が、左の方でゴシゴシしてるメガネの女の子に近づいてく。
「ねぇ、背中洗ってあげようか?」
「えぇっ?・・あ、あの」
メガネっ娘が返事をする前に、意味深な笑みを浮かべた娘が背中を撫で始めた。スナップ効かせてねっとりと、円を描くような感じだね。隙を見ては脇腹とかオッパイとかにもちょっかい出してる。メガネっ娘は困ったような顔をしながらも、ちゃんとした抵抗をしないでいるね。
「ここがどんなお風呂か知ってて入ってるんでしょ?だったらいいじゃない。」
すっかり自分の体をメガネっ娘の背中に密着させた女の子が、いつの間にか5、6歳年を重ねたような目線や口調で耳元に囁いてる。メガネっ娘は顔を伏せながらもどんどん呼吸が荒くなってるのが可愛いオッパイの上下するさまを見ても分かよ。まるでオッパイがうなづいてるみたいだ(ちょっと詩的な表現?照れるよ)。
目の前の2人の濡れ場に注目しちゃったけど、見回すとあっちこっちでみんな、イケナイことしてるよ。今思うと、これに比べりゃ朝の、僕と里美ちゃんのエッチは爽やかだったんだなぁ、NHK教育で流せる位かもしれないよ(無理?)。やっぱり女性同士ってシチュエーションはかなりいやらしいよ。みんな一番感じるところを分かっててわざとちょっと外すような、勿体ぶった責め方をしてる。気持ちが高ぶってく過程を楽しんでるみたいに、ネットリ、グッチョリ楽しんでるんだ。とてもみんな、放課後に図書室に残って勉強やら読書やらしてた真面目な娘たちだったとは思えないような、アダルトなエロを展開してくれるね。
僕はすっかり調子に乗って、『レズ風呂』って書いてある前に、『集団』って字を書き加えた。すると誰からともなく各カップルが中央の大テーブルの上や周りで連なり始めたよ。誰かに触られながら誰かを愛撫する娘や舌でいじめる娘が集まって、一つの組んずほぐれつの大乱交になったんだ。色んな娘たちの出す嬌声や喘ぎ声が重なってこっちが圧倒されるような合唱になってる。どこを見てもオッパイにお尻に腕だか足だか・・・紅潮した女の子の体ばっかり、匂いも僕には刺激的だし、図書室の室温もホントのお風呂みたいに上がってるような気がするよ。あまりの光景に、僕の頭はカッカッとしてきて、心臓だけじゃなしに体中の血管がドクドク言ってるんだ。
「オウオウ、いいねー。ローマのボスんとこの風呂なんてこんな具合だったりしたな。ボウズ、お前も一発参加しとけよ。」
「えぇ? ど、どうしようかな。」
足の踏み場も無いような酒池肉林の中に遠慮しながら入っていったけど、みんな僕の存在は無視して女同士で凄いことしてるから、女の子選んでるような状況じゃないんだ。とにかくこっち向いてたお尻をつかまえて、初めてのバックにチャレンジすることにしたよ。
「えーっと、・・・じゃぁ、失礼します。」
訳わかんないけどとりあえず一礼して、挿入。その娘はびっくりするぐらい濡れまくってたから、スルっと入っちゃった。周りに気押されしながら腰を振る。う~ん、集まって欲望全開になった女の子たちの前では、男ってか弱い生き物なんだね。最近まで女子高だった高校に入学した同窓生が、あんまり楽しくないって言ってた気持ちが今分かったよ。チョロっと出して、すぐに僕はイッちゃった。中出しだったけど、多分心配ないよ。このシチュエーション考えたら、どうせ僕の精子もきっとゴールまで辿り着けずに膣内で遠慮してそうなんだもん。自分で魔法かけといて、『お姉さま』たちの本当のエロさに、ひいちゃった自分にちょっと反省だよ。
「全く、何だ、てめーは。早漏か?実験も練習もあれからだったってのに、すぐにイッちまいやがって・・・。ホントに一触即発だな。」
「・・・熟語の使い方間違ってるよ。それに、僕は今朝まで童貞だったんだからしょうがないだろ。もう『サブジェクティヴ・レーブル』の使い方も覚えたからいいよ。今度大勢の人を一度に操る時は僕だってもっと格好良くやるよ。それより、今日は、僕の彼女が遊びに来るんだ。里美ちゃんって言うんだよ。」
「なんでい、だからてめぇのオヤジとオフクロ、外食に行かせたのか。そういうことは早く言いやがれ。」
さっき学校からやっと帰ってきて、さっそく両親が外食しに行くように仕向けたんだ。最後の授業の時に里美ちゃんに家への道筋を教えといたから、合奏部が終わったら家に来てくれるはずなんだ。ちょっとだけイタズラしたら、後はラブラブなカップルとして素敵な夜を過ごすつもりだよ。・・と、そんな話をしてるうちに・・。
ピンポーン。音が鳴るや否や、ドタドタ踏み鳴らしながら、僕は階段を駆け降りて玄関に飛びついた。覗き穴を見ると・・、そうです、里美ちゃんです。
「どうぞどうぞ、今誰もいないんだ。入って入って。」
「お邪魔します。遅くなってごめんね。」
初めての彼の家訪問に、ちょっとぎこちない里見ちゃんだけど、その笑顔はいつ見てもいいなぁ~。お行儀良く靴を揃えてる。そういう上品なマナー見てると、いきなりだけど今朝やったようなイタズラがしたくなっちゃった。バブルを一個飛ばしながら、僕はリビングに向かう。里美ちゃんは、バブルが当たった後はこっちについてこようとしないよ。ほらね。
「草野君、ごめん、ちょっと先に行っててくれる?」
「いいよ。」
僕が何気なさそうにリビングに入って、ちょっと間を置いてから、玄関を見てみる。ほ~ら、里美ちゃんが、ウチのスリッパを、焼きたてのトーストかじってるみたいに、両手を添えておいしそうにかじってるよ。
「里美ちゃん! 何してるの?」
ちょっと大きめの声で呼びかけると、大慌てで、スリッパを背中の後ろに回して、しりもちをつく。あせって笑顔を取り繕うとこなんか、すごく可愛いんだ。
「何でもないの。ちょっとね。ごめんなさい。」
大げさに首を左右に振る、困ってる里美ちゃんに、ちょっと意地悪に近づいてく。後ろで隠してた、歯型の付いたスリッパを僕が手にとると、情けなさそうにうなだれた。
「ほら、里美ちゃん!今朝言ったばっかなのに、また似たような下品なことして。もう許しませんよ。またしないように、お仕置きします!」
「違うの、草野君、ちょっと待って、あぁ、・・痛~い! ごめんなさ~い!」
言い訳しようとする里美ちゃんのお尻を手にとったスリッパでペシペシ叩く。弱みを見せちゃって歯向かえない彼女がパニクってる間にスカートをまくって、パンティーも下ろしちゃう。生のお尻にスリッパペシペシ攻撃だ!壁に両手をつけて、耐えてる里美ちゃんがけなげなんで、あんまり強くは叩かないけどね。
「反省したら、もう人の家のスリッパ食べたりしません、って言いなさい。」
「もう・・・人の家の、スリッパ食べたりしません、ごめんなさい。」
モジモジしながら里美ちゃんが言う。自分でやらせといて、お仕置きも何もないんだけど、適度に厳しくて優しい、頼れる彼氏っていうのが僕の理想なんだ。それに里美ちゃんの恥ずかしがる表情ってすっごく魅力的なんだよ。本人の知らない、そういう魅力を引き出してあげるのも彼氏の役目じゃない?(勝手な話でごめんね)とにかく今夜は、里美ちゃんの手料理食べて、お風呂入って、パジャマでゴソゴソして、布団の中でベタベタしながらずっと楽しくおしゃべりして・・・。明日はあーして、こーして・・・。とにかく魔法に必要なのは想像力なんだね。ピンク魔法の場合は妄想力かな?うーん・・夢はふくらむなぁ。
< 第4話へ続く >