おるすばん その3

「昨日から、アキミチさんいないんだよな………。好きにすればいいって、言われたけど………。そう言われると、かえって何にも思い浮かばなかったりして………」

 笹川ケイトは、学校へ向かうバスを降りたところでも、まだ今日のスケジュールを決め切れていなくて、そんな独り言を漏らしていた。アキミチさんがいない秀玲学園。ケイトにとっては久しぶりの、師匠の存在を感じない、普通の学園生活ということだ。そのプレッシャーを感じてか、ケイトはバスに揺られながらずっと、2年以上前になる、アキミチさんとの出会い、そしてクルミを初めて自分だけの催眠術で堕とした時のことを思い返していた。

(ま………、こういう時は、いつも通り、普通のルーティーンから始めた方が、かえって調子を崩さないものかな?)

 そんなことを考えていると、バス停から10メートルほど先で、元気にピョンピョンと跳ねて、手を振ってくる美少女を見つけた。クラスメイトの早坂来海。付き合い始めて、そろそろ2年になる。まだ朝練に参加する生徒たちくらいしか登校していない時間帯とはいえ、同じ学園の生徒たちとすれ違うなかで、堂々とケイトの元へ駆け寄ってきて、ぶら下がるように腕に絡みつく。既にクルミとケイトの交際は、1年半以上も前から、クラスメイトや同学年の生徒たちに知れ渡っていた。

「おはよっ。ケイト君。………どうしたの? 今日はちょっと、元気なさそう………」

 可愛らしい見た目に劣らず、優しくて気遣い出来る人柄でも人気を集めるクルミらしく、一目でケイトのいつもと少しだけ違う雰囲気を感じ取ったようだった。

「やっぱわかる? ………色々ね、ちょっと両肩に重いモノが乗っかっちゃったような話が、あるんだよ………。ま、……こっちの話なんだけどね」

 学園の正門近くまで来ると、中等部、高等部を擁する、レンガ造りの大きな建物がケイトの視界を占拠する。この学園を丸ごと、稀代の催眠術師から譲り受けたことを理解する。少し気持ちが大きくなるが、手に余る大きな荷物を背負ってしまったような気もしないでもなかった。

。。。

「じゃ、3人とも僕の指を見て。ほら、右に行って…………、左に行って……………。パチンと手を叩くと、君たちは深い眠りに落ちるよ。………ほら、パチン」

 朝のHRが始まる1時間も前に、ケイトは彼女のクルミ、クルミの親友のセナ、そしてクラス1のお嬢様、アヤノの3人に集合をかけている。毎朝、自分の調子を確かめるためにも、この3人に同時に催眠術をかけることが日課になっているのだ。

 朝には人が滅多に近づかない1階北側の会議室で、3つ並んだ椅子に腰を掛けている美少女たちは、ケイトが手を叩くと、言われたままに目を閉じて、全身を脱力させるように椅子に身を任せる。見慣れた光景だが、ケイトがとても好きな光景だ。朝、身だしなみを整えて登校してきた、クラスで選りすぐりの美少女たちが、ケイトの言葉一つに身も心も委ねて、弛緩する。その寝顔というか、トランス顔を見ていると、ケイトは自分の腕前が、今日も鈍っていないことを確認出来て、穏やかな気持ちになれる。

 モデル体型の柿原セナは、いつも大人びた顔立ちをキリッとさせて、格好いいオンナのオーラを出しているけれど、催眠状態にある時は、指2つ分くらい、口を開いていることが多い。その、無防備な顔が、可愛らしく思える。北宮アヤノは童顔と巨乳、上品な物腰から、クラスでトップクラスの人気を誇る美少女。トランス状態にある時は、薄っすらと瞼が開いて、黒目の一部が見えている状態になる。その目の虚ろな様子は、職人が作った美しい人形のようだ。そして早坂来海は、深い催眠状態にあるとき、気持ち口角が上がって、柔らかい笑顔のような顔を見せてくれる。何度も繰り返し、催眠状態にあることの気持ち良さを刷り込んできたので、催眠術をかけられたと感じた瞬間に、幸せのスイッチが入ってしまうのだ。三者三様のトランス状態の姿は、ケイトに改めて催眠術の世界の面白さを見せてくれる。

 少し、悪戯心が湧いてきた、ケイトが他愛もない暗示をかける。

「あれー、せっかく気持ちの良い、深―い眠りの中にいるのに、そんな貴方を邪魔するように、一匹の蚊が近くを飛んでいますよ。季節外れの蚊ですね」

 眉をひそめたセナが、鬱陶しそうに手を仰ぐ、完全に目を開いたアヤノが、困ったように周りを見回す。クルミも、口元をしかめながら、頭を左右させる。皆の耳には、実際には存在しない、蚊の羽音が聞こえているのだ。不快そうな美少女たち。快感も不快感も、自由に与えられる。

「あ………、右の頬っぺたに止まった。………血を吸われちゃいますよ」

 パチン。3人の、自分で自分の頬っぺたをひっぱたく音が、見事に揃った。セナが自分自身のビンタの痛みに、顔を歪ませる。アヤノの白い頬っぺも、薄っすら赤くなっていた。可哀想なことをしたと思うが、ケイトは小さく笑ってしまう。

「嫌な蚊はいなくなってしまいましたよ。今度はとっても清々しい気持ちになる。そうです、貴方はとても気持ちの良い、広々とした草原にいますよ。空も抜ける程青くて、草は瑞々しい緑でフカフカします。最高の気持ち。………誰も見ていないので、制服なんて脱いでしまって、下着姿で元気に駆け回りましょう」

 熱い、寒い。腕がガチっと硬直する、ダランと脱力する。不快な気分、とても心地良い気分。これまでも暗示を与える時はギャップを作って彼女たちの心を振り子のように揺さぶって来た。今では、催眠状態に導入してから1分で、こんなシンプルな暗示を与えるだけで、勝気なセナも従順にジャケットを脱ぐ。真面目で清純なクルミが、当たり前のようにシャツのボタンを外していく。お上品なアヤノが、スルスルとスカートを下ろしていく。皆、ケイトの暗示を心の最も深い部分まで、染み込ませるように受け入れる。何の疑問も持たずに、ケイトの設定、シナリオ、思いつきの演出を受け入れて、想像力を発揮してくれるようになっていた。美少女たちが肌を晒して、下着姿になって並び立つと、ケイトの鼻を、甘くてイイ匂いがくすぐってくるような気がする。

「さ、両手を左右に伸ばして、思いっきり、走り回りましょう。とっても解放された気分になれます。ほら、よーいドンッ」

 飛行機の羽のように両手を横に広げた美少女たちが、嬉しそうに会議室の中を駆け回る。セナの脚線美が際立つ。アヤノがいつも隠すようにかばっている巨乳が遠慮なく揺れる。そしてクルミの、少女から大人へ成長している途中のような、儚い美しさを醸し出す華奢な体が、躍動する。

 ゴンッ

 大きな音を立てて、セナが会議室の壁に、両手を広げたままの走り姿で激突した。クルミは反対方向の壁に近づいたが、器用に方向転換して、激突を避けた。アヤノは、セナほどのスピードで走っていなかったので、ぶつかることはなかったが、壁をオデコと胸とで押すようにして、その場で足踏みを続けている。

『この会議室を広い草原だと思って、下着姿で元気に走る』

 たったこれだけのシンプルな暗示だったが、それに反応した3人の行動も、微妙に個人差が出る。これが、ケイトがことあるごとに実感する、催眠術の奥深さと面白さだった。

 催眠状態にある人も、通常は意識の片隅では現実の世界の状態を把握している。それは現実の環境が、睡眠中の夢の中での出来事にリンクしてくることがあるのと、似ている。けれどセナの場合は、目の前の壁を無視して、草原の向こう側まで走りたくなるほど、「広々とした草原を走る」という暗示がストレートに意識に入りこんで、壁の認識に勝ってしまった。ぶつかったあとのセナは、何もないはずの空中を、不思議そうな目で見つめている。一方、壁に体を密着させて、まだ足をドタバタさせているのはアヤノ。彼女も、激突とまでは衝撃を受けていないからか、自分が壁に当たっているということにも気づかず、走っているつもりでいるようだ。

 二人に比べると、クルミは器用に壁の付近でUターンをして駆けている。なぜそのような走り方をするのか、聞いてみたことがあるが、「何となく」としか彼女は答えられなかった。現実の障害物を避けつつ、ケイトに与えられた暗示から膨らませた、想像の世界を満喫している。一見、セナやアヤノの方が深く暗示に掛かっているように見えるが、クルミのこれはこれで、外界と催眠暗示の世界が共存する形で安定化していると見ることも出来る。こうした彼女たち一人一人の個人差が、今のところケイトを飽きさせずにいてくれる。全員、とっくの昔に、その素敵な体をケイトに捧げてくれた。しばらくの間、この美少女たちとセックスに明け暮れることが催眠術の練習と同義語のようだった時期もあった。それでも、一通り彼女たちとのプレイも一周すると、またこうした、ライトな催眠暗示への反応の個人差を見ている方が、この綺麗なクラスメイトたちの素顔の奥まで見せてもらっているような気がして、楽しめるようになっていた。(もっとも、そう言いつつも、学校の中でしっかりブラジャーとショーツの、下着姿にさせてはいるのだが………。)

 コンコンコン

 その時、会議室の扉がノックされる音が響く。ドタバタと駆け回っていた女の子たちを手の動きで制しながら、ケイトが振り向く。

 ガラガラガラ

 扉が開かれると、ビジネススーツのスカートとシャツの上に白のジャケットを羽織った、若い女の先生が立っていた。数学担当の御堂郁恵先生だった。

。。。

 御堂先生は朝早く、プリントの打ち出しを終わった後で、何となく気になることがあって、高等部棟の3階北側を歩いていた。すると、今の時間帯は誰も使っていないはずの会議室から、「ゴンッ」という硬質な衝撃音と、「イテッ」という声が聞こえる。女子生徒の声だ。不思議に思った御堂先生が、会議室へ近づいていくと、室内からはドタバタと複数の生徒が走る音、そしてかすかに聞こえる、クスクスと笑うような声。息が切れ切れの、女子生徒の笑い声も聞こえた。奇妙に思った御堂先生は、扉をノックする。室内のドタバタが、少し静かになる。不審げに、扉を開くと、そこには、異様な光景が広がっていた。制服を着たままの男子生徒1人と、その周りをフラフラ歩いたり立ち尽くしたりしている、下着姿の女子生徒3人。4人とも、御堂郁恵が数学を担当している生徒たちだった。

「笹川君っ! ………これはどういうこと?」

 両手で口を覆って、狼狽しつつも、教師として毅然とした態度を保とうと、郁恵が声をはる。気がつくと、このシュールな状況の中、反射的に男子生徒を叱責してしまっていた。

「どういうこと………って、先生。………僕たちみんなで、待ってたんですよ。郁恵先生の特別授業を」

 笹川ケイトという、とりたて目立つところのない、茫洋とした男子生徒が発した言葉、『郁恵先生の特別授業』という言葉を聞き取った瞬間に、郁恵は一瞬、目の前がブラックアウトしたような気持ちになる。立ち眩みのような、地に足がつかなくなるような、奇妙な感覚。この感覚は、なぜかよく馴染みがあるものだった。御堂郁恵先生は、瞬時に思い出す。郁恵先生は、数学だけを担任をしているのではなかったことに、今更ながら気づく。

「あ………、性教育のほうね…………。ゴメン。先生、すっかり忘れてた」

 慌てて手首に付けているシルバーの小さな腕時計を外して、白いジャケットから腕を抜く、御堂先生。忘れていた割には、朝の特別授業の時間にきちんと会議室まで足を運んでいたのは、偶然が重なっただけだろうか。御堂先生がテキパキと白いシャツを脱いでいくと、キャミソールの下から、光沢のあるクリーム色のブラジャーが顔を出す。ストラップがずれたりしても、シャツに色が響かないように、配慮した色の選び方のようだ。先生は年頃の男子生徒たちの視線を自分が集めてしまっていることを、きちんと意識して、日頃から気を配っているようだった。若いだけでなく、目鼻立ちがくっきりしている、これだけの美人なのだから、男子たちの人気を集めてしまうのも仕方がないことかもしれない。タイトスカートを下ろすと、スタイルの良さが際立つ。腰のくびれ、Dカップだと言っていた大きな胸。しっかりと肉のついた、ムチっとしたお尻。下着姿で並ぶと、クラスの美少女たちとは、一段迫力が違う、オトナのカラダだった。

「郁恵先生のオッパイを、今日も見られるのが、嬉しいです」

「…………笹川君は、オッパイが好きね。…………実は、女性も、見られると、ちょっとドキドキしたりするのよ。相手にもよるけれど」

 先生がブラジャーのホックを外すと、大きくて柔らかそうなオッパイが、ボロンとこぼれ出る。一瞬、湧き上がってきた恥ずかしさに、腕で隠してしまうけれど、顔を赤くしながらも、教師の自覚で、羞恥心を抑えつけながら、腕を下ろして、しっかりと大きなオッパイを男子生徒に見せる。

「大好きな人には、オッパイを触られたい、キスとかしてもらいたいって、思うこともあります。女性としては、普通のことよ」

 性教育中の御堂先生は、出来るだけ自分自身の性欲の存在や、性体験、好みのプレイなど、生徒たちに赤裸々に語るように、心がけている。特に年頃の男子たちは、自分たちの性欲のコントロールに苦労する一方で、女性は性欲なんて持ちあわせていないと、頑なに信じている、ピュアというか、世間知らずな子が少なくない。そのまま放置しておくと、「性欲は女性に無理やり押しつけることでしか解放できないものだ」と誤解しかねない。かといって、女子生徒たちに積極的に女性の性欲について語ってもらうことなんて、一層無理な年頃だ。そこで、せめて性教育担当の女教師が、自分の全てを赤裸々に晒して、男子生徒たちに、女性の本当の姿を見せてあげる。そして健全なエッチの道へと導いてあげる。それこそが自分の仕事だと考えている。この教育方針を、郁恵先生はどこで自分が培ったのか、よく思い出せないのだが、確固たる信念として固持していた。

「ほら、これが女の人の体よ。復習だと思って、今日も良く見て。毎日、体調によってお肌のハリや調子も、少しずつ変化するの。気をつけてお手入れしていないと、体毛も伸びます。でも、全て、自然なことよ」

 全裸になった御堂先生が、両足を肩幅に、両腕を上げてバンザイのポーズをとると、ゆっくりと全身を回転させる。ケイトのズボンの膨らみに気がついて、隣に立っているクルミが、こっそり彼の腕を掴んだ。授業なのだから仕方がないが、自分の彼氏が先生の裸を見て勃起しているというのは、少し複雑な気持ちにさせられるようだった。

「早坂さん、男の人が、女の人の裸を見て、反応してしまうのは、自然現象よ。………ほら、先生も、男の子に裸を見られていることを意識していると、ドキドキして、お腹の下のあたりがキュンってしたり、乳首が立ってきたり、色々と反応をしています。ほら、………ここも、ちょっと潤ってきてるでしょ?」

 先生が頬をポッと赤らめながら、照れ笑いを浮かべて、自分の乳首を指さしたり、股間の大切な割れ目に指を入れて、濡れた指先を生徒たちに見せてくれる。確かに先生の淡い小豆色の乳首が、プクッと起きている。指先は液体でキラッと光っていた。

「先生は濡れやすい体質だもんね。毎晩オナニーは欠かさないし、やっぱり天性の性教育担任だよね」

 ケイトに言われて、御堂郁恵先生はさらに赤くなる。自分も出来るだけ生徒たちに対してオープンにするようにしているので、仕方がないのだが、時には生徒たちの方が、なぜか自分の体質や性生活を熟知しているような気がして、不思議な気持ちになる。仕事のストレスの発散にもなっているからか、最近は特別授業の参考調査のために、特殊な性癖のアダルト動画などを学習しながら、自慰行為に励むことが多くなっている。それは確かだった。仕事のためとはいえ、自分のネットの閲覧履歴や、動画サイトの購入履歴は、絶対に両親には見せられない状態になっていた。

「笹川君に、ちょっと意地悪なこと言われたから、先生、もっと濡れてきちゃったじゃない………」

 御堂先生がムクれたような表情を見せると、セナが思わず声に出してしまう。

「郁恵先生、Mっ気あるもんね。………ドMのイクちゃん」

 隣で聞いていたアヤノお嬢様が、ドギマギしながら目を大きくする。御堂先生は溜息をついた。

「柿原さん。先生に対して、そんな言い方しちゃ駄目よ。私だからいいけど、他の先生だったら、職員室に呼び出し受けるわよ。…………大体、性教育の担任なんだから、MもSも出来るのは、当たり前です。健全なエッチを教えられるために、もっともっと不健全なエッチも、沢山勉強するんです。それが、職業倫理というものよ。………ほら、笹川君。ズボンとパンツを下ろして、ここに寝て。今日は『ナカ出し』を履修する日でしょ」

 テキパキと、ケイトのズボンを下ろすのを手伝おうとする御堂先生。慌ててクルミが先生とケイトの間に割り込んで、ベルトを外し、ズボンとトランクスを下ろすのを手伝う。自分の彼氏の性教育履修を邪魔するつもりはないが、そこに至る準備は、彼女の自分が手を動かしたい。そんな様子の行動だった。

「じゃあ…………早坂さん、ゴメンなさいね。これも授業だから。ケイト君、………入れるね………」

 生徒たちに気遣いながら、ゆっくりと、寝そべるケイトの腰にまたがって、インサート。優しい先生なのだ。腰の角度を微調整しながら、手をケイトのモノに添えて挿入させる。ヌルっと自分のモノが美人教師の粘膜の中に咥えこまれる感覚が、ケイトの下半身を楽しませる。郁恵先生のヴァギナの中は、温かくて湿っていて、生き物のナカにいるという感覚に満ちている。完全に繋がると、ケイトの陰毛と郁恵先生の黒々と湿ったアンダーヘアとが、重なり合う。下から見上げる、先生のオッパイは壮観だった。

「笹川君、ちゃんと勉強してね。女の人との、愛のあるエッチは、とても気持ちの良い、素敵なものよ。貴方も、相手をしっかり愛して、いたわってあげてね。そうすると、パートナーも、とっても、良い気持ちになって、お互いに高めあうことが出来るわ」

 ゆっくりと腰を押し上げて、郁恵先生の膣の中でペニスを上下させる感触を楽しみながら、ケイトは質問する。

「じゃ………、どれくらい激しく突くと、………やりすぎでしょうか?」

「……………試して、良いわよ。………せっかくの実地学習なんだから………。貴方の大事な早坂さんを傷つけないように、………先生で試してみたらいいわ」

 言われたケイトは、精一杯腰を振る速度と奥への突っ込み方を激しくする。先生は、自分の唇を噛みながら、ケイトのグラインドに呼応するように、自分も腰を動かす。最初の内は、「フッ、フッ」と鼻から息を漏らしているだけだったが、そのうちに高い声で喘ぎ始めた。

「………これだと………、やりすぎですか?」

「あぁあっ………………あんっ………………ふぁああっ………………。まだ……………大丈夫……………」

「…………じゃ………これは?」

「気持ちいいっ………………すごいっ……………イイッ……………」

 先生が、光沢のある黒髪を振り乱しながら、頭を揺らして喘ぐ、悶える。ケイトのおチンチンが入ると、感度が何倍か上がるような気がするのが、いつも不思議でならない。

「………じゃ、これでどうだっ」

 ケイトが必至で腰を突き上げてても、先生はまだストップをかけない。疲れたケイトは、ブルンブルン跳ねて踊っている、大きなオッパイを、腰のピストンを繰り返しながら、ムギュっと握りしめた。

「…………!!」

 先生が声にならない喘ぎ声を出して、顎を天井に向ける。ブリッジするように背を反らしながら、郁恵先生が痙攣する。先生のヴァギナも、さらにキツくケイトのモノを握りしめる。ケイトも一緒に、イってしまった。『ナカ出し』の授業なのだから、問題ない訳なのだが………。

 ケイトのモノを体から抜いて、高級そうなハンカチでケイトと自分の下半身を拭いたあとで、先生は、まだ整わない呼吸を落ち着けさせるように息を継いで、やっと言葉を出すことが出来た。

「どれくらい激しいとやりすぎかは……………。人、それぞれ………です。…………先生は、さっきの………ケイト君くらい…………激しくされた方が…………気持ち良かったです…………。ゴメンね…………。参考にならなくて…………」

 ここでも、あっさりと「個人差」という結論になってしまった。ケイトは少しだけ、自分の大切にしているこだわりに、水を差されたような気がした。

。。。

「………じゃあ、いいね、みんな。僕が手を叩いて、スッキリと目を覚ますと、君たちはガチンコのレズビアンです。貴方と貴方と貴方が責める方で、貴方は責められてドロドロに興奮しちゃうレズですよ。はい、パチン。………おはようございます」

 目を覚ましたクルミたちは、ブラを外して、ショーツもスルスルと足首へと巻くように下ろしていって、足を抜く。セナもアヤノも、ケイトの目なんて気にせずに脱いでいく。まるで彼女たちにとって、男なんて存在自体が眼中にない、といった雰囲気だ。

 閉じていた目を開けた郁恵先生は、裸で寝そべっていたところからゆっくりと上体を起こすが、頻繁に瞬きをしながら、周りを恐々と見まわしている。その目は、怖がるような、期待をするような、潤んだ輝きを放っていた。

「ふふふ………。先生なのに、ずっと裸なの………。悪いんだぁ………。いくら性教育の先生だからって、授業後も生徒を誘惑しちゃっていいのかな?」

 セナが、ちょっと意地悪なトーンで責めると、郁恵先生は大きなオッパイを腕で隠しながら、体をちぢこめて俯く。

「先生、私たちとも…………イイことしませんか?」

 郁恵先生よりは少しサイズで負けるけれど、とても柔らかそうなオッパイを肩に押しつけながら、アヤノはいつもよりも大胆な口調で誘う。

「…………授業だからって、人の彼氏に跨って、失神するまでイッちゃう先生には………、ちょっとお仕置きが必要じゃないですか?」

 クルミの笑顔の怖さからは、他の2人とは一段違う真剣さが感じられた。

「あぁっ…………はぁあっ…………そっ………そこは………」

 体の様々な部分に生徒たちの舌が触れるたびに、郁恵先生は感電したかのように、背を反らしてビクッと体を震えさせる。自分のことを、感じやすくてMっ気の強いレズビアンだと信じて疑わない、今の先生は、女生徒たちに敏感な部分を舐められるたびに、弱気な嬌声を上げる。オトナな体の下半身、股間の部分に顔を押しつけたクルミが舌を激しめに動かすと、先生は頭をイヤイヤと、左右に振った。

「先生………、すっごい、ドロドロに濡れてますよ。…………本当にエッチなんですね」

 顔を一瞬上げたクルミが、クスっと笑いながら、美人教師を責める。いつもよりも、Sっ気が増している。………本当は、ヤキモチを焼いた彼女の相手を朝からするのが億劫になったケイトが、彼女のモヤモヤを直接郁恵先生にぶつけさせているのだ。今日は一日が長くなりそうだ。彼女との絆深め合いセックスに朝から全力を使い果たしている場合ではない………。

「早坂さん…………、意地悪言わないでぇ…………。先生………、もう………、どうしよう………。……あっ…………、そこも…………。

 伸びあがるほど起立している彼女の乳首を、セナがペロッと舐めると、先生はまた、切なそうに肩を震わせる。脇腹から脇の下にかけては、アヤノが丹念に舐めている。美人の先生と、クラスの美少女たちのイケナイ遊び。ケイトはその背徳的で淫靡な姿に、思わず見入ってしまっていた。

「また………、先生、またイっちゃうぅぅううっ!」

 イクときには、きちんと予告してくれる。性教育の担当教諭としての、職業柄のクセ(というか、ケイトの暗示)のせいで、郁恵先生はまたも恥ずかしい顔を、生徒たちにじっくりと見られながら、オルガスムに達してしまった。

。。

「はい、じゃぁ皆さん、シャワーを浴びて、身も心も洗い流しましょう。とってもスッキリした気持ちになりますよ。自分の体の、敏感な部分、エッチな部分などは、特に綺麗に洗っておきましょうね。その方が、今日の授業に集中できますよね」

 ケイトに言われると、前にズラリと並んだ3人の美少女と1人の美人教師が、全裸のままで、蛇口を捻るような手の仕草を見せる。いつものことながら、彼女たちに体育館脇のシャワールームまで行かせる時間が無くなってしまったのだ。不思議なもので、ベタベタの彼女たちの体を、ティッシュで拭かせるだけよりも、「シャワーに入った」と感じさせるだけで、彼女たちのリフレッシュ感は変わる。彼女たちに一日気持ちよく過ごしてもらうためにも、朝のドロドロ、ベトベトは、想像上のお湯だとしても、洗い流してもらった方が、良い効果があるようだった。

 リラックスした表情で、想像上のシャワーシーンを演じ始める裸の先生と生徒たち。ケイトは思い出したかのように、自分のスマホをいじって、最初に郁恵先生の手に持たせる。「これがシャワーヘッドですよ」と一言添えて。

 これも、最近になってケイトがルーティーンに加えた遊びの1つだ。「シャワーヘッドだよ」と暗示を入れて、動画撮影中のスマホを手渡す。色んな条件が運よく揃うと、美女や美少女が自分で撮ってくれる、オッパイやアソコの接写動画が、後から手に入る。半分以上、運に左右されるので、上手く撮れていないことも多いのだが、たまに綺麗な動画が手に入ると、ケイトは後から、思わぬボーナスをもらったような気がして、興奮する。

 美女が知らないうちに自分で撮った盗撮動画。綺麗に洗っているつもりで、ケイトの携帯に半永久的に残してくれる、自分の恥ずかしい場所。ゲーム性の高さもあいまって、自分で彼女たちのシャワーシーンを真正面から撮るよりも、ずっと楽しめる。夜眠れない時などに、暇つぶしで動画を見ていると、昼間に間近に見ていたはずの彼女たちの裸が、映像の中で妙に生々しく、背徳的なものに見えてしまう。これもケイトの秘かな楽しみの一つだった。

。。。

 朝、美女たちを操って満足したはずだったのに、三時限目の時点で、授業に飽きてしまう。ケイトは、両膝をパチンと叩いて、腰を上げた。

(今日から、学園丸ごと、僕が操っていかないといけないんだった。………3時間も、普通に授業受けてる場合じゃないな。)

 ケイトは隣の席に可愛いクルミを残して、教室を出ていく。先生も、クラスメイトたちもケイトの動きを見咎めたり、声を掛けたりしない。全員に、彼の行動の邪魔をしないように、あまり気にかけないようにと、授業中の行動についても、暗示を擦りこんであるのだ。

 ケイトは手に、アキミチさんとやり取りするための「お留守番ノート」だけを持って、2年のフロアへ上がっていく。窓からコソッと見てみて、男の先生が授業をしている1-Aは、パスさせてもらう。

 2-Bの教室を覗きこむと、美人の女の先生が授業をしていた。迫水夕香里先生だ。確か郁恵先生の先輩だったはずだ。いきなり美人の先生が授業中のクラスに当たったのは、幸先が良い。ケイトはノックもせずに授業中の教室の扉を開けると、コクっと頷くように、会釈をした。

 一瞬、説明を止めたユカリ先生も、扉にたたずむケイトの方を見た先輩たちも、すぐに視線を戻して、何事もなかったかのように、授業に戻る。全員に、「授業中はケイト(以前はアキミチ)が教室に入ってきても、気が付かない。彼の行為を認識しない。但し、言われたことには無意識のまま従う」と、暗示が繰り返し刷り込まれているのだ。

 タイトなスーツに身を包んで、はきはきと物理の数式を説明するユカリ先生。優しそうな顔の郁恵先生と同じくらい美人だが、こちらはもう少しシャープな顔立ちをしている。教え方も明晰でキビキビとしていて、ちょっと強いトーン。授業中の無駄なおしゃべりなんて、許さないといった教育態度だ。黒板に数式を書き込むチョークの音まで、シュッ、シュッと、迷いがない。タイトスカートの上から、お尻を撫でさせてもらう。お尻の張りは、なかなかのものだ。少しむず痒そうに、お尻を振って、無意識のうちにケイトの手から逃げようとする。ケイトはユカリ先生の耳元に顔を近づけて、小声で囁きかけた。

「先生、僕が合図するまで、自分でも気がつかないままで僕の言葉に従ってください。先生はこれから、今の数式の横に、自分のスリーサイズを書いていきましょう。それから今日の下着の色、下着のメーカー。これまでにエッチをした相手の人数。好きな体位と、その理由も書いてください。生徒たちがノートに書き写したと思うあたりで、自分が板書した中身に気がついてくださいね」

 ユカリ先生は、真顔で数式の説明を続けながら、その右側にまだチョークを走らせていく。「84-58-86。上:紺、下:紺。トリンプ。累計3人。好み:後背。理由:顔が合っていると恥ずかしいので」生徒たちの何人かは、首をかしげながらノートをとっているが、先生があまりにも当たり前のような顔で板書しているので、一応書き写している。ヒソヒソと内緒話を始める女子生徒もいる。こういう時に、勘が良いというか、気づきが早いのは、たいてい女子だ。

「皆さん、ちゃんとノートとったかしら? ここはテストにも出やすいところだ………か…………ら………。え? …………なにこれっ…………どうしてっ? ………」

 耳まで赤くなったユカリ先生が、急いで黒板消しを上下させて、せっかく書いた内容を消していく。右手の黒板消しで間に合わない場所は左手のひらでチョークの粉を拭いとるほどの慌てようだ。いつもは冷静沈着な先生が、懸命に真面目な顔を保ちながらも、小さく跳ねたりしながら、黒板に書かれた自分の秘密を消していく様は、少し可愛らしい。

「皆さん、今のは、消していいですっ。先生、ちょっと勘違いしていました。これは絶対にテストでも出ないので、ノートからも消してください。忘れてくださいっ。全く関係ない内容でした」

「あの………先生、今のは………」

「ごめんなさい。質問は受け付けられませんっ。ちょっと授業の進みが遅いから、急がせてもらいますねっ」

 まだ顔を赤くしたままのユカリ先生が、眼力で質問を押さえこむ。それでもまだ少し、教室の後ろのあたりはザワザワとしていた。男子の半分以上は、言いつけ通りにノートを消してはいないようだった。

 気を取り直して、物理の授業に戻っているユカリ先生だが、それでも何回か、思い出したかのように顔を赤くして、説明につっかえていた。そんななか、2-Bの教室の端から端までを、ケイトは『透明人間』として、気ままに歩いていく。みんなケイトにとっての先輩たちだが、同時にケイトの存在に気づけない、イタズラ相手であり、催眠術のモルモットでもある。

 黒髪ストレートの綺麗なお姉さんを見つけたケイトは、真面目にノートをとっている彼女の後ろに回り込んで、脇の下に腕を滑り込ませて、彼女の胸の膨らみをゆっくりと揉み上げる。

「ん? …………んんん………うん?」

 むずがるように、椅子の上で体をくねらせる、綺麗なお姉さん。脇の下を閉めようと、ケイトの腕を挟み込んでくる。

「僕の動きを邪魔しようとしちゃ駄目だよ。感じるのはいいけれど、邪魔は出来ない。されるがままにしておこう」

 ケイトが耳元で言うと、お姉さんは少し納得いかない表情を見せながらも、体の力を抜いていく。しばらく下着と制服の上からの彼女のオッパイの感触を楽しませてもらったあとで、襟のボタンを一つずつ外していって、右手を襟元からブラジャーの下へと滑り込ませる。お姉さんは小さく足で床を踏み鳴らしながら、下着の中に侵入してきた『感知できない手』の与えてくる、不思議な刺激に耐えている。人差し指で乳首を見つけたケイトが、しばらく優しく指の腹で転がしていると、可愛らしい乳首はツンっと立ち上がってきた。真面目そうなお姉さんは、赤い顔を教科書で隠しながら、肩をプルプルと振るわせて、まだ耐えている。

「上村、どうかした?」

 隣の男子生徒が、心配して聞いてくる。

「んん…………何でもない…………。はんっ……………………っく…………」

 両乳首を摘まんで引っ張り上げてみると、お姉さんは、すごくセクシーで生々しい声を漏らしてしまった。制服とブラジャーがここまではだけてしまっていても、隣の男子生徒は事情を感知することが出来ないでいる。少し心配そうに、そしてちょっとだけドギマギしたような表情で、上村さんという綺麗なお姉さんをチラチラと見ている。彼も周りの生徒たちも、先生も、ケイトが服をはだけさせたこと、その結果としての彼女の服装は「異常」として認識出来ない。それでも、上村さんが自分から上げている喘ぎ声や、悶えている様子には、少し様子のおかしさを感じている。この微妙なラインを、よく観察しておいて、ノートに書き留めておくのが、ケイトの仕事だと言える。

 ケイトはこの綺麗な先輩が、少し好きになっていた。顔立ちは整っていて、オッパイはボリュームがあって、柔らかい。乳首を摘ままれた時に身をよじって感じながら、なお我慢している姿は、可愛らしい。ケイトは調子に乗って、上村先輩のホッペにチューをしながら、手をスカートの中に入れる。ショーツの奥に指を伸ばすと、ヘアーがシットリと濡れている感触があった。

「上村先輩って言うんですね。………貴方は授業中なのにアソコが濡れてしまっていることがとても恥ずかしい。皆に見つからないように、こっそりと指で全部拭ってしまいましょう。指についた恥ずかしい液は、舐めておけば、バレません。わかりましたか?」

 ケイトが言うと、上村先輩は恥ずかしさと快感とで目を泳がせながら、コクリと頷いた。何に対して頷いているのか、自分でも理解出来ていないけれど。

 扉を閉める前に、1-Bの教室の中をもう一度振り返る。教卓のユカリ先生は、まだ顔を赤らめて、早口で授業をしている。ケイトの新しいお気に入りの上村先輩は、身を縮めて周りの目を気にしながら、人差し指をチューチューと懸命に吸っていた。

。。

 2-Eには久我理美先輩がいる。ケイトが中学2年で転校してきた時の、中等部の生徒会長だ。今でも、顔を見ると、「会長」という目で見てしまう。スラっとした長身で色白だけど、芯が強いのが伝わってくる、いかにも聡明そうな美女だった。

「会長。実験のお時間です」

 窓を開けて一声かけるだけで、久我先輩の目は焦点が合わなくなる。先輩がスクっと立ち上がって、2―Eの教室を出てくるところを、彼女のクラスメイトたちも担任の先生も、無表情に見送っている。高等部の2、3年生たちは、元はアキミチさんの遊び場。そう思うだけで、ケイトは生徒や先生たちの催眠の深度に対して、絶対的とも言える信頼を持てる。

 その深度が変わっていくところを観察し、メンテナンスすることがケイトの役割な訳だが、まだアキミチが出て行って1日。今のところ、全く不安はない。ケイトの斜め後ろを、元中等部の美人生徒会長が、付き従うように歩いてくれる。その様子を振り返られなくても、自信を持って前を歩くことが出来る。これはとても気持ちが良い時間だ。

 。。

「集まったね、悪ガキども。………では、秘密のお楽しみ、集団催眠実験を始めさせて頂きます」

 ケイトが言うと、空き教室に集まった4人の男子たちは、指笛を拭いたり、拍手をしたりして、囃し立てる。皆、ケイトがまだ、催眠術の腕を上げるより前に、転入生の彼に声をかけてくれたり、遊びに誘ってくれたりした、友達と呼べる存在だ。この学校に通い始めて、2年半で、友達4人というのは、少ないかもしれないが、今のケイトには彼女が1人と性教育の個人担当教師が3人、そしてセックスフレンドが100人単位でいるので、寂しさは感じていない。

「それじゃぁ、リクエストに応じて、今日は皆の生徒会長、憧れの久我理美先輩に来てもらいました」

 ケイトが言うと、また4人の男子がヒューヒューと騒ぐが、ケイトの隣、椅子に深く腰を掛けている久我先輩は、両眼を閉じたまま、一切反応をしない。先輩の隣に座る北宮アヤノも、御堂郁恵先生も、眠ったように目を閉じたまま、おとなしく座っている。郁恵先生とアヤノちゃんは、朝のルーティーンに引き続きで、今回はギャラリー付きの実験に付き合ってもらう。ご苦労様なことだ。

「サトミ会長、イクエ先生、アヤノちゃん。目を開けましょう。皆さんは今、自分のお部屋に1人っきりでいますよ。今日はちょっと、ムラムラするというか、ムズムズするというか………、エッチな気持ちですね。何かしないと、スッキリしないような………人目を気にする必要もないです。したいことがあったら、遠慮なく始めちゃってください」

 ケイトがそういって手をパチンと叩くと、同時に目を開いたサトミ会長にイクエ先生とアヤノちゃんが、周りをキョロキョロと見まわす。少し居心地悪そうに、何度も座りなおしたり、髪の毛を弄ったり、スカートのシワを伸ばしたりしていた3人だったけれど、誰からともなく、モゾモゾと動き出した。鼻から深い息をしながら、顎を上げて内股気味の股間に指を入れたのはイクエ先生。男子たちはいつもの清楚な美人教師の大胆な動きに、どよめいている。彼らは、イクエ先生が今、性教育担当として、日々、自分の性感帯開発に真面目に勤しんでいることも知らないので、普段の楚々とした先生とのギャップに興奮している。そして、恥ずかしそうにモジモジしながら、自分のオッパイをペタペタ触り始めたアヤノちゃんが、「んっ」と可愛い声を漏らすと、自分たちの呼吸も忘れて、お嬢様が1人エッチに興じる姿に見入る。

 やがて、首を傾げたり、自分の体を抱えるように両手で肩を抱いていたサトミ会長が、徐々に鼻息を荒くすると、とうとう観念したかのように、顔を赤らめながら、シャツの裾をスカートから出すと、シャツに下から腕を突っ込んで胸を触り始める。もう片方の手はスカートの中に入れて、ゴソゴソと動かし始めている。途中からサトミ先輩は椅子から立ち上がって、ウロウロと周りを歩き始める。近づきすぎた男子が2人、ぶつからないように慌てて後ずさった。サトミ会長はオナニーする時、部屋の中をウロウロと歩くのが癖らしい。

 ケイトの友だち、中3の男子生徒たちは、目の前で美女、美少女が恥かし気もなく、自分の体を触って快感に身をくねらせている姿を見ているだけで、大興奮している。彼女たちの意外と大胆な、あるいはネチッこい指の動き、熱っぽい表情と、くぐもった喘ぎ声、そしてはだけられていく制服や下着を見て、歓喜している。

 ケイトの視点はもう、彼らとは少しずつ変わってきている。ケイトはさっき、彼女たちに、『ムラムラしてきた』、『エッチな気持ち』、『人目もないので、やりたいことをしていい』という暗示を与えた。しかし『オナニーしましょう』という暗示は与えていない。それでも、彼女たちは皆、ケイトの言葉を受け止めて、ケイトが意図していることを察知したかのように、3人とも同じ、人前ではけして見せられないはずの行為を、こうして始めている。その、少し遠回りした暗示をテクニカルにヒットされられたことに、ケイトは快感を覚えている。

 しかしそれは、ずいぶんマニアックな嗜好だということも、自分でわかっている。だからケイトは、こうして時々、思い出したように悪ガキたちを誘い込んで、健全でエッチな催眠術ショーを開幕させる。ギャラリーの中学生男子たちのストレートな反応を見て、自分のねじ曲がりつつある嗜好を、微修正しているつもりだ。………こんな風に。

「あれあれ? 皆さんの両手が、誰かに乗っ取られてしまいました。皆さんの手は、とってもイヤらしい、そしてテクニシャンの、痴漢オヤジの手になってしまいました。痴漢オヤジたちは容赦なく、貴方たちの恥ずかしいところを激しく弄ってきますよ。でもただの痴漢オヤジじゃないです。その手は皆さんの体や脳とも繋がっていますから、皆さんの感じるところ、感じる触り方、本当はちょっとチャレンジしてみたいと思っているような方法、全部を熟知している痴漢オヤジの手なんです。触られるとすっごく感じて、声が出ちゃいますよ」

 ケイトがそう言うと、女性陣の動きが2段も3段も、エスカレートする。アヤノちゃんの手が、無作法に大きなオッパイに指を食い込ませて、乳首をグリグリとこねくり回す。お嬢様が頭を左右にブンブン振りながら、裏返った声で喘ぎ始める。サトミ会長はまだ留められていたボタンを弾き飛ばして、自分でシャツを引っ張り剥がすと、ブラジャーも強引にずり下ろして、丸くて白いオッパイを剥き出しにし、ポチャポチャと下から手で揺らし始める。イクエ先生に至っては、閉じようとする足を自分の手で開いて、ショーツをずらすと、濡れたアソコに自分の指を深々と突っ込む。もう一本の指は、もっと後ろの穴をさすっている。全員、顔は赤らんだり青ざめたりしながら悲鳴を上げつつ、自分の手で、自分の体を激しく刺激して、凌辱し始める。そして、教室に響き渡るほど、大きな喘ぎ声を張り上げる。

 ケイトの好みよりは少し騒々しいが、中学生男子たちはさらにエキサイトしている。オッパイやアソコが露出されて、激しいオナニーが繰り広げられていることに、煽られるように熱狂している。

(彼女たちが痴漢被害にあってるみたいに見えて、実は自分たちでちょっと気になってる責められ方を、ここで披露してくれてるってことに、この暗示の渋さがあるんだけどなぁ………。ま、生で先生や生徒会長たちの裸と激しいオナニーを見ちゃってるんだから、しょうがないか。)

 ケイトは3人から離れないようにしながら、しばらく様子を見守る。調子に乗った男子が、アヤノちゃんのオッパイに触れようとするのを、手で制する。イクエ先生が2本指を穴につきたてながら激しく手を動かしすぎて、椅子から落ちそうになるのを、支えてあげる。サトミ先輩の白い裸が赤く、少し赤黒いほどに紅潮して、呼吸が激しくなるのを見て、少し落ち着かせる。生徒会長が皆の前でイってしまうのは、まだちょっと早い。

「はい皆さん、落ち着いて、皆さんの手はもう、痴漢オヤジの手では無いですよ。元の、皆さんの手に戻りました。椅子に座って、楽にしましょう」

 グッタリと椅子に座るサトミ会長。アヤノちゃん。イクエ先生がブツブツと独り言を言いながら、自分の手の甲をひっぱたいている様子が、可愛らしかった。

「皆さん、リラックスしましょう。そう、とってもリラックス出来る場所にいますよ。皆さんは今、超高級スパで、体のお手入れをしてもらいます。嬉しいですね」

 そう言われると、アヤノちゃんもイクエ先生も、目を閉じてニッコリと笑顔になった。放心したように目を開けたままだったサトミ先輩も、少しだけ柔らかい笑顔を見せる。

「皆さんに、一流のエステティシャンたちがついてくれますよ。女性の体を癒して、美しく磨き上げることに関しては絶対の技術を持っていますから、みんな、安心して、プロの手に身を委ねてください。くすぐったかったり、ちょっと恥ずかしい刺激があっても、拒まずに、お任せしましょう。さぁ、脱いで脱いで」

 無言でジェスチャーを交わし合いながら、男子生徒たちが、服を脱いでいる美女、美少女たちの前に立つ。男どもが色めき立ち、期待に沸き立っているのがわかる。黙っているのに、うるさい奴らだ。やっと裸の美少女たちの前に、担当が決まった男子たちが並ぶ。

「では、お楽しみ、高級マッサージの始まりです。ほら」

 ケイトが手の動きで促すと、男子たちが、目の前の美少女の裸に手を伸ばす。柔らかい部分に触れて、恐る恐る距離を詰めながら、あちらこちらを撫でたり、揉んだりし始める。最初は緊張気味に、そしてやがて無遠慮に。サトミ会長が乳首を指でツンと押されて、くすぐったそうに口元を緩める。大きなオッパイを揉まれたアヤノちゃんが、手伝うようにその手を、男子生徒の手の甲に添わせる。イクエ先生は前と後ろから、2人の教え子たちに胸とお尻を撫でさすられて、深いため息を鼻から漏らしている。

 男子たちにとっては、夢のようなひと時だと思う。そして実際に、彼らにはこの日のことを、夢だったと覚えてもらうことになる。現実だと理解させると、次に彼らを巻き込むとき、さらに調子に乗ったり、要望がエスカレートしたりする。秘密を守らせるにも、定期的な暗示のメンテナンスが必要になる。色々と考えると面倒くさいから、ギャラリー男子には、夢としてしか思い出せないように暗示を与えることにしているのだ。

 妙に手にリアルな感触の残る、生々しくて熱い夢。単調な学園生活の中で、与えられないよりは、夢でも覚えていられるだけずっとマシなはず。………ケイトがそんなことを考えているうちに、男子たちの手の動きはいっそう貪欲になり、美少女たちは身をくねらせて喘ぎ始める。そろそろ、新しいことでも試してみよう。

「はい、皆さん。椅子に座ってください。これから、北欧から導入されたばかりの、最新のエステにトライしてみましょう。『ドクターフィッシュ』ってご存知でしょうか? 小さな魚さんたちが、足をついばんでくれるやつですね。………こっちは半身浴と組み合わせた、新しい施術です。優しくて可愛らしい小魚さんたちに、足の間、股の部分を優しくついばんでもらうんですよ。はい、皆さん深く腰掛けて足を開きましょう。お腹までぬるま湯に浸かる。温かい刺激が、股間をくすぐりますよ。されるがままにしておきましょう。とっても綺麗にしてもらえますよ。それに、美容にも効果テキメンなんです」

 サトミ会長が、イクエ先生が、そして顔を手で覆ったアヤノちゃんが、恥ずかしそうに、ゆっくりと膝を開く。大切な部分が、男子たちの不躾な視線に晒される。ケイトの、ホレ、どうぞという手の仕草を見て、男子たちが一人ずつ、顔を美女たちの股間に埋めて、少しずつ舌を伸ばす。

「………あっ…………」

 アヤノちゃんが、最初に声を出した。

「どうですか? イクエ先生」

「………え? ………とても………いいです………よ」

 頬を染めながらも、御堂先生は笑顔を作って返す。一流のスパにいる。大人の女性の余裕を精一杯見せてくれているようだった。

「サトミさん。日本ではまだ珍しい、高級スパの施術は如何ですか? せっかくだから、感想を頂いて、今後の営業に役立てたいのですが」

 ケイトがインタビュアーのように、手をマイクを握る形にしてサトミ会長の前に突き出す。元生徒会長は、真面目な顔を強張らせて、困ったような顔をしながら、自分の下半身を見下ろす。裸の彼女の股間には、ニキビ顔の男子学生がペロペロと彼女の股間を舐めたり、吸いついたりしているのだが、彼女の目には可愛らしい小魚たちに見えているようだ。

「………そう……ですね………。あの………、まだちょっと、慣れない刺激…っていう感じがするんですが…………。それでも、体が元気になる………というか………。全身の細胞が、喜んでいるっていう感じは、………ちょっとします」

「気持ち……悪いですか?」

「いえ…………、どちらかというと………、気持ち………良いです………」

 オーォォォ。と、低い男たちの声が上がる。美人だが、堅ブツと言われてきた、久我理美会長が、下級生の男子生徒に人前でクンニされて、「気持ちいい」と回答したのだから、男たちにとっては大ニュースだ(夢であっても)。

 けれど、ケイトにとって嬉しかったフレーズは、もう少し前にもらっていた。「全身の細胞が喜んでいる感じがする」というのは、これまでケイトの発想にはなかった。さすが元生徒会長。文学的だが、体感的でもある。新しい表現だ。ケイトは思わずノートにメモしてしまう。

 こうした、催眠術にかかっている女性たちに、感想を聞くというのが、最近のケイトの楽しみの一つでもある。実際に催眠に深くかかった相手が感じていることを教えてもらう。それを次の相手にかける暗示の参考にする。男があれこれ想像しながら頭で考えて作るフレーズよりも、よっぽど他の女性にも「自然に染みる、刺さる」フレーズをもらえることが多い。

 それでなくても、数十人以上の相手を催眠に落としていくと、暗示もマンネリに、おざなりになりがちだ。そんなところで、新しくてフレッシュで、より共感得やすいフレーズを頂けるのは、趣味と実益に合致する、ありがたい瞬間だった。

(サトミ会長は、クンニされると、全身の細胞が喜んでるっていう感触を得るんだ………。さすが会長は感受性豊か。『脳で判断するよりもずっと前に、貴方の体の細胞の一つ一つが、喜んで、沸き立っているのがわかりますよね』……とか、良い暗示になるかも………。)

 ケイトは一人で頷きながら、書込みの終わったノートを閉じた。

「あ………そうだ。アヤノちゃんは、どうですか? どんな感じがしますか?」

「……エッチで…………気持ちいい……………です…………」

 目を白黒させて、大きなオッパイを荒い呼吸で揺らしながら、アヤノお嬢様はやっと、そう答えることが出来た。こちらは、聞くべきタイミングをずいぶん前に逃してしまったようだ。今は涎を垂らしながら、歓喜に喘いでしまっていた。

 女性陣の吐息と喘ぎ声に混じって、クチュクチュ、ピチャピチャと、教室内に卑猥な音が響く。男子たちはみんな無言で、美少女と美女の体の感触、エッチにくねる腰回り、ビクッと背筋が反らされるたびに揺れるオッパイの動きに釘付けになっていた。

 足の指を反らして、アゴを突き上げて体を震わせた3人。快感の高まりから絶頂を迎えて、果てる3人の姿を確認した男子たちは、一仕事終えたお互いを労いあうように、肩を叩き合って、健闘を称え合った。

 そんな男子生徒たちごと、ケイトは深い催眠状態に落とす。自分以外の、教室にいる男女7人全員が、ゆっくりと膝から床に崩れ落ちる。

「今日はサトミ会長から、面白いフレーズ引き出せたから、収穫あったな………。次もまた、よろしくね」

 清楚に整った、前生徒会長の頬っぺたを、指でプニプニと押しながら、ケイトは話しかける。深い眠りに落ちたサトミは、頬っぺをつつかれようと、オッパイをつつかれようと、目を覚ましそうな様子を見せない。ケイトはその寝顔を見ているうちに、自分の彼女であるクルミの寝顔も、また見たくなってきた。

。。

 お昼休み前、授業も佳境にある状況でも、ケイトは遠慮なく、クルミを伴って空き教室へエスケープする。昔、昭和の時代にはこの学園は結構なマンモス校だったらしい。子供の数が減って、秀玲学園のように、学費や設備費が高めの学校に、子供を通わせられる家庭も減ってきたようだ。現在空いている教室は少なくない。生徒数が全盛期より減っていると言われても、ケイトにとっては、あまり実感はない。自分やアキミチさんがかけた催眠術のメンテナンスの対象が多すぎないのは、ありがたいことだし、第一、女子生徒のルックスで言うと、平均的にレベルが高いし、かなりの確率で選りすぐりと言えるような美少女もいる。文句は無かった。

 空いているはずの教室には、さっき新たにケイトのお気に入りに加わった上村早紀先輩。そして今まで奮闘してくれた、久我理美「元中等部生徒会長」が椅子に座って眠っている、教室に入った瞬間、その光景を見たクルミはもう、ケイトに何も言われないうちから、目がボンヤリとしている。トランス状態の入り口にいるのだ。

「はい、クルミちゃんは深ーい眠りに落ちる。僕に寄りかかって良いよ」

 ケイトが両手を叩くと、美少女の一人は、あっさりと目を閉じて、首から上を傾げるようにケイトの肩に預ける。クルミに催眠をかける時、ケイトは一番、気軽に出来る。施術を繰り返してきた数が、他の生徒たちとは段違いだからだ。

 今のケイトには、催眠術を使って、色んなことが出来る。実際、色んなことを試してきた。生徒たちの中には、自分が暗示を擦りこまれて、操られている間の行動を、もし思い出したりしたら、恥ずかしがったり、腹を立てたり、大きなショックを受ける子も少なくないだろう。学校に来なくなってしまうような子もいるかもしれない。それだけ、何でも出来るような気がする催眠術。それでも、ケイトにとってはクルミのような馴染みの相手にかけて、ただ彼女たちの寝顔やトランス状態の表情を見ているだけ、という瞬間も、なかなか好きな時間だ。

 どうしてこれほど、自分は美少女や美女たちの寝顔が好きなんだろう。ケイトはつらつらと、考えてみる。アキミチさんが披露してくれた催眠術。言葉一つで同年代の男女や大人たちを、自在に操るその姿は、魔法使いのように、不思議で、圧倒的だった。それでも、時間が経つにつれて、ケイトを惹きつけているのは、ただただ、女の子を深いトランスに導いて、底のない眠りに誘っていく瞬間だ。ケイトにとって、ただ目的もなく、身近な女の子や馴染みのない女性の、屈託のない寝顔を見つめている時間が、大切になってきている。

 第一には、女の子が無防備で弛緩している様子を見るのが、きっと自分は好きなんだ。そういう結論に至る。大きく捉えると、その一つに尽きる。けれどさらに細かく追及して考えると、「無防備で弛緩している姿に惹かれる」という自分の傾向は、さらにいくつかの要素に分解できると思えた。

 1つはこの表情が、彼女たちが普段は他人にあまり見せることがない、プライベートなものだから。それを盗み見ているような、背徳感に、興奮しているのだと思う。彼女たちを操って、服を脱がせ、裸を見せてもらう行為に繋がるものかもしれない。わずかに口を開けていたり、ヘアースタイルが乱れるのも気にせずに、安眠に沈みこんでいる彼女たちの寝顔は、普通だったら家族や恋人しか見られないはずの、一番自然な「素の姿」だ。

 上村先輩の顔に、ケイトの顔を至近距離まで近づけてみる。睫毛がとても長い。少しだけ眉をひそめて、悩むような表情で眠っている。顔をしかめているようでいても、これが彼女にとって一番楽な寝顔のようだ。

 そしてもう1つには、寝ている彼女たちの前では、起きて見下ろしているケイトは、絶対的に強い立場に立っているということも、ケイトの自尊心のようなものをくすぐっている要素かもしれない。眠っている人は、目を覚まさない限りは、何をされても抵抗出来ない。圧倒的に無力な存在になったと思うと、性格がキツめの先輩や、厳しい先生でも、その寝顔は可愛らしく思えてくる。頬にキスをしたり、唇を人差し指の腹でツンツンと押したり、鼻の頭を押し上げて、変顔を作らせてもらっても、彼女たちはされるがまま。鼻を摘まんで5秒くらいそのままにしておいても、「……ん………」と声を出して、口呼吸に切り替えるくらいが、彼女たちに出来る精一杯だ。意識でいうと、こちらはオンだが、相手はオフ。そう思った時に、日頃と違う関係性で、色々と試したくなるのだ。

 同時に、この「オフ」の状態は、永久的なものではないということも、眠っているという言葉からは伝わってくる。いつ「オン」に戻るかわからない。眠っている相手とは、本質的にそういうものだろう。これが人形や、ましてや死体なんかとは、決定的に違うものだ。深い催眠状態に何度も落としてきた相手は、簡単に勝手に起きたりしない。そのことは経験からわかっているが、それでも、ケイトは心の一部に、常にドキドキする気持ち、いつ相手が覚醒しないかという、スリルのような疼きを感じている。無力な相手を前にした圧倒的な力関係は、今だけのもの。つまり可愛い子の寝顔はケイトに、「今だけなら、何でも出来るけど、それがいつまでこの時間が続くかは保障されていない」というシグナルを送ってきているようなものなのだ。そそられるな、と言う方が無理ではないだろうか?

 サトミ会長のスカートをめくってみる。元生徒会長は、真ん中に小さなリボンがあしらわれた、可愛らしいショーツを穿いていた。スカートをめくって見るパンツは、特別感が違う。こんなことをされても、会長は拒絶することが出来ない。せいぜいが、外気に触れて寒くなった脚をこすり合わせることくらいしか出来ない。ショーツのゴムを引っ張って、中を覗きこんでも、彼女はそれを妨害することも出来ない。されるがままとは、こういうことだ。

 他にケイトが寝顔に惹かれている要因はあるだろうか? ………掘り下げていくと、睡眠というのが生命を維持する活動であって、食事や排泄などの生理現象、さらには繁殖行為とも同列に並べられ得る、生き物の行動だから、ということもあるかもしれない。この学園にも、現実離れしたと思えるような美女や、お人形さんのように可愛らしい美少女はいる。成長期の美少女と男子学生。隣に並ぶと、フォルムやプロポーション、オーラからして、自分と同じ人間というカテゴリーに括るのが、申し訳ないほどの美的な差というのは現実に存在する。けれど、そんな彼女たちも、催眠術にかかって、深い眠りに落ちると、深い寝息を立てて脱力する。口の端から涎が垂れることもある。間近で見ると、顔の産毛がわずかにそよいでいたりする。眠りを貪っている彼女たちの姿は、人間であり、生き物であるということを、ケイトに改めて伝えてくれる。普段のキリっとしている彼女たちとのギャップを感じるほど、完成された美を体現していたかのような彼女たちを、これからどう操って弄んでみようか、悪戯心が刺激されるのだ。

 グッスリ眠りこけている上村先輩の右足から、上履きを脱がせる。その上履きを、先輩の綺麗な寝顔に近づける。口から鼻まで覆うようにして、自分の上履きの内側の匂いを嗅がせる。

「ん…………んんん………」

 顔をしかめた上村先輩は、首をひねって違う方向を向くと、人差し指の背で、鼻の下のあたりを擦った。先輩のように綺麗な人でも、やっぱり、履き続けている上履きには、匂いがこもる。不快な匂いを嗅いだ時、こんな風に表情を歪める。困った顔をしている先輩も綺麗なのだけど、表情が崩れた時に、人間味が増して、可愛らしさがグッと出た気がする。

 最後に、とことん突き詰めて考えると、ケイトは自分が単純に、間近で人が安眠している顔を見て、安らぎ、癒されているような気もしてきた。そう考えるとこの感情は、人間という動物が群れを作って、集団生活をしていた頃から培った、根源的な本能とすら思えてくる。単純に、赤ちゃんや幼児がグッスリ、スヤスヤ寝ている光景を思い浮かべても、心が解れて温かくなる。美女や美少女たちが、家の外で、ケイトの合図一つで深い眠りに落ちて、安心しきったような寝顔を見せる。その時、ケイトは彼女たちに受入れられていることを感じて、自分も安らぐのだ。「群れ」の仲間が間近で熟睡しているという様子は、「群れの動物の1匹」であるケイトに、自分も今は安心して良いという原初的なシグナルを与えてくれているのではないだろうか? 自分も受け入れられている、近くにも脅威は無い。そうした本能的な安らぎを、人の寝顔というものは与えてくれるのだと思った。

 無防備さ。普段は隠されている自然体の素顔。ケイトに対して「今だけ」完全に無力な状態。ナマな人間という動物なんだということを見せる一面。そして間近での休息活動がこちらに伝播させてくる安らぎ感。こうした要素が複雑に絡み合って、ケイトの心を刺激したり、くつろがせたり、自尊心をくすぐらせたり、悪戯心を煽ったりする。ケイトはそう結論づけると、心のモヤモヤが整理されたような気分になる。それでもまだ………掬い上げきれていない、寝顔の魅力というものが、あるだろうか? ケイトは椅子に座って、頬杖をつきながら、いつまでも飽きずに、美少女たちの寝顔を観察し続けていた。

<4話目につづく>

3件のコメント

  1. あ・・・ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
    『おれは三話がセナちゃん、アヤノさん、郁恵先生の導入回と思ったらいつのまにか二年経っていた』
    な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・
    催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・(いや、催眠術だし、超スピードというかカットなんだけど)

    というわけで読ませていただきましたでよ~。
    あ、あれぇ!?
    正直、三人をどう攻略していくのかが楽しみだったので三人どころか既に学校全体を掌握してるのが悲しかったりしますでよ。
    まあ、タイトル考えるとアキミチさんのいないこの状況が本編な訳で1、2話のアキミチさんや来海ちゃんとの馴れ初めがおまけなのだから当然といえば当然の帰結でぅね。
    アキミチさんの留守を任された佳斗くんが勉強をメンテを兼ねて催眠で好き放題するというのがコンセプトでぅかね。
    ということで催眠おもしろ行動が始まる感じでしょうか? まあ、佳斗くんはトランス状態の無防備な姿を眺めるのが好きっぽいのでそこまで変な行動を取らせないのかもしれないでぅけど。

    今回まで見た中では上村先輩がちょっと気になってます。セナちゃんも気になるけど、セナちゃんはもっと正気の勝ち気っぷりを見たいところでぅ。
    どちらもエロエロな姿が見たいなぁ~w

    であ、次回も楽しみにしていますでよ~。
    あ、誤字がありました。二年のフロアなのに1-Aだったり2-Bに入ったのに出るとき振り返ったら1-Bになってたりしてますでよ。
    それとどこだったかまでは覚えてないけど明るい奴隷生活のすすめやおるすばんの1,2にも誤字があった覚えが。

  2. 読みましたー!
    重厚な催眠導入描写に加えて、がっつりエロいっぱいの回ですね!
    暗示の中では、スマホをシャワーヘッドだと思わせるっていうのは「その手があったか!」って思いましたw
    自分の手で盗撮させるってシチュエーション、背徳的で大好きです。

    同じ暗示を与えても、人によって受け取り方や反応が違ったり、被術者の口から感想を言わせることで導入に向けたアイデアを得るっていう描写、好きです。シンプルな指示で思い通りに従わせるのではなく、そのあたりの人間の脳を利用しているっていうあたりが、いかにも「催眠」ならではの描写って感じがするので。
    直接指示をせずに、間接的な言い回しで意図した行為を行うように導く、とかの描写も大好きですw

    そしてやはり学校全体がほぼ掌握されているみたいですね。恐るべしアキミチさん。
    「おるすばん」ということから最終的には帰ってくることを意識させられますが、多分今頃は別の場所で同じように支配領域を広げているのでしょうか……

  3. >みゃふさん

    毎度ありがとうございますー。
    えへへ。前半はガッツリ導入を描写して、後半はかなりファンタジー寄りの
    強力催眠になっています。導入過程ばかり書いていてもエロ少な目という評価をうけるかもしれませんし、
    色々調整がありますね(笑)、はい。
    書き間違い、申し訳ないです。ちょっと落ち着いてから気がついたところを直しますね。
    先に最終回を出してしまいます。この冬もお付き合いありがとうございます。
    間もなくゴールでございます。

    >ティーカさん

    コマいところを気に入って頂いて、大変嬉しいです。
    録画中のスマホをシャワーヘッドと誤認して裸の自分を接写している女性。
    今回オーソドックスな操りが多めなので、こんなマニアックなシチュエーションも混ぜてみたくなりました。
    拾って頂いてありがとうございます!
    間もなくこの話も終わりですが、お楽しみ頂ければ嬉しいです。

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