マリオネット 第2話

第2話

 冬の空―――

 頭上に宿る星々が、すべての季節の中で一番華やかに天空を彩る時。

 冬の澄み切った空気が、その輝きを躍らせている。

 月―――――

 冬の透明な風の中、青白く輝くそれは、天に留まる巨大な氷のように、漆黒の地上に輝きを降り下ろしている。

 その月の光が、室内に注ぎ込む。

 カーテンの、ほんのわずかな隙間からこぼれたそれは、フローリングで反射され、ぼんやりと部屋を照らしていた。

 部屋の中、人工的な発光物は、すべてその息を潜める。

 あるのは、月の光とそして………。

 紫の糸―――

 ふわりふわりと、幻想的な紫の光の屑をこぼしながら、糸は部屋を漂っている。

 カランとグラスの氷が音を立て砕けた。

 俺は糸を目の前に寄せる。

 もはや糸は、俺が意識すると同時に、俺の思った通りの動きをするようになっていた。

 俺は、ソファーに座り、のけぞりながら、糸を見つめ考える。

 これがなんなのか……それは、とりあえず考えないでおこう。

 地球外物体だろうと、前人類の遺産だろうと、たとえ現代科学の粋の品だったとしても、到底俺の知識の及ぶところでは無い。

 だったら考えるだけ無駄というものだ。

 問題はこれを俺がどれだけ理解できるか―――

 俺は身体を起こし、糸を操る。

 目の前のテーブルに置かれている、ブラウンのアルコールが注がれているグラスに糸を巻きつけた。

 そしてそのまま持ち上げようとする、しかし―――

『カシャン』

 グラスは糸から滑り落ち、そしてテーブルの上に横たわった。

 広がる液体が、アルコール臭をいっそう強く吐き出す。

 俺はため息をつき、再びソファーにのけぞる。

……どうやら、糸本体を使っての力技は無理のようだ。

 ふう、と再び息をつくと、俺は昼間に起こった様々な事を思い出し、この糸について考えてみることにした。

 俺は左手を掲げて見上げる、そこには昼間、この糸で切った裂傷がまだ鮮明に残っていた。

 そして、同時に俺はこの糸で切断された、コンクリートの水飲み場を思い出す。

……この糸に力はないが、その強度は相当のもの、ということか。

 更に俺は、昼間、景子を追いかけていった時のことを思い出した。

 おそらくあの時、俺と景子の距離が、一番離れたのが、俺が景子を追いかけようとして立ちあがった瞬間だろう。

 その距離、約40メートル。

 感覚として、まだまだ余裕がある感じだった、伸ばせる距離に関しては未知数だが、かなりの距離まで伸ばせる、と断定しても問題は無いだろう。

 そして最後に……この糸は俺以外の者には見ることができない。

 額に刺す、という事はその人間の目の前に糸がぶら下がるという事だ。

 都合2人にこの糸を使用したが……少なくともその2人、及びその2人を観察していた人間に、この糸に気付く様子は無かった。

 間違いなく、この糸も、糸が出す光も俺以外の人間には認識されないと思っていいだろう。

「とりあえず……この糸の物理的物証は、こんなところか」

 この後、まだまだいろいろな機能がわかるかもしれないが、とりあえず現段階での情報だけではこのぐらいが精一杯だ。

 次に……この糸の最大の特徴……。

 そう、人の精神に干渉できるという能力。

 最初にわかったことは、他人の頭の中に、直接声を送れるという事。

 しかし、実際この能力はそれほど重要では無い、使ってみたところで、せいぜいイタズラが関の山だろう。

 重要なのは次にわかったこと。

 そう、他人の持つ、ありとあらゆる物のイメージを、俺の都合のいいように変えてしまうということだ。

 最初はテストについて。

 今、まさにテストを行おうという教師に、テストに対するイメージを「これは無意味なもの」に変えさせた。

 次はセックス。

 セックスというのは、今その場で、俺としなければならないもの、というイメージを送り込んだわけだが……。

 テストにしろ、セックスにしろ、そう簡単に俺のイメージ通りに考えを変えられる代物ではない。

 景子は、確かに他の教師に比べて、頭が固い方ではないが、かと言ってテストそのものを否定するような理念は持っているような教師ではない、そして、景子自身経験者でこそあったものの、あの色気の無い下着を見る限り、いつも色事を考えているような人間ではないことが想像でき、貞操観念も高い方であろうという事が予測できる。

 確かに、イメージを買えようとした時、多少の抵抗も見られたが、結局景子は俺の思うがままになった。

 この糸の力の強制力は、その人間の精神がいくら強かろうが、問答無用ということか。

 そして―――

 その直後すぐに送った、俺とのセックスがこの世に二つと無い最高の快楽であるという事。

 実際俺が体験したわけでは無いから確証は持てないが、あの景子の乱れっぷりから想像するに、あのときの景子は、ほぼ間違いなく、俺の与えたイメージ通り、景子が今までの人生で体験した、すべての快楽に勝るものを感じていたに違いない。

『強烈なイメージは実際の肉体にも影響を与える』

 どこかでそんな事を書いていた本を見かけたことがある。

 俺はテーブルに足を載せ、そしてそのまま足を組む。

 ギシっとソファーが揺れた。

 あとは……。

 次に俺は、送り込んだイメージの優先順位について考えてみることにした。

 俺は景子に対して「セックスをしなければならない」というイメージを与えた。

 そして「奴隷でなければセックスできない」と条件をつけて、最後に「俺がいいと言うまで奴隷として行動してはいけない」という命令をした。

 つまりこれは「セックスしなければならない(奴隷でなくてはならない)」と「セックスしてはいけない(奴隷でいてはいけない)」という二律背反を景子に与えたことになる。

 そして景子が取った行動は……。

 あの後、景子は教室に戻ってきた。

 確かに何度も顔を赤らめ、俺の方を見るという行動は起こしたが、結局授業中も、その後も、俺に接触してくる事は無かった。

 つまり、「奴隷とは主人に絶対服従するもの」というイメージを最優先したのだ。

 この事を考えると、要は単純に、後に与えた(新しく与えた)イメージが最優先されると思って間違いないだろう。

 新たにイメージを与えるときは、以前与えたイメージごと書き換えてしまう、といった感じか。

 ただこの力……。

 俺は手を軽く振ってみる、糸は手の動きに合わせてゆらゆらと揺れた。

 これらの事を考えると、相当な応用力もあり、強力無比なものに思えるが、決して万能とは言えないであろう。

 特に―――

 俺は力を使う、ザッと月明かりが紫色に染まった。

 薄い紫色のベールに部屋が包まれる……すべてが無機質なその部屋では、紫のベールに隙は無かった。

 俺が、この力を使うと人間の額に現れる、この紫のベールに染まらないポイント。

 俺は感覚的にわかっていた、そのポイントに、正確に糸を刺さなければ、この力は何ひとつ機能されないという事を。

 つまり、標的となる人間は、最低限糸を刺すまでは、俺の視界内、しかも正面を俺の方に向けている状態でいないといけない、という事だ。

 さらに、ヘルメットや帽子など、無機質なもので頭部を隠されていてもだめ、という事になる。

 はっきり言って、糸が刺さってからの能力に欠点は見うけられない、要はこの糸を刺すまでが勝負、ということになるだろう。

 俺は紫色のベールを取り払う。

 月明かりがその淡い光を取り戻した。

 そして……これが最後の検証。

 俺はチラッと壁掛け時計を見上げる。

 現在の時刻は午後8時。

 そろそろ事が起こってもいいころだ。

 俺が最後に検証すべきもの、そう、それは。

 持続時間―――

 俺は、景子に向かって最後「今夜俺の家に来い」と命令した。

 そして、その後、俺は景子に対してイメージの追加などは一切していない。

 あの後の景子の様子を考えると、糸を取り外した瞬間にすべての効果が無くなる、などという事はないようだが、だからと言ってこの能力によって与えられたイメージが半永久的に有効になるという保証はない。

 下手をしたら、半日ほどで効果が切れ、この家の扉を叩くのは景子ではなく、景子によって通報されて来た警官、なんてオチもある。

 少々危険な賭けだが、この糸を理解するためには通らなければならない道だ。

 いつ、どんな現象が起こるかわからない、多少危険な道を通ることになろうが、この糸の性質を知る努力を怠るわけにはいかない。

 もっとも―――

 あのシチュエーションで景子が何をどう訴えるかは疑問なところだが。

 客観的に見れば明らかに景子の方から誘ったわけだし、俺はだだ景子の願い通りに行動しただけだ。

 我ながら計算高いもんだ、と俺はやや自虐的に笑った。

 しばらくして―――

 この糸は、取りついた本人の五感を鋭くする効果もあるのか?と思い、俺は立ち上がる。

 俺は玄関へ向かう。

 ダイニングから、玄関へ、ほんの短な通路を歩き、玄関の前に止まる。

 俺はその扉の向こうに、人の気配があることを確実に感じ取っていた。

 吉とでるか凶とでるか。

 しばらく緊張の時が流れると、その場にはにつかわない軽いチャイムの音がなった。

「開いている」

 俺はただそれだけを扉の向こうに言う。

 やがて、カチャリと音がしてノブが回された。

 ドアが外に向かって開く。

 そこにいたのは――――

 景子。

 景子はうつむいたまま、そこに立ちつくしていた。

 とりあえず警官では無かった。

 しかし、だからと言って安心はできない、あれだけの辱めを与えたんだ、正気に戻ったのなら、復讐のためいきなり懐から刃物を取りだし、俺を刺す、なんて事も考えられないわけでは無い。

 だが――――

 俺は景子のその姿を見て、勝利を確信した。

 景子は学校にいた時とは服装が違う、ピシッとしたグレイのスーツに、赤いハイヒール。

 さらに、化粧はわずかに濃くなり、ほんのりと香水の匂いを漂わせていた。

 そう、それはどう見ても『俺に会うために着飾ってきた女』以外の何物でも無かった。

 俺は抑制の聞いた声で景子に言う。

「入れ」

 景子はコクンと頷くと、玄関に入り、扉を閉めた。

 俺はきびすを返し、景子を連れて、家の中に行こうとする。

 しかし、それを景子の声が止めた。

「あ、あの……っ」

 俺はゆっくりと景子の方に振りかえる。

「なんだ?」

「あの……」

「……」

 景子はうつむいたまま、モジモジとしている、そして、俺にわずかに届くような声でつぶやいた。

「ここでは……ご主人様って呼んでもいいですか…?」

 俺は、その言葉を聞くと、景子に近づく。

 そして、ドン、と玄関の敷居を足で踏みつけた。

 景子がビクッと身体を震わせる。

 俺はついた足をビッと敷居に沿わせ横滑りさせる、そして景子に言った。

「ここが……境界線だ」

「………」

「この境界線から外のお前は、今までお前が25年生きてきたそのままの橘景子であり、お前は教師、俺はそのいち生徒にすぎない」

 そして俺はトンとつま先で敷居から家の内側の方を指す。

「そして、この先からこちら側は」

 俺はじっと景子を見下ろす。

「お前は奴隷以外の何者の存在でもなく、俺は、お前が絶対服従すべく主人だ」

 眼鏡の奥の潤んだ瞳が、熱っぽく俺を見上げる。

「あがって……いいですか?」

 俺は黙って頷く。

 景子がヒールを脱いで家に上がった。

「……ご主人様」

 どこか夢心地のような感じで、ぼうっとする景子。

 俺は、そんな景子に、にやけた笑いを見せつけ、言った。

「景子、この境界線を越えた時の、奴隷としてのルールをお前に説明してやる」

「は、はい」

 景子はやや緊張した面持ちで、姿勢を反射的に正した。

「まず」

 おれは景子の身体を上から下までじっと見つめる。

「奴隷は、この中では俺が特別に身につけろと言った物以外、一切の衣類を身にまとう事を禁止する」

「わ、わかりました」

 景子はそういうと、さっそく俺の言いつけを守るように、身にまとっているスーツに手をかけた。

 スーツを脱ぎ、春色のブラウスを脱ぐと、今度は、昼間とは違い、シルクのいかにも高級と言う感じのブラが現れた。

 ブラが外されると、窮屈そうに押し込まれていた乳房がゆれながら飛び出す、その先はすでに景子がかなりの発情状態である事を証明するように固くなっていた。

 続いてスカートのホックを外す。

 スカートの下から現れる白いシルクのパンティーは、上のブラとおそろいだ。

 そしてガーターストッキングとパンティーを下ろし、景子は一糸まとわぬ姿になった。

「これでいいですか……ご主人様」

 そんな景子の股間に、俺は右腕を滑り込ませた。

「ああっ」

 ビクッと腰を引く景子。

 俺はかまわずにそのまま景子のヴァギナをまさぐる。

 そこはすでに滴るほど濡れていて、クリトリスが触れてすぐにわかるほど、充血して突き出していた。

 俺はそのクリトリスをきゅっとつまむ、そして空いている左手で更に景子の乳首をつまんだ。

「ひぃっ」

 身体を痙攣させる景子。

 そんな景子に俺は更に言葉をかける。

「景子、あともうひとつだけルールをお前に与ええる」

「は……はいぃ……」

「この中では、ごく普通の人間に与えられるべく人権の一切をお前から剥奪する、ここではお前は人間以外のモノであり、俺の道具以外の何物でも無い、そのルールを犯す言動は一切認めない」

 そういって、俺は両の指でつまんでいる、景子の突起をすりつぶした。

「ひああぁっ」

「わかったか?わかったなら返事をしろ」

「はっ、はいっわかりましたっ、私はご主人様の道具です、ご主人様にどんなことを言われても、私はご主人様の言う通りに服従しますっ」

 俺は景子から手を放す、景子は崩れ落ちるように、床にしりもちを付いた。

 右手が景子の愛液でぬらぬらと光っている。

 俺はその右手を景子の顔の前に出した。

「きれいにしろ」

 景子は、うつろな表情をしていたが、夢遊病のように俺の手を両手で取ると、口に含んだ。

「ん…はぁ…ご主人様……」

 景子は俺の手の指を丹念に一本一本舐めていく。

 俺は、一通り舐めさすと、景子の口に含まれている手を抜き取った。

「あ……」

 景子は物足りなそうな顔をして、俺の手を目で追っていた。

「とりあえず今のところはその二つでいい、理解したなら中にこい」

 そういって俺は、ダイニングの方へくるように景子を促した。

「はい……」

 景子はその言葉を受け、立ちあがろうとする。

 しかし。

 景子のこの行動は予想通りだったが、俺はあえて、むっとしたような顔をし、低い声で景子に言った。

「ほう……人間以外に直立2足歩行する動物がいるのか…」

「え……」

「人権が剥奪されるって事は、人間じゃなくなるって事だぜ……俺の眼に前にいる、ケモノだか道具だかわからない奴隷というモノは、人間と同じ行動をするのか」

 景子は、上げようとした膝を、もういちど床に付くと、さらに両手を床に付き、四つん這いの格好をした。

「これでいいですか……?ご主人様」

 景子は不安そうに俺を見上げる。

 俺は景子に満足げな顔を向けるとダイニングに向かい歩き出した。

 俺は、ボスッとソファーに腰掛ける。

 やがて景子がのそのそと四足で歩きながらダイニングに現れた。

 その姿を一瞥すると、俺はテーブルの下においてある紙袋を取り出す。

 俺は景子を、テーブルの向かい側に来るように指示すると、その紙袋をテーブルの上に放り投げた。

「開けてみろ」

 景子は俺に言われて、景子は正座をして紙袋を開けた。

「あ……」

 紙袋に入っていた物、それは中型犬用の、赤い皮製の首輪だった。

 ご丁寧に鋲まで打ってある。

「それが、ここで唯一まとっていい衣類だと思え」

 景子はじっと首輪を見つめ、そして俺を見上げた。

「着けて…いいですか?」

 俺は黙って頷く。

 景子は、まるで新しい洋服でも買ってもらった子供のように、嬉しそうな顔をして首輪を身につけた。

「少しきつめにつけろよ」

 俺は笑いながらそう言う。

 はい、と景子は答え、きゅっと首輪を締めた。

 別に殺すようなへまはしないが、できるなら、苦しみにもだえながらも快楽にむせぶ女というのも見てみたい。

 俺はソファーの脇に置いてあった、鎖を取り出す、もちろん先には首輪に取り付けるためのフックが付いている。

 俺はその先端を景子の方に放り投げ、景子の首輪に取り付けさせる。

 かちゃり、と音がして首輪に、俺が片方を握っている鎖がつながれた。

 景子が鎖を手放すと、鎖は首輪から景子の白い裸体に垂れ下がる。

「これで……いいですか、ご主人様?」

 景子は恍惚の表情でそう言う、自らのそのインモラルな姿に倒錯的な快感を感じているのだろうか。

 しかし、先ほどからの景子の様子を見ていると、改めて、俺があの時糸の力で与えた「変態的な行為に快感を覚える」というイメージが景子を支配しているのがわかる。

 今までの一連の行為で景子は、いまにも到達しそうなほどの興奮状態だった。

「景子……」

 俺は景子を見下ろす、そして―――

 突然右手に握っていた鎖を引っ張った。

「あぐっ」

 テーブルの上に引きずり上げられるような形になる景子。

 首が締り、景子は咳込んだ。

 俺は更に鎖を引っ張る、景子は必死に引っ張る動きについてこようと、テーブルの上を這いずる。

「あっ」

 やがて、景子はテーブルを乗り越え、俺の足元に落ちた。

 うずくまる景子。

 俺は景子の顎をつかみ、顔を上げさせた。

「ご、ご主人様ぁ…」

 眼鏡の奥の瞳から涙がこぼれる。

 だが、息も絶え絶えで涙を流しながらも、それでも身体を上気させ、俺に媚を売ろうとするその姿は、まさに「道具として使われる事に快感を覚える奴隷」そのものだった。

 その姿に俺は少なからず興奮を覚える。

 俺はみたび鎖を引っ張り、景子を手繰り寄せた。

 ちょうど、景子の顔が俺の股間のところにくる。

「景子、今から俺に奉仕させてやる、嬉しいだろ?」

 あっ、と景子は顔を赤らめる。

「ご奉仕して、よろしいですか…?」

 俺が頷くと、景子は嬉々として俺のズボンのファスナーを開き、ペニスを取り出した。

「ああ……ご主人様、ご奉仕させていただきます」

 景子はそう言うと、俺のペニスを柔らかく手で抱え、裏スジを大きく舐めてきた。

 ねっとりとした感触が、ペニスから身体全体に広がる。

 そして、尿道口をチロチロと舐めたかとおもうと、次に大きく口にペニスを含んできた。

 俺は景子の頭に手を置く。

 このまま、イマラチオをしてもよかったが、首輪をきつく閉めた状態でそれをやると、本当に窒息しかねないので、やめておく。

「どうだ?景子」

 俺は夢中で俺のペニスをしゃぶってる景子に尋ねる。

「ああ……、ご主人様のオチンチン、おいしいです……」

 景子はそう言うと、再び俺のペニスを喉の奥まで含んだ。

 だが、俺はそんな、ペニスをしゃぶりつづけようとする景子を強引にひきはがす。

「あっ、ご主人様、まだ……」

 まるで遊んでいたおもちゃを取り上げられた子供のような顔をする景子。

 そんな景子を見下ろすと、俺は景子の乳首を左手でつかみ、そして、それを強引に俺のペニスの所まで引っ張り寄せた。

「ひいっ」

 景子は引き千切られそうになる乳首を庇い、必死で俺の方に身を寄せる。

「次はこっちだ」

「え?」

 肩で息をしながら俺を見上げる景子。

「おまえのそのでかい胸はただの飾りか?」

 俺は乳首を持ったまま、大きな乳房を左右に揺らした。

「あっく……違います…私のこの胸はご主人様に使っていただく物です」

「やり方はわかるな」

「はい」

 そういって、景子は俺のペニスをその大きな胸で挟んだ。

「いいか、身体ごと上下させてやるんだ」

「はい………ああっ」

 身体を上下出させたとたん、景子が悲鳴を上げる。

 それはそうだろう、俺はまだ景子の乳首を放していないんだから。

 身体を上下させる度に、乳首が引っ張られる事になる。

「なにか文句があるのか?」

「いえ…そのままでっ……そのままでお願いしますぅっ」

 そして、そんな乳首を握られている事などお構い無しのように、俺のペニスを胸でしごき始める景子。

「ひっ……あっ……あっ……」

 もだえる景子、しかしどう見ても、それは痛みに苦しんでいるような物では無い。

「どうした、景子、ずいぶん気持ちよさそうじゃないか」

「はっ、はいっ……気持ちいいですっ」

「どんな風に気持ちいいんだ?教えてくれよ」

「ごっ、ご主人様に、ご奉仕できる事が……っ」

「それだけか?」

 俺はきゅっと乳首を握った。

「ひいっ……・私の胸でご主人様のオチンチンを感じられる事と……私の乳首を握っていただいている事が気持ちいですっ」

「痛くないのか?」

 そういって俺は更に力を込めて乳首を潰した。

「ひあっ……痛いです、でも、痛くて気持ちいいんです」

 そういって、景子は身体を上下させる速度を速めた。

「そうか…じゃあもう少しちゃんとした気持ちよさを味わわせてやろう」

「え?」

 俺はそう言うと、足を持ち上げ、景子の股の間に滑り込ませた。

 そして、景子が身体を上下させると、ちょうど俺の足の指先から足首までの甲の部分が、景子のクリトリスが擦れるような位置にくるよう固定した。

「ああっ、そんなのっ、気持ちよすぎますっ」

 そういいながらも、景子は自ら俺の足にクリトリスが強く擦れるように身体を上下させる。

「言っておくが景子……奉仕しているお前が俺より先にイクような事は許されないぞ」

「そんなっ、無理ですっ、もう、私……」

 擦り付ける強さが、さらに激しくなる。

 景子の様子から見るに、もうひと刺激あったらそれで絶頂を迎えるといった感じだ。

「主人に奉仕しながら、主人よりよがる奴隷なんて……奴隷失格の烙印を押さなきゃいけないかもな」

「そんな……いやですっ」

 しかし景子の身体の動きは止まらない。

「じゃ景子、これに耐えたら、許してやってもいいぞ」

 そういって俺はほんの少し、景子の乳首を握る手に力を入れる。

「あ……」

 しかし次の瞬間、景子に意識を胸にいかせておいて、俺は足の親指を、おもいっきり景子のヴァギナにねじり込んだ。

 もともと股間の方は、景子が自分だけの動きで擦り付けていたのだから、いきなりこれをやられたらたまらない。

「ひぃいいっ」

 景子は身体をビクンビクンと跳ねさせる。

 そして絶頂を迎えると、そのままのけぞって後ろに倒れ、テーブルの上に仰向けに横たわり、気を失ってしまった。

 俺はソファーに座りながら景子を見る。

 景子の荒い呼吸に合わせ、その大きな胸がゆれていた。

……まあ…こんなもんか。

 俺はそう思って立ちあがる。

「……いで………ご…………」

……ん?

 頬でも叩いて景子を起こそうとしたのだが、その景子が気を失いながらもなにかつぶやいていた。

 おれは景子に耳を近づける。

「…捨てな…で……ご主…様……お願……」

 ふんと俺はつぶやき、景子を見下ろす。

……まあいい、そのしおらしさに免じて今のは勘弁してやるさ、だが。

 俺は景子の首輪の鎖をとる。

……俺がまだ用を足してないんでな、今晩はもうちょっと付き合ってもらうぜ。

「ん……ふ…」

 景子の荒い息遣いが聞こえる。

 景子が悶える度に、首輪から垂れ下がる鎖が、ガラス製のテーブルにあたり、カチカチと音をたてていた。

 絶頂を迎えたばかりの腰は震え、足は踏ん張りが効かない状態だ。

 俺は、そんな景子をテーブルの上で、四つん這いにさせている。

 そして、ソファーに座っている俺の方に尻を向けさせ、ヴァギナとアナルがよく見えるように、両手で局部を広げるよう指示していた。

 景子は、それぞれ両方の中指と人差し指をヴァギナに、薬指と小指をアナルに当てて、両穴を開らいている。

 もちろん、指示したのは広げる事だけで、それぞれの穴に、景子自身が触れる事は禁止している。

 一度イッたものの、まだ俺のペニスを挿入していない景子のヴァギナからは、ジクジクと愛液が染み出し、いまの段階で、まだなにも手を出していないアナルも、俺に見られている羞恥ゆえか、ヒクヒクと蠢いていた。

 景子のヴァギナから流れる愛液は、重力に沿って流れ落ち、痴毛にいったん染み込むも、すぐに溢れきり、毛先から滑り落ち、テーブルに水溜りを作っている。

「ご主人様……よく見えますか?」

 景子が顔だけこちらに向け、少し不安そうな表情をする。

「だめだ、もっと両方の穴を広げるんだ、中が見えるくらいに」

「はい……」

 景子はそう答えると、ぐいと更に両手の指に力を込めて両穴を剥き出すように広げた。

 じゅく、と景子の愛液が更に溢れ出す

俺は、そんな景子の局部に、身体を前かがみにして、顔を近づける。

「あ……」

 景子が熱っぽく俺を見つめる。

 俺は景子のヴァギナに軽く息を吹きかけた。

「ひゃうっ」

 景子がビクンと身体を震えさせ、腰をひく。

 そんな景子に対し、俺は容赦無く尻に平手打ちを振り下ろした。

 パンという大きい音が部屋に響く。

「あっ」

「誰が閉じていいって言った」

 俺は抑制の聞いた声で、わざと静かにそういった。

「ご、ごめんなさい」

 パンと更に音が響く。

「あうっ」

 俺はもう一度、景子の尻に平手を落とす。

 そして、失望したような視線を投げかけ、つぶやくように言う。

「『ごめんなさい』はあんまり奴隷っぽくない返事だな」

 あ……と景子はつぶやく。

「す、すみません……ご主人様」

 景子はそういい直して、再び俺の方に尻を突き出し、再び両穴を手で広げた。

「今度は動くなよ」

「はい・・・」

 俺はそう景子に言うと、今度は右手人差し指で、景子の愛液をすくい取るように、ヴァギナをなぞった。

「くぅ……」

 景子の腰がピクピクと動く。

 俺はたっぷりと愛液を指先にとると、そのままその指先で景子のアナルに触れた。

「あんっ」

 景子の尻がビクリと揺れた。

「動くな」

「はい……すいません…」

 俺は、愛液を、アナルのしわのひとつひとつに擦り込むようにして、丁寧に塗っていく。

 景子がアナルをめいっぱい開いているので、表面からでも少し内側の方まで塗れる。

「あ……あ……」

 景子のアナルはまるで俺の指を飲み込もうかと言うような動きをする。

「ひぃ……」

 ヴァギナからは、今までとは比べ物にならないくらいの愛液が流れ出ている。

 俺はその様子を、ふんと鼻で笑うと、景子のアナルから指を放した。

「あ…ご主人様ぁ」

 景子は哀願するような目で俺を見る。

 俺が指を放した景子のアナルは、なにか刺激を求めようと、必死に緩んだり締まったりしていた。

 しかし、そんな景子を無視して、俺はソファーに持たれかける。

 そして景子に尋ねた。

「景子、お前は今までオナニーした時、アナルを使った事はあるのか?」

「え?」

 景子は少しビックリしたような顔をする。

「いいから答えろよ」

 俺がそう言うと景子はゆっくりと首を振った。

「ないです……」

 景子は、そう言うと、もっと触って欲しい、といわんばかりに尻を俺の方に突き出した。

 だが、俺はそんな景子の行動を無視しつづける。

「だったら、そこをいじる事もないな」

「そんな……」

 景子はモジモジと腰を振る。

 アナルを広げている指にも、いっそう力が入っている感じだ。

「その代わり……」

 俺は左手を景子の局部に近づける。

「こっちを嬲ってやるよ」

 そういって、景子のクリトリスを摘み上げた。

「ひいっ」

 アナルから突然ヴァギナに標準を変えられた景子は、対応しきれずに大きな声を出して反応する。

「あっ…あっ…」

 俺は、クリトリスの包皮を剥き、指の腹で何度もこする。

「あああっ」

 ガクガクと腰を震わせる景子。

 腰を振るたびにポタポタと愛液がテーブルの上に落ちる。

「いいぜ、許してやる、イケよ」

 ビクンと全身を引きつらせる景子。

「いっ……イキますっ」

 景子はそう叫ぶと、上半身を反らし、果ててしまった。

 どさっと机の上にうつぶせになる景子。

 ピクッピクッと身体を波打たせ、全身で息をしている。

 大きな乳房が、テーブルに押し付けられ、つぶれていた。

 俺はそんな景子を見て立ちあがる。

「景子、気持ちよかったか?」

 景子を見下ろしながら俺はそう言う。

「はい……」

 景子はまだ余韻が冷めないといった感じで、うつろな目で俺を見上げる。

「やっぱり前の方がいいか?」

 まだ、アナルの方にまだ余韻があったのか、少しためらった景子だったが、素直に頷いた。

 そうか、と答えて俺は右手を前に出す。

 そして、その中指の先端から糸を出した。

 そう、景子の精神を自在に操れる紫の糸を。

 ―――だがな、景子

 俺は紫のベールを発動させ景子を包み込む。

 景子の額に糸の打ち込むポイントがはっきりと浮かび上がった。

 ―――それじゃあ

 俺は糸を操る。

ヒュンと景子の前でひるがえる糸。

 ―――面白くないんだよ!

「あっ」

 景子の額に糸が突き刺さった。

 俺はすばやく景子の精神に干渉をはじめる。

 まず、俺は、景子に先ほどのアナルを嬲っていたときのイメージを呼び起こさせる。

「え……?」

 息も絶え絶えだった景子が、再び腰をもじつかせた。

 いきなり沸いてきた、アナルへの感覚がそうさせているのだろう。

 俺はさらに、あの時、俺がいかにもじらすようにと行っていた、アナルに対する攻めを景子に思い出させる。

「あっ……」

 今、景子は、あのとき感じていたアナルへの焦燥感をまさにそのまま感じているはずだ。

「ご……ご主人様…」

 景子が俺を媚びるような目で見る。

 そして俺は更に、景子のそのイメージを―――

 倍の強さにした。

「うっ……ああっ…」

 ビクと身体を震えさせる景子。

 そんな景子に対し、俺は意地悪く言った。

「どうした?景子」

「ご、ご主人様ぁっ」

 景子は、そう言うと、再び最初に俺が指示していたような格好をする。

 テーブルの上で、四つん這いになり、そして尻を高く上げて俺の方に向ける。

 ただ、先ほどと違うのは、先ほどはヴァギナとアナル両方を広げていたのに対し、今回は、両手の指すべてを使って、アナルだけを広げていると言う事だ。

 景子のアナルはガマンしきれないといった感じでヒクついている。

「ご主人様ぁ……」

 景子の視線は更に熱っぽさを増していく。

 だが、そんな景子をあざ笑うかのように俺は言う。

「どうした、景子、そんなところを広げて、お前はこっちの方がいいんじゃなったのか?」

 俺は景子のヴァギナを軽く触る。

 だが景子は、違うといわんばかりに首を振った。

「お願いします…ご主人様」

 ふ、と俺は笑う。

「なんだよ、何をお願いするんだよ、そのいい方じゃわからないよ」

 ん…と景子は少しためらう。

 だがすぐに口を開いた。

「ここを……」

「ここ?」

「…………」

 景子は更にアナルを指で広げる。

「私のお尻の穴を……嬲ってください……」

 俺はその言葉を聞いて、ソファーに座った。

「なんだよ、そんな汚いところを主人に触らせようっていうのか」

 さっき自分から触った事などどこ吹く風、と言う感じで俺は景子に冷たく言う。

 実際汚いとか、そんな事はどうでもよかったが、俺はあえて景子に、すべては景子が望み、俺は仕方なくそれをしてやる、だから景子は俺にちゃんとおねだりをしなければならない、という図式を明確にするためにすぐにわざとそう言ってるのだ。

「あ…でも……」

 景子の指が待ちきれずにもぞもぞと指を動かしはじめる。

「景子、さっき命令した、自分じゃ触っちゃいけない、ってのはまだ続いてるぜ」

「うっ……」

 景子の指の動きが止まる。

 肩で息をしはじめる景子、こんな状態でも俺の言う事従うとは、なかなか忠実な奴隷だ。

 俺は糸を使い、絶えず景子のアナルに対する焦燥感を刺激し続ける。

 もはやアナルの方は、景子の意思とは関係なく、なんでもいいから刺激を、と言う感じで息づいていた。

「ご、ご主人様ぁ」

 ついにガマンの限界がきたのか、景子の目から涙がぽろぽろと落ちてきた。

「お願いします……ご主人様……私、変になっちゃいます……」

 やれやれ、と俺は身体を起こす。

 自分でこうさせておいて、やれやれというのもなんだと思うが。

「景子、それだけの事を俺にさせるんだから、ちゃんとしたお願いをしろよ」

 はい、と景子は頷き、口を開く。

「ご主人様…」

 クッとアナルを広げる。

「景子はもう…お尻の穴が疼いて、気がおかしくなりそうなんです、お願いします、私の、汚くて淫乱なお尻の穴を、ご主人様、めちゃくちゃに嬲ってください……」

 俺は手を伸ばし、小指をたてて景子のアナルに触れた。

「ひあっ」

 景子の身体がビクンと震える。

「動くな、もっと力をぬけ、それと穴を広げるんだ」

「は、はいっ」

 景子は言いつけ通り、アナルを広げている指に力を入れる、そしてそれとは反対に、括約筋の力を抜いた。

 俺の小指は、先ほど塗っていた景子の愛液のすべりも借りて、ヌルッとアナルの中に埋まった。

「ひあああっ」

 ビクビクと身体を震わす景子。

 ギュウとアナルが俺の小指を締め上げる。

 きつさだけなら前とは比べ物にならない。

「なんだ、景子、俺の許可も無しにイッたのか?」

 景子は涎をたらし、うつろな目をしながら身体を震わせている。

「す……すいません……ご主人様……」

 ふん、そんなにいいんなら、もっとサービスしてやるよ。

 俺は乱暴に小指をピストンしはじめた。

「ああっそんなっ……だめっ、そんなにされたら、私おかしくなっちゃうっ」

 更に俺は、ピストンにひねりも加える。

「だめっ狂っちゃうっ」

 発狂しそうなぐらい乱れている景子を見て、おれはふんと笑う。

「なんだ、結局嬲っても、嬲らなくてもお前はおかしくなるのか?へんなやつだ」

 ぐりっとアナルの中をえぐる。

「ひああっ……そうです、私変なんです、変態なんですっ、こんな風に、ご主人様にお尻の穴を乱暴に嬲られて、これ以上ないぐらい感じているんですっ」

 景子はやがて、俺の指の動きにあわせて、腰を振ってきた。

「ご主人様、もっと……もっと、もっと乱暴に私のお尻の穴を嬲ってください、お願いしますっ。もっと、めちゃくちゃにっ」

 景子のアナルの締りが急激にきつくなる。

 どうやらまた、アナルで絶頂を迎えるようだ。 

「ご主人様っ、イキますっ」

 景子がそう叫んだ。

 しかし俺はその寸前景子のアナルから指を引き抜いた。

「あっ」

 またもやアナルにお預けをくらった景子、たまらないといった感じで俺を見つめる。

「ご、ご主人様ぁ、お願いします、続けてださい」

 俺はそう言う景子の尻に、平手を落とした。

「あうっ」

 俺は、続けて2発、3発と景子の尻をはたく。

 その勢いで、景子は机の上に倒れてしまった。

 ジャララと首輪の鎖が音をたてる。

「ご主人様?」

 景子は俺の方を振りかえる。

 俺は冷たい目で、景子を見下ろした。

「景子……お前は今日、ここにきてから何回イッた?」

「え?」

 景子はきょとんとする。

「そして……その間に俺は何回イッたんだ?」

「あっ」

 景子は俺が何を言わんとしているのかを気付いたようだ。

「なあ……お前が俺の性欲処理の道具なのか?」

 俺は眉をひそめる。

「それとも俺が、お前の性欲処理の道具なのか?」

 景子はバッと顔を上げる。

「違いますっ、私がご主人様の道具です、私がご主人様の命令になら絶対に従う奴隷ですっ」

 俺はわざとため息をついて景子に言う。

「じゃあだめだな……」

「え……?」

「やっぱりお前は奴隷失格って事だな」

 景子の顔が青ざめる。

 次の瞬間、景子はテーブルから飛び降り、俺の足にしがみついてきた

「いや、いやですっ、私ご主人様の奴隷でなかったら、ご主人様に捨てられたらもう生きていけませんっ」

 景子の必死の剣幕をみて、俺は思わず笑ってしまった。

 こんなになるまで精神をいじったつもりはないんだがな。

 これはもともと景子がそういう資質を持っていたって事か?

 俺は笑いながら景子に言う。

「じゃあ景子、証拠を見せてみろよ」

「証拠?」

 景子は何の事かわからない、といった表情をする。

「お前が、俺の奴隷として、すべてを捨ててでも俺に尽くす、そういう決意になるようなものを見せてくれって事だ」

「決意……」

 景子はしばらく考える、そしてなにかを決断すると、再びテーブルの上に乗った。

 そして景子がとった行動は―――

 先ほどとまったく一緒だった、テーブルの上に、俺の方に尻を向けて四つん這いになり、自分の指でアナルを広げたのだ。

 そして俺にこう言った

「ご主人様……私のお尻の穴にセックスしてください……」

 どことなく泣きそうな表情の景子。

 だが、俺はその行動を見て、しかめっ面をした。

「なんだ…やっぱり俺を性欲処理の道具として使うって事か」

「ち、違いますっ」

 景子は慌てて否定する。

「わ、わたし……」

 景子は話続ける。

「ご主人様と会う前に、何人かの男性と付き合っていました、身体も重ねました……」

 まあ、それはすでにわかっていたことだ。

「でも……」

 グッと景子はアナルを広げる。

「ここだけは…まだ、誰にも触られていないし、挿れられてもいません…」

 景子が涙ぐむ。

「ご主人様、私のお尻の穴の処女を奪ってください、私のすべてを捧げさせてください、私のすべての人になってください……」

 景子の手が震えている。

 ふん、と俺は笑う。

 なかなか……いい答えだ。

 俺はそう思うと身体を起こした。

 そして何の前触れもなく、景子のアナルに中指を突き指した。

「ひあっ」

 さっきの攻めですっかりゆるくなっていた景子のアナルは、ほとんど抵抗無く、俺の中指を飲み込んだ。

「ご主人様っ、お願いします、どうか、私のお尻の穴にっ」

 俺はグリグリと中指をこね回す。

「ひあっ」

 さてと……言うは易しだが……

 俺は、中指に加え、人差し指も景子のアナルに挿入する。

「あ…ぐぅ……」

 なんとか指は入ったものの、景子のアナルはピッチリと伸びきって、もしそのまま乱暴にでも指を動かそうものなら、裂けてしまいそうなそんな状態だった。

 俺はゆっくりと2本の指を中に押し込んでいく

「うっ……うっ…」

 景子はブルブルと震え、テーブルの端を握り締めている。

 指が中に入り込むほど、指は太くなるので、抵抗がだんだんと強くなる。

「あくっ」

 自分の指が第2関節まで埋まったところで、抵抗が急に強くなった。

 俺はそこが限界と判断した。

……さすがに今日いきなりは無理があるか。

 俺は指を抜く。

「あん」

 景子がピクッと身体を震わせた。

 景子のアナルは、指を抜いた直後は口をあけていたものの、そんなに無理をさせなかったせいか、すぐにその口を閉じた。

 しかし、その閉じたアナルを、景子が自分自身で指をそえて再び広げる。

 そして、熱っぽい視線で俺を見た。

 それはもっとして欲しいという事なのか、それともいよいよ挿れてもらえるという期待のあらわれなのか。

 だが、俺は景子に言う。

「景子、今日は無理だな」

 え、という表情を景子はする。

「お前の尻の穴に挿いれるのは今日は無理だと言っている」

「ど……どうしてですか?」

 景子が狼狽して言う。

「どうしてもこうしても、今の感じだと、俺のモノを挿れたら、お前の尻の穴は十中八九裂ける」

 自慢するわけではないが、俺のモノは、ごく標準的な男のモノよりは多少はでかい。

 指2本も入れきれずに限界を迎えた景子のアナルにぶち込めば、裂けるのは確実だ。

「大丈夫ですっ、私はご主人様の道具です、裂けてもかまいません、耐えられますっ、だから私のお尻の穴を使ってくださいっ」

 そう言って、景子は更にアナルを広げ、俺の方に尻を突き出してきた。

 そこまで言われると、俺の方も、そろそろ我慢に限界があるから、無理やりにでも挿れたくなってくる、しかし……

「景子、やっぱりそれじゃぁ失格なんだよ」

 え、と景子は声を上げる。

「どうして、どうしてなんですか?」

 俺はふんと笑う。

「裂けても我慢するから挿れてほしい、確かに献身的な奴隷の言葉みたいだが」

 景子は黙って俺の言葉を聞いている。

「やっぱりそれはお前の短絡的な考え方だ、道具として、奴隷として何の気がね無く俺に使用してもらいたいという気持ちがあるのなら『裂けても我慢する』ことより『裂けないようにする』って方を優先すべきじゃないのか?」

 あ、と景子はつぶやく。

 お前はせっかく俺が手に入れた道具だからな、そうそう簡単に壊れてもらっちゃこまる。 

 道具を長持ちさせるコツは無理をしない事と、手入れを怠らないことだ。

「もし、俺が今日お前に無理に挿れて、裂けてしまったら、次にやる時もその傷が元で更に裂けやすい状態になる事だろう、結果として、お前が俺の望む状態になるのはずっと先になる事になる、そんな事をしたら今度こそ本当に奴隷失格の烙印を押さなきゃならなくなるぜ」

「じゃあ、私はどうすれば」

 俺は、親指をズブリとなんの前触れもなく、景子のアナルに埋め込ませる。

「ふああっ」

 景子が上半身をのけぞらせる。

「んんっ」

 俺はやや乱暴に景子のアナルを掻き回す。

 括約筋が俺の親指を激しく締めつけた。

「心配しなくても、そのうちここにはイヤって言うほど俺のモンをぶち込んでやるよ、お前はその時まで、この穴は俺のモノだと言う事を忘れずに心に刻んでおけばいい」

「ああっ、イヤなんていいません、私のお尻の穴はご主人様のものですっ、いつだって、どこだってご主人様の使いたいように使ってくださいっ」

 景子は俺の指の動きにあわせて、腰を振る。

「わかったならこっちは今日はここまでだ」

 俺は景子のアナルから指を抜く。

「あっ……」

 景子はまだ物足りないといった顔でこちらを向く。

 おれはそんな景子を無視し、鎖を手に取ると、それを引っ張り景子を身体ごとこちらに向かわせた。

「じゃあ景子、俺にまたがって自分から入れろ、前の穴を使って俺を満足させるんだ」

 はい、と景子が返事をしてテーブルから降りてくる。

 そして、俺のペニスを取り出すと、ソファーに膝を付くようにして俺の上にまたがってきた。

 そして、右手を俺の肩に置いて身体を支え、左手で俺のペニスを軽く握り、先端を自分のヴァギナに擦り付けるように当てる。

 景子のそこは、燃えるように熱かった。

 景子は俺を見る、そして笑顔で言う。

「ご主人様、どうか私のオ○ンコ使ってください」

 ああ、と俺は返事をする。

 景子が体重をかける、俺のペニスが景子の中に埋まっていった。

「う、あああああっ」

 俺の肩を掴んでいた景子の右手に力が入る。

 景子は一気に腰を沈めた。

「う……」

 景子は俺のペニスを根元まで埋めた状態で動こうとはしない。

 いや、動けないといった方が正しいかもしれない。

 熱く蠢いている景子の肉が、震えながら俺のペニスに絡みついてくる。

 俺はパンと景子の尻をはたく。

「あっ」

「何をしている、動け」

「は、はいっ」

 俺にうながされ、景子がゆっくりと腰の上下運動をはじめる。

「あっ…あっ…」

 俺はもう一度、景子の尻をはたく。

「どうした、そんなゆっくりした動きじゃいつまでたっても俺は満足しないぞ」

「す、すいません、ご主人様」

 景子は腰の動きを早める。

 そして、たまらないといった感じで俺にしがみついてきた。

「ご主人様ぁ、わたし、ダメです、このままだと気持ち良すぎてすぐにイっちゃいます」

 俺に泣きつきながらも、それでも動きを止めずに、懸命に腰を動かす景子。

「そんなにいいのか?」

 景子はオーバーなぐらいにクビを縦に振る。

「わたしっ、こんな気持ちいい事、今まで体験した事ありません、今まで、私が味わったものなんか比べ物にならないぐらいですっ」

 そういえばそんな風なイメージを景子に送ったっけな。

 などと思いながら、俺はそっと景子の首輪の鎖を手に取った。

 景子の中が、だんだん締りがきつくなってきている、そろそろ本当に限界が近いんだろう。

「ご主人様っ、すいませんっ、本当にダメです、イっちゃいますっ」

 景子の指が、俺の肩に爪が食い込むぐらいに力が入る。

 俺はその瞬間―――

 手に持っていた鎖を、景子の後方に引っ張り、景子の首が締まるようにした。

「あぐっ」

 やや、下の方に向けて引っ張ったので、景子は腰の上下運動も制限される形になる

 これ以上ないぐらい、景子の中が締まる。

 もちろん息ができなくなるほど強く引っ張ったわけではないが、適当な頃合を見極めて、俺は鎖を緩めてやる。

「くはっ……あっ…ご主人様…?」

 かすれる声で景子が俺を見下ろす。

 涙で塗れて苦しみにゆがみながら、何か哀願するように俺を見つめるその顔は、俺の嗜虐心を最高に震えさせるものだった。

「景子、もしイキそうになったら、俺が今みたいに無理やり止めてやる、だからお前は心置きなく腰を動かせ」

 あ……と景子がつぶやく。

 その顔がどんどんと被虐の喜びに染まっていく。

「ご主人様ぁ、お願いします、私がイキそうになったら、今みたいにお仕置きしてください、わたし、がんばりますっ」

 そして、景子は腰を再び動かし始める。

 俺は、わざと景子に見せつけるように、手に握っている鎖を景子の顔の前に出した。

「あ……」

 景子の中の締りがよくなる。

……これじゃまるで、競走馬の見せ鞭だな。

 そんな事を思いながら、俺は景子を嬲るため、まだそれほどイキそうになっていない状態でも、何度か鎖を引っ張り、遊んでみた。

 そして、5、6回ほどその行為を繰り返した頃、そのたびに景子の締りが良くなるため、俺の方もそろそろ限界が近づいてきた。

「さて、景子、そろそろ俺もイキそうだ」

「あっ」

 その言葉を聞いて、景子が大きく身体を震わせた。

「ご主人様っ、お願いしますっ、わたし、大丈夫なようにお薬買ってきましたっ、だからわたしの中にっ、ご主人様のものをっ」

 そういえば、最初にやったときは外に出してやったな。

 わざわざ中に出してもらうためにピルまで買ってきたのか、だったら望み通りこのまま中に出してやるよ。

 俺はじわじわと、景子の首輪の鎖を引っ張る。

「あ…あ……」

 今度はその動きを制限しない程度に、それでも苦しみは味わえるように。

「ああっ、ご主人様っ……わたしもう自分がどんな風になってるのか全然わかりません」

「苦しいのか?」

「わかりません、ただ全部、今わたしの身体に起こってる事全部が気持ち良くてたまらないんですっ」

 景子はもう、イク事を耐えなくていいという開放感からか、滅茶苦茶に腰を振ってくる。

 正直少し鎖の引っ張り具合を調節するのが難しい。

「ご主人様、わたしも一緒にイっていいですかっ?」

 俺はふんと笑い答える。

「いいぞ、許してやる、良くがんばったな」

 景子の目から涙がポロポロ流れる。

「ああっうれしいですっ、ご主人様ぁ」

「じゃあ景子、好きなだけイけ」

 俺は左手で景子の腰を掴み、右手の鎖を下へと引っ張る。

 そうやってペニスを一番深い所まで埋め込んだところで、俺は精を放った。

「あああっ!」

 そして次の瞬間、俺は握っていた鎖を放し、景子の動きを開放させる。

 景子は前かがみになり、俺にしがみついてた。

 そして、俺を抱きしめながらビクビクと身体を振るわせ、絶頂を迎える。

 俺の精子が、2度3度と景子の子宮を打ち上げた。

「ああ……ご主人様のがわたしの中で動いてます……」

 景子が俺の事をぎゅうと抱きしめる。

 その感覚を、余韻も含めて味わっているようだ。

「ご主人様……」

 景子がつぶやくように言う。

「わたし気持ち良かったですか?わたしをこれからも、奴隷として使っていただけますか……?」

 景子は余韻に浸りながらも、どこか不安げな声で俺に聞いてくる。

 俺は何も答えず、まだ、景子の中に俺のペニスが埋まったままの状態で景子を担ぎ上げた。

「え?」

 そして、繋がったまま、景子の身体を半分回転させる。

「あん…っ、ご、ご主人様?」

 俺は、景子をうつぶせにさせて、景子を机の上に押し付ける。

 そして、その抜かずの状態から、後背位で景子を犯し始めた。

「ああっ、ご主人様っ」

 そして、ピストンをしながら景子に言った。

「ああ、景子、合格だ、これからもお前を奴隷としてずっと飼ってやるよ」

 景子がこちらに振り向く。

「本当ですか、ご主人様っ」

 俺は返事とばかりにひときわ激しく景子を突いた。

「あ…うれしいですっ、わたしこれからも、ご主人様に気に入っていただけるようにがんばりますっ」

 景子が俺のペニスを締めつけてくる。

「そうか、じゃあさっそく頑張れ、俺はこれから朝までおまえを犯し続けるつもりだ、へばらずについてこい」

「はいっ、わたしを使ってくださいっ、わたしも、ご主人様が満足出来るようにがんばりますっ」

 そういって景子が俺の動きにあわせて腰を振ってきた。

 さあ景子、それじゃあ宣言通り朝まで付き合ってもらうぜ……

 その日、明け方空が白むまで、俺の家から景子の喘ぎ声が途絶える事はなかった。

< 続く >

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