- Prologue -
今日の天気は、これぞ五月晴れ!というぐらいに気持ちいい。
生まれ変わったわたしにふさわしい、世界に祝福されているみたいな朝だ。
ちょっと大袈裟に聞こえるかも知れないけど、わたしの中で、それぐらいの革命的な変化があったってこと。
「おはよう、夏美。なんだかすごくご機嫌ね。なにかいいこと、あった?」
「おはよう、なつみちゃん。本当に嬉しそうだね」
1階のリビングに降りていくと、冬香お姉ちゃんとその旦那さんの一郎さんがいた。
冬香お姉ちゃんは、わたしからみてもおっとり系の美人で、目標でもある。まぁ、方向性が違うから、同じにはなれないって判ってはいるんだけどね。ただ、いつも幸せそうににこにこと微笑んでいるところは、本当に魅力的だと思う。
一郎さんは、ちょっとぽっちゃり系だけど、優しそうないい人だと思う。にこやかに朝の挨拶をしてる今なんて特に。32歳の年齢で、22歳の冬香お姉ちゃんと結婚した時は本当にびっくりしたんだけど、今では納得のお似合いさって判る。なにしろ、新婚さん夫婦なのに、わたしも一緒に住まわせてくれてるほどだし、本当にいい人だ。
「おはようっ。いい天気だね!」
うん、本当にいい朝だね。
わたし達が、もっともっと幸せになる日々の、始まりの朝なんだから。
さぁ、新しい日々を始めようか。
わたしは、手に持っていたスピーカー付きのプレイヤーの、プレイボタンを押した。
- 1 -
ちょっと説明すると、わたし達の学校は外からは普通の学校にしか見えないけど、本当は全然違って、ただ一人の男子生徒に支配されてる。支配者の名前は相川諒一さん。
で、諒一さんは時々目に付いた女の子とスルんだけど、諒一さんから指名があるまでは、こっちから誘惑したりするのはダメってことになってる。普段は普通にしてなさいって。
そんなワケで、いままでは諒一さんにシテもらったコの自慢話を羨んでるだけだったわたしも、昨日、やっと諒一さんにわたしの身体を使ってもらったって事がすべての始まりなの。
・
・
・
「あっ」
部活に向かう途中の廊下で、向こうから歩いてくる諒一さんを見て、わたしはつい声を出しちゃった。本当は、そういうのもダメなんだけど。
でも、わたし達は諒一さんのモノだから、こういう偶然すれ違うみたいな状況だと、ついドキっとして無意識に反応しちゃうの。わたしの周囲でも、女の子が何人か、ぽおっとした表情で立ち止まってたし。
わたしは頬が熱くなるのを自覚しながら、なるべく意識しないように通りすぎようとしたんだけど、凄い幸運な事に、諒一さんがわたしを呼び止めてくれたの。
「きみ、名前は?」
その時のわたしの気持ちっていったら、幸せ過ぎてイっちゃうんじゃないかってほど。
わたしの周りから、選ばれなかったコ達の溜息が聞こえたけど、それもまた幸せのスパイスだったり。
「は・・・はい・・・志藤 夏美です」
声が震える。
ちゃんとしなくちゃって思ったけど、どうしても声が上擦っちゃう。
「夏美ちゃんか・・・今日は、大丈夫な日?」
何がか、なんて考えるまでもない。
えっちをしても、大丈夫かってこと。
諒一さんの精液を、たっぷりおなかに注ぎ込まれても、大丈夫かってこと。
幸運なことに、今日はバリバリに安全日。
「はいっ!すっごい安全な日です!」
わたしの勢い込んだ返事に、諒一さんは頷いた。
「じゃあ、全部脱いで」
「はいっ」
どうして、なんて聞かない。
こんな場所で、なんて気にしない。
どうせ他の男子は見ることができないんだし。あ、でも見られてたとしても、諒一さんの命令に逆らうなんて、ある訳もないんだけどね。
ブラとパンツも、靴下だって脱ぎ捨てて、わたしは生まれたままの姿を諒一さんに見てもらう。
諒一さんはびっくりしたみたいな表情でわたしを見て、それからくすっと笑った。
「そんなに焦って脱がなくてもいいのに」
「・・・あっ」
もぉ、穴があったら入りたいっていうのは、こういう状況の事だと思った。
諒一さんの命令を聞こうと焦って、女らしくとか、可愛らしくとか、えっちっぽくとか、全然まったく一瞬も考えないでぽいぽいと服を脱ぎ捨ててたら、それは呆れられても仕方が無いと思うもの。
「別にいいよ。でも、次はもっと興奮出来る脱ぎ方を見せてくれる?」
だから、諒一さんのフォローに、思わず泣いちゃうかと思った。
わたし達女の子は全員諒一さんのモノなのに、自由勝手にしてもいいモノなのに、こんなに優しい言葉を貰えたら、もう死んでもいいって思っちゃう。
「ありがとうございますっ!次はきっと、諒一さんを悩殺できるような、えっちな脱ぎ方をマスターしてきますねっ」
勢い込んで言うと、また諒一さんがくすっと笑った。でも、諒一さんが単純に面白くて笑ったって判るから、今度は恥ずかしくなかった。それどころか、わたしもつられてえへへ、とか笑って、緊張がほどけるのが感じられた。
「キスはした事ある?」
諒一さんが一歩近付いた。30センチしか離れていない場所で、諒一さんが優しく微笑んでる。頭がぽーっとする。脚が震える。身体が熱くなる。
「あ・・・ありません・・・。キスも・・・えっちも・・・」
そう答えるのが精一杯。
胸がドキドキして、息苦しくて、でもそれを諒一さんに悟られるのはさすがに恥ずかしくて。
「じゃあ、夏美ちゃんの『はじめて』を全部、もらうよ」
それは、諒一さんの命令。
でも、同時にそれは、わたしの願い。
だから――
「はい・・・はいっ!わたしの『はじめて』を全部、もらってください!」
諒一さんが頷いて、わたしの頬に手を添える。
――初めて触れる諒一さんの指の感触に、胸がときめいた。
諒一さんの唇が近付いてくる。
――諒一さんの吐息が触れて、こそばゆいような、気持ちいいような感じが走った。
諒一さんの唇が、わたしの唇を覆った。
――唇が触れ合うだけのキスなのに、そこから全身が蕩けるような、気がした。
パチパチパチパチ。
しばらくして諒一さんが唇を離しても、余韻でうっとりとしていたわたしの耳に、控えめな、けど祝福の拍手が届いた。目を開くと、話した事の無い生徒や、同じクラスのコや、よく遊ぶ友達が、ちょっとやっかむような表情で、暖かい笑顔で、拍手していてくれた。わたしの中に、恥ずかしさと、喜びが同時に生まれる。
「・・・ありがとう・・・」
嬉しくて、ちょっとだけ泣いた。
そんなわたしを、諒一さんが優しく抱き締めてくれた。
- 2 -
その次は、舌を絡ませあう、えっちなディープキス。
周りのみんなに見られながら、諒一さんの唾液を啜った。
諒一さんとわたしの唇の隙間から、くちゅくちゅと濡れた音が漏れて、恥ずかしかった。けど、あっという間にキスだけで気持ちよくなっちゃって、もうそんな事なんて気にする余裕がなくなったの。
「夏美ちゃん、えっちな顔になってるよ」
諒一さんに揶揄するように言われて、恥ずかしさに顔が真っ赤になる。
今は、すぐ隣の教室の中。
諒一さんが許可してくれたから、女の子達がギャラリーになってるの。みんな、羨ましそうにわたしを見てる。堪え性の無い子は、切なそうな表情でオナニーをしてた。
「もっと、えっちにしてください」
そうわたしが言うと、諒一さんがわたしの両肩を押さえて、床に跪かせた。わたしは諒一さんの意志を読み取って、「あの、失礼します」と断ってから、諒一さんのズボンのチャックを下ろした。
トランクスの奥で硬くなってるものを、チャックで痛くしないように、気をつけて取り出す。それは、想像していたよりも、大きくて、硬くて、圧倒的だった。これがわたしの中に入るって思うだけで、あそこがきゅんって切なくなる。
「あの・・・ヘタだったら、言って下さいね」
そう断って、まずは先端の尿道口にキス。それから舌でいろいろと舐める。ときどき諒一さんのおちん○んがピクンとする場所があって、そこは意識して舐めた。
「んぅ、ちゅ、ちゅぴ、あむ、うんっ、ちゅっ」
おちん○んの熱さに、舌や唇が火傷しちゃいそうだった。頭の中も、火でじりじりと炙られたみたいに、茫っと何も考えられなくなってく。それでも、授業で教わったみたいに、諒一さんが気持ちよくなれるように、がんばってご奉仕ご奉仕。
「ありがとう。今度は僕の番だよ」
「ふぇ?」
ちょっとだけ苦しかったけど、先端を喉の奥に擦り付けるようなフェラチオをしてる最中に、諒一さんがそうお礼を言ってくれた。酸欠気味なわたしは、つい変な声をだしちゃって、周りのコからくすくすと笑われた。
「そんなに夢中になるぐらい、フェラチオが好きなの?」
微笑みながら聞く諒一さんに、恥ずかしくなって俯いて。
でも、諒一さんに聞かれたんだから、どんなに恥ずかしくても、ちゃんと答えないといけない。
「あの・・・諒一さんのおちん○んを舐めてると、あそこが熱くなって、どんどん身体が興奮しちゃって、止まらなくなっちゃったんです・・・。きっとわたし・・・諒一さんの・・・おちん○んが好き、なんです」
諒一さんがどんな表情を浮かべてるのか気になって、ちょっとだけ、視線を上げた。
「ありがとう。嬉しいよ」
見えたのは、諒一さんの笑顔。
間違いなく、今はわたしだけに向けられた、笑顔。
その瞬間に胸の中で、諒一さんが好きっていう気持ちが、爆発しそうなぐらいに膨れ上がったの。
「じゃあ、僕のを舐めて、どんな風になったのか、調べてあげる。そこの机に腰掛けて、大きく脚を開いて」
「はい・・・はいっ!どうぞ、いっぱい見てください」
わたしは、普段誰かが勉強するのに使う机の上に浅く座って、これ以上は無理ってぐらいに、大きく脚を開いた。この格好だと、ぐちょぐちょに濡れたあそこも、ひくひくと蠢くお尻の穴も、全部見えちゃうはず。
「ふふ、ぐちゃぐちゃだね。いやらしい蜜で、お尻の方まで濡れてるよ」
諒一さんに見られてる、それだけでイっちゃいそう。
まるで、諒一さんの視線に愛撫されてるみたいな感じで、あそこからこぷって愛液が新たに溢れるのが感じられた。
「はい・・・わたっ・・・わたしっ、いやらしいんですっ」
だって、処女なのに、こんなにも諒一さんのアレを入れて欲しくて、頭の中がそれだけになっちゃってる。きっと、諒一さんに犯してもらって、初めてわたし達は諒一さんのモノになれるんだ。だから、こんなに入れて欲しくて、心も身体も堪らなくなってるんだ。
だから――。
「十分濡れてるし・・・入れるよ?」
諒一さんの言葉に、何度もがくがくと頭を縦に振った。
「はい・・・はいっ、きて・・・くださいっ!」
そう言うだけじゃ我慢出来なくて、自分の指であそこを開いた。薄いびらびらの内側の、諒一さんのためだけにある入り口が、ひくひくと蠢いてるのが見えた。なんていやらしいカタチなんだろうって思った。
ちゅくっ。
濡れた粘膜と、諒一さんのアレが触れ合った音。
電気みたいな鋭い快感が、たったそれだけで身体を駆け巡った。触れただけでこんなに気持ちいいんだったら、入れられたら、狂っちゃう――そう、期待がぐちゃぐちゃに混ざり合った恐怖を感じた。
ぐじゅっ、じゅぶっ。
そして、いやらしい音を響かせて、諒一さんのアレがゆっくりと入ってきた。今まで指だって入れた事のない場所を、大きなアレが押し開いて、ゆっくり、ゆっくり。
それは、傷の癒えていないかさぶたを、剥がすような感じだった。
くっつきかけている肉を、引き裂くような、苦痛。
でも、諒一さんのアレが1ミリ進むごとに、わたしの心は狂おしい悦びに震えてた。これで本当に諒一さんのモノになれる、そう思ったら、身体の痛みだって悦びと一緒だもの。
「りょっ、りょういちさっ!あっ、はいって、く、くるっ!」
諒一さんのアレは止まらない。
なんか、ぷつっていう感触の後、わたしの中の一番奥まで入ってきたっていうのが、何となく感じられた。
満足感というか、達成感というか、一つの事をやり遂げたみたいな喜びと、諒一さんと繋がってるという幸福感に、あそこはジンジンと痛いんだけど、すっごく幸せな気分。
「おめでとう、夏美ちゃん。これできみも、大人の仲間入りだよ」
諒一さんが頭を撫でてくれる。わたしは嬉しくて、きゅって諒一さんに抱き付いた。
「ありがとうございます。諒一さん・・・嬉しいです」
諒一さんの胸に頬を擦り当てて、諒一さんに感謝した。
本当の自分に生まれ変われた、そう思ったの。
「そろそろ痛みも薄れてきたんじゃないかな?」
諒一さんの言葉に、状況を思い出した。
わたしだけが気持ちよくなるなんて、分不相応にもほどがある。
わたしは、諒一さんに喜んで頂くためのモノなのに!
「あっ、ご、ごめんなさい!わたし、我慢できますから、諒一さんの好きなように、してください!」
それとも、わたしが動いた方がいいんだろうか?
諒一さんの恋人の綾香さんだったら、もっと上手に諒一さんを悦ばせることができるのに、経験不足な自分が情けない。
「我慢する必要は無いよ。『これからきみは、大人になったおま○こで、とても気持ちよくなれるから』」
そう諒一さんに耳元で囁かれた瞬間、お腹の奥がずくんって疼いた。痛みを伴う疼きじゃなくて、切なくて、どうしていいか判らなくなるような疼き。その疼きのせいか、さっきまで感じていた破瓜の痛みがまったく感じられなくなってた。
おま○こで痛みがなくなった代わりに、凄く敏感になってるのが判った。
諒一さんのアレの大きさ。
諒一さんのアレの熱さ。
諒一さんのアレの硬さ。
諒一さんのアレの形。
目をつぶったら、瞼の裏に浮かんできそうなぐらい、細かい部分まで感じとれた。きっと、これが『大人になる』っていう諒一さんの言葉の意味なんだって思った。
でも、だとすると、諒一さんのアレが動いたら、気持ちよくなっちゃうの?
「いくらでも、気持ちよくなっていいんだよ、夏美ちゃん」
まるで、わたしの考えている事が判るみたいな、諒一さんの言葉。
疑問に思うよりも、これからどうなっちゃってもいいんだ、って安心した。
だから、わたし――
「は、はいっ。わたしも、き、気持ちよくなりますから、諒一さんも、気持ちよくなってください!」
諒一さんは、わたしをぎゅっと抱き締めたまま、頷いてくれたみたいだった。
- 3 -
ずちゅ、ぅ。
ずっ、ちゅぶっ。
ぐぶっ。
抜ける寸前まで、諒一さんのアレが引き抜かれて、ぐっと勢い良く奥まで差し込まれたときの、あそこから漏れた音。
でも、その音は誰にも届かない。
なぜなら。
「あっ、あっ、あっ、あっ、くっ、ああああああーっ!!」
わたし、学校中に聞こえちゃうんじゃないかってほど、大きな声で喘いでた。
すごいの!こんな気持ちいいの、はじめてなの!
諒一さんのが中を擦ると、信じられないぐらい気持ちいいの!
ひとりえっちなんて、お遊びみたいなものだって思った。
「気持ちいい?」
「あっ!いいっ!いいですっ!お、おかしくな、るぅっ!」
夢中で頷いたの。
なんだか自分で何を答えたのか、頭がぐちゃぐちゃで判らなかったけど、こんなに気持ちいいんだったら、もうどうなってもいいって思った。
「ほら、子宮の入り口をぐりぐりしてるの、判る?」
「わ、わかっ、りますっ!ずんって、ずんってするのっ!!あああっ!!」
もう、ずっとイキっぱなしだった。
しんじゃう、そう思った。
でも、このまましんじゃいたい、とも思った。
「ああっ!あっ!いいっ!しぬっ!しんじゃうっ!!」
ずっと、閉じてるはずの瞼の裏側で、光が何度も何度も弾けて。
頭がまっしろになったまんまで。
だけど、最後に諒一さんが射精した時、それ以上の絶頂に襲われて。
身体中が、白い炎に焼き尽くされるみたいな、気がした。
「イッ!いぐっ!ああああっ!!あ゛ーっ!!」
こんな嵐みたいな幸せがあるって、半分意識をなくした状態で、初めて知ったの。
・
・
・
「目が覚めた?あれから10分くらい、気絶してたよ」
諒一さんの胸に抱き締められた状態で目を覚まして、嬉しいやら恥ずかしいやら、申し訳ないやらで、わたしは顔を赤くした。でも、酷く甘えたい気分だったから、分不相応と思いながら、諒一さんに身体を預けてた。
「わたし・・・気持ち良すぎて、何がなんだか判らなくなっちゃって・・・恥ずかしいです・・・」
喘ぎ過ぎたのか、声が嗄れてて喉が少し痛い。
「女の子が悦んでくれる姿を見るの、僕は好きだな」
そっと頭を撫でる諒一さんの手の感触に、胸が幸せで一杯になる。
でも、こんなに幸せにしてもらってるのに、わたしに返せる物があまりないのが悔しかった。
――あ。
「可愛い子だったら、尚更・・・ですか?」
わたしは冬香お姉ちゃんの顔を思い出しながら、諒一さんに聞いてみた。
あった。わたしにも出来るコト。
頷く諒一さんに、わたしは微笑みを返した。
貰った幸せの100万分の1でも返せるんだったら、どんな事でもしよう。
ギャラリーの女の子達がオナニーに耽っているのを見ながら、心の中で、そう思った。
冬香お姉ちゃんも、諒一さんのモノにしちゃおう。
我ながら、なんていいアイデアだろう!
とりあえず、いつも持ち歩いてる冬香お姉ちゃんの写真を、諒一さんに見てもらおう。
- 4 -
そして今日、わたしは諒一さんの為に、昨日思い付いたアイデアを実行に移した。
諒一さんから借り受けたプレイヤーから、不思議な旋律が溢れ出た。
どこか、聞き覚えのあるメロディー。
わたしは諒一さんから言われたとおりに耳栓をしているので、少し頭がクラクラする程度。でも、冬香お姉ちゃんと一郎さんは、すっかりこの音楽の虜になっているみたいだった。
「一郎さん、これからはもう、冬香お姉ちゃんにキスも、えっちな事も、しちゃだめ。冬香お姉ちゃんは、今日から諒一さんのものになるんだから。でも、一郎さんは冬香お姉ちゃんの事が大好きだから、冬香お姉ちゃんが幸せだと、一郎さんも幸せになるの。その幸せのために、これからもがんばってね♪」
こくりと頷く一郎さんは、冷静に考えると酷い事を命令されてるのに、とても幸せそうな笑顔を、茫っとした顔に薄く浮かべてる。まぁ、冬香お姉ちゃんが幸せなら、一郎さんも幸せなんだから、これはこれでいい夫婦関係だよね。
今度は冬香お姉ちゃんの番。
「冬香お姉ちゃん、今日ウチに来る相川諒一さんは、お姉ちゃんのとっても大切な人なの。冬香お姉ちゃんは、諒一さんのモノになるんだよ。だから、一郎さんとか、他の男の人とか、諒一さんの許可無くえっちしたりしたら、だめだからね」
うん、これ重要。
諒一さんが別の男の人に抱かせたりとかはしないと思うけど、一応ね。
それと、いくつか追加しておこう。
「それと、諒一さんの言う事は、どんなことでも本当の事だから、絶対に言う事を聞こうね。冬香お姉ちゃんは諒一さんのモノなんだから、当然のことだよね?」
茫とした表情で頷く冬香お姉ちゃんは、同性のわたしからしてもドキっとするぐらい魅力的だと思うの。このいつもはのんびり屋さんなお姉ちゃんが、諒一さんに犯してもらって、どんな風に乱れるのか・・・とても愉しみ。
「ね、お姉ちゃんは今まで、セックスでイったこと、ある?」
なんとなく、聞いてみる。
目を瞑ったまま、冬香お姉ちゃんは小首を傾げた。
「イクって・・・よく、わからないの・・・。イったこと・・・ないかも・・・」
新婚さんで、それってありなのかなぁ。
オナニーだと、イクのがなんとなく怖くて、その直前で止めちゃうっていうのは聞いたことあるけど。
これは、一郎さんのがんばりが足らないっていう事かも。
だったら、これで冬香お姉ちゃんも女の幸せが味わえるんだから、いいことだらけだよね。
「じゃあ、諒一さんに犯してもらえたら、すごく一杯イケるよ。こんな幸せな事があったなんてって、びっくりするぐらい。冬香お姉ちゃんは、生まれ変われるよ」
わたしの言葉が理解できたのか、お姉ちゃんの茫っとした顔に、期待するみたいな笑みが浮かんだ。諒一さんが来るまであともう少し時間があるし、念入りに準備をしておこうかな♪
・
・
・
ふかいふかい海の底から、ゆっくりと浮上する。
それは、生まれるという事に似ている。
昔の自分から、新しい私に生まれ変わるということ。
私は冬香。諒一さんの、モノ。
私はすごく爽やかな気分で、目を開いた。
目の前には、爽やかな笑みを浮かべる一郎さんと、下着姿の夏美ちゃん。何かが気に掛かったけど、それが何かは判らなかったし、なんだか考えるのも億劫だったから、あっさりと意識から追い出した。
「お姉ちゃん、もう少ししたら諒一さんが来るから、まずは服を全部脱いでね」
夏美ちゃんにそう言われて、私は顔が熱くなるのが判った。
裸で諒一さんを迎えるって想像して、恥ずかしくなったのと、諒一さんは悦んでくれるだろうかという、期待で。
「全部、脱がなくちゃだめ?」
自分でもまだまだ身体のラインは崩れてないと思うんだけど、全裸っていうのはなんだか不安な気がするし。
「エプロンは、していいと思うよ。でも、中途半端に服を着てるよりは、『裸エプロン』っていう方がインパクトがあっていいと思うの」
そういえば、一郎さんも夏美ちゃんがいない時、そういうリクエストをしてきた事があったなぁ。
「ん・・・わかった。ちょっと待っててね」
私は服を脱ぐと、丁寧に畳んで隣の部屋に置いた。それからお気に入りのひよこがらエプロンを、直接素肌にまとう。一応、胸やあそこは前からは見えないと思う。
「どう・・・かな?」
私が聞くと、一郎さんと夏美ちゃんは、無言で右手親指をグッ!とかしてみせた。
「これなら、諒一さんも大満足だよ。ね、一郎さん」
「うん、とても綺麗だよ、冬香。どんな男性だって、イチコロさ」
一郎さんに太鼓判を押されて、少しだけほっとした。
「冬香お姉ちゃん、流しの縁に両手をついて、少しだけお尻を突き出すみたいにして」
「こ・・・こうかしら?」
この格好だと、後ろから全部見えちゃう。
恥ずかしいけど、きっとこれが諒一さんの為になる事だと思って、我慢した。
「うん、あともう少し、脚を開いた方がいいかな・・・うん、そう。じゃあ、諒一さんが来るまで、わたしがお姉ちゃんをほぐしておくね」
夏美ちゃんは、いきなり私のあそこを、縦に指をぴったりあてがうみたいにした。私はまだ濡れていないのに、夏美ちゃんは唾でも塗ったのか、その指はねとつく感じがした。
「ひゃっ、んんっ!」
背中を、快感の電気がぴりぴりと走った。ただ指を当てられただけなのに、まるで舌でぞろりと舐め上げられたみたいに、気持ち良かった。
「んっ、ふっ、あっ!」
夏美ちゃんは、そのままマッサージするみたいに、緩急を付けて指で私のあそこを押さえつける。こすり付けるんじゃなくて、指先でクリトリスを押したと思ったら、次は関節のあたりでおしっこの穴を押して、その後指の付け根であそこの入り口をぐりぐりと押す、そんな単調な動きだった。でも――
「やっあっ!そこっ!いいっ!」
気持ちいいっ。
あそこから生まれた快感と熱が、身体中に伝わってくみたい。
気持ちいいのに、もどかしくて、もっともっと欲しい。
欲しくて堪らない。こんなに気持ちがいい事があるって、今まで知らなかった。
「冬香お姉ちゃん、自分からお尻を振っておねだりなんて、やぁらしぃ♪」
夏美ちゃんに揶揄されるのだって、快感に感じる。
はしたなくて、いやらしい私。想像しただけで、もの凄く興奮する。
「そうなのっ!わた、わたしっ!いやらしいのっ!」
途端に、気持ちいいのが身体の奥で、一気に膨れ上がった気がした。
「やっ!な、なにっ!すごいのっ!すごいの、くるっ!!ああっ!!」
目の前が真っ白に染まって、身体が、爆発するんじゃないかって、おもった。
何も考えられなくて、あそこがジンジンと痺れて。
きもち、いい・・・。
「うふふ、お姉ちゃん、ちゃんとイケたね。気持ち良かった?」
夏美ちゃんが私を後ろから抱き締めるみたいにして、耳元に愛撫みたいな吐息を流し込みながら、どこか優越感を感じさせる口調で言った。
「すごく、きもちよかった・・・」
ああ、でも。
夏美ちゃんは、諒一さんにイカせてもらってるんだ。
こんな凄いの、もうとっくに味わってたんだ。
羨ましい。
私も、もっと気持ちよくなりたいの。
「諒一さんがシテくれると、もっともっと凄いんだよ?楽しみでしょ、お姉ちゃん」
耳から頭の中に、麻薬を流し込まれるみたいに、私は夏美ちゃんの言葉を心の奥深くまで受け入れた。夏美ちゃんの言葉は、きっと本当になる。予言なんてあやふやなものじゃなくて、確定した未来みたいに。
「うん・・・りょういちさんのモノになるの・・・楽しみ・・・」
私は、切れ切れにそう願った。
もっと、もっと気持ちいいの、したい――
- 5 -
「いらっしゃい、諒一さん」
「いらっしゃいませ。はじめまして、諒一さん。わ・・・私、立川 冬香といいます。これから、宜しくお願いします」
わたしと冬香お姉ちゃんは、玄関で諒一さんを迎え入れた。
わたしは、これから起こるであろう饗宴に、どきどきと胸を高鳴らせながら。
お姉ちゃんは、顔を赤くして、潤んだ瞳で諒一さんを見詰めながら。
「あぁ・・・諒一さん・・・」
冬香お姉ちゃんは、多分無意識にだろうけど、喘ぐみたいにそう口にした。
まぁ、仕方が無い事だと思う。
さっき、諒一さんが来るまでに、合計3回はお姉ちゃんをイカせた。
イク毎に身体の感度が上がるみたいで、3回目はアソコから潮をぴゅっぴゅって噴出して、半分失神したみたいになっちゃったし。
で、そのあとは、イキそうになると止めるという寸止めを、ずっとしてた。
最後には、「イカ、イカせてっ!おねがいっ!しぬっ、しんじゃうのっ!せつなくて、しんじゃうぅ!!」とか大声で泣き叫ぶぐらいに出来上がってた。
アソコの中は、ずっとヒクヒクと痙攣して、指が溶けそうなほど熱くなってたし。
禁止してなかったら、野菜でもなんでも使って、自分でしちゃってたんじゃないかな。
だから、今もお姉ちゃんの中で、欲情の熱はひいてないんだろうと思う。
脚はがくがくと震えて、溢れた愛液が足元に滴ってるし。
身体はうっすらと汗をかいて、でも汗臭いというよりは、なんだかクラクラするような不思議な熱気を孕んだ匂いを放ってて。
裸エプロンのその中身は、諒一さんに犯してもらうことしか、考えられなくなってるみたいだった。
「初めまして。結構な格好でのお出迎え、ありがとうございます」
諒一さんがにこやかに微笑みながら、挨拶を返した。普通のオトコノコだったら、今の冬香お姉ちゃんをみたら、一瞬でケダモノになっちゃいそうなのに、やっぱり諒一さんは凄いと思う。諒一さんのモノとしての欲目を除いても、やっぱりこの余裕は格好イイなぁ。
「じゃあさっそく、フェラチオしてください」
靴すら脱いでない。
まるで、「お冷下さい」とかお願いする程度の口調で、諒一さんが冬香お姉ちゃんにお願いした。けど、わたし達にとって、それは絶対の命令も同じ事。まして、発情しきったお姉ちゃんにとっては。
「あぁ・・・は、はい・・・」
嬉しそうな蕩けた表情で玄関口に跪くと、お姉ちゃんは諒一さんのズボンに手を掛けた。興奮に震える手で、それでもなんとかチャックを下ろした。
「あの、私・・・したことがありませんから、下手だと思いますけど、一生懸命がんばります」
一郎さん以外の人のおちん○んに、当たり前のようにフェラチオするお姉ちゃんの姿に、わたしはゾクゾクと興奮した。
「冬香お姉ちゃん、一郎さんにはフェラチオ、してあげたこと・・・ないの?」
わたしの質問に、お姉ちゃんは口いっぱいに頬張った諒一さんのを一瞬でも出すのがいやっていう感じに、小さく頷いた。その欲深な様子に、諒一さんも苦笑を漏らした。
「別に誰もとったりしませんから、返答する時は口を離してもいいんですよ」
諒一さんがお姉ちゃんの頭を撫でると、お姉ちゃんは本当に蕩けそうな甘い表情を浮かべて、うっとりと頷いた。
「あの・・・諒一さん、私・・・もぉ・・・」
多分、今のなでなでがとどめになったんだと思う。
お姉ちゃんは切なそうな表情で、諒一さんを見上げた。
「ええ、いいですよ。脚を開いて、仰向けに寝て下さい。夏美ちゃんはオナニーしながら、僕と冬香さんがえっちするところを見るんだよ。良くできたら、あとで3人で一緒にしよう」
諒一さんが、わたしの事も気に掛けててくれたって思っただけで、イッちゃうかと思った。身体じゃなくて、心の奥底が幸せで溶けちゃいそう。
「はい・・・はいっ」
どれだけわたしが幸せで喜んでるか、少しでも伝わればいいなって思う。
女の子たちはみんな、諒一さんのモノである事が、何よりも幸せなんだって。
わたしは玄関に腰を下ろすと、諒一さんの命令のままに、オナニーを始めた。
下着は脱がない。諒一さんに見てもらえるかもとか考えて、自分の一番のお気に入りの上下を合わせたから。脱がすんだったら、諒一さんにして欲しい。
だから、ボトムの脇から指を入れてクリトリスを弄るのは、かなりもどかしい刺激だった。でも、きっと全裸で激しいオナニーしても、同じ事だと思う。だって、一回でも諒一さんに犯してもらったら、もうそれ以外じゃあ本当の快感は味わえないから。わたしは羨ましいという気持ちを抑えきれずに、冬香お姉ちゃんを見詰めた。
「はいるぅ・・・んあっ・・・はいってくるのっ!」
お姉ちゃんは、幸せの絶頂っていう表情で、えっちぃ悲鳴を上げてる。
顔を真っ赤にして、悦びの涙を流して。
「すっ、すごいっ、おっき・・・あっ!おくっ!おくうぅっ!!」
イヤイヤをするみたいに、顔を左右に振って、でもそれが気持ちよすぎてしてるって、誰がみても判る顔をしてる。
なんて、えっちなんだろう。
なんて、気持ち良さそうなんだろう。
喘いで、悶えて、感じて、悦んで。
わたしも、諒一さんに犯してもらってた時、あんな風な顔をしてたのかな。
あの時の快感を思い出しながら、わたしはあそこを指で掻き混ぜた。
「ん、ふっ、あ、あんっ」
諒一さんに犯される前より、快感が鋭くなってる。
気持ち、いい。
けど、気持ちいいほどに、切なさが増して。
諒一さんのアレ、欲しい。
熱いアレで、わたしの中を擦って欲しい。いっぱいにして欲しい。
「いいっ、いいですぅ!こんなの、は、はじめてなのっ!」
お姉ちゃんが、悦びの声を上げてる。
諒一さんに縋り付きながら、腰をいやらしく振っている。
「冬香さんも、結構イイ感じですよ。熱くて、中がうねってて、まるで僕の精液を搾り取るためにあるみたいですよ」
諒一さんに褒められて、お姉ちゃんが嬉しそうに諒一さんの腰に脚を絡みつかせて、腰を蠢かした。
「う、うれしいっ!わ、わたしっ、ぜんぶ諒一さんのなのっ!おっぱいもっ、あそこもっ、あっ、ひぁっ!・・・諒一さんのぉ、モノ、なのっ!!」
お姉ちゃんと、諒一さんの腰の動きが合った。
ここまで、ぬちょ、ねちょって音が響いてくる。
お姉ちゃんは焦点の合っていない目から涙を流して、半開きの口の端から涎を垂らして、快感のあまりどこかイっちゃてる顔で、いやらしく喘ぎ続けてる。
「あぁっ、おねえちゃん、い・・・いやらしいよぉ・・・」
堪らなかった。
諒一さんの腰の動きに合わせて、指を動かした。
お姉ちゃんの腰の動きに合わせて、腰を動かした。
こうしてると、わたしもお姉ちゃんと一緒に、諒一さんとしてるみたいだった。
「あっ!だめっだめだめっ!い、イクっ!!イクぅううっ!!」
お姉ちゃんは全身を波打たせて、激しくイった。全身に汗を浮かべて、顔を快感に歪ませて、恐らくは一郎さんから与えられるのとは、比べ物にならないほどの女の悦びを感じて。
そして、そうしたのはわたし。
お姉ちゃんを、戻れなくしたのは、わたし。
鋭い快感が、わたしの中を駆け巡る。
「ああっ!」
おねえちゃんを、諒一さんに差し出した。
おねえちゃんに、本当の快感を教えてあげた。
おねえちゃんを、諒一さんのモノにしてあげた。
そう、思った瞬間に、自分の指でしてるとは信じられないほどの、凄い快感が身体を駆け巡った。一瞬で絶頂に達して、その余韻にひたる間も無く次の絶頂に押し上げられて。
そして、わたしは快感で心がバラバラになりそうなコワさを感じながら、意識を手放した。
- 6 -
わたしが目を覚ますと、諒一さんが運んでくれたのか、居間のソファーに横にされてた。身に着けてるのが下着だけなのは、さっきと同じ。一郎さんが幸せそうな笑顔で一人掛けのソファーに座ってるのも変わらない。たった一つ違う事は――。
「ああっ!おいひぃ、おいひぃれふっ、ぴちゃ、んむ、あん、ちゅぱっ、ちゅっ」
冬香お姉ちゃんは喘ぎを漏らしながら、諒一さんのにご奉仕してる。それはまるで、自分自身が愛撫されてるみたいな、うっとりと快感に蕩けた表情だった。
さっき初めてフェラしたなんて、信じられないぐらいに貪欲で、激しい舌遣い。
嫌悪感の欠片もない、純粋な悦びに輝く顔。
でも、わたしも諒一さんのモノにご奉仕したら、きっとおんなじような顔になる。
だって、アレでアソコを抉られる悦びを知ってるから。
濡れたアソコをアレで押し広げられて、中をぐちゃぐちゃに擦られる快感を知っちゃったら、ちょっとでもアレに触れただけで、その時の快感を思い出しちゃうから。ほら、お姉ちゃんも諒一さんのに舌を這わせながら、腰をカクカクと小さく振ってる。エプロンだって外してるから、柔らかそうな胸が腰の動きに合わせてたぷたぷと震える。横から見てると、思いっきりえっちな格好だ。
「んんんんんぅっ!」
諒一さんが、お姉ちゃんの口の中で、射精したのが見えた。お姉ちゃんは一際大きな喘ぎを喉の奥で漏らしながらも、諒一さんの精液を漏らすこと無く飲み込んだ。それだけじゃなくて、諒一さんのまだ残ってる分も、お姉ちゃんはちゅうちゅうと残っている分を吸い出してた。それは、本当に愛しい人の為の行為。
「あ・・・」
それを見て、わたしのアソコがじゅんってなった。
「あ、夏美ちゃん起きた?じゃあ一緒にしようか」
諒一さんの優しい言葉に、わたしは「はいっ」と勢い込んで返事した。諒一さんが苦笑するのを見て、また色気に欠けた返事をしたのに気が付いた。恥ずかしくて顔が熱くなったけど、もう取り消せないし。
「あの、諒一さんに脱がせて欲しいんです。・・・だめ、ですか?」
とっておきの下着。諒一さんに見てもらいたかった下着。これぐらいなら、諒一さんのモノでも、甘えてもいいよね?
「いいよ。こっちにおいで」
「はい♪」
優しく頷いてくれた諒一さんに、わたしは歩いて近付いた。本当は走り寄りたい気分だったんだけど、それこそ恥の上塗りになりそうだったから、逸る気持ちを抑えてゆっくりと。
「かわいい下着だね」
諒一さんにからかうみたいに言われて、一瞬で頭の中が幸せで一杯になった。イっちゃうんじゃないかって、本気で思った。それぐらい嬉しかったの。
「あ・・・ありがとう、ございます」
諒一さんはソファーに座って冬香お姉ちゃんに奉仕させたまま、身体を捻ってわたしの胸に手を伸ばした。わたしは、どきどきしながら諒一さんの手の行方を見守る。
右手がわたしの左脇を通って背中へ。肌を押さえつけるブラの線を辿るみたいに、ホックへ。そして――。
ぷち。
小さな音を立てて、ホックが外れた。肩紐が無いから、そのままブラが下に落ちる。ここまで約1秒ほど。
「諒一さん、慣れすぎですよ」
尊敬半分、ジェラシー半分って感じで、拗ねるみたいに言う。きっと、片手でブラのホックを簡単に外せちゃうぐらい、いろんなコとシタんだろうなって、思った。
モノの分際で、独占欲なんて許されないのだけど。うん、ほんの少しだけ。
「上手でしょう?」
すました顔で言うと、背中に回した手で、わたしをぐいって引き寄せる。倒れないようにソファーの肘掛に手を置いて、わたしは諒一さんの手に導かれるまま大接近。
「ひあっ!」
乳首をぱくって咥えられて、身体に快感の電気が走った。アソコから、やらしい蜜が溢れるのが感じられた。これで吸われたり、噛まれたりしたら、本当にそれだけでイっちゃいそう。
でも、諒一さんは焦らすみたいに何もしなかったの。
その代わり、右手を背中から腰へ滑らせて、パンツと肌の隙間に指を潜り込ませる。右手が辿った部分が燃えそうなぐらい熱くて、思わず腰が砕けそうになった。
「あぁん・・・」
パンツが、くるくると丸められながら、ずり下ろされていく。右手だけの作業だから、少し時間が掛かってるみたい。でも、お気に入りのパンツを伸ばさないようにしてくれてるのが判って、ちょっとした気配りが出来る諒一さんが、ますます好きになる。最初はこれ以上ないってぐらい好きって思ってた気持ちが、実はもっともっと深くなるって、今はじめて気が付いた。
「すごく、濡れてるよ」
諒一さんが唇を乳首から離して、笑みを含んだ口調で言う。恥ずかしいけど、もっと見て欲しいって思っちゃう。
「諒一さんが・・・欲しくて、こうなっちゃうんですよ。わたしのここ、諒一さん専用なんですから」
諒一さんが、少しだけ驚いたような表情で、わたしを見上げた。なんか、ヘンなコト言ったかな?
「じゃあ、たっぷりとしてあげなくちゃね」
まるで、面白いモノを見た、みたいな笑顔で、諒一さんはそう口にした。それだけで、快感への期待に身体が震えた。
「冬香さん、もうフェラはいいですから、流しに腰を預けて、こっちを見ながら立って下さい。夏美ちゃんはどっち向きでもいいから、僕の上に来て」
「は・・・はい・・・」
冬香お姉ちゃんは、諒一さんに名指しで命令されただけで、嬉しそうでえっちぃ笑顔を浮かべて立ち上がった。裸のお姉ちゃんの肌は、汗ととろとろと溢れ続ける蜜で、いやらしくぬめぬめと光を反射してる。
お姉ちゃんは、両手で流しの縁を掴むと、腰を前に突き出すようにして流しにもたれた。諒一さんに見て欲しいからか、脚は大きく開いてる。
「あ、あの・・・失礼します・・・ああっ!!」
わたしは後ろ向きでお尻を下ろして、途中から手を諒一さんのアレに添えて、ゆっくりと自分の中に受け入れた。火傷しそうなほど熱いソレがわたしの中に入ってくると、気が狂いそうなほどの快感が頭の中を真っ白に焼き尽くした。
ごりごりと、先端がわたしの襞を押し広げると、わたしの中が勝手にきゅんって締まっちゃう。けどそれは自分自身に快感として跳ね返ってきて。
途中の棒の部分だって、熱くて硬くて、わたしの中が、ひっぱられて溶かされちゃうような感じ。
一番奥まで受け入れると、ほっとするような、どきどきするような、なんとも言えない感情で頭がぐちゃぐちゃになったの。
もう、わけがわからないけど、一つだけ理解できるのは――
「あぁ・・・すご・・・わたしのなか、このかたちになっちゃうぅ・・・もぉ、りょういちさんの、せんようにぃ、なっちゃぅ・・・♪」
さっき、お姉ちゃんが言ってた『諒一さん専用』の意味が、言葉じゃなくて子宮で判った。
「あんっ♪」
力が入らなくて、ぐらぐらになったわたしの上半身を、諒一さんは後ろから胸をぎゅっと掴んで固定した。でも、ちょっと痛いけど、それも凄い気持ちイイ。
「これから冬香さんは、夏美ちゃんが喘ぐ度におま○この中が掻き乱されるような快感を感じる。夏美ちゃんが大きな声で喘ぐほど、快感は大きくなる。何度イってもいいけど、夏美ちゃんがイク時は冬香さんも一緒に、いままで以上の快感を感じてイクんだ。僕の言ったことだから、冬香さんにとって、それは本当の事になるよ」
諒一さんが絶対の自信を持って言うのを、わたしは下から諒一さんに貫かれたまま、快感で身動きできないままに聞いてた。諒一さんの言葉が、目の前のお姉ちゃんの心の中に染み込んで、お姉ちゃんをそういう『モノ』に書き換えるのが、どうしてか判った。
それが酷い事だなんて思わない。
だって、諒一さんに犯してもらってるわたしと同じくらい、お姉ちゃんが快感を感じられる処置なんだから。
だからほら、お姉ちゃんの顔が悦びに蕩けてる。
お姉ちゃんが、わたしが喘いで悶えてぐちゃぐちゃになるのを待ってる。
諒一さんになら、どんなふうにされたって、待っているのはきっと幸せな世界。
「じゃあ、始めようか」
諒一さんが、下からわたしのアソコを、諒一さんのアレで突き上げた。
- 7 -
「あ゛あ゛あ゛-っ!い、いい゛っ!!」
たったの一突きで、すごい高みに押し上げられる。
中を擦りたてる諒一さんのアレの感触は、むき出しの快感神経を掻き毟るようなものだった。
何がどう気持ちいいかなんて、言葉に出来ない。
自分が何を考えているか、何を口走っているか、理解できない。制御できない。我慢できない。
「夏美ちゃん、イク時は必ず『イク』っていうんだよ。ほらっ!」
わたしの中が、諒一さんの言葉で書き換えられる。
わたしは諒一さんのモノとして、とても幸せな気持ちでそれを受け入れる。
もっと、もっと諒一さんの色で、染め上げて欲しい。
そうしてまた、ずり落ちるわたしの身体を迎え撃つような、諒一さんのアレ。
一番奥を、ごりって抉られた気が、した。
「いいますっ!い、いいますっ!い、あ゛ーッ!」
「なつみちゃ、ッ!そん、な、はげしッ!わ、わらひッ!ひっ!!」
お姉ちゃんが下半身をカクカクと震わせて、立ったままで絶頂に達した。
ぷしっと音を立てて、アソコから潮を噴いて、半分ぐりんって白目を剥いて。
だらしなく開いた口から、見えないナニカを舐るように舌を伸ばして。
そして――
「もう、いっかいっ!」
諒一さんが、突き上げる。
わたしの中、壊れちゃうんじゃないかって勢いで。
そんなの、耐えられるはずが無い。
「す、すごひっ!わらし、い、いぐ!いっひゃ・・・あ゛ーッ!!」
「なひゅみひゃ、だめっ、ダメダメぇっ!わたひっ、イったばかりなのっ!らめぇっ!いぐッ!あ゛ー!」
全身がばらばらになりそうな絶頂の中、諒一さんのせーえきがわたしの奥に注ぎ込まれて、もっともっと凄い絶頂が来て、何度も何度も絶頂の波が引かなくなって、もう、死ぬって、思った。
死んじゃうて、思った。
だから。
「わらひぃ・・・し・・・しあわへぇ・・・しあわへ、なのぉ・・・」
お姉ちゃんのコワレちゃったような、喘ぎ混じりの声と。
「ああ、僕も幸せだよ・・・冬香・・・」
感極まったような一郎さんの声が。
本当に聞こえたのか、幻聴なのかも、判らなかった。
でも、わたしはしあわせだよ。とっても。
あいしてる、諒一さん。
- Epilogue -
あれから、冬香お姉ちゃんと一郎さんは、世界で一番幸せな夫婦になった。
例え触れあう事が無くても。
キスや、セックスをする事が無くても。
諒一さんのモノになれたお姉ちゃんは最高に幸せなお嫁さんで。
最高に幸せなお嫁さんを見ただけで、一郎さんは最高に幸せな旦那さんで。
わたしは、そんな二人がとっても誇らしいの。
もちろん、発案者のわたし自身も、鼻が高いんだけどね。
それから、ちょっとだけ蛇足なお話。
あの日から、ウチの学校で流行になった行動っていうのがあるの。
それは――
若くて美人な家族がいたら、写真を持ち歩くっていう事。
わたしがあの日、諒一さんに冬香お姉ちゃんの写真を見せたみたいに、みんな、自分の家族を諒一さんに差し出そうって、思ってるってコト。
みんな、マネしんぼだよねぇ。発案者は、わたしなのに、ね。
でも、いいんだ。諒一さんが喜んでくれるのなら。
こうして諒一さんの世界が広がっていくのは、とってもステキな事だと思うから。
わたしがそうなったみたいに、この世界も、諒一さんの色に染め上げてあげたいな。
生まれ変わったわたしは、ステキに晴れた空を見上げながら、そんな事を考えたの。
< 終わり >