第2話
「・・っ・・・っ・・っ・・」
水乃の嗚咽が辺りに響く。
ここは夜のセンサー公園。
俺は水乃を緑松と水乃が初めて出会った場所で貫いていた。
「ふん」
俺が水乃の身体からモノを抜く。
と、水乃の秘所からゴポッとピンク色の液体が零れてきた。
「気持ちよかったぜ、水乃」
俺が服を整えながらそう言うと、水乃は憎しみのこもった目で睨んできた。
俺を憎むことで今までのことを全て忘れようとしているのだろうか?
そんなことを思わせる目だった。
「さて、これからどうすんかな?」
極めて衝動的に水乃を抱いたので、これからのことを考えていなかった。
水乃をこのまま帰すのもまずいよな・・・。
帰すにしても、記憶操作をやっておかないと・・・。
う~ん・・・・どうするか。
ふと、水乃の服装が気になった。
タンクトップに短パン。
ブラははずされ、パンティに至っては俺に破かれて使い物にならない。
水乃は俺に犯されたままの格好で、草の上に座っていた。
とりあえずこの服から何とかするか・・・。
「おい」
「・・・」
水乃は俺の声に無言で睨み付ける。
「お前の家に案内しろ」
「・・・」
俺の命令に反抗するようにじっと睨んでいる水乃。
だが、お前の意志なんて関係ないんだよ。
俺は水乃の無意識に命令を叩き込む。
途端に水乃は立ち上がり、服装を正して歩き出した。
俺は水乃の横について一緒に歩いた。
住宅地をしばらく歩いたところに雪の森家はあった。
水乃がドアを開けて入っていく。
「ただいまー」
二階建ての家。
決して、金持ちではないサラリーマン層の家。
それが雪の森家の印象だった。
「お帰り、水乃」
台所と思われる所からエプロンを着けた中年女性が出てきた。
おそらく、水乃の母親だろう。
「あら?」
水乃の母は水乃の後ろに立っている俺に気付いた。
俺はすかさず水乃の母に向かって、無意識下の命令を送った。
『お前は俺に気付かない』
水乃の母は目を瞬いて、さらに目をこすった。
「何、母さん?」
「水乃の後ろに誰か居たような気がして・・」
母の言葉に後ろを向く水乃。
勿論俺には気付かないように仕向けている。
「誰も居ないわよ、母さん」
「そうねぇ、居たような気がしたんだけど・・・」
「まだぼけるには早いんじゃないの?」
水乃はそう言って、靴を脱ぐ。
そうして、アッという間に二階に上がっていった。
「もうすぐご飯だから、こっちに来なさいよ」
怒る間をなくした水乃の母はそういった後、フウとため息をついて台所にもどっていった。
俺は水乃を追う前にもう一つやることがあるので、台所に行く。
台所では料理に励む水乃の母と椅子に座って新聞を見てる水乃の父らしき中年男性が居た。
その男性にもさっき水乃の母に送った命令を送った。
そして俺は堂々と雪の森家の台所に入っていった。
「さて・・・」
俺はちからの具合を確かめる。
これから一つの地雷を作るのだから、失敗は許されない。
力が良好であることを確かめると、俺は水乃の父に向かって力を解放した。
俺がこれから水乃の両親にすることは水乃の亡殺――つまり、水乃のことを忘れさせると言うことだ。
もちろん、ただ忘れているだけでは記憶に齟齬が出る。
それに他の人が覚えているということも出る。
そこで俺はちょっとした細工をする。
記憶を遡り、水乃が生まれたという記憶から水乃のことを忘れさせて、さらに忘れたことも忘れさせる。
そしてもう一つ。
いくら、二人が忘れても他の人が水乃を覚えているという状況。
これを何とかする。
この人達に水乃というキーワードで発動するプログラムを植えつける。
これは手っ取り早く言うと、コンピューターウィルスのような物でこの人達に何らかの手段で接触した人が水乃のことを聞いたときに発動して、その人の記憶からも水乃のことを忘れさせて水乃の両親と同じプログラムを植えつける。
そうやって、無限連鎖的に水乃のことを忘れさせる。
つまりはこの二人をその能力だけを持った超能力者にすると言うことだ。
色々と面倒だが、やっておかないとさらに面倒な事態になる可能性もあるので今のうちにやっておくことにする。
「ふぅ・・・」
その作業を終えた俺は額に浮かんできた汗を拭って台所を出て二階に上がった。
三部屋ある二階の部屋の一つのドアに「水乃の部屋」と書かれているドアプレートがぶら下がっていた。
中にはいると水乃がベッドに座って呆けていた。
「水乃、さっさと着替えろ」
水乃は俺の命令通りに汗のしみこんだ服を脱いで着替え始めた。
タンクトップを脱ぎ、ジーンズの短パンを脱ぐ。
水乃の下着は動きやすさを重視したスポーツタイプだ。
ブラとパンティも脱いで、生まれたままの姿になった。
水乃の胸や尻はでかすぎず、小さすぎずいい感じの大きさだ。
それに加えて身体全体のバランスもよく、素晴らしい肉体だった。
天は二物を与えずというが、その言葉が疑わしくなる。
このまま第二ラウンドに突入したい気持ちもあるが、俺にも目的があるのでそれは止めておく。
したがって、俺は水乃の着替えショーをただ眺めているだけだ。
ふと、思い付いた。
早速それを実行する。
これまで焦点のあっていなかった目が焦点を合わせ始める。
そう、水乃の意識を戻したのだ。
勿論声は出させない。
さらに身体の自由も渡さない。
『えっ!? なに?? ・・・あたしの部屋? いつの間に・・・』
テレパシーで俺は水乃の思考を覗き見る。
「よお、お目覚めかい?」
『緑くん? なんで・・・あっ!!!』
さっきのことを思い出したのか、裸を俺に見られてるのが恥ずかしいのか顔を真っ赤にした。
『み、緑君・・・・何? 何が起きてるの・・・??』
水乃が色々思ってる間にも水乃の身体は黙々と着替えをしている。
「くく、教えてほしいかい?」
『なんなの!? 何で身体が動かないのよ!!』
水乃は下着をつける。
「これから水乃はね、俺の奴隷になるのさ」
『なにいってるの!? 緑君!!』
膝まであるスカートをはく。
「わからないか? だから、水乃は俺のおもちゃになるんだよ」
『ふざけないでよ! そんなのになるわけ無いじゃない!!』
そして、最後に大きめの半袖シャツを着て着替えは終了した。
「俺は本気だよ。センサー公園でのこと、忘れたのか?」
俺がそう言って睨むと、水乃はたじろぐように目を泳がせる。
さて、水乃の着替えも終わったようだしもうこの家には用がない。
「じゃあ行こうか、水乃」
そうして俺達は水乃の家を出た。
俺と水乃は夜の街を歩く。
水乃は俺の数歩後ろを歩く。
位置関係はどこかの社長とその秘書だが、そこにいる人間は緑色の髪と眼をした少年と同年代の少女なのでもの凄く奇妙な構図だ。
『痛っ・・・・痛っ・・・』
一歩また一歩と歩く度に水乃の思考に痛いという感情が走る。
俺が無理矢理犯したときの傷が痛いのだろう。
「水乃、よく憶えておけ。その痛みがお前が俺の物になった証だ」
俺は後ろに歩いている水乃に言う。
水乃は無言で俺の後をついてくる。
まあ、俺がそういう風にしたのだが・・・。
俺達はそのまましばらく歩いた。
そして俺達が辿り着いた場所は一軒の豪邸だった。
そこは三四郎の家だ。
三四郎の両親は海外で暮らしていて、いまはそこには三四郎の一人暮らしの場だ。
これだけいい環境を使わない手はない。
俺はここを拠点にすることにしていた。
パスワード形式になってるロックを開けて、中にはいる。
「今日からここがお前の家だ」
『なにいってるのよ緑くん』
「そうだな、いい加減に戻してやるか」
水乃に身体の自由を戻す。
途端に水乃は手を振り上げた。
振り下ろしてきた水乃の手をかいくぐり、水乃を押さえつける。
そしてそのまま唇をあわせた。
ついでに水乃を強制的にイカせる。
水乃の無意識にイクイメージをたたきつける。
「んんっ!!」
水乃の身体から力が抜ける。
押さえている力を抜くと、水乃はずるずると崩れ落ちた。
次の日。
俺は学校に向かって歩いている。
水乃は三四郎の家に置いてきた。
そして、仕事から帰ってきた三四郎には俺達のために仕事のみをする人形になってもらった。
俺の力を持ってすればたやすいことである。
しばらくはまわり、特に朱美には知られないようにする必要がある。
俺と同じ緑色人である朱美だけでもやっかいなのに他の緑色人にまで連絡されるとどうしようもなくなる。
だから、そうならないように水面下で動き、知られる前に朱美を何とかする必要がある。
そして、俺の目的のために必要な物も集めなければならない。
今日はその為に学校に来ているのだ。
「ひーほーっ、緑松!!」
俺の水面下の目論見など知らない(まあ、知られないようにやっているのだが)朱美が無邪気に声をかけてくる。
「よお、朱美」
緑松のふりをして答える。
少なくともこいつにだけは知られてはいけない。
「ねぇねぇ、緑松。宿題やってきた?」
「やっべ、忘れた!」
「あははっあたしも忘れた」
アッケラカンと言ってくれる朱美。
「そういやぁさ、昨日サイコプラスいじってたよね」
教室に向かいながら俺と朱美は喋っていた。
「ああ。俺、サイコプラスをクリアしてなかったんでね」
「あんたも物好きねぇ」
「ほっとけ」
「ガヒ?緑松に高屋敷が並んで歩いてるガヒ!」
その独特の笑い声に振り向くとセンパヒが走ってきた。
「や、センパヒ」
「おはよう、フケ男」
「がはは、おはようだガヒ」
「センパヒは宿題やってきた?」
「何当たり前のことを言っているのだ? 宿題はやってくるものだガヒ」
センパヒは至極もっともなことを言ってのけた。
さすがに俺達の中で一番真面目な男である。
「緑松達もしっかり勉強しないと、就職できないガハ」
まあ、俺はそんなことはしないけどな。
俺達はそんなことを話しながら教室に入っていった。
「兄様!!」
少女の叫び声が教室に響きわたる。
教室ではある兄妹が言い争いをしていた。
正確には声を荒げて言っているのは妹の方で兄貴の方は眠たげに欠伸をしながらゲームをしていた。
叫んでいる少女の服装は巫女服のようなちょっと分からない和装で、妹を無視してゲームをしている兄貴は骨のアクセサリーをしている。
改めて言うまでもなく、学園一の変わり者兄妹、東野兄妹だった。
日頃は仲の良いこの兄妹が喧嘩している。
何かあったのだろうか。
「ガヒヒ。東野、魂希ちゃん。いったいどうしたガハ」
センパヒが仲裁に入る。
魂希はセンパヒをみると、一瞬たじろいだような顔を見せた。
「なんでもありません」
魂希はそう言うと、走り去っていった。
「何だったんだ東野?」
とりあえず、東野に事情を聞いてみる。
面倒そうな顔をしていたがそれでも話してくれた。
「つまりはなんだ、魂希が俺が新しく手に入れた骨が呪われてるって言い出したんだ」
「ああ、そうか」
よく分かった。
魂希は日本で有数の霊能力者で幽霊を見ると成仏させたがる性格だ。
東野の手に入れた骨が呪われているのならその骨をぶち壊してでも呪いを解きたがったんだろう。
魂希の除霊はもの凄く実力行使で、骨など軽く壊されるだろうな。
それで仲のいい兄妹が珍しく喧嘩してたのだ。
「そんなことより緑松、対戦しよーぜ」
「あ、俺ちょっと用事があった。対戦はまた今度な」
東野の対戦の申し入れを断り、俺は教室を出た。
魂希を追って走る。
もともと、魂希も目を付けていたので好都合だ。
「ちっ」
見失ったか。
少し、時間がかかっちまったからな。
テレパシーを使うにしても、魂希の精神を掴む必要がある。
目の前にいるならともかく、目の前にいないとしたら魂希の精神を探さなければならない。
昼間の学校には生徒や教員が沢山いるので、その中から魂希の精神を見つけるのも一苦労だ。
ここは魂希に自ら出てきてもらおう。
俺は学校の人目に付かない茂みに入った。
幽体離脱をしてる間は俺の身体は全くの無防備になるからな。
俺は幽体離脱をする。
ちなみにサイコプラスのレベル3だ。
”緑松”は今でもPK以外はサイコプラスがないと使えないが俺――”裏緑”は全ての能力をいつでも使える。
俯瞰の視点で俺は辺りを探していた。
魂希の能力は本物で幽霊を関知できれば除霊もできる。
ただ、問題としては魂希は幽霊と生き霊の分類が出来ないと言うことか。
どちらにしても、こうしてふよふよと探していればそのうち向こうから顔を出してくる。
それを待っていればいいのだ。
こんなに簡単に獲物のかかる狩りもないな・・・。
差詰め俺は囮だな。
「待ちなさい!そこな幽霊!!」
獲物はものすごく早くかかってきた。
これも予想通りだが。
振り向くと魂希がいつもの除霊装備をして立っていた。
「さあ、何か言いたいことはありませんか? 私で良けれ聞いてばさしあげます」
「俺の望みはお前を俺の物にすることだ」
「は? 私をあなたの物にとは?」
「決まってるじゃねぇか。お前を犯してやるって言ってんだよ」
魂希の顔が一気に真っ赤になる。
怒りと恥ずかしさでブルブルと震えている。
「あなたは悪霊です! このまま放っておけば世のためになりません! ですから、私が成仏させてさしあげます!!」
声を荒げて魂希は言った。
くく、なかなか良い声を出しそうだ。
「アーブラカダーブラ、チチルプリプリ・・・」
魂希は何処かで聞いたような祝詞を紡ぎだす。
それにしても、祝詞というよりか呪文に聞こえるのは気のせいだろうか?
「イロイロエルサレム、イルイルアザーク、ベベヂブベヂデュー!! 悪霊退散!!!」
魂希は祝詞を唱え終えると片足を高く上げ振りかぶる。
よく見るとその手には何処から取りだしたのか数珠が握りしめられていた。
急いで魂希の無意識に暗示を送る。
『身体の奥底から段々と性衝動がわき上がってくる。だが、お前一人ではイク事はない』
瞬間、魂希はよろける。
「くっ、何?」
魂希は頭を振って立ち直る。
「くく、どうしたよ? 俺を除霊するんじゃないのか?」
「言われなくともそうします!!」
魂希は再び振りかぶった。
そして、弧を描くように足を高く上げる。
「必殺!! 愛の成仏サンダーバキュームボール!!」
そう言って魂希は手に持った数珠をもの凄い勢いで俺に向かって投げた。
プロ野球でも通じるのではないかと思われる速度で数珠が飛んでくる。
それをなんとかよける俺。
さすがに投げたのを見てからではよけきれなかった。
テレパシーで何をどこへ投げるかを知っていたからよけられたものだ。
「そ、そんな・・・サンダーバキュームボールがよけられるなんて・・・」
それでも、よけられたのがよほどショックだったのか魂希は呆然と立ちつくしていた。
「おい、それで終わりかい?霊能者」
「っ!! 霊能技術者国家試験第一種合格者の名にかけて絶対成仏させて見せます!!」
俺の安い挑発に軽く乗ってくる魂希。
その手にはよく神主の持っている先に紙のついている棒を持っている。
それを構えて、魂希は俺に向かってジャンプした。
「必殺!! 愛の成仏一本足打法!!」
王選手を彷彿とさせる左打ちの一本足打法で魂希は攻撃を繰り出した。
それも紙一重でよける。
さっきのよりはかわしやすい。
「くっ」
かわされたと見ると、すぐさま次の攻撃を繰り出してくる。
「聖水っ」
ヒョイ
「十字架っ」
ヒョイ
「シモンの鞭っ」
ヒョイ
魂希は動きに精彩を欠き始める。
顔には赤みがさし、呼吸も荒くなり始めている。
「どうした、動きが鈍くなってきてるぞ」
「うるさいっ!!」
俺の挑発に魂希は顔を真っ赤にして一気に踏み込んでくる。
しかし、身体の方は気持ちについて行かずに足がもつれた。
ビタァン
その勢いのまま魂希はこけた。
「ああっ」
魂希はこけた瞬間、あえいだ。
「くく、良い声を上げるじゃないか」
「はぁ・・・はぁ・・・」
立ち上がった魂希の呼吸は荒く、艶っぽい物が混じりだしている。
身体からは尋常でない量の汗が出てきている。
ぽたりと魂希の足下に液が垂れた。
「ほーりーっ!!」
魂希はそれでも攻撃を繰り出してくる。
その攻撃にはさっきのような勢いが無く、あっさりとかわす。
「どうしたんだ、霊能者?」
「いったい・・・何を・・・何をしたのです?」
魂希は憎しみの目で俺を睨んで聞いてくる。
だが、その足はがくがくと震えている。
いままで自分に攻撃してくる霊と会っていなかったのだろうか?
それとも、自分の内から沸き上がってくる衝動に耐えきれていないのだろうか?
「ずいぶん辛そうじゃないか・・・その辛さから解放してやろうか?」
すっと、俺は魂希に近づいていった。
「波動砲!!」
俺が近づいてくるのを待ちかまえていたのか魂希は波動砲なんぞをぶっ放してくる。
それにしてもいつの間に波動エネルギーを120%充填したんだろうか?
光の奔流が俺を包み込む。
間一髪テレポートでよけなければ危なかっただろう。
むかついた。
「そ、そんな・・・・」
魂希は俺の無事を確認して愕然としていた。
「あぶねーな。少しは優しくしてやろうと思ったが気が変わった。俺の気の済むまでいたぶってやる」
そして俺は暗示を送り込む。
『魂希は俺が許可しなければイク事が出来ない』
「ひっ」
ぺたん・・・ずる、ずる・・・
俺が近づくと、魂希は腰が抜けたのか尻餅をついて後ずさっていく。
これまで魂希は自分が攻撃されると言う経験がなかったのだろう、後ずさる魂希の顔には恐怖の色がありありと浮かび上がっていた。
俺はそんな魂希に向かって徐々に近づいていく。
「いやぁっ、こないでっ!!」
魂希はさっきまで持ってた棒を俺に向かって投げつける。
だが、手だけで投げたのでさっきのような速度も勢いもなかった。
俺は難なくそれを掴み放り捨てる。
「あ・・・あ・・・・!」
そんな攻撃など何の威力もないのにそれに気付かないほど魂希は混乱している。
先ほどまでの気丈さももはや見る影もない。
自らの口から垂れている涎、股から垂れだしている液体に気付いているだろうか?
眼も濁り、後ずさる度に身体がビクンビクンと痙攣している。
「おい、オナニーをしたことはあるか?」
「ひっ、はぁっ、はいっ!!」
「イッたことは?」
「あ、ありますっ!」
恐怖からか従順に答える魂希。
「そうか、ならもっといい気持ちにしてやる」
そっと魂希の頬に触れる。
俺は幽体だが、霊能力がある魂希になら触れることが出来る。
「ひぁっ」
触れた瞬間、魂希の身体が跳ね上がる。
魂希は呆然としていた。
そして、さっきから己の身を焦がしている劣情に気付いたようだ。
「あ・・・なに、何・・・・これ・・・」
改めて自らの劣情に気付いたためか、魂希の呼吸が荒くなる。
俺は段々と強く、そして荒々しく触れていく。
「ああっ・・・んぅ! ・・・うあぁっ!!」
俺の愛撫に合わせて魂希は声を上げる。
今まで感じたことの無いような快感に振り回されているようだ。
「なにっ・・・これっ! こんなっ・・・・」
「気持ちいいか?」
魂希の胸を揉みながら聞く。
「はいぃっ、きもっ気持ちっいいですっ!」
俺の問いに魂希は壊れたブリキのおもちゃのように頭をがくがくとふる。
「うあ、うああぁっ」
魂希はびくびくと震え、際限なくたかぶっていく。
じょろろろ~~~。
そんな間の抜けた音に下を見ると、魂希は失禁していた。
「あっ」
それに気付いたのか、魂希は顔を赤くして俯いた。
「くく、お漏らしをしちゃったのか? 可愛いなぁ魂希は。でも、まだまだこれからだぞ」
「え? あれ? なんで・・・」
自分の身体がまだたかぶっているのに気がついたのだろう。
俺はどんどん魂希に触れていく。
「ああっ、うぁっ!!」
魂希は目を強くつぶり、苦悶の表情を浮かべている。
度をすぎた快楽は苦痛と一緒だ。
だが、この程度では俺の嗜虐心が満足しない。
魂希への愛撫を中断する。
「ふぇ?」
突然、快感がとぎれた魂希は疑問の目を俺に向けてくる。
だが、さっきまで身を焦がしていた感覚が体の中で燻っているのですぐに呼吸が乱れ始める。
「あれ、え・・・どうして・・・こんな・・・」
そんな自分の身体に戸惑っているようだ。
「どうだ? したくてしたくてたまらないだろう?」
「な、なにを・・・」
「したければ、オナニーをしてもいいんだぜ。俺は何もしない」
手をひらひらと挙げて何もしないことをアピールする。
しかし、俺は暗示を魂希に送り込む。
『頭と口以外の魂希の身体は欲望のままに動く』
魂希はするすると着ている服を脱ぎだしていった。
「え、なんで・・・身体が勝手に・・はぅっ!!」
顔に困惑の色を浮かべながら魂希は自らの秘所に手を持っていく。
すでにしとどに濡れているその場所に自らの指を埋めていく。
そして、埋めた指を激しく動かし始める。
「ははっ、人前でオナニーできるほどの淫乱女なのか!」
「あ・・なんで、私・・・こんな外で・・・それも人前で・・・」
俺が言うと、その事に顔を赤らめながらも秘所に埋めた指は止まらない。
さらに胸にも手を持っていき、激しく慰め始めた。
「うぁ、ああ・・はぅ・・」
口からだらだらと涎を流し、体中に汗を滴らせて魂希は悶えている。
暗示の影響で魂希の性感は際限なく高まっていく。
「ああっ、うあぁ・・あんっ・・・なんでぇ・・」
その眼には何も写らず、思考もまとまらない。
「なんで、イケないのぉ・・・」
その身体は自分の思うように動かず、そして自分のみを焦がす感覚は衰えるどころか逆に高まっていき、なおかつその果てまでいけない状況で魂希はただ絶頂だけを追い求めていた。
「何でイケないのか教えてやろうか?」
そんな魂希に話しかける。
「おしっ、教えてくださいぃ・・・」
激しく自分を慰めていたので反応がないかと思っていたが、予想に反して魂希はすぐに反応してきた。
勿論その間も自慰の手は休めない。
よっぽど絶頂に達したいんだろう。
そんな魂希の姿を見て、俺は内心ほくそ笑みながら宣告した。
「お前はな、俺に許可を得て誰かにしてもらわないと決してイケないんだ。どれだけ気持ちよくなろうとも、決してイク事はないんだよ」
「そ・・んぁっ・・・そんな・・あっ」
魂希は俺の言葉を聞くと、媚びるような視線で俺を見た。
「あのっ・・んぅ・・わ、わたっ・・私を・・イカせて、イカせてくださいっ!」
「さっきまで、俺のことを成仏させるとかいってなかったか?」
わざと渋ってみる。
「ああっ、ごめんなさいっ・・もう、そんな生意気なことは言いません。はうっ・・・ですから・・イカせてくださいっ!!」
「さっきまでは自分の思い通りにやっていて、自分の都合が悪くなるとそれか。いやだね」
「そんっ・・・なっ・・・あぁっ!! ・・・ずっとこのままだったら・・・私っ・・・んぁっ・・狂っちゃいますぅ・・・なんでもっ、何でも言うことききますからぁ・・・はぅぅっ!」
魂希は俺の前に跪いて言う。
かなり切羽詰まっているのだろう。
おそらく、魂希の頭はいま身体から次々に与えられる快楽と次から次へとわいてくる疼きによってじりじりと焦がされているのだ。
しかも、ずっと弄くっているのにある一線以上の快感がどうしても得られないという状況だ。
これはかなり拷問に近い状況だと思う。
多分、魂希をこのまま放っておいたら二日と経たずに発狂するだろう。
「本当になんでもするのか?」
「はいっ・・・ひぁぅっ・・なん、なんでもしますっ・・・ですから・・・あっ!! ・・イカせてぇ・・・」
俺にすがりつくようにして言う魂希。
まあ、ここら辺だな。
「いいだろう。イカせてやるよ」
俺は魂希を草むらに引きずり込むとのしかかり右手でその胸をもみしだく。
さらに左手を魂希の秘所につっこんだ。
「んぁぁぁぁ!!」
自分で慰めていたときとは比べ物にならない快感に叫ぶ魂希。
魂希のそこは今までの快感でもはやぐちょぐちょに濡れていた。
「もっと・・もっと! もっとくださいぃぃぃ!!」
魂希のアソコはぎゅっと締めつけて、俺をさらに求める。
「ほしいか? 欲しかったら俺にお願いしてみろ!!」
「私にもっと! イカせて、イカせてください! お願いしますぅっ!!」
じゅぽっじゅぽっじゅぽっ。
指を三本、魂希の中へ出し入れする。
「んんっ!! ぁあっ!! あんっ!!」
右手は魂希の胸を揉み、もう片方の胸を口で弄ぶ。
しばらく乳首を舌で弄んでから、魂希の口を攻めてみる。
魂希の唇を舌で舐める。
「んんんっ!」
突然の刺激に眼を白黒させながら魂希は俺の唇を求めてくる。
そして、自分から舌を絡めてくる。
ぴちゃ、ぴちゃ・・・。
俺達は舌を絡め合って、濃厚なキスをした。
唇を話すと魂希はまだ苦しそうな顔をしている。
俺はまだ、魂希にイク事を許可してないからだ。
「い、イカせて・・・イカせてぇ・・」
魂希は息も絶え絶えにいってくる。
そろそろ、さすがに限界だろうか?
俺はくるっと回って魂希のアソコと俺のモノがそれぞれの顔の目の前に来るようにした。
そして、魂希のアソコを舌でいじり、俺のモノを魂希にしゃぶらせた。
魂希はつっこまれる俺のモノを愛おしげに舐める。
俺は魂希のアソコを手と舌を使い荒々しく弄ぶ。
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃ・・・・。
余裕の表情で魂希のアソコを弄ぶ俺と必死に俺のモノにしゃぶりついている魂希。
両者の違いはそれぞれの反応に如実に顕れた。
「んはぁ・・・はぁっ!! ・・・はぅっ!!!」
「どうした、魂希? そんなんじゃいつまでたってもお前はいけないぞ」
俺が言うと、魂希は俺に負けじとしゃぶりだす。
それでもしばらくつづけていると、魂希が苦悶の表情になってくる。
そろそろか・・・。
いい加減に絶頂に導いてやらないと発狂してしまう。
そうなったら、俺の計画にも支障が出てしまうのでとりあえず絶頂に導いてやることにする。
「魂希。お前にイク事を許可する」
俺はそう言うと魂希の割れ目に指をつっこみ、ぷっくりと立っていた豆のようなモノに舌で刺激を与えた。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!!!!」
魂希はこれまで溜まっていた分激しい絶頂を迎える。
その瞬間に俺は魂希に暗示を刷り込む。
『魂希は心から俺に服従する奴隷になった』
『魂希は俺の命令を聞いてるととても気持ちよくなる』
『魂希は俺以外の男としても気持ちいいどころか不快感しか感じない』
『魂希は俺に逆らうと自分が自分でなくなるような恐怖を感じる』
『俺でなければ今の快感を与えることが出来ない』
魂希は俺の暗示を刻みこみ、一気にその意識を深い闇へと堕としていった。
ふぅ・・・。
さすがに魂希が騒ぎすぎたので場所を変えなければならない。
俺はPKで魂希と魂希の服や道具の一式を浮かすと、そのまま俺の本体のあるところまで魂希を運んだ。
魂希を俺の本体のそばまで運ぶと、俺は本体に戻ることにした。
もう幽体でやることもないし、幽体のままでいるのもそれなりに疲れる。
俺は本体に戻ったが、まだ気を抜くことは出来ない。
辺りに気を配り、誰かに気付かれていないかを調べる。
どうやら誰かが監視していると言うことはないようだ。
それでも、気は抜けないので隣で気持ちよく寝ている魂希を起こすため頬をはる。
まだ見つかっていないにしろ、魂希も俺も授業をサボってるので見つかったら面倒なことになる。
あまり、外を歩きたくはない。
だが、俺には自分以外の誰かをテレポートさせる能力はないので魂希が起きるのを待つしかない。
俺の能力はテレパシーを使って相手の意識にイメージを刷り込むことによって精神をコントロールしている。
要は催眠術と似たような原理なので気絶している相手には通じないのだ。
だから、魂希を起こさないことには俺としても行動できない。
そう言う訳で魂希を起こすために頬をはっている。
「ん・・・うん・・・」
俺の行動が実を実らせたのか魂希は身じろぎをして目を覚ました。
しばらく、目を瞬かせていたが俺と眼があった。
少しの間の後、事態を認識したのか魂希はぱっと後ろに下がって正座をしつつ、三つ指をついた。
「御主人様、すみません。私だけ寝てしまいまして。ふつつか者ですが、これからよろしくお願いします」
さすがに俺もこの反応には唖然とした。
一昔前の嫁入りじゃねぇか・・・・。
「まあ、いい。これからあるところへとお前を連れていく。とりあえず、服を着ろ」
「はい!」
俺の命令に嬉しそうに答えて魂希は辺りに散らばっている服を着た。
それから、俺達は誰にも見つからないように三四郎の家へ向かった。
これから魂希を使って水乃で遊ぶ。
その段取りを考えながら、水乃を監禁している部屋へと入っていった。
< つづく >