05:わ(ん)
「楽しかったーっ!」
やくもんと蘭子ちゃんで遊んだ帰り道、とても爽快な気分にノッてあたしは言う。生やくもんは可愛いし、蘭子ちゃんも可愛いし、恋に落ちたやくもんの可愛さが尊すぎてやばい。もちろん蘭子ちゃんも可愛いけど、流石にやくもんと比べるのは無茶ってものだった。
絶対センターはマジで格が違った。
「今度やくもんの他にもメンバー並べたいな」
そのためにも蘭子ちゃんだけでなくやくもんのスマホにもあたし達の連絡先埋め込んでおいた訳だし。
「おま、なんて事を」
隣に歩いている敦がジト目でこっちを見る。
「なによー。敦だって楽しんでたくせに。っていうか、敦だって乗り気じゃない。笑いが隠せてないわよ」
そう、ジト目で見てるくせに口の端が上がっている。あたしに指摘されて慌ててキリッとするけど今更遅い。
「そりゃ、男としてはそんなの言われるだけで妄想が止まらねーよ。やくもんにはっちゃんにエイちゃんにあわちんにおくぼうに8OGメンバーが並んでるとか天国も良い所だろ……って、振ったくせに引くのやめろ」
「うわー、マジ引くわー。やっぱ敦は野放しにできねーわ。あたしが見ておかないと」
「どの口が言うんだ。基本的にはお前が変な事するからだろ。かち割った頭とか未だに時々痛むんだぞ」
「あー、ナナナとの取っ組み合いねー。あれは災難だったね。犬に噛まれたと思ってアキラメロン」
「それは当事者が言う事じゃねー。被害者が諦めていうか、第三者が被害者を慰める時に言う言葉だ」
「いやー、照れるなぁ。てへぺろ」
「褒めてねーよ!」
敦の脳内でいつもの様に会話する。敦も独り言で変な事を言ってるヤバいヤツに見えない様にスマホを耳に当てそれっぽい風に見せかける。まあ、話している内容がポーズ関係なくヤバい内容だから結局ヤバいヤツに見られてるけど。
「それでさ、今度何だけどぉっ!?」
「和海!?」
ちょっと離れて敦に振り向いた瞬間、あたしの視界が入れ替わった。遠くに聞こえる敦の声と同じく遠くに見える敦の姿、そして頭に響く鋭い痛みにあたしはなにかにぶっとばされたと理解した。
いきなり殴り飛ばしてきた相手を探そうとして、凶器を眼前に突きつけられる。それは薄い木の板。木刀みたいに太くはなく、卒塔婆のように持ちにくいものでもない。持つ部分は持ちやすいようにしっかりと丸く、先に進むごとに薄い板へと変わっていく棒。お母さんの実家で何度も見た事のある、そして、今ではあまり見たくない板――警策だった。
ただの警策では霊体のあたしは殴れないが、その警策の表面にあたしの体と同じ霊体のような力が張り巡らされている。これならあたしの体をすり抜けることがなく触れる事もできるだろう。
そうして警策を突きつけてくる相手を見上げる。そいつは右手に数珠を持ち、左手の警策をあたしに突きつける。そして膝丈のスカートにきっちりとボタンを止めたブラウスに身を包み、三編みにまとめたロングヘアーとレンズの厚い眼鏡が真面目な印象を与える。
「やっと見つけましたよ、悪霊め!」
相変わらず真面目な言葉を吐いてくるそいつはうんざりとしたあたしの貌に気付かず、どんどんまくしたてる。
「大和高校で起こっていた婦女暴行事件、その犯人はあなたですね。言い逃れはできません、被害者は覚えてないみたいでしたが、彼女らに残っていた力の残滓とあなたの霊体の色が一致します。鈍感だったカズミンと違って私の目は誤魔化せません。観念して成仏しなさい!」
「誰が鈍感だ、誰が!」
「カズミンに決まってます! あの子は力自体は私よりも強いのに見る方はさっぱりなので周りに霊が飛んでても気付かないんです! だから危なっかしいっていつも言ってたのに……死因が頭を打ったって……って、そんな事はあなたには関係ない事でしょう! 早く成仏しなさい、この悪霊!」
そう言って警策を振り上げるそいつ。その渾身の一撃を避け、あたしは距離をとった。
あたしのそばに敦が走り寄ってきて、そいつを睨む。
「大丈夫か、和海! てか、あいつ誰だ? お前知ってるみたいだけど」
「色んな意味で頭痛いけど大丈夫。てか、あたしだけじゃなくて敦も知ってるよ」
「私に悪霊の知り合いなんていません! そこのあなた……敦くんでしたっけ? 後少しで取り殺されるところでした。今私が助けてあげます。危ないのでそこを動かないでくださいね」
あー、ホント頭痛い。色んな意味で。
昔から真面目すぎて面倒なんだよね。松来先生をそのまま高校生にしたような感じでたまちんとかまだ可愛いものだし。
「だーかーらーっ、誰が悪霊だってのよ! この近眼! いいからその眼鏡外してよく見なさいよね若菜!」
「なんで悪霊が私の名前を知ってるんですか!? ……そこにいるって、もしかしてあっくん……? って事は……」
そう言って若菜はかなり度の強い眼鏡を外す。目が3になるがそのままあたしを見て驚いていた。
「カズミン!? なんでカズミンが! ……亡くなって悪霊になったんですか?」
「んなわけ無いでしょ! っていうか、勝手に殺すな!」
「いや……悪霊と言っても間違いじゃなさそうな……」
「おい、そこ!」
極度に目の悪い若菜はメガネやコンタクトがないと日常生活もままならないが、それは彼女の霊的な認識力を下げる事になる。曰く、「眼鏡がないと周りがぼやけるが、眼鏡があると霊体がぼやける」らしい。
「で? 結局誰? 俺の事も知ってるみたいだし、俺も知ってる相手ってホントかよ?」
「覚えてない? 敦とも年一くらいで会ってたんだけど……あー、そういや中学に上がってからは会ってなかったっけ」
若菜が全寮制の学校に行っちゃったからなぁ。
若菜は眼鏡をかけ直し、敦の方を振り向いた。
「覚えてないのも無理ないですね。会ったのは小学生の頃に数回ですから。お久しぶりです、あっくん。私は若菜。和田 若菜です」
「ええっ、若菜って、わかちゃん!? 和美の従姉妹の!」
「はい、わかちゃんです。呼び方覚えててくれて嬉しい」
「で、なんであんたがこんな所にいるの?」
二人でなんかほんわかした空気を作り出してたから、話の腰を折りがてら問いただす。
全寮制の一貫校に進学した筈の若菜がそう簡単に外に出られるとは思わない。確か、かなり厳しい学校だったはず。
「簡単に言うと仕事です。カズミンはうちの家業知ってますよね」
「思い出したくもないけどね」
若菜の家は由緒正しい退魔師の家系だ。お母さんも一応血族だけど駆け落ちも同然でお父さんと結ばれたから分家にもならない。女系で入婿を取って家を守っている和田家の当主がおばあちゃんで、これが大層な鬼婆だった。
元々お母さんは次女で若菜のおばさんが長女だから駆け落ちに関してはそこまで怒ってないらしいけど、それでもその娘であるあたしは小学生の途中くらいまで何かと若菜と一緒に修行させられたのだった。
「あーやだやだ。思い出してきた。すぐに警策で打ち据えるし、クソ長い廊下を雑巾がけさせられるし、滝行とか意味不明だし。ばあちゃん、まだ生きてるんでしょ?」
「全然元気ですね。お祖母様はあれでカズミンの力に期待してたんですよ?」
「嘘でしょ? 力はあるのかもしれないけど、見えないって致命的だとか言ってたじゃん」
「見えなくてもやれる人はやれますし、あまりにもカズミンが嫌がってたので諦めたんですよ。すぐに逃げ出してましたし」
「それって、和海に力があるって話? 霊能力とかそんなの?」
「ああ、あっくんは知ってるんですね。うちの家業の事」
「まあ、和海によく愚痴られてたから」
そんな事もあったなぁ。本家で修行をさせられた後とか割と敦に愚痴ってた。敦とは遊べないし、修行は大変だしで本当に嫌だったから。
「ええ、カズミンは潜在的……というか力の出力ではたぶん今でも私より上ですよ。ただ、カズミンはそういう存在が全く見えないので現場に出すには危なっかしいんですよ」
「若菜がそれ言う? あんただって眼鏡かけたら見えないじゃない」
「私は見えないんじゃなくて輪郭がぼやけるんです。人とかはくっきり見えるけど霊はぼやけるからそこに霊がいるってことはちゃんとわかります」
「それが問題だって事よ。現にあたしを殺しかけたし」
「それについては謝りますけど、どうしてこんな所にいるんです? お見舞いに言った時中に体に魂がないのはわかったので亡くなっちゃったかと思ったくらいなのに」
お見舞いに来てたのか。基本的に敦の所にいたから自分の体の方で何が起こってるか知らなかった。でも、それはこの真面目ちゃんの前では言わない方がいいよね。
「あー、それは俺と一緒にいたからだな」
「わっ、バカ……」
なんてそばから敦がバラしやがった。瞬間的に冷え込む空気。悪寒を感じる冷気が若菜の方から流れ込んでくる気がする。
「……それはどういう事ですか?」
「え? だから和海は俺の所にいたって事だよ? なんか俺といるか体の近くにいると力が回復するとかなんとか言ってたからそんなものかって思ってたけど?」
だっていうのに敦は気にせずどんどんばらしていく。この鈍感、これだから霊感がないヤツは……! あたしもちょっとは感じられるけど全く見えないから敦の事そう言えないんだけど。って、そんな事言ってる場合じゃない。
「……つまり、あっくんに取り憑いてたって事ですか?」
「あー、そうなるのかな?」
「敦のアホーっ! それ以上喋るなー!」
「カズミン! あなた何してるんですかっ! 自分がしてる事わかってるんでしょうっ! お祖母様に一度幽体離脱させてもらった時に力の流れとか把握しているはずですっ!」
「え? もしかして何か悪い事だったの?」
「お前はなろう系主人公か! 俺なんかやっちゃいましたムーブを決めるな!」
「もちろん悪い事です! 良いですか? 人は生きるために心臓を動かします。でも、それと一緒に魂を活動させるための力を循環する流れからも作り出します。その力を使って魂を活動させるんです。誰かに取り憑くって事はその誰かが作った力を奪って自身の魂を存続させる事になるので取り憑かれた誰かは魂を活動させるための力を奪われて、最終的には死んでしまうんですよ!」
「は? なにそれ? 聞いてないぞ」
「まあ、そりゃ言ってないし」
それに奪うって言っても大したこと無いレベルなんだけど。つっても若菜は信じてくれなさそうだなぁ~。裸眼で見ればわかるだろうけど、眼鏡外しそうにないし、頭に血が上ってるし。
「やっぱりカズミンは悪霊になってしまったんですね。大和高校の事件もカズミンと色が一致するのも理解できました。信じたくないですけど、仕方ありません」
ビシッと左手に持った警策を再びあたしに突きつける。
「和田家次々期当主予定、和田 若菜がカズミン、あなたを浄化して元の体へと叩き戻してあげます!」
あ、成仏させるんじゃないんだ。まあ、体はまだ生きてるから叩き戻されるなら魂が消える事もないもんね。……死ぬほど痛いだろうけど。
「覚悟!」
「やだよ!」
振り下ろされる警策をすんでで避ける。
「避けないでください!」
「避けるに決まってるでしょ! それめっちゃ痛いんだよ!」
思い出される昔のトラウマ。ばあちゃんにあれでひたすら叩かれてた。ばあちゃんが使ってたのは広い面だったけどそれでも痛いし、若菜のアホが使ってるのは縦の細い面だし痛いに決まってる。
それに叩かれて絶対に戻れるって言うならちょっとくらいは我慢してもいいけど、そんな保証は何処にもないわけで下手すると叩かれただけ損って落ちもあり得る。だったら、叩かれないで戻れる可能性を考えた方がマシってものだ。
という訳で、逆にここは返り討ちにしてやる。
振り下ろされる警策の軌道を見切り、すんでで躱す。それと同時に拳を固め、若菜に向かって突き出した。狙う所なんてどこでもいい、若菜の体に触れさえすれば、中に入れればそれで片がつく。けれど、その目論見は右手の数珠によって阻まれた。
「甘いですね。和田流の戦い方すら忘れてしまったんですか?」
「そういやそうだったね。修行が嫌だったからすっかり忘れてたよ。あたしはパン屋の娘だから、ねっ!」
拳を引き、蹴りを出す。それも数珠によって防がれたので反発力を使って若菜から距離をとった。
あー、あの数珠邪魔だなー。
和田流の退魔スタイルは武器と盾ではっきり別れている。警策と数珠がそれだ。警策で相手を切り裂き、数珠で攻撃を防ぐ。どちらも当然力を流して相手に触れられる様にする。実際問題警策や数珠じゃなくてもいいんだけれども、子供の頃から触れさせて力を馴染ませやすくしているから、あたしはともかく若菜は警策と他の武器とでは多分雲泥の差がでるはず。別に警策自体は避けられるからいいんだけど、問題は右手に巻きつけてあるあの数珠だ。力を流す事によってすり抜ける事を防いで防御に使ってる。
あの防御を突破しないと若菜に触れる事ははできない訳でこっちの勝ちの目がない。
なんて考えてる時にも若菜は止まらない。片手持ちというスタイルなので大きい一撃というか小さな連撃で避けられる攻撃は避けるけど、徐々にでも確実にこっちを削っていく。
こっちは当たれば終わりだっていうのに若菜の防御技術が思った以上に高くて困る。
あー、こっちにも麺棒とバットがあればなー。
「カズミンは相変わらず力が強いですね」
ハアハアと肩で息をしながら若菜が言う。
「こっちは装備があるっていうのに全然効かないんですから。私がよく相手をするような低級霊だったらとっくに調伏できてるんですが、こっちが音を上げそうです、よっ」
言いながら突きを繰り出して来る。それを躱して若菜の体に手を伸ばすが若菜の右手がそれを許さない。若菜はあたしの手を弾き飛ばすとその勢いのまま回転し、突きから横薙ぎへと変換した。手を弾かれた勢いで晒されたあたしの背中。無防備になったそこ目掛けて警策が叩きつけられた。
「和海ぃ!」
敦の声と共に痛みが全身に回る。
「これで、とどめ、ですっ!!」
この隙を見逃さないと若菜が警策を大きく振り下ろす。わかりやすく大きく来るその軌道に手を伸ばし、若菜の警策を掴んだ。
「!?」
ぎりぎりと押し合いを若菜と繰り広げる。
「何驚いてんの? あたしとあんたの力は削り合うものなんだから、痛いのだけ我慢すれば掴むなんてできるに決まってるでしょ。ほんと痛いんだけどさ、別に刃物を握るわけでもなしあんたの数珠防御と同じよ」
「くっ」
苦し紛れに繰り出してきた右手の数珠も掴み取る。ぎりぎりと両手とも互いに力比べをしている状態。
千日戦争だ! って、昔お父さんが読んでたっていう漫画で読んだ。けど、実はこの状態あたしの方に手がないわけじゃない。別にあたしは触れれば勝ちなのだ。両手を抑えても足がある。
にしても、
「いったいなあーもぉー!」
「しまっ!?」
我慢すればいいとは言ったけど、痛くないとは言ってない。力が干渉し合うと互いに削り合うみたいで、その触れ合っている場所は傷口をグリグリとされるくらいの痛みが走る。まあ、直接魂に走る幻痛なので傷自体はないというか霊体が削れていくんだけど。
若菜の両手を抑えたまま、蹴る要領で足を伸ばして若菜に触れると同時に叫ぶ。
「『あたしは和海がいいって言うまで動けない!』 何を……っ!?」
したの? と叫ぶ前に若菜は自分の体に何が起こったのか理解したようだ。
「なるほど、言霊による自己暗示。これが大和高校の事件の真相ですか……」
「あんた全然話聞かないんだもん、拘束させてもらったよ」
「本当に悲しいです。カズミンは本当に悪霊になってしまったのですね……」
「いやー、こいつ普段からこんなもんだぞ。それこそ抜ける前から」
「だからそこぉ!」
「でもカズミン。あなた本当に私がこんなもので拘束できると思ってるのですか?」
不敵に笑う若菜。その体が徐々に動き始める。
まあ、そうだよね。あたしだってあの程度なら少し時間があれば動けるようになるだろうし、素人ならまだしもちゃんとした修行を収めている若菜がずっと拘束できるとは思ってない。多分五分もあれば完全に動けるようになるだろう。
「動けるようになるのはわかってるけどさぁ、ちょっとその前に話だけ聞いてくれないかな? 敦、若菜の眼鏡外して」
「え? なんで?」
「このままじゃ話が伝わらないのよ。それにあたしじゃ触れないし、若菜の体は動かせなくしたし。敦を動かして外してもいいけど?」
「わかったよ」
敦はじろりとこっちを見てからため息を吐き、若菜の眼鏡を外す。その目は後で説明してもらうからなと言っていた。
若菜の目が3になる。いつ見ても笑ってしまうが、笑っている場合でもない。
「さて、これでちょっとは伝わりやすくなるでしょ。若菜、あたしはちゃんと見えてるね」
「ええ……見えてますよ。あなただけですけど」
「それはあんたが近眼だからでしょ……で、ちゃんとあたしの力の流れも見えてる?」
「ええ、それはしっかりと……え?」
「見えてるでしょ? あたしは見えないんだけど若菜なら」
「どういう事ですか? なんで力の流れが二本あるんですか……?」
「あ、やっぱりそうなってるんだ、そうだと思った」
「おい、俺にもわかるように説明してくれ。その流れが二本だと和海はどうなるんだ?」
二人だけでわかってる雰囲気をだしてたからか敦が説明を求めて口を挟んできた。
どういう風に説明しようかと考えてるあたしを先して若菜が口を開いた。
「ええと、ですね。先程体は魂の活動に必要な力を作ると言いました。その力は直接魂と流れで繋がっていて基本的に一つの魂に一本しかありません。これは霊に対しても言える事で、地縛霊はその場所と繋がって、憑依霊は取り憑いている相手の力の流れを奪っています。そして浮遊霊は何処にも繋がってない代わりに自身の魂を削りながら存在しているので長くても二週間くらいしか保ちません」
「え!? でも和海は」
「はい、カズミンは去年の十二月、七ヶ月程前に倒れたと聞きました。ちなみに私がカズミンのお見舞いに行ったのが年が明けての二月でその時には体の中にカズミンを確認できませんでした。だから、魂だけ消えてしまったのかと思ったのですが、力の流れが外に出てたのを見落としたみたいですね。今見てもかなり薄い流れですから。ですがその薄い流れの他にもう一本」
「敦と繋がってるのよね?」
「えっ!?」
「ええ」
あたしの言葉に驚く敦と肯定する若菜。二人の瞳があたしに集中する。だけど、あたしは何も言わずに若菜に話の続きを促した。
「カズミンから出た力の流れはカズミンの体に向かってる薄い流れとあっくんの体に繋がってる太い流れの二本があります。その二つからカズミンに力が流れ込んでいるようですが、どうしてカズミンはそんなに元気なんですか? 太いっていってもあっくんから流れてる力の量は人一人の魂を維持するには少なすぎるし、カズミンの体からの流れはほぼないようにしか見えないのに……」
「知らないよそんなの」
「え?」
そう、そんなのは知らない。あたしは若菜程感知に優れてるわけじゃなく、力はあっても使い方は理論じゃなくて感覚派だった。だから、正直なんであたしが今もこの場にいれるのか、浮遊霊やっていられるのか全くよくわかってない。
「なに? 若菜もわからないの? なによ、どうしてこんなになってるのか教えてもらえるかと期待したのに。まあ、現状わかる事はあたしは自分の体と敦から力を貰ってるって事と敦から貰ってる分は別に問題のない量だって事くらいか」
「結局どうなんだ? 全く話についていけないんだけど」
「大丈夫、あたしもよくわからないから」
「いや、それは駄目だろ」
「でもやはり問題です」
「えぇ……まだやるの?」
見ると、若菜の拘束は八割がた解けていた。全身に力を漲らせてあたしを睨む。
「もちろんです。大和高校の事件の犯人がカズミンだとわかった以上、私は見逃す訳には生きません。成仏させるとは言いません、体と繋がってる以上カズミンもまだ生きてる訳ですから。ただ、二度とああいう事をしようと思わないように力いっぱいお仕置きします!」
「へぇ、ああいう事って、こういう事?」
「ちょっ、なにしてるんですかぁっ!?」
でも、そういう事を言うのは完全に拘束が解けてから言うべきだった。
全身に力を漲らせてるとはいっても、若菜のスタイルは警策と数珠が基本。体が弾かれるのはその二つなのでそれを避けて触れれば中に入る事も容易い。まだ完全に拘束が解けてなく、緩慢な動きしかできない若菜に触れるのは簡単だった。
若菜の右手を動かし胸に触れる。巻きつけられた数珠が胸に押し当てられ普段とは違う感触を楽しんだ。
「ちょ、カズミンっ、ど、どこ触ってるんですかぁん」
胸から伝わってくる感覚に若菜は戸惑い、手から逃げるように身体をくねらせる。若菜にはそれで十分かもしれないけど、はっきり言って伝わってくる快感が足らない。全寮制のお嬢様学校に入ったって聞いたけど、やっぱりこっちは全然わからないわけか。
若菜をどうにかしないと折檻されるのは目に見えてるし、やっぱやることは若菜の開発だね。
「『私は自分の意志では身体を動かせません』……ちょっと、カズミン!? 何をする気ですか!?」
改めて若菜の身体に拘束をかける。若菜は他の人とは違ってあたしの事に気付いているからもっと若菜のように喋らないと暗示の浸透率が悪い。敬語とか面倒なんだけどなぁ。
「そりゃもう、ナニよ。若菜には痛い目見てもらわないといつまででもあたし追ってきそうだし」
「当たり前ですぅん。や、ど、何処触ってるんですかっ!」
「どこってわかるでしょ。それともあたしに言わせたいの? あんたの口から」
同じ口から違う意思が交互に言葉を紡いでいく。その意味に気付かされた若菜はぐっと唇を噛み、震えた声を押し出す。
「言わなくてい『おっぱい』いです」
まあ、言わせるんだけどね。
「なに言わせるんですかっ!」
「おっぱいだってー、若菜やらしー」
「あ、あなたが言わせているんでしょう! 『くっ、殺せ!』」
そしてこれは忘れてはいけない。やはり、本職に言わせるのは楽しい。本当はもっとしっかりとした袴とかで言わせたかったけど、若菜が着て来てないから仕方ない。
「だから何言わせるんですか!」
「えー、知らないのー? 敦は知ってるよー? 有名だもん一部で」
「ほ、本当ですか!?」
「ノーコメントで」
敦の奴日和りやがった。こっちをガン見してるくせに。
敦に見せつけるように若菜の身体を撫で回す。服の上から相応のむずがゆさが伝わってくる。
「やっ、ちょ、やめぇっ」
口では嫌がっているものの、自由に身体を動かせない若菜はあたしの愛撫を受け入れるしかない。伝わってくる快感はあたしには物足りないけれど、若菜には十分だったらしい。
「えー? ここ、こんなにしてるのにぃ?」
とろりと若菜のまんこからは愛液が滲み出して湿ってきている。それを見た若菜の焦りが手にとるように伝わってきた。
「え? な、なんですかこれ!? もしかして私……お漏らし……」
「いや、違うから」
焦りはわかったけど内容が違った。というか何処まで純粋培養なんだか……全寮制お嬢様学校ってだけじゃなくて若菜が真面目すぎるのもあるんだろうね。
「あんたは保体で何習ってんのよ。あんたの学校ではそういう話も友達としないわけ?」
「そういう……って? えっ、し、しませんよ!? するわけないじゃないですか!? あなた私をなんだと思ってるんですか!?」
「えぇ……本当にしないの?」
マジで? 真面目過ぎ。いくらお嬢様学校って言ったって限度があるでしょ。
まあ、若菜が真面目過ぎるからそういう話を振られていない可能性もあるか。
「じゃあ、こんな事とかも知らないの?」
若菜のブラジャーを緩めて、直に乳首に触れる。まだ勃起もしていないそこは柔らかく、ちょっと押したくらいでも軽く潰れてしまう。そして乳首を指で摘んだまま手の形に合う様に乳房を乗せる。
「ちょっ、なに『なんじゃこりゃあっ!』」
衝撃を与えるつもりが衝撃を受けた。乗せた手に伝わる重みが掌にピッタリと合う感触が慣れ親しんだ感触とは全く違った。
「若菜、なにこれ!? あんたいつの間にこんなに大きくなったの!?」
「ちょっ、や、やめてくださいぃっ」
「やめて欲しいなら言いなさい! いつからこんなに大きくなったの?」
言いながら、若菜の胸を揉みしだく。小学生の頃は流石になかった。中学でもそんなに大きくなかったはずなのに。いつの間にこんなになってたんだ。あたしは全然なのに。
数ヶ月触っていないあたしの感触を思い出し、殺意に近い感情が湧いてくる。サチが大きいのは仕方ない。サチは小学生の時からデカかった。葉月ちゃんせんせーもでかいけど大人だし仕方ない。やくもんは大きい小さいじゃなくてバランスが完璧だった。
蘭子ちゃんは流石に対象外。若菜はナナナやたまちん、松来先生と並んでこっち側だと信じてたのに、信じてたのに……ナナナもたまちんも松来先生もあたしよりあるけど。
「……大きくなり始めたのは中等部最後の冬……高等部に上がってからどんどん大きくなって……今……カップ」
は? いま、なんつった?
「ちょっ、い、言ったでしょうっ、なんで更にっ!? 揉まないでっ、くださいぃっ」
「やかましい、Aカップですら大きいあたしへのあてつけかっ」
あたしなんかサチが大きくなっていくのをずっと指を咥えて見てたんだぞ。っていうか、従姉妹なのになんであたしは絶壁で若菜はでかいんだ。
「この胸か! この胸がでかいんか! あたしにも分けろ!」
ピッタリと手に吸い付く胸の感触が嬉しくて腹立たしい。この幸せな胸がどうしてあたしの胸じゃないんだ。
「あっ、やっ、なに、これぇっ」
徐々に固くなっていく乳首の感覚が胸から全身に広がっていく。ようやくこれくらいまで感度が上がってきたが、既に若菜には未知の感覚らしい。この程度も知らないなんて若菜は本当に真面目だ。
「これが、感じるって、事よ。こうして、解していかないと、後が、痛い、だけ、だからっ」
ゾクゾクとした感覚に体が震える。じわじわと股間が濡れ始めている感覚。いつも感じているその感覚のままスカートを捲くりあげて指を這わせる。
ショーツの上からでも伝わるピリッとした感覚がじわじわと感じてきている身体に雷のように走る。若菜だけではない、色んな身体で味わったこの感覚はやっぱり良い。
「ひぃぅっ……なんっ、ですかっ、これぇっ!?」
「これっ、が、感じるって、事よっ」
指を割れ目に擦り付ける毎に走る快感に体が跳ねる。胸と同様に物足りない感じではあるけど、若菜には順を追って快感に慣らしてあげなければならない。
「あっ、んぅっ、こえっ、でちゃいますっ、あぁっ」
「こんな、んまだまだ、序の口っ、よ。もっと、もっと、激しく、なるんだからぁっ」
「もっと……ぉっ!?」
あたしの言葉に若菜は恐怖を感じてるようだ。訳解んない感覚ががんがん送り込まれて、それがもっと強くなるって、それだけを考えると確かに怖いのかもしんない。
子供の頃敦を引き回して探検とか言ってたのを思い出した。適当にどんどん路地に入るから全然道がわからなくなってくんだよね。それが面白かったのに敦はすぐに怖がってた。そんな感覚なのかもしれない。あたしには全然わかんないけど。
「は……ぁっ、んぅっ! あぁっ、あんぅっ!」
若菜の感じ方が変わる。固くなってきた乳首を摘み、その硬さと感覚を味わう。若菜は足に力が入らなくなったようでがくんと身体が崩れ落ちた。若菜は前かがみに体を丸める。っていうか、みんな基本的に同じような体勢になる。本能的に刻まれてるんだろうか? それとも身体の構造的に同じような形にしかならないんだろうか?
「や、めてっ、くだっ、あんっ!?」
若菜の体が跳ねる。口から溢れる喘ぎが耳に入って割とうるさい。とは言え、これがもっとうるさくなるんだから、この程度でいちいち文句なんか言ってられない。
「ほら、若菜のここ、こんなに、濡れてる。真面目すぎて、心配だった、けど、若菜も、ちゃんと、女の子、だね」
「んあああああっ!?」
ショーツをずらして程よく濡れているまんこへと指を立てる。布越しでない生の感覚、それが身体を走り若菜はあられもない声を上げた。
びくびくと震える身体。その震えを抑え込みながらも立てた指をひっかくようにして動かすと湿った毛が指に絡み中から水っぽい音を立てる。
「あっ、ああっ、なんですかぁ、これぇっ!? あたまっ、まっしろにっ、なるぅっ」
「あたっ、ちょっと、若菜っ。へばるの早いっ」
前かがみになっていた身体は快感に晒されて体勢を保つのもできなくなっていた。もうちょっと保つかと思っていた若菜の身体は崩れ、頭から地面に激突する。前かがみになっていた分距離は短いからそこまで痛くはないけれど。
崩れた身体は横に倒れ、地面に顔を擦りながらも指を更に動かしていく。まんこの中から零れ出る愛液が指で撹拌され、若菜の声だけでなく愛液の音が混ざった。
「ああぁっ、すご、いいっ、やっ、こんなの、知らないっ」
横になりながらも若菜の身体は震えるのをやめられない。多少は快楽を感じられるようになってきて俄然やる気が出てきた。すっかりと勃起して固くなった乳首を指で転がし、潰したり、掌で乳房を押しつぶし、まんこの縁に指を滑らせる。
「ああ、ああぁぁっ、変に! 変になりますっ! やめ、てっ、くださいぃっ!」
徐々に、しかし確実に若菜の身体を走る快感が増大していく。あたしに言わせればまだまだ絶頂には足らない快感だけれども初めての快感は若菜をどんどん惑乱させていく。
湧いてくる量が増えた愛液を指に絡ませ、押し広げるようにまんこの縁を開いていく。ひくひくと蠢くまんこの動きを指に感じ、その動きに逆らわないように流れに乗るようにしてまんこを解していった。
「あっ、あああぁっ! だめ、やぁ、ああっ! なんですか なんですかこれ!?」
やかましい若菜の叫びを直ぐ側で聞きながら、その体でその体を開発していく。
指を一本、まんこの中へと入り込ませる。まだ固く、ぴっちりと閉じているそこは指一本でさえも入るのを拒んでいるがなんとか一本だけ入れることに成功した。
「いっ、あっ、んんぅっ、な、にぃ……っ!? あっ、ああぁっ、ああっ!!」
ゆっくりと押し広げるようにまんこの中を押していく。壁を押す度に身体に走る快感が若菜をビクビクと震わせた。幸せな胸をこねくり回すのも忘れない。ほんと、なんでこんなに差がついてんのよ……小学生の頃は僅差だったのに。あームカつく!
「やぁ、あんんぅっ、ちょっ、いたっ、いいぃっ」
痛すぎないように調整して若菜の乳首を引っ張る。この微妙な差が痛みを快楽へと変えて、感じる範囲を広げていく。痛いと言いながら痛みだけでなく快感を感じてるのも伝わってきている。
そして、今度は痛みを和らげるようにやんわりと乳房を練り上げていく。鋭角の刺激から包み込むような快感に若菜は身体を震わせた。
「あ……、はぁ……っ、んぅ、あ……んっ」
荒い呼吸を繰り返し、若菜は快感を享受する。まんこの中から溢れてくる愛液の量が増えていきショーツに染み渡っていくのを感じた。まんこの入り口も柔らかくなっていき、指の数を二本、三本と増やしていく。つぷりと三本目を入れると若菜の身体が震えた。
「あああっ! カズッ、ミィンッ!」
跳ねる身体が仰向けになり、三本の指が若菜のまんこの気持ちいいところを擦っていく。その度に若菜は跳ね、口から嬌声が溢れ出る。
「ああっ、ああああっ! だめっ、やめぇ、くだっ、さいぃっ!」
懇願する若菜を無視してまんこをかき混ぜていく。溢れた愛液が盛大に音を立て、腰が持ち上がる。若菜が見たら卒倒しそうな体勢を取り、敦に見せつけるようにしてまんこをかき混ぜていった。
「あああああああああああっ、なにか、なにか来ますっ! やっ、あっ!?」
まんこ、そして子宮から伝わる刺激が脳で快感に置き換わる。どんどんこみ上げてくる感覚。それにとどめを刺すためにクリトリスを親指で擦った。
「あっ!? ああっ!? あああああああああああああああっ!?」
瞬間、鋭角の刺激が突き刺さり、若菜は絶叫を上げて硬直した。肺の中の空気を出し切り、これ以上叫べないというところまで叫びきった後に脱力する。
荒い呼吸の中、胸が上下する。仰向けになっても存在を主張するその二つの山が見る度にイライラさせられる。
本当になんでこんなにも差がついてんだろう。揉むと大きくなるとかいうのならあたしの方が絶対大きくなってるはずなのに。
気怠い中羨ましい胸に手を沿わせる。柔らかい中に芯を残すその感触、勃起して固くなった乳首が本当に羨ましい。
「あ……ん、やめて……くだ、さい……」
胸からの刺激を感じたのか、若菜の口から弱々しい声が漏れる。それは若菜の意識が戻ってきた証左でもあった。
「どう、若菜? 初めての、絶頂は」
「ぜっ……ちょう……?」
「やっぱり知らない、かぁ……絶頂、オーガズム、イク。まあ、どれでも、良いんだけど、要は一番、気持ちよくなって、意識を区切る、安全装置って、ところよ」
「んぅ……やめて、ください」
言いながらも若菜の胸を揉んでいく。
「なんで? 気持ち、いいでしょ? 敦だって、ガン見してるし、いいじゃん」
「ばっ、な、何いってんだ!?」
「そんなに、勃ててるくせに、何言ってんだか」
さっきから静かだったけど、敦がずっと見てたのは気付いてた。っていうか、さっきあれほどやくもんに出してたくせにまた勃ってるんだから。敦もあたしの事を言えない。
「ほら若菜、気持ちよかった、でしょ?」
「うぅ……こんな辱め……絶対許しません……」
若菜からは未だ諦めないという意志が伝わってくる。なんなら、今の絶頂で怒りもプラスされたみたいだ。
まったく、火に油を注いだとか思ってんのかな? もうちょっと自分の立場を自覚させないといけないのかぁ。
仕方ないなぁ。
「また碌でもない事考えてんのか、顔に出てるぞ」
「うるさい、敦はそれを勃てたままにしときなさい」
「は!? 何するつもりだよ!」
「カズミン、何をするんですか……?」
「もちろん、気持ちいいことよ」
敦と若菜、二人の疑問を一言で返しあたしは若菜の声を口にした。
「『私はもっともっと気持ちよくなります。際限なく気持ちよくなります』……なっ!? なんですか、それぇっん!?」
若菜が抗議の声を上げるが、ちょっと触っただけで力を失う。
今までだったらともかく、快感を知ってしまった若菜はもはやなす術がない。
3000倍とは言わないけど、やっぱり退魔師と言ったら感度上昇だよね。
「ひぁっ!? なぃっ!? こぇっ!!」
ちょっと幸せな山を揉んだだけで絶叫を響かせる。あたしには丁度いいくらいの快感だけども若菜には既にきついものらしい。
まあ、きつくなるのはこれからなんだけどね。
「『ですけど、どれだけ気持ちよくなっても、私は絶頂する事ができません』やぁっ、なひぃ、いってぇっ!?」
若菜から伝わってくるのは絶望ではなく戸惑い。快感を初めて知った若菜ではこれの意味する事がわからなかったらしい。まあ、それはこれから身を以て経験してもらうからいいけど。
そして、これが最後の仕上げ。
「『私が絶頂するためにはあっくんと性交してもらわなければいけません』ぇっ」
「ちょっと待て和美ぃ!」
これに反応したのは若菜より敦だった。まあ、予想通りだけど。
「やったね、敦。若菜の、この体が、楽しめるんだよぉ? 役得じゃん」
そう言って、敦に若菜のまんこを開いてみせた。中からとろりと溢れる愛液と共に敦の視線を感じる。なんだかんだ言って性欲に正直だなぁ。まあ、あたし達なんてそんなものだよね。
小学校で性教育を受けたその日にあたし達は初めてを失くした。それ以来ほぼ毎日ヤッてるし、敦もそれについて嫌がったことはない。せいぜい寝込みを襲ったり、テスト勉強を邪魔したりなんだよね、敦が嫌がるのは。
「カズッミンンゥ!? 何、言ってぇっ!?」
乳首を軽く摘んだだけで若菜の身体が跳ねる。ぞくっとした快感が身体を走り、もっと触れたくなる。
「何って、聞いたっ、通りっ、だけどぉっ」
「んぁぁっ!? やっあ、ひぃぅん! カズミンゥ! やめぇっ、ぇっ!」
指を動かす度に面白いように若菜の体が跳ねる。せっかくの服が土にまみれて汚れていくが、若菜にそんな事を気にする余裕なんてない。あたしだって身体に走る快感がいい感じなのに若菜がそんなの耐えられるとは思わない。
「ひっ、ぁっ、ああっ、そこ、そこぉっ!? だめぇっ」
まんこに指を入れると、腰が跳ね上がる。口は若菜がひっきりなしに叫んでいた。
「あっ、あああっ、だめぇっ、ぅぁあっ! あああっん、んぅっ!」
もはやまんこは洪水だ。だけど、確かに若菜は今日、さっきまで処女だった。いくら解したとはいえそこの肉はまだ固く、処女をなくすにはもっともっととろけさせないといけない。
あたしの時は本当に痛かったけど、それを若菜にわざわざ味わわせる必要もないしね。まあその分、若菜を可愛がってもいいよね。結局若菜が殴ってきた分はまだ返してないし。
「あーっ! あーっ!! やぁーっ!!」
どんどん送り込まれてく快感に呑まれ、若菜は叫び声を上げ続ける。
あー、こりゃ明日は喉枯れてるな。まあ、あたしじゃないから別にいいんだけど。
「ああああああっ!! おかっ、しくぅっ!! あああああああああああっ!!」
それにしてもそろそろ気付いてもいいと思うんだけど。初めてだからわかんないのかな?
「あああああああっ!! ああああああああああっ!!! あああああああああああああっ!!! はぁ……っ、はぁっ、はぁっ、はっ、あっ」
仕方がないからいじるのをちょっとだけやめてあげた。まあ、感度は上がったままだから空気の流れや背中の感覚だけでも若菜には結構な快感になるんだけど。
「若菜っ、はぁっ、気付いて、る?」
若菜が息を切らせたままだから喋りづらい事この上ない。
「なにぃっ、がっ、あっ、です、かぁっ」
「絶頂が、来ない、事、よっ」
「あのっ、凄いのっ、です、かっ。いい、じゃない、ですかっ。んぅっ」
はあ、やっぱり何もわかってない。これだから処女は。
「言った、でしょうに。あれは、安全装置、だって。ずっと、イケないっ、て事は、ずっと、このままっ、て、事よ」
「この……ままぁっ!? カズッ、ミンゥ!?」
くりっと乳首を転がしてやるとすぐに身体が跳ねる。当然だ。絶頂したわけでもないし、単にあたしが快感を送るのを止めていただけなんだから。
「これが、このっままっ、続くっのよっ」
「あああああああああっ、やあああああああああああっ、だめえええええええええっ!!」
どんどん溢れてくる快楽の奔流は気持ちいいを通り越して若菜には辛いというレベルにまで変わっていく。流れてくる快感を逃そうとのたうち回る若菜の身体はしかし、どこも敏感になっており、暴れるほどに全身から快感が伝わってくる。
「あああああっ、やあっ、おか、おかしくっ、なるぅっ!! こえ、が、このっままぁっ!?」
頭を振ってみても伝わってくる快感に変わりはない。しかし、本能的に若菜は頭を振り、身体を跳ねさせ、全身で快感を逃がそうとしていた。
「はあっ! ああっ! なんっ!? でぇっ!! ああああぁっ!」
もちろん、動けば動くほど身体は色んな所にぶつかり、その分だけ快感が返ってくる。快楽の永久機関と化した若菜の身体は何をどうしても激しい快感を受けてしまう。
「ああああああああああああっ、おわっ、ぁいのぉっ!? たすっ、けてぇっ! へんにっ! へんになぅっ!」
若菜はどこまで意識してるのか? 多分誰にという認識は既にできてないだろう。自分以外の誰かにわからないまま助けを求める。もちろん、助かるために何をしなければならないのかなんてわかっていない。
それは面白くないので、若菜にはもう一度わからせることにした。
「あーっ、はーっ、はーっ、はーっ……」
もう一度若菜の身体をいじるのをやめる。直接的な快楽は止まったものの全身からじわじわと伝わってくる快感は止めようがなく、今までの快感で茹だった頭はがんがんと頭痛のようなうずきを訴えてくる。
「わかっ、た? ずっと、イケないっ、て……ことはぁ……こう、いう……ことぉっ、なの」
「もう……やめて……、くだっ……さいぃ……これ、どうにかぁっ……してぇ……」
流石にどういうことかを理解したらしい。今までの強気な勢いは鳴りを潜め、懇願するように弱々しく言葉を紡いだ。
「さっき、言った、でしょ? 絶頂、するにはどうすれば、いいかって」
「……あっくんぅ」
「そう『私が絶頂するためにはあっくんと性交してもらわなければいけません』。流石にどういう意味かはわかるよね」
「お、おい、和美……」
「あっくんぅっ……」
敦の声を遮り、若菜は力が入らない身体をなんとか動かしてゆっくりとスカートを捲りあげた。若菜の中に入ってるあたしにはどうなってるか見えないけど、伝わってくる感触でだいたい分かる。ひくひくと蠢くまんこを敦へと向け、荒れた呼吸のまま敦へと懇願する。
「お願い、しますぅ……ぁ……助、けてぇ……性交、はぁ…して、ください……んぅ」
若菜にかけた拘束は既に解けかけている。この動きはあたしではなく若菜の動作だ。まあ、若菜も敦もどこまで気付いてるか知らないけど。
「ほら、若菜もそう言ってるし、やっても、いいんだよ? 据え膳、食わぬは敦のヘタレっ、て、言うじゃない」
「言わねぇよ! ったく」
なんだかんだ言って勃ったままのちんこを見せつけてくる敦。ズボンを脱いで出したそれを若菜のまんこに当て、溢れ出てる愛液をまぶす。
「じゃあ、いくよ?」
「はい……性交、してぇ……くだ、さいぃ……」
「ちょっとぉ、何その優しげな、態度ぉ。あたしが、初めての時、は確認なんて、してくれなかった、じゃないよぉ」
「そりゃ、あの時は俺も初めてだったし……っていうか、お前が無造作に入れてきたんだろ! しかもその直後痛い痛いってわめきまわってさぁ! そのせいで俺がどれだけ怒られたと思ってんだ!」
「だって、本当に、痛かったんだよ。敦にはわからない、だろうけどね、傷口をグリグリと、広げるような痛み、いやそれ以上なんだから」
「あーはいはい。わかったわかった」
「何その、態度ぉ。若菜と、対応、違いすぎないぃ?」
「やかましい。どうせただ言ってみただけのくせに。どうせ別に何をしてもらおうとか考えてないだろ」
「バレたか」
「は、ぁ……性交、してぇ……はや、くぅ……」
「ほら、敦が、グズグズしてる、から、若菜がもう限界、じゃん。早く、しなさい、よね」
「お前のせいだろ!」
そう言って敦はゆっくりと腰をすすめる。メリメリと傷が無理やり広げられていく痛みとまんこの壁をこすられていく快感が同時に伝わってくる。こんな状況になってから何度も体験してきた痛みだけれども、実はこの痛み、そんなに嫌いじゃない。痛くて痛くて体験する度に二度とゴメンだと思ったりもするけれど、大切なものをあげる幸せ。これはなんども体験したくなる。
そんな幸せが身体にも反応したのか、瞬間的に快感が湧き上がってくる。あ、いや、違う。これ若菜の身体がイッてる。
「うおっ、まっ」
「あ、あああ、あああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
敦のちんこが入った瞬間、若菜の身体はイッてしまった。ビクンビクンと跳ね回り、まんこはぎゅうっと敦のちんこを締め付ける。突然の事で敦も驚いてたし、あたしも驚いてた。いくら感度をあげてイクのを禁止してたと言えども、処女が入れただけでイクとは思ってなかった。
「おい、急にイクなよ。思わず出るところだったじゃねえか!」
「やくもんにあれだけ、出してたのにって、いうか、出してたからセーフっ、だったね」
「全くだよ。でもなんでこんな一瞬でイッたんだ? 流石におかしいだろ」
「うーん、なんでだろ? 変なの入れてないよね?」
『私はもっともっと気持ちよくなります。際限なく気持ちよくなります』……感度全開は基本だけど、これだけで一瞬でイッちゃうかな?
『ですけど、どれだけ気持ちよくなっても、私は絶頂する事ができません』……絶頂禁止も基本。イクのを抑えてたから、当然その分快感が溜まってたはず。
『私が絶頂するためにはあっくんと性交してもらわなければいけません』……敦とセックスしたらイク。だからイッた? いやいや、入れただけじゃセックスなんて言わんでしょ。セックスってイクまでがセットなんだから。
……うん? 待って? なんか引っかかった気がする。何処が変なのか具体的に言えないんだけど、何かがおかしいようなおかしくないような? 後少しまで答えが出かかってる気がするけど、それが微妙に突っかかってて答えがわからない。
「ま、いっか」
微妙にスッキリしないけれど、答えが出ないからって問題があるわけでもない。動いただけでイッちゃうならそれを楽しめばいいだけだ。
「うぉっ」
「ほらっ、敦っ、動いてっ、んっ!」
こみ上げてくる感覚に身体を震わせながら敦を誘う。キュッとまんこを締め付け敦のちんこを刺激する。
「んんんんんんんんっ!?」
瞬間的に身体がイクがこれくらいの刺激のほうがあたしには丁度いい。敦の身体を引き寄せてだいしゅきホールドに移行する。それだけで目が覚めるような気持ちよさが走った。
「はっ、あっ!! いいっ! すごくいいっ!! 感度アップすごいっ!」
「ばっ、おまっ、うごくなっ!? くぅっ」
足を動かして敦の腰を若菜の中へ押し付けるようにする。息のする間もないくらいにイキまくる若菜はもはや快感に押し流されて自身を満足に動かせない。だからあたしがもっと気持ちよくなるように動いてやる。
「んぅっ、あむぅっ、ちゅ、はっ、んっ」
ぎゅっと身体を押し付けて敦の唇を奪う。敦も勝手知ったるあたしの動きを受け入れて、互いに何度もやったように唾液の交換をした。舌を交わらせる度に身体がイキ、もっともっとイキたいとあたしは舌を伸ばす。途中息継ぎのために離した口から熱い吐息が漏れる。その息が耳に届き、それだけでまたイッた。
すごい。こんなに常にイッてるセックスとかなかなかない体験だ。若菜の絶頂はあたしのそれほど激しくないけど、それが何度も来てる状況はものすごい気持ちよさだ。あたしの身体だと深すぎるし、若菜ほど鍛えてないのですぐに動けなくなる。それが若菜の身体だとこの気持ちよさで何度も動ける。
これも偏に若菜の真面目さが起因している。若菜が真面目だったから今まで開発してなくてイッても気持ちよすぎないし、若菜が真面目だったから修行をしっかりして体作りもちゃんとできていた。
まさに若菜様々だ。まあ、こんな事で感謝しても若菜はブチ切れるだけだろうけど。
「んぅっ!!?」
そして、あたしがブチ切れるポイントもある。敦の奴、胸を揉んできやがった。あたしとヤッてるときなんてほとんど揉んだ事無いのに。
そして悔しい事にそれでも若菜の身体がイッている。胸が大きい程、感度が悪いって話は何だったのか。サチも葉月ちゃんもやくもんも感度良かったけどさ。
「おわっ」
ムカついたから上下を入れ替わる。正常位から騎乗位へと変わったあたしは敦を見下ろして敦の両手を抑えた。
「ちょっ……とぉ……、なん、で……胸、揉むのよ……」
「そりゃ、そこにあるからに決まってんだろ。うぉっいぃっ」
予想通りの返答に力いっぱいまんこを締め付けてやった。そこの感覚を凝縮したかのような快感が伝わり、一瞬息が止まるが、それ以上に敦の快感は強かったらしい。
必死に我慢してるかのような苦悶の表情。それが敦の顔に浮かんであたしの胸がすっとした。同時に我慢できなくさせてやりたくもなった。
「ふふぅ……ん。あつしぃ、中に……出してぇ……」
そう言いながら敦の腕を抑えたままで腰を振る。腰が上下する度に激しい快感が身体を巡った。
ぐりぐりと押し付けるように腰を揺らす。若菜の全身は常にイキながら、あたしによって更に快感を貪らされる。本能的に締まるまんこを更に意識的に締め上げて敦のちんこを刺激した。
「くぅっ、おま、ぃいっ」
若菜のまんこの中でビクビクと震える敦のちんこを感じる。これはもうすぐ出るという前兆だ。腕の拘束を解くのを諦めたのか、敦はぎりぎりと歯を食いしばりながらあたしを下から突き上げてきた。
ビクンと身体がイク。
何をしてもイカされるこの体、この状態は本当に気持ちいい。ちょっと癖になりそう。
「なにぃ……? このあたしと、勝負……しようっ、ってのぉ? んぅっ!?」
「いつまでも、負けていられぇっ、かぁ!」
キスも胸もない、純粋な腰使いだけの勝負。初めてを失くしたあの日から幾度となく繰り返したその勝負はいつでもあたしたちをあの日の子供へと戻してくれる。もちろん、気持ちよさも腰の技術もあの日とは比べ物にならないが。
ずんと腰が突き上げられ、身体がイク。びくびくと体が跳ねて呼吸が苦しくなる。だけど、それがまた気持ちいい。お返しに腰を締めて刺激してやるがそれすらも快感に変わり、若菜がイク。
若菜イキすぎ。どれだけ変な思い込みしてんのよ。
動く度にイッている若菜はとっくに意識を失っているが、イク度に身体が跳ねて更にイクという循環に囚われた若菜の身体は際限なく気持ちよくなっていき、流石のあたしもだいぶきつくなってきていた。
「ぁっ……、ああぁっ!? このっ、あつぃっのくせっ、いぃっ!!」
「はっ、あぁっ、こ、のぉっ、かず、みぃっ!」
だけど、敦に負けたくない。深い理由なんて無い、ただ単に昔から知っている相手、常に隣にいた、いつも互いに勝負して競っていた相手だから絶対に負けたくないだけだ。
それは敦も同じだろう。ぎりぎりと歯を食いしばり必死に出すのを拒んでいる姿、そのくせちんこを中から出すでもなく腰を振っている姿を見ればあたしを先にイカせたいのは明らかだ。
「あっ、ああぁっ! あつっ、しぃっ!!」
イキまくっている若菜の身体。その快感を必死に我慢する。絶対に負けたなくない。快感のあまりに頭痛にも近い刺激が頭にあふれる。こきゅうはとっくにとぎれていて、さんそがたりなくなって、しかいもどんどんせばまっていく。まけない。まけない。あたまのなかをそれだけがしめていく。かってどうする、まけてどうなる。そんなことはどうでもいい。とにかくめのまえのあいてにだけはぜったいにまけたくない。きもちいい。まけたくない。きもちいい。まけたくない。きもちいい。きもちいい。きもちいい。きもちいい。きもちいい。きもち――!!
「ああああああああああああああああああああああああっ!! いいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
「うぁぁぁっ! でるぅ!!!」
耐えきれなくなったあたしはついにイッてしまった。視界は真っ白に染まり、思考はすべて押し流される。身体は数秒間に渡り硬直し、その後完全に脱力して敦の上に崩れ落ちた。
あたしがイッた直後、身体が硬直している間に敦も出していたが、それがさらなる快感へと変換され更にイカされてあたしの意識を焼いていた。
「はっ……あ……っ、は……、ぁ……」
「はっ、はっ、はっ、はっ……」
公園にあたしたちの呼吸音だけが響く。呼吸を繰り返す毎に酸素が身体を頭を巡り、徐々に意識もはっきりしていく。
「あつしぃ……生きてるぅ?」
「生きてるよ……腹上死なんて笑えねえ」
倦怠感に包まれたままあたし達は声を掛け合う。あたしの下で弱々しい声で応えた敦に安堵した。
「動ける……? あたしはしばらく無理」
「俺も無理……なんでこんなガチでやってんだ?」
「そりゃぁ……気持ちいい、からでしょ?」
「おま……ほんとブレねぇな」
「敦、だって……同類でしょ。なんだかんだ言っても、結局やるん、だから」
「男なんて……そんなもんだよ……わかちゃんは、大丈夫……なのか?」
「大丈夫……でしょ。イケるようになった瞬間に落ちてたし。後始末も……今からやるし……ふぅ」
そう言ってあたしは深呼吸をして意識を整えた。
「『私の身体の感覚は元に戻ります。絶頂も自由にできますし、気持ちよくなりすぎる事もありません』」
「『そして、私はカズミンに対して絶対――』カーズーミーンー」
「『あ、若菜っ!? もうおき』起きましたよ! よくも私の身体であんな事……」
頬が熱くなり、若菜がさっきの事を思い出してるのを感じる。一瞬声が小さくなる恥ずかしがってるのを感じたが、次の瞬間にそれは怒りに変わり、瞬時にあたしを身体の中から叩き出した。
「カズミン! よくもあんな事をしてくれましたね! 絶対に許しません!」
「ふぅん。威勢のいい事言ってるけど、まだ敦と繋がってるのを忘れてない?」
「へ……あ……きゃっ!?」
あたしの指摘に自分がどんな状態だか思い出した若菜は慌てて敦のちんこを抜こうとして体が動かない事に気がついた。
「私の身体になにをしたんですか!? 暗示はないはずなのに!」
「あんたイキまくってたの忘れてない? 普通あれだけイッたら足腰なんて立たなくなるの。単純に体力が底をついただけだよ」
「うぅ……」
「まあ、若菜なら少し休めば動けるようになるとは思うけどさ。その間もうちょっと話を聞いてくれても良いんじゃない? 眼鏡外してさ」
「……」
あたしをじろりと睨んだまま若菜は眼鏡を外す。
「ぷっ」
「笑わないでください!」
じろりと目端を釣り上げて睨んでいた目が3になったら、笑うに決まってる。見ると若菜の下で敦も必死に吹き出すのを耐えていた。
「いや、笑わないなんて無理でしょ。なんで3になるのよって、石を投げるな。謝るから!」
「うーっ! カズミンのばかーっ!」
目を3にしたまま若菜が手近にある石をぽいぽい投げてきたから慌てて謝る。ただの石だから敦があたしに投げてもすり抜けるだけだけど、若菜が投げれば実体に普通に石を投げる程度には痛い。
「ごめん、ごめんって! だから、話を聞いてってば」
「はぁ、はぁ……それで、話ってさっきの続きですよね?」
「うん、そう。ぶっちゃけ若菜。あたしを見逃してくれないかな? 敦から貰ってる力は少しで敦には大して問題がないわけだし。これからは悪い事は(バレるようには)しないからさぁ」
しっかりと後始末をすればあたし達以外の誰にもわからないし、事件なんてないのと同じだもんね。
「ええ、確かにあっくんからカズミンに流れ込んでいる力は微々たるものですし、あっくんの方は問題ありません。でも……ずっと出てるとカズミンが」
「それも大丈夫でしょ? あたしずっと出てる訳だし。それを若菜に解き明かしてもらいたかったんだけど、結局若菜もわからないんでしょ?」
「はい……あっくんから流れ込んでいる力もカズミンの身体から伝わってくる力も量が少量なのでカズミンの霊体がどうやって維持しているのか……って、ああっ!?」
「何?」
突然大声を上げた若菜の反応に期待する。あたし自身なんで今ここにいられるかよくわかってないのだ。あたしは若菜程感知に優れてるわけじゃなく、力はあっても使い方は理論じゃなくて感覚派だった。だから、若菜がその理由を気付いて教えてくれるって言うなら知りたい。
若菜は3の目でじっとあたしを見つめると、息をついて呟く。
「そう……そういう事ですか」
若菜はそう言うと肩を震わせ笑い出した。
「あははははっ。カズミン、あなた凄いですね!」
「え? 何がどうなってんの?」
「一人で納得してないで、何を見たのか教えなさいよ」
突然笑い出した若菜に敦もあたしも戸惑いを隠せない。
若菜はひとしきり笑った後、目の端に浮かんだ涙を拭いて眼鏡をかけ直した。
「まさか魂だけで力を作り出すとは思いませんでした……いいですか? カズミンにはあっくんからの力と体からの力が流れ込んでいます」
「それは何となく分かる。敦や体の近くにいると力が回復するから。でもその割にもらう量と回復する量が合わないのも感覚でわかる……って、あんた作り出すって言った? あたしが? 体じゃなくて?」
「ええ、言いました。カズミンの中に流れ込んでいるあっくんからの力と体からの力は混ざり合う前にカズミンの体の中でぐるぐると回ってるんですよ。お祖母様が言ってましたね。力の根源とは即ち循環、完全な循環は力を生む、だから力は世界に満ちていると。ただ、力は個によってそれぞれ違うから、世界に満ちている力を直接取り込むことはできない。それが浮遊霊が長く存在できない理由だと」
「だからなんだってのよ。世界に力が満ちてても使えないんだからその話関係なくない?」
「いいえ、大いに関係あります。いいですか? 憑依霊は奪った力を自分の活力にする時に自分の色へと力を変えます。地縛霊もとどまっているその場所が世界の力を自分の色に変えられる場所だからそこから動けないんです。つまり、力として取り込むには自分の色にする必要があります」
「一体何言ってるんだ? 色?」
「大丈夫、あたしもよくわからないから」
確かにばあちゃんはそんな事言ってた気がするけど、そもそもあたしは修行が嫌で逃げ出した口なので詳しく覚えてない。
「重要な事ですよ。カズミンもあっくんから流れ込んでいる力を自分の色にするまでには少々の時間差があるってことです。元々カズミンの体から流れてきている力と混ざり合う少しの間、二つの力の流れはカズミンの魂の中でぐるぐると回ってるんです。回る、即ち循環。最終的に混ざり合って一つになるので完全な循環とは言えないんですけれど、循環は力を生み出します。その作り上げた力でカズミンは自身を維持していたという訳です。だから、あっくんや体から流れ込む力は少なくて済んだという事ですね」
ピンと立てた人差し指をくるくると回しながら若菜が言う。
「でもそれはおかしくない? 力の流れって確か距離で拡散しちゃうはずでしょ? なんで敦のそばにいる時と体の下にいる時で力の回復が同じくらいなの?」
「それは簡単ですよ。体の側にいる時は体から十分な量の力が流れ込んで来るからです。あっくんの力の流れは薄くなって循環もできないほどに呑み込まれるので力を生み出しません。逆にあっくんのそばにいる時は体からの力が薄くなってあっくんからの力の流れと循環が起きて丁度いい量の力ができるんです。その違いをわからないのは単にかずみんの感知力が低いからですね」
「どーせ、あたしはパン屋の娘ですよ」
「誰もそんな事言ってないじゃないですか。カズミンの力が大きいからこんな奇跡みたいな事が起こってるっていうのに」
「えっと、和海が大丈夫なのはわかったけど、ずっとこのままなのか? ずっと寝たきり?」
若菜の下で敦が疑問を上げる。
「あたしはそれでも良いんだけど」
「良くないだろ。おじさんやおばさんがどれだけ大変だと思ってんだ」
「まあ、そうですね。渡叔母さんは自分に才能がないからって私に見に来てくれって頼んできましたし。カズミンは一度自分がどれだけ愛されているかを考えておくべきです」
「わかってるわよぉ、でも実際どうしたら戻れるのかわかんないんだから仕方ないでしょぉ」
「いえ、それも大丈夫です。じきに目を覚ましますよ」
「へ? なんで分かるの!?」
「まだ力の流れが繋がってるからです。流れが切れてないって事は亡くなったわけではないという事です。なのに体に入れないって事はまだ体が目覚める準備できてない――打ったのは頭でしたね、頭の治癒が終わってないからと言う事です。加えて、ちょうどカズミンに流れ込んでいる体からの力の流れが太くなりました。頭の治癒が終わって、全身の稼働が本格的に始まった証拠です。体が目覚めるなら魂は強制的に引きずら――」
若菜の言葉の途中で何かに引きずられるように景色が一気に動き出した。同時に意識が朦朧とする。何も考えられなくなって視界も意識も黒く塗りつぶされた。
そして、目を開いたら知っているけれど、あまり見覚えのない天井が視界に広がっていた。
あたしはそのドアを開く。勝手知ったるそのドアを開くとその部屋の主が眠っている事を示すこんもりとしたベッドへと潜り込んでいく。
幾度となく行った行為。足の方から潜り込むとパジャマのズボンとパンツを一緒に脱がす。朝勃ちをして力強く自己主張をしている敦のちんこを舐めあげて唾液まみれにする。同時にまんこをいじってどちらの準備も完了させた。
布団をかぶったまま身体を重ねる。敦のちんこはあたしの中を擦り上げて快感を伝えてきた。
「ふぅ……んっ」
軽い寒気にも似た快感が身体を走る。それはまだまだ序の口で、そもそも今の目的はあたしだけが気持ちよくなる事じゃない。
「くぅ……っ、ぐっ……」
きゅっとまんこを締め付けてやると、敦が寝言混じりに苦悶の声を上げる。一体どんな夢を見ているのか。やくもんとやってる夢とか? 後で聞いてみるかな?
まあ、それが悪夢になってるとメシウマなんだけど。
差し当たっては敦がいつ目を覚ますか、目を覚ますギリギリをどこまで攻められるか。そこを試してみたい。
さて、何処から攻めようか。まずは匂いかな?
っていっても匂いかぁ。鼻先に指でも翳してみる? いやでも、その程度じゃ何も匂わないよね? 敦、匂いフェチじゃないし。
瞬間、天啓が降りてきた。これだ! これしかない!
思いつきに従い、あたしは指をまんこに伸ばす。もちろんあたしのまんこには敦のちんこが陣取っているから指は入らないけれど、まんこから溢れ出た愛液を指にまぶしてそれを鼻の下に擦り付けてやる。指の感覚で敦が起きないように注意を払いながらそっと愛液を塗りたくってやった。
「んぅぅ……」
匂いを感じたのか鼻を引くつかせながら、敦は軽く身じろぎをする。だけど結局敦は起きなかった。
「むぅ、この程度じゃ起きない……と」
なかなか手強いな。
じゃあ、今度は耳を攻めてみようか。
今度はちんこを入れたまま敦に顔を近づけていく。その過程で敦の身体に触れてしまうけど、結局何処を攻めようとしても触れざるを得ないわけだし仕方ない。
「起きろぉ♪」
もしも敦が起きてたら笑い転げそうな声を出してみる。っていうか、あたし自身も笑い出しそうで困る。
あたしがこんな恥ずかしい事してるっていうのに敦は特に反応しないまま眠り続ける。っていうか身じろぎすらしないってどういう事よ? そんなにあたしの甘い声って効果ないの!?
ギリギリを攻めるという点ではセーフなのかもしれないけれど、まるであたしに魅力がないみたいですごいムカつく。いや、逆に考えるんだ。下手に起きなくてよかったと。もしも、これで起きたら敦に大爆笑されそうだし、からかわれるネタを一つ作ってしまう。あたし達は互いに弱みというかそういうネタをいくつもあるけれど、相手にもたれるネタは少ないほうが良い。
うん、という訳で起きなくてよかったという事にしておこう。ギリギリを攻めるんだから、簡単に起きてもらっても困るし。ちょっと釈然としないけど。
気を取り直して次いこ。嗅覚、聴覚と来たら残るのは触覚と視覚と味覚。まあ、触覚は既に身体がくっついてるからあまり意味はない。っていうかガッツリ触覚ってなると普通にセックスすることになるだけだから最終手段だ。となると味覚か視覚か……アホみたいに口開いてるからそっちに行ってもいいけど、なんとなく視覚の方から行く事にした。
レム睡眠中は眼がピクピク動くって聞くからそれを見たいっていうのが決め手だった。
「ふふっ、御開帳~」
敦の瞼に指を当ててそっと開く。開かれた瞼の奥では期待通りに瞳がピクピクと動いていた。
「……思ったよりつまんない」
特に何もしてないのにせわしなく動く敦の瞳。ぱっと見には面白かったけど、秒で飽きた。ただ動いてるだけでちょっと気味が悪いのもあるけど、敦の顔なんて見飽きたものをじっと見つめてみようなっていう風に考えたのが間違いだった気がする。
「んぅぅ……」
無理やり目を開かれてたのが嫌になったのか、敦は顔を背けあたしの指から逃れる。っていうかこれでも起きないのか。普段は大音量で叫んで飛びかかってたりしたからあっという間に起きてたけど、こうやってギリギリを攻めるように控えめに起こそうとすると敦は全然起きない事がわかった。
仕方ない、ここからはもうちょっと強めに行こう。
「よっ、と……」
敦がパジャマ代わりに来ているTシャツを捲くりあげて、出てきた乳首をぺろりと舐める。舐めた瞬間にぴくっと震えた敦にニヤニヤを隠せない。まあ、隠した所で敦が見てるわけでもないから意味ないんだけど。
ぺろぺろと何度も乳首を舐ると徐々に舌の先で勃ってくるのを感じながら、そこをちょんちょんとついてやる。
「んんっ……ふっ……」
敦のキモい声が聞こえてくる。いつもの事ではあるけど、あたしがなにかする事で敦が反応を返してくれるのがやはり楽しい。それが怒声であれ嬌声であれ、泣き声であれ敦が反応してくれるのが本当にくせになる。
「くす……」
胸から唇に移動する。アホらしく開いてる敦の口。その口をあたしの口で塞いで舌を絡ませた。開けっ放しにしていたからか乾ききっている敦の口を湿らせてあげる。気管に入ったら大変な事になりそうだから唾液そのものを送り込むのはやめておく。その代わり口内全体を舌でたっぷり舐ってやろう。
「ちゅ……ふ……」
あたしの舌から敦の口に湿気が移っていく。上、下、左、右、順番に舌を伸ばし、最後に舌と絡ませた。
「ん、んぅ……んんっ……」
舌、そして顔と逃げようとする敦を固定して口内を蹂躙する。舌が何処かに触れる度に反応する敦の感度は結構高くなってるように思う。乳首を勃たせてるのもあるし、中に入ってるちんこも大きくなってきてる。まあ、まだまだ出るほどではないけれど。
「んぅ……むぅ……」
舌を絡ませて、何度も舌を蹂躙する。それに合わせて勃っている乳首を潰すように身体を密着させた。
「ん、んっ、んんっ……んんんっ!?」
あ、起きた。
ようやく起きた敦と目が合う。
突然の状況に驚いた敦は、寝起きにも関わらず目を大きく見開き、ぐいとあたしを引き剥がした。
「何やってんだ和海ぃ!」
「何って、見てわかるでしょ。ナニよ」
「って、おま、それ……!」
「ふふーん、いいでしょ。貸さないわよ」
あたしを見てもう一度驚いた敦。そんな敦に見せびらかすよう、もったいぶるように身体をくねらせた。
「人の体を借りるなんてお前以外にできるか! って、ばっ! やめっ」
「ほらほら、敦も怒ってばっかいないで楽しもうよ。気持ちいいでしょ」
上半身は引き剥がされたけど、未だにちんこが入ったままの腰を回し、敦へと快感を送る。きゅっとまんこを締め付けて快感を倍加させた。
「起きたらいきなり入れられてたとか、お前はいつも突然すぎんだよ! このっ!」
「んぅっ!?」
ぐりぐりと回している腰が下から上へと跳ね上がった。ガツンとした衝撃が身体を走りゾクッとした快感へと変換される。
「やるわね、敦のくせに」
「だれかさんに鍛えられてるからな」
「ふーん、じゃあ、こういうのはどう?」
あたしは敦の額に指を当てると、少しだけ霊体を入れ込み敦の口を開いた。
「『俺は腰の動かし方を忘れる』。あ、和海、てめっ」
あたしに口を奪われた敦は自分が何を言ったのか理解してあたしを睨む。しかし、敦は腰を動かす事ができずにあたしに良いように貪られる。
「くっ、ぁっ……かずみっ」
締め付けられ、扱かれ、押し付けられ、ちんこを通して送りつけられる快感に敦は歯を食いしばって首を振る。呼吸は早く、細かく乱れ、瞳は睨みながらもその中に弱々しい懇願も見て取れる。
「ね、出したいでしょ?」
キュッと締め付けながらも気持ちよくなりすぎない様、絶妙にまんこの動きを操作する。
ぺろりと敦の耳を舐めて、そっと呟いた。
「出したければ出してもいいよ。出せるもんならね……んむぅっ!?」
その瞬間、敦に頭を掴まれて唇を奪われる。さっきまではあたしが一方的に貪っていた口内を今度は敦と互いに責め合う事になる。
「んんっ、ちゅっ、あむぅ、ふっ、んっ」
「ぢゅ、んぅっ、あ、はぁっ、んんぅっ」
舌を伸ばし互いに絡ませ合う。そして、口蓋や頬、歯肉など舐め回し快感を伝えていく。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ」
敦の呼吸が耳に届く。その音は聞いているだけで興奮し、あたしも共鳴して興奮を深めていく。
敦の舌と絡み合いながら腰を動かす。その動きに連動して密着した胸の乳首が互いに擦れあった。
口、胸、腰とあたし達はそれだけの体になる。全身から快感が伝わり、全身で快感を伝える。敦はとっくにギリギリの快感を味わっているが、実はあたしも同じだ。敦ならとっくに気付いているだろう。ゾクゾクした快感が身体を走り、もっともっとと欲しているが、これ以上受け入れたらあたしもイクしかない。
腰を、胸を、舌を動かしながらももう限界だと敦を見る。限界なのは敦も同じなので、密着してるにも関わらず敦と目があった。ただそれだけで伝わる互いの意思。確認の首肯も行えない、行わないまま互いの意思を読み取ったあたし達はそれぞれの動きに専念する。
敦は舌、あたしは腰。互いに快感を伝え、受け取るように動き、それに合わせてあたし達が感じる快楽はあっという間に跳ね上がる。
「はあっ、あっ、んぅ、ちゅぅ」
「むぅ、んんぅ、ふぅっ、ぁっ」
もうどこが感じてるとかわからない。全身が快感を叫び、全身で快感を貪る。視界は白く染まり、耳鳴りも止まらない。匂いは体臭と体液の匂いしか感じず、舌は唾液と口の味しか伝わらない。触れている感覚は全て相手の身体だし、意識も相手と自身の感じている快感にしか向かわない。
そんなあたし達はしかし終了の刻限が迫っている事は理解していた。もはや際限の無いように思える快感はとっくに限界を超えていて、次でイッてしまう事。だけどその絶頂はとんでもなく気持ちいいものだとわかっている。そして、その上であたし達は自分達でトリガーを引いた。
「「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」
果てしない絶頂。互いに唇を重ねたまま音のない絶叫を上げる。そして、あたしのまんこは敦のちんこを気持ちよく締め上げ、それに応えて敦は中へと熱い精子を迸らせた。それにより更に快感を叩きつけられる。絶頂と余波を何度も感じ、あたし達は満足感と倦怠感、そして幸福感に包まれながらも脱力した。
<了>
読みましたー。
完結お疲れさまでした。
ふむむ、霊体を使ったMC。
これ、覚醒後の状態でどの程度まで操作が可能なのか分かりませんが、遠隔で本体と同時に動かせるほどに使いこなせれば非常に強力そうですね!
言葉を使う必要がある以上、日本語を理解できない相手や耳が聞こえない相手に通用しなさそうなのがちょっとした難点ですが。
次回作も楽しみにしております。
・・・感想消えちゃった(T_T)
誤字修正が大量になったのでファイルごと送って差し替えてもらったんでぅが、どうやら別記事扱いになったらしく感想まるごとなくなったのでぅw
感想をくれた皆様方、申し訳ございませんでよ。
うん、気を取り直して。
てぃーにゃん、感想ありがとうございますでよ。
>これ、覚醒後の状態でどの程度まで操作が可能なのか分かりませんが、遠隔で本体と同時に動かせるほどに使いこなせれば非常に強力そうですね!
基本は今までと同じでぅ。幽体離脱して相手の身体に入り動かす。という形になるので本体に入ったまま相手も動かすとなると和海の幽体が自分の本体と相手の身体に微かに触れるくらいまでが射程距離でぅ。和海は身長高くないので頑張っても2mくらいでぅかね。き、近接パワー系!
加えて、見えない相手なら良いんでぅけど、もしも若菜みたいに見える人が見てた場合必死に手を伸ばす和海という微笑ましくも間抜けな姿が見える事でしょうw
一応、距離があっても入る事は出来るのでぅが、その場合本体からは完全に抜けるので本体は昏倒してる状態になりますでよ。無防備になるので本体は何処か安全な所置いとくか誰かに見ていてもらう形にになるのでぅ。なお、幽体離脱自体は修行時代にばあちゃんの手でさせられた事もあり、今回の事件で完全に習得いたしましたでよ。
>言葉を使う必要がある以上、日本語を理解できない相手や耳が聞こえない相手に通用しなさそうなのがちょっとした難点ですが。
日本語が理解できない相手には確かに通用しないんでぅが(和海が相手の言語を覚えればいけなくもない・・・覚えられるかは別でぅがw)、後天的に耳が聞こえなくなった相手にも一応通用しますでよ。
正しく言うならば、「自分が話している内容を理解できない相手には通用しない」なので耳が聞こえなくても自分が何を話しているのか理解出来れば通用しますでよ。
だから、むしろ問題なのは口がきけない相手でぅね。声帯が潰れてたりなんだりで音が出せない人とか。生まれつき耳が聞こえなくて声の出し方とかわからない人は和海が声の出し方をわかるけど、自分が何を発音してるのかわからないので、和海の能力が通用しないのでぅ。
スパロボ30結構面白い。
仕事で追い込みかけられて、こちらのサイトの訪問が疎かになってしまっていました。
みゃふさん、遅ればせながら読ませて頂きました!
若菜ちゃんの登場で一気に対決展開かと思いましたが、肉体操作+快感責めへ。
みゃふさんの好みをガッチリご提供頂いたという、満足感で一杯です。
若菜ちゃんの視力と霊の見え方の関係、面白い。生霊が存在し続けるためのロジックもそうですが、
こういう設定がしっかりしていながら、エッチな描写がとても丁寧で、
フルコースを堪能した気分です。掲載後に即、読んでズバッとフィードバックしたかった。。
本当にすみませんでした。
永慶さん感想ありがとうございますでよ。
>若菜ちゃんの登場で一気に対決展開かと思いましたが、肉体操作+快感責めへ。
言われてハッとなりましたでよ。そう言えばこれ、肉体操作だったw(え?)
感度アップのほうが比重を大きく書いてたので忘れてましたでよ。っていうか肉体操作は動かされてる女の子の戸惑いがあるほうが好みで、その点今回は若菜が入られた事も動かされてることも知ってる上にある程度覚悟も持ってるので、みゃふの好みの肉体操作からはちょっと外れてる感じでぅ(めんどくせえ奴w)
今回は感度アップやそれに伴う無知な若菜の戸惑いがポイントでぅ。
感度アップも好きでぅけどね!(割と雑食)
>若菜ちゃんの視力と霊の見え方の関係、面白い。生霊が存在し続けるためのロジック
視力の設定を思いついたのはこれ書いてた時で死の線を眼鏡で見えなくしている遠野志貴、両儀式(タイプムーン)みたいな能力を抑えているだけのキャラはいるけど単純に目が悪い眼の能力者って面白くね?となりましたでよ。視力と霊視が両立しないのが面白そうだと思ってましたので面白いと言ってもらえてとても嬉しいでぅ。
力の流れの設定に関しては設定だけ考えてた別作品の能力の流用でぅ。魔法とか、超能力とか世界全体の基礎設定として考えてるので他の作品でもこういう設定を下地に書いてるものがありますでよ(天使と悪魔とか)
ただ、もともとの作品が設定だけ考えてまだ全然書いてないという悲しいオチで今回ちょっとでも力の設定を書けたことが嬉しかったりもしますでよ。(いや、その作品を書けよw)
>掲載後に即、読んでズバッとフィードバックしたかった。。
>本当にすみませんでした。
いやいや、感想を書いてくださるだけで嬉しいでぅ。
前回もそうだったけど、nakamiさんや永慶さんに比べて更新後の反応がなさすぎて悲しくなってたところなので(比べるのが間違ってるけど)
やはり反応がないと書いてても虚しいだけでぅね。
出遅れて、先ほど読ませていただきました。お疲れさまでした。最後まで面白エロく読ませていただきました。
なるほど霊能者の家系だったからエロエロできたんですね。
身体に戻っても言霊は使えるようですので、いつか書かれるだろう「いきし」なども楽しみにしております。
らんぱくさん、乾燥ありがとうございますでよ。
>なるほど霊能者の家系だったからエロエロできたんですね。
あい、幽体離脱は過去に経験させられた事があったので、また、頻繁に敦の側にいてどっちも大丈夫だったのは素質が有ったからでぅね。
>身体に戻っても言霊は使えるようですので、いつか書かれるだろう「いきし」なども楽しみにしております。
今回の事件で完全に幽体離脱をものにしてしまったのでそのまま憑依と言霊の能力は使えるようになりましたでよ。
いきし・・・いきし・・・ねぇ。
正直今回の書いた分だと和海が全然セフレ感ないなぁって思ってるんでぅよねぇ。和海が敦を振り回しているのはいいんでぅけれど、敦と若菜くらいにしか和海が見えていないので必然的に和美の相手を敦しかしていないのは気になってますでよ。
敦や和海の恋バナを書いてみたい気もするんでぅよねぇ(もちろん相手は互いではない)
絶対書くとは約束できませんが、万が一書いたらその時はよろしくおねがいしますでよ。
あ、らんぱくさんが書いていただいてもいいでぅよw(宇宙人の置き土産とか紫のピアスとか好きだったのでノクターンに投稿された時はかなり嬉しかったでぅ。感想書いてないけどw)
最後まで楽しく読みました。
催眠ものは割かしメジャーなジャンルになってきましたが、本小説のような、「本人の思考を途中で書き換え」というのはあまり無く、本人の思考プロセスはそのままに思考結果が変わっていく描写がとても刺さりました。
和海と敦のキャラもあってストーリーも明るく、楽しく読むことが出来ました。
こちらのサイトは10数年振りくらいに訪問しましたが、まだみゃふさんや永慶さんが活動されててビックリしました、流石です👏( ˊᵕˋ*)パチパチ
南国さん、感想ありがとうございますでよ。
確かに最近メジャーなのは催眠アプリとかで常識変換、肉体操作、惚れさせるなどでほぼ一発で色々書き換わる感じなのが多いでぅね。それが悪いわけじゃないでぅけど、落ちたあとにあまり興味がわかないみゃふとしては導入描写とか暗示を入れて書き換えていく描写がやはり楽しいでぅ。
10数年・・・この作品自体が抹茶の20周年記念で書いた作品なので(終わったのは一年後でぅけどw)、そういう人もいてもおかしくないでぅね。
全盛期がそれくらいからだと思いますでよ。当時は個人サイトはあれど、なろうなどの企業サイトは始まったばかりでまだ抹茶に集中して投稿されてた頃でぅね。めっきり投稿者も感想書きも少なくなってしまいましたが、色々感想を書いていただけると投稿者も書きたくなると思いますでよ。(お前は管理人かw)
催眠描写が普及するのは良くも悪くもいいことだなと思います。2コマ即落ちが食べたい時もあるしね笑
まあその分、とても好きになる作品に出会うことが少なくなっていたので、たくさん投稿されているnovelsを色々見てみようと思います。
懐かしいですね、Arcadiaとかもあったな。
きつねくんのドールメイカーカンパニーをリアルタイムで読んだ記憶があるので本当に17年前ですね。今はコメント形式ですが、当時は感想掲示板でしたよね?拙いながらも感想を書き込んでたなー。
なんだか懐かしい気持ちに浸れました、ありがとうございます。