催眠術師 鋭次03 (17)(18)

(17) 恥辱の検温、その4

☆体重測定

「鋭次様、最後は、体重測定になります。おそれいりますが、こちらにお願いいたします」
 満里奈は、ベッドの淵側の座り、リラックスしているVIP患者様に対して、ベッドから少し離れた、明るい窓側近くの場所に移動してもらうようにお願いした。
 満里奈は、ヘルスメーターを床に置くと、体重計に乗るように鋭次にお願いした。
 ヘルスメーターの前には、新人看護婦の紀子が、恥らうようにしゃがみ込んで、VIP患者様が、体重計に乗っていただくのを待っていた。
 最近の病院では、デジタル式のヘルスメーターを使用している病院も多いが、この病院では、そうではなかった。針が指すタイプの従来のタイプのヘルスメーターを使用していたのであった。

 体重計の前に、しゃがみ込んだ紀子は、とても恥ずかしそうにしていた・・・
 それは、紀子の今の状態によるものであった。新人看護婦の紀子は、膝上20センチのミニスカート白衣を支給されていた。
 その白衣は、その状態だけで、屈んだり、伸びたり、少し大きな動きをしただけで、スカートの中が充分見える状態になるのである。
 況してや、しゃがみ込んだ場合は、完全にスカートの中身が丸見えになる事は間違いない。
 一部の先輩看護婦のスカートは、普通の丈の長さなので、白衣を少し下げる様にして、足元を被って、パンティを見えないように隠して、上手く体重測定を行っている。
 しかし、新人看護婦には、ミニスカートの白衣しか、支給されない事になっている。
 その事に対して、不平不満を言う者も無く、みんな、その白衣で、看護医療に従事している。
 その白衣が、新人看護婦の白衣であると、規則で定められているからである。

 紀子は、最初、足をピタリと閉じて、体重計の前にしゃがんでいたが、いつまでもその様な苦しい体制が続く訳がない。
 鋭次が、体重計に近づく頃には、少し足が開き、和式便所にしゃがみ込む様な体制になっていた。
 鋭次が、体重計に乗ろうと、紀子の前にしゃがむと、紀子のパンティが完全に見える状態になっていた。
「可愛いピンク色のパンティだね」
「鋭次様・・・見ないで・・・ください・・・」
 新人看護婦は、真っ赤になって、早く測定が終わる事を願っていた。
「それじゃあ、測定してもらおうかな」
「はい、鋭次様。しばらくお待ちください」
 紀子は、針の揺れが止まるのを待ち、測定を行おうとしていた。
 鋭次も、自分の体重を知ろうとしてなのか、体重計の上でしゃがみ込み、不安定な為、体重計を揺らしていた。
 そこには、お互いに向かい合って、しゃがみ込んでいる男女の姿があった。
 そして、明るい窓際の所は、日の光を浴びて、一層、スカートの中が良く見える状態になっていた・・・

 鋭次のしゃがみ込みも落ち着き、体重計の針が、止まろうとしていた時、スカートの中を見つめていた鋭次が声を出した。
「おや?! 紀子ちゃん・・・いや、なんでもないよ・・・」
 明らかに、鋭次が何か言いたげであり、その動揺により、体重計の針も、また、揺れる状態になってしまっていた。
 その声に、紀子も、ドキッとして、脳裏に、鋭次に見つかってはならない事が、バレたのではないかと不安になっていた。
 しかし、すぐに、鋭次の動きは落ち着き、体重計の針は、ほとんど動かなくなった。
 紀子は、この状態を早く抜け出したいので、すぐさま測定を行った。
「えーと・・・鋭次様の体重は、62キロです・・・」
 そう言うと、測定が完了した事を素早く、VIP患者様に伝えて、体重計から下りていただくように言った。
「以上で、測定は終わりです」
「分かったよ。ありがとう」
 鋭次は、優しく返事をして、新人看護婦の検温作業の完了を温かく見守った。

 紀子は、それぞれの測定の結果を、検温用のミニカルテに記入して、最後の問診に取り掛かかろうとしていた。
 やっと、長い恥ずかしい検温が終わろうとしていたのである。
 しかし、頭の中では、先程の鋭次の言葉がとても気になり、不安さが増していた・・・
 『男性患者様に、パンティが濡れている事は、絶対に見つかってはならない!!』
 『パンティが濡れている事に気づかれた時は、パンティを着替えなければならない!!』
 『”規則の手帳”にも、注意書きが記されているので、とても注意しなくてはならない!!』
 紀子の頭には、強く教え込まれた暗示が浮かび上がっていた。
 体重測定を行う前に、紀子は、鋭次に呼び止められ、振り返ると、鋭次の目が光、紀子の目がとろーんとなった。
 そして、今、紀子の頭に浮かんでいる重要な暗示を、掛けられたのである。
 そして、甘いキスをされると、紀子の脳裏に、その暗示が、強く刻み込まれたのである。
 キスが終わると、何ごとも無かったように、体重測定の準備に取り掛かったのであった。
(さっきの鋭次様の言おうとした事は・・・もしかして・・・)
(もしかして、恥ずかしい姿が、見つかっちゃったの!?)
(もし、鋭次様に、あの事が・・・見つかってしまっていたら・・・私、どうすればいいの・・・)
 紀子の頭の中に、不安な想いが、次々と浮かんできてしまう。
 そんな様子を知ってか、知らないかは分からないが、鋭次は、紀子に声をかけた。
「検温は終わったんだろう? お疲れ様」
 鋭次は、優しい声を掛けたが、紀子は、不安な表情で、答えるのであった。
「ありがとう・・・ございます。鋭次様。あと・・・問診がありますので・・・」
「どうしちゃったのかな? 何か様子が変だよ。体調でも悪いのかな?」
 鋭次は、紀子の身体を気遣い、再び、優しい声をかける。しかし、体調が悪い訳ではないので、紀子は平静を保とうとした。
「いえ・・・何でもありませんので・・・ご心配なく・・・」
「そうかい。だったらいいんだけど」
 紀子の脳裏には、良くない事ばかりが浮かぶようになってしまっていた・・・

☆特別問診

「それでは、最後は、問診で終わりです。鋭次様、何か、他に、お身体に悪い所は、ございませんか?」
 先輩看護婦の満里奈が、VIP患者様に聞いた。
 その声を聞き、紀子は、ミニカルテに患者様の言葉を書きとめようとしていた。
 しかし、紀子は、鋭次の返答により、特に、何かを書く必要は無かったのである。
「今のところ、何もないよ。ただ・・・」
「何か、気になる事が、おありでしょうか・」
 ちょっと、引っ掛かる様な発言に、満里奈は、心配そうに、VIP患者様に問い直した。
「いや・・・ちょっと、紀子ちゃんと二人で、大事な事を打ち合わせしたいんだけど・・・」
「そうですか。分かりました。今後の事もありますので、どうぞ、ゆっくりお話して下さい。
 坂井さんは、この後、他の患者様の検温の予定はありませんので、ごゆっくりお話下さい。婦長には、私が言っておきます」
「そうかい、助かるよ。じゃあ、満里奈は、看護婦詰所に戻ってくれるかな?」
「はい、鋭次様。その様に致します。それでは、失礼いたします。坂井さん、打ち合わせが終わったら、看護婦詰所に戻るようにね」
「はい、先輩」
 その声を聞き、満里奈は病室から出ていった。そして、部屋を出る時に、入り口の二重扉を閉め、
 部屋の外には、『重要な打合せ中!! 入室厳禁!!』というプレートを掛けて、この部屋に誰も入らないようにするのであった。

「あの・・・大事なお話って・・・」
 満里奈が出て行き、鋭次と二人きりになった紀子は、鋭次がどのような話があるのか、聞いてみる事にした。
 初対面の男性患者に、先程から、執拗なまでの陵辱行為を受けた紀子は、二人きりという状況に不安もあった。
「ちょっと、気になる事があってね」
 鋭次の意味ありげな言葉に、紀子の不安は、徐々に高まっていた。
「あの・・・どんな事でしょうか?」
 紀子は、何かは分からないが、とにかく聞いてみる事にした。そして、致命的な弱点を突かれる事になるのである。
「実は・・・もう一度、体重測定をして欲しいんだよ。さっきの測定結果、俺はそんなに太っていないと思うんだけど」
 鋭次は、照れた様に明るく笑い、再測定のお願いをするのであった。その様子からは、悪意など感じず、普通の好青年に見えるのであった。
「なあんだ・・・そんな事だったんですか?」
 爽やかな好青年の申し入れに、紀子の不安は一瞬、消えてしまったのである。
 紀子も、可愛い顔で、小さく笑い、好青年の申し入れを嫌がることなく、受け入れるのであった。
 どちらにせよ、VIP患者様のこの様な申し入れには、断らずに受けるように、規則となっている。
 これから、重要な弱点を見つけられるとも知らずに・・・

 紀子は、明るい窓際の所で、ヘルスメーターの準備を行うのであった。
 そして、ヘルスメーターの前に、しゃがみ込むと、VIP患者様に、可愛い声を掛けた。
「それでは、もう一度、体重測定をしますので、こちらに来ていただけますか?」
「ああ。よろしく頼むよ」
 好青年は、新人看護婦の待つ、ヘルスメーターの方に歩み寄った。
「これで、気になってた事が、良く分かるようになるよ!」
 鋭次は、何やら楽しみにしているようであった。紀子は、体重の事を言っているのだろうと、小さく微笑むのであった。
 鋭次が、ヘルスメーターに乗ると、その上でしゃがみ込む様な体制となり、紀子と向かい合うような感じになった。
 しばらくして、体重計の針が落ち着こうとしていた時に、鋭次の疑問は、確信へと変わった。
 その様子は、何となく紀子にも伝わり、鋭次が何か言おうとするのが分かった。
 そして、宣告するように、鋭次の声が大きく聞こえた。
「よーく分かったよ! 充分に、確認する事が出来たよ!」
 鋭次は、少し、興奮したかの様に、決定的なものを確信したように言った。
 しかし、紀子には、何の事か、すぐには分からなかった。
「あの・・・まだ・・・体重計の針は、止まりきってないですけど・・・」
 鋭次の興奮で、まだ、体重計の針は、揺れたままの状態になっている。何が確認出来たというのだろうか?
 紀子は、不思議に思っていたが、鋭次の微妙に喜んだ視線の先に、決定的な弱点が見つけられていた。
「あっ! 鋭次様、見ないで下さいっ!」
 視線の先には、先程まで、たっぷりと陵辱を受けて、べちょべちょに濡れているパンティがあった。
 紀子は、鋭次に、その事を気づかれてしまったのである!!
 紀子は、禁断の弱点を見られないように、両足を固く閉じて、隠そうとしたが、バランスを崩してしまい、
 鋭次に抱きつく様な体制で、倒れこんでしまった。逞しい胸板が、倒れ込んできた美少女看護婦を受け止める。
「大丈夫かい? パンティが濡れている看護婦さん?」
「だめ・・・言わないで!」
 紀子は、鋭次の胸の中から離れようとしたが、バランスを崩したままで、なかなか鋭次から離れる事が出来なかった。
「たくさん濡れちゃってるじゃあないか?! どうしたのかなあ?」
 鋭次が、紀子を抱えたまま、片方の手をパンティに触れたのである。
「いやっ! 触らないでくださいっ!」
 紀子は、必死になって、逃れようとしたが、起き上がろうとするのが、精一杯であった。
「ふっふっふ。こんなに濡れらしちゃって! 恥ずかしい看護婦さんだね!」
「ああっ! お願いっ、言わないでっ!」
 紀子は、真っ赤になって、立ち上がり、鋭次から離れたが、どうしたらいいのか分からず、その場に立ち竦んでしまっていた。
 鋭次も、ゆっくり立ち上がり、真っ赤になっている新人看護婦に優しく声を掛けた。
「立ち話もなんだから、そちらのソファに座ってよ。”規則の手帳の事”は知っているからね!」
 鋭次は、半ば命令口調のような感じで、赤くなっている新人看護婦に、ソファに座るように命令した。

(18) 新人ナース、禁断の秘密

 VIP病室内にある高級ソファは、大人四人が並んで座っても、十分に余裕のある大きさのものであった。
 紀子が、ソファに座ると、その横にピッタリと、くっ付いて鋭次が座った。
 紀子は、真っ赤になって、鋭次が何を言うのか、ドキドキして、頭を悩ませていた・・・
(ああ・・・やっぱり、鋭次様に、恥ずかしい姿が見つかってしまっていたのね・・・)
(とうとう、鋭次様に、パンティが濡れている事を見つかってしまったのね・・・)
(私、どうなっちゃうの・・・鋭次様の前で着替えなければいけないの?)
 紀子は、この病院の看護婦にとって、絶対的である”規則の手帳”のことを思い出し、頭を悩ませていた。
 そう言えば、規則の手帳には、一体、どのように書かれてあったのだろうか?
 紀子は、何となく覚えているような、覚えていないような、あやふやな感じであった。
 しかし、そこに書かれてある事は、絶対に守らなければならない事だけは、しっかりと意識していた。
「ふっふっふ。こんなのでいいかな?」
 鋭次は、ビニール袋に入った包みをソファの前のテーブルに置くと、紀子に確認するような感じで言った。
「そっ、それはっ!!」
 それは、女性用の下着。パンティであった。袋に入っている事から、新品の物であることは誰にでも分かった。
 薄いピンク色で、綺麗な刺繍がワンポイントあった。高級なシルク素材で出来ているようであった。
 清潔で清楚な感じのするパンティで、紀子が身に着けているものに近いものがあった。
 値段的には、こちらの方が、高い値段である事は、紀子にも分かった。
 これをどうしようと言うのか? これに着替えろと言うのか?
 紀子は、不安な表情で、その新しいパンティを見つめていた。

「パンティが濡れているのが見つかった看護婦さんは、どうなるのだったかなあ?」
 鋭次は、隣りで赤くなって、大人しくなっている紀子に質問をした。
「知りません・・・」
 紀子は、パンティを着替えなければならないという規則を分かっていたが、今、この場で、そのような事を出来るはずが無いと思い、そのように答えた。
「そうかい。それじゃあ、”規則の手帳”を見て、確認してもらおうかな?」
 紀子は、”知りません”と答えたことにより、一層、窮地に立たされる事になるのである。
 紀子は、断る事も出来ず、白衣のスカートのポケットから、”規則の手帳”を取り出して、その事が書かれてあるページを探した。
 どこかに書かれてあったと思うのだが、なかなか、そのページにたどり着く事が出来なかった。
 そこで、意外にも、鋭次の口から、助け舟の声が聞こえた。
「第25条の辺りに、あるんじゃあないかなあ?」
 鋭次の言った通りに、その辺りのページを調べると、目的のページを見つける事が出来た。
 まるで、鋭次は、この事を知っているかの様で、紀子は、一層、不安になるのであった。

 ”規則の手帳”の第25条には、紀子の脳裏に刻み込まれた内容と同じ事が書かれてあった。

 ※※ 聖心病院、看護婦規則、第25条、患者様の前でパンティを濡らしてしまった場合について ※※

 1.男性患者様には、パンティが濡れている事は、絶対に見つかってはいけません。
 2.パンティが濡れている事に気づかれた時は、パンティを着替えなければいけません。
 3.患者様の指定する場所で、すぐに着替えなければいけません。

 4.パンティを着替える理由は、以下によるものです。
 濡れたパンティを履いていると、風邪をひいてしまいます。
 看護婦が風邪をひいて、患者様に、風邪をうつす事になっては絶対にいけません。
 パンティが濡れているのを見つかったら、早急に着替えなければいけません。

 紀子は、”規則の手帳”を見て、真っ赤になっていた。そして、手帳の中身を鋭次に見られないようにしようとした。
 しかし、そんな様子をとる紀子に対して、鋭次は、サラッと言ってのけた。
「パンティが濡れているのを見つかっちゃったね。恥ずかしい看護婦さんっ」
「恥ずかしいです・・・言わないで・・・ください」
「紀子ちゃんは、パンティを着替えなければいけないんだよね?」
「そっ、それは・・・」
「手帳を隠してもダメだよ。手帳の事は、満里奈に見せてもらった事があるので、知っているんだよ!」
「ああ・・・そんな・・・」
 恥ずかしい規則に躊躇いをみせる紀子に、追い討ちの言葉をかける。
「紀子ちゃんは、パンティが濡れている事を男性患者様に見つかっちゃったんだよ! これがどういう事か分かるよね?」
「それは・・・」
 紀子は、言いかけて、真っ赤になって、何も言えなくなっていた。
 まだまだ、これから、体験した事のない恥ずかしい行為はあるのだが、今の紀子にとっては、濡れたパンティを男性患者様に見つかるという事が、最上級のあってはいけない恥ずかしい事であると脳裏に焼きついていた。
 紀子は、この事を誰にも言われない為に、”規則の手帳”に従い、パンティを着替えるしかないのだと思うようになっていた。
 再度の念入りの質問に、紀子は返答しなければいけない事に気づいた。
「パンティを着替えるんだよね?」
「はい・・・着替えます・・・」
「物分りの良い看護婦さんで助かるなあ。それじゃあ、俺の指定する場所で着替えてくれるかな?」
「あっ、あの・・・そちらの部屋の隅のカーテンの所で、着替えさせてください・・・」
「だめだよ」
「えっ?」
「患者様の指定する場所で、着替える事 って書いてないかな?」
「はっ、はい。それは・・・そうです・・・」
「じゃあ、俺の指定する場所で、着替えてもらうよ」
「わっ、分かりました・・・」
 紀子は、どんどん、”規則の手帳”の通りに、行動をする事になってしまう。

「それじゃあ、ここで、着替えてもらおうかな」
 鋭次は、紀子をVIP病室の奥の方にあるスイートベッドに連れて行き、指を差して言った。
 とても広くて、綺麗なそのベッドは、とても寝心地の良いベッドであると、見た瞬間に分かるものであった。
 大人四人が並んで寝たとしても十分な広さであった。
 しかし、その美しさとベッドの広さからして、そのベッドが、一人で寝る為のものでは無い事も想像がついた。
「ここで・・・ですか?」
 紀子は、広いベッドの上で、パンティを着替えるように、指定された。
 どうして、こんな所で着替えるのか分からないが、恥ずかしい秘密を握られている為、規則に従うしかないと思う紀子であった。
 鋭次の指定に了解を示し、先程のテーブルにあった、新しいパンティを取りに行こうとすると、鋭次の待ったがかかった。
「ちょっと待って! その前に、”規則の手帳”はよく読んだかい?」
「えっ? はい、読みましたけど」
「そうかな? 俺には、よく読んでいたようには見えなかったけどな!」
「えっ? あの・・・私、きちんと読んだつもりなんですけど・・・」
 紀子は、よく意味が分からないので、再度、”規則の手帳”を開き、その事が書かれてあるページを確認した。
 看護婦規則、第25条 は、ちょうど、ページの区切りの最後の方にあり、先程見た内容の事が書かれてあるだけであった。
 紀子が再確認を終えようとすると、鋭次が、指を差して、大きな声で言った。
「次のページに続いているだろ? そちらの方を見ていないんじゃあないのかい?!」
 鋭次に厳しい声で言われると、その内容は、次のピンク色のページに続いている事が分かった。
 紀子は、言われた通りに、次のページを見ると、みるみる紀子の顔が真っ赤になっていった。
「こんな・・・こんな事って・・・そんな・・・」
 紀子は、あまりの恥ずかしい規則に、信じられないといった表情で、立ち竦んでいた。

 ※※ 聖心病院、看護婦規則、第25条、患者様の前でパンティを濡らしてしまった場合について ※※
 ピンク色のページで、『●● VIP患者様の場合 ●●』(●はハートマーク)
 と書かれたページが、前のページから、続いていた。

 1.VIP男性患者様には、パンティが濡れている事は、絶対に見つかってはいけません。
 2.パンティが濡れている事に気づかれた時は、絶対に、パンティを着替えなければいけません。
 3.患者様の指定する場所で、すぐに着替えなければいけません。
 4.パンティの着替えは、看護婦自身で行うのか、VIP男性患者様の手によって行うかは、
 VIP男性患者様の指定により、決定します。必ず、従わなければいけません。
 5.VIP男性患者様に、パンティを着せ替えさせて貰っている時は、
 VIP男性患者様に協力して、VIP男性患者様に身を委ねる様にしなければなりません。
 6.VIP男性患者様に、パンティを着せ替えさせて貰っている時は、
 VIP男性患者様の手や指や××や××が、滑ったり、触れる事になっても、大人しくしていなければなりません。

「どうしたんだい? 確認は出来たかな?」
「あっ、こっ、こんな規則は・・・」
 紀子は、あまりの内容に、全てを捨てて、この部屋から、逃げ出してしまおうかと思い始めていたが、その前に鋭次の攻撃が開始されたので、それも出来なくなってしまったのである。
「パンティを濡らしている、とても恥ずかしい看護婦さん」
「言わないで下さい。何でしょうか?」
「ナースコールを押して、みんなに来てもらおうか?!」
 鋭次の攻撃に、紀子の顔は、真っ青になった。
 この最上級の恥ずかしい秘密は、誰にも知られてはならない禁断の秘密だからだ。
 これ以上、他の人間に知られるなど、絶対にあってはならない事である。
 しかも、このパンティを濡らしたという秘密は、VIP男性患者様に見つかってしまっている。
 今、他の人間が来られると、場合によっては、VIP男性患者様の指定によるが、男性にパンティを着せ替えさせられるところを、たくさんの人間に見られる事になってしまう。その様な事は、絶対になりたくない!!
 紀子は、ナースコールを押されると、今まで以上に、恥ずかしい秘密をたくさんの人間に知られる事になってしまう。
 それだけは、絶対に防がなければならない。 紀子は、どうにかして、鋭次の行動を阻止しなければいけなかった。
「ナースコールを、押しちゃおうかなあ?」
 鋭次は、看護婦達を呼び出すボタンに手をかけ、ボタンを押すような振りをした。
 紀子は、必死になって、その行動を止めようとした。
「鋭次様っ!! お願いです!! ナースコールだけは押さないで下さい!! お願いします!!」
「そうかい。このボタンを押しちゃあダメなのかい?」
「はい。お願いします。言う通りにしますから・・・」
「そうかい。それじゃあ、こっちに座って・・・」
 鋭次は、紀子に、ベッドの淵側に座るように勧めると、鋭次と紀子は、左右に並ぶような形で、座る体制となった。
「規則の手帳を出してくれるかな? 第25条のピンク色のページを見せてくれよ!」
「はっ、はい・・・」
 紀子は、言われるがまま、手帳を取り出し、そのページを鋭次に見せるのであった。
「ふむふむ・・・なるほどな! それじゃあ、この4つめの項目だけど、”パンティの着せ替えは、俺の手で行う!”という指定が出来るのかな?」
「はい・・・規則となっていますので・・・」
「それじゃあ、決まりだ! 紀子ちゃんのパンティは、今から、俺が着せ替える事とする! 分かったね?!」
「はい・・・鋭次様・・・」
 紀子は、仕方なく規則の手帳に従うこととなったのである。それが、どれ程の恥ずかしい行為に及ぶ事を知らずに・・・
「5つめと6つめの項目も、よく覚えておくんだよ!」
「ああ・・・恥ずかしいです・・・」
「ナースコールのボタンを押そうかい?」
「嫌っ! ナースコールだけはっ! ナースコールだけは、押さないで下さい! 分かりましたから・・・」
「そうかい。それじゃあ、始めるとしようかな」
 鋭次は、テーブルにある新しい清潔なパンティを取りに行くような様子であった。
 しかし、それだけではなく、部屋の奥にある机から、何やら、別のものも持ってくるような雰囲気であった・・・

< つづく >

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