2のよん(2日目・朝) すき?
ざばあぁぁぁ……っ。
「ふぅ……」
湯船につかりながら、あたしは溜息をついた。
この部屋のお風呂場は、ユニットバスではなくて(以前家族で泊まったホテルのお風呂はユニットバスだった)、ちゃんと洗い場と湯船が分かれているタイプだ。とはいってもお風呂場はそんなに広くはなくて、せいぜい2人入るのが限界の大きさだ。そういえば、あのとき行ったラブホテルのお風呂はもっと大き……いや、なんでもない。
それでも、湯沸かし器がついているわけではないから、お湯の調節とかは自分でやらなきゃいけなかった。おかげでお風呂のお湯の準備に時間がかかってしまった。
昨日、涼とイチャついたせいですっかり「熔けて」しまっていたあたしは、あろうことかお風呂に入ることも、歯磨きすることも忘れてしまっていた。あたしはおしゃれはしないけど、身だしなみには気を遣う。これでも一応女の子だ。……一応、と言ってしまう自分が悲しい。
というわけで、涼が買ってきたコンビニのおにぎりを食べたあと、こうやって昨日の分を取り返しているのだ。
でも、お風呂については、涼に「外に出る前に、もう一回するからね」と言われたので、とりあえず軽く身体を流すだけだ。彼女たるもの、彼氏が「したい」って言うのなら応えてあげるのが当然だ。
じゃばぁぁぁ……っ。
身体が十分温まったのを感じて、あたしは湯船から出た。というよりは、ちょっとお風呂が熱すぎた。これ以上入っているとゆでだこになりそうだ。少しお水を入れて温度を下げようかとも思ったけど、まあいいや。もう一回入ることだし。
ふと、あたしは自分の身体を見下ろす。
「昨日……ずいぶん、されたなあ……」
口をついて、そんな言葉が出た。
あたしは、胸もそんなに大きくないし、スタイルがいいわけでもない。でも、今日のあたしの身体は、何となく女っぽくなっているような気がする。もしかしたら、昨日涼とたくさんしたからかもしれない。単なる思いこみかもしれないけど。
とく……
昨日のことを思い出して、あたしはほっぺを赤くする。
……そうだ。さっさと出ないと。
涼を待たせていることを思い出して、あたしはさっさとお風呂を出た。
「……やっぱり、狭いとジメジメするなあ」
脱衣所に出たあたしは、そんな愚痴をこぼす。
周りの空気がジメジメしているせいで、タオルで身体を拭いてもまだ肌に水気が残っている感じがする。まあでもしょうがない。ここを出ればこんな感覚もすぐなくなるだろう。
タオルをあきらめて、あたしは足下に置いたものを拾う。
着替えは、灰色の縦縞が入った白いシャツだ。前のところがボタン式になっている、結構大きいシャツ。
もちろん、これは涼に貸してもらった。あたしは涼の彼女なんだから、涼の服を着るのは当たり前だ。
ボタンは全部外れているので、あたしはシャツを羽織り、順番にボタンを留める。男物のシャツだから、ボタンの付き方が違っていてちょっと戸惑った。
ちなみに、もちろん下着なんかは着けない。涼の服を着てるのに下着があたしのなんておかしいし、これだけでも、下半身は何とか隠せる。それに、せっかくの涼の服なんだから、肌で感じなきゃもったいない。
よし、っと。
がちゃ
「あ、おかえり」
「お出かけじゃないんだから。……ただいま」
あたしがお風呂場を出ると、涼はテレビを見ながらソファーに腰掛けていた。ちなみに涼は裸だ。そりゃそうだ、だって今は涼の服をあたしが着てるんだから。今日も残暑は厳しいし、クーラーは切ってあるし、寒くはないはずだ。
「よいしょっと」
涼はあたしが出てきたのを見て、ソファーから降りる。そのまま地面に足を広げ、開脚姿勢で座った。そして涼は、涼の足の間にできたスペースを「ここ」と指し示す。もちろんそこは、彼女であるあたしの指定席だから、躊躇なく座る。
涼が、後ろから抱きつく。
「あー、あったかーい」
当たり前だ。あたしはお風呂から出たばっかりだし。
あたしは涼にもたれかかりつつ、テレビに目を移す。どうも、血液型占いらしい。
ちなみにあたしはA型で、涼はB型だ。以前一緒に救急番組を見たときに、涼に聞いたことがあるから知っている。
あ、A型が1位だ。よし、今日もいい日になるかな。
「げ」
「……B型は最下位だね、涼」
あたしはそう声をかける。涼は占いなんか信じなさそうだけど、それでも自分の血液型の運勢が悪ければ気分は良くないだろう。
ちょっと拗ねたのか知らないけど、涼はリモコンでテレビを消した。そのままあたしのお腹に手を回す。
涼は、お腹に回した手で、さわさわ、とお腹を触る。涼は彼氏だから、あたしの身体を触るのは当たり前だ。
「……ふ……」
良くわからないけど、溜息が漏れた。なんだか、心地いい。
そのままぼうっと涼の手を眺めていると、涼の手が段々上に上がり始めた。
あ、涼、胸を触る気だな。
もちろん、涼は彼氏だからあたしの胸を触っても(ぴくっ)
あれ?
涼があたしの胸を触った途端、あたしの身体に快感のようなものが走った。
なんで?
「……ん……ふぅ……んぅ……」
そんなことを考えている間もなく、あたしの胸からどんどん快感が上ってくる。
なんで、突然?
快感に理性が熔け始めながらも、あたしは突然気持ちよくなり始めた理由がわからなかった。
「……んふぅ……ぅ……」
「都ちゃん、どうしたの?」
「な、何でもない……」
な、なんだかわからないけど、まず涼には気づかれないようにしないと……いやらしい女だって思われる……
「ね、都ちゃん、今、僕、何やってるように見える? 教えて?」
「……いきなり、何?」
「都ちゃん、彼氏が何をしてるのか教えるのは『常識』でしょ?」
……あ、そりゃそうだ。あたしは彼女だもん。
「ええっと、あたしの胸を触ってるよ?」
「胸のどこを?」
「んんと、乳首?」
どう答えりゃいいかよくわからなかったけど、涼はそれで満足したらしい。
「ん」
「……はぅっ……!」
涼が乳首をつまんだのと同時に、あたしの身体が跳ねた。
わ、わかんない……なんで?
「都ちゃん、ほんとにどうしたの? 何か変だよ」
「べ、別に……何ともない……くぅぅ!」
そう答えつつも、あたしの頭は混乱していた。
あたしの身体を見下ろしても、涼の手があたしの身体を、シャツの上から触っているだけだ。気持ちよくなるようなことは何もされていない。
それなのに、身体がどんどん盛り上がっている。
じわ……っと、あたしのあそこが濡れていくのを感じた。
「都ちゃん、おま○こ触るから脚開いて」
「ん」
涼にそう言われて、あたしは脚を開いた。彼氏の指示に従うのは当然だ……けど、あ、あそこが濡れてるのがばれちゃう……
「あうぅっ!」
気が逸れてしまっていたせいか、あたしは突然上がった快感に我慢できずに声を上げてしまった。
「都ちゃん、おま○こが濡れてるよ……なんで?」
「やぁっ……!」
気づかれたくないことに気づかれて、あたしは真っ赤になる。
「僕、何にもしてないよ? 何でこんなに、おま○こが濡れちゃったの?」
「わ、わかんなぃ……」
「正直に答えて」
「ほ、ほんとに……ただ、涼と密着したら、何でか身体が熱くなってきちゃって……」
「ふ~ん、都ちゃんは淫乱なんだ」
「ちがああぁぁん!」
違う、と言おうとしたけど、上ってくる快感にのどがふるえて、さいごまで言えなかった。
「だって、僕にくっついただけで発情して、おま○こ濡らしちゃったんでしょ? ほら、乳首もビンビンだよ?」
「くぅああぁん!」
涼がちくびをさわるのと同時に、またきもちよくなってしまう。
「ちがうぅ……ちがうよぅ……」
あたしは、泣きそうになりながら涼に反論した。
それを見た涼が、あたしの耳にかおを近づけて、ささやく。
「都ちゃん、彼女は彼氏とセックスするんだから、彼氏に触られたら淫乱になるのは『常識』でしょ?」
……そ、そうだったぁ……
あたしはカノジョだもん、涼にさわられたらインランになるのはあたりまえだよ。なんできづかなかったんだろう。
「だから、もっと気持ちよくなっていいんだよ?」
「うん……きもちよくなるぅ……あああぁん!」
おま○こからくるきもちよさを、こんどはすなおにうけとめる。
「ああぁぁぁ! うぁああ! はあああ! にゃああぁあ!」
「どう? 感じてきちゃう? 淫乱になっちゃう?」
「うん……! どんどん、インランに、なるぅ!」
「淫乱になったら、イク時に『イク』って叫ぶのは、『常識』だよね?」
「うん……ああん、じょうしきぃ! はああああああ!」
あたしは、あたままっしろにして、インランに、なっていく。
「ああああぁぁぁぁん! もっとおぉおお! もっとインランになるうぅぅうう! あたしぃい! ちょうインランになっちゃったあああぁぁぁ!」
「いいよ、もっと淫乱になって! そのままイッちゃえ!」
「だめえええ! いっちゃううううぅ! おま○こがあああぁぁ! いっちゃうううぅう! いくううううううううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!! ぅぁああぁぁぁああぁあぁぁ……!!!」
「…………ゃ……」
「……」
「……ゃこちゃ……」
「……ん……」
「…みやこちゃん!」
「んぇ?」
誰かに呼ばれたような気がして、あたしは目を開ける。
瞳に見慣れない風景が映って一瞬混乱したけれど、3秒くらいで落ち着いた。
──あ、あたし、気を失ってたんだ──
「都ちゃん? 大丈夫?」
少し離れたところから声がする。涼だ。あたしは声のする方に振り向く。
涼は、いつの間にかあたしから離れて、ベッドに寝っ転がっていた。もちろん、裸のまんまだ。涼の股間では、お○んちんが固くなって、そそり立っている。
「大丈夫だ」と思ったんだろうか、涼は続ける。
「都ちゃん、僕がお○んちんを勃てて寝てるんだから、都ちゃんが上から乗っておま○こに食べさせるのは『常識』だよね?」
……そうだ。あたしは彼女なんだから、涼のお○んちんが勃ってるなら、あたしのおま○こに入れさせてあげないと。
あたしはよいしょと立ち上がって、ベッドに上がる。さっきイッたせいか、ちょっとフラフラする。
涼をまたいで、涼のお○んちんの照準を、あたしのおま○こに合わせる。
「……そういえば、やったことなかったなあ」
「え?」
「いや、上に乗るの当たり前のハズなのに、何でやった覚えがないんだろう、って思って」
「……都ちゃん、そういうこともあるよ、気にしちゃだめさ」
「……そういうもんかな……でも、上手くできるかな……んはぁぁぁぁ」
ずぶずぶ、と音を立てるようにして、涼のお○んちんがあたしのおま○こに侵入する。
おま○こに刺さった涼のお○んちんは、おま○このお肉の抵抗を押しのけて、おま○こを激しく擦りながらあたしの中に入っていく。そして激しく擦られたおま○こは、あたしに激しい快感を送り込む。そして、その快感の後に感じるのは、お腹の中に「あるべきもの」が収まった充足感と幸福感、そして、涼に犯されているという「被支配感」だ。
涼のお○んちんが入ってくる瞬間の快感は、本当に虜になってしまう。流や美智(みさと、って読む。あたしの友達)があんなにエッチ好きになるのも、わかるような気がする。
しばらくじっとしたあとに、涼が聞く。
「気持ちいい?」
「きもちいぃ……」
ハートマークを飛ばしながら、あたしは涼にささやく。
「都ちゃん、今の状況教えて?」
「えぇとねぇ……あたしが涼の上にまたいで、おま○この中にお○んちんが入ってるぅ……」
思わず、流みたいに語尾を甘ったるくのばしてしまった。
本当に、あたし、これ好きかも……
今のあたしは、涼のお○んちんを入れられた状態でじっとしている。この状態だと、あたしの思考はそれほど熔けないけど、理性だけがジワジワと蒸発していくようだ。
おかげで、
「都ちゃん、ちょっとシャツが邪魔だから、このままストリップしてよ」
なんていうリクエストにも、
「いいよぉ」
と、あっさり答えてしまった。
「じゃあ、とびっきりエッチく、恥ずかしそうにやってみて」
「え……」
それは困った。どうやればいいかわからない。
「ん~と、どうやれば?」
「……ええと、そうだな、抱きついたまんま、一個ずつボタン外して、胸の谷間とか、乳首とかがいい感じで見えるように、できる?」
「むずかしぃ……でも、やってみる」
まず、身体を前に倒して、涼に抱きつく。
「あん」
身体をちょっと動かすたびにおま○こから快感が上ってくるけど、喘ぎ声もちょっと大げさに、色っぽくしてみよう。
あたしは少しだけ身体を浮かせて、手をボタンにかける。
そして、上から一つずつ、ボタンを外していく。……やっぱり、いつもと勝手が違うから外しづらい。
「あん……あぁん、涼の、えっちぃ」
あたしがボタンを外すごとに、涼がお○んちんをぴくっ、と動かす。あたしは反射的に声を上げてしまう。
あたしは涼の「ご褒美」を悦びながら、一つ一つボタンを外す。涼のリクエストに応えて、胸の谷間(あんまりないけど)を見せつけて、同時に乳首が見えないようにする。
ボタンが全部外れた。あたしは起きあがる。
「涼……脱いだら、ご褒美くれる?」
「え?」
「もし、あたしのストリップで興奮したら、脱いだときに、下から思いっきり突いて欲しいの……あたし、感じたくて、我慢できない」
あたしは、乳首の前の布を持って、涼に「ご褒美」を求める。
「うん、わかった……その代わり、思いっきり喘いでよ」
「えへへ、契約、成立ぅ……じゃあ、みやこのいやらしいからだ、見てくださいぃっ!」
ばっ!
ずぅん!
「あはああああああああぁぁぁっぁあ!」
あたしはシャツをいっきにぬいで、ちくびと、かたをだした。それをみて、涼が、つきあげてくれた。
きゅぅっ、っておま○こがはんのうして、あたしのからだが、がくがくふるえた。
あたしはシャツをぜんぶぬいで、涼にあまえる。
「あぁん、軽くイッちゃったよぅ……」
「『都ちゃん、元に戻って』」
「…………!?」
……ええと、ちょっと待て、何だこの状態はぁっ! やられたっ!
「や……ぁああああん」
思わず逃げようとして、あそこに入っていた涼のに妨害された。
「都、お○んちん抜いちゃだめだよ」
「……あぅ」
しまった。先手をとられた。
よいしょ、と涼が位置を直して、
「都、僕に抱きついて」
あたしは強制的に抱きつかされた。
あたしは、いつものように、「ふざけるな」と叫ぼうとして──、
「都ちゃん、僕が『常識』って言ったことを、都ちゃんがそうだと思いこんじゃう催眠だったんだけど、どうだった?」
涼にそう言われた瞬間、あたしは突然思考に囚われる。
涼に思考を曲げられたあたし。
涼に常識を変えられたあたし。
涼の思い通りに操作されて、……いやらしくなったあたし。
涼の思い通りに、「支配」されたあたし。
「………………」
「……都ちゃん、目がイッてるよ?」
「えっ」
涼に指摘されて、あたしは現実に戻ってきた。
「……都ちゃん、ツボったね?」
「え?」
「今回の催眠、都ちゃんのツボにはまったね?」
「うっ」
図星だ。多分。
今回は、催眠が解けたあとの、何というか恍惚感みたいなのが段違いだった。
「都ちゃん、どこがツボだった?」
「わ、わかんない……」
「都、答えて」
「……涼に、考えとか、常識とか曲げられて、それを当たり前だと思っちゃって……いやらしくなるのが、ツボだったかも……」
「なるほど……都ちゃん、やっぱり本物のマゾだね」
「やかまし……んんん!」
動こうとして、またあそこの「杭」にやられた。
「でも、練習の時に、都ちゃんを猫にしたりしてたのに、何でだろう……」
そうだ。確かに涼には、催眠の練習の時に、いろいろなものに変えられた。猫とか、サルとか。
でも、その時はこんな感じはなかった。
「あ、そうか」
涼が何か思い当たったらしい。
「いやらしくなるのがいいんだね、都」
「……うん、そうかも……あと、常識が変わっちゃったのが、一番効いたかも……っ、うるさいっ!」
今度は、身体を動かさずに声だけで噛みつく。
「都、改良してほしいところ、ある?」
「………………催眠中は、あたし、変えられてるのがわかんないから……実感できる方が、いいかも……」
「う~ん、実感か……」
しばらく考え込んで、
「とりあえず、セックスの続きしよう」
あたしに宣言する。
ここまできてしまうと、涼に反発するタイミングがなくなってしまって、あたしはそのまま身を委ねるしかなくなっていた。
そして、反論を諦めると、途端にあそこから快感と幸福感が上がってくる。
あたしは、たまらず涼を抱きしめる力を強くした。
「涼……」
「どした?」
「これ、すごく、きもちいい……」
あたしは思わず、そう言ってしまう。
本当に、これはきもちいい。
思考が熔けないで理性だけが熔けちゃうから、快感がちゃんとわかるし、素直に受け止められる。あそこからは充足感に快感・幸福感が、そして涼が触れている全身の皮膚からも何とも言えない快感がやってくる。
「裸で抱き合うの、すごくきもちいい……」
「……そういえば、両方とも裸で抱き合うのって、初めて?」
「……そうかも……」
今まで味わった激しい快感とは全然違って、あたしの身体を内側からあぶって、熔かしていくような快感。
あたしの身体が熔けて、涼と混ざり合って一つになりそうな錯覚。
涼に全体重を預けて、あたしが涼の身体の一部になっているような一体感。
時々お○んちんが動いて、おま○こから上がってくる小さくて鋭い快感。
そのどれもが、あたしの心を、身体を虜にしていく。
「都ちゃん、自分でおま○こを締めつけてみてごらん」
「ん……? はぁぅ」
そう言われてとりあえずやってみると、おま○こが動いて涼のお○んちんを締め付ける。もちろん、おま○こが擦れるからあたしはきもちよくなる。「きもちいぃ……」
あたしはつぶやいて、それを何度も繰り返す。
じわっ、じわっ、と快感が絞り出されるように伝わり、あたしはそれを悦んで受け容れていた。
少し物足りないのが、逆にいい。
「都ちゃん、どう?」
「……くせに、なりそう……」
「都ちゃん、この体位、好き?」
「うん、すきぃ……」
「おま○こでお○んちん締めつけるの、好き?」
「すきぃ……」
「都ちゃん、セックス好き?」
「……ぅ」
「すき」と勢いで答えそうになって、それをあたしの最後の羞恥心が止めた。
今更だけど、それを答えるのは女の子としてどうかと思ったからだ。
「あれ、好きじゃないの? 嫌い?」
「キ、キライじゃ、ないけど……」
本音を言うと、「キライじゃない」というレベルではないんだけど、本当のことを言ってしまうのは、女の子としての、なにか一線を越えることのような気がした。
「さっき、あんなに淫乱だったじゃん」
「ばっ……! あれは催眠のせいで……!」
「ふーん」
涼はそう言ってしばらく考え込み、突然
「『僕の操り人形』」
キーワードを囁いた。
「都ちゃんがセックス好きじゃないなら、僕がセックス大好きにしてあげる」
「……やぁ……」
涼の宣告を理解して、あたしは一応拒否する。するけど、自分でも本気じゃないのがバレバレだと思う。
本当のあたしは、なんだかよくわからない「期待」を抱いて、涼の言葉に耳を傾けていた。
「今から僕が都ちゃんのおま○こを突くと、一回突くごとに都ちゃんはセックスが好きになる。
僕とするセックスや、あとオナニーも好きになる。
都ちゃんは自分の心が変えられていくのがわかるけど、抵抗できないよ。どんどん変わっていっちゃう。
そして、都ちゃんは、イッちゃうと、セックスとオナニーが完全に大好きになる。
どんなに恥ずかしくても、大好きになっちゃう。エッチがいつでもしたいくらいに大好きになっちゃうよ」
ず……っ
その言葉を聞いただけで、あたしの頭の中で、「何か」が動き出したような気がした。
直感で、「変えられる準備ができた」んだと思った。
「いくよ」
すんっ!
「はぁん!」
にゅるっ
「あぁ……」
「どう?ちょっとエッチ好きに変わった?」
「うん、ちょっと、変わったぁ……!」
突き上げられると同時に、あたしの心がぬめるように形を変えた。
ずん! ずん! ずぅん!
「あん! あぁん! はぁん!」
にゅるっ ぬるっ ずにゅっ
キモチ、イイッ……!
あたしのココロが、さけぶ。
ずん! ずん! ぐん! ずにゅん! ずん! ぐぅん!
「あああ……! あたし、かわっちゃう……! あたしじゃ、なくなっちゃうぅ!」
「どう、変えられるの、気持ちいい!?」
「うん……! かえられちゃうの! きもちいいぃぃい!」
ずん! ぐん! ずん!
にゅるぅ にゅっ ぐにゅっ
「どう、エッチ好きになってきた?」
「な、なってきたぁ! えっち、すきになってきちゃったぁ!」
「ほら、スパートだっ!」
「ああん! あぁん! やぁん! あん! あん! あああん! だめぇっ! あたし、いっちゃう! もういく! いっちゃう! えっち、だいすきにされちゃうぅ!」
「都ちゃん! 僕がイクと、エッチ大好きな淫乱女になるよっ! イクときは、『えっちだいすき』って叫ぶんだ! いいね! 僕が、イクまで我慢して!」
「涼おおおお! だめえぇぇぇ! いってぇええぇ、いっちゃだめぇええ、いってぇぇぇ!! だめぇえええ! インランに、されちゃうぅうううう!!! はやくううぅぅぅ! あたしをぉ、インランにしてえぇぇええぇ!」
「くあああ! イクっ!」
「はあああああぁあぁっぁぁ! えっち、だいすきいいいぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」
「すご、かった……」
涼に抱きしめられながら、あたしはそう漏らす。
「あら、珍しく素直だね」
涼はそう言う。うん、あたしもそう思う。
正直、照れ隠しする余裕もないほどに気持ちよかった。今までは身体がめちゃくちゃ感じてたんだけど、今回は心まで丸ごとイカされた感じだ。もう、飛んでいく時のゾクゾク感が全然違う。
「何か、心が、イッちゃった感じ……」
「へぇ……よくわかんないけど、凄そう」
「うん、すごい……」
何となくうらやましそうな涼の言い方に、あたしはちょっと優越感を覚える。催眠をかけるほうは、催眠をかけられているときの快感はわからない。この快感を味わえるのは、あたしだけなのだ。
「で、どう? エッチ大好きになっちゃった?」
そういわれて、あたしは「そういうこと」をちょっと考える。
自分の手でおま○こを擦って、あえぎ声を上げる。
自分の指を突っ込んで、おま○こをズポズポする。
涼に乳首をなめられて、反り返りながら快感をむさぼる。
涼のお○んちんがあたしのおま○こに入って、快感と幸福感に包まれる。
涼に激しく貫かれて、快楽の頂へ飛翔する。
……うわ、どれも、今すぐしたいくらい大好きになっている。ついさっきしたばっかりなのに、あそこがうずき始めてしまった。
「どう?」
「……教えない」
「……いじわる」
ちょっと拗ねたような顔をしながら、涼はそれ以上追求しなかった。多分、あたしの顔を見て、答えがわかったんだろう。
……むしろ、催眠で強制的に聞き出してくれた方がナンボかマシだったような気がする。表情でばれたと思うと、無茶苦茶恥ずかしい。
涼が時計を見る。
「あ、11時だ、チェックアウトまで1時間。
身支度しなきゃでしょ?」
「あ」
そうだった。ここには連泊する予定だけど、12時には一回出なきゃいけない。
「シャワー、お先にどうぞ」
「ん、ありがと」
洋服を取りに行ったであろう涼を後目に、あたしはまた、お風呂場に入っていった。
ちなみに、脱衣所に入った途端、あたしのあそこから涼の精液がとろっ、と流れ出してきた。
恥ずかしかったけど、さっきよりさらに「涼のモノ」に近づいたような気がして、なんだか嬉しかった。
……ダメだ、あたし。
< つづく >