第4話
*
ガキの頃から、自分は底辺の人間だという自覚はあった。
腹を空かせて泣いていた記憶しかない。他人より多くを食べるために、誰もが必死だった。兄弟すら信用できなかった。いつも汚い顔で食い物を探していた。
精霊たちの美しさと豊かさは、そのまま俺たちの醜さを見せつける鏡だ。
農作物を売るために精霊の街を訪れるたび、俺は幼心に惨めさを感じずにはいられなかった。精霊のように、美しく着飾り、腹いっぱい食べるにはどうしたらいいんだろう。そんな夢想ばかりしてた。
16で村を飛び出し、それからずっと精霊の街に紛れて何とか食いつなぎ、生きる方法を探してきた。
他の人間より少しだけ回るこの頭で、どうすれば精霊のようになれるのか、いろいろな工夫を考えては、試行錯誤を繰り返してきた。
どれもこれも、実現するはずのない夢想でしかないのに。
出口のない迷路で足掻く泥の毎日。ありえないってわかってた。俺みたいな人間に、人間なんかに、精霊のような幸福なんて訪れるはずがないって。
それでもいつか、ここから抜け出せると信じていた。
朝の光が、差し込むみたいに───
「…あ、起こしてしまいましたか?」
窓から入り込むまぶしさに、重たい目をこする。
カーテンを開いた全裸の背中と尻が、それに負けないくらい白く輝いている。
相変わらず、素晴らしい裸体。
彼女はずっと変わらない。この体に注文をつけるところなんて1つもない。
完璧だ。男の理想を、そのまま彫り出したような体だ。
「すみません、おやすみの邪魔をしてしまって…すぐ閉めます」
申し訳なさそうにカーテンを戻そうとするニーナを、俺は手で制した。
「…いい。そのまま開けておけ。体をこっちに向けろ」
「はい」
朝日の中に、ニーナのプロポーションが浮かぶ。
全裸に、白い花の髪飾りを付けているだけ。
まだ頭はぼんやりとしてるのに、体の方は敏感にその美しさに反応していく。昨晩、さんざんこの体に放出してやったばかりだというのに。
ニーナも俺の体の変化を見つけて、照れくさそうに身をよじる。
「こっちへ来て、奉仕しろ」
「はい、アシュオウ様」
天使の笑顔を浮かべ、ニーナはベッドの上に躙り寄る。そして俺の陰茎をパクリと咥えて、慣れた動作で小さな顔を前後させる。
十分に濡れたそれを、美しい形をした豊満な胸に挟んで、上下に揺すりだす。
「あんっ、んっ、んっ、あっ」
ニーナの体は、俺のチンポが触れた場所はどこでも性感帯になるように仕込んである。感じている顔を俺に見せながら、いやらしくニーナは胸を歪ませて俺に性の奉仕をする。
その顔を、俺は指で持ち上げる。
「いやらしい顔だな」
「う、あ、はい。んっ、いやらしい顔で、申し訳ございません。んっ、あんっ、アシュオウ様のチンポを、んっ、こうやって胸で挟むと、じんじん、胸の先っちょも、マンコも、疼くんですっ。あぁ、気持ちよくて、たまらないんですっ」
蕩けるような淫靡な表情に、思わず俺の口元も緩む。
「そういや、お前とウィルネは、市民の間で『天上の双姫』などと呼ばれて、憧れの的になっているそうじゃないか。そのお前が、そんないやらしい顔で、俺のチンポを挟んでていいのか?」
「そ、それはっ、みんなが、んっ、勝手に言っているだけですから! 私は、んっ、今も昔も、生まれたときからずっと、あっ、アシュオウ様のオナホです。あんっ、ただの、オナホなんですっ。だから、こうやっておっぱいでチンポを挟むのは、当然のことです。んっ、気持ちいいから、いやらしい顔にも、なっちゃうんですっ」
彼女は否定しているが、赤くなったその頬は、その通り名を満更でもないと思っている証だった。
確かに、この2人は美しい。もちろんエルフは全員美しいのだが、毎日そばで見ているせいなのか、この2人は日に日に美しさを増しているように思える。
さらに俺の身の回りの世話を2人で担当させているせいか、他の精霊たちも、ウィルネとニーナを特別視しているところもあるようだ。いつの間にか彼女たちは、俺の側近という特別な地位を、この宮殿の中で築いていた。
天上の双姫───、か。
仰々しいが、この2人の美しさを表すのには、相応しい呼び名のようにも思える。
「出すぞ。咥えろ」
「はいッ! んぐ、んんっ、ちゅぶ、ちゅぶ、ちゅぶぅ…ッ」
「んっ!」
「はぁっ、んっ、んくっ、んくっ、ずずっ、ぢゅっ、ぢゅう…」
喉を鳴らして、俺の精液を全て飲み干す、そして、ゆっくりと唇を前後に動かして、清めの愛撫を始める。出し切って敏感になった亀頭をしゃぶられるのは、気持ちいい。
「ん、んんっ…ちゅ…ふぅ…アシュオウ様。市民の間で、もう1つ噂になっていることをご存じですか?」
「ん、なんだ?」
唇を離して、手コキしながら、ニーナは楽しそうに笑った。
「アシュオウ様の朝一番の精液を飲んだ女は、幸せになれるんですって」
子供じみた話に、失笑してしまう。
「なんだそれは? そんなものなら、お前やウィルネはしょっちゅう飲んでるじゃないか?」
「そうです。だから私たちは、世界で一番幸せな女なんです。だから『天上の双姫』なんて呼ばれてるんですよ」
種明かしするみたいに、ニーナはウィンクする。
俺も思わず笑ってしまった。そして、その少女らしい仕草に、性欲も反応した。
「ニーナ、来い。抱いてやる」
「はい! ありがとうございます、アシュオウ様。ふふっ、今日もいっぱい、可愛がってくださいねっ」
****
あの遺跡の街を出て5日後。
首都についた俺は、ウィルネとニーナに中央政庁に案内させ、まずはそこを支配した。
そして、ゆっくりと首都の女たちを抱きながら、他国の首長や官僚を会議だと偽り集めさせて、俺を主と認めさせた。
簡単だった。
「 “今日から俺が世界の王だ” 」
たった一言で、世界が変わる。
俺はまず最初に、ウィルネとニーナの故郷であるこの都市を世界の首都とした。
エルフの議会も解散させ、他の国にも多少の自治権は認めてやったが、全てこの国の属国とした。そして世界中の有力者や官僚を次々に呼び出し、政治も、経済も、教育も全て俺の方針と忠誠に染め上げた。
さらに男のエルフを数百集めて、探索隊を組織した。
人工物にも触れられるようにボイコンで彼らの再設定を行い、古代文明の発掘をさせる。近隣にもかなりの遺跡が眠っていた。いくつかを俺自身が探索し、手つかずのまま保存されているカンフルとボイコンを確認した。
あとは必要なときがくるまで、特殊ゼリーで完全保存しておいてある。俺は探索隊を解体して、彼らを再び人工物に触れない普通の亜種に戻しておいた。
これで俺の、ほぼ永遠の命と、亜種の完全独占が保証されたわけだ。
次に首都を、女尊男卑の都市に作り替えた。
男は、この宮殿の周囲には住めない。夫婦は別居し、夫は街の外に家を建てて住ませる。
例え子供であっても、男子なら学校に上がる年になれば、母親から離れて父と同居させる。女子ならば、そのまま母親と街の中で生活させる。
政庁も市場も、内と外の2つに分けた。徹底して男女の社会を分離した。そうして俺は、俺だけのハーレム都市を作り上げた。
あれから10年。
老いをまったく感じさせないウィルネやニーナは、今も俺のそばにいる。
そして、エルフを始めとする、万を超える亜種の女たちに囲まれ、俺は夢のような毎日を送っていた。
「あぁッ! アシュオウ様! 気持ちよすぎます! オナホのニーナは、アシュオウ様のチンポが気持ちよすぎて、もうイッてしまいそうです! アシュオウ様! アシュオウ様ぁ!」
全ては、この女から始まった。
あの森でニーナとウィルネを抱いてから、俺の人生は変わったんだ。
****
ニーナの中に2度放出したあと、服を着替て寝室を出る。
「お、おはようございます、アシュオウ様!」
理知的な瞳をしたエルフの女が、紙の束を抱えて俺の私室の前に立っていた。
肩で切り揃えられた薄緑の髪を、細い指で慌てて整える。同じ色をした瞳の奥には、深い教養と知性が輝いている。
リエルという名のそのエルフは、国政を仕切る政務官の1人であり、その中でも筆頭幹部にまで上り詰めた才媛である。
丈が短く、胸元の開いた白いノースリーブシャツと、太ももの露わな短い黒のスカート。
精霊、特にエルフは普段から薄着が当たり前だし、これでも彼女なりに地味な服を選んで着ているだけだと思うが、体の線をはっきりと浮き立たせるその格好は、男の目には毒だ。
これが大昔なら、男を誘う娼婦かダンサーに見られていたに違いない。
体にぴっちりとした服に締め上げられる胸元。そして、タイトなスカートに浮かび上がる、肉感的な尻の形。
さっきニーナと朝っぱらから熱く交わったばかりだというのに、俺の下半身は早くも反応しようとしていた。
まったく、俺は好奇心に満ちあふれたガキか。
思わず全身を舐め回してしまった無遠慮な視線を誤魔化すように、俺は咳払いをして威厳を取り繕った。
今日も彼女は朝早くから、俺の登庁を迎えに来てくれたらしい。
もっとも、俺の執務室も彼女の勤務する国務室も、俺の寝室に繋がるこの石と木と魔法で築かれた宮殿の中にある。
俺は中央政庁をそのまま自分の家として、豪華に改築させていた。
キズ1つない、滑らかな石の床を、裸足の俺とリエルが、静かな足音で並んで歩く。
一日の始まりだ。
世界を手に入れるまでは簡単だったが、しばらく王として過ごしてみると、意外とやることが多くて驚いた。
精霊の世の中なんて、ぶち壊してやっても良かったんだが、それをやったらやったで、後々面倒なことになるのは目に見えていた。
自分でまとめて、ある程度は世話してやらないと、せっかく手に入れた世界で長く遊べない。
そして治めるついでに、ちょっとは発展させてやろうかと思っていろいろ工夫してみたら、意外とその面白さにハマった。
自分の国や、世界が、俺のアイディアで発展していくさまを眺めるのは気持ちの良いものだ。
「前月の収支報告があがっています。前々月から2.8%の増。前年同月に比べると8%の増です。アシュオウ様の考案された農法により夏の収穫量が上がったのと、去年完成した街道整備により大量輸送が可能になったことで、収益が増加いたしました。アシュオウ様の予見どおりですね!」
リエルが、満面の笑みを浮かべて俺を見上げる。
農法も街道整備も、かつて人類が科学で行っていた手法を、今の魔法文明に合わせて応用してみただけだが、何も知らない彼女たちは、俺のことを天才政治家、あるいは天才発明家とでも思いこんでいるようだ。
しかし俺にしてみれば、過去の知識を少々借りてきただけにすぎない。ズルをしているようで気が引けるのだが、まあ、それでも成果が上がったと聞くのは、悪くはない気分だった。
だが、あえて俺はつまらなそうに顔をしかめて、欠伸する。
「そんなわかりきった報告のために、わざわざ俺を待っていたのか?」
「え…あ、いえ、いえいえ、その、も、もちろん、それだけではなくて、ですね、は、はい」
まずは良い報告から始めて、俺の機嫌を良くしようと思っただけなんだろうが、俺の意外な反応の悪さに、リエルはバツが悪そうに慌てる。
そして俺は、そんな彼女を見て内心ほくそ笑んでいる。
仕事をさせれば有能で文句なしの彼女なのだが、対人関係、特に俺に対しては異常に気を使ってしまうらしく、毎朝、俺に会うのに彼女なりに目一杯のシミュレーションをしてから来るそうだ。
そのせいで、俺に想定外の反応をされると、こんな風に大げさに彼女は狼狽えてしまう。
当然、それが面白いから、俺もわざと予想の斜め上の受け答えを心がけている。
このエリート女が、わたわたと狼狽えるところを見るのは楽しい。
きっと、どんな亜種にも必ずどこかに「萌え」をプリセットするっていうのが、古代の標準規格だったに違いない。
そして、超人的な肉体能力を持つエルフや精霊に、そんなのありえないとわかってはいるが、俺も地底で古代文明のセンスを学んだ人間だから、この女を見ると、いつも思うことがあった。
できることなら、メガネをかけていて欲しいと。
俺がそんなどうでもいいことを考えているうちに、書類の束から目当てのものを見つけて、リエルは口元を引き締める。
「これは、アシュオウ様にお聞かせするほどのことかどうか、私自身も判断に自信がありませんので、職務前の雑件としてお耳に入れておきたかったのですが」
マメ科作物と思わしき解説図の描かれた書類を、自信なさげにリエルはめくる。
「収穫量が上がったというお話をしましたが、その中で、一部の作物の葉に白い斑点のようなものが浮かび、生育が悪かったという報告が生産者からあったそうです。農業管理室では、肥料の成分が作物に合わなかったせいだと結論づけて、副室長までで決裁終了したらしいのですが。これは、その写しです」
「…それで?」
「あの、私…その、葉に白い斑点っていうが、少し気になりまして。あの、変なことを申し上げてすみません。その、例えば、植物も、動物のように病気になることって、あるのかな、と想像してしてしまいまして。だとしたら、これが広がって将来大きな被害を生むようなことも……な、ないですよね。すみません、私、昔から突拍子もないこと考えては1人で不安になったり、何をやってるんだか───」
リエルの手から書類の図解を見る。
確かに、これはおそらくカビの一種だ。
こいつらが知らないのも無理もない。大昔に、不用遺伝子に指定されて死滅したはずの古代種のカビだ。
俺が復活させた農法で、畑地の湿度も作付密度も上がった。土の入れ替えもしたせいで、地中で乾燥して保存状態の良かったカビが蘇生してしまったのかもしれない。あるいは、それに近い変種か。
古代の手法に近づきすぎると、それと同じ問題もまた発生するということか。なるほど、勉強になる。
「お前の言うとおり、これは病気だ。その作物を持ってこさせろ。急がないと、どんどん広がるぞ。俺が直接対処しなければならない緊急案件だ。他国にも調査させろ。それと農業管理室の怠慢を、俺が怒っていると通告しておけ」
「は、はい!」
対処は簡単だ。そのカビ自体か、あるいはそれのみに対応するよう適当な微生物を改造して、一緒に死滅させればいい。
そのための設備は、古代遺跡から発掘して宮殿に運び入れていた。もちろん、俺だけしか入れない俺のラボだ。
解析も対策改良もPCがやってくれるから簡単だ。もしもカビが世界中に広がってからなら面倒だが、早いうちに手を打っておけば、治療も予防も簡単にできる。
リエルの話を聞いておいて助かった。ほんと、よくそんな細かいところに気づいたな。
というより、こいつまさか、ここの書類の全部に目を通してるのか?
だとしたら、やはりたいした女だ。たまには褒めてやろうかと彼女を見ると、彼女も頬を染めて、俺を見上げているところだった。
「…アシュオウ様って、本当にすごい御方です」
真っ直ぐな視線を向けられ、とたんに俺は恥ずかしくなって顔を逸らした。
「な、なにがだ?」
「はい。アシュオウ様は、頭も良くて、決断も早くて、本当にすごいです。それに…部下の意見にも、優しく耳を貸してくださって…私、アシュオウ様の下で働くことができて、本当に幸せです」
ストレートな褒め言葉に、慣れないムズ痒さを覚えた。
リエルの瞳がキラキラしてる。少女のような頬がほんのり染まってる。
俺は適当なことを言って、この気恥ずかしさを誤魔化すことにした。
「…そういえば、お前、さっき俺の寝室の前で待っていたんだったな」
「え、はい。お待ちしておりましたが…」
「さては、ニーナのあえぎ声でも聞いて、欲情でもしてたんだろ? だから、そんな目で俺を見るんだな」
「えっ? えぇ!?」
みるみる顔を赤くして、リエルはギュウと書類の束を抱きしめた。
図星かよ。
「それは、その…あの、ニーナ様のお声がすごくて…少しだけ、部屋の外に漏れてましたから…はい…」
「だから、お前はそれを聞いて欲情してたのか?」
「よ、欲情ッ…は、その、ちょ、ちょっぴりだけです。本当です。ちゃんと、耳は塞いでおりましたから! に、2回目が始まったときもちゃんと!」
バカ正直に、きちんと俺の質問には答える。
そういうキャラだから余計にからかわれるのだと、彼女自身はわかってないんだろうな。
ていうか、2回目っていつから待ってたんだよ、この女。
「なるほど。それじゃあ、お前への褒美は決まったな。国務室で、お前の部下が見ている前で犯してやろうか?」
「ふえ!? ええええッ!?」
面白いくらいに、リエルは慌てる。口をパクパクさせて、「それは、いくらなんでも」とか、「犯していただけるのは、嬉しいんですけども」とか、オロオロと狼狽える。
理知的だった瞳をぐるぐるさせて、今にも倒れてしまいそうだった。
「もちろん冗談だぞ」
「え? あ、あぁ、冗談、ですか…はぁ~」
目をまん丸にして、肩を落として、リエルは大きなため息をついた。
「あはは…今日も、アシュオウ様にからかわれてしまいました…」
頬をポリポリ掻きながら、リエルは安心したのか、がっかりしたのか、わからないような声を出す。
俺はそんな彼女の肩を抱き寄せる。
「あんっ。あ、あの?」
「それとも本気の方が良かったか?」
「あっ、いえっ、その、私は、その…仕事場でそんなこと、とか、最初はアシュオウ様、きっついなぁと思いましたが、でも、その…お、犯していただけるのは…う、嬉しいかもぉって思っちゃっただけで…」
「じゃあ、こういうのはどうだ? もちろん、冗談だが」
俺はリエルの耳元で思いつくまま卑猥なプレイを囁く。リエルは顔中を真っ赤にしながら、「それはちょっと」とか、「かなり、やばいです」とか、恥ずかしそうに身をくねらせる。
そうして、俺の冗談に火照った耳を貸しているリエルに、俺はそっと首にはめているボイコンのスイッチを入れた。
「 “それじゃ、全力で実行するぞ” 」
───国務室の扉を、ターンッと、景気よくリエルが開け放つ。
「お前ら、おっはよー!」
すでに業務を始めている数十人の女性職員たちは、朝イチでハイテンションなリエルの登場に、目を丸くした。
「みんな! ちょっと仕事の手を止めて、私に注目して! ものすごく注目して!」
言われるまでもなく、総職員がガン見状態だった。
そして彼女は服を脱ぎながら、自分の机にかけ上がった。タイトなスカートも、下着も、あっさりと脱ぎ捨て、全裸になって、天に向かって指を立てた。
「本日は私、朝っぱらからすっげぇお手柄を立てて参りました。だから、アシュオウ様が特別にお手当をくださることになったんです! いえい! みんな、拍手! 拍手でアシュオウ様をお迎えして!」
普段のリエルは、部下の前では有能で隙のない上司らしい。
当然、この突然の事態に職員はまるでついて来れてないわけだが、リエルのわけのわからない宣言に続き、本当に国務室に入ってきた俺を見て、どうやらこれは現実のことらしいと、戸惑うようにパラパラと拍手の音を立てた。
「私、今からアシュオウ様に机の上で犯されます。しかもアナルです。肛門が、ふんわり蕩けるような極上のアナルセックスを、お仕事のご褒美として、この場でしていただくことになったのです」
幸せそうなため息をついて、リエルは机の上で足を広げてしゃがんだ。
室長であるリエルの机は、他の職員を見渡せる配置になっている。彼女たちからは蛙のような格好をしたリエルが、正面からよく見えるはずだ。
俺はリエルの後ろに回って、ズボンを下げる。
リエルのつるりとした丸い尻が、俺に向かって突き出されている。
「あぁ…みんな、よく聞いて。どんなお仕事でも、真面目に頑張ってれば良いこともあるの。報われない仕事なんてないわ。それは例えば上司からのお褒めの言葉だったり、市民の笑顔だったり、いつもより多めなお給金だったり、アナルセックスだったり、いろんな形で自分たちのところに返ってくるのよ」
はしたない姿勢のまま、リエルは俺の方を振り返り、そして欲情に蕩けた顔を、再び部下の方に向けた。
「あなたたちの仕事ぶりも、アシュオウ様はちゃんと見てくれています。アシュオウ様はいつも、みんなの仕事っぷりと、お尻の形をよく見てくださっているの。みんなもたまに視線を感じるって噂をしてるけど、私もよくアシュオウ様の好奇心に満ちあふれた少年のような視線をお尻や胸に感じます。アシュオウ様は、仕事だけじゃなくて、そのへんもちゃんと見てくれています。だからみんなも胸を張って、オナホとしての自覚を持ち、あえて体を見せつけるようにしつつ、真面目にお仕事とアナル拡張に励んでくだアアアァァッ!? 入ってくる! 油断してたら、アシュオウ様のおチンポが私のアナルに入ってきましたぁぁッ!」
何言ってんだよ、おい。
俺の視線に気づいてやがったのか、みんな。
あぁ、そうだよ。見てたよ。俺にだって、一応は真面目に仕事をしようという気持ちもあるのだが、お前らは揃いも揃って、いい体しすぎなんだよ。仕事に集中できないんだよ。
俺がいつもどこ見てるのか、みんな知ってたのか。
仕事帰りの酒場あたりで、みんなで俺の視姦癖を噂してたのか。
くそっ、恥ずかしい。
「ズンズン、してるぅ! アシュオウ様のおチンポが、私のアナルをズンズンしてるのぉ! みんな、見て! 犯される私を見て! 私、頑張ったから! お仕事頑張ったから、ご褒美いただいてるのぉ!」
リエルのアナルが、俺の陰茎をきつく締め付けてくる。
彼女の抜群のスタイルが、俺のピストンに合わせて淫らに揺れる。
「みんな、聞いて! アシュオウ様は、みんなにもご褒美をくださるってっ。さあ、脱いで! 脱いでオナニーを始めなさい! 国の備品、つまりアシュオウ様の私物である椅子や机の角、ペンや書類も使って、オナニーなさい! 私とアシュオウ様のアナルセックスを、ネタにしていいのよ!」
職員のみんなは、当然どうしていいのかわからないように、赤くした顔を見合わせ、オロオロしていた。
俺はボイコンのスイッチを入れる。
「 “上司の命令は絶対だぞ” 」
次々に職員の衣服が脱ぎ捨てられ、国家公務員によるオナニーショーが始まった。
椅子の背もたれに跨って、馬乗りのように腰を揺するエルフの女。机の上に片足を乗せ、へりにアソコを擦りつけて舌を出すイヌ女。白く長い髪に黒のブチ模様を持つホルスタイン女は、綴りヒモで乳首を縛ってクイクイと引っ張り、巻き毛にヒツジの角を生やした女は、丸めた紙をチンポに見立てて、ズポズポと口の中に突っ込みながらアソコをいじる。
窓辺でレズビアン行為に走るインコたち。くしゃくしゃに捨てられた書類のゴミ箱にダイブして、体を擦りつけるハムスター娘。
種族が変われば、オナニーもいろいろだ。
アライグマの娘が喘ぎながらリンゴを洗ってるが、あれ気持ちいいのか?
滑稽なオナニーショーに、リエルのアナルの強烈な刺激も伴い、俺の射精欲も高まっていく。
「出すぞ、リエル! お前の腸の中に!」
「あぁッ! くださいアシュオウ様! オナホの中に、熱い精液をたっぷりと注いでください! あぁ、アシュオウ様…! お慕いしております、アシュオウ様ぁ!」
リエルの中に吐き出して、ひと息つく。
力を失うリエルに命令して、みんなに見えるように尻を向けさせる。
「見て、みんな…アシュオウ様の精液が、今たっぷりと私のお尻の中に入りました。入りきらなくて、こうして溢れるくらいに…。さあ、みんなオナニーを続けて。今日は昼までオナニーしていいって、アシュオウ様が仰ってます。みんな仕事のことなんか忘れて、オナニーを楽しんで!」
黄色い歓声が沸いて、喘ぎ声がますます高まる。机の上に四つんばいになったまま、リエルはうっとりとした笑みを浮かべる。
俺の王国が安泰なのも、こうして有能な職員たちが支えてくれているおかげだ。
今日も楽しく、働いてくれ。
****
「あ、ご主人様だー!」
仕事がなくなったので、ペットと遊ぶことにした。
宮殿の一角には、ペットとして俺に飼われる精霊たちの部屋が用意されている。
さまざまな性的趣味に対応するためなのか、オナホとして開発された彼女たちの外見はいろいろだ。見事なプロポーションの育つ娘もいれば、コイツらのように少女のまま成長を止める精霊も少なくない。
むしろ意外と多かった。古代人の趣味の偏りが伺える。
確かに古代の法律は、なぜなのかは知らないが、男のささやかな妄想にやたらと厳しかったらしい。
しかし法規制外の亜種が、ちゃんとその需要に応えていた。そして俺も、こっちの趣味はわりと嫌いではなかった。
「あの、ご主人様、もうお仕事は終わったんですか?」
「それじゃ、ボクたちと遊ぼー!」
ウサギの耳を揺らすエイミと、ネコの耳をピンと立てたミミが俺に走り寄ってきて、忙しなく喋りだす。
その後ろから、ヒツジ娘のモモと、イヌ娘のチムが追いかけてくる。必死に走ってきたチムが、先にいた2人を押しのけるようにして、俺に抱きついてくる。
「ご主人様ー!」
満面の笑顔を浮かべ、俺の匂いをクンクン嗅ぎながら、しっぽをパタパタさせる。
まるっきり甘える犬と同じだ。
「ご主人様、遊ぶ? 遊ぶ? あのね、チム、またご主人様に首輪とヒモしてお散歩連れてって欲しいー! そんで、いっぱいおしっこするのー!」
「こら、チム! ご主人様を独り占めすんな!」
「やーん!?」
ヤキモチを焼いたミミが、後ろからチムのしっぽを引っ張って、俺から剥がそうとする。チムも必死で抵抗する。ていうか、ものすごい引っ張られてるが、抜けたりしないよな?
この2人は仲があまり良くなかった。
いつものようにケンカを始める2人に、いつものようにエイミはおろおろと狼狽える。モモは、俺にしがみつくチムを、ジーッと指を咥えて見てる。
ちなみにペットだから、当然、彼女たちは全員裸だ。
「こらこら、ケンカするなっていつも言ってるだろ。みんな仲良く」
「うー…だってチムが…」
「チム、悪くないもーん! ミミが乱暴するんだもーん!」
「なんだとー!」
「だから、いいかげんにしろ」
ペットなんだし、と思って、あえて好き放題にさせているせいで、コイツらは俺に対しても口答えもすれば、わがままも言う。
基本的には俺に忠実なのだが、手のかかる子供を養っているようだった。
もちろん、することはさせてもらってるが。
「しょうがないな。ケンカするんだったら、今日のお遊びは中止だぞ」
「えー!」
「そんなのヤダー!」
「だったら、ちゃんと言うことを聞け。仲直りだ」
「…はーい」
素直に握手したミミとチムを、ご褒美に最初に遊んであげることにする。
まあ、遊びというか、ただの性行為だが。
「それじゃ、チムいちばーん! ぺろッ、ぺろ、ぺろ、ぺろ…」
「あ! もうホント、ずるっこいんだから、コイツ…んっ、れろ、ちゅっ、れろ…」
左右から、チムとミミの舌が俺の陰茎に奉仕する。チムは舌を大きく広げ、下品な音を立てて俺のを舐めまくる。ミミは、ざらついた舌を尖らせ、くすぐるように這わせたり、口づけしたり、がさつな性格のわりに、奉仕は意外な繊細さで俺を楽しませてくれる。
そのうちチムが、すんすんと鼻を鳴らし、唇を尖らせた。
「ご主人様、リエルとえっちしてた。しかもアナルー」
「うえ、マジ?」
ミミが顔をしかめて舌を離した。
「も、もちろん洗ってきたぞ」
ぴたりと行為まで言い当てられて、俺はなぜか焦ってしまった。
「でもまだ匂う~」
チムは泣きそうな顔でイヤイヤと首を振る。
ミミまで「ボク、あいつ嫌いー」と顔をしかめる。
どうやらエリートの彼女は、ペット部屋では人気がないらしい。しかもアナルだしな。
中途半端に放っておかれて、俺のチンポも冷えてくる。
「じゃあ、フェラはいいから入れさせろ。尻を向けるんだ」
「はーい」
チムとミミも、俺に入れてもらえると聞いて、機嫌を直して四つんばいになった。
俺はまず、チムの小さな尻を抱えた。ふさふさのしっぽが嬉しそうに揺れる。そして、そのつるつるのアソコに、俺の陰茎をねじ込んだ。
「きゃん!」
ビクンと、チムの体が跳ねる。さらに俺は、その細い体を強引に突き入れて揺らす。
「きゃふん! きゃん! うんっ、ん、あん、あぅん! あっ、あっ、くぅん、ふぅん!」
鼻にかかった声を出してチムが喘ぐ。華奢で小さな体は俺のチンポで簡単に壊れてしまいそうだ。だが、この体も中身はちゃんとした女で、セックスに敏感に反応して高まっていく。
「きゃぅぅぅ~ん!」
遠吠えにも似た嬌声をあげて、チムの体がぐったりと沈む。
俺は隣のミミに「お前の番だぞ」と、まだそそり立っている陰茎を見せつける。
「う、うん…来て、ご主人様…」
すっかり発情してしまったミミは、しっぽと尻を揺らして、色っぽい瞳で俺を誘う。
いっちょまえに、流し目なんて覚えたのか。つり上がった目が女の魔性に妖しく輝く。
ぞくりとした。生意気な子ネコめ。
だが、そこまでだ。俺がその小さな尻を一気に貫くと、途端にミミは動きを止めた。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」
俺の動きに合わせて鼻息が漏れる。人形になったミミの尻を、俺は鷲づかみにして突き入れていく。
じわりと熱を帯びた尻が彼女の内面の熱情を物語る。だが、その敏感になった体が快楽の喘ぎを外に漏らすことはない。
ネコ耳ダッチワイフのミミは、あの頃のままだ。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふぅっ、ふっ、ふっ、ふぅっ、ふっ」
「うふふっ。ダッチワイフのミミちゃん、かわいー」
エイミが、俺のピストンに合わせて揺れるミミの小さな胸を突く。モモも無言で反対側の乳房を揉みしだく。
「ふぅっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふぅっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふぅ! ふっ、ふっ」
ぐちゅぐちゅとミミのアソコから愛液が吹き出す。尻にじっとりと汗が滲んで、俺の手を濡らす。
俺に挿入されているときのミミは、超敏感体質にもなっている。目には見えないだけで、彼女はきっともうすでに何回も達しているのだろう。悲鳴でも上げたいに違いない。
だが、今は身動きひとつできないダッチワイフ。俺にひたすら犯され、遊ばれるしかない。
俺は小さな尻に乱暴に腰を叩きつける。俺を誘うあの蠱惑的な表情のまま、ミミは汗と涙と、愛液を流し続ける。
「ふぅっ! ふっ、ふぅっ、ふっ、ふぅっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふぅ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」
あまりやりすぎると、このまま失神してしまうこともある。俺は適当なところでミミの中から引き抜いた。
「…ふわぁ~っ」
ぺしゃんと、ミミの体が床に落ちた。そして、そのままエイミとモモをじっとりと睨みつける。
「はぁ、はぁ、も~、覚えてろよ、2人とも…ボクがダッチワイフのときは、体イジるなって言ってるのに…死ぬかと思った…」
「えへへ、ゴメンね、ミミ? だって可愛かったんだもん…きゃ!?」
油断しているエイミを後ろから抱き寄せた。射精欲が高まってきている俺は、性急に次の女を求める。体を正面に向けて、抱きかかえるようにして、俺はエイミの中に挿入した。
「ひゃぅぅん! ご主人様ぁ!」
相変わらず、きつくて熱い締め付けだ。俺はエイミの小さな体ごと揺さぶる。エイミは俺の胸にしがみついて、されるがままに悲鳴をあげた。
エイミの長い耳に息を吹きかける。長い耳がビクンと跳ねた。しっぽに触れる。彼女のふさふさしたしっぽは、エクスタシーのスイッチになっている。
「ああぁあぁぁぁッ! イクッ!」
大きな声を出して、耳をピィンと立てて、エイミが絶頂する。それでも俺は攻めを緩めず、乱暴に彼女の体を求めて突き入れる。
「イク! イク! ご主人様、ご主人様ぁ!」
すでに俺もかなり高まっている状態だ。
ビクン、ビクンと、何度も俺を強く締め付けてくるエイミの肉壷に興奮も限界だった。
絶頂に達し続けるエイミの中に、俺はありったけの精を解き放った。
「…ふぅ」
そして一息ついたところで、モモがじっと俺を見ていることに気づいた。
「あー…じつはもう、俺は満足してしまったわけだが…」
しょぼんと、モモは顔を落とす。
無口でめったに自分の意見を言わない子だが、これはどう見ても、明らかに落胆していた。
「…残念か?」
コクコクと首を縦に振る。
普段わがままを言わないだけに、こういう表情を見るのは、かわいそうに思えた。
するとモモは、自分から俺の足元に跪いて、萎えた俺の陰茎をぱくりと咥えた。
「モモ?」
頬を染めて、俺とは目を合わせないようにして、モモはくちゅりと舌を鳴らして、その白くモコモコした頭を前後に揺すりだした。
小さな顔に似合わない長い舌が口の中で俺に絡まり、丹念に愛撫されているうちに、ムクムクと俺の陰茎にも力が戻ってくる。
モモは口を離して、クッションをポンポン叩いて、俺に横になるよう促した。
そして仰向けになった俺の足の上に遠慮がちに跨って、潤んだ瞳を向ける。
いつも大人しい彼女の、らしからぬ積極的な求めに、俺は欲情を感じた。
「いいぞ。好きにしろ」
ポォと頬を赤くして、小さく頷き、モモが俺の陰茎を跨いで、自分で挿入する。
入った途端に、ギュウと体全体で俺のを締め付け、歯を食いしばったかと思うと、大きく口を開けて、震えた。
入れただけで達してしまったようだ。らしからぬ積極さでセックスをリードする自分に、自分自身で興奮してしまっているのか。
だが、息を整えて、ゆっくりと、やがて大胆にモモは腰を揺さぶりだした。
「……あぅ…あ、ありがとうございます、ご主人様…好き…ん…大好きです……」
小さな呟きがモモの口から漏れる。そして懸命に腰を揺する。
「ふふっ、良かったね、モモ」
いつのまにかエイミやミミ、チムの3人が俺たちを取り囲んでいた。その顔には、モモを祝福するような笑みが浮かんでいる。
「…良かった? 何が?」
「あのね、今日はね、モモがご主人様のペットになって、1年目の記念日なんだよー!」
「だからモモちゃん、ご主人様にお礼を言いたいって、昨日の夜から言ってたんです」
「…そうだったのか?」
モモは腰を振りながら、真っ赤になった顔をブンブンと上下させる。
そうか。たまたま視察途中で立ち寄った孤児院でモモを見つけて、もう一年か。
無表情で何を考えてるかわからないが、そこがぬいぐるみのようで面白そうだから、拾ってみたんだっけ。
「それなのにチムのバカが、モモより先にご主人様に抱きつくからー」
「ミ、ミミだって、先にご主人様におねだりしたじゃーん!」
またケンカを始めようとする2人を放って、俺はモモの細い腰を撫で上げる。
「モモ、気持ちいいぞ。セックス上手になったな」
熱そうな頬っぺたを、小さな手のひらで覆い隠すモモ。
健気で可愛いヒツジ娘を、俺は下から突き上げてやった。
****
「わーい!」
ひととおりペットたちを可愛がったあと、庭で日光浴をさせてやった。芝生の上を元気に駆け回る4人を見てると、心が和む。
俺はそのまま1人で庭を歩いた。
庭と言っても、ちょっとした森くらいの広さはある。一般にも開放しているので、時々散歩している若い精霊と出会って、黄色い声を浴びたりもする。俺はロイヤルにはほど遠い下品な笑みを浮かべて、それに応える。
やがて、エルフの幼稚舎の子供たちと思わしき団体と出会った。
「はい、それじゃここにシーシーしましょうね」
保母の号令に応じて、子供たちは下着を下げてその場にしゃがむ。そして、まだ小さな木の苗に向かって放尿を開始する。
子供たちに、毎朝こうして庭の苗に放尿するよう指導したのは俺だ。
幼いうちからの情操教育は大切だからな。自分たちの尿で成長する木々の苗に、緑の生命力を感じてほしい。
「あ、アシュオウ様、おはようございます! みんな、ご挨拶して!」
俺に気づいた保母が、子供たちに立ち上がるように促す。
「いいんだ。そのまま小便を始めてくれ。植物の世話も大事だ」
保母は恐縮したように頭を下げる。子供たちはおしっこを続けたまま、「おはよーございます!」と明るい声をあげる。
「毎朝、ご苦労だな」
「い、いえ! とんでもありません! アシュオウ様のお庭を子供たちに開放してくださって、こちらの方こそいつも感謝を───」
ますます恥ずかしそうに体をくねらせる保母の腹は、ぽっこりと膨らんでいた。どうやら妊娠中らしい。母性を感じさせる仕草と表情は、しっとりとした色気を漂わせていた。
カンフルで増強されてる俺の性欲は、とどまることを知らない。
「ゴホン…ところで、子供たちにアレのことはちゃんと教えているのか?」
「あ、いえ、申し訳ありません。アレとは一体…?」
「セックスに決まってるだろう」
「えっ!? いえ、それは初等部に上がってからの授業で、あの」
「それでは遅すぎる。子供たちには早くからセックスというものの素晴らしさを教え、オナホとしての自覚を芽生えさせるべきだ」
「は、はいっ! アシュオウ様の仰るとおりです! さっそく戻りましたら、子供たちに言い聞かせますので」
「いや、せっかくだから、俺とお前で実演してみせよう。実際にやってみせた方が、このくらいの子供たちにはわかりやすい」
「わ、私がですか!?」
「イヤか?」
「いえ、ももももちろんそんなことはありませんが! でも、見てのとおり私のお腹には夫の子がおりますし、こんなみっともない体でお相手するのは、アシュオウ様に失礼かと…」
「 “かまわん、やるぞ。尻を出してそこの木に手をつけ” 」
「は、はい!」
保母は慌てて下着を下ろし、こちらに尻を向けて手をつく。そんな俺たちのやりとりを、子供たちはショボショボと小便をしながら見ている。
「それじゃ、みんな注目。今から先生がセックスについて教えてくれるそうだ。おしっこがまだ出てる子はそのままで、終わった子はここに集まるように」
「あぁ…」
色っぽい声を上げる保母と俺の周りに、数名の子供たちが集まってくる。
「アシュオウ様…私、アシュオウ様に抱いていただくのは、結婚式のとき以来で…上手くお相手できるかどうか…」
「かまわん。さあ、子供たちが見てるぞ。指導を始めてやれ」
「はい…みんな、見てる? 先生は今から、アシュオウ様にセックスをしていただきます。セックスというのは、私たちオナホの大切な仕事です。女の子はみんなアシュオウ様のオナホだから、アシュオウ様が望まれるときは、いつでも体を差し出してセックスをするんです」
大きな尻を撫で回す。ピクンと反応して、早くもじわりとアソコを濡らす。
「はぁ…気持ちいいッ。アシュオウ様の手は、私たちオナホを喜ばせる、魔法の手です。アシュオウ様に触れられるだけで、私たちの体はセックスの準備が調います。それは、私たちの体が、アシュオウ様に喜んでいただくためのものだからですっ。あぁ、ほら、もっと近くに来て、先生の大事なところを見て…グチュグチュでしょ? これがセックスの準備です」
子供たちが保母のアソコに顔を近づけ、「ほんとだー」とか「すっごい、ぬれぬれー」と歓声を上げる。
保母は恥ずかしそうにしながら、声をますます熱くさせる。
「せ、先生は、すごく気持ちよくなっています…アシュオウ様のセックスはとても素晴らしくて、先生はそれが大好きだから、すごく感じてしまうんです…先生は結婚して、夫となった男ともセックスしましたが、それはアシュオウ様のセックスと全然違って、つまらなくて気持ちよくありませんでした…先生は、いつもアシュオウ様のセックスを思い出して、切なくなっているんです…!」
子供に聞かせているのか、俺に聞かせているのか、保母は自分の言葉に表情を蕩けさせた。
「入れるぞ」
「はいッ…みんな、見て。アシュオウ様と先生のセックスが始まります。アシュオウ様のおチンポが、先生の大事なところに入ります! あぁ、嬉しい! 先生、もうこんなことないと思ってた! またアシュオウ様に抱いていただけるなんて嬉しい! アシュオウ様にセックスしていただくのが、女の幸せなの! 見て! みんな、よく見てて!」
ずずっ、と妊婦保母のそこに入っていく。
妊娠中だというのに、熱いそこは貪欲に俺のを吸い込み、強く抱きしめてくる。
初めて見るだろう男性器が、女の大事なところに入っていく光景に、子供たちは「おおー!?」と驚きの声を上げた。
「あぁ! 入ったッ、あぁぁ、素敵…これがアシュオウ様のおチンポ…これがセックスです…みんな、見てる? 先生のマンコにアシュオウ様のチンポが刺さったの、見た?」
子供たちも興奮した面持ちでコクコクと頷く。俺は彼女たちの見ている前で腰を大きく動かした。
「あぁぁッ! き、気持ちいい! アシュオウ様のおチンポが私の中を出たり入ったり…あっ、あぁっ、いいっ! すごくいいっ! これが、セックスです! 本当のオナホセックスなんです!」
「…せんせー、せっくすって、きもちいいの? ほんとぉ?」
「うん! うん! すごくいいよ! アシュオウ様のセックスは、気持ちいいの! 気持ちいいのぉ!」
「いっぱい、おしっこしたときみたいに?」
「もっとよ! そんなの、比べものにならないくらい! もう、他には何もいらないってくらいに、気持ちいいの!」
「じゃ、わたしもするー」
「そのつぎ、わたしー」
「ダメ! ダメよ、あなたたちは早すぎるの! もっといっぱい勉強して、アシュオウ様の、あぁっ、オナホになるための勉強してからじゃないと、ダメ! んんっ、こんなに、気持ちいいの、子供にはまだ早すぎるのーッ!」
「ちぇー」
「おとなって、いつもそれね」
「あのね、わたし、がんばってべんきょうする。そしたらアシュオウさま、わたしとせっくすしてくれる?」
「あぁ、いいぞ」
「やたー!」
「あー、いいなー! わたしもー!」
「わたしも、よやくー!」
「よやくけん、くばってー!」
「こっちも、こっちもー!」
子供たちが俺とセックスしたがって、こぞって手をあげる。そんなに焦らなくても、高等部に上がれば、もれなく全員犯してやるのに。
俺は微笑ましい気持ちで保母の尻を犯しながら、膨らんだ腹を撫でる。
「おい、この腹の子は女か?」
「も、もちろんそのつもりです! 私、女の子が欲しいです! 立派なオナホに育てて、アシュオウ様にいっぱい喜んでいただくのが、私の夢なんです!」
「あぁ、しっかり頼むぞ」
「はい! はい、アシュオウ様! ですから、この子も、私と一緒に抱いてください! アシュオウ様の熱くて美味しい精液を、この子にも、たっぷりぶっかけてやってくださいぃ!」
「よし、出すぞ。受け止めろ」
「あぁッ! あぁぁッ!」
子宮の奥に届くように、思いっきり出してやった。保母は崩れ落ちるよう脱力する。腹を潰さないよう、仰向けに転がしてやった。
「はぁ、はぁ…」
保母のアソコから、大量の精液が零れる。「これ、なんだろう?」と子供たちが首を傾げている。
俺はボイスコントローラーのスイッチを入れた。
「 “舐めてみろ。お前たちの大好物だぞ” 」
恐る恐る、子供の1人が指ですくって口に運ぶ。
「おいしー!」
あっという間に、子供たちが群がった。ぴちゃぴちゃ、ちゅるちゅると、食事の皿をすする子犬のように、保母のアソコに口をつけて吸う。
「あぁッ、ダメよ、あなたたち! それ、先生のものよ! 先生と、お腹の子のものなのよぉ! あぁッ! あぁぁッ!」
ぢゅるぢゅると、子供たちに吸われて精液はすぐ空っぽになった。物足りなそうに、子供たちは保母のそこを見る。
「せいえき、なくなった」
「えー、もう?」
「すくなくない?」
「わたしたち、どうみてもそだちざかりなのにね」
「おなかなった」
「ひもじいよぉ」
「これって、ぎゃくたい?」
「こわーい」
「でもアシュオウさまが、そんなことするはずないよ」
「おかわりあるよね?」
「あるある。ぜったい、かくしてる」
「あのふくろがあやしい」
「アシュオウさま、おかわりはー?」
「おかわりー!」
「げっぷでるほど、せいえきのませてー!」
無邪気な瞳で次々に精液をねだる子供たちに、さすがの俺も圧倒される。
どうしたものかと思って、助けを求めるつもりで保母を見たら、彼女は大きく足を広げ、自分の手でマンコも広げてこちらに向けていた。
「あぁ…申し訳ございません、アシュオウ様……子供たちが、わがままを言ってしまって……」
うっとりと妖艶な笑みを浮かべる妊婦保母に、俺は苦笑する。
****
午後は市内の視察を行った。
警護隊を従え、宮殿を下りて市井の様子を見て回る。
馬車の中で、エルフの警護隊長、シヴァにフェラチオさせながらだ。
「んっ、んぷっ、ちゅっ、ちゅぶっ、ちゅう、ちゅ、んん…」
「今日の俺の味はどうだ?」
「ふぁい、アシュオウ様の、チンポ、とっても、じゅぶ、おいふぃいです。んぶっ、ちゅぶっ、ちゅう、ちゅぷ…」
流れるような黒髪を後ろできつく束ね、同じく漆黒で切れ長の瞳は、腕利きたちが揃う警護隊の中でも最強と呼ばれるに相応しい鋭さを普段は見せているが、俺の馬車にいるときの彼女は、その美しい髪もぐしゃぐしゃに乱して、瞳を情欲に潤ませる、ただのオナホだった。
「スケベな顔だな、シヴァ。俺のチンポに夢中のようだが、それでちゃんと俺の警護は出来ているのか?」
「ふぁ、もひろんです、アシュオウ様ぁ。んぶっ、外は、精鋭の隊員たちが、しっかりと、んっ、固めておりますので、あむっ、アシュオウ様の、チンポの警護は、自分に、お任せください、んぷっ、ちゅぶ、じゅぶ、じゅぶ…」
喉の奥まで俺のを飲み込み、貪るように水音を立てる。
放っておけば、彼女はいつまでも俺のを咥えている。それが自分の任務と考えているフシもある。
かつて部下に警護の心得を聞かれたときなど、彼女は『心得などと、のんきに考えているヒマもない。自分はアシュオウ様のチンポの鞘だからな』と答えたそうだ。
警護隊の面々は、それを聞いて感動の涙を流したそうだが、俺にはどこがイイハナシなのか、さっぱりわからん。
「はぁ、じゅぶ、アシュオウ様っ。自分の、フェラは、いかがでしょうか? じゅぶっ、いつも、剣の柄で、稽古しているのですが、んんっ、どうにも、本番とは、要領も、興奮も、段違いで、んんっ、あぁ、上手に、できない…! 不器用なオナホで、申し訳ございません…っ」
切腹しそうなくらい悲愴な面持ちで言うのだが、シヴァのは十分すぎるくらい、献身的で気持ちの良いフェラだった。
俺は彼女の長い髪に指を絡めて、そのまま続けろと命令する。シヴァは嬉しそうにペースを速める。
今日も俺の国は平和だった。
街行く精霊たちは、俺の馬車を見ると足を止めて、一目でも俺を見ようと頬を赤らめ、首を伸ばす。それに応えるように窓から手を振ってやると、感極まったように胸に手を当て、深々と頭を下げる。子供たちは、警護隊に囲まれる馬車をいつまでも追いかけてくる。
精霊たちの崇拝と憧れを一身に浴びる。俺をただの人間と思っている市民は1人もいない。
精霊たちは、全て俺の忠実な民だ。
申し分のない毎日だった。
遠くで、鐘の音が鳴る。
「…どこかで、結婚式でもやってるのか?」
「ふぁ、この先の集会所で、黄羽根のウェンティという女と、んっ、ポロという男の、式が行われております。んっ、んっ」
俺が視察に出るときは、前もって、街で行われるどんな小さな催し物も頭に入れておくそうだ。さすが、ダテに警護隊長をやってるわけじゃない。まあ、やることはフェラだけだが。
しかし結婚式か。
そういえば、さっきのエルフの保母も結婚式に抱いてもらったと言っていたな。
王として、たまには市民のお祝い事にも、顔を出して祝福の1つもしてやらないとな。
「よし、行ってみるか」
「ふぁ! 皆の者、進路を丘の集会所へ転じろ! 一番隊は全速! アシュオウ様が到着する前に、その場の者を全員整列させておけ!」
俺のきまぐれに即時反応し、馬車の外に命令を飛ばす一瞬だけ、シヴァが引き締まった横顔を俺に見せた。
だが、すぐにまたいやらしく瞳を潤ませ、俺のフェラに戻る。
****
「ア、アシュオウ様。このたびは私どもの式に足をお運びいただいて…」
新郎が、ガチガチにかしこまっている。その横で新婦は、頬を赤らめて俺を見上げている。
黄色い尾羽を尻から伸ばした、背の低いインコ型の2人だった。
後ろにずらりと並んだ参列者は、新郎の身内と思わしき精霊以外は、全員女。こういうときでもない限り、男は市街地に入れない。初めて会うだろう俺に、新郎が緊張するのも無理はない。
「俺の方こそ、大事な式の途中で邪魔をして悪かったな。お前たちの結婚を祝福したかっただけだ。さあ、式を続けてくれ」
「あ、ありがとうございます、アシュオウ様!」
一緒に集会所に入って、式に参加する。
エルフの女が、2人に誓いの言葉を宣誓させるところだった。
「新郎ポロよ。あなたはこのウェンティを妻として、一生愛することを誓いますか?」
「誓います」
「新婦ウェンティよ。あなたはこの男の妻となった後も、アシュオウ様のオナホとして、いつまでもアシュオウ様のチンポを慕い、たとえ夫に体を貸すことはあっても、その汚れに耐え、自分の所有者はアシュオウ様であることを永遠に誓い、愛することを誓いますか?」
「あぁッ! ふぁぁ! ち、誓います! 私はアシュオウ様のモノです! アシュオウ様の所有物で、一生アシュオウ様のオナホですぅ!」
新婦の小さな軽い体を抱き上げ、立ったまま新郎のすぐ横で犯す。俺の首にしがみついて、ウェンティは甘い嬌声で俺への永遠の愛を誓う。
新郎は、妻となる女のそんな痴態に、嬉しそうに目を細めていた。
「ありがとうございます、アシュオウ様。結婚式に妻を抱いていただけるなんて名誉を、まさかこの私がいただけるなんて…感無量です。良かったな、ウェンティ」
「話しかけないでよ! 今は、アシュオウ様のことだけ考えてたいの。アシュオウ様のチンポの感触を、しっかりマンコに焼き付けておきたいのっ。邪魔しないで!」
「あ、あぁ、すまん…」
まったく、精霊の男というのは、かわいそうなもんだ。
まあ、精霊の女は全て俺のオナホなんだから、こうして嫁を分けてもらえるだけ、この男は幸運といえなくもないが。
「それでは、誓いのキスを」
「はい! アシュオウ様、好きです! 大好きです! んっ、ちゅぶ、ちゅう、はぁ、好きィ、んっ、んんっ」
小鳥がついばむようなキスを俺と交わしながら、感極まったウェンティが俺のをギュウギュウ締め付けてくる。
そしてキスを終えた後、俺はウェンティを犯したまま、新郎と並んで赤絨毯の上を歩いた。
丈の短い黄色いドレスは結合部も丸見えで、参列者たちも喉を鳴らしていた。
「まぁ、ウェンティったら、あんなにずっぽりアシュオウ様のチンポを飲み込んじゃって…嬉しそうね」
「よかったね、お姉ちゃん。今日のお姉ちゃん、とってもきれいだよ! アシュオウ様のチンポ、すっごく似合ってる!」
「うぁぁ! ありがとう、みんな! んっ、私、幸せだよ! 一生、今日のこと忘れないッ。あぁん! あぁッ、あぁッ、アシュオウ様と繋がったままバージンロードを歩くなんて、頭がフットーしそうだよぉ!」
彼女を抱いたまま、俺は集会所の外へ出る。彼女の友人たちが祝福の花びらを投げる。俺はピストンの速度を上げる。ウェンティが狂ったように乱れる。
その奥に、めいっぱいの精を放つ。
「さあ、花嫁からのザーメントスだ! 未婚の女は受け取りに来い!」
たっぷりと俺の精液を飲ませたウェンティの体を、上下に揺する。その膣口から飛び散る彼女の愛液に混じった精液を、彼女の親族や友人たちが大きく口を開けて舌を出し、競って飲みに来る。
ウェンティのアソコ前で顔を並べ、ピタピタと顔面に張り付く精液に表情を蕩けさせる女たち。
ウェンティは、放心したような笑みを浮かべていた。
新郎は、感激のあまり涙をこぼしていた。
よかったな、お前ら。
****
今日も寄り道を重ねながら視察を終え、宮殿に戻ると、何か悶着があったようで、警備隊が十数名のエルフと対峙していた。
「何の騒ぎだ!」
俺のを咥えていたシヴァが、素早く表情を引き締めて、さっそうと馬車から降りる。
旅装束のエルフたちが、キッとシヴァを睨みつける。俺はそのまま、馬車の中で高見の見物だ。
「警護隊長、シヴァ殿ですね。我々はレムリアより参りました有志の隊です。アシュオウ様にお目通り願いたい」
「レムリア? ずいぶん遠くからいらしたのだな。だが、アシュオウ様の本日の予定にそのような面会は含まれぬ。国務室にその旨を届け出て後、返答を待つがいい」
「今朝がた、守備隊の方を通じて国務室に届け出ようとしたら…その、職員は全て、じ、自慰の…そ、そんなことできる状態ではないと断られたッ! 一体、どうなっているんだ、この国は? 一緒に来た男子たちは、街に足を踏み入れることすら敵わなかった。女だらけの街で、誰もがアシュオウ、アシュオウと…。この国は狂っている! だから、我々が救いに来たのだ!」
そういや、今朝の国務室は総職員でオナニータイムだったからな。それはタイミングが悪かった。
「狂っている? 何を言っているんだ、貴殿ら。アシュオウ様の宮殿の前で、無礼はやめてもらおう」
「無礼とは、我ら精霊の尊厳を傷つけるアシュオウの所業のことだ! 我々は、レムリアの学生同盟。私はその副代表のリオ。あなたたち大人が口を揃えて称えるアシュオウという男は、我らが精霊世界を脅かす、淫乱でどん欲なモンスターだぞ! 一刻も早く、あの化け物を我々の前に連れてこい!」
リオとかいう、赤い髪をしたエルフがそう言うと、後ろの女たちも一斉に頷く。
なるほど。辺境のレムリアで、しかもまだ学生の連中か。
一度は俺が自ら各国を巡り、ボイコンで演説をぶって回ったが、当然それだけで全精霊を洗脳できたわけじゃない。10年も経てば、こういう形でこぼれが見えてくるわけだ。
それにしても、このリオという女、上玉だな。
色気のない旅装束だが、昔のウィルネを彷彿させる大きく鋭い目が、若さと正義感に眩しく輝いている。
白い頬を紅潮させ、唇を引き締め、精一杯シヴァと渡り合おうと、全身を緊張している。
その初々しさと野暮ったさが、彼女の素材の良さを余計に引き立てていた。
小さく可憐だが、岩場にも咲く逞しい花だ。
シヴァが、チラリと俺の馬車を振り返る。
俺は唇を片方だけ上げて、笑ってみせる。
「…お前たちがまだ学生の身であり、また辺境の者であることを考慮し、寛大なお心でアシュオウ様は今の暴言を許してやるそうだ。だが、もしそれ以上アシュオウ様を侮辱するようなら、たとえアシュオウ様が許しても、その前に自分がお前たちの首をはねるだろう。命を惜しむのなら、去られよ」
シヴァがどのような顔でリオに言ったのか俺の位置からは見えないが、彼女たちの一様に青ざめた顔を見れば、だいたい想像がつく。
だが、それでもリオはシヴァに食ってかかる。
「我が国にまでその名を轟かせる、誇り高き剣士シヴァ殿までもが、すでにアシュオウの魔の手に堕ちていたか! 我々の首をはねるというならば、やってみせるがいい! その瞬間にそなたの剣は、正義を知らぬケダモノの刃になるぞ…ッ!?」
音もなく、影もなく。
いつのまにかシヴァの剣先が、リオの喉元に突きつけられていた。
薄く削られた木刀の、その神速についていけないのか、魔法が抜刀を追いかけるように遅れて結晶化し、氷の刃となって剣の軌跡を描いていく。
まったく目にも止まらなかった。
リオたち学生たちはおろか、彼女の腕をよく知るはずの警護隊員たちですら、息を呑んだ。
「自分は、剣に正義など求めぬ。ケダモノでも悪魔でも、好きに呼んでくれて構わん。自分はアシュオウ様のチンポの鞘だ。剣はアシュオウ様のチンポを入れるために捨てた。こんなものを今さらどう呼ばれようが自分の知ったことではない。アシュオウ様の名を傷つける者あらば、たとえ正義であっても斬り捨てるだけだ。もう一度だけ言うぞ。去れ」
……言ってることは格好悪いのに、なぜかシヴァが格好良く見えた。
隊員たちも、感極まったようなため息を漏らした。
シヴァの剣が、空気を凍らせ、氷紋を重ね、その刃を大きくさせていく。
耳障りな音を立て、禍々しいほど美しい氷の刃が、リオの細い喉を覆い尽くしていく。
リオは、ガチガチと歯を鳴らしながらも、吼える。
「き、斬るなら斬れ! 外にいる我々の仲間が、きっとお前たちの悪業を世界中に広めるぞ。私の命が反撃の狼煙となるなら、喜んでこの首を差しだそう。さあ、斬り捨てるがいい!」
学生たちが魔法を構える。警備隊は俺の馬車の前に壁を作り、そして学生たちに向けてそれぞれの武器と魔法を構え、互いに牽制し合う。
そして緊張感が湿度を上げる中で、シヴァの背中だけが冷えていた。
本気で斬るつもりか。
だが、それはもったいない話だ。
「待て、シヴァ」
我ながら怪しい微笑みを浮かべて、俺は馬車を降りてリオたちの前で両手を広げた。
「その若く勇敢な命を、何もこんなところで捨てることはない。君たちは少し誤解しているだけだ。話し合えばわかってもらえると思う。中で休んで行かないか?」
「話し合いだと! ふざけるな、色情魔め! 我々は断じて貴様のような───」
「 “いいから、おとなしくついてこい” 」
接見室に、リオたち学生同盟を並べる。
全部で14名。エルフが数名に、種族もバラバラのうら若き女性たち。
どいつもこいつも、反抗的な目だ。しかし、若さと純粋さと正義感に輝いている。
俺がこいつらの年の頃は、小汚い野良犬みたいな顔をしていたが。
「この国の惨状を見て、我らは絶望している。世界は今、かつてない危機に瀕している。我々は貴様の野望には屈しない。断固抵抗の意志を示すためにやってきた」
大テーブルを挟んで、リオが鋭い眼光を俺に向けながら演説をぶっていた。
俺は耳をほじりながらその長い話を聞き流す。
「精霊は、潔癖で誇り高き種族。低俗なニンゲンごときがその上に君臨するなどあってはならぬ。どのような魔法を使って精霊たちを洗脳しているか知らないが…ニンゲンが精霊の、は、肌を汚すなど…おぞましいにも程があるわ!」
リオは感情を高ぶらせ、テーブルから身を乗り出して俺を罵倒する。今にも飛びかかってきそうな勢いだ。
さっそくシヴァが剣の柄に手をかけるが、俺がそれを手で制した。
リオたちには、俺に危害を加えることはできないように命令してあった。
彼女たちが本気で攻撃してくれば俺など一溜まりもないが、ボイコンのおかげで、こうして口から唾を飛ばして文句を言うのが関の山だ。
だから護衛などいらないと言ったのだが、それでも俺が心配だというので、シヴァだけは残してやった。
むしろシヴァがいたほうが何かと危険が起こりそうな気配なのだが。
「しかしまあ、おかげで世界中が発展してるだろ? 俺だってちゃんと支配者の仕事はしてるんだ。お前らみたいな子供にはできない難しい仕事だぞ?」
「それとこれとは、話は別だ! どうせ、我ら精霊を言いように利用しているだけに決まっている。貴様のような汚らわしい男に、政治などできるはずがない! 淫乱でどん欲なモンスターよ。貴様などに誑かされる我らではないぞ!」
小馬鹿にした俺の物言いに、リオはムキになって激する。
シヴァが剣を抜きたくてウズウズしているようだったから、俺が制してやった。
「議論だけでは埒が開かない。俺が正しい仕事をしているということを、証明してみせようじゃないか」
「証明だと?」
「あぁ。俺は国や世界を治めて、民を幸せに導いている。セックスだってその一部だ。あれで女は幸せになっているんだ。お前たちだって、俺とヤッてみればわかる」
「ばっ!? バカなことを言うな! 誰がそんな不潔なことを…」
「 “お前たちの正しさを証明するには、俺とセックスして感じないことを示してみせるしかない。ただし、俺に挿入されたとたん、お前たちは俺の性処理道具に染まり、快楽に押し流されて俺への服従を誓う。そのことは忘れたまま、俺とセックスで対決しろ” 」
「わかった! ならば、我らとセックスしてもらおう! 我々は誇り高き精霊の女。肌を委ねたくらいで、魂は屈しはせぬ!」
「それじゃ、最初は誰だ?」
「当然、私からだ!」
「待って、リオ」
リオが立ち上がり、旅装束のローブに手をかける。
だがその隣から、前髪をきれいに切り揃えた金髪のエルフが立ち上がり、リオの肩に手を乗せる。
「ケイ、止めないで。これは私がやらなきゃならない役目なの。あなたたちは下がっていて」
「ダメよ、リオ。代表がいない今は、副代表のあなたが私たちの長なのよ。迂闊にあなたが動いちゃダメ。ここは私に任せて」
「な、なに言ってるのよ。ケイにそんなことさせるわけにはいかないわ!」
「いいのよ。私だって執行部の一員ですもの。みんなを代表して、私がアシュオウを倒してみせる」
「でも…あなたがあんな男とセックスするなんて、いけないわ。だってあなたは代表のこと…」
「言わないで。いいの。私が勝手に彼のことを想っていただけなの。ここに来る途中で…彼に告白したから」
「え…彼は、なんて?」
ケイという女は、泣くのを堪えるような笑みを浮かべた。
「彼の心のお姫様は、今まで一緒に同盟を支えてきた赤い髪の女の子ですって、リオ」
「そ、そんな…!?」
リオの顔が、その髪の色と同じくらいに真っ赤になった。
「私はね、リオ。嬉しいの。だって初めて好きになった男の子が、同じくらい大好きな私の親友のこと好きだって言ってくれたんだもん。だから今度は、私があなたたちを応援する番よ。リオ、この仕事は私にやらせて。じゃないと、私が代表に怒られちゃうから」
「ダメよ、ケイ。私だって親友のあなたにそんなこと───」
「順番が決まらないなら、自分がまず手本を見せてやろうか?」
「シヴァ、お前は出てこなくていい」
「申し訳ございませんでした、アシュオウ様」
空気を読まないことに定評のあるシヴァがしゃしゃり出てきたから、俺はそれも制してやった。
そうこうしているうちに、結局そのリオの親友のケイとかいう童顔のエルフに決まった。仲間の見ている前で恥ずかしそう服を脱ぎ捨てていく姿は、欲情をそそる。
胸は小さく、スレンダーな体だったが、少女らしい魅力に輝いていた。
「テーブルの上に仰向けになって、足を広げろ」
「くっ…!」
顔から胸までを真っ赤にしながら、ケイは俺の言うとおりに足を広げて、薄い色の股間を露わにする。
リオが親友の恥ずかしい姿に、呻き声を上げる。
「あぁ、ケイ…ごめんなさい…」
「だ、大丈夫よ、これくらい。心配しないで、見てて。必ずこのアシュオウに参ったと言わせてみせるから…」
白い膝の間で、処女の清潔な割れ目がわずかに開く。
まだ潤いのないそこは、言葉とは自信なさげに震えている。
「 “俺の視線だけでお前たちは濡れる” 」
「あっ…!」
「ど、どうしたのケイ! 大丈夫!?」
ビクンと跳ねたケイに、リオたちが心配そうに声をかける。ケイは「何でもない」と首を振る。
しかし、体は正直に反応していく。彼女は自分自身の変化を不思議に思う間もなく、そこを濡らしていく。
「あっ…あっ…」
「どうした? いくぞ」
「く、来るなら来い! 貴様ごときのセックスなどに、あっ、死んでも、屈するものか…!」
「ケイ、がんばれ!」
「ケイ先輩! 私たちがついてます!」
「そんな男、蹴散らしてやってください!」
「いけいけー!」
黄色い声援とブーイングが飛び交う。
俺の宮殿なのに、完全にアウェイだった。
まあ、これまでさんざん亜種どもと乱交しまくってきた俺には、今さらギャラリーの雑音など気にもならないがな。
「臆することなどございません、アシュオウ様! あなた様のチンポはまさに天下無双。そのような小娘など、亀頭だけでアヘアヘのアクメ顔でございます! そーれ、亀! そーれ、亀!」
「…シヴァ、頼むから黙っててくれ」
「ハッ、申し訳ございません、アシュオウ様」
お堅く真面目な武人なのだが、なぜかコントの才能のある娘だった。
「では気を取り直して、いくぞ」
「こ、来い!」
ケイの中に割り入る。
「ああぁぁぁーッ!?」
やはり処女の中はきついが、奥へと誘うようなぬめりと締まりは、さすがはエルフの名器。男のモノにぴたりとはまって、吸い込んでくる。
「ケイ、大丈夫!?」
「しっかり、ケイ! 気をしっかりと持って!」
ゆっくりと彼女の中を往復する。ヒダが俺のを引きずるように絡んでくる。小さな吸盤のようにまとわりついてくる。
気持ちいい。やはり、抱くならエルフだ。
「あぁッ! あぁッ! あぁッ!」
「ケイ、苦しいの!?」
「おのれ、アシュオウ! ケイを離せ!」
「ちが、違うの…気持ちいいの! アシュオウ様のチンポ、気持ちいいっ。すごくいいっ。あぁ、もっと! もっとください、アシュオウ様ぁ!」
「ケ…イ…?」
アヘアヘのアクメ顔を晒して、ケイが悶える。
リオはそんな親友の姿に呆然となっている。俺は初めてのセックスによがるケイに、みんなに聞こえるように尋ねる。
「ケイ、どうだ? 俺のセックスは気持ちいいだろう?」
「気持ちいい! きもひいいですぅ!」
「俺の言うことは正しかったな。お前の主は誰だ、ケイ? 世界の王にふさわしいのは誰だ?」
「アシュオウ様の、言うとおりでございましたぁ! 私の、主は、アシュオウ様ぁ! 世界の王にふさわしい、おチンポですぅ! あ、もっと! もっと!」
「そういや、誰だったか、好いた男がいたんじゃなかったか?」
「いません! あんなつまらない堅物男、リオにくれてやりますっ。私の好きな人は、アシュオウ様です! 私の神は、アシュオウ様ですぅ!」
「ということだ。さて、次の相手は誰だ?」
「あぁ! あぁ! まだ、まだ私を! 私を抱いてください、アシュオウ様ぁ!」
自ら腰を振りながらケイは喘ぐ。親友のあまりの豹変ぶりに、リオは歯をカタカタと鳴らす。
少し脅かしすぎたかな?
ケイはさっさとイかせて、気を失った彼女からずるりと引き抜く。俺のはまだギンギンにそそり立っている。
学生たちは初めて見る男根にたじろぐ。シヴァは別の意味で息を呑む。
「リオ、下がっていろ。次の相手はあたしだ」
「オルガ先輩!?」
リオの後ろから出てきた女に、俺は思わず驚いた。
なんとこいつは、ダークエルフだ。
金色の短い髪。鋭い瞳。背が高い。そして、最も特徴的なのがその黒い肌。
エルフの一種だが、その名のとおり、白い肌が特徴的なエルフとは対照的に浅黒い肌をしている。能力的にはエルフと変わらないのだが、製造数はエルフよりもさらに少ない。やはりマニアにはたまらない希少種だ。
エルフの中でも気性は荒く、白いエルフが幅を利かせる大都会よりも、辺境都市を好むらしい。俺も見るのは初めてだった。
その彼女がずい、とリオの前に出て、あっさりと服を脱ぎ捨てる。
堂々として、引き締まった体。濃い金色の陰毛が印象的だ。美しく鍛えられた肉体だ。
「お前はあたしたちの最後の希望だ、リオ。こんな男に肌を晒すことなどない」
「せ、先輩…?」
「フッ、意外か? このあたしがこんなこと言うなんて」
「いえ、そんな…でも、私はいつも怒られてばかりで、てっきり、オルガ先輩には良く思われてないのかと…」
「アハハッ。確かに、お前にはきついことばっかり言ってたな。でも…お前はいつだって、全力で応えてくれた。一生懸命で、負けん気が強くて…ついついあたしも、ムキになっちまったよ。そんなお前が、頼もしくてな」
「え?」
「そしてこの旅を通じて、はっきりわかった。あたしの目に狂いはなかったよ。リオは、あたしたちの長に相応しい器さ。あたしたちの夢を託せるのは、あんたしかいない」
「私が…」
「いじわるな先輩からの、最後の忠告だ。お前は絶対に生き残れ、リオ。あの男は、あたしが倒す!」
「オルガ先輩!」
「…リオ」
「はい!」
「この戦いが終わったら…2人で旨い酒でも飲もうな」
「オルガ先輩…」
リオは、涙を拭って笑顔で応える。
「はいっ。でも私、こう見えても結構お酒強いんですよ?」
「ハハッ、上等」
親指を立てて、オルガがニヤリと笑う。
そして、俺に向かって威勢の良い声を張り上げる。
「さあ、アシュオウ! 次の相手はあたしだ! さっさとかかってきな!」
ドシ、ドシとテーブルに四つんばいになり、引き締まった尻を自ら俺に向ける。
「入れるなら、入れてみろ! その粗末な…チ、チンチン! あたしのここで食いちぎってやる!」
確かに、締まりの良さそうなアソコだ。これがダークエルフのあそこか。なにやら感慨深いものもある。俺は生唾を飲み込んだ。
そしてオルガも、自分から晒したくせに、俺の視線に反応してどんどん濡れていく。
「く、そぅ…」
無駄だ。いくら頑張ってもお前らに勝ち目はない。こうやって、自ら俺の手に堕ちていくんだよ、お前らは。
「うっ…くっ…」
「いくぞ、オルガ」
「くっ、こ、来い!」
「オルガ先輩、負けないで!」
「どうしよう、ケイがあんなやられ方して、先輩にまでもしものことがあったら、私たち…」
「大丈夫! それでもオルガ先輩なら…オルガ先輩なら、きっと何とかしてくれる!」
ずずっと、オルガの中に入っていく。
「ぅあぁぁーッ! 気持ちいいーッ!」
オルガの背中が反り返り、全身でビクンビクンと脈打った。
「あぁっ、あぁっ、あぁっ!」
「どうだ、オルガ。気持ちいいか?」
「気持ちいい! 最高、アシュオウ様! セックス最高! 気持ちいいーッ!」
「お前たちの主は誰だ? 長の器は誰だ?」
「もちろん、アシュオウ様に決まってる! 長のチンポはアシュオウ様! あたしのアシュオウ様ぁ!」
「リオじゃないのか? お前、リオと旨い酒を飲むんじゃなかったのか?」
「あんな小娘、知らないよぉ! あたしが飲みたいのはアシュオウ様の精液! 精液だけです! あぁ、アシュオウ様ぁー!」
筋肉質の尻を強く握って犯していく。
エルフだけあってあそこの締まりも最高だが、ざらりとした肉壁と、うねうねと絡むヒダの野性味はダークエルフならではか。
浅黒い肌を官能的に火照らせて、オルガは獣のような声を上げる。グイグイと大胆な腰使いでセックスの快楽に没頭していく。
リオたちも、先輩のあっけない陥落に唖然とするだけだ。
「オルガ先輩…早い! あっけなさすぎます!」
「リオ先輩、次は私が」
「あなたはダメよ、ファミン! こうなったら私が!」
「リオ先輩の方こそ、落ち着いてください。オルガ先輩はヘタレだけど、良いことも言ってました。リオ先輩はここで終わってはいけない方です。私たちの希望なんです」
「ファミン、でも…」
「私なら大丈夫です。前に先輩にもお話しましたよね? 私、幼なじみとお付き合いしてるって」
「ええ、聞いたわ」
「ケイ先輩も、オルガ先輩も、心に決めた方がいらっしゃらないから、あのような下品な男に心を奪われてしまうんです。でも私は大丈夫。彼がいつでも私を見守っててくれるから」
ファミンというウサギ娘は、ポケットからお守りような小袋を取り出して、胸に握った。
「私は1人で戦うんじゃない。だから大丈夫。アシュオウにだって負ける気はしません」
「ファミン…」
「ここで見ていてください、リオ先輩。いつも先輩に助けてもらってばかりだった私ですけど、最後に先輩を助けてみせます」
「最後?」
「はい」
ファミンは、左手の指輪を見せて、幸せそうに微笑んだ。
「私、この旅が終わったら結婚するんです」
…どうでもいいが、最近の学生の間では死亡フラグが流行ってるのか?
もちろん俺はファミンにも犯しながら忠誠を誓わせた。そのフィアンセのお守りみたいなヤツも、犯しながら捨てさせた。ファミンも最後は放尿しながら絶頂し、リオにも早く降参しろと迫っていた。
そんな調子で次々と学生連中を犯していく。
双子のエルフは「私たちが時間を稼いでいる間に逃げて」と言ったが、もちろん俺は逃げられないようにボイコンで命じているので、そいつらは仲間の前で普通に俺に犯されただけだ。
ハムスターの娘は弟や妹の心配をしながら犯され、ユニコーンの娘は残り少ない自分たちの種族の未来を案じながら犯され、インコの娘は孤児院の子供たちが自分の唄を待っていると言いながら犯され、そして1人残らず俺のオナホとして生きることを誓わせた。
それにしても、意外とこの死亡フラグ攻撃はきつかった。
切ない話が多くて、何度か俺の心とチンポも中折れしそうになった。最後のリオが言ってた、祖母さんの編みかけのセーターの話が地味に一番効いた。
彼女たちは、そういった意味では手強い相手だったと言える。
それでも俺は、全員を犯してやったが。
「あぁッ、アシュオウ様! いいッ! すごく、気持ちいいです! あぁ! アシュオウ様のオナホにしていただけて、幸せです! もう、死んでもいいですぅ!」
「そうか。この色情魔に抱かれてそんなに嬉しいのか、リオ?」
「いやぁ! 申し訳ございません、アシュオウ様! アシュオウ様の仰るとおり、私の、愚かな間違いでございました! お、お恥ずかしいです! 私、あんっ、アシュオウ様のお話を聞いて、目が覚めました! あぁッ! 私たちは、アシュオウ様のオナホです! アシュオウ様の、セックスが全てです! アシュオウ様のおチンポこそが、正義なんですぅーッ!」
すっかり染まったリオの喘ぎ声に、壁際のシヴァが「うむ」と静かに頷いた。
14名の処女を全て奪い、最後の仕上げにリオを仰向けに転がし、股を広げさせて犯していた。
やりきった。意外と大変な仕事だった。
しかしそれだけの価値が、このリオの体にはある。
「それでは、リオ。お前のこの豊満な胸も、俺のものだということか?」
「はい! も、もちろんです! あぁッ、どうぞ、好きなだけ揉みしだいて、吸って、噛んでください! はぁッ、私のこの大きくていやらしい胸も、アシュオウ様のためです! 全部、アシュオウ様のオナホですぅ!」
「あぁ、いいぞ。お前の胸は気に入った。俺のモノにしてやる」
「うぁぁ…ッ! あ、ありがとうございます! ありがとうございます!」
野暮ったい旅装束を脱がせてみると、ニーナ並の美しい巨乳がそこにあった。
大当たりってやつだ。
若く張りのある胸を力一杯鷲づかみにしてやると、リオは白い喉を仰け反らせて、嬉しそうに甘い悲鳴を上げる。
シヴァが、その胸を自分のと見比べ、小さな声で「あのとき斬っておけば」と言った。
「それじゃあ、リオ。誓いの言葉を言え」
「はいぃ! 我々精霊は、アシュオウ様のオナホです! アシュオウ様のオナホは、アシュオウ様の性欲処理のための道具です! アシュオウ様の喜びが、オナホの喜びです! これ以上の幸せはありません!」
「いいぞ。その調子で続けろ。お前らもだ」
リオに合わせて、他の学生たちも声を揃えて唱和する。
お前には言ってないっていうのに、ひときわ大きな声でシヴァも唱和する。
まあいい。俺は手元の箱を引き寄せる。
彼女たちのために、大量のボイスコントローラーを用意した。遺跡から掘り出し、俺の研究所に集めておいた予備のボイコンだが、こんなものは、まだまだあちこちに埋まっている。
それを1つ、リオの首にはめる。
彼女たちが言っていたことだ。
仲間が俺のことを世界中に広めるって。
確かにいいアイディアだ。俺がそれを利用させてもらおう。
「 “これは俺への忠誠を誓う首輪だ。これは人間の作った道具だが、お前たちだけは触れることが出来る。絶対に外してはいけない” 」
「あぁ、はい。ふぁっ、ありがとう、ございます! アシュオウ様の、誓いの、首輪っ、嬉しいです! 死んでも、離しません!」
「 “お前たちはこれを付けて、世界中を旅しろ。精霊の住む場所はどこでも行け。そして、このスイッチを一度押せ。街でも村でも、入ったらこのスイッチを押して、誓いの言葉を言って回れ。スイッチが入っている間は、それ以外のことは絶対にしゃべるな。終わればスイッチを切っていい。あとで充電の仕方を教えてやる。外にいる仲間も全員だ。男女組になって旅に出ろ。一生その旅を続けろ” 」
「はいッ! アシュオウ様の、仰るとおりに、あん、いたしますぅ! 私たちは、アシュオウ様のためなら、あぁ! 死ぬまで、旅を続けますぅ! イク、イクぅ!」
リオは、絶頂に達しながら、俺への忠誠と、過酷な旅に出ることを誓った。
こいつらに任せておけば、俺の支配は世界のすみずみにまで及ぶ。
思わずニヤリと笑みがこぼれた。
我ながら上出来。これで俺の王国も百年は安泰だな。
シヴァが、リオの首輪を物欲しそうな目で、しかも剣に手をかけていたから、斬っちゃダメだと叱っておいた。
****
「…今日もお疲れさまでした」
全裸のウィルネが、俺の背中を優しくマッサージする。柔らかいベッドとウィルネの肌に挟まれ、気持ちよく力が抜けていく。
「なに、たいした仕事はしてないさ」
じっさい、セックスしかしてないしな。
「そんなことありません。アシュオウ様のおかげで私たちは平和で豊かに暮らしていられるんです。いくら感謝しても足りないくらいです」
さらりとしたウィルネの金髪が俺の背中をくすぐる。そして彼女の舌が触れて、俺の背筋を辿るように蠢いた。くすぐったさと気持ちよさが、ぞくりと駆け上る。
「大げさなことを言うな」
もとから精霊たちの世界は、平和で豊かだったんだ。俺は少し知恵を貸しただけ。しかも古代人の真似ごとだ。
ウィルネは、くすりと微笑んで、腰骨のあたりまで舌を下げていく。
「アシュオウ様が何と仰ろうと、私たちがアシュオウ様に捧げる感謝の気持ちは変わりません。アシュオウ様は私たちの王です。私たちオナホを、正しい道に導いてくださる神です。恥ずかしがらずに、私たちにアシュオウ様を讃えさせてください」
からかうように笑いながら、尻の谷間を辿って、俺の尻の穴に舌を這わせる。くちゅりといやらしい音を立て、舌で肛門を拡げるようにして、ウィルネが吸いついてくる。俺は思わず呻き声をあげた。
「私たちはアシュオウ様を、心から尊敬申し上げています…んっちゅ、んっ、ちゅぷ、れろ…」
ニーナと並んで天上の双姫と謳われる美貌を、俺の尻に埋めるウィルネ。
学生の頃の気の強さと傲慢さは、10年が経って高貴な気品に変わっていた。
美しくて当然の精霊やエルフの中にあっても、彼女たちの美しさは際だっていた。
もっとも俺の近くにいて、そして抱かれているせいだろうか。もともと人間に抱かれるために作られた彼女たちが、本来の役目に戻ったおかげで、成長の方向が定まったのかもしれない。
だがもちろん、それだけではない。
彼女たちが、俺の見えないところで肌を磨いたり、衣装や作法に努力していることを、俺は知っている。俺のそばで仕えるに相応しい女であろうと、彼女たちは常に自分を磨き続けているんだ。
ウィルネが舌を尖らせて、俺の肛門の中に差し込んでくる。ほじるように蠢き、吸われ、ぞくぞくする快感にきつく勃起した陰茎が苦しくなってきた。
この献身的な奉仕も、俺に命令されたわけでなく、どうすれば俺が喜ぶかを、自分たちで考えたものだ。彼女たちは、自分の全ての能力を、俺のために磨き、使ってくれている。
「ウィルネ、もういいぞ。上に乗れ」
「はい」
仰向けになった俺の上に跨り、ウィルネはその長い金髪を上品にかき上げる。
今朝、ニーナが付けていたのと同じ髪飾りが、ニーナの可愛らしさとは違う女らしさを感じさせた。
悠然と微笑むその優雅さ。上流の女にしか出せない高貴な色気。
ついさっきまで俺の肛門を吸っていたくせに。そして今は男の上に跨っているくせに、彼女にはその下品さの欠片も見あたらない。
完璧すぎて、感服する。
ウィルネの美しさには、一片の隙もなかった。
「…ウィルネ」
「はい?」
「お前は美しいな」
正直な気持ちを、思わず口に出してしまった。
すると、ウィルネが大変なことになった。
大きな瞳と唇を真ん丸にしたかと思うと、ボンと音が聞こえそうな勢いで、ウィルネは首のあたりまで、一瞬で真っ赤になった。そして「にへら~っ」とだらしなく口元を緩めて、赤い頬を両手で挟む。
しかし、俺の視線に気づくと慌てて彼女は表情を引き締めて、ツンと不機嫌そうに顔をそむける。
「そ、そんなの、当然です!」
そして顔を髪で隠すようにしながら、ウィルネはぽつりとつぶやいた。
「…アシュオウ様の、オナホですから」
そう言って、俺の陰茎を握って腰を浮かせる。
長い髪を垂らして、相変わらず俺に顔を見せまいとしているが、その腰がプルプル震えているのを、俺は見逃さなかった。
< 続く >