魔王と聖女と三王女 第五話

第五話

 エレノアとリーゼに種付けをしてから、さらに数日が経った。我は、居室で二人の身体を楽しんだ後、玉座の間に向かって闇に満ちた回廊を歩いている。いつものようにエレノアは我が腕に抱きつき、リーゼは一歩引いたところから付き従う。それは、二人が堕ちてから、繰り返された光景。ただ一つ変わったことは、エレノアとリーゼの腹がはた目から見ても分かるほどに膨らんでいることだ。

 魔族の仔の成長は早い。わずか十日ほどで、臨月に至る。リーゼは、器用にメイドの衣装を仕立て直し、膨らみ始めた自分の腹を柔らかく覆い隠している。エレノアは相変わらず肌をさらけ出した踊り子の衣装だが、リーゼに「腹を冷やしてはいけない」と注意されて下腹部に薄布を纏わせていた。普段はケンカばかりしているような二人だったが、肝心なところでは気づかい、信用し合っているようだった。

「ご主人様。今日こそ、フィオを堕とされるのですか?」

 犯される時の乱れようを感じさせない清楚な声で、リーゼが尋ねる。フィオとは、聖女の弟子の名だ。

 聖女は、聖都のみならず人界全体の象徴とされている。聖女は、俗世から離れた立場でありながら王族と同等の振る舞いを他国から認められ、王族に対する以上の敬意を持ってあらゆる人から崇められていた。聖女の直弟子に選ばれた者は、たとえ平民の出身であったとしても、名門貴族の令嬢なみの扱いを受ける。一番弟子となれば、他国の王女と同格とみなされる。この事実からも、聖女に対する人族の並々ならぬ感情がうかがえた。

「フィオったら、私とリーゼの膨らんだおなかを見たら、どんな顔をするのかしら?」

 エレノアは、クスクスと笑いながら、愉快そうに言う。その手が、愛おしそうに腹部をなでる。

「あの娘を堕とす前に……お前たちに二、三、聞いておくことがある」

 我は、エレノアとリーゼに言葉を返す。二人は「なんなりと」と答えると、神妙な面持ちで我のほうを見つめ返す。

「まず、あの小娘の能力はなんだ? 魔族にも、あそこまで変幻自在に姿を変えられる者はいない」

 少なくとも、聖女の弟子は我の目の前で、岩巨人と、鋼の竜に変じている。

「フィオは……北方の少数民族の生まれです。クラム族と呼ばれていて、化身の能力を血脈に伝えていることで知られています」

 リーゼが答えた。その一族のことならば、人界の魔物を通じて我も聞いたことがある。だが……

「かの一族の者は、化身できると聞く。だが、化身できる姿は、一種か二種。しかも、野山に暮らす鳥獣の類に変じるのが、せいぜいというぞ?」

 我が知る限りでは、あそこまでの姿に変じられるとは思えない。

「あの娘は……フィオは、特別だから……」

 エレノアが、少しだけつらそうにうつむきながら答える。我が続きを言うように促すと、エレノアは頷いた。

「クラム族には、時々、普通よりも変身する能力に優れた子供が生まれることがあるの。でも、そういった子供は、変身を繰り返すうちに、自分のもとの姿を忘れて、異形の化け物になるって信じられていて……幼いうちに殺されてしまうの」
「フィオも、そういった子供の一人です。まだ、赤ん坊のうちに殺される運命だったのですが、弟子探しの遍歴をなさっていた聖女ティアナ様の目にとまって引き取られました。聖女様のもとで、神官としての修業をしながら、あの力を制御するすべを会得していったのです」

 エレノアとリーゼが、丁寧に説明する。

「あの小娘は、どれくらいの姿に変じられる?」

 我が尋ねる。

「正確な数は分かりません……私が見た範囲では、フィオが理解できて、想像できるものならば、およそあらゆる生き物に変身することができていました……私たちが、魔界へと来られたのも、フィオが巨鳥に変身してくれたからなんです」

 リーゼは、少し思案しながら答えた。人界と魔界の間には、世界の裂け目が走っている。それを越えられたのも、あの小娘のおかげというわけか。

「でも、お父様!! あの娘は、本当は変身するのが怖いの。本当の自分が誰なのか、分からなくなる気がするって、いつも言っていた……だから、あの娘は、昔から今の幼い姿のままで歳をとることもできない。討伐作戦に志願する前から友達だったから、分かるの……」

 エレノアが、割って入るように言ってくる。エレノアにとって、あの小娘は妹分と言ったところか。それは、どこか心配そうな表情を浮かべるリーゼにしても同じなのだろう。

「だいたいのことは、分かった。だが、子細は変わらぬ……二人には、段取りの通りに働いてもらうぞ?」

 我が、邪な笑いを浮かべながら告げる。エレノアとリーゼも、顔に隠すことのできない魔性の笑みを浮かべて、頷く。リーゼが玉座の間の扉を押し開き、我とエレノアは歩を進めた。

 我は、二人の王女を従えて、最後の蕾の前に立った。手をかざし、黒いイバラを解かせる。エレノアとリーゼの時のように、四肢を拘束するようなこともしない。聖女の弟子の身体を、黒いイバラの茂みから吐き出させる。

 黒い蕾の中から姿を現したのは、人ではなかった。人ほどの大きさの白い繭が、コトリと倒れ込むように床に落ちる。どうやら、聖女の弟子は、とっさに自らの身体の表面を作り変えて、身を守ろうとしたようだった。外気に触れた白い糸は次第に解け、その内側から聖女の弟子の幼い肢体が姿を現す。解けた幾本もの糸は、聖女の弟子の皮膚に溶け込むようにとりこまれていく。

 聖女の弟子は、少しうめくと、顔をあげる。体表が濡れているのは、汗だけではない。たとえ姿を変えようとも、媚毒の樹液は少しずつ、繭の奥まで染み込んでいた。短めに切りそろえられた金色の髪は、樹液のぬめりと相まって、宝石のように輝く。まどろむようにまぶたを半分だけ閉じた大きな瞳も相まって、その幼い顔はまるで人形のようだ。子供らしい小さな尻に、まだふくらんでもいない胸は、あどけなさすらも感じさせる。それでも、この幼年の姿をした聖女の直弟子は肌を赤く染め、蕩けたような息を荒くついていた。いかに未知の力で身を守ろうとも、魔界の媚毒の効果は確実に表れている。

「う……うぅん……」

 聖女の弟子は、小さく首を振ると、ぼんやりと目の前にいる我々を眺める。

「エレノア……それに、リーゼも……あ、あれ?」

 聖女の弟子の目が焦点を合わせ、同時に表情が硬くなる。

「ま、魔王!!」

 聖女の弟子が息をのんだ。我の左右には、従者の格好でかしずくリーゼと、愛人のようにしなだれているエレノアの姿がある。聖女の弟子の視線が、エレノアとリーゼの顔を交互に泳ぎ、その後、下に降りていく。明らかに膨らんだ二人の王女の腹を見て、聖女の弟子はまた恐怖の声を喉に飲み込んだ。

「おはよう、フィオ。気分はどう?」
「ほんと、フィオったら、お寝坊さんなんだからぁ」

 エレノアとリーゼが、優しく、妖艶に笑いながら聖女の弟子の前に歩み出る。

「エレノア? リーゼ? 一体どうしたの……」

 聖女の弟子が震えながら尋ねた。

「見ての通りよ。私、魔王様の……ご主人様の下僕にしていただいたの。ご主人様の命令に忠実に従い、身の回りのお世話をするのが、私の仕事。エレノアだって、そうなの」
「私の場合は、魔王様の娘、兼、愛人よ。私もリーゼも、孕ませていただいて……うふふ、子供のフィオには、難しすぎるかしら?」

 二人の王女は、膨らんだ腹をうっとりと撫でながら、淫蕩にゆがんだ顔で語りかける。

「なにこれ……私……悪い夢でも見ているの?」

 聖女の弟子の顔面からは、血の気が引いている。小さな肩は、恐怖に小刻みと震えていた。本能的に後ずさり逃げようとするが、イバラの媚毒に侵された身体は脱力し、それもかなわない。

「あら、逃げちゃダメじゃない。フィオ」

 リーゼが子供を優しく抱きすくめるように、聖女の弟子を捕らえた。

「口で言っても分からないなら、実際に見せてあげるわね。お父様に可愛がられている私の姿をね……」

 エレノアが、聖女の弟子の髪を撫でながら笑いかける。そのまま立ち上がると、我のほうを向き直り、腰を振りながらゆっくりと歩み寄る。

「フィオ。しっかりと見なさい? あなたの大好きなエレノアの、幸せな姿を……」

 リーゼは、聖女の弟子の顔を両手で押さえ、無理やり我とエレノアのほうを向けさせた。エレノアは肩越しに振り向いてその様を確かめると、踊り子の腰布と、腹にまとわせた薄布をはだけ、床に落とす。

「お父様ぁ。どうか、あなたの娘エレノアを、今日も可愛がってくださぁい」

 エレノアは、腰をくねらせ、肩をすくめ、全身で媚を浮かべて、我を誘う。

「しかし、エレノア。身重で交わっては、身体に障るのではないか?」

 我は、意地悪く焦らすように聞き返す。

「もう、お父様ったら……お腹の仔のためにも、お父様のミルクで栄養をあげる必要がありますわ。それに、どうしても心配なら……こちらを使う方法だってあるのよ?」

 そう言うとエレノアは、身をひるがえし、我に尻を突き出した。熟れた果実のごとき、歳以上にむっちりとした尻肉を両手で割り開き、柔肉の谷間に位置する尻穴をあらわにする。

「尻穴での交合を求めるとは、いやらしい淫婦となったものだな。エレノア?」

 我は、装束から硬くそそり立った肉棒を取り出し、尻を向けたエレノアに歩み寄る。

「あぁん……そうよ。私、お父様のご寵愛を得るためなら……いくらでも、淫らになれるわ」

 我は、エレノアの膨らんだ腹を握りつぶさないように気をつけながら、腰をつかむ。そのまま、性交の役割を持たぬはずの穴に剛直を突き入れる。初め、弾力を盛った抵抗感が男根を拒む。その抵抗を押し割って内部に侵入すると、抵抗はきつい締め付けを伴った肉の歓待へと姿を変える。

「ふあ、あぁぁあ!!」

 未知の感触にエレノアが、絶叫をあげた。

「見て! フィオ、見て!? お父様に……処女だけじゃなくて、裏処女までもお捧げしている私の姿を見て!!!」

 我は、エレノアと結合したまま、腰を握った手を離す。その手で、豊満な乳房を鷲掴みにするとグニグニと揉みほぐす。尻穴を犯す男根も、ゆっくりと、深く挿入を繰り返し、内部をえぐっていく。

「あぁ、イクっ! 私、お尻でもイッちゃうぅぅ!!」

 ほどなくして、エレノアが嬌声をあげた。こらえ性もなく、不浄の交わりで、絶頂を覚える。我は、脱力したエレノアが倒れ込んで腹を潰さぬよう、その身体を支えてやる。

「エレノアったら、すごい。私も、ご主人様に裏処女を奪っていただきたい……あなたも、そう思うでしょう。フィオ」

 身体を捕らえた聖女の弟子に優しく語りかけるリーゼ。当の聖女の弟子は、恐怖にガタガタと肩を震えさせていた。リーゼの手によって、無理やりに我とエレノアのほうに顔を向けられながらも、精一杯に現実を拒絶しようと、その眼を硬く閉じている。

「……聖女様、どうぞお助けください……聖女様、三王女をお守りください……」

 聖女の弟子は、血の気が引いた唇で祈りの言葉をささやき続ける。その言葉は、リーゼの料理を食べたときに似た不快感を我にもたらした。

「リーゼ、その小娘を黙らせろ」
「承りました、ご主人様」

 我が憮然と言い放つと、リーゼは律義に頷き返す。リーゼが、聖女の弟子を見下した。リーゼの顔には、どこか加虐的な笑みが浮かんでいた。

「ダメじゃない、フィオ……エレノアが、あなたのために一生懸命頑張ってくれたのに……そんなフィオには、お仕置きが必要ね」

 リーゼは、聖女の弟子の首をつかむと、乱暴に床に押し倒して、うつ伏せにする。

「ひあッ!!」

 聖女の弟子が悲鳴をあげる。リーゼは構うことなく、そのまま右手を振りあげ、勢いよく振り下ろした。

 パァン!!

 小気味よい音を立てて、リーゼの右手が聖女の弟子の小さな尻に叩きつけられた。聖女の弟子が悲鳴をあげるのもかまわず、二度、三度と手のひらを振り下ろしていく。そのたびに、乾いた音が上がる。たちまち、聖女の弟子の白い臀部が赤く腫れあがっていく。

「ひ……ひぐぅ……戻って……リーゼも、エレノアも、優しかった二人に戻ってぇ!!」

 聖女の弟子が、泣きじゃくりながら懇願する。

「戻る? どうやって、戻れって言うの。私も、エレノアも、魔王様に孕ませていただいた仔が腹に宿っている、この身体でどうやって?」

 リーゼが、ひときわ強く力を込めて、聖女の弟子の尻を叩きつけた。聖女の弟子が声にならない悲鳴をあげて、背筋をそり返させる。リーゼは、叩きつけた手のひらで、聖女の弟子の尻を撫でまわしながら、徐々にその手を這わせていく。

「そういうあなたは、どうなの? お尻を叩かれて、こんな反応をしちゃって」

 リーゼは見とがめるように言いながら、聖女の弟子の未成熟な女性器を指で這わせた。そこには、粘り気のある液体が滴っていた。

「お尻を叩かれて、気持ち良くなっちゃったの? もしかして、イッちゃったの? いやらしい身体ね。それでも、聖女ティアナ様の直弟子なのかしら?」

 今度は、リーゼの言葉が聖女の弟子の心を叩きつける。聖女の弟子は、イヤイヤとかぶりを振り、ボロボロと涙をこぼしている。

「違う! こんなの私じゃない!! こんなの、私の身体じゃない!!!」

 聖女の弟子が叫ぶ。リーゼは、目の前の幼い秘唇をいじりながら、もう片方の手で聖女の弟子の髪を優しく撫で始める。

「そう。それじゃあ、一体、何があなたなの?」

 リーゼがささやくと同時に、聖女の弟子の目が見開かれた。小さな身体が、かたかたと病的に震え始める。

「私は……誰……?」

 聖女の弟子が、誰に問うわけでもなく、つぶやいた。途端、さざ波が立つように、聖女の弟子の全身の皮膚が揺らめき始める。

「私は……聖女ティアナ様の弟子で……三王女の一人で、エレノアとリーゼの友達で……でも、エレノアとリーゼは、魔王の下僕……私は、私は、誰なの……?」

 それが、聖女の弟子が持つ心の欠落だった。変幻自在に化身するが故に、希薄となる己の姿への記憶。自分を見失うことに対する不安。聖女の弟子としての自我によって抑え込まれていた潜在的な恐怖が、幼い小娘の表面に発露していく。

 聖女の弟子の身体が、デタラメに変化を始める。右腕は毛深い猛獣のごときになり、左腕は粘液を纏った軟体生物のそれに変わり始める。額の左からは小さい角が生え、右の耳がピンと伸びてとがっていく。肩甲骨のあたりからは、ひな鳥のような翼が生えてくるが、片方は白い鳥の翼で、もう片方は黒いコウモリの翼。尻のあたりからも、キメラのごときでたらめな尻尾が三本、伸びてくる。

「いや! 私、誰なのか、分からなくなっちゃう!! 戻れなくなっちゃう!! 助けて……誰か、私が誰なのかを教えて!!!」

 自らの異形化に狂乱する聖女の弟子を見下ろし、我は満足げに笑う。脱力して我に身を預けたままのエレノアを玉座に座らせると、聖女の弟子と彼女を抱きかかえるリーゼのもとに歩み寄る。リーゼが微笑み、視線で我を促した。もはや、じたばたと暴れるばかりの聖女の弟子の耳元に、我は口を寄せる。

「貴様が、誰か? 我が教えてやろう」

 聖女の弟子が、もがくのをやめる。緩慢な動きで顔が上を向き、視線が我に向けられる。その目には、もはや、仇敵を睨みつける余裕などは存在しない。

「誰でもいいから……教えて……」

 すがるように、幼い聖女の弟子がつぶやく。

「貴様は……魔物だ」

 我は、言葉に魔力を込めて、ささやく。ビクッと、聖女の弟子の身体が震える。

「私は……魔物?」

 聖女の弟子の喉から、弱々しい言葉がもれる。その言葉を聞いて、我は口元にあざけりの笑みを浮かべる。

「そうだ。そのような異形の姿に変じられるものが、人間であるはずがないだろう?」

 聖女の弟子の四肢が先から、岩と鋼とウロコがまじりあったように硬質化している。背骨に沿って、触手とも棘とも見られるものが生えはじめている。

「あ……あぁ……」

 聖女の弟子の喉からもれる音は、恐怖の嗚咽とも、獣のうめきとも聞こえる。

「だが、安心しろ。お前は、リーゼやエレノアと同じ存在だ」
「リーゼや……エレノアと……同じ……?」

 異形化していく聖女の弟子は、もはや人語を口にすることも辛そうに、言葉を紡ぐ。我は、人としての面影を最後に残した瞳を覗きこむ。

「お前は、エレノアやリーゼと同じ……人の姿をした美しくも淫らな魔物だ」

 聖女の弟子の瞳から、恐怖の色が消えた。安堵したかのように、目尻が垂れる。

「さあ、受け入れろ。真実の貴様の姿を。魔物として、魔王の眷族にしてやろう」

 小さく聖女の弟子が頷くと、こねられた粘土のようにグニグニと少女だった者の身体がゆがみ始める。聖女の弟子の身体は、液体にまで溶けてしまったかのようになり、渦を巻く。ほどなくして、渦が一点を中心に集まり、球形にまとまり、そして、もとのような幼い人間の小娘のような形を作っていく。

「うぅん……はあぁ……」

 再び人の姿を取り戻した聖女の弟子が、艶のこもったため息をこぼす。それが、この小娘が生まれ変わった産声だった。

 その幼く人形のような顔立ちは、一見すると変わらないように見える。だが、唇の艶や丸い瞳の視線には、嬌態を想像させる何かが宿っている。なによりも大きく変わったのは、その身体だった。人間以外の部品が、存在するわけではない。だが、幼い頭身の身体の均衡は、妖しく乱されている。その胸には、未熟な娘には決して存在し得ない……豊満な肉体のエレノアと比べても遜色がないほどの……巨大な二つの乳房が実っていた。腰は大きくくびれ、尻は熟しきった牝のように大きく、太股も淫らに肉づいている。この淫魔のごとき造形が、リーゼやエレノアの半分ほどの身長の肉体に、詰め込まれていた。

「……魔王様ぁ……」

 床に腰をついたままの聖女の弟子が、巨大な双乳を揺らしながら見上げてくる。その瞳は、寝台の上で乱れるエレノアやリーゼと同じものだった。

「私、フィオレンティーナはぁ……魔王様の眷族として生まれ変わりましたぁ……私の、フィオのことは……これからは、フィオってお呼びくださぁい」

 我は、その様を見下ろしながらうなずく。「素敵よ」と呟きながら、リーゼがフィオの髪をなでてやる。フィオは、少し恥ずかしそうに微笑む。

「魔王様ぁ。フィオ、この思いつく限りのいやらしい身体を、魔物としての新しい身体にしましたぁ……いかがですかぁ?」

 フィオが、幼い娘とは思えない甘ったるい声で、身をくねらせながら尋ねてくる。

「悪くない」

 そう我が声をかけると、顔に満面の喜色を浮かべる。

「えへへ、ありがとうございますぅ……でも、造り変えたのは、外側だけじゃないんですよぉ」

 フィオは、そう言うと、自ら脚を開くと、指をプックリとふくらんだ秘唇に這わせ、その性器を指で押し開いた。

「内側も……特に子宮を念入りに、造り変えましたぁ。魔物の赤ちゃんを、たくさん妊娠して、産めるように……リーゼや、エレノアにだって、負けないんだからぁ」
「まぁ、フィオったら」

 フィオの口上を聞いて、言葉を返すリーゼ。フィオは「えへへ」と、子供のように相貌を崩している。

「ねえ、魔王様。生まれ変わったフィオに、誕生日プレゼントをくださぁい……フィオのココ、もうびしょびしょで、我慢できないの……」

 フィオは、媚肉の間から淫蜜をあふれさせながら、一片の躊躇もなく淫交をねだる。

「……良かろう」

 我は装束から、いきり立った肉棒を取り出すと、そのままフィオの身体を床に押し倒した。秘裂に、剛直を突き入れ、体重をかけていく。

「ふぁあん!!」

 我の男根がフィオの処女膜を突き破ると同時に、フィオが甲高い嬌声をあげる。

「破瓜にすら、快楽を覚えるか……どこまでも淫らな身体になったものだな、フィオ?」
「ふぁ、あ! だって……フィオは、淫らな魔物なんだもの……淫魔なんだもの!!」

 フィオが全身と膣壁で、我にきつく抱きついてくる。その肉体は、青く未熟な果実のはずなのに、内も外も熟しきったかのように甘い。その存在は、禁断の果実と呼ぶにふさわしい。我は、禁じられた妖美な味を堪能し、その最奥までも蹂躙する。

「フィオ……我が精を受け取れ……」
「うぁ……熱いっ! イクっ!!」

 我が精を注ぎ込むと同時に、フィオは絶頂を迎えた。それでも、幼さをたたえた淫魔は、我が身体を咥えこんだまま、離そうとしない。我はそのまま欲望に任せ、硬さを失わない肉棒で聖女の弟子だった娘の秘所を犯し続けた。

< 続く >

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