僕の彼女は催眠術をかけたときしか素直になってくれない もうひとつの最終話

もうひとつの最終話

優帆のキモチ

――そしてこれは、最終話の翌日のお話――

 ケンタと昨日、エッチしちゃった……。
 催眠術をかけてないこっちのあたしで、初めて。

 それは、気持ちよかったし嬉しかったけどやっぱり恥ずかしい。

 うん、ケンタのことは大好きだしもっといっぱいエッチしたいけど、こっちのあたしじゃ恥ずかしいな……。
 あっ! でもそのために催眠術があるんじゃないの!
 ケンタにはいつでもあたしに催眠術をかけていいって言ってあるんだし。

 ……って、それなのになんでさっきからゲームばっかりしてるのよ!

「痛ででででっ! なんでつねるんだよ!?」
「なんでもない!」

 思いっきり腕をつねったらケンタが文句を言ってきた。

 だけど当たり前じゃないの!
 自分の彼女が遊びに来てるのになんでひとりでゲームしてんのよ!?
 それに、あたしと同じ大学に入るために勉強を頑張るって昨日言ったばかりじゃない!
 それで勉強してるならしかたないかなって思うけど、ゲームしてるなんて信じられない!
 そんな暇があるんだったらあたしに催眠術かけてエッチしてよね!

「痛たたたたたっ! さっきからなんなんだよ!?」
「だからなんでもない!」

 あたしはケンタとエッチがしたいの!

 それはあたしだって、自分がこんなにエッチだなんて思ってもいなかったわよ。
 だけど、ケンタが催眠術をかけてくれて自分の気持ちに素直になれて、ケンタとセックスして自分がこんなにエッチな子だったんだって思い知らされた。
 ケンタのことが大好きでケンタとエッチがしたくて、催眠術をかけてもらってないときでもそのことを考えたりしてるくらいに。
 でも、こっちのあたしじゃ恥ずかしくてエッチどころかいちゃいちゃもできないから、恥ずかしいのを我慢していつでも催眠術をかけてもいいって宣言までしたのに!

「むむむぅ~~~……」
「……もしかして、催眠術をかけて欲しいの?」

 ほっぺたを膨らませてケンタを睨みつけていたら、やっとそう言ってくれた。

 ていうかわかってるんだったらさっさと催眠術かけてよ!

 ……あっ!
 今、あたしが頷いたら小さくため息ついたでしょ!?
 どういうことなのよ、それは!?

「ホントに、優帆ったらちゃんと言ってくれないとわからないよ」

 それがはっきり言えるようだったらあたしだって苦労しないわよ!
 恥ずかしくて口に出せない気持ちを読み取るのがカレシってもんじゃないの!

「じゃあやるよ、優帆」

 もうっ、絶対あたしのことめんどくさいやつとか思ってるでしょ!

 なんか腑に落ちないけど、まずは催眠術をかけてもらうのが最優先だから黙って頷く。
 すると、ケンタの手のひらがこっちに近づいてきてあたしの視界を覆った。

 そして、あの言葉が聞こえた。
 あたしの心をがんじがらめに縛り付けていた恥ずかしさの枷から全てを解放してくれる、あの魔法の言葉が。

「”素直な優帆になって”」

 その言葉の後に、真っ暗だった視界が眩しく反転する。
 同時に、あたしの心も靄が晴れたみたいにすっきりとなる。
 もう、あたしを妨げるものはなにもない。
 ただただ、自分の中にあるこの気持ちに素直になるだけ。
 あたしの大好きなケンタに向かうこの気持ちに。

「もうっ! ケンタったらヒドいよっ!」

 まず口をついて出たのはケンタへの不平だった。
 だって、さっきから溜まりに溜まった不満があるんだもん!

「ヒドいって、なにが?」
「だって、あたしがこんなに催眠術をかけて欲しいって思ってるのに全然かけてくれないじゃん!」
「いや、だからちゃんと言ってくれないとわかんないって」
「なに言ってんのよ! いつでもケンタが好きなときに催眠術をかけていいって言ってるじゃない!」
「でも、僕がかけたいときが優帆がかけて欲しいときじゃないでしょ?」
「屁理屈言わない! この際だから言っとくけど、あたしはいつだってケンタに催眠術をかけて欲しいって思ってるんだからね!」

 もう、そこまで言ってあげないとわからないの?

「いや、だって……」
「はい、文句も言わない! それに、なんでゲームしてんのよ!? 昨日勉強頑張るって言ってたじゃない!」
「でも、テスト期間中ずっと勉強してたんだからゲームくらいしたくなるよ」
「だからなんでゲームなのよ!? だったらあたしとエッチしてよね! テストが終わって息抜きするんだったら、普通は彼女とエッチするんじゃないの!?」
「それなら昨日したじゃん」
「もうっ! あたしだってテスト期間中ケンタとエッチしたいの我慢してたんだからね! あれだけじゃ足りないに決まってるじゃない!」

 そう、昨日は初めてあっちのあたしでケンタとセックスして、それはもちろん気持ちよかったし、あの後こっちのあたしにしてもらってもう一回したけどそんなんじゃ全然足りないよ。
 あたしはもっといっぱいケンタとエッチしたいんだから!

「もう、ホントに優帆はエッチなんだからー」
「そうだよ、あたしはエッチだよ。でも、ケンタだってエッチじゃん。それとも、ケンタはあたしとセックスしたくないの?」
「いや、そりゃしたいよ」
「だったらゲームなんかに浮気してないでセックスしようよ!」
「……ゲームを浮気と言われるのはなんか納得いかないんだけど」
「ブツブツ言わないの! ほらほら、ケンタの大好きなあたしのおっぱい触らせてあげるから!」

 そう言うと、あたしはブラウスのボタンを外していく。
 そして、服をはだけてブラのホックも外すと胸を張っておっぱいをケンタに向かって突き出した。

「いつから許可制になったんだよ? 好きなだけ触ってもいいってこの間言ってたじゃんか……って、なんかもう乳首が固くなってない?」
「んっ、ふあああぁんっ! ……それはそうだよぉ。だって、ケンタとエッチがしたくてしたくて、さっきから体が疼いてたんだから」

 ケンタに乳首をコリコリってされると、エッチな気持ちでいっぱいになってる体をゾクゾクと快感が駆け抜けていく。
 こうされてるだけで、すごく幸せな気持ちになる。

「優帆って本当に乳首弱いよな」
「そうだよぉっ、カチコチになった乳首コリッてされるとすっごく感じちゃうだもん。……あんっ、ひゃうううううぅっ!」

 あん……そんなに乳首を弄られたらただでさえ疼いてる体が一気に熱くなって、気持ちよくって頭の中が痺れてくるよぉ……。

「もう、ホントに優帆はエロいんだから。……ほら、ここももうすっかり準備できてるじゃんか」
「あふんっ、はんんんんっ!」

 あたしのおっぱいを掴んでいたケンタの手が、スカートの中に潜り込んできた。
 でも、そこはもう濡れ濡れだよ。
 さっきからこんなにジンジンしてたんだから当たり前じゃん。
 あたしのアソコは、早くケンタとセックスしたくてしかたないって言ってる。

 あっ、でもその前に!

「ねえケンタ! また催眠術かけてエッチしようよ!」
「えっ? それってこの間の?」
「うん!」

 そう、この前ケンタに催眠術をかけてもらってセックスしたときのことが忘れられないんだもん。
 アソコがきゅうんってなるのがあたしの頭をいっぱいにして、エッチなこと、アソコを気持ちよくすることしか考えられなくなっちゃった。
 それにきゅんきゅんってしか言えなくなって、体も頭も全部がアソコ中心で動いていたみたいな感じ。
 でも、あのときのセックスは本当に気持ちよかった。

「じゃあ、この間みたいに頭とアソコをつなげるのでいい?」
「うーん、それでもいいけどできたら別なことをしたいな」
「別なことって?」
「それはケンタが考えてよー」
「もうー」

 ケンタが困ったように唇を尖らせるけど、なにをするのかわかってるよりもわからない方が絶対楽しいよね。

「だからケンタが楽しめることでいいんだよ。エッチで、気持ちよくなれることだったらあたしは大歓迎だから」
「そんなこと言ってもなぁ……」

 そう言うと、ケンタは腕を組んで考え込む。
 でも、そんなに長い時間じゃなかった。

「そうだ」
「考えついた!?」
「うん」
「じゃ、早く早く!」
「わかったよ」

 ケンタがこっちに指を突き出してくる。
 あたしが目を瞑ると、まぶたにそっと指先が触れる感触がした。

 そして……。

「……5、4、3、2、1、もう優帆は僕の言うことしか聞こえなくなる」

 その言葉で思考が止まって、あたしの心はふわふわと気持ちのいいところに沈んでいった。

* * *

 パチンと手を叩く音がして、あたしは目を開く。
 すぐ目の前に、ケンタの笑顔があった。

「ちゃんとわかってる、優帆?」
「うん!」

 ケンタの言葉に、元気よく頷く。
 さっき催眠術でどんなことを言われたのか、あたしはちゃんとわかってる。

 うふふっ!
 ケンタったらそんなこと思いついたんだ。
 楽しそう!

「じゃあ、エッチする?」
「うん!」

 もう一度元気よく返事をして、あたしは服を脱いでいく。

「じゃあね……おっぱい!」

 裸になると、大きな声でそう宣言する。

 あたしの言葉に、ケンタが手を伸ばしておっぱいを掴んだ。

「ふええっ!? あふぅううううううううっ!」

 すごいっ!
 さっきおっぱいを揉まれたときの何倍も気持ちいい!

「どう?」
「うん、すごいっ! じゃあ、今度は乳首!」

 あたしがそう言うと、ケンタは指先で乳首を挟んだ。

「あふぅっ! ちょっ、それ強すぎっ! ふぁああああああああっ!」

 ただでさえ敏感な勃起乳首を強くつままれて目の前が真っ白になる。
 膝がガクガク笑って力が入らないし、アソコからエッチなおツユがボタボタと零れ落ちていく。

「えっ? 優帆、もしかして……」
「うん、イッちゃった」

 あたし、もうイッちゃったよ……。

 そう、これがケンタがあたしにかけた催眠術。
 あたしが口にした場所をケンタが触るといつもの何倍も気持ちよく感じるし、たとえそこがどこでも性感帯になるっていうの。

 本当に、おっぱいも乳首もいつもよりずっと気持ちよかった。
 こんなにすぐイッちゃうくらいに。

 だったら……。

「それじゃあ、おへそ!」
「へえ、なるほどそうきたか……」

 あたしの言葉に、ケンタも興味津々って感じで指をおへそに突っ込んでくる。
 ……って、これ!

「ひゃぁああああっ! おへそすごいすごいすごいぃいいいいっ!」

 おへそグリグリッてされるのすごすぎる!
 そんなとこ入ってくるはずないのに指が入って来るみたいで、アソコの奥におちんちんがぶつかったときみたいにきゅうんってなる。
 これ、きっと子宮が反応してるんだ。

「ふあっ! すごいのっ。おへそ気持ちいいっ!」
「そんなに?」
「うんっ! アソコにギュッて響くみたいですっごく気持ちいいよっ! ……えへへ、それじゃ今度は耳たぶ!」
「うん」
「ひゃうっ!? きゃふぅうううううううんっ!」

 なにこれっ!?
 ケンタの指で耳たぶをくにゅってされると、乳首を弄られてるみたいにビリビリくる!

「すごいいっ! 耳たぶが乳首みたいに感じちゃうよぉっ!」
「そうなの?」
「うん、そうやってくにゅくにゅされるの気持ちいいっ! あんっ、はぁあああんっ!」

 耳たぶをコリッてされて、背骨が蕩けそうな快感が走る。
 すごい!
 やっぱり催眠術エッチってすごい!

「じゃあねじゃあね、今度は……手のひら!」
「えっ?」

 あたしの言葉に、ケンタが不思議そうに首を傾げる。

 でも、あたしが口にした場所をケンタが触ったらどこでも気持ちよくなるんだったら、手のひらでも気持ちよくなれるはずだよね?
 で、ケンタが触って気持ちよくなるんだったら、あたしから触りにいっても一緒だよね?

 だから目の前のケンタに向かって手を伸ばすと、そのほっぺたにペタリと触れた。

「はん……んっ! なっ、なんか、不思議な感じっ……んんんっ!」

 ケンタのほっぺに当たった手のひらがじぃんと痺れてきて、じわじわと熱くなってくる。

「優帆の手、すごく熱くなってるよ」
「うん、自分でもわかる……」

 なんだろう?
 おへそや耳たぶのときとは違って、ジンジンくる気持ちよさ。
 でも、これ好きかも。

「ねえケンタ、手をつないで」
「うん、いいよ」

 手のひらを重ね合わせて、ケンタと手をつなぐ。
 指と指をかみ合わせる恋人つなぎで。

「……んっ! きゅふぅうううんっ!」

 あっ、こうするとけっこうくるっ!
 ぎゅっと手をつなぐと締めつけられるようにキュンって響く。
 手から伝わる心地よさが全身に広がっていって、ポカポカと温かくなっていく。

「不思議……触る場所で気持ちよさが違うみたい」
「そうなの? でも僕は場所で感じ方が違うような催眠術はかけてないよ」
「うん、知ってる。だから不思議」

 あたしにもなんでかはわからない、でもこうやって手をつなぐだけで気持ちいい。
 どんどん気持ちが昂ぶってきて、体が熱くなるのを感じる。

「それじゃあ次は……んちゅっ!」

 手をつないだままキスをする。
 ん……やっぱりケンタとのキス、気持ちいい……。

 ……って、ちょっと待った!

「……へへへ、場所を言うの忘れてた」

 肝心なことを忘れてたことに気づいて、慌てて唇を離すとてへってベロを出す。

「それじゃ改めて……唇! くちっ、ベロ! ……ちゅむ」

 感じる場所を一気に3つ宣言してからもう一度キスをする。

「……っ!? はむむむむむっ!?」

 やだうそっ!
 さっきと全然違う!
 唇と唇が当たっただけで電気が走って、これで舌を絡めたら……。

「ぐむむうううううっ!? はぐっ! んむふううううううっ!」

 これっ、まるで口の中全体がアソコになったみたい!

「むぐううううっ! んむっ、ふむむむむむむぅっ!」

 すごいっ!
 こんなにビリビリきてっ、気持ちいいのが駆け抜けていくっ!
 はううぅっ!
 そんなに舌を絡めたらおかしくなっちゃうううぅ!
 気持ちいいので頭の中を直接かき回されてるみたい!

 こんなの我慢できないっ!
 イッちゃうっ!
 イッちゃううううううっ!

「んぐむむむむむむぅううううっ!」

 ケンタにぎゅっと抱きついた体が、ヒクヒク痙攣する。
 頭の中も体もトロトロに溶けたみたいに気持ちいい。

「んむぅ……ふぅ、んふぅうううううう……」
「またイッちゃったの?」
「うん……キス、気持ちよすぎて、イクの我慢できなかったぁ……」

 驚いてるケンタにそう答えるけど、頭の中はまだふわふわしてる。
 でも、体はすっごく熱い。
 アソコが疼いて、すぐにでもおちんちん欲しいって言ってる。

「ねえケンタぁ……セックスしよ。あたし、もうおちんちん欲しくて欲しくて我慢できないよぉ」
「ホントに優帆はエッチなんだから。でも、僕も感じまくってる優帆を見てると我慢できなくなってるよ」

 そう言ってケンタがパンツを脱ぐ。

「あっ、すごいぃ……」

 大きくなったケンタのおちんちんを見ると、ホントに我慢できなくなってくる。
 アソコがズキュンって疼いてしかたがない。

「ケンタ、早くぅ」
「うん、ちょっと待ってね」

 そう言って、ケンタがコンドームを取り出そうとする。
 それを、あたしは手を伸ばして止めた。

「ちょっ、優帆?」
「今日は大丈夫なときだから、そのままして……」
「ダメだよ。それに、自分で言ってたじゃんか。大丈夫なときは絶対に大丈夫なわけじゃないんだって」
「でも、初めてのときは本当に大丈夫だったじゃない。だから大丈夫だよ」
「いや、ダメだって」
「初めてのとき、そのまましたのがすごく気持ちよかったんだもん。あんなの知っちゃったら忘れられないよ。だから、今日はそのまましよ?」
「でも……」
「それでも、あたしはそのままして欲しいの。そんなの大丈夫なときじゃないとできないじゃん」
「それはそうだけど」
「あたしを信じて! あたし、生理の周期はずっと安定してるし、次に生理が来る日から計算したら今は大丈夫なはずだから」

 そう。
 それはホント。
 コンドームなしでケンタとセックスできないかなって、生理にはものすごく注意してたんだから。

 それでもまだケンタは躊躇っているみたい。
 それもケンタの優しさだってわかってる。
 あたしのことを気遣っていつもコンドームを着けてるんだって、全部わかってる。
 それでも、たまの大丈夫なときくらいそのまましたい。

「ねえ、お願い! 今日はそのまましようよ!」
「優帆……」

 まだ困った顔をしたまま、それでもケンタは頷いてくれた。

「ありがとう、ケンタ!」

 思わず、ケンタに抱きついていた。
 きっと、ケンタはかなり困ったと思う。
 それでも、あたしのわがままを聞いてくれたことが嬉しかった。

「じゃあ、早くしよ!」

 そう言って、あたしはケンタに向かって自分から足を広げる。
 それくらいセックスしたくてしかたがなかった。

「……それじゃ行くよ」

 あたしの足を抱えて、ケンタのカチカチのおちんちんの先がアソコの入り口に当たった。
 ちょっと当たっただけなのにじんと痺れる快感が駆け抜けていく。
 これからいっぱい気持ちよくなれる期待感で、胸のドキドキが止まらない。

「あっ、でもその前に……」

 そう、気持ちよくなる場所を言っておかないと。
 アソコ……じゃダメだよね。
 はっきり、ちゃんと言わないとね!

「じゃあ、おまんこ!」

 あれ?
 今、ケンタの方が恥ずかしそうな顔したよね?

 でも、すぐに笑顔になるとケンタのおちんちんがあたしの中に入ってきた。

 ……って、これっ!?

「はきゅぅうううううううっ!」

 やっ、これ感じすぎ!
 おまんこの内側の感度が研ぎ澄まされたいに、おちんちんの細かな形まではっきりわかる!
 それが、ゴリゴリって入ってきて……!

「だめっ! イッちゃぅううううううううっ!」

 ふああっ! 頭の中真っ白だよぅ!
 それに、体が勝手にビクンビクンって震えてとまらない!

「……入れただけでイッちゃったの?」
「うん」

 本当に、おちんちんが入ってきちゃっただけでイッちゃった。
 こんなのすごすぎるよ……。

「大丈夫?」
「うん、大丈夫。動いて、ケンタ……」

 心配そうなケンタにそう返したあたしは、きっとすごく蕩けた顔をしてるんだろうな。

「じゃあ、動くよ」
「うん……はうっ! ひゃぅううううううんっ!」

 おまんこの中いっぱいに、おちんちんが動き始める。
 ひゃぁあっ……これすごいぃいいいっ!

 敏感まんこをゴリゴリ擦られて、頭の中で火花が散ってる!

「ひゃうっ! すごいぃいいいっ! イクッ、またイキそう!」

 本当に、あっという間にまたイキそうになる。
 でも、一度でこんなに気持ちいいんだったら……。

「もっと! もう1回、おまんこ! ……きゅふぅううううううううううんっ!」

 やっぱり!
 おまんこってもう一度言ったら気持ちいいのがぐんって跳ね上がって、またイッちゃったぁ!

「すごいっ! これすごすぎるのぉ! おまんこっ! ひゃぁあああああああんっ!」

 ひゃあっ、おまんこ宣言して、おちんちんで擦られてまたイッちゃった……。
 もう、頭の中がふわふわして体に力が入らない。
 でも、こんな気持ちのいいことやめられない!

「しゅごいっ! おまんこ宣言しゅごい! おまんこ! きゅふううううううううううんっ! ……おまんこっ! いひぃああああああああっ!」
「ちょっ、優帆!?」
「しゅごいしゅごい! これっ、しゅごく気持ちいいよっ、ケンタ! ……おまんこ! はぅうううううううううんっ!」

 驚いた様子のケンタを安心させるために笑ってみせる……つもりだけど、あたし今、どんな顔してるんだろう?
 もう、なにがなんだかわからなくなってくる。
 だって、おまんこって言うたびに何度も何度もイッてるんだもん。

「おまんこ! ……ふぁあああああああっ! もっとっ、おまんこっ! きゃふぅうううううううんっ! おまんこぉっ! ひゃふぅうううううううううっ!」

 おまんこって言いながらおまんこおちんちんで突かれるの気持ちいいっ!
 おまんこの中いっぱい擦られて、奥にゴツンって当たってイクのが止まらない!

「しゅごいっ、しゅごいのっ……おまんこっ! あひゃああああああぅんっ! おまんこっ! きゃふううううううんっ!」

 あたし、もうずっとイキっ放しで降りてこられない!
 もう体に力が入らないのに、それでも自分から腰をカクカクさせてケンタのおちんちんを受け止めてる!

「おまんこいいの! あはぁああああああっ! おまんこしゅごいようっ! んくぅうううううううっ! おまんこおまんこおまんこぉおおおっ! いひぃいいいいいいいっ!」
「ちょっと優帆、激しすぎ!」

 ケンタの声がなんだか遠くから聞こえてくるみたい。
 おまんことおちんちんがぶつかって溢れてくる快感があたしの中いっぱいになって、もう収まりきらないよ。
 もうさっきからこの気持ちいいのしか考えられない。
 頭の中も体もすごく熱くて、おまんこって叫びながらおちんちんでズポズポされることしか考えられない。

「ふあっ、ケンタッ……おまんこっ! はきゅうううううううっ! おまんこおまんこっ! くふぅうううううううううんっ!」
「優帆っ! そんなにぎゅうぎゅうしたらもうっ!」
「きてっ、ケンタ! いっぱい出してっ! あたしのおまんこにっ! うっふぅうううううううっ!」

 そのうわずった声よりもおまんこの中でおちんちんがビクビク震えるのをはっきり感じて、ケンタがもうイキそうなんだってわかった。
 あたしはずっとイッたままで、気持ちいいこと以外なにも考えられなくなって夢見心地で叫んでいた。

「きてえっ、ケンタッ! ケンタがイッたらあたしもまたイクからぁああああっ!」
「……優帆っ! もうイクぅうううううううううっ!」

 呻くようなケンタの声と同時に、熱いのがおまんこの奥に叩き付けられた。

「ふぁああああああっ! きてっ、きてりゅうううううううっ!」

 震えてるおちんちんから、おまんこの中にびゅくびゅくって出てるのがわかる。
 イキッ放しのおまんこを、ケンタの特熱精液が満たしていく。
 だけど、その快感にあたしはもう耐えられなかった。

「しゅごいしゅごいしゅごひぃいいっ! 熱いのがおまんこで……ふあっ! きゅふうううううううううううぅ………………!」

 最後におまんこって言った瞬間に、快感で意識が焼き切れたように目の前が真っ暗になった。

* * *

「優帆!? おーい、優帆!?」
「……ん、ふぁあああ? ふぁ? ケンタ?」

 あたしを呼ぶ声にぼんやりと目を開けると、心配そうなケンタの顔があった。

「優帆、大丈夫!?」
「ふぇええ? だいじょうだよ……」

 そっか……。
 あたし、イキすぎて気絶しちゃったんだ。
 まだ頭も体もふわふわするけど……うん、大丈夫。

「本当に大丈夫なの?」
「うん。……えへへ、すごいね。気を失うまでイッちゃうなんて、そんなことあるんだ」
「さっきの優帆、あんな言葉連呼していつも以上にエロいんだもん。すごいとかそういうのを超えちゃってるってば」
「でも気持ちよかったよ。ケンタは気持ちよくなかったの?」
「それは……気持ちよかったけど」
「だったらいいじゃん!」

 そう言ってあたしが笑うと、やっとケンタも安心したみたいに笑みを浮かべた。

「ホントに優帆はエッチなんだから」
「うん! あたしエッチだよ! でも、本当に気持ちよかった。催眠術エッチってすごいよね」

 この間のときも思ったけど催眠術をかけられてエッチするのって気持ちいいし、すごく興奮する。

「だけど気絶されちゃったらビックリするよ」
「あたしもビックリした。でも、セックスしながらいっぱいイッて気絶するのって気持ちいいから、またこういうのがあってもいいかなって」
「そうなの?」
「そうだよ! あたし、これ気に入っちゃった! これってもうこのままで催眠術解かなくていいんじゃない?」
「なに言ってんだよ? このままじゃ日常生活で困るだろ!」
「そうかなぁ?」
「いや、絶対困るって」

 でも、あたしが気持ちよくなる「場所」を宣言して、そこに「ケンタの体」が触れないと気持ちよくならないんだから、さっきみたいにそのためにわざとやらない限り日常生活でそんなことにならないと思うけどな。

「とにかく催眠術は解かないと!」
「ちぇー」

 ホントにケンタは真面目なんだから。
 でも、それがケンタのいいところなんだけどね。

「じゃあ行くよ」
「うん」

 あたしが頷くと、ケンタの指がすっとこっちに向かってきた。

「……5、4、3、2、1、ほら、もう優帆はなにも考えられない」

 その言葉の通りに、あたしはなにも考えられなくなる。

* * *

 パチンと手を叩く音が聞こえて、ふわふわと漂っていたあたしの意識がもどる。

「もとに戻しちゃったね……」
「なに残念そうな顔してるんだよ?」

 ケンタがつっこんでくるけど、残念なのは事実だもん。

「そりゃ残念だってば。あたし、さっきのあれすごく気に入ってたんだもん」
「でも、さすがにそのままじゃマズいって。今度エッチするときにまたやってあげるから」
「ホント? 約束だよ?」
「うん、約束する」
「じゃあ、指切りね?」
「うん」

 ケンタと笑顔で指切りをする。
 なんだかんだ言ってケンタも楽しそうだし、またきっと催眠術をかけてエッチしてくれるよね。
 あたしだってもっといろんなことをして欲しいし。

 だけど、残念なことがもうひとつ。
 もうすぐ石橋のおばさんが帰ってくる頃だから、あっちのあたしに戻らないと。
 それは、あたしの中ではもう納得してることだけど残念なのは残念だよ。
 あっちのあたしになったら絶対に自分からいちゃいちゃできないもん。
 だけど、しかたないよね。

「優帆、そろそろ戻ろうか?」
「うん」

 ケンタの言葉に頷いて、あたしは服を整える。

「じゃあ、戻すよ、優帆」

 そう言うと、ケンタの手のひらがあたしの視界を隠す。
 しかたないけど、やっぱりこの瞬間はちょっと憂鬱だな。

 ちょっとだけブルーになったあたしの耳に、ケンタの声が届く。

「”いつもの優帆になって”」

 目の前を覆っていた手が除けられると、ケンタの穏やかな笑顔が飛び込んできた。

 その途端に、顔がものすごく熱くなってくる。
 さっきまであんなに自然にいちゃつくことができてたのに、舌の根っこがカチンコチンに固まってまともに動いてくれない。
 なんだか、いつもよりもずっと恥ずかしい。
 だってそうだよね?
 あたし、さっきまで……。

「やだ……あたし、あんな言葉何度も何度も……」

 そう、さっきまであたしはおま、おま……おまんこって何度も言って、何度もイッてた。
 まるで変態みたいに……いや、どう見ても変態だよ。

「そんな……お、おま、おま……きゃああああっ! そそそっ、そんなの恥ずかしくて言えない!」

 言えない!
 言えるわけがない。
 そんな恥ずかしい言葉、口にしようとしただけですごく顔が熱くなって恥ずかしさで死にそうになる。

 そこに、ケンタの言葉が追い打ちをかけてくる。

「でも、催眠術をかけてエッチがしたいって言ったの優帆の方だし、気に入ったって言ってたじゃん」
「だだだっ、だからそんなのわかってるわよ!」

 そう……そんなの全部わかってる。
 そんなのはあたしが一番わかってるんだから。

 いちおう区別するために、こっちのあたし、あっちのあたしって言ってるけどどっちもあたしだもん。
 あっちのあたしは、普段のあたしじゃ恥ずかしくて表に出せないことも平気ってだけ。
 だからあっちのあたしがしてることは、普段からあたしがしたいって思ってること。

 ……わかってるもん
 ホントは自分がエッチな女の子だって。
 ケンタが大好きだからケンタといっぱいエッチしたくて、セックスしなかった日は寝るときにケンタのことを考えながらひとりエッチしてるもの。
 それに、催眠術をかけてエッチしてもらうのも大好き。
 だってすごく興奮して、すごく気持ちよくなれるんだもん。
 この間、初めて催眠術でアソコと頭がつながったあたしになってエッチしたときもすっごくドキドキして、いつものセックスよりも気持ちよかった。
 今でも、あのときのことを思い出して自分でアソコを弄ってるときがある。
 だから、今日のこともきっと思い出して興奮しちゃう。
 あたしは、そんなエッチで変態なんだもん。

 たぶん、あたしはもう完全にケンタにやられちゃってる。
 本当は、とっくの昔に主導権はケンタに握られてる。
 だって、催眠術をかけてもらわないとあたしはどうしていいかわからなくなって、思うようにならない自分の気持ちに押しつぶされちゃう。
 そこからあたしを解放してくれるのはケンタだけ。 
 もしかしたら、あたしの心も体もすっかりケンタのものになってるのかもしれない。
 でも、あたしはそれでもいいと思うし、身も心もケンタのものになった自分を想像するとちょっとゾクゾクしちゃう
 ケンタは優しいから、そんなことは思ってもないだろうけど。

 だから全部わかってる。
 きっと、あっちのあたしの方が本当の自分なんだって。
 ケンタのことが大好きでいやらしくて、変態な催眠術エッチが大好きなのが本当のあたし。

 もし、普段からあんな感じでケンタといちゃいちゃできたら……。

 …………無理!
 そんなのあたしには絶対に無理!
 そんなことしたら恥ずかしくてきっと死んじゃう!
 それ以前に、ケンタとまともに話すことすらできないよ!

「どうしたの、優帆?」
「ななななっ、なんでもない!」

 ケンタが不思議そうにこっちを覗き込んできたら顔がかぁって熱くなって、枕を抱きかかえてぷいっと背中を向ける。

 ……ごめんね、ケンタ。
 あたしはこんなだから、このままじゃまともに恋人らしいこともできない。
 ケンタに催眠術をかけてもらわないと、自分の気持ちに素直になることすらできない。

 もっと普通に彼女らしくなれるように努力するって、みんなにもケンタの彼女だって認めてもらって応援してもらえるようなあたしになれるように頑張るっていう昨日の約束は守るから。
 でも、やっぱりあたしは催眠術をかけてもらわないと本当に素直にはなれない。

 だからお願い。
 きっとまたあたしに催眠術をかけてね。

< 終 >

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