オイディプスの食卓 第3話

第3話 義母と息子と

『kirikiri舞』:へえ、あやこさんとは仲良くなれたんだ。おめでとー

 夜、ログインした僕を待っていたかのように現れた『kirikiri舞』さんに、僕は今日の経過を正直に報告した。
 少し胸が痛んだ。
 彼女とエッチなことまでするくらい親密だってことまでは報告してないから。

『kirikiri舞』:やっぱり催眠術ってすごいんだね。オススメしてよかったよ

 僕は『kirikiri舞』さんにあらためてお礼を言う。
 半信半疑だったけど、彼女の言うとおりにして正解だった。
 エッチなことまでは予想外だったけど、よかったと思っておこう。
 僕と綾子さんは家族になれたんだ。強い絆が生まれたんだ。

(じゃあね、蓮ちゃん。またお夕食のときに。これからは、いつでもママに甘えてね)

 あの後、優しいキスと一緒に、綾子さんはそう言ってくれた。
 夕食のときも、僕にすごく優しく甘い視線を送ってくれた。
 まるで、死んだ本当のお母さんみたいに……ううん、もっと熱い瞳で。

『kirikiri舞』:この調子で他のお姉さんたちにも催眠術しちゃうといいよ

 いや、さすがにそれはまだ。
 僕は“道化師”に、【冷や汗】のアクションをさせる。

 次の日、朝食の席で。

「蓮くん、パンのお代わりは?」
「あ、はい。お願いします、綾子さん」

 他の家族の前では、今までどおり『蓮くん』、『綾子さん』と呼び合う。
 あの呼び方は二人きりになったときだけだ。家族なのに、家族らしくない秘密を抱えてしまった僕らは、視線と微笑みだけでバレないように絆を確かめ合う。

「はい、蓮くんのスペシャルトースト」

 バターとジャムを重ね塗りするのが僕の好物だ。綾子さんはわざわざそれを塗ってから持ってきてくれた。
 ありがとうございます、と僕と答えると、綾子さんはさりげなく僕の肩に触れて「いいのよ」と軽くつねる。
 なんだか、すごく甘い気持ちになる。恋人が出来たときって、こんな感じなのかな。胸がトクトクした。

「…………」

 でも、優惟姉さんはそんな僕らを、なんだか不思議そうに見ていた。
 やばい。姉さんは鋭い人だ。おかしな動きをしたら気づかれる恐れがある。
 グリンピースを除けるのに夢中な花純姉さんは論外として、優惟姉さんには気をつける必要があるだろう。
 ていうか綾子さんの塗ってくれたジャム、太ったハート型だった。
 新婚か。
 僕は急いでかじりつく。むしゃむしゃと飲み込んでいく。
 綾子さんは、そんな僕をすごく優しい笑顔でジーッと見つめていた。
 テーブルの上に頬杖をつき、完全に恋する乙女の視線で、僕の食べっぷりに見とれていた。
 父さんは新聞に夢中、花純さんはグリンピース退治に真剣、睦都美さんは僕ら家族に無関心な態度で淡々とキッチンへ立つ。

「…………」

 そんな中、優惟姉さんの視線だけが、ますます鋭く釘のように食い込んでくる。
 僕はトーストを食べ終えると、「ごちそうさまでした」と、逃げるように学校へ向かった。

「――黒川を見かけることがあったら、学校へ連絡するように」

 朝のHRで、担任の先生が事務的な口調でそう告げた。
 僕の前の席に座っていたはずの、不登校生徒のことだ。

「せんせー、俺ら黒川の顔見たことありませーん」

 いつものノリで悪友が手を挙げる。教室の中に失笑が漏れた。

「あー、そうか。そうだったなあ」

 そういって先生は、「順番に回せ」と、1枚のプリントを僕らに差し出した。写真のカラーコピーだ。
 初めて見る黒川は、まだ小学生時代の写真みたいだったけど、男の子みたいにボーイッシュで、ちょっと気の強そうな顔をしていた。
 でも可愛い子だった。

「やばい黒川、なつかしくない? ウケる」
「いらない。あたしコイツの顔ムカつくから見たくない」

 彼女と同じ小学校だった女子の数名が、こっそり笑っている。
 どうやらイジメでもあったみたい。そのメンバーが同じクラスだから来られなくなったということかな?
 まあ、珍しい話じゃないけど。

「マジこれ、これが黒川? ニコラのモデルじゃなくて? やべえ。黒川ってうちの美少女四天王の一角だったのかよ。やべえ。やべぇって。早く学校に呼ぼうよ、先生!」
「見つけたら教えれー」

 悪友のバカなノリを聞き流しながら、僕はさっき見た黒川のことを少し考える。
 見つけたら連絡って、つまり家にも帰ってないっていうことだよな。
 黒川、家庭にも問題あるのかな。
 僕と同じなのかな。

「……ふぅ」

 家に帰って、お風呂の中でひと息つく。
 今朝はまいったな。あとで一応、綾子さんにも優惟姉さんのいる前では気をつけるように言っておこう。万が一ということもあるし。
 まさか優惟姉さんも、僕らがエッチなことしてるとは思わないだろうけど――……

「蓮ちゃ~ん。お背中流してあげる」

 全裸で、一切隠すものない姿で、綾子さんが風呂場に闖入してきた。
 何の準備もなく、僕は義母のおっぱいとか、アソコとか、あっけらかんとした笑顔とともに開陳されて、思わず「ファッ!?」と叫んで湯船の中でひっくり返ってしまった。

「やだ、蓮ちゃんが溺れてる!」

 ブクブクとお湯の中で、誰かの腕が僕の頭をすくい上げ、とてつもなく柔らかくスベスベした物体に挟み込んだ。
 呼吸困難は継続中だ。圧倒的ボリュームで顔を埋めるそれは、たやすく僕の鼻と口を塞いでいる。

「んむーッ!?」
「大丈夫、蓮ちゃん! あぁ、かわいそうに。こんなことなら最初から一緒に入っておけばよかった! ごめんね、ママが目を離した隙に危ない目に遭わせて。もう、これからはお風呂はずっと一緒に入りましょう。おトイレも寝るときも、ずっとママが蓮ちゃんに付き添っててあげますからね!」

 死ぬ。おっぱいに埋もれて死ぬ。
 そんなお約束はマンガの世界だけだと思ってたけど、おっぱいには本当に殺傷能力があったんだ。巨乳に喰われる。巨乳は人類の敵。進撃のアレだ。 

「ぷはぁ! ケホ、ケホ!」
「落ち着いて、蓮ちゃん。もう怖くないからね。ママがいるからもう大丈夫よ」

 綾子さんが僕を抱きしめるたびに大きな生おっぱいがぷよぷよ当たる。
 あぁ、でも苦しいけどこれはこれで幸せなような……。

「ささ、上がって。ママが蓮ちゃんの体を洗ってあげるから」

 お風呂から上がって、あらためて綾子さんの体を見る。
 大きな胸は締め付けるものから解放され、ゆさゆさと揺れている。くびれたウエストは、柔らかそうな脂肪を少しだけ纏っている。張り出した腰。ふっくらとした太もも。そして……僕が初めて見る、女性の陰毛。
 綾子さんは肌を全く隠そうともしていない。その姿にすかさず反応してしまう僕の股間を見ても、目を細めるだけで咎められることもなかった。
 スポンジで作った泡を、自分の胸元に落として広げる。
 そして床にぺたんと座った自分の太ももを撫で、「ここにいらっしゃい」と僕を誘う。
 綾子さんを椅子にして。
 彼女の柔らかい双子の丘を背もたれにして、まるでお風呂の中みたいに温かい体に包まれる。

「ママが蓮ちゃんをきれいきれいにしてあげる」
「うあ…ッ!」

 綾子さんの手が胸やお腹を這い、背中が極上のスポンジで擦られる。ぬるぬるとした感触が摩擦係数を下げて快楽指数を上げる。服を着たまま抱き合うのはまったく違った肌触りに、あっという間に脳みそが蕩ける。
 これが大人同士の裸の付き合というやつか。
「どう? 気持ちいい、蓮ちゃん?」
「はッ……は、はいっ、気持ちいいです!」
「ふふっ、ぜ~んぶきれいにしてあげますからね」
「あッ!? そ、そこは!」

 にゅるり。お尻の中に綾子さんの指が入ってくる。
 いきなりそんな、心の準備が!
 なのに、お腹の奥から伝わる強い快感が、僕のオチンチンを怖いくらいに刺激する。
 昨日から新しい体験が続きすぎてる。自分の体の知らない部分を綾子さんにえぐり出され、それが全部気持ちいいことに変わって、僕の世界が桃色になっていく。
 このままじゃ、僕は義母の虜だ。お尻の中で、綾子さんの指がくりくりと動く。すごい気持ちいい場所をくすぐられ、僕は思わず逃げだそうと立ち上がる。
 でも、足に力が入らなくて、ぺたんとお風呂の床に四つんばいになった。
 綾子さんの指はお尻の穴に刺さったまま、僕の背中の上に彼女の大きなおっぱいが覆い被さってくる。そして前に回ってきた手が僕のオチンチンを握りしめ、お尻と同時に僕を責めてくる。

「ふふっ、なんだか、ママが蓮ちゃんを犯してるみたい」
「あぁッ!? あっ、あっ、ママ、ダメ!」

 同時に二ヶ所から伝わる刺激は、想像したこともない快楽になって全身を駆け巡る。上に乗ってるのは年上とはいえ細い女の人の体なのに、はね除ける力もでない。
 綾子さんはお股を僕のお尻に擦りつけるようにして、僕の耳のすぐそばで艶めかしい声を上げる。本当に犯されてるみたいだ。うめき声を上げて、僕は押し寄せる快楽に体を痙攣させた。

「あ、あ、あぁッ!」

 我慢しようなんて考えるヒマもなく、僕のオチンチンから大量の精液があふれ出る。床に跳ね返ってあたりに飛び散り、精力が放出される快感と脱力に僕の体が沈む。
 なのにまだ綾子さんの手は止まらなかった。オチンチンは激しく擦られ、お尻の中で指がさらに捻りを加えて腸をえぐっていく。

「やめて、もう、ダメ、ママ、ママ…ッ!」

 綾子さんは、「ふふっ」と妖艶に微笑むと、僕のオチンチンを揉むように擦る。止まらない刺激に僕の股間はムクムクと反応を返す。

「ダメ……ダメ、ママ、やめてぇ……っ!」

 べろりと耳たぶを柔らかい舌と唇で吸われる。

「可愛い…たまらないわ、蓮ちゃん…ッ」

 熱に浮かされた吐息にくすぐられる。完全にメス化した綾子さんは、僕の悲鳴などお構いなしにオスの生命を貪っていく。
 火照った女の体に覆い被せられたまま、強引に高められていく快楽に僕はまた悲鳴を上げた。
 あのとき窒息して死んでおけばよかったんだ。義母にレイプされて腹上死するよりマシだった。
 下半身が火傷しそうに熱い。もう何も考えられない。

「ママ! ママ……ッ、ママぁ!」

 びしゃびしゃと、自分でも2回目とは思えない量を床に吐き出し、僕はその上に崩れ落ちた。

「ん……ぴちゃ、ぴちゃ……」
「うぅッ」

 ぼんやりと目を開けると、僕はお風呂の天井を見ていた。
 そして、股間に感じるぞわぞわと柔らかい感触に、また綾子さんが指で擦ってるのかと思って顔を上げ、信じられないものを見た。

「んっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ」
「あぁっ、ママっ、そんな、そんなぁ!」

 何が起こってるのか、よくわからなかった。
 綾子さんが、口で僕のをしごいている。僕のが綾子さんの口の中に入っている。モグモグされている。
 これフェラチオっていうやつだ。友だちの家で、こんなことをやってる動画を見たことある。すごくいやらしいって思ったやつだ。
 それを、義理の母親が僕にしている。信じられない。すごくいやらしい。お尻もアソコも丸見えの格好で僕のオチンチンをしゃぶっている。ネットの動画みたいに。
 頭に血が上ってパニックになった。
 たくさんの疑問符が浮かんで、そしてそれを快感が勢いよく流してしまう。
 僕はフェラチオをされている。
 すごい気持ちいい。
 もうそれしか考えられなくなっていた。

「あっ、あっ、ママ!」
「あん、蓮ちゃん、目が覚めたの? ごめんね、ママ、蓮ちゃんがあまりにも可愛いものだから暴走しちゃって」
「ダ、ダメだよ、そんなにしちゃ……オチンチンしゃぶるなんて、ばっちぃよ!」
「ふふっ、蓮ちゃんのなら汚くないわ。ママなら平気。蓮ちゃんのオチンチン、とっても美味しいわよ」

 ちゅぶ、ちゅぶ、舌と唇がオチンチンに絡みついて僕を飲み込んでいく。
 食べられると思った。綾子さんに骨の髄までしゃぶられてしまうと思って怖くなった。

「ちゅ、んんっ、くちゅ、んんっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ」

 でも、この気持ちよさといったらなかった。
 手でしてもらったときよりも、ずっと温かくて柔らかくて、そして吸い込まれる刺激がすごい気持ちいい。
 こんなのは知らない。こんな種類の快楽もあったなんて。

「ママ、蓮ちゃんのためなら何でも出来るわ。ちゅぶ、ちゅぶっ、蓮ちゃんが気持ちよくなってくれるなら、こんなことも出来るのよ。ちゅぶぶぶっ」
「あぁ!?」

 袋を口の中に吸い込まれる。お尻の穴の近くまで舐められる。まるでおしめの世話をしてもらう赤ちゃんみたいに、僕は綾子さんのお口愛撫に身を委ねきってしまう。
 さっき、あれほど強烈な体験をしたばかりだというのに、綾子さんはまだまだ僕に初めての快感を教えてくれる。
 またウズウズと射精欲が高まっていった。

「れろっ、れろっ、ちゅ、ちゅぶ、ちゅうう、ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ」
「あぁ、また出るっ、また出ちゃうよ、ママ! 出ちゃう!」

 舌でなぶられ、唇でしごかれ、喉で吸い上げられる。
 経験値の少ない僕はあっという間に綾子さんに導かれ、イク寸前まで高められた。

「んんっ、んんっ、ちゅぶ、ちゅぶぅ、ちゅぶぅ、ちゅぶぅ、んっ、んっ、ずずっ、んっ、んんっ、んっ、んっ、んっ、んっ」
「ダ、ダメっ、出ちゃうんだってば、ママ! 出して、早く、もう、出ちゃうっ、出ちゃうってばぁ!」

 なのに、綾子さんは口を離してくれない。このままじゃ綾子さんの口の中に精液出しちゃう。

「んっ、んっ、ぴゅっぴゅして、蓮ちゃん! ママのお口に出しちゃいなさい! んっ、んっ、んんんっ!」
「あっ! あっ、あっ、ああぁぁあぁぁあッ!」

 どく、どく、義母の口の中に、僕のオチンチンが精子の群れを吐き出す。
 綾子さんは、ほっぺたをへこませてそれを受け止め、さらに強く吸い上げて、オチンチンの奥から僕の精液を引っこ抜いていく。

「あっ、あ……あぁ……」
「ぢゅ、ぢゅ、ぢゅううううぅぅぅ……」

 魂が吸われているのかと思うほどの虚脱感。
 3度目の射精もあっという間に綾子さんに搾り取られ、僕はぐったりと体を伸ばした。

「蓮ちゃん、見て」

 綾子さんは体を起こして、僕に向かって「れー」と舌を伸ばす。
 べっとりと、僕の精液が乗っかったピンク色の舌。
 すごく卑猥で、背徳的だった。

「ご……ごめんなさい、ママのお口を汚しちゃって……」
「あら、どうして謝るの? ふふっ、いっぱい出してくれてありがとって言おうと思ったのに、変な蓮ちゃん」

 そう言って、ごっくんと綾子さんは僕の精液を飲み込んでしまった。そしてニコっと、無邪気に笑う。

「飲んじゃった。蓮ちゃんの精子」

 あっけらかんとした綾子さんの態度に、僕の顔が熱くなる。
 今、綾子さんの胃の中に僕の精液が泳いでるんだ。そう思うとなんだかすごいエッチな気がした。綾子さんも同じこと考えてるのか、お腹のあたりを撫でて「んふふ」と笑っていた。

「体冷えちゃうわね。一緒に湯船に入りましょう」
「うん」

 綾子さんに抱きしめられるようにして、一緒にお風呂につかる。
 なんだか親密感がぐっと増したような気がした。僕の体を撫でながら鼻歌を歌う綾子さんが、なんだか血の繋がった家族のように思えた。精液を分かち合った男女のつながりがそう思わせるんだろうか。

「蓮ちゃん。お手てとお口、どっちが気持ちよかった?」
「え……えっと、口の方が……」
「ふふっ、そう。じゃ、これからはお口をいっぱいしてあげるわ。して欲しくなったら、いつでもママに言いなさい」
「うん」

 綾子さんのおっぱいをふにふにと触る。
 くすぐったそうに笑って、綾子さんは僕に好きにいじらせてくれた。

「蓮ちゃん、女の人の体に興味あるの?」
「……うん」
「ママの裸、もっとよく見たい?」
「うん」
「くすっ、いいわよ。じゃ、特別サービスね」

 そういって綾子さんは立ち上がった。
 僕は息を飲む。濡れた毛がおしっこを零すみたいにお湯を流していた。薄く盛り上がった丘の上に。そしてその下には、僕がまだ見たことのない器官があった。
 
「近くで見ていいのよ」

 お風呂のへりに腰掛けて、綾子さんは足を開く。歴史的な瞬間だ。僕は生まれて初めて女性の禁断の地を目撃した。今日という日を語呂合わせにしてずっと忘れないでいよう。
 
「ママのアソコ、もっとよく見て」

 くにゅ。
 綾子さんが指でそこを開いた。僕の目はそこに釘付けになる。
 くすんだ色をした肉の隙間から覗く真っ赤な肌が、僕を見つめ返しているみたいだった。

「ふふっ、ここが花純の生まれてきた場所よ」
「そうなんですか……こんばんは、花純さん」

 綾子さんが昔のアルバムを懐かしむみたいにアソコを開くものだから、僕も新生児時代の花純を垣間見たような気分になって、挨拶をしてしまっていた。
 もちろんそんなとこに花純さんがいるはずもないし、実際そこから花純さんが顔を出していたら僕は泡を吹いて倒れていたと思うけれど。

「花純じゃないわよ。ここはね、ヴァギナっていうの」
「ヴァギナ……かっこいい名前ですね」
「ええ。ここは男の人のオチンチンを入れる場所でもあるの。結構下の方にあるでしょ? 蓮ちゃんも本番で慌てたりしないように覚えておきましょうね」
「はい」
「間違えてこっちをグリグリしちゃダメよ。こっちはおしっこの穴」
「穴が別々にあるんですか?」
「そう。女の子はエッチの穴とおしっこの穴と二つあるのよ。一つしかない男の子とは違うの」
「なるほど。確かに同じ穴だったら妊娠したときとか困りますもんね。機能的というか合理的というか」
「ええ。女の子は精子を広く受け入れやすいようになってて、男の子は射精の照準を合わせやすいようになっているの。蓮ちゃんにもわかるようにガンダムで例えると、女の子は連邦系の複眼で、男の子はジオン系モノアイを採用したってとこかしら?」
「すみません。僕、AGE世代なんで」

 女の人の体は不思議だ。
 おっぱいとかもすごいと思うけど、ここはもっとすごい。
 男との完全な違いを見せつけられた。女の子の体の方が、はるかにセックスを意識したつくりになっている。
 いやらしい体だ。これが女の人。女の人の、アソコ。
 
「……ママのここ、触ってみたい?」

 もちろん僕は頷いた。二度三度と頷いて唾を飲み込んだ。
 綾子さんはクスリと笑うと、指で器用にアソコを広げて僕に見えやすいようにしてくれた。そして。
 
「いいわよ。好きなように触って」

 ママは僕にとても甘い。
 僕は濡れた指でそっとそこに触れる。くにゃっと柔らかい感触に指が埋まる。「んっ」とママは息を吐いた。僕が見上げると優しい微笑みを返してくれた。そのまま指を動かす。上下にゆっくり。セックスの穴の周りをなぞるように。
 
「傷つきやすい場所だから、丁寧にね……んっ、そう、上手」

 上手。そうか、僕は上手に出来ているんだ。
 ちょっと自信をもらったので、少し動きを速めてみる。綾子さんは「んっ、はぁっ」て気持ちよさそうな声を出している。
 僕らはたぶん、すごくいやらしいことをしているのだろう。さっき何度も出してもらったオチンチンが、触ってもいないのに固くなっていた。
 綾子さんのアソコは、お風呂のお湯じゃない液体を、とろりと垂らし始めていた。
 
「指、入れてもいいのよ…ッ!」

 少し余裕のない声で綾子さんが大胆な許可を出す。入れてもいい、というより「入れて」という哀願にも聞こえる。
 僕は人差し指をそこに立ててみた。入り口に締め付けるような窮屈さはあったけど、先が通ると飲み込まれるように全部入っていった。
 
「あぁっ、んんっ!」
「マ、ママ、痛い?」
「痛くないの。んっ、いいのよッ、蓮ちゃん、んんっ」

 きゅう。と、さらに窄まって僕の指は捕らわれた。ぐにゅりと中の肉がうねって締め付けてくる。
 
「んっ、これが女の中。膣の感触よ。どう? 蓮ちゃんのこと抱きしめてるのわかる?」
「うん……すごくキュウキュウしてる。あったかい……」
「ふふっ、気持ちいい?」
「気持ちいい。ママの中、あったかくて気持ちいい」
「そう。あなたのパパも、ここのことすごく気持ちいいって言ってくれるのよ」

 顔が熱くなった。
 そうだ。父さんも綾子さんのここの感触を知っている。ここにオチンチンを入れたこともある。
 そしてそれが、すごく気持ちの良いことだって言っているんだ。
 綾子さんは、僕の赤くなった顔を見下ろして薄く微笑む。
 なんていうか……蠱惑的な、大人の顔で。
 
「蓮ちゃん、ここは知ってる?」

 膣に僕の指を入れたまま、ママはアソコの上の方を開いた。
 ポツンとそこに突き出た塊がある。僕の小指の先よりも小さな、肉の芽のようなものが。

「これはクリトリスよ。聞いたことない?」
「え……あの有名な?」
「ええ、有名かどうかは知らないけど、そうよ。見るのは初めてね?」
「うん。これがあのクリトリス……」

 薄いヒダが繋がる場所に、ポツンと芽吹く豆があった。
 これがクリトリス。悪友の話が確かなら、ここを舐めると女は全身を痙攣させてヨダレとおしっこを漏らしながら白目を剥いてイクらしい。どんなに気取った女でもそうなってしまうって言ってた。
 ぜひ舐めてみたい誘惑に駆られた。

「あっ、蓮ちゃん、何するの……ひゃん!?」

 舌に少し刺激があった。すごくしょっぱいの覚悟して舐めたけど、それほどでもなかった。舐められない味でもないけど、美味しくもないって感じ。しょっぱいチーズを絞ったような味だ。
 
「蓮ちゃん、あんっ、ダメっ、そんなこと、教えてない…ッ、あん!」

 そうだ。舌に唾液をいっぱい溜めて舐めるといいんだ。
 我ながら天才的な思いつきでクリトリスをぺろぺろする。膣に入ったままの指がきゅうきゅう締められ、綾子さんはお尻をビクビク震わせる。
 おしっこを漏らすとしたら、僕の顔にかかっちゃうかな。いつでも逃げられるようにしておいた方がいいけど、指がアソコに捕まったままだ。でもまあ、お風呂だしどうにでもなるだろう。僕はクリトリスを舐め続ける。
 
「ママに、クンニしちゃうなんて、蓮ちゃんてばいけない子……」

 綾子さんが僕の髪を撫でる。
 クンニ? クンニってなんだろう?
 
「そうやって、女の人のアソコを舐めてあげることを、んっ、クンニっていうのよ」

 そうだったのか。
 フェラチオの反対はクンニ。覚えておこう。もっと勉強しよう。

「ママ、もうイきそう?」

 僕がそう尋ねると、綾子さんは嬉しそうに微笑んだ。
 
「蓮ちゃんは、ママをイかせたいの?」

 ここを舐めたらすぐにイクと思ってたけど、まだまだ全然余裕あるみたいだった。
 子ども扱いされてる感じがして、ちょっと恥ずかしくなった。
 でも、綾子さんは「嬉しい」って言ってくれた。
 
「蓮ちゃんに優しくされたら、ママすぐにイッちゃうわよ」

 ほっぺたをぷにぷにしながら、綾子さんはさらに足を広げる。
 そして、入りっぱなしだった僕の指をそっと抜いた。
 ぱっくりと広がった女性器がドアップで目の前にあった。

「ママのことをイかせてくれるの?」

 僕は頷く。ぶんぶん頷く。
 
「嬉しい。蓮ちゃんのその気持ちがママすごく嬉しい」

 とろりと、ママのアソコから液体が垂れる。
 
「お風呂、もう少し温まったら出ましょう。ママ……蓮ちゃんのお部屋がいいな」
「……うん!」

 浴槽の中で抱き合い、キスをして、おっぱいに顔を埋める。
 すごく大きな愛情に包まれて、なんだかすごく安心できたし、お風呂から上がったあとのこと期待して胸がわくわくして止まらなかった。

「ママ、大好き」
「蓮ちゃん、好きよ」

 ギュッと抱きしめられ、頭をがしがし撫でられる。
 柔らかいおっぱいに顔と指を埋める。ぷっくりと濡れた乳首がすごくいやらしかった。
 僕はもうこの体に夢中だった。

 そして、二人仲良くお風呂から上がったところで、強い殺気を感じ取る。

「…………」

 リビングのソファに優惟姉さんがいた。頬を赤くして、僕らのことをきつく睨みながら。

「……蓮」

 思わず縮み上がる。
 本気で怒ってるときの顔だ。父さんと絶交したときの優惟姉さんだ。

「あなた、いったい何してるのよ」

 お風呂上がりの体が一瞬で凍りつく。
 バレたに違いない。優惟姉さんに僕たちのことが。
 虎の形をしたのオーラを揺らめかせる姉さんに、草食系の僕は食物連鎖的に死を覚悟した。

「あら、優惟さんお待たせでした? すみません、お先にいただきましたから。とっても気持ちよかったですよ」

 綾子さんが、タオルで髪を拭いながらホンワカした声で割って入ってくる。
 ほかほかと火照った笑顔と体は、「もちろん性的な意味で言ってるんですけど(ニッコリ」と言わんばかりで、優惟姉さんの顔も茹で上がったように真っ赤になり、立ち上がって激昂した。

「あ、ああああなた! 自分が何したかわかってるの! 蓮に、蓮にあんな…ッ!」

 口をぱくぱくさせて、優惟姉さんは綾子さんに掴みかかりそうな勢いで詰め寄る。
 綾子さんは、いつものように柔らかい笑顔を浮かべたまま、僕を後ろにかばうようにして姉さんと対峙する。

「一緒にお風呂に入っただけですよ。親子なんですから、それくらいするでしょう?」
「ウソばっかり! あなた、蓮に……蓮に、あんなハレンチなことっ! 」

 やっぱりバレてる。姉さんは本気で怒ってる。
 そりゃ一緒にお風呂に入っただけでもギリギリアウトなのに、その義母に性処理までしてもらってるとか、完全にアダルト小説の序章のあたりだもんな。長女が怒らないはずがないよ。その流れで行けば次の章のヒロインは自分かもしれないんだもん。
 でも、綾子さんは動じる様子もなく、ニコニコと笑ってる。

「ハレンチって。ふふっ、もう、優惟さんったら本当に堅いのね。いいじゃない。それこそ、私と蓮ちゃんは血が繋がってるわけじゃないし、セックスまでしたわけじゃないもの」
「セ、セッ……ですって! あ、あなた、バカじゃないの! 蓮はまだ子どもなのよ。していいことと悪いことの区別もつかないわけ!?」
「蓮ちゃんは男の子なの。男の子だから溜まっちゃうのよ。この子はずっとそれを1人で処理してたんですって。そんなのってかわいそうじゃない? だから私が手伝ってあげてるだけです」
「あなたが蓮にイタズラしたいだけでしょ! 蓮、こんな人に近寄っちゃダメ。どんな風に騙されたのか知らないけど、あなたがこの人にされてるのは、まだあなたには早いことなの。変なこと覚えちゃう前にやめなさい!」
「ずっと1人でしてるほうが変なこと覚えるかもって思わない? 私はこの子の母親として、寂しい1人遊びをやめて、ちゃんと女性の体に興味を持ってもらいたいと思ってるの」
「わけのわからない詭弁はやめて! 私はモラルの話をしているの!」
「私は親として当然の愛情をこの子に与えたいだけ。おかしなことしてるつもりなんてないわ」
「親じゃないくせに。本当のお母さんなら、蓮にそんなこと絶対にしない! あなたはただの変態よ!」
「ええ、私は血の繋がった親じゃありません。だからこそ、本当の親じゃできないこともしてあげられるの。私を変態呼ばわりしたいのならどうぞ。でも、蓮ちゃんのお手伝いは絶対にやめないから。私たちの大事な絆ですもの」
「いいからもう、この家から出て行って! あなたの娘も一緒にこの家を出て、二度と戻ってこないで!」
「出て行きません。私は蓮ちゃんの母親です。蓮ちゃんのお姉さんであるあなたの母親でもあるの。あなたに出て行けなんて言われる筋合いはないわ」
「ニセモノの母親じゃない!」
「それでも母親は母親です!」

 ピリピリと空気がトゲみたいに刺さる。
 二人とも怖くて口を挟む隙もない。
 でも、怖いのは僕だけじゃないことに気づいた。優惟姉さんも、綾子さんも、激しい口論をしながら膝を震わせていた。どっちも必死なんだ。僕を守るために。

「優惟さんは、妬いてるんでしょう? あなたには真似できないことで、私は蓮ちゃんの役に立つことができるの。蓮ちゃんの大事なオチンチンを慰めてあげられるのよ。蓮ちゃんはすごく気持ちいいって喜んでくれる。ママ大好きって言ってくれるの。母親として、女として、これほど嬉しいことはないわ。……あなたにはわからないでしょうけど」

 パン、と乾いた音がした。
 優惟姉さんの右手が綾子さんの打ち鳴らしていた。思わず僕は飛び上がっていた。
 でも、涙を流していたのは優惟姉さんの方だった。

「最低よ。あなたって、最低……」

 綾子さんはもう何も言わない。決着はついたとでも言うように。
 僕は、あの優惟姉さんがこんな風に泣くところを初めて見る。

「見損なったわ、蓮! だいっきらい!」

 僕の方に怒鳴って、優惟姉さんが二階へ駆けていく。
 だいきらい。姉さんにそんなこと言われたことなかった。
 自分でも驚くほど動揺していた。でも追いかけようとしたところを、後ろから綾子さんに抱きしめられる。

「蓮ちゃん、待って、行かないで! ……ママのこと、怒ってる?」

 綾子さんの震えが伝わってくる。
 彼女の不安が、逆に僕のパニクってた頭を静めた。
 綾子さんも優惟姉さんも、泣きたいのは同じなんだ。

「大丈夫。ママのこと怒ったりしないよ。悪いのは僕だもん」
「蓮ちゃんは悪くないよ。ママが、二人を傷つけちゃったね……ごめんね。もう少しだけ、このままで……」

 僕への強すぎる愛情が彼女を盲目にしてしまったんだ。でも、もともと綾子さんは優しい人だ。家族の問題で傷ついていたから猜疑的になっていただけで、今だって僕と優惟姉さんへの罪悪感に悲しんでくれている。
 本来の愛情深さを取り戻せば、きっと僕以外の家族のことも自然に愛してくれる。

「僕、優惟姉さんと話してくるよ。ママは先に寝てて。きっと明日には解決してるから」
「解決って、その、蓮ちゃんはママとはもう……」
「ねえ、ママ。うまくいったら、明日も一緒にお風呂入ってくれる? 親子ゲンカを解決したご褒美に」
「え……?」

 不安そうな声を出す綾子さんの方を振り返り、彼女の頭を撫でてあげる。
 綾子さんは、少し驚いたような顔をして、そして息子に慰められている自分をおかしそうに笑った。

「うん! うまく仲直りさせてくれたら、ご褒美にいっぱいオチンチンをおしゃぶりしてあげる」

 ――綾子さんは、もう僕のママだ。これからは自信を持って「ママ」と呼ぼう。

「おやすみ、ママ。また明日」
「おやすみなさい、蓮ちゃん……優惟さんに、ママからごめんなさいって言ってね?」

 唇を軽く合わせて、僕は優惟姉さんの部屋へ向かう。

< 続く >

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