オイディプスの食卓 第25話

第25話 アナル教育(実践編)

 危機は去ったが、まだ教育は十分とはいえない。
 自分でやらせておいて今さらだけど、冷静になってみれば、そもそもあんな授業が役に立つとも思えない。
 女の子を洗脳するのは、女の子の評判が一番だ。男子にはとても理解できないブームも、女子たちが「可愛い」と言えば成立する。気のおけないガールズトークの中で、女子の文化は作られるんだ。
 アナルの価値を高めるためには、女子の話題の中心にそれを持っていくのが一番だと思う。

「ねえねえ、さっきの授業、面白かったねー」
「そ、そっかな。なんか変じゃなかった?」
「花純ってば、ちゃんと聞いてなかったの? マジためになることばっかだったって。アナルすげーよ、マジアナル」
「私、頭の中アナルのことばっかりだよ、さっきから」
「私も。なんか全部アナルに見えてるもん」
「……みんな、どうして平気でそんな話できるの……?」

 ここは昼休みの女子トイレ。
 お昼を食べ終えてみんな仲良くのトイレタイムの中に、僕は潜入させてもらっていた。
 もちろん、僕の姿はステルスだ。見えても認識できない催眠術を学校にいる全員に使っている。昼休みの放送室を利用してまで。
 やるからにはとことんやるのが僕だ。

「やっぱアナルはきれいにしておかないとね」
「ちょっと、いつ捧げるつもりなのー?」
「べ、別に、いつってことないけどっ。でも、そのうち使うかもわかんないしさ……」
「はーい。コイツ、彼氏とアナルセックスするつもりでーす」
「違うってば、もう! 誰があんなヤツに!」
「私、あんまりアナルに自信ないなー。毛、濃い方だと思うし」
「剃った方がいいよ。欧米では全部剃るのがエチケットだって、にゃんにゃも言ってたじゃん」
「私も絶対剃るー」
「あと色とかもさぁ。ちょっと茶色すぎねって、自分で思う」
「重曹で洗えばピンク色になるって説もあるよ」
「マジ? やってみようかな。ケツに重曹詰めてウォシュレットぶっかければいいんだよね?」
「いいね、それ。LINEで実況してよ」
「あたしさ、結構うんち太いと自分で思うんだよね。ひょっとして穴でかいんじゃねって、心配なんだけど」
「でかい方がいいんじゃないの? おてぃんてぃん入れるんだし」
「締まりが大事って、にゃんにゃ言ってたじゃん」
「言ってた。アナルの圧力は膣の倍はあるって、実際バナナを千切ってくれたよね」
「あたし、バナナ切れないかもって思うんだけど」
「やばくなーい?」
「めっちゃやばいよー」

 みんながアナルトークで盛り上がる中、花純さんは困ったようにそわそわと窓の向こうを眺めたりしている。
 中庭の方ばかり見て、ひょっとして僕の姿を探しているんだろうか。残念ながら僕はそこにいない。個室の壁を這い上がり、忍者か女子レスリングの金メダリストのように、天井からあなたの暮らしを見守っている。
 彼女たちは昼休みが終わるまでトイレから出ない。そう指示していた。ここで徹底的なアナルトークを繰り広げるために。

「ねえ、ちょっとさ……他人の意見も気にならない?」
「なるー。てかさ、基本アナルなんて自分でもよく見ないじゃん。他の人と比べてどうって、気にならない?」
「いやそれあたしが今言った意見だから」
「よし、出すか」
「出すっきゃないよね」
「え、ちょっと、何言って……」
「1人ずつアナル出してー。みんなに見てもらおー」
「いえー」
「待って、待ってよ。そんなことできるわけないじゃん」
「花純、どうしたのさっきから?」
「こういうの、まず一番にノってくるのが花純じゃん?」
「アナル、ケガでもしてんの?」
「肛門科いく?」
「何ともないから! そうじゃなくて、こんなとこでア……ナル見せるなんて、恥ずかしいじゃん……」

 真っ赤になって縮こまる花純さん。
 学校ではいつも強気でクールな感じの彼女が、今日はずいぶん恥ずかしがり屋さんに見える。
 まあ、アナルのせいなんだけど。

「大丈夫だって、女しかいねーし」
「そうそう。ここで見たアナルはみんなナイショだから」
「みんなでアナパしよ、アナパ。男子禁制、女子限定、アナルパーティ昼休みー♪」
「いえー♪」
「じゃあ、まずはあたしからいこっかなー」
「よし、いっとけいっとけー」
「いっきまーす」

 ぺろん、と女の子の1人がパンツをずり下ろしてお尻を出した。
 ツインテールの幼い感じの子だ。
 僕のいる場所からちょうど彼女のアナルが見えた。小ぶりなお尻の中央で、茶色に色づく窄まりがまるで高山の花のようだった。
 
「……ほう」
「なかなかいいんじゃないの? わかんないけど」
「可もなく不可もなく? なんか上手いこと言えない」
「ちょっとやめてよ、そういう微妙な反応ー」

 アナルを出してる子は、お尻をぷりぷりさせて文句を言っている。
 なかなか可愛いアナルだとは思う。でも、みんなの評価はそんなに高くはなかった。
 もちろん、今後の布石である。

「じゃ、次は私ね」
「よし行こう」
「あたしの仇とってくれー」
「せーの、はい!」

 大人みたいな体をしている人だ。
 肉付きのよいお尻にアナルが挟まれている感じで、思いっきり広げてようやく丸見えになった。

「てか、尻がでかいよ」
「尻どうしたのって感じ」
「尻の印象しか残らない」
「ひどいよー」

 むっちりとした良いお尻だと僕は思う。
 ていうか、女の子のお尻っていろいろ魅力的なんだなって思った。
 どうして僕はこんなすみっこで見学だけしてるんだろう。
 あのパーティに混ざりたいよ。

「じゃ、私の番ね」
「とうとうナンバー2の出番だね」
「待ってました。中古の実力見せてくれよ」
「中古言うな。大人と言え。あとナンバー2もよせ、私は彼氏いるんだからね」
「うくく。花純は彼氏いないもんねー」
「な、なによぉ……」

 さっき彼氏とどうのこうの言われてた人だ。背が高くて髪も長く、ぱっと見は高校生くらいに見える。
 確かに結構美人だなって、じつは前から思ってた。やっぱり彼氏いるんだ。しかもこの会話によると、すでに経験済みらしい。
 ナンバー2っていうのはどういう意味かわからないけど。

「ほらよっと」
「お、きれいな尻してんじゃん」
「さすが、付き合いたい女子第2位だよね」
「だからそれやめてってば、男子が勝手に決めただけじゃん。私の彼氏は高校生だし、同級生なんかと付き合う気ないしー」

 あぁ、そういうことか。うちのクラスでも悪友たちがやっていた。それで彼女が2位ってわけだな。で、1位はもちろん花純さんってところだろう。

「鈴佳、彼とはアナルエッチしてんの?」
「してないよ。普通のエッチだって、そんなにさせてないし」
「まあ、いいんじゃないの、このアナル。ちょっとかっこいいよ」
「マジ? 本気にしちゃうよ?」
「いいよね、別に。自信持っていいと思う。ね、花純?」
「え、ちょっと私にはわかんないかな……」
「またー。嫉妬? 鈴佳に嫉妬?」
「ミス付き合いたい女子を焦らせるとは、ますます良アナルだなー」
「まーねー」
「だ、だからそうじゃないってば。どうしてみんな、お尻の穴なんて……」

 彼女、鈴佳さんっていうのか。花純さんほどじゃないけど、整った顔立ちだし、何よりスタイルもいい。下着も中学生のくせにエロいの穿いてるし。
 えっち済みの彼氏がいるのはマイナスだけど、ぷりぷりと自慢げにアナルを見せつける姿は、家族至上主義者の僕でも勃起するレベルだった。
 入れたいなあ、あそこに。

「じゃ、ラストはいよいよ花純ね」
「え?」
「え、じゃなくて。なんなのよさっきから」
「でも私、見せるなんて一言も……」
「あれ、どうしたの、花純?」
「ひょっとして空気読めてないの? 大丈夫?」
「みんな出したんだからさー。花純も出そうよ」
「どうせアナルっしょ。みんなとたいして変わらねーって」
「で、でも……」
「はい、かーすーみー」
「かーすーみー」
「かーすーみー」
「わ、わかったから。ちょっと静かにして!」

 だいたい僕の指示どおりだ。
 みんなが先にアナルを見せて、花純さんに断りづらい空気を作る。
 もちろん後で他のみんなの記憶は消すさ。さっきの授業と一緒に丸ごと消す。
 花純さんだけが覚えていてくれればいいんだ。
 アナルは、大事なものだって。
 そして、好きな男の子に捧げるものだって。

「……わかったから、待って」

 花純さんは、真っ赤になって深呼吸する。
 そして意を決したように下着に手をかけ、太もものあたりまで下ろす。
 ゴクリ、と誰かが息を飲む音が聞こえた。
 花純さんは背中を向け、もう一度肩で大きく呼吸する。
 スカートに手をかけてゆっくりと持ち上げる。
 真っ白いお尻が徐々にあらわになっていった。毎晩、僕が丹精込めて洗っているお尻だ。

「おぉ……」

 友人たちがその白さに嘆息を漏らす。
 僕は彼女たちに催眠術をかけ、『花純さんの体がとても素晴らしいものに見える。特にアナルはミケランジェロのレベル』と暗示をかけておいた。
 何も知らない花純さんは、耳の裏まで真っ赤にして、恥ずかしいのを堪えるように少しずつ、前屈みになっていく。
 心臓の音が聞こえてきそうだ。僕まで緊張してきた。
 そして、花純さんの色濃い部分が徐々に開いていき、とうとう小さな窄まりがみんなの前に現れた。
 
「きゃ~~~~ッ!?」

 友人たちはいっせいに黄色い悲鳴を上げる。
 あまりの音量に僕も落下するところだった。

「え、な、なに!? どうしたの!?」
「だめ、動いちゃダメ! じっとしてて!」
「何、なんか付いてる!? お尻に何か付けちゃってる、私!?」
「付いてないよ! そうじゃないの!」
「むしろ天使! 天使の顔が付いてる!」
「それどういうこと!?」
「いいから、お願いだからそのまま見せて! 私たちにもっと花純のアナルを見せて!」
「なんなのォ!?」

 逃げようとする花純さんを拝むように他の子たちが回り込み、そのアナルに釘付けになる。
 僕も大好きな彼女のアナルだ。
 あいかわらず花のように可憐なアナルだ。
 あぁ、なれるものなら、王シュレットになりたい。

「すごいね。アナルって、ここまで宝石になれるんだね」
「花純、モデルになれるんじゃない? アナルモデルになって雑誌とかでアナル出しなよ」
「や、やだよ、そんなの」
「なんていうか、お尻自体がきれいだから余計に芸術的」
「うん、お尻とアナルのバランスがマジ神。これ黄金比ってやつ?」
「丸くてぷりっとして、ど真ん中にアナルがきゅるん♪ だもんね」
「ていうか、ここまできれいに中央に寄ってたらAKBのセンターにだってなれるんじゃない?」
「勝てっこない……私なんかが、花純に勝てるはずなかったんだ……」
「仕方ないよ、鈴佳。こればっかりは仕方ない。相手が凶悪すぎる」
「へこむわ……でも、花純にだったら負けてもしょうがないかな、やっぱり」
「えっと、もうしまっていい?」
「ダメ! まだ写真撮ってない!」
「撮らないでよ!?」
「待ち受けにしていい?」
「いいわけないじゃん!?」
「ね、マジで質問。普段どういう手入れしてんの?」
「手入れとか、普通にしてないし……」
「うっそだーッ!?」
「引くわ。それマジならマジで引く」
「絶対、なんかしてるよね? てか、してるって言って。あたしたちがみじめすぎるじゃん!」
「そんなことを言われても、本当に何も……」
「ねえ、ハンカチでアナル拓とっていい?」
「いいわけないじゃん!?」
「それよか、お手入れの話! ね、なんかしてるよね? 素でこれってありえないよね? 教えてよ!」
「鈴佳、必死すぎ」
「でもマジ知りたい。何もしてないってホント?」
「本当だってば……あ、でも」
「なに!?」
「それ教えて! それ聞きたい!」
「え、あの、お兄、いや弟に」

 僕らが兄妹逆転しているのは家庭内だけだ。家から出たら僕のことを『弟』として扱わないといけない。彼女の中では兄のままだが、兄であることを隠している設定だ。

「弟に、毎晩お風呂で洗ってもらってる、かも……」

 消え入りそうな声で告白する花純さんのアナルの前で、友人たちは顔を見合わせる。
 そして、真っ赤な顔になって叫ぶ。

「きゃ~~~~ッ!?」
「え、なに!? なんかあった!?」
「素敵、素敵、マジ抜ける~~~ッ!」
「やっぱり男か! しかも弟! やられたわー!」
「ちょ、ちょっと声大きいってば、みんな!」

 思わぬ反響に花純さんも真っ赤になってオロオロとうろたえる。
 しかし、アナルを隠すことは誰も許さない。彼女1人だけアナルを晒したまま、パーティは最高潮に盛り上がっていく。

「ねえねえ、やっぱり洗ってもらうときって、中まで洗うの?」
「洗うよねー、当然! 指とか入ってきちゃうんでしょ!?」
「え、え、いや、あの……ちょっぴり」
「きゃー!」
「優しいじゃん、弟! 超うらやましいよ、そんな弟いるなんて!」
「べ、べ、別に、うらやましいとか、そんな、ちょっと優しいってだけだしっ」
「そっかあ。弟が管理してくれてたんだねえ」
「すごい技術だと思う」
「職人なのかもね」
「どんなに美しい自然でも、人の手が入らないと、やっぱ維持できないよね」
「ねえねえ、みんな。何の話? 世界遺産?」
「え、花純、どうしてお尻なんて……きゃあ!? 何そのプラチナアナル!」
「やっ、違うの、これはっ」
「ダメ、隠さないで! 見せてっ、もっとよく見せて!」
「押さないでよ! みんな、ちゃんと並んで見せてもらおう。クラスごとに整列して!」

 どんどん女子が集まってくる。もちろん、みんな花純さんのアナルが素晴らしく見えているし、弟に洗ってもらえるアナルは幸せアナルだと思っている。僕がそう指示したからだ。
 口々にアナルを褒め称える同級生たち。ぱしゃぱしゃと撮影するスマホ。写真はあとで消すように命令してやるさ。もう放送室の機械の使い方は覚えたからね。
 とにかく女子トイレは大賑わいだ。
 花純さんの新たなカリスマ性が発見された瞬間だった。
 彼女はみんなのヒロイン。トイレの神様。拝むようにしてみんな跪き、彼女のアナルに羨望の視線を集中させる。

「なんなの、このアナル……私、震えが止まらない」
「やだ、涙がでてきた」
「私、思い出した。2年前に、これとまったく同じものをルーブル美術館で見たわ」
「つーか、どうやったらこんなプラチナアナルになれるわけ? 海外で整形したとか?」
「どうやったって言われても……」
「秘密は弟なんだって。花純ってば毎晩、弟に洗穴してもらってるんだって」
「うっそ、それすっげぇアナ充じゃん!」
「超うらやましい!」
「どうやってそんな展開に持っていくの、花純さんは!」
「だ、だから、そういうんじゃなくて、うちじゃ昔から洗ってもらってたから、私はずっと普通のことだと思ってて……」
「花純、文化祭はアナル喫茶でいい?」
「いいわけないじゃん!?」
「弟いいなぁ。私も素敵な男にアナル洗ってもらいたーい」
「アナル洗浄が上手な男っていいよねえ。マジ惚れるー」
「……私の弟に惚れないでよ」
「ね、花純。今晩、弟貸してくんない? お礼に童貞貰ってあげるからさあ」
「ふざけんな!」
「あははっ、花純マジキレしたよ、鈴佳」
「アナル、きゅっとなった」
「もう冗談に決まってんじゃん。あんたの弟なんかとするわけないだろ。……あーあ、でもこのアナル、本当にきれい」
「真心こめて洗ってるんだろうね、毎晩。弟も大変だろうね」
「よっぽどお姉ちゃんのこと大事なんだろうね」
「そ、そんなことわかんないよ」
「大事に決まってんじゃーん! でなかったらアナルをここまできれいにしてくんないよ」
「絶対、姉ちゃん大好きだよ。アナルから愛情伝わってくるもん」
「……そ、そう? そうなのかな、やっぱり」
「そうだよ。ちゃんとやらせてる?」
「え、なにを?」
「アナルセックスに決まってんじゃん」
「やらせてないよ!?」
「うっそー!?」
「マジ? 理由がわかんないんだけど」
「こんなにきれいにアナルを育ててもらって、やらせてないって鬼すぎない?」
「鬼畜生じゃない?」
「アナル美人のためなら弟も踏み台ですか。引くわー」
「だ、だって、そんな……」

 花純さんはますます赤くなり、お尻を震わせる。
 ギャラリーはトイレから溢れんばかりだった。

「お、お兄ちゃんは……」
「お兄ちゃん?」
「違っ、その、弟は、だから……待っててくれるって言ったもん」
「待つって?」
「花純がその気になるまで?」
「う、うん」
「優しすぎー」
「てか、甘すぎー」
「私なら即やらせてる。これだけ可愛いアナルにしてもらっておいて、おあずけってないよね」
「ねー。ていうか、これだけきれいにしてくれる弟なら、アナルセックスだって上手に決まってるもんね」
「あたしだったら、きっと自分からしてって言ってると思う」
「私も。指だけでよく我慢できるよね、逆に」
「……でも、だって、せっ、せっくすなんて、私はまだ……」
「花純、アナル吸っていい?」
「いいわけないじゃん!?」

 ますます盛り上がっていく女子トイレに、花純さんのアナルへの羨望とアナルセックスへの期待が満ちていく。
 すっかり雰囲気にあてられた彼女も、徐々に頬の赤らみが羞恥から興奮へと色を変えていくように見えた。

「……あれ?」
「どうした、鈴佳?」
「いや、その……花純、ちょっとごめん」
「え?」

 鈴佳さんが、花純さんの股間を覗き込む。
 そして、顔を真っ赤にして立ち上がったかと思うと、他の友人たちも立たせて花純さんを取り囲んだ。
 
「しゅーりょー! 花純のアナルショーはこれで終了です! 昼休み終わるから解散!」
「ど、どうしたの急に?」
「いいから解散だ、お前らっ。散れ散れ!」
「えー、私まだ撮ってないよ」
「あとでうちらが回してやるから! とにかく帰れ!」

 鈴佳さんが半ギレでみんなを追い出したあとも、他の友人たちも、花純さんもポカンとしていた。

「マジどうした、鈴佳?」

 心配そうにする友人たちに、鈴佳さんは顔を赤くしたまま「何でもない」と答える。
 そして、花純さんに「さっさとトイレ入りな」と言った。

「なんで?」

 理由のわからない花純さんに、鈴佳さんは肩を抱き寄せ、何か囁く。

「ッ!?」

 花純さんは慌ててトイレに駆け込んでいった。
 他の人たちはまだ何のことかわからない。
 でも、僕は上から見ていた。
 花純さんが、トイレットペーパーで必死に濡れた股間を始末している姿を。
 どうやらアナルセックスを想像して、気づかないうちに濡れてしまったらしい。
 やはり女子のそっち方面の成長は、女子トークで育てるに限る。

 ふぅ、今日は疲れた。
 学校から帰ってカバンを机におき、制服のネクタイ緩めてひと息つく。
 花純さんは、どうやら友だちの家に寄って帰るようだ。他の生徒からはアナルに関する記憶は消したが、あのメンバー内に限ってはまだアナルブームは継続している。
 きっとキラキラしたガールズアナルトークで盛り上がってくれてることだろう。
 今夜が楽しみだ。
 下に降りて、キッチンでミルクを飲む。
 リビングでは睦都美さんが洗濯物をたたんでいるところだった。
 彼女のメイド服は日に日に露出が増えている。前に『家では太ももを出すこと』と女性陣に命令して以来、綾子や優惟姉さんまでミニスカやショートパンツを着用するようになったが、メイド服の場合、基本的にミニスカだと萌え系のコスプレ衣装に偏っていくので、胸元なんかもエロい構造になりがちだったりする。
 きちんと正座して服をたたむ彼女の胸元も、上からだと谷間が覗けて見えちゃってるのだ。
 ムラムラしてしまったのなら抱くしかない。僕は彼女をmyメイドに調教中だ。

「睦都美さん」

 父さんの肌着をたたみながら、睦都美さんはいつもの無表情で顔を上げる。

「はい、なんでしょうか?」
「『セックス人形が欲しい』」

 きょとん、と見開いた目が徐々に恐怖に歪んでいく。
 ここから逃れようと立ち上がる前に、僕は彼女を押し倒していた。

「いやッ!」

 萌え制服に包まれた大人の体が、床の上に弾む。鼻孔に飛び込む柔軟剤とシャンプーの香り。1日中、家事をして過ごした家政婦さんの匂いだ。
 抵抗はできない。大声で助けを呼べない。押し倒されれば後はおもちゃになるしかないことを、『セックス人形』の睦都美さんは知っている。
 それでも必死に彼女はもがく。中途半端な抵抗は、まるで僕に体を擦りつけるような、心地よい刺激にしかならないのに。
 彼女のきれいな首筋に僕は吸い付いた。

「あぁッ、ダメ、いけません……ッ!」

 塩気を感じさせる肌が、ざわざわと毛穴を立てる。舌で何度も舐めるうちに、徐々に赤みを増していく。
 両手を封じて鎖骨に舌を這わせ、時々吸い付いて音を立ててやる。緩い刺激をじっくりと続け、やがて彼女が思わず鼻にかかった声を出した瞬間に、メイド服の胸元を強引にずり下げた。

「やっ!?」

 ブラジャーも一緒にめくれて、彼女の乳首が露出される。
 僕はそのさくらんぼを口に含む。「んんんっ!」と睦都美さんは唇を噛みしめる。
 口の中で、舌で蹂躙。飾りボタンみたいにコロコロと肌の上で転がる乳首は、どんどん固くなっていく。

「や、やめっ……やめてください……むぐっ」

 睦都美さんの色っぽい唇に、僕の指を突っ込む。
 彼女の舌を指で絡め取り、犯すように掻き回した。

「んむっ、んんっ、んんんんっ!」

 そしてもう片方の手は下着の中に潜り込ませる。
 メイドの下着は白。彼女は僕に下着の色まで指定されている人形だ。上品な形をしたそれの中はすでに湿り気を帯びていた。
 
「んんっ、んぐっ……んっ、んんっ!」

 僕の愛撫で、なんて自惚れたりはしない。彼女が犯されることに慣れているだけだ。
 どれほどの恥辱と彼女が思おうとも、男たちに弄ばれていた過去は今も彼女の体を支配している。
 僕は、その過去を乗っ取ろうとしている。

「睦都美さん、アナルセックスの経験はある?」
「ッッ!」

 僕に指を突っ込まれたまま、睦都美さんは目を丸くする。
 そして、慌てて首を横に振った。

「嘘だよね? あれだけたくさんの男にマワされてきたんだ。一度や二度じゃないでしょ。何度も、何人にも、あなたのアナルを使われたことがある。ですよね?」
「……ッ」

 答えはなくても、その表情でわかる。
 普段はあんなに無愛想なのに、男に組み敷かれたとたんに彼女は「わかりやすい女」になる。
 睦都美さんは、僕から目を逸らして涙を滲ませた。

「何人目でもかまいません。これからは、僕しかあなたを抱かないんだから」

 下着を剥ぎ取っていく。睦都美さんは目を閉じ、体を固くする。
 アソコは十分に濡れている。僕はまず、そこにペニスを挿しこんだ。

「うぅぅっ、うっ、うっ」

 ゆっくりと抽挿を開始する。相変わらずの具合の良さ。人形の彼女もいいけど、やはり締まりは本物の彼女が数段いい。
 きっとアナルの締まりも気持ちいいに違いない。
 そして、アナルに照準を変えようとしたところで―――リビングの扉が開いた。

「……え……蓮、さん……?」

 綾子だった。
 どこかへ出かけていたのか、持っていたバッグを床に落とし、家政婦を犯している僕を見て固まっている。
 乱れたメイド服。散らばった洗濯物。すでに挿入されているペニス。
 言い訳などしようもないレイプの現場だ。

「んんっ、お、奥様……ッ!」

 睦都美さんは暴れ出した。僕の胸を押し上げ、綾子に助けを求めてもがきだす。
 僕は彼女の口を手でふさぎ、弱々しく暴れる手を片手で封じ込めた。
 そして、綾子に向かって笑う。

「ちょうどよかった。綾子、ワセリンを持ってきてよ」

 綾子も睦都美さんも固まった。
 僕は固く濡れたペニスを見せつけるように揺らしながら、もう一度言う。

「ワセリンだよ。睦都美さんのアナルを犯すんだ。早くしてよ」
「んんっ、んっ、んんっ、奥様……んっ、んんっ」

 綾子はしばらく呆然と睦都美さんを犯す僕を見たあと、ついと目を逸らし、「わかったわ」と呟いた。
 睦都美さんは驚愕してくぐもった声を出す。薬箱を取りに行く綾子の背を信じられない顔で目で追う。
 綾子はもう誓っている。花純さんも睦都美さんも優惟姉さんも、この家の女性は僕のモノだって。誰を抱くのも僕の自由で、そして彼女は僕を支えていくと。
 ワセリンを持ってきた綾子は、吹っ切れた顔をしていた。

「蓮さん……もうすぐ、花純や優惟さんが帰ってくる時間です。私も手伝います」
「んんっ!?」

 自らワセリンを指に乗せ、僕のペニスに近づけてくる。驚く睦都美さんをよそに、手早く作業を済ませて、睦都美さんの顔を跨いでその両足を持ち上げてくれる。

「早く、蓮さん。あの子たちが帰ってきてしまいます」
「お、奥様、やめてください! 一体、どうして……?」

 自分の股の下で哀れな声を出す家政婦に、綾子は、狂気じみた笑みを浮かべた。

「私の主人は蓮さんなの。彼がこの家の主なの。蓮さんがそうしたいとおっしゃってるのなら、あなたも、おとなしくお尻の穴を広げなさい」
「……ッ!?」

 僕のオンナになって以来、綾子は色気と美しさをますます増している。凄惨なまでの美しさを今、見せている。
 睦都美さんは、声を上げるのも忘れて目の前の女性を見つめている。
 信じられないものを見るように。

「睦都美さんにも塗ってあげるよ」
「いや……うそ、そんな、うそです……」

 綾子が睦都美さんの両足を持ち上げてくれている。彼女のお尻もアナルも丸見えだった。
 こんな恥辱的な恰好をさせられても、セックス人形の彼女は抵抗できない。僕はそこにもワセリンを塗り込む。たっぷり手でこすって温めてあげた薬を指に乗せ、ずぶりと中に差し込んだ。

「ううぅぅぅッ!」

 第2関節まで一気に入っていった。
 そのままかき混ぜてワセリンを馴染ませていく。
 他の男に仕込まれた跡なんて僕にわかるはずがない。でも、異物を差し込まれる感触に対する彼女の反応は敏感で、ビクビクとお尻を痙攣させた。
 これから何をされるのか、それはどんな感覚なのかを、知っている顔だ。

「いくよ」
「嫌…っ、嫌です、許して……ッ」

 ぐっと、僕のペニスが彼女のアナルを広げてつぶれる。
 固く緊張した穴はシワを収縮させ、必死の抵抗をしている。

「んんんっ、お、奥様……ッ!」

 綾子が睦都美さんの足を脇に引き寄せ、両手を使って彼女のお尻を広げてくれた。
 僕のペニスが穴をこじ開け、先端が半分ほど埋まっていく。
 
「いやぁ……やめて、やめてください……」

 綾子は睦都美さんのお尻を僕のペニスの角度に合わせ、指を使ってさらにアナルを広げる。僕のが少しずつ先に沈んでいく。ずる、ずる、ワセリンが摩擦を消して太い異物を彼女の中へと導いていく。
 上気する睦都美さんの顔を見下ろし、綾子は、小さな声で呟いた。

「……いつもそんな顔で、私の夫と寝ていたのね」

 ずぶっ。
 ひと息にアナルを貫いた。ペニスに彼女の熱を感じる。興奮と緊張の高まっている彼女の腸は熱かった。
 
「うあぁっ!」

 睦都美さんが悲鳴を上げる。綾子は唇を歪ませて微笑む。
 父さんの妻。
 父さんの愛人。
 2人の女の肛門の味を、僕はペニスで知った。2人の女の間にある複雑な感情の間に、僕はペニスで割り入っていく。

「うぅっ、うっ、んんっ!」

 ぬぷ、ぬぷ、とペニスとアナルが擦れ合う。たっぷり塗った潤滑剤が泥の中を歩くような音を立て、僕の耳まで楽しませる。
 睦都美さんのお尻も気持ちよかった。
 女性の体はやっぱり素晴らしい。
 どこに入れても気持ちいいんだから。

「ふーっ、ふーっ」

 睦都美さんは、入れられてしまった後は、諦めたように下腹部の力を抜き、出入りする僕のペニスを受け止めて深呼吸をする。
 やっぱり、アナルセックスを知っている。自分の体のダメージが少ないように、抵抗するのも止めて体を開いている。
 
「……蓮さん」

 綾子はそんな彼女の顔を見ながら、ぽつりと僕の名を呼ぶ。

「本当に、これでいいんですよね?」

 拠り所を探る、子犬のような目。
 彼女の不安を払拭する笑顔を、僕は浮かべる。

「見ててごらん、綾子」

 睦都美さんの、剥き出しのまま揺れるおっぱいを、両手で掴む。
 そして乳首が上向きになるように押し上げていく。

「あっ、あッ!?」

 睦都美さんの快楽レバーをONにする。
 体を駆け抜ける快感に、睦都美さんは鼻にかかった喘ぎ声で反応する。
 
「あっ、あっ、やっ!? あっ、あんっ、だめ、だめぇ!」

 胸から走る快楽が膣を刺激し、アナルへの刺激とリンクする。腰を動かすリズムに合わせて快楽レバーを操作すれば、睦都美さんにはもう快感に溺れるだけだ。
 体にスイッチを作るだけで、セックスは支配できる。セックスによる支配は心に敗北と諦めを植え付ける。

「あぁっ、あっ、あっ、そんな、あぁっ、助け、あぁん!」

 雇い主の母子にお尻の穴をズポズポと弄ばれているというのに、睦都美さんの喘ぎ声はどんどん艶っぽくなっていく。
 彼女の反応の変化は、同じ女性である綾子にはすぐ伝わる。
 綾子は、睦都美さんを見下して唇を歪める。

「スケベな顔……淫乱なのね、やっぱり」
「くぅぅ!」

 睦都美さんは屈辱に歯を噛みしめ、快楽に抵抗する。
 でも、僕に乳房を操縦されてすぐに声を張り上げた。体はすでに僕のモノ。アナルを犯されているというのに、それを綾子に見られているというのに、僕の作った快楽レバーには逆らえない。
 あとは心が折れるまで、レイプを続けるだけだ。

「綾子、下着を脱いで睦都美さんの顔を跨いで」
「はい、蓮さん」
「そのまま、睦都美さんにクンニさせるんだ」
「はい」
「んむっ、んんっ!」

 綾子の股間を押しつけられた睦都美さんが、くぐもった悲鳴を上げる。
 前に王様ゲームでやらせたこともあったけど、あのとき『常識』とさせたルールはすでに解いたあとだ。
 セックスの一環として、母子のレイプとして彼女に屈辱のクンニをさせる。もちろん催眠術なんかで簡単に舐めさせたりはしない。これも僕に服従させるための立派な洗脳行為だ。
 何度も犯し、その快楽に逆らえないことを睦都美さんに覚えてもらう。何度でも、どんな場所でもだ。

「舐めなよ、睦都美さん。あなたの雇い主の、不倫相手の奥様のオマンコだよ。クンニくらいしなきゃダメでしょ」
「んっ、んぷっ!」
「早く舐めて。綾子、もっと押しつけてやりなよ」
「はい」
「ん、んんんっ!」

 ぺろり。
 睦都美さんの口から艶めかしい桃色の舌が伸び、綾子の大人色したオマンコをなぞる。
 ぴくっ、と綾子は恥ずかしそうに腰を浮かせたが、僕に促されて再び腰を下ろす。

「うぅっ、うっ」

 睦都美さんの舌が、綾子のアソコをクンニする。僕は腰を動かし、快楽レバーを操作する。
 まだ陽の高いリビングで、乾いた洗濯物が散らばる中で、アナルを犯されながらクンニ奉仕をするメイド。SM文学の1ページを飾れそうなシチュエーションだ。睦都美さんは、この状況の中で興奮を高めてアソコを濡らしていく。
 
「感じてるんだ、睦都美さん?」
「んむーっ、んっ、んんっ!」
「本当にスケベな女ね」
「んんっ、んんっ!」

 僕と綾子は共犯者の微笑みを交わす。
 吹っ切れたように今の状況を受け入れた綾子も、股間を濡らしてメイドに奉仕させていた。
 僕らは睦都美さんを犯しながらキスをする。愛情のたっぷりこもったディープキスだ。息を荒げながら舌を絡ませ合う僕らの唾液が、無理な体勢に開かれた睦都美さんのオマンコに垂れた。
 ワセリンと愛液と唾液。どろどろになったアナルの中を往復する。快感が高まるにつれて睦都美さんのお尻の穴は締めつけを強くして、僕の快感も絞り出していく。
 射精めがけて動きを速める。腸壁を擦る。睦都美さんは声を高めて、綾子は腰をくねらせる。
 そして僕が射出する瞬間に、3人の絶頂が重なった。

「あぁぁぁッ!」
「あっ、あっ、くぅんっ……」

 快楽レバーを思いきり振って睦都美さんをイカせ、そして綾子も小さなエクスタシーに喉を震わせる。
 びゅうびゅうと精液が睦都美さんの腸に詰まり、生温かい逆流を僕のペニスに絡ませる。それは彼女の中から引く抜くと、緩みきったアナルからとろとろとお尻を伝った。大人をあどけなくさせる萌えメイド服を着ていることが、余計に犯された姿を悲惨に見せているのが皮肉だった。

「あぁ……」

 大粒の涙が睦都美さんの鼻背を濡らして絨毯にシミを落とす痛々しく赤くなったアナル周辺が、僕をさらなる獣欲に誘う。
 でも、そろそろ優惟姉さんや花純さんが帰ってくる頃なのも本当だった。
 
 ――キィン!
 
 コインを鳴らして、泣き崩れる睦都美さんと、下着を直している最中の綾子を止める。
 
「睦都美さん、『セックス人形』はおしまいだ。また、あなたの記憶はフタをされる。次に僕に『セックス人形』と呼ばれるまで僕に抱かれたこと、イタズラされたことは思い出せない。とても大事な秘密で、タブーだ。決してあなた1人でその記憶に触れてはいけない」

 綾子もタイトなスカートの中に手を入れたまま固まっている。
 彼女のアソコもきっとまだビショビショなままだろう。

「綾子も、今日のことは2人だけの秘密だ。誰にも話してはいけない。僕がいずれ、この家を完全に征服するまで。それまで君は僕の協力者だ。一緒にこの家を僕らの幸福な家庭にしていこう。必ず君を幸せにするって約束するよ」

 そしてもう一度、アナルから僕の精液を垂らしたままの睦都美さんに言う。

「あなたの目を覚まして、まず自分の服とセックスの後始末をして、もう一度洗濯物の片付けに戻る。記憶はその時点から再開される。あなたはずっとその作業を続けていた。僕と綾子さんは今、帰ってきたばかり。いいね?」

 時間を巻き戻す。
 レイプの証拠は残さない。
 でも、それだけではまだ足りない。

「睦都美さん。あなたはセックスがしたくなる。セックスじゃないと収まらない欲求不満を抱える。セックス人形の時間が終わって、洗濯物の片付けに戻ったときから、その欲求不満は始まる。あなたはセックスがしたい。男に抱かれたい。その欲求は、男に抱かれるまで絶対に収まらない」

 父さんには、すでに綾子や睦都美さんとのセックスを禁じている。
 禁じた、というよりも父さんの常識の中では、家族や家政婦はセックスの対象ではない。
 睦都美さんは父さんを求めるだろう。でも、拒絶されるはずだ。おそらく手ひどい言葉で。
 僕はそのときに彼女をどう抱いてやろうか考えながら、催眠を解除する。

「――はい、なんでしょうか?」

 身支度を終えて、洗濯物の片付けを始めた睦都美さんに僕は声をかける。
 睦都美さんは、さっきまでの乱れようがウソだったのかとしか思えないような、見事な無表情で振り向いてくれた。

「あ、すみません。何でもありません」

 用事を忘れたふりして笑う僕に、「そうですか」とつまらさそうに答えて睦都美さんは作業に戻る。
 僕はキッチンに戻ったふりして覗き見ていた。横顔が徐々に赤らんでいく。洗濯物をたたみながら、落ち着かなさそうに正座の位置をもぞもぞと変えている。

「ふぅ」

 僕に見られているとも知らず、睦都美さんは股間に手をやり、下着の位置を直す。「はぁ」と何度もため息をついて、色っぽく頬を染めていく。
 あの睦都美さんが性欲を持て余す姿なんて、なかなかのレアだ。くそっ、どうして僕は大事な場面に限ってカメラの用意を忘れてしまうんだ。
 やがて洗濯物をたたみ終えた睦都美さんが、服を抱えて立ち上がる。

「……?」

 そのとき、不思議そうな顔をして、お尻の位置で下着を直した。それでもなお違和感があるらしく、何度も下着を直しながら洗濯物をしまいにリビングを出て行った。
 アナルセックス後の感触なんて経験ないからわからないけど、10分以上もオチンチンが出入りした後には、きっとアナルもへとへとだよね。

「ふふっ」

 僕の横で、僕と同じように小さく隠れてその様子を見ていた綾子が可愛く笑う。
 僕は彼女の頬にキスをして、部屋に行こうと誘う。

「はい、蓮さん」

 嬉しそうに綾子は僕に腕を絡め、豊満な胸を押しつけてくる。
 すっかり火照った肉体は、女の匂いを発していた。

「私のことも、たっぷり可愛がってくださいね?」

 もちろん、たっぷり泣かせてやるさ。
 肉厚なお尻を撫でながら、2人で僕の部屋へ行き、夕食の時間までセックスを楽しんだ。

 そして、夕食の後は花純さんと入浴だ。
 いつものように彼女の背中を手のひらで撫でてあげる。たっぷりとシャボンを乗せてあわあわにして、彼女の玉のような肌を磨いてあげるのが兄の役目だ。
 花純さんは、いつもより無口になって体を丸めている。言いたいことがあるのに言えない。今日の授業や休み時間でみんなに言われたこととか、こうして体を洗ってもらっている今もツンツンと肌をつつく僕の勃起ペニスのこととか、何か言いたいはずなのに彼女は口を開けずにいる。
 泡だらけになった彼女の背中に、そっと言う。

「お尻を洗うから、腰を浮かせて」

 花純さんは無言で膝立ちになる。つるんと丸いお尻は少し緊張しているのか、キュッと締まっていた。でも、こないだみたいに「自分で洗う」なんて言わない。緊張しながら、僕の手を待ってくれていた。

「……ん」

 優しくお尻を撫で回される感触に、小さく声を漏らす。
 小さなお尻はすぐに泡だらけになってしまうけど、僕はいつまでもお尻を撫でるのをやめない。
 花純さんも止めなかった。

「ふぅ……ん……」

 お尻の肉を持ち上げるようにして揉み上げる。にゅるにゅると泡で滑る肌はとても気持ちの良い感触で、ついつい指を食い込ませて強めに揉んでしまう。

「んっ……ふっ……んんっ……」

 それでも花純さんは嫌がったりしなかった。
 洗身とは思えないようなスケベな僕のマッサージをおとなしく受け入れ、小さく息を漏らしてされるがままになってくれていた。

「花純、次はお尻の穴を洗うから。そのまま四つんばいになって」
「……うん」

 いつもは元気でお子様な彼女が、おとなしく僕の前で床に這い、お尻を差し出す。そして、耳にかかった短い髪をかき上げ、熱っぽい目で僕を見上げる。
 10才の女の子にしては、色気を感じさせるオンナの仕草。この体勢がセックスの姿勢であることを彼女は自覚していた。放課後のガールズアナルトークは実のある内容だったようだ。
 彼女のアナルが、いつもよりも可愛らしく見えた。

「……今日、学校でね」

 花純さんは視線を床に逸らし、恥ずかしそうに小さな声で言う。

「みんなにアナル見せたら、すごいきれいって言われた」

 赤くなった耳と同じくらい、花純のアナルも血色が良い。
 微かにヒクついたのは、僕の視線を感じたせいだろうか。
 
「そう。さすが花純だね。お兄ちゃんも鼻が高いよ」
「んっ!」

 お尻を撫でながら褒めてあげる。
 花純さんは一瞬ピクっとお尻を震わせたけど、嫌がったりはしなかった。

「……それでね、毎日お兄ちゃんに洗ってもらってるって教えてあげたんだ」
「ふぅん。で、なんて言われた?」
「みんなね、羨ましいって。いい弟……だから、いいお兄ちゃんってこと言ってた。お兄ちゃんが上手にアナルを管理してくれてるから、こんなにきれいなんだねって」
「そう? そんなに褒められると照れるな」
「お兄ちゃんって、やっぱりすごいね。花純、アナルを褒められるのって初めてだし、アナル見せるのも恥ずかしいなって思ってたんだけど、だんだん嬉しくなっちゃった。すごいんだよ、みんな花純のアナルを見るのに集まっちゃって!」
「そっか。やっぱり花純のアナルはきれいだもんな。どこに出しても恥ずかしくないアナルだよ」
「……でね、そんでみんなが言うんだけど」
「うん?」
「花純は、お兄ちゃんにアナルせっくすさせなきゃダメだって」

 小さな菊の花みたいな花純さんのアナルが、きゅっと縮こまった。

「お兄ちゃんに毎晩洗ってもらってきれいなアナルにしてもらって、せっくすさせないのは冷たいって。普通、毎晩せっくすしてるって。花純はわがままな子だって、みんなに言われちゃった」

 床についた彼女の手も、きゅっと縮こまる。
 緊張と恥ずかしさがこっちにまで伝わってきて、なんだか僕までドキドキしてきた。

「お兄ちゃんは、花純のことわがままだと思う? せっくすさせない花純のこと、怒ってる?」

 可愛い妹のお尻を撫でて、慰めてあげる。
 もちろん僕にセックスさせない妹はわがままだし生意気だと思うけど、怒ったりはしないさ。
 そういう子に「セックスして」と言わせる過程もかなり楽しいってことに気づいたから。

「怒ったりはしないよ」
「本当?」
「でも、花純とアナルセックスはしたいな」
「……うぅ」

 僕がそういうと、花純さんは困ったようにお尻を緊張させた。

「花純、まだ10才だよ?」
「そうだね。でも、他の男にされちゃう前に僕のアナルにしたいな」
「ほ、他の人なんかとアナルせっくすしないもん! するのは、お兄ちゃんだけだもん!」
「じゃ、していいの?」
「え、い、今は、まだ無理」
「じゃあいつならいいの?」
「そのうち……そのうち、花純に決心ついてからじゃ、ダメ? お願い、お兄ちゃん」

 怒られるのを承知でおねだりする子供みたいに、泣きそうな顔で花純さんは僕を見上げる。
 犯罪的に可愛い顔である。しかもアナルも丸見えで。
 さっき睦都美さん相手に凶暴な欲求を吐き出してなかったら、たぶん、僕は我慢できずに嫌がる花純さんのアナルにシャンプーとトリートメントを流し込み陰棒のキューティクルケアしてたと思う。
 でも今はまだ優しいお兄さんの顔を浮かべる余裕があった。
 慌てず乱れず、僕は花純さんのアナルをすっと撫でる。

「あんっ!」

 ビクビクっと花純さんは悶える。
 そしてそのお尻を、ぺちぺちと軽く叩いた。

「そのうちでいいよ。その代わり、花純のアナルセックスはお兄ちゃんが予約するからね?」
「う、うん! ありがと、お兄ちゃん。花純がアナルせっくすするのは、お兄ちゃんだけだよ!」

 ホッとしたのか晴れやかな笑顔を浮かべ、お尻をぷりんと突き出す。
 緊張の緩んだ穴が、可愛らしく開いていた。

「前の穴でセックスするのも、お兄ちゃんが予約ね」
「前の穴? おしっこの穴でもせっくすするの?」
「うん。おしっこの穴とお尻の穴の中間にある穴。ここだよ」
「んっ」

 花純さんの膣口を軽く指で擦る。花純さんはぶるっと身震いした。

「わかった。そっちも予約する。お兄ちゃんの席だよ」

 無邪気に約束してくれる10才の花純さん。
 そう遠いことでもないだろう。あと一押しで彼女は僕にアナルセックスを許してくれるだろうし、順番が逆になったけど、ノーマルなセックスも僕としてくれるようになる。
 とりあえず、アナルセックスの方は明日にでもケリをつけるつもりだけど。

「じゃ、今日も花純のアナルをピカピカにしてあげるね」
「えへへ」

 嬉しそうにお尻をくいっと上げる。僕に全幅の信頼と依存をしてくれる妹が愛おしくてしょうがない。
 もう二度と「アナルは自分で洗う」なんて彼女は言わないだろう。いや、例え大人になっても僕と一緒にお風呂に入ってもらうぞ。
 泡をたっぷり付けた指を、僕は花純さんのアナルに突き刺した。

「あっ、やっ、いきなり……っ」

 つぷぷっ。
 突然の挿入だけど、指くらいなら毎晩入れられてる花純さんは、すぐに力を抜いて受け入れの体勢になる。

「あぁーんっ、んっ、んっ、あぁんっ」

 つぷっ、つぷっ。
 スリムな花純さんの穴は指1本で詰まった音を奏で、石けんを泡立てる。中に押し込むときは抱きしめるように締めつけ、抜くときは力を抜いて通りをスムーズにしてくれる。
 たぶん意識してやっているわけではないんだろうけど、こうして弄ばれることに慣れている花純さんのアナルは、僕に協力的だった。

「あんっ、あんっ、お兄ちゃんっ、お兄ちゃんっ」

 しかも、自分からお尻を振ってる。僕の指に合わせて、前後に艶めかしく、自分でくねらせている。
 オンナの動きだ。体の中に侵入してくるオトコを歓迎して喜ぶ、メスのダンスだ。
 10才の花純さんが、僕の教育で女になっていく。
 大人の男の遊びだ。花純さんを僕好みの妹に育てて、セックスを教えてやるんだ。
 指一つで乱れていく彼女の姿に、僕のオチンチンは先走り汁をこぼす。

「あっ、あんっ、お兄ちゃんっ、あんっ、あんっ、それ、だめ、あんっ!」

 お尻の中で指を曲げる。膣のあたりを狙って撫でるように動かす。
 くいっ、くいっ。
 花純さんがその刺激にいちいち反応して、首をかくかく揺らすのがおもちゃみたいで可愛い。
 ぐるりと指を回転させて、背骨の方に向かって曲げてみる。

「ん、だめ、だってば、あぁぁんっ!」

 さっきよりも声が低くなる。花純さんのアナルが緩んでいき、アソコからは透明な液体が太ももを伝って垂れていく。
 もう、セックスしちゃっても大丈夫かもしれない。
 だけど約束は約束なので、彼女が「して」というまでは、一応我慢しておく。
 指を2本に増やして、アナル拡張のためにぐにぐに刺激する。きつい締めつけはすぐに指2本分の太さに慣れていき、僕を遊ばせるための余裕を持って受け入れてくれる。

「あぁん、あんっ、あんっ、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!」

 指を増やしても感じるようだ。
 よりパワフルになった愛撫をむしろ喜んでくれている。
 その姿だけで僕は射精しそうだった。
 あれほどツンケンして僕のことを嫌っていた花純さんが、アナルに指を突っ込まれてこんなに乱れてくれるなんて。
 僕のことを大好きになってくれるなんて。
 
「あぁん、あんっ、あんっ、気持ち、いいよっ、お兄ちゃん、気持ちいいーッ!」

 それにこんなに感じてくれるんなら、もうセックスも出来るはずだよ。とっくにアナルは出来上がってるはずだ。
 練習しよう。あくまで予習だ。本番のセックスは花純さんが「もういいよ」って言ってからだ。
 だから、あくまで練習。練習でセックスしよう。
 僕はいったん花純さんのアナルから指を抜き、洗い場に置いてあるコインを手に取った。

 ――キィン!
 
「花純さん。これからするのはアナルセックスの練習だ。僕が今から何をしてもそれはアナルセックスじゃない。練習だから。アナルセックスっぽいなと思っても違うよ。あくまで練習。本番じゃない。本番は、花純さんがしていいって言うまで僕はしないから。安心して」

 鏡に映る花純さんの意思消失した瞳は、人形のようにうつろだ。
 それでも彼女の深層に僕の命令が達したことは、術師の手応えでわかる。
 催眠を解除して、僕は彼女のお尻の後ろでオチンチンを構える。

「花純、練習しよう」
「練習?」
「そう練習。いつか僕たちがアナルセックスするときの練習だ。それならいいよね?」
「うん。しよ、お兄ちゃん。花純、まだ本番が怖いから、練習しておきたい!」
「そうか。えらいね花純は。がんばり屋さんだね」
「てへへっ、だって、花純だって早くお兄ちゃんとアナルせっくす出来るようになりたいもん!」

 まったく、素直でいい子だな。理想の妹に育ってくれたよ。
 僕は健気な花純さんの後ろでペニスをアナルに向かって構える。花純さんは期待に満ちた顔で僕を見上げる。

「お兄ちゃん、花純のアナルに何を入れるの?」
「えっと、オチンチンに似たやつだよ」
「オチンチンに似たやつって何?」
「それは……オチンチンに似たやつだよ。いいから、まっすぐ前を見て、お尻をリラックスさせて」
「うん!」
「そのまま、じっとしてて」

 花純さんのアナルにペニスの先端を押し当てる。
 鏡に映った彼女の表情には僕のへの疑いなんてこれっぽっちもなく、お兄ちゃんがしてくれるアナルセックスの練習に期待し、瞳を輝かせていた。
 何も知らない妹を騙してアナルセックスをしようとしている僕は最低の兄貴だ。
 そして催眠セックスは、最低の行為を肯定させることに快楽のキモがある。
 彼女の信頼に応える優しいお兄ちゃんのまま、僕は妹のアナルを中古にする。

「んんっ!」

 先端の中ほどまで埋まったところで、花純さんは苦しげな声を出した。
 彼女のアナルは、痛々しいほど広がっていた。

「痛い?」
「ううん、ちょっときついなって思っただけ……お兄ちゃん、これ本当に何? 太いよ、なんか」
「大丈夫なはずだよ。オチンチンじゃないから。指よりは太いけど、これが入ればオチンチンも入るようになるはずだから」
「本当? オチンチンも平気になる?」
「なるよ。だから、じっとしてて。続きするよ」
「うん。んんっ」

 ぐりぐり腰を回すようにしてアナルをこじ開ける。
 花純さんの穴はもう少しのところでなかなか通り抜けることができない。
 少し休憩して、胸やアソコをいじってあげることにした。

「あっ、やん、お兄ちゃん、どこ触ってんのぉ?」

 緊張していた花純さんも、僕がエッチなイタズラを始めたと思ってニヤニヤする。
 嫌がってる様子はない。兄に体を触られるのは6才からずっとのことなので、むしろ触られることは彼女のリラックスにも繋がる。
 ちゅっ。
 
「やんっ」

 ほっぺたにキスすると、くすぐったそうに笑った。そして首をひねって、僕にお返しのキスをする。
 そのまま舌を絡ませて愛撫を続ける。「お兄ちゃんのえっちぃ」なんて言いながら、花純さんも甘い吐息を絡ませてくる。

「じゃ、遊びはやめて練習の続き」
「うふふ、うん!」

 緊張のほぐれたところで、アナルセックスの再開だ。
 花純さんのお尻の穴も少し柔らかくなった感じがする。
 
「んっ、お兄ちゃん……」

 ゆっくりと押し込んでいく。
 めりめりとアナルを広げてカリの部分が通過した。

「あぁ……はぁ、はぁ……」

 大きく息を吐いて、花純さんの背中が上下に揺れる。
 痛みや苦しさはないようだ。異物を入れる練習ならさんざんしてきたアナルは、今まで一番太いものを挿入されて広がりきってはいるけど、断裂も出血もなく僕のオチンチンを受け入れている。

「はぁ、はぁ、お兄ちゃん、これで終わり……?」
「もうすぐだよ。あともう少し、花純の中に入れる。我慢できる?」
「うん、大丈夫……だけど、これ本当になに? すごい太いからびっくりした……」
「オチンチンに似たやつだよ。これが全部入ればオチンチンも入るようになるから、もうちょっと頑張ろうね」
「ふぅ、うん、花純がんばる。アナルせっくすの練習する」

 息を吐いて、じっと僕の挿入を待つお尻。素直で可愛い自慢の妹のアナル。
 チクっと罪悪感のトゲを胸に感じながら、騙されてるとも知らずに懸命にお尻を捧げる彼女の中に入っていく。
 ずぶ、ずぶ。軽く前後に揺らしながら、石けんのぬめりを使って先へ先へと進んでいく。

「うーっ」
「大丈夫? もう少しだよ」
「うん、平気……もっと入れてもいいよ、お兄ちゃん……ッ」

 太く狭いゴムバンドをペニスで貫くような作業だ。入れてもいいという言葉とは裏腹に花純さんのアナルは僕のオチンチンを留めるように締めつける。
 でも、さっきよりは楽になっている。愛撫とキスでリラックスした花純さんは、僕への信頼と愛情をアナルで示すかのように徐々にほぐれていく。
 いける。最後まで。
 僕は慎重に、ゆっくりと、ひと息で彼女のアナルにペニスを沈めていく。
 
「んんん……っ」

 花純は喉を反らせて鼻を鳴らした。
 はぁ、はぁ、と呼吸が落ち着くまでの間を、僕は彼女のお尻を抱きかかえるようにして待つ。

「ん、平気……まだまだ入れても大丈夫だよ、お兄ちゃん……っ」

 健気にも微笑みを作る花純さん。温かくなった胸を後ろから押しつけるように抱きしめ、その耳にささやく。
 
「もう終わりだよ。オチンチンに似たやつ、全部入った」
「え、ホント? もう終わり?」
「よく頑張ったね、花純」
「いひひ」
「それじゃ、次は少し動かすよ」
「んんっ」

 少し抜いて、押し出す。
 鼻から空気を抜いて、花純さんは目を閉じる。

「苦しいとか、痛いとか、ない?」
「大丈夫だよ。平気」
「じゃ、もっとするよ」
「うん。して」

 石けんの泡を足しながら、アナルを往復する。
 花純さんは「ふぅ、ふぅ」と息をしながら僕のオチンチンを受け入れている。
 アナルセックスしている。花純さんと。
 鏡に映る彼女の顔とその後ろで腰を揺する自分の姿に、この上ない興奮を覚えた。とうとう花純さんとセックスをした。しかもアナルで。
 嬉しい。自慢したい。このまま続けたい。早く出したい。
 アッパーな感情がいろいろ渦巻いて、自然と腰が速くなっていく。くちゅくちゅと泡立ってアナルが水っぽい音を立てる。

「痛くない? 苦しくない、花純?」
「んっ、平気、平気っ。もっと早くても、花純、平気だよっ」
「いい子だね、花純。本当に可愛くていい子だ、あぁっ」
「あっ、あっ、お兄ちゃん、あっ、平気、まだ平気だよっ。オチンチンに似たやつ、もっと動かしても平気、あっ、あっ、あんっ」

 お尻を両手でがっちりホールドして、腰を何度も打ちつける。
 花純さんの小さなお尻はパンパンと音を立て、石けんの泡を飛び散らせる。
 アナルは締めつけと弛緩をリズミカルに繰り返し、僕のオチンチンを贅沢な快楽に溺れさせてくれる。
 すごく気持ちの良いアナル。綾子や睦都美さんよりも狭く強烈な締めつけなのに、ペニスを拒むことなく受け入れてくれる寛容なアナル。
 そして初めてのセックスに感じて喜んでくれる淫らなアナル。
 僕が大事に育ててきたアナルが、今、僕にセックスの恩返しをしてくれている。

「はぁぁ、花純っ、花純っ」
「お兄ちゃぁん」

 蕩けそうな快感と喜び。
 僕は彼女の細い体に甘えるようにしがみつき、彼女はそれに首をひねってキスで応えてくれる。
 大好きだ。花純さん、大好き。

「花純、気持ちいい? アナル気持ちいいかい?」
「気持ちいいよぉ。オチンチンに似たやつ、気持ちいい。アナルせっくすの練習、気持ちいいよぉっ」
「僕もいいよっ。アナルセックスの練習、気持ちいいね! もっと動いてもいい?」
「動いてぇ! 花純のアナル、もっと練習させてぇ!」
「はぁ、はぁぁ、花純っ、花純ぃっ」
「お兄ちゃん、あん、あんっ、お兄ちゃぁん!」

 浴室に、僕らの呼吸と体をぶつけ合う音がこだまする。
 夢中になって花純さんの全身をまさぐり、キスをして、アナルにオチンチンを抽送した。湿気と汗とシャボンが僕らの体をぬるぬるにしていく。彼女のアナルはどんどんと柔らかくなり、心地よい締めつけで僕のオチンチンを扱いてくれた。
 妹を愛でる。年上の彼女に甘える。
 花純さんが与えてくれる快楽は天国だった。

「お兄ちゃ……も、ダメ」

 やがて体を支えきれなくなった彼女は、床に俯せになる。
 僕らはそれでも『アナルセックスの練習』を止められない。僕は花純さんに覆い被さり、上から杭を打つようにアナルへペニスを振り下ろす。花純さんは「あんあん」と可愛い悲鳴をあげてよがり、お尻だけを何とか持ち上げようと健気に腰を震わせる。
 僕はますます腰を動かす。自分の体が快楽に操縦される。もっと激しく。もっと気持ちよく。
 
「気持ちいい、気持ちいいよ、花純!」

 ぺちんぺちんと花純のお尻が僕の腰に叩かれ、小ぶりな肉丘が揺れる。
 僕たちの体が打ち鳴らす音は、野生のドラムのように興奮をかき立てた。僕は何度も喉を詰まらせながら、花純さんのアナルに感謝と喜びを叫んだ。

「あーッ! お兄ちゃん、気持ちいいよ、お兄ちゃんッ、せっくす、せっくすの練習、気持ちいいよ、お兄ちゃん! あッ、やッ、あ、あーッ、あぁーッ!」

 顔を真っ赤に上気させ、花純さんもアナルセックスに夢中になって叫んだ。
 気持ちいい。気持ちよすぎる。
 綾子よりも睦都美さんよりも花純さんのお尻の穴は気持ちよく、そして彼女も本気で喜んでくれている。
 僕たちのアナルセックスの相性は抜群。夢中になった。快楽と興奮に僕たちは溺れた。
 鏡の中では、目を充血させて歯を剥き出しにした僕が、少女らしいカーブを波打たせる花純さんの背中によだれを垂らし、お尻に赤黒いオチンチンをナイフのように突き立て、何度も何度も刺していた。
 快楽を貪り、家族の体を貪る姿はまるでモンスター。自分に幻滅しかねない姿だった。
 
「あぁーッ、お兄ちゃん、好きっ、好きっ、気持ちいいィ!」

 でも、僕だって花純さんを愛している。
 家族のことを愛している。
 誰1人失うことなく、奪われることなく幸せにしたい。幸せになりたい。
 セックスをしている僕の顔が醜悪に見えたとしても、それは性欲が上品なものではないからで、僕の夢が醜い欲望に塗れているわけではない。
 間違っていない。僕らのセックスは正しい。家族の絆が深まっていくのを感じる。

「お兄ちゃんっ、お兄ちゃん! ダメぇ、花純、もうダメぇ!」」

 陰のうが縮こまり、ペニスに強い刺激が走る。
 堰を切ったように射精欲が駆け上り、我慢なんて考える前に先から飛び出していた。

「うあぁぁぁあぁあああッ!?」

 腸内で射精される感触に、花純さんは子供の泣き声のような悲鳴を上げた。
 オチンチンが千切れるかと思うくらいにアナルが締めつけられ、射精を中断された僕も悲鳴を上げそうだった。
 でもその直後には、ぐにゃりと筋肉が溶けたみたいに花純さんの体から緊張の糸が抜け、射精を再開した僕のペニスからドクドクと腸内に精液が流れ込んでいく。
 しゃわしゃわと水音がして、僕の膝に生ぬるいお湯がかかる。見るとそれは、お湯なんかではなく、花純さんが漏らしたおしっこだった。

「花純?」

 オチンチンをアナルに刺したまま、彼女の顔を覗き込む。
 白目を剥いて、だらしなく口を開いて、花純さんは「ふぁぁ」とあくびみたいな声を出していた。

「とっても可愛かったよ、花純」

 温かいシャワーで彼女のおしっこを流してあげる。
 お尻を開くと、緩くなったアナルからとろりと僕の精子が流れ出てくる。
 これはさすがに花純さんも欲しがらないだろうなと思って、一緒に流して洗ってあげた。

「お兄ちゃぁん……」

 弱々しく伸ばされた手を握ってあげると、意外なほど強く彼女は握り返してきた。
 えらかったねって撫でてあげると、徐々に笑顔になっていって、そのまま寝息を立て始める。

「風邪ひいちゃうよ、もう」

 体を抱きかかえて、シャワーで一緒に温まりながら体を洗い流してあげる。
 
「ふに」

 子猫みたいな声を出して、花純さんは目を覚まして微笑む。
 幸せだった。僕たちは体を交わらせた者同士にしか共有できない一体感と幸福感に包まれた、幸せな子供。
 彼女の胸を撫でてあげながら、僕はささやく。

「花純、次は本当のアナルセックスしようか?」
「やー」

 花純さんって本当に頑固だよね。
 まあいい。それならそれで、いろいろと試してみたい教育もある。花純さんに「アナルセックスしよう」と言わせるまでが教育なのだ。
 明日も、もっともっとアナル教育を。

+++ かすみのにっき +++

○月○日

 花純 10才
 今日はふしぎな1日でした。
 なぜかみんな朝からアナルのはなしばっかりでした。
 学校でもアナルのべんきょうしました。
 いやだって言ったのにともだちみんなに花純のアナルも見せました。
 みんな、花純のアナルはプラチナだって言ってました。すごくきれいだと言われました。
 お兄ちゃんに毎日洗ってもらってるからだと思います。花純はなんだかうれしくなりました。
 昨日はもう洗わなくていいなんて言っちゃって、ごめんなさいしないといけないと思いました。
 なのでお兄ちゃんと、おふろでアナルせっくすのれんしゅうしました。
 花純もみんなのいけんを聞いて、お兄ちゃんとアナルせっくすしようという気持ちになったからです。
 お兄ちゃんは花純にオチンチンににたやつを入れてくれました。
 オチンチンににたやつはまるでオチンチンみたいで、お兄ちゃんはそれをアナルの中で動かしました。
 花純はすごくきもちよくなって、あんあんってえっちな声をだしてしまいました。
 とちゅうでねちゃったので最後どうなったのかわかりませんが。。。
 お兄ちゃんとれんしゅうをつづけていれば、いつか本当のアナルせっくすもこわくなくなると思います。
 これからもうれんしゅうしようと思います。
 でもおふろ上がったあと、お腹がへんだったのでトイレに行ったら、アナルからせーしがちょっぴり出てきました。
 お兄ちゃんはオチンチン入れてないっていうし、どうしてそんなとこからせーしが出るのかふしぎです。
 今日はなぞだらけでした。
 明日は、ふつうの日だといいなあ。

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< 続く >

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