エピローグ 営業3課の親睦会を開くことにする。週に一度の親睦ランチではない。昼の懇親混浴会とも違う。お酒の入る、夜の宴会だ。週休3日制に変えたり、有給休暇をぐっと取りやすくしたせいで、3課の全員が一堂に会することは珍し
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幸輝はその名前とは逆に幸せでも輝かしくもない社畜生活を送っていた。
シンペイと接触するまでは。
ブラック企業はやめられない 後編
後編 「あの、深見君、……ちょっといいかな?」 従業員通用口を23:30に出ようとした時、守衛の高原さんに呼び止められる。夜勤を担当している、ヨボヨボのオジイサンだ。いつもは「お疲れ様です」としか言わない高原さんが、今
もっと読むブラック企業はやめられない 中編
中編 営業3課のスタッフ全員が、課の定例会議に出席することは珍しい。やり手の課長がパイプを築き上げた、多くの得意先を持っているので、担当者の誰かは欠席しているということが多い。中には半数以上のスタッフが外回りで不在な中
もっと読むブラック企業はやめられない 前編
前編 究文堂出版の本社ビルはJR水道橋駅と御茶ノ水駅の中間くらいの場所にある。営業3課があるのは5階の営業部フロア。深見幸輝にとっては、この前まで通いつめ、泊まりつめた、勝手知ったる我が家のような場所だ。いや、確実に我
もっと読むブラック企業はやめられない プロローグ
プロローグ アメリカでは、ゾンビ映画が人気らしい。映画好きに言わせると、ずいぶん前からそうらしいが、とにかく映画でもドラマでもゲームでも、ハロウィンの仮装でも、ゾンビが人気トップクラスだそうだ。考えてみると、ヨーロッパ
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