最終章 「行くの?」 ぼくは、舞ちゃんを後ろから抱き締めて、そう聞いた。 もう、何度も聞いたというのに、もしかしたら引き止められるかも知れない・・・なんて、ありそうも無い希望に縋って。 「ええ。そんなに掛からないと思
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この瞬間、ぼくは舞ちゃんに恋した事に気が付いた。 集団自殺するレミングスの本能の様に、破滅的で逆らい様の無い恋をしたのだと、自覚した。
魔性の少女 第六章
第六章 ― 1 ― ちゅ。ぴちゅ。ちゅっ。ちゅぴっ。 ぼくの目の前で、妹達が汗にまみれ、ねっとりとしたキスを交わしている。 汗できらきらときらめく肌を部屋の白い蛍光灯の光に晒して、まるで一つになろうとしているみたい
もっと読む魔性の少女 第五章
第五章 ― 0 ― ぼくは、言語に置き換えがたい爽快感を感じている。 言葉にすると、それは日常とか、常識とか、道徳とか、世の中を成り立たせる為のルールから、激しく逸脱しているものになるだろう。 けれど、世の中を構成
もっと読む魔性の少女 第四章
第四章 ― 0 ― 舞ちゃんとセックスした夜。 あの時からぼくもまた変質を余儀なくされた。 それほどまでに、舞ちゃんの身体は甘美だった。 柔らかく、しっとりとした感触の肌。 甘い体臭。 そして、快楽神経を直接
もっと読む魔性の少女 第三章
第三章 ― 0 ― 家の雰囲気は、もはや元には戻れないと確信させられるほど、徹底的に変わってしまった。それは全て、舞ちゃんが来てからの事。舞ちゃんが行った事。舞ちゃんが・・・望んだ事。 いつも家族の誰か、または全員が
もっと読む魔性の少女 第二章
第二章 ― 0 ― 彼女が何を考えているのか、まったく判らない。 ぼくは異様な興奮に全身を蝕まれ、壊れかけた人形のようにただその光景を見詰める。 目の前に映し出される、淫靡な光景。 日常を逸脱した非日常。 世界
もっと読む魔性の少女 第一章
第一章 ― 0 ― チャイムの音がした。 ぼく――佐原裕司は自室でベッドに寝転がり、あからさまに暇つぶしといった様子で車専門の雑誌をめくっていたのだけど、その音に反応して身体を起こした。 階下に家族がいるのは知って
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