第9章 迷宮の小鳥 (3/3) 13 マーメイズホテルの外で、センセイたちが待っていた。 センセイはまた、小田とシュウ君に両側から挟まれて、身体をくねくねとさせていた。甘ったるく顔を赤らめて、見るからにイヤらしくい。
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晴菜は今、啓知大学の3年生だ。
清楚で上品な美しさが深みを増して、微かに匂い立つような大人の色気も加わった。
男たちだけでなく女子学生までも、憧れと羨望のまなざしで、晴菜を見てはため息をつく。
小野寺晴菜の美しさは、キャンパスで際立っていた。
啓知大学の学生にとって小野寺晴菜は、ほとんど伝説といってよかった。
女王の庭 第9章
第9章 迷宮の小鳥 (2/3) 7 遅い昼食はマクロナルドで済ませる。 昨夜里穂が立てた計画では、隣接するショッピングモールにあるオシャレなカジュアル・フレンチで、ゆっくりとランチを楽しむ予定だった。センセイと今井さ
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第9章 迷宮の小鳥 (1/3) 1 ポスターの中から、エビちゃんがこっちを見つめている。顔をわずかに左に傾け、上目使い気味に大きな瞳を輝かせて、ニッコリ笑いかけてくる。 ふえー、かわいいっ。 里穂はうっとりと見つめ
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第8章 涙 1 大学教授でも、雑念に悩まされることはある。 最近、大嶋は、小野寺晴菜のことが気になって仕方がない。 ゼミの授業中や、自分の研究室に遊びに来ているとき、小野寺晴菜の整った顔やほっそりした身体に、どうし
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第7章 残り火 1 こういうのはどうだろう? 小野寺晴菜の法則――全ての男は小野寺晴菜に恋をしている。 だがこれは、桐野梓に訂正されてしまった。 小野寺晴菜の法則――男には2種類ある。小野寺晴菜に恋している男と、
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第6章 おもちゃ 1 ゼミの開始時刻の20分前に、倫子はゼミ教室に行った。 すでに「晴菜のお友達」は勢揃いしていた。 晴菜と今井弘充が、間違えて早く教室に来てしまうという心配はない。二人には、下期に使うテキストを買
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第5章 賜物 1 待ち合わせ場所は上野公園の階段の下だった。 上野なんてめったに来ないので、念のため早めに来た。 待ち合わせ場所に着いても、晴菜には何の用だったのか思い出せない。待ち合わせ相手も誰だか覚えていない。
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第4章 女王の庭 (Vol.2) 4 晴菜はストリップ歌謡ショーの2曲目を歌う。 テーブルの上で、細い腰を艶かしく揺らして踊る。 汗が滴り、テーブルの上に飛び散る。 倫子は上機嫌で晴菜に声援を送ってやる。 今日
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第4章 女王の庭 (Vol.1) 1 倫子の大学生活は、これまでの屈託を取り返すように、急に楽しくなった。 友人たちと晴菜で遊ぶときは、今井弘充が邪魔になった。そういうとき、今井弘充は「用事を思い出して」「体調が悪く
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第3章 舞姫 1 夜が更ける。 倫子が主催する催眠術ショーのステージは、幕間の質問タイムが終わり、後半の部に入る。 倫子は再び晴菜と弘充を眠りに落とした。 感情の高ぶった晴菜と弘充を落ち着かせようと、倫子が囁いて
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第2章 かぼちゃの馬車 1 山越崇行が下川倫子から催眠術のことを教えられたのは、それより数ヶ月前だった。 崇行はまったく信用しようとしなかった。倫子は証拠を見せてやると言った。次の日、午後3時に、ヒルズにある喫茶店で
もっと読む女王の庭 第1章
第1章 ステージ 1 倫子の父親は、中部地方で飲食店やホテルをいくつか経営しているそうだ。年に数日、東京に出張することがある。その際に利用できるように、倫子のマンションは3LDKの広さがある。親ばかなのか、セキュリティ
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序章 探し物 1時間以上もの間、住宅街を歩き回って時間をつぶしている。 ひとまわりして、また彼女の家の前に戻ってくる。門に「小野寺」の表札がかかっている。塀越しに、2階の角部屋の窓明かりを確かめる。そこが彼女の部屋だ
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