放送室の告発

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 早く、早く、早く! 早く行かなくちゃ!
 香苗先生には悪かったけど、漸く掴んだあいつの悪事の証拠を無駄にする訳には行かない。

「こらぁっ、廊下を走るなっ!」
「すいませーんっ!!」

 遠くから聞こえてくる金子先生の怒鳴り声に形だけ答えて、しかし、走る速度は緩めることなく一気に階段へと駆け込んだ。一段飛ばしで階段を駆け下りる。スカートの中身が少しだけ気になったが、本当にそんな事は言ってられない。
 早く行かなければ。そんな思いが頭を埋め尽くし、急いで放送室のドアを開いた。

 バタンと防音加工された重々しいドアを閉め、鍵を『開けておく』。
 これで大丈夫。専用の合い鍵は今私が持っているし、スペアキーにしたって、職員室に保管されていて、一般生徒には貸し出されない。だから、こうしておけば誰も入ってくる事は出来ない。
 ふうと軽く息を吐き、私は軽く周囲を見回した。ここは私の最後の砦。学校放送でであいつの悪事を流せば、あいつは破滅だ。そうすれば、この学校で起こっている事件は終わる。誰も気がついていないが、私だけは知っているあの事件。ある男子生徒による女生徒や女性教師への性的暴行だ。
 それを知ったのは偶然だった。ある日の放課後、いつものようにニュースのネタを探して校舎をうろついていた私の耳に微かな声が届いてきた。何かニュースの匂いがすると、忍び足で声のする方へ言った私は思いがけない物を見た――。

 っと、いけないいけない。感慨にふける前にさっさと始めなければ。いつあいつが来るかもわからないんだから。

 ぶんぶんと頭を振ると、ミキサーの電源を入れ、校舎への出力を『カットする』。こうすればこの中でだけ存分にあいつの悪事が流れ、全校の人間に知れ渡る寸法だ。
 あいつの悪事を納めたデジカメをデッキに繋いで『データを初期化した後に録画スイッチを入れる』。えっと、スイッチは・・・

『ビデオの再生スイッチは美緒がイク事だ』

 そうだ、スイッチは私がイク事だ。イケばスイッチが入り、あいつの悪事が流れる。あいつを破滅させるためにも早くイカないと。

「ん・・・」

 私はショーツを膝まで下ろすと、ぺろりと右手を舐めてスカートの中へと潜り込ませる。あそこから伝わる感覚にぴくんと震えながら、そっと指を上下させた。つつと指を動かす度に得も言われぬ快感が脊髄を通って頭に伝わってくる。それは普段とは比べものにならないほどの快感だった。

「あ・・・はぁ・・・っ」

 口から熱い吐息が漏れる。自分でも聞いた事無いような甘い響きが耳に届き、それが更に私を高ぶらせていく。
 もっと・・・もっと・・・・

『胸も触ればもっと気持ちよくなれる』

 頭の中に響く言葉に導かれ、私は空いている左手でブラジャーのフロントホックを外す。ぽろりと転がり出てくる胸に触れると痺れるような感覚が体を走った。

「あああっ」

 ガクガクと足が震える。ビリビリと伝わってくる快感に震え、私の口から甘い声が零れていく。
 あそこから熱い液体が溢れてきて、私の右手を濡らしていく。それに伴い、あそこからくちゅくちゅと水っぽい音がし始めた。
 もっと、もっと、もっと。

「はあっ、んん、ああぁっ」

 左手の中で胸が形を変えていく。その度に頭が白く染まっていき、びくんびくんと体が跳ねる。そして、口から熱い吐息が漏れていく度にあそこからは熱い液体が溢れ、くちゅくちゅという音がぐちゃぐちゃ、ぴちゃぴちゃと言う音へと変化していった。

「ひぅっ、ああっ、もっ、だめぇ・・・」

 立っていられなくなった私はぺたっとお尻から床に崩れ落ちる。もちろん、それで終わりになる訳ではなく、私はそのまま指を動かしていく。そこから走っていく快感に体を反らし、嬌声を漏らした。
 びくびくと震えていく体が、脳にたたきつけられる快感に踊らされ、更に快感を求めて指を動かしていく。

「はっ・・・ああぁっ!!」

 つぷり。あそこを擦っていた指を中へと差し込む。今までより更に強い快感が走り、ぞくっと寒気に近い感覚が脳を貫いた。
 ビクン!
 大きく体が震える。頭は完全に真っ白くなっているというのに、指は別の命令を受けているかのように動いていった。
 指だけではない、いつの間にか前に突っ伏してお尻を突き出すように持ち上げた体は、胸を潰し、まるで後ろから犯されているかのように腰が勝手に動いていた。こみ上げてくる快感がどんどん私の中へと溜まっていく。

「あっ、ああっ、はぁっ、だっ、めぇっ」

 じゅぶじゅぶという音をまき散らし、体はもっともっとと快感を求めていく。指の動きに合わせて腰を前後させ、乳首を擦らせるように上体を動かしていった。指が中へ入る度にびくっと震える体はきゅうと毛穴をとじ、硬くとがった乳首を潰す度に口からは涎が零れる。

「んぅっ、ぁぁっ! はぁっ!」

 何度も何度も熱い吐息を漏らす。欲しい欲しいと震える体を動かし、じゅぶっと指を深く深く飲み込ませる。それだけで私の脳が焼き切れるかと思った。まるであそこが脳になったかの様だった。差し込んだままの指をぐりぐりと動かすと鋭角な刺激が脳に突き刺さる。
 その刺激に打ち震えながら、私はピンとクリトリスを弾いた。

「あああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~っ!!」

 その瞬間、内に溜まりきった快感が決壊した。ぶるぶると震えていた体はぎゅっと硬直し、ぷしゅっという音を立ててあそこからは快感が溢れ出す。そして数秒、呼吸すら止まっていた私の体は硬直が解けると同時にその場に崩れ落ちた。

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 これで再生スイッチは入ったはず。あとはあいつの悪事が全校に流れるのを待つだけ・・・

『美緒はイクと再生スイッチの事を思い出す。そして、動画を再生する事を諦める』

「って、なんで再生スイッチがイク事なのよっ。おかしいでしょ!」

 そんな常識的な事に気がついた私は盛大にイッてしまったせいで全然力の入らない体に鞭打って何とか起き上がる。そして、ふらふらの体を支えながら、録画スイッチを押してしまったデジカメを確認すると、先程の私の痴態が余す所無く録画されていた。

「あああああ・・・・何やってるのよ私。こんなの撮って・・・こんなんじゃあ、もう再生できないじゃない」

 仕方ない。本当は証拠映像を流すのが一番良かったのだが、こうなったら証拠はなくても全校放送でぶちまけてしまえ。きっと、私も怒られるだろうけど、この事件を終わらせる事が出来るなら本望だ。
 私はデジカメの電源を切ると、ブースの中へと入っていく。そこにあるマイク・・・・マイク・・・あ、あった。
 私はマイクを使うためにマイクを隠している布を取り払う。ベルトを外し、ズボンとパンツを下ろした先にマイクはあった。
 えっと・・・・スイッチは・・・・っと。

『マイクのスイッチを入れるためにはマイクを舐めなければならない』

 そうだった。マイクのスイッチを入れるには舐めないとならないんだよね。確か、精密機械だから歯を立てたらだめなんだったっけ。
 私は目の前にぶら下がっているマイクを掴むと、まずはマイクの先端から舐め始めた。

「めろ・・・んむ・・・ちゅぅ・・・」

 丸っこいマイクの先端をぺろぺろと舐め上げる。二回、三回と舐め上げているとマイクは私の手の中で徐々に大きくなっていく。唾液をたっぷりと先端に絡ませて、舌でくるむようにして舐めていく。

「あむ・・・えろ・・・・むぅ・・・」

 すっかりと大きくなったマイクに頬摺りをして、横からマイクを舐め上げていく。ぺろりぺろりと動かした舌が先端へ行く度にぴくんとマイクが震えた。
 どうやら漸くマイクに電源が入ってきたらしい。だが、マイクに電源が入ってもスイッチを入れなければ使えない。このマイクはスイッチが入る時に先端に詰まっている物が飛び出すんだそうだ。いちいちスイッチを入れる度に飛び出していたら掃除とか大変だと思うんだけど、先端に詰まっている物は喉を守るのに良いと誰かが言っていた。

「ちゅ、ちゅ、ちゅぅ・・・」

 マイクの根本、スピーカーと繋がっている部分へとキスをする。マイクのスイッチを入れる動作は整備も兼ねているらしく、ここをしっかりと整備しておかないとマイクが正常に稼働しないらしい。整備を疎かにした事はないからよくわからないけれど。

「ん~~~~~~~」

 根本から先端へかけて、一直線に舌を動かしていく。ぴくっぴくっと震えるマイクからさっきとは違う味が伝わってきた。これで半稼働状態、つまりはスイッチが入る直前になった。あと少しでスイッチが入るのだが、ここからがまた大変なのだ。
 このマイクはいつスイッチが入るのかわかりにくい。そして、スイッチが入った時に飛び出す先端に詰まっている物は喉を守るために必ず飲まないとならない。だから、いつスイッチが入って詰まっている物が飛び足しても大丈夫な様に、マイクを丸ごと咥えてスイッチを入れないといけない。私は口を精一杯開けて、頑張ってマイクを咥え込んだ。

「あむ・・・・んっ!? げほっ、ごほっ!」

 飲み込み過ぎてえずいてしまった。毎日のように使っていても、これは何でか全く慣れない。どうしてこんなスイッチにしたんだろうと毎日のように思ってしまうのだけれど、こういうスイッチなんだから仕方ない。
 気を取り直して、もう一度。今度はえずかないように慎重に咥え込んだ。

「あ・・・むっ・・・んっ・・・んっ・・・」

 えずかないのを確認して、私は頭を動かしていった。歯を立てないように気をつけ、舌と口でくるむようにしてマイクを舐め上げる。口いっぱいに溜めた唾液はマイクへと絡みつき、じゅっぷじゅっぷと頭を動かす度に水っぽい音を立てた。

「ちゅぷ・・じゅぷ・・んっ、むぅ・・・」

 レロレロと咥えた口の中で舌を動かし、マイクの先端を啄く。その度に逃げるようにして動くマイクの先端を奥まで飲み込み、今度はマイクの柄を舐め上げた。
 ビクビクと面白いように動くマイクを逃がさないように力いっぱい息を吸い込む。ズズズッという音がブース内に響きわたる。そして、そのまま頭を動かそうとした瞬間、それは来た。
 ビクンビクンと大きく震えるマイク。その先端から詰まっていた物が飛び出した。

「んぅっ!? んんっ・・・・んっ・・んんっ!!」

 喉に叩き付けられる精液の感触にまたえずきそうになりながらも頑張って耐える。
 うぇ、相変わらず酷い味。これを・・・飲めばいいんだよね。
 長い長い射精が終わるのを待ち、私は口の中に溢れた精液をこく、こく、と少しずつ飲み下していった。あまりの味に顔が歪んでいくのが自分でわかる。
 喉にいいから頑張って飲むけど、青汁並に酷い味だよねこれ。あれ? 青汁って最近は美味しくなってるんだったっけ?

『美緒は精液を飲むと全てを思い出す』

 思い・・・・・・出した・・・・
 私は咲先生があいつに犯されているのを撮影していた時に綾瀬に見つかったんだ。
 いきなり声を掛けられた瞬間から体が動かなくなって、綾瀬に言われるまま中に付いていって、あいつと話をする事になった。
 催眠術とか言ってたけど、あんなのテレビのやらせだと思っていた。でも、私はあいつの言う通りにしてしまった。放送室に逃げ込んだのも、扉の鍵を開けたままにしておいたのも、放送しないようにしたのも、オナニーをしてしまったのも、それを撮ってしまったのも。
 全て・・・・あいつの指示した事だったんだ。

「!? うぇっ、うぇぇぇぇ・・・・」」

 私は全てを思い出した。自分が何をしていたのか理解した瞬間、嘔吐感が込み上げ、その場で今飲んだものを吐き出してしまう。
 何がマイクよ! 男のチンコじゃない! スイッチ入れるのに射精させるとかアホじゃないの!?
 胃液と精液の混じり合った一層酷い味が口に残り、物凄い不快感を感じる。その不快感を怒りに変え、私はじろりと目の前の男子生徒を睨んだ。

「どうしたの、円さん? よかったじゃん。全て思い出せて」

 にやにやと嫌な笑みを浮かべるこいつ。

「良いわけあるか! なんであんたのチンコなんてしゃぶらなきゃならないのよっ!!」
「美味しかったでしょ?」
「そんな訳ないでしょ!」
「おかしいなぁ~。美味しくなるはずなんだけどな?」

 あいつは本当にわからないという風に首を傾げる。
 頭がわいているのかこいつ? あんな物が美味しいなんて言うのは味覚がおかしい奴だけだ。
 だけど、今がチャンスだ。今、ここには私とこいつだけ。多分、外には天音と綾瀬がいる。ここから逃げ出してもすぐに捕まるだろう。だったら―――

 バン!

 私は急いでブースから出て、その勢いで放送室の扉へとしがみつく。

「どうしたのさ円さん。そんな慌てて。あ、もしかしてトイレ?」

 言ってろ。あんたはもう終わりだ。私は全て思い出した。さっきみたいに変な行動はもうしない。今度こそあんたのしてた事を全校放送でぶちまけてやる。
 ガチャン。
 私は扉の鍵を閉める。その直後、外の二人が事態に気づいたのかドンドンと扉を叩くがもう遅い。後はあいつを抑えてしまえばいい。流石に綾瀬には勝てないが、これでも護身術を嗜み程度にはやっている。あいつを抑えるのなんて問題はないはずだ。

「なんだ、そんなに俺とやりたくなったの? 二人っきりでさ」

 すぐ後ろであいつの声が聞こえる。振り向くとあいつが目の前にいた。反射的に掴み掛かり、足を払って床へと叩きつける。そして、すぐさまこいつを拘束した。

「これであんたは終わりよ。私はこれからあんたのしてきた事を全部ぶちまけてやる」

 上からマウントをとる様に押さえつけて言い放つ。しかし、こいつは私に押さえつけられながらもにやにやとしたその笑みを消す事はない。

「何がそんなにおかしいのよ!」
「いや、そっちから押し倒して騎上位になるなんて、積極的だなぁと思って」
「やっぱり頭おかしいんじゃないの!? あんたはこれで終わるのよ!」

 私はこいつを恫喝するが、こいつはどこ吹く風でにやにやと笑みを浮かべたままだった。

「そうかな? 円さんが考えを変えてくれるかもしれないでしょ。ね、何か匂わない?」

 にやにやしたまま、奴は言う。
 匂い? そう言えば・・・
 その時に初めてその事に気がついた。こいつの下半身が丸出しだと言う事に。
 しまった!
 私の唾液とこいつ自身の精液でドロドロに塗れたチンコから独特の匂いが漂ってくる。
 この・・・匂い・・・精・・・液・・・・

『あなたは精液の匂いを嗅ぐ度に精液中毒になり、何よりも精液を飲みたくて堪らなくなる』

 思い出していたはずの言葉。一番あり得ないと思っていたその言葉が私の頭に再生され、頭が白い靄に覆われていった。
 欲しい・・・・
 くらりと一瞬意識が飛ぶ。眠気に似たその欲求はじわじわと私の中を浸食していく。

「ズボン・・・・履きなさいっ・・・」

 持って行かれそうな意識を必死に掻き集める。しかし、そんな私の努力を嘲笑うかの様に私の眼はちらちらとこいつのチンコを追っていた。
 舐めたい・・・・
 何を考えているのよ!?
 私は頭をぶんぶん振って、頭によぎる感情を追い払う。しかし、匂いが鼻を通り過ぎた瞬間、ふわりと頭が男子生徒の下半身に寄っていった。
 飲みたい・・・・

『その気持ちは辺りの精液を飲み干すまで続き、どれだけ我慢しても、精液を飲み干すまで消える事はない』

 駄目・・・
 ハアハアと荒い呼吸音が自分の耳に届く。こいつのチンコから目が離せなくなっていた。
 駄目だって・・・
 いつの間にか口に溜まった唾をゴクンと飲み込む。気づいてしまった匂いはどんどん私の中へと広がり、私の理性を塗りつぶしていく。
 こいつの悪事をぶちまけなければならないんだからっ。
 必死に理性を掻き集めて、気持ちを奮い立たせる。
 早く・・・早く・・・早くしなきゃ。
 私はふらふらとこいつの下半身へと頭を寄せる。そして口を大きく開いてぱくりとチンコを咥えた。

『精液はあなたの大好物になり、舐める程に敏感になり、味わう度に快感が体を走る』

 その瞬間、ビリビリと体に快感が走る。まるで口の中が膣にでもなったかのようだった。
 もっと・・・・もっとっ!
 口内で下を伸ばし、チンコに這わせていく。それだけでブルッと体が震え、膣から愛液が溢れ出していく。
 どうしてこんなに美味しい物をまずいなんて思ったんだろう? これはとても甘い。もっともっと舐めたい。
 次から次へと舌が伸び、チンコへと絡ませていく。一舐めする毎に味が代わり、もっともっと舐めたいという気持ちが強くなる。先程の残滓だけでこれなのだ。本格的に射精を受け止めたら、と思うとそれだけでイッてしまいそうになる。

「円さん。全校放送で発表する事があるんじゃなかったっけ?」

 こいつの言葉が上から降ってくる。
 確かにそうだ。私はこいつの行ってきた事をぶちまけなければならない。だけど、舐めるのをやめられない。
 頭ではわかっていても体が全力で拒否していた。

「ふぉんなぬぉふぁ、あふぉでぇ」

 ぶるぶると咥えたまま頭を振る。それが良い感じの刺激になったらしく、こいつのチンコがびくびくと口内で震えだした。

「んむぅっ」

 ぐいっと、後頭部を押さえられ、腰を前に突き出された。ごりっと亀頭の部分が口蓋に擦り付けられ、それが物凄い快感へと変換される。イッてしまいそうなくらいな快楽に震えてしまう私に構わず、こいつはズンズンと何度も腰を前後させた。

「んっ、んんっ、むぁっ、ぁぁっ」

 今までイマラチオなんて男の勝手な欲望だと思っていた。フェラチオだってそうだ。あんなのは女の側になんの利点のない、ただ男を楽しませるためだけのものだと思っていた。絶対にやりたくない。やってたまるかと思っていた。
 だけど。
 だけど。
 だけど。
 舌が止まらない。口が離れない。喉が動いていく。もっとして欲しくなる。私の喉を蹂躙していくチンコが気持ちいい。何でこんなにいいものを忌避していたんだろう。今までの私の知識なんて薄っぺらいものだと思い知らされた気分だった。

「んっ、ふぅっ、むっ、んぁっ!」

 口内でびくびくとチンコが震える。やたらめったら動くチンコが私の口内を次々と刺激していき、その刺激に私の身体が激しく震えた。こいつの腰が小刻みな動きから、大きく深いものへと移行する。

「だすよっ。ちゃんと全部飲み込んでね」

 声とともに腰が大きく動き、深々と私の喉の奥へと突っ込まれる。思わずえずきそうになった私の喉の奥にどくどくと待ち望んでいたものが吐き出された。

「~~~~~~~~っ!?」

 長い長い射精。舌に絡みつく味に幸福を味わわされ、喉に叩き付けられる感触に天国へと導かれる。
 射精が終わったのを確認すると、私はチンコから口を離し、口内になみなみと溜まった精液の味に舌鼓をうつ。一気に飲むのも勿体無いそれを、ちょっとずつ、ちょっとずつ、たっぷり五分はかけて飲み干す。飲みきった瞬間、イッてしまいそうになった。
 だが、それを引き止めたのは未だ残る精液の匂いだった。
 口から匂ってくるものではない、他にも未だ精液がある。
 それを確認した途端、欲しい、欲しいと欲望が私の中で膨れ上がった。ギョロギョロと目を大きく見開いて精液を探す。ふっと見たら、目の前のチンコにまだ絡み付いていた。

「頂戴・・・・精液」

 まるで猫のように四つん這いで目の前のチンコへと迫っていく。んべっと舌を出し、飴かアイスクリームでも舐めるようにチンコに絡みついた精液を隅々まで舐めとった。
 だが、それでもまだイケない。何でまだ匂ってるの!?
 どこ、どこ!? どこにあるのよっ!?

「ほら、あそこにあるよ。精液」

 ハアハアと呼吸を荒くしながら周囲を見渡す私に上から天の声が降ってきた。
 こいつの指さす方向を見ると・・・・あった!
 ブースの中。開かれっぱなしだったドアの向こうにさっき私が吐き出した精液が零れたままだった。
 精液!!
 私は精液へと一目散に駆け寄り、四つん這いで直接精液を舐めとっていく。
 精液、精液、私の精液!!
 胃液や床の味と混ざった精液はさっきの物とはまた違った味で、しかし、それはそれでまた味わいのある味だ。ピリっとした辛味が混ざり、舐める度に愛液が溢れ出る。れろ~っとなめくじが這ったような跡を残し、私は床に零れた精液を舐め集める。ビリビリと体が震え、愛液が私の足元に水たまりを作るが、そんな事はどうでもいい。
 精液、精液、精液、精液、精液!
 床に零れていた精液を全て舐め取り、口の中で唾液と混ぜる。そして、それをこくっこくっと時間をかけて飲み下していく。一飲み毎に快感に打ち震える身体をキュッと抱きしめ、ぺたんと床に座り込む。スカートやショーツが愛液でべっちょりと濡れるが、そんな事は気にもならなかった。ブルッと体が震え、膣の奥から愛液が止めどなく溢れてくる。
 ああ・・・・これで・・・・最後。
 口にわずかに残った精液。舌を出し、名残惜しいそれを確認すると、私は一気に飲み干した。

『あなたはあたりの精液を全部飲み干したとき、オナニーの時の十倍感じて一気にイッて失神してしまう』

 ビクンッ!!

「あ゛っ・・・・ぁ゛っ・・・・あ゛う゛・・・・っ!」

 すっ・・・・ごっ・・・・・・いい・・・・・
 精液を飲み干した瞬間、私の身体にとんでもない快感が流れる。まるで神経が焼き切れそうな程のそれは、私の思考を一瞬のうちに真っ白に塗りつぶして、私の意識を空の彼方へと吹き飛ばしていった。

『そして、眼が醒めた時にはあなたが告発しようとしていた事、私や天音さん、綾瀬さんの秘密は全て思い出せなくなっています』

「ん・・・・んん・・・」

 私はゴロンと寝返りを打って、床の硬さに目を覚ました。

「あれ・・・・わたし・・・・?」

 どうしてこんな所で寝てるんだろう? 今日は部活なんてないのに。っていうか、何で床に寝てるの?
 きょろきょろとある種、自分たちの城となっている放送室を見回して、私は疑問に思う。だけど、その疑問は自分の体に広がる感触に直様打ち消された。

「うぇ、なにこれ・・・」

 じんわりと濡れたショーツとスカート、更にブラウスが嫌な感触を私に伝える。見ると、私の周囲の床が濡れていて、そこに寝転がったから制服も濡れてしまったと言うことがわかった。
 って、この匂いって・・・
 幾度となく嗅いだことのある匂いに水たまりの正体がわかってしまった。
 私・・・?
 もしかしてっていうか、もしかしなくても私がやったの? これ?

「ったく、どんだけ欲求不満だって言うのよ」

 私は反動をつけて立ち上がると、掃除用具入れから雑巾を取り出し、愛液の水たまりを拭い取った。
 それにしても・・・・男子には夢精なんてのがあるって聞くけど・・・私は寝ながらよっぽど激しいオナニーをしてしまったんだろうな・・・はあ、自己嫌悪。
 そのままにしておくと臭いそうだったから、ジャブジャブと水道ですすぐ。機械類に水気は厳禁なので絞れるだけ絞ったそれを、機械類に近づけないように入口の直ぐ側にある掃除用具入れの中へと放り込む。その後、濡れてしまった制服から置いてあるジャージに着替え、合鍵を職員室へ返却すると私は鞄を持って校舎を出た。
 今日は何もなかったけど、次こそはスクープを手にいれるぞ!
 私は愛機のデジカメを手で包み込み、既に暗くなっている道を家に向けて歩きだした。

< 了 >

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