「先生からの連絡事項は以上です。………何か皆さんから、このホームルームの時間を使って、共有したいことはありますか?」
棚倉先生が問いかけると、おずおずと手を挙げる女子が何人かいる。学級委員の松倉侑李と、図書委員の青砥聖奈、そして合唱部の藤野京佳、みんなこのクラスの5本の指には入るだろう、人気の美少女が3人挙手していた。
棚倉先生に指名された青砥セイナちゃんは、起立してしばらくモジモジしていたあと、小さめの声で発言する。
「あの………、私。………ちょっと最近、胸が………少しだけ、大きくなったかなって、自分で思います」
どもりながらも言い切ったセイナちゃんからは、この報告をどうしても皆にしなければならないという強い責任感・義務感が伝わってくる。あとには肩の荷が下りたような解放感と、自分のコンプレックスに関わるプライベートの情報を皆に知らせてしまったことに対する恥ずかしさと後悔とに苛まれて、ただただ顔を赤くしている。次の委員長が当てられて発表をする間も、まだ居心地悪そうに立ったままでいた。
「私は………あの、あくまで個人的な主観かもしれないんですけど、………胸が、………セイナちゃんみたいに大きくなったっていうのではなくて、何というか、以前よりも柔らかくなってきた気がします。………もしかしたら、気のせいかもしれません」
松倉委員長も責任感が強いので、「もしかしたら、気のせいかもしれない」という発言についてはかなり丁寧にそのことを説明してくれる。頭脳明晰な彼女は、「一体なぜ自分がこんなことを人前で説明しなければならないんだろう」という思いとまだ戦っているようで、何度か首を傾げながら発表した。
「私は、自分の体で新しい性感帯を見つけたかもしれません。以前からくすぐったいのが苦手だと思ってきたのですが、…………脇腹から脇の下にかけて、撫でられたり舐められた理すると、ゾクゾクッとして、すぐ………乳首が立ったりする自分に気がつきました」
合唱部の中でも日本人形のような整った顔で人気の美少女は、白い肌がパステル調に赤らむほど上気しながら、とつとつと事実を正直に報告してくれる。普段は伸びの良い綺麗な歌声を聞かせてくれるその美声で、性感帯の場所やその時の自分の反応について語る。するとその告白は周りの男子の股間を、通常よりもさらに煽情的に刺激する。
「今、私たちの3人の大切なクラスメイトが、自分の体の発育についてとても正直に報告してくれましたね。でも、松倉さんの言った通り、これは個人の主観かもしれません。私たち皆で、それを確かめていきましょう。………では、眞知田君、葛城君、お願いしますね」
2-3の女子たちの中で、クラスみんなで「成長記録」をつけているのはシュントが指定した7人の女子生徒。彼女たちは自分の発育や性にまつわる変化を感じたら、ホームルームで発表するように『指示』をしている。だからどんなに恥ずかしくても、秘密のままにしておきたいことでも、彼女たちは自分の変化に気がつくと、クラス全員にそれを自分の口から報告しない訳にはいかない。そして、彼女たちの気づきをクラスで確認する時の方法もきちんと決まっている。まず最初に彼女たちに触れるのは、絶対にシュントとツトムだ。他の男子たちが触った後にシュントたちが女子の体に触れるようなことになったら、担任の棚倉先生が激怒する。真面目な女子たちが怒りだす。だから陽キャも陰キャもリーダーも不良っぽい奴も、クラスの女子の裸に触れるという時は、必ず最初にシュントたちのタッチが済むまで待つ。例えそれが、自分の彼女の体だったとしても。
おずおずと服を脱いでいく、セイナ、ユウキ、キョウカの間で、当たり前のように棚倉律子先生も白いブラウスを脱いでいく。何人かの女子たちの発育を確かめようとする時に、最初の女子の体の印象が強く残って、判断がブレたりしないように、間に一度、棚倉リツコ先生の裸を触ることで感覚をリフレッシュするためだ。生徒たちはそれを「リッちゃん先生のチェイサー」とか、「ワンクッション」とか、「箸休め」とか、勝手な呼び方をしているが、律子先生は、自分の胸やお尻が揉まれるのを「箸休め」と呼ばれる時だけは、少しだけ不満げな顔をしてみせたりする。
悪びれもせずシュントとツトムが教室の前へ来ると、女子生徒3人と先生とが裸になって、黒板に背を向けて並んでいるところの前に立つ。ペタペタ、モミモミ、ペロペロと、好き勝手に彼女たちの体を弄ったあとで、「確かに先月よりも大きくなったかも」とか、「乳首付近はまだ固めかな? でもそれが委員長のオッパイの良いところでもあると思うよ」とか、「キョウカちゃんはくすぐったがってる様子もエッチ」とか、好き勝手に論評していく。そしてその都度、感覚をリフレッシュさせるためと言い訳しながら、リツコ先生のオッパイをワシ掴みにしたり、お尻をぺチッと叩いたり、アソコに指を入れたりと悪戯する。シュントたちのコメントを保健係の女子が記録している間も、黒板の前に立たされた美少女たちと美人教師は、赤くなった顔を俯き加減に傾けていた。
シュントとツトムのチェックが終わると、クラスの男子たちがゾロゾロと並んで、順番にセイナちゃん、ユウキ委員長、キョウカちゃんの体を触っていく。「ワンクッション」のはずのリツコ先生の前にいきなり並ぶ男子もいるが、シュントたちもそこは多めに見ている。男子たちが自分はこう思うとか、友達の感想も受けてのもう1チェックさせて欲しいとか、もっと触りたかったとか、好き勝手に品評する間、美少女たちは少し釈然としない表情を浮かべながらも、頑張って耐える。保健係の女子も一生懸命ノートを取る。先生は四方八方から触られながら、辛抱する。こうやって皆で大人になっていくのだ。ホームルームの時間を延長して皆で多数決を取った結果、「セイナちゃんのオッパイは、確かに以前よりも大きくなった気がするが、正確なところは下着売り場の採寸係の人など、プロに確認してもらった方が良い」、「ユウキ委員長のオッパイの感触は、本人のコンディションによっても変化しているようなので、経過観察要。頻繁に揉ませて欲しい」、「キョウカちゃんの性感帯については、本人がそう言うなら多分そうなのだろう」という結論に至った。今日も、2年3組は平和だった。
。。。
「最近、同調用の端子穴の、『性格』のスイッチを入れても、ランプが点滅するか、全然点灯しないことがあるんだ。接触不良かもしれない」
ある日、ツトムが本当に心配そうな顔をして、シュントとミツルに伝える。『双シン壱号』のことが気が気でならないらしく、まるで病気の子供を抱えるようにして、片手で撫でながら操縦機の筐体を抱え込んでいた。
「そっか………。ま、ジーチャンちに何年あったものかもわからないし、それなりに年季が入ってるから、故障もあるかもな………」
「時間かけて調べたら、ツトムが直せたり出来んじゃね?」
ミツルが無責任なことを言う。ツトムは表情を曇らせた。
「まぁ………出来ることはやってみるけど、試しにやってみたことで、他の機能まで壊しちゃったら、取り返しがつかないから、慎重にやっていかないと………」
シュントもツトムの意見に賛成だった。ここ半年ほど、シュントはバラ色の学園生活を過ごさせてもらっている。学校から家に帰っても、両親は自由放任主義でシュントを放し飼いにしてくれているし、ツトムの両親も同様なので、葛城家に泊り放題。そして葛城家では酒池肉林のパーティーをし放題だった。街を歩いていて、気に入った美女や美少女がいたら、気の向くままに裸にさせたりエッチなことをさせてもらってきた。それもこれも、全ては『双シン壱号』という、不思議に強力で高機能な人間操縦機のおかげだ。この機械が故障して動かなくなるようなリスクは、万が一にも負いたくないと思った。
。。。
「………ぅぅぅうう………。ちょっと……、シュント君………。いい加減にして………くれない…………かな?」
まるで猫がムズがって転げまわったり、伸びをしたりするように、葛城サヤカさんが体を捻ったりストレッチしたりして、突き上げてくる衝動に耐えようとしている。
「あれ? ………僕、何かしたっけ?」
シュントが笑いを噛み殺すようにして、わざとらしく聞き返してくる。何か、シュントがしているような気がしてならないのだけれど、考え出すと、答えに辿り着けない。その、じれったさにもムズムズしながら、サヤカさんが悔しそうな声を出す。
「いや…………なんでも……ない…………んだけど……………………ぅぅううううっ。………もうっ…………。なんか、こう…………。…………来るよねっ。………こう、若いと、色んな…………気持ちが…………さ………」
自分でも、意味不明なことを口走っていることはわかっている。正直に言ってしまえば答えはシンプル。サヤカさんは今、どうしても弟の友だちである、眞知田シュント君のオチンチンを咥えたくて仕方がない。咥えて、舌と歯茎と口の中、喉まで駆使して酷使して、シュント君のオチンチンへ精一杯のご奉仕をして、彼の精液を口一杯に受け止めたくて、我慢できない状態だった。それでも、そんなことを年下の中学生男子に言うことなんて出来なくて、サヤカさんはその、突然現れた妙な衝動と、悪戦苦闘しているのだった。
口の中に、勝手に涎が溜まってくる。その分、喉が渇いて、唾を飲みこんでも全く癒えないどころか、ますます乾きが酷くなる。サヤカはまるで、自分の全身がシュント君の精液を待ち望んでいる砂漠のような存在になっていく気がする。気をまぎらわしたくて、サヤカの好きな飲み物や食べ物のことを思い浮かべてみる。クリームソーダ、甘みの少ないレモネード、ハッカの入ったハーブティー………に、シュント君のザーメンがトロトロっと溶かし込まれていたら最高…………。違うっ。固めのスコーン、グリーンカレー、カマンベールチーズ、ボンゴレ・パスタ………………………に、一番合うのがシュント君のザーメンをササっとかけて隠し味に…………………しちゃ駄目っ!
「………やだやだやだ………………ぅぅ…………がるるるる………」
サヤカの意識が少しずつ混濁して、どれだけ抵抗しようとしても、シュント君にフェラをさせて欲しいという思いが足元から腰を超えて首のあたりまでジワジワと水位を上げてくる。もうサヤカさんの頭の中は、ほぼ、フェラのことしか考えられない状態。ほんのわずかな理性で自分を支えていた。
そこでシュントが、腕に抱えていた箱型の機械のダイヤルスイッチのツマミをチョンッと僅かに触れる。それと同時に、辛うじてはしたない衝動に耐えていたサヤカの理性にとうとうヒビが入り、そこから一気に決壊する。綺麗でお淑やかなお姉さんは、ムササビのように両手両足を伸ばしてシュントの股間を目がけてダイブして見せると、膝立ちになって、自分の洋服を剥ぎ取るように脱ぎ捨てる。シャツとブラが放り投げられると、サヤカさんは深々と一礼して、シュントのズボンを降ろす。今度は両手を合わせて拝むポーズになり、「いただきます」と合掌したまま言うと、トランクスを降ろす。どんなに理性が弾けとんでいても、いつからか備わった、「シュント君にフェラをする時の作法」だけは、サヤカさんの心と体にしっかりと沁みついていた。
口一杯にシュント君のオチンチンを頬張る………。その瞬間、サヤカさんの頭の中は天国に昇ったかのように喜びに溢れて、ウットリとする。まるで脳がシャワーのように分泌する快楽物質が頭から溢れ出て、涎となって、口から流れ出ていくような感覚に浸っていた。
「うっわぁ~。…………サヤカさん、気持ち良さそう…………。なんか、フェラされてる俺より、感じてるのって…………、やっぱ変な感じもするけど…………。でも、幸せなら、いいよね?」
シュントのオチンチンを根元まで頬張りながら、恍惚の波にユラユラと揺れているサヤカさん。甘えん坊のように、「んふっ」と小さく頷いて、緩んだ笑みを浮かべる。全身で深呼吸をするかのように、シュントのモノを吸い上げて濃厚な奉仕を始めた。彼女の両手はシュントの手を自分のオッパイへと導いていく。私のオッパイを好きにしていいから、このまま少しでも長く、シュント君のオチンチンをしゃぶらせていてください。そう懇願するような手つきだった。まるで赤ちゃんがお母さんのオッパイを吸うときのように、サヤカさんは無心で、夢中になってシュントのオチンチンをしゃぶる。その姿は本当に幸せそうで、ヤラシイというよりも微笑ましいというか、愛おしささえも感じさせるような営みとなっていた。
「やっとここまで来た…………。サヤカさんの魅力が全部外に現れる、ベストなミックスとチューニングだよ、これが」
シュントは満足感たっぷりの鼻息を漏らしながら、膝立ちになっているサヤカさんの頭を撫でる。もう片方の手で、愛機とも呼べる双シン壱号の筐体を撫でていた。突然こみあげてくる欲望に戸惑うサヤカさんの可愛らしさ。理性的に振舞おうと葛藤する真面目さ。屈服しそうな自分へのいら立ちをシュントにぶつけてきたりしない優しさ。そしてついに欲求に押し切られて、シュントににじり寄ってくる色っぽさ。この綺麗なお姉さんの魅力が今の2分くらいの格闘の中に凝縮されていたような気がする。真空管に保存した彼女の反応や感情の土台になるミックスや、彼女の抵抗値を見ながら微妙な調節を行ったことで、最高にエロい、「友達のお姉さんがフェラに夢中になるまで」の変貌を演出することが出来た。シュントは下半身だけじゃなくて、全身で快感を噛みしめていた。
ツトムやミツルに見せつけてやりたくて、シュントは顔を背中の方角に向けて確認しながら、一歩一歩、フェラされた状態のまま、後ろ向きに歩いてサヤカさんの部屋を出る。サヤカさんはもちろん、やっとしゃぶりつくことが出来たシュントのオチンチンを絶対に離さないという姿勢で、器用にフェラを続行しながら、四つん這いで一歩ずつ前に進む。ドアを開けて、シュントたちがツトムの部屋に入った。
「遅かったじゃん」
「お前どうせ、サヤカさん独占タイムを引き伸ばしたかっただけだろ?」
部屋に入ってきたシュントとサヤカさん。そのシュントに、悪友たちが声をかける。シュントの踵が誰かの腰に当たった。ツトムの部屋は、すでに悪友2人と裸の女性陣で満員に近い状態だったのだ。
「ちょっと、場所空けて………。俺もそっち行くわ」
シュントが、ツトムとミツルの横に並んで、男子が3人で一列を作った状態になる。その前には、女性が7人、倍以上に長い列を作るかたちになった。
ツトムがお姉さんたちの状態を1人ずつ、説明してくれようとするが、シュントは手を上げて遮る。最近ではフェラをしてもらったり、オチンチンをアソコに入れて絞めつけながら上下運動をしてもらうだけでも、大体、その時に女の人にツトムやミツルがどんな指示を出したのか、どんな変化を与えたのかが、想像出来るようになっていたのだ。
「サヤカさん、交代。ツトムやミツルにも、フェラしてあげて。頑張ったら、また僕のところに回って来てもらうから」
シュントがポンポンと頭を軽く叩きながら、まるで躾の行き届いた愛犬に接するように、サヤカさんに指示をする。それまで移動しながらでも夢中でシュントのオチンチンをしゃぶりつづけていたサヤカさんが、ちょっとだけ理性を取り戻したのか、残念そうに、そして少しまだ恥ずかしそうに、上目遣いでシュントを見上げる。名残惜しそうに、口からシュントのモノを出した。その最後の瞬間まで、舌を這わせている。
サヤカさんがしぶしぶと、一人分、右側へズレる。実の弟、ツトムのオチンチンを躊躇いも見せずにパクっと口に入れる。さっきよりは若干事務的に、けれど生真面目に、頭を前後させ始める。少し間を空けて、サヤカさんに変わってシュントの前に跪いたのは棚倉リツコ先生と、志堂サキ先生の2人組だった。
2人が時間がかかったのは訳がある。こうやってローテーションを組んで順番にフェラする時には、一番上流がシュント。次がツトムで、最後がミツルになるというルールを、シュントが決めたのだ。セックスのローテーションも同じだ。下流までいって、ミツルにフェラをした後の女子は、一度洗浄液も使って、口をゆすいでから、上流に回ってシュントに接することになる。別にシュントは、無理に3人組の間に格付けを設定したい訳ではない。けれど、たまにミツルは女の子のお尻の穴にオチンチンを入れたり、色々とシュントやツトムがしないことにチャレンジしたりするので、こういうルールを作ることが3人平和に気持ち良くなるのには一番良いということが、自然にわかってきたのだ。きっと慣習法とか自然法というのは、こうやって出来あがっていくのだろう(違うかもしれないが)。
棚倉先生と志堂先生。2人がシュントのオチンチンを同時に舐めようと舌を伸ばす姿を見るだけでも、2人に与えられている指示や操作が良くわかる。リッチャン先生は女性として、彼氏でもない男子のオチンチンを口に入れることには自然な抵抗感を隠せずにいる。それでも、自分を奮い立たせるようにして舌をペロペロと動かしているのは、『これが自分の大切な仕事』だからだと、強い義務感と責任感でフェラをしているのだろう。一方のサキ先生は、表面上、何事もないかのように、シレっとフェラをしているが、シュントの目を盗みながら、自分の鼻を押しつけてくるようにして匂いを嗅いだり、ウットリとした顔で接吻するように唇をつけて吸い上げたりしている。彼女はまだ、『熱烈な隠れシュント・ファンになる』という指令を解いてもらっていないのだろう。ついでに『シュントは友達にも丁寧なフェラをしてあげるような献身的な女性が好きだ』とでも、吹きこまれているのかもしれない。
本当は嫌なのに、我慢して濃厚なフェラをするリッチャン先生と、事務的にやっているように見せて、実は片想いの相手へのフェラをこっそりと全身全霊で行っているサキ先生。どちらも独特のヤラしさを醸し出しているし、それぞれ違うタイプの征服欲の充足を、シュントに与えてくれる。調子に乗ったシュントが、2人の先生のオッパイを遠慮なく両手で揉む。一瞬、仰け反るようにして嫌がる仕草を見せて、葛藤の末に我慢するリッチャン先生。困ったような顔を見せながら、無意識のうちにオッパイを突き出してくるサキ先生。どちらもシュントが予想した通りの、可愛らしい反応を見せてくれた。
先生たちが横にずれて、ツトムへのご奉仕に移ると、口を洗った後の松倉ユウキがシュントの前に来る。クラス委員の彼女は、長い髪の毛を頭の後ろでまとめなおしながら、シュントのオチンチンを口に入れた。その優雅な仕草の間にも、自分の横側をチラチラと見て、全体の状況を確認している。先生も2人含めた女性陣の中にいても、無意識のうちにリーダーシップを発揮しているのが松倉委員長だ。舌遣いは正統派。シュントのオチンチンの裏筋を丁寧に舐めながら、頬っぺたの内側の力を使って全体を吸い上げる。きちんとシュントを気持ち良くするご奉仕をこなしながら、横のチームメンバーたちの動きにも、チラチラと目をやって、常に気を遣っている。彼女は個人的な好き嫌いや欲求ではなくて、チーム全体で、悪ガキ男子3人組の快感を最大化するようにと、指示を刷り込まれているのだ。そのお仕事がうまくいっていることが、松倉委員長としても嬉しそうだった。生真面目な彼女の性格、責任感が現れている丹念なフェラチオ。アゴを動かすたびに、形のいい丸いオッパイが揺れていた。
青砥セイナちゃんのフェラは、技術ではサヤカさんや松倉委員長に劣ると思う。懸命に吸い上げて、カリ首のあたりをチロチロと舐める。その控えめだけど一生懸命の仕草が彼女らしい。鼻息でメガネのレンズが曇るくらいの必死さ。こめかみに横髪が貼りつくのもそのままにして頭を振る頑張り。色白の彼女が鎖骨のあたりまで真っ赤になって、フェラをする。シュントは気がつくと、無意識のうちにセイナちゃんの頭を撫でていた。また、彼女自身を『借り出し』て、ゆっくりじっくりと楽しませてもらいたいと思った。
セイナちゃんの後には、サヤカさん、カナエさん、ヒトミさんの3人が同時にシュントの前に跪く。シュントの親友、ツトムのお姉さんを含めた、仲良しの美人お姉さん3人組だ。ヒトミさんが一度、シュントのカリの先を胸の谷間に挟んで、揉み上げるような動きをした後で、口に咥える。両側から顔を寄せたサヤカさんとカナエさんが左右のタマを口にふくむ。3人の息の揃ったコンビネーションプレイで、シュントのモノが愛撫される。3人のお姉さんたちがかわるがわる、競い合うようにしてシュントのオチンチンをしゃぶっていく。年上であること、そして他の女子たちよりも数多く、シュントたちと体を合せてきたことを見せつけるような、余裕もある、小気味良いフェラの連携プレイだった。
指示で義務感を押しつけられている先生、恋愛感情から喜び勇んで咥えにくる先生。チームを統率して良い奉仕をすることに責任感と喜びを与えられている子、とにかく全力で奉仕することしか考えられなくなっている子、ご主人様を喜ばせることに慣れてきたお姉さんたち。皆、それぞれに与えられた変化は違うけれど、今見ていると、それぞれの指示が、女性陣一人一人の元々の性格との相性もとても良いように思えた。シュントはツトムにも、ミツルに対してさえも、与える指示に信頼が出来るようになってきた。そして、改めてこの、『双シン壱号』の操縦機としての優秀さを愛おしく思った。
。。
ツトムが『双シン壱号』の一部の機能が故障しつつあると言ってからだろうか、シュントのこの機械に対する扱いは少しずつ、慎重さを増した。これまで、凄いメカは壊れないのではないかと、勝手に思っていたところを、改めて大切に、注意しながら扱うようになった。それと呼応するかのように、双シン壱号の指示を発信する際のチューニングも、前よりもピタッと合うことが多くなっているような気がする。これはシュントが機械を気をつけて操作することになったためだろうか? まるで持ち主が大事に扱うと、機械も気分を良くして精度を高めてくれているようにさえ感じる。皮肉なことに、双シン壱号が故障という機械の限界を見せるようになってから、中学生男子たちはこの操縦機を自分たちのパートナーのように扱うようになり、一つ一つの操作がより正確に、丁寧に、そして親密なタッチになってきたのだった。
「今日も頼むぞ」
シュントは朝一番に双シン壱号に触れる時、まるで試合前のチームメイトの肩に触れるように、優しくポンポンと指で叩く。ツトムも、そんなシュントの仕草を見る時は、嬉しそうに頷くのだった。
「なんか僕ら、変かもしれないけどね。………人を玩具とか人形みたいに扱うことに夢中になりながら、一方ではそうさせてる機械の方に思い入れを持って、仲間みたいに扱ってるよね」
ツトムの言葉がグサッと刺さった気がしたので、シュントもあえて笑い返す。
「ツトムなんて、どんな女の子でも彼女に出来る状況になってるのに、まるで、『双シン壱号』が彼女になってるみたいな接し方してるよな」
「………みんな、変態なんだよ………。きっと」
ツトムが少し考えながら、返答をする。横で腕組みしていたミツルが、ゆっくりと深く頷いた。
。。
不思議なもので、『双シン壱号』が、故障もするし、おそらく機械としての寿命もある、「限りある存在」だと思うと、余計にこの操縦機への愛着が増した気がする。そして、少しでもその寿命を延ばしながら使いたいと思うようになると、埃っぽい場所や直射日光の当たる場所を避けたり、たまに掃除をしてあげたり、するようになる。最初にツトムの家に持って来た時には「古ぼけた無骨な機械」にしか見えなかった操縦機が、時々お手入れをして、綺麗にしてあげるだけで、よりシュントにとって親密な存在になってきる気がする。
主電源を入れる時のヴーーンという音と振動。ゆっくりと光が強くなる赤や緑のランプ、そして徐々に鮮明になるオシロスコープのレーダーマップ。3つある真空管は左側と真ん中の2本だけが温まっていく。この、「よっこらしょ」と重い腰を上げて、仕事を始めようとする姿勢が、頼もしいようにも見えるし、「今日も無事起動できた」という安心も入り混じる。まるで頑固で気難しいが腕の立つ、職人のオジイサンの仕事始めを見守っているような気さえしてくる。気がつくとまた、シュントは『双シン壱号』の横側に張り付いている合板の部分を、労わるように撫でているのだった。
「…………うーーーん。………これは……、リッチャン先生かな? ………いや、カナエさん?」
「………早く、ファイナルアンサー決めろよ」
「………ちょっと待って…………、…………やっぱ、オッパイだけ触っちゃ駄目?」
「駄目だよ。オッパイはヒントとしてデカすぎじゃん」
バックの体勢で繋がりながら、アイマスクをした状態のシュントが、女の人と性器を結合させて腰を振っている。五感を出来るだけ遮断して、アソコの感触だけで、今、誰としているかを当てるという、ゲームを競っているのだ。これまでに散々、女性のアソコを、明るい場所で思う存分観察してきたので、ハメただけで相手が誰か、わかるのではと思っていた。ところが、これがなかなか難しい。普段はいっぱしの通ぶって、あの子の締めつけが良いとか、肌の相性はあのお姉さんが一番とか、好き勝手に批評してきた悪ガキ3人も、いざ、視覚や聴覚、嗅覚を制限されると、アソコの具合だけで女性を当てるというのは、相当難易度が高いのだと思い知らされた。
せめて一声だけでも、喘ぎ声を聞かせてもらえれば、大きなヒントになるのに………。そう思ったシュントが、腰のピストン運動を激しくする。それでも、操縦機で指示されているお姉さんは、必死で声を漏らさないように堪えている。悔し紛れに、シュントが掴んでいたお尻の肉をギュッと握りしめて、少し爪を立てた。
「…………んっ…………」
一声、確かに聞こえた。今、シュントが後ろからオチンチンをズボズボと、出し入れさせてもらっている相手は………。
「わかった、ショウコ先生でしょっ?」
「今、シュント、お尻をつねって、声出させたでしょ? ………ズルだよ」
「シュント、アウト―。失格は即、罰ゲームなっ」
「えっ………。今のはわざとじゃないぞっ。………たまたまだってば………。嘘……、一発アウトは、厳しすぎるって」
慌てて反論しても、ツトムとミツルは聞いてくれない。ミツルはガッツポーズ。ツトムは粛々と特典表にバッテンを書いていく。2人とも、自分がゲームに勝つことよりも、誰かの不幸を喜んでいるようにさえ見える。「良い性格」をしている。これが眞知田シュントの親友だった。
「エッサッ、ヨイサッ、エッサ、ヨイヤサッ、ラッセーラーッ!」
女性陣の声が威勢よく響くと、モーゼに海を割られたように、通行人が慌てて避けて、道を作る。女神輿が街を練り歩く。日本の夏だ。担がれているのは、近所のマニアックな神社から拝借したご神木。その上に跨って、団扇を扇いでいるのは、裸にハチマキとフンドシだけ巻いた、柿宮ショウコ先生。シュントたちの学校の、厳しいことで知られる生活指導の先生だ。その先生が、オッパイを振り乱して大真面目な顔で団扇を扇ぐ。男性器に模した形の木の柱に跨って、乱舞している。それを担いでいるのは、ショウコ先生の同僚である、リツコ先生にサキ先生といった、美人教師たち。そしてシュントの学校を代表する、美少女や美人の先輩たち。みんなフンドシをしめて法被を肩で羽織り、胸にはサラシをを巻いているがギリギリ乳首が出ている状態、下乳だけを隠したような状態で神輿代わりのご神木を担いでいる。全員、これが神聖な行事で、自分たちの街の自慢の伝統文化だと思っているから、周りの目なんか気にせずに、爽やかな汗を笑顔に光らせている。神輿を一緒に担いでいる、唯一の男子はシュント。これも一応の罰ゲームだ(よくよく考えると、ペナルティを受けるはずの男子よりも、巻き込まれた女性たちの負担が圧倒的に大きいのだが、これもワルガキたちの思いつきなので仕方がない)。
「おーい。………これはこれで、意外と楽しいぞー」
シュントが手を振ると、見物に来たミツルは、少し残念そうに、あるいは羨ましそうに右手を上げて、親指を下に向ける。ツトムはというと、『双シン壱号』を腕に抱えて、一生懸命操作していた。ギャラリーとなった通行人が騒ぎ立てたり撮影したりしないように、色々と指示を出してくれているのだろう。
こんな、ハチャメチャな日常が、これからも続いていくのだろうか。シュントは祭りの喧騒に酔わされたようにウットリとそう思った。
次の日の朝、ツトムが深刻な顔でシュントとミツルに伝える。
「真ん中の真空管が、使えなくなった。こっちの『e』のランプも、時々、点いたり消えたり、点滅してる。………やっぱり色んな部品が消耗しているみたいなんだ」
ツトムに言わせると、精密機械の部品は色んな種類のものが組み合わされているけれど、組みつけは同じタイミングで行っているので、同じくらいのタイミングで類似部品の寿命が来るということは珍しくはないそうだ。
「ある回路が接触不良になることで、他の配線に過度な電荷がかかることっていうことも有り得るし…………。とにかく、同時期に色んな部品が不調になるっていうことは、年季モノの精密機械には、よくあることなんだ」
大事な老犬を抱えるような仕草で、ツトムは操縦機を両手で持ってシュントとミツルに見せる。ツトムの辛い気持ちが伝わってくるようで、シュントも声がうわずった。
「昨日………、けっこうデカい規模で使ったりしたからかな?」
「たぶんそうじゃね? ………うん。シュントの昨日のあれだよ、きっと」
ミツルが無責任に、首を縦に振る。けれどツトムは冷静に、自分のメガネをかけなおしていた。
「………罰ゲームだって最初に言いだしたのは僕とミツルだし。罰ゲームの内容決めたのは、ミツルだろ? シュントを責めてもしょうがないよ。…………それよりも、少しでも長い間、この『双シン壱号』を延命させることを考えようよ。今の僕の知識じゃ、とてもこの機械を修理することなんて、出来なさそうだから」
ツトムがシュントの目を覗きこむ。その視線に対して、シュントは頷いて返すことしか出来なかった。
。。。
3人で、一体どうすれば『双シン壱号』の消耗を防ぐことが出来るのか、思いつく限り考えてみたけれど、結局のところ、結論は「優しく、ほどほどに使う」ということにしかならなかった。しばらく使わないで休ませておくというアイディアをシュントが提案したのだけれど、ツトムに言わせると、古い機械は定期的に電気を通して稼働させた方が、寿命を延ばせるっていうこともあるから、全く使わないというのも、それはそれで良くないのだそうだ。
「アンティークのオーディオ機器なんかだと、マニアは『火を入れる』っていうらしいけど、時々電源を入れて、色んな機能を使ってやった方が、長持ちするって聞いたんだ」
ツトムがそこまで話したところで、大体、彼が提案したいことはわかった。シュントとツトムは同時にミツルを見つめる。無言でプレッシャーをかけているのだ。15秒くらいたって、やっとそのことに気づいてくれたらしいミツルは、小さく舌打ちしながら頷いた。
「あぁーもう、わかったよ。…………せっかくの双シン壱号。最後くらいド派手に使いまくって、新聞沙汰になるくらいのカタストロフィーを起こして、その最期を看取ってやろうって、そう言いたいんだろ? ……うんうん。………俺もな、ちょうどそんなことを思って……」
「ぜんっぜん、違うよっ。週に1回くらい、『双シン壱号で遊べる日』を設定して、他の日は我慢しようって言ってるのっ。なんでわかんないんだよ?」
ツトムが珍しく大きな声でミツルを遮る。シュントは時々、この3人がなんで大きな喧嘩も無く、仲良くつるんでいられるのか、わからなくなる時がある。
「俺もツトムの意見に賛成。………もちろん、頻度を下げて使うようにしたからって、『双シン壱号』が長持ちするようになるのかどうかは、わかんないけど、これまでもツトムの分析と観察に頼ってこの操縦機を使ってきたんだから、ツトムのアドバイスに従っていくぶんには、後悔もしないと思うよ」
ミツルは少しだけ渋い顔を作って、シュントとツトムの顔を交互に見る。それでも、最後は頷く。これからの操縦機の使い方について、エロ男子3人は合意をすることが出来た。
こんな風にして、最近激しさを増していた、シュントを取り巻く狂乱の日々は、少しずつ落ち着きを取り戻すようになっていった。少なくとも見かけ上は。
眞知田シュント、葛城ツトム、丹波ミツルの3人が最終的に選んだ日は、毎週土曜日。この日以外は双シン壱号は、ツトムの家に置いておくことにする。ツトムは自分の部屋でこの操縦機の構造を調べたり、修理方法を検討したりする時以外は、気温や湿度が保たれた、ツトムのお父さんがオーディオ機器やワインをしまっている部屋に、保管する。月曜から金曜は、3人にとっては「ほぼ」禁欲の日々だ。今ここに、あの操縦機があったら、あんなことをしたい、こんなことをしたい………。その思いをグッと堪えて、頭の中に溜めて置いて、待ちに待った土曜日に、一気に発散するのだ。すると日曜日は、前日の余韻を楽しんだり、使い果たした体力を回復させようと休んでいるうちに、すぐに夕方になってしまう。
ちなみに月曜日から金曜日が「ほぼ」禁欲の日々というのは、この期間はただ、『双シン壱号』から新しい指示を発信出来ないという期間だからだ。土曜に『ブラックアウトボタン』を使って深層意識に命令を焼きつけた相手は、次の週にもその命令には当たり前のように従ってくれる。だから厳密に言うと、平日の間もシュントたちはクラスメイトや美人の先生たちに恋人として接したり、キーワードをきくと動物に変身してしまうペットとして飼ったり、彼女たちの秘密の副業の上得意客として、サービスを受けたりすることも出来る。それでも、手元に操縦機があって、いつでも思いついた指示を上書きしたり、何かあった時に周囲にも指示を出して誤魔化したり、ということが出来た、これまでと比べると、出来ることは騒ぎを起こさないようなことや、リスクの少ないことに限定される。その程度の禁欲生活だ。
操縦機が開放される最初の土曜日。シュントたちは駅近くの、大きなショッピングモールに『双シン壱号』を持ち出した。バーゲンセールで賑わう、レディースウェアやハンドバッグ売り場などの階を対象範囲に設定して、ハンドマイクから指示を出す。
『若い女の人たちは買い物を一度中断して、クスグリ合い大会に参加しなさい。全員薄着になって、フロアにいる可愛い女の子の脇や足をくすぐること。くすぐられた人は、止めて欲しいかったら、ギブアップの合図として身に着けているものを2つ、相手にあげよう。1人の相手に対してのギブアップは、他の人には無効だから、頑張って、逃げるなり、くすぐり返すなり、我慢するなりしてね。参加者以外も、みんなで大会を楽しむこと。』
あれこれ考える時間があったからか、ツトムが出した指示は結構細かい設定になっていた。命令を送信した直後から、フロアのあちこちで、薄手のカーディガンやブラウスを脱いで、薄着になっていく女の人たちが見えるようになる。次第にシュントたちの周りには、お姉さんたちの笑い声や嬌声、おどけるような悲鳴が上がり始める。夏の終わりのバーゲンの喧騒とは、違ったタイプの騒がしさだ。
「あの子、くすぐったさに凄く敏感みたいだから、感覚を採取させてもらって、皆を同調させよう。………あの子、悪戯っぽいくすぐり方だけど、結構Sっ気とかしつこさがある感じするから、これも皆に伝播させちゃおう。…………あの人、ちょっとМっぽい表情で悶えてるよね………。これもキープ………と」
以前は双シン壱号の使い方は、一つ一つの操作と影響を確かめながら、慎重に行っていたはずのツトムが、矢継ぎ早にあれもこれもと操作を追加したがる。その気持ちはシュントにもよくわかった。一度、この機械で大のオトナたちを自由自在、玩具のように操って弄ぶ快感に慣れてから、6日間の「禁欲生活」。これはなかなか辛抱が必要だったのだ。
『今、クスグリ合い大会に参加している人たちは全員、レズビアンになります。バイセクシュアルでも良いです。とにかくオンナ同士のスキンシップを、ムラムラしながら楽しみなさい。』
キャッキャとはしゃいで、くすぐりあっていたお姉さんたちの間に、もっと親密で濃厚なムードが流れ始める。店員さん同士も、さっきまで本気でくすぐったがって、ヒーヒーと涙を流しながら笑って、脇をしめつつ女の子走りで逃げていた先輩店員さんが、ちょっと悪戯っぽい笑顔になって、後輩店員さんの追いつくのを待つくらいにスピードを遅めて逃げるようになる。裸の体をクネらせて、お尻をプリプリ、まるでアピールするみたいに振りながら逃げる。それを追いかける後輩店員のお姉さんも、本気で追いかけるというよりは、捕まえる直前で嬲るみたいにして、背中を撫でたり、脇腹を突いたりして、尊敬する先輩のカラダを弄ぶ。笑い声のなかに、くぐもった吐息と、受け入れるような喘ぎ声が混じるようになった。一緒に来たお客さん同士、お客さんと店員さん、知らない人同士、そして店員さん同士やライバル店のスタッフさん同士が、上に乗ったり、抱き着いて床を転がったり、絡み合いながら、お互いを脱がして、くすぐって、舌を這わせたり甘噛みしたりして、肌を重ねあう。バイトのリーダーらしい、スタイルの良い美人のお姉さんは、両手両足を後輩さんたちに押さえつけられて、大の字になった状態でお客さんにかわるがわるくすぐられて、泣きながら笑い悶えて、最後はオシッコをお漏らししていた。
後始末の指示は出したけれど、全員が自分の着てきた服を見つけることは出来なかったようで、仕方がなく、新しいお洋服を買って、着て帰っていく綺麗なお姉さんたち。ショッピングモールの売上げも、それほど落とさずに済んだようだ。ツトムは防犯カメラを管理している警備員室まできちんと範囲に入れて、アフターケアを完了した。
「次、俺の番だよな………。ちょっとあれこれ、考えすぎたせいで、迷うわ………」
モールを後にした3人組。移動の途中で、ミツルがぶつぶつと独り言を呟き出した。せっかくの自分のターン。1週間近く溜めてきた妄想を、一気に実現しようとしているようだが、やりたいことが多すぎて、頭の中が渋滞してしまっているようだった。
「…………くそ…………。ちょっと我慢がしんどくなってきた………。もう、これで良いや」
天然パーマの髪の毛をボリボリと両手で苛立つようにかいたミツルが、操縦機のハンドマイクを握る。
『このへんにいる若いネーチャンで、自分のルックス、ファッションに自信があるヤツは全員、手持ちのメイクセットで、鼻の下にコントみたいな鼻毛を、でかでかと描くように。他にも、眉毛を繋げたり、頬っぺた渦巻とか赤丸つけたり鼻を赤くしたり、オモシロメイクをして、また颯爽と街を闊歩しろ。…………あ、あと全裸………。それから………、欲求不満なネーチャンがいたら、使ったメイク道具で、オナニーしながら、歩こうか………。あ、そんで、中学生男子に誘われたら、セックスしろよ。喜んでって言って………な。………そうそう………。………もう、そうなったら、全力で、自分の人生で一番ってくらいに相手を気持ちよくさせるために全霊を尽くすんだ。うん。』
これまでに無いくらい、ミツルの指示が雑で、思いつきの羅列のようになっていたので、シュントは思わず笑ってしまう。流れ星を見つけた瞬間に、焦ってしょうもないお願いをしてしまった子供を見ているようで、微笑ましささえ感じる。こんなに余裕が無くなってパニックになってしまうくらい、準備期間に妄想を溜めこんでいた、ということだ。いつもはもっと自分の変態道に自信を持って、堂々とバカを演じているように見えるミツルの、意外な一面を見たシュントは、少しだけ可愛らしいと思ってしまった。
そして、もっと意外な一面を見せながら町を闊歩しているのは、週末の大通りを歩く、綺麗なお姉さんたちだった。アニメの田舎者キャラクターのように、鼻の穴から唇の上まで三本づつ、鼻毛を表す線を描いた、お洒落なお姉さんたちが、すました顔でヒールを鳴らして歩いていく。やがてお姉さんたちは都会的にコーディネートされた服も、高級そうなヒールも脱いで、全裸になってしまうので、さっきまでの洗練されたお洒落さも、伝わらなくなっていく。それでも、彼女たちはまるでファッションショーのランウェイか、それともレッドカーペットの上でも歩くかのように、堂々とモデル歩きして街歩きを楽しむのだった。
なかでも、本物のモデルのように長身でナイスバディで、ブラウンの髪をエレガントにウェーブさせたお姉さんが、一際目立っていた。眉毛が繋がっていて、鼻毛のメイクと、酔っ払いのように鼻の頭と頬を赤くしているので、悪酔いした田舎のオジサンのような顔になっているが、その下からも本来の美貌は、ハッキリと伝わってくる。見事な裸に、高そうなハンドバックだけを抱えていた。
「おっ! ………おねーさんっ。僕とセックスしましょうか。………結構、マニアックでユニークな体験出来ますよ」
指示を上手に出せなかったと落ち込みかけていたミツルが、ゴージャスな美人を見つけたことで、一気に元気を取り戻す。このメンタルの強さには、やはり見習うところがあるのかもしれない。迫力満点のバスト、クビレ、長い脚。彼女はもしかしたら、一般の人では無いのかもしれない。
「喜んで………。………どこでしますか?」
優雅に微笑む、豪華でセクシーなお姉様。鼻毛とダメ親父メイクをものともせず、堂々とした態度と「いいオンナ・オーラ」で周りを圧倒しながら、ミツルにいざなわれてホテル街へと消えて行った。
「お………おい。この後始末どうすんだよ…………」
操縦機だけ手渡されたツトムが、ミツルに声をかけるけれど、ミツルは振り向いた瞬間に親指を立てるという、よくわからないリアクションを残して、美女と去っていってしまった。結局、大通りの景観をかなり無茶に壊したミツルの指示のアフターケアを、ツトムがさせられることになる。文句タラタラのツトムだったが、さっきの調子でミツルが指示をあれこれ上書きしていくよりも、後始末はツトムに任せた方が信頼できる気がした。いびつではあるけれど、バランスはとれている。それがシュントたち3人組が今も平和につるんでいる理由の一つなのだろう。
シュントとツトムは、勝手に単独行動を始めたミツルと離れてから、2人でブラブラと街歩きをする。
「………結局さ、この『双シン壱号』って、誰が何のために、うちのジーチャンちに置いてったんだろうな。それがわかれば、ツトムの研究も、もっと効果的に進むんじゃね?」
シュントが、前々からの疑問をツトムに投げかけてみる。ツトムは前を向いて歩きながら、言葉を選んで返答する。
「これも、開発者は、前に話した、シンニィっていう人で間違いないと思うよ。特に情報の変換装置と発信機周りは、ネットで調べてても、他の配電図とかとは全然似てないっていう独創性だから………。でも、目的がね………。僕もよくわからないんだけど…………」
メガネを指で押さえて、ツトムはシュントの顔を見た。
「これは僕の想像なんだけど、………この操縦機をシンニィっていう人が、何かの目的か、それとも単なる気まぐれで作ってみた………。だけどあんまりにも用途が幅広いし、多機能だけど、お互いに似てたり重複していたりする機能もあるから、さらに整理をするっていう意図で、市場に試作品をサンプル出荷したのかもしれないね。モニタリングだよ。
「モニタリング………」
「開発者の意図したことと、違う使い方とか、想像していなかった遊び方とか、そういったものを引き出して、記録を取る。大きな企業だったら社内で試行するかもしれないけど、ベンチャー系とかは、割と積極的に外部の人たちに試してもらって、新しい開発の参考とか、最終的な商品化のための参考にするんだ。………これは、そういう目的で外に出した、試作品の1つなのかもしれないね」
「…………じゃ、………今も記録とか取ってたりして………な」
「うん…………。目立つような記憶媒体は内部には無かったと思うんだけど………。ログとか定期的に送信してても、全然不思議じゃないよね…………。送信のメカニズムはこれだけ立派なものが搭載されてるんだし」
そこまで聞いて、シュントは歩きながら、両手を頭の後ろに組んだ。
「じゃぁさ…………。この双シン壱号の寿命を出来るだけ伸ばすように気をつけて使うだけじゃなくてさ、俺たちも、もし開発者のシンニィって人に見られてるとしたら、その人が興味湧くくらい、面白いこと、色々試していった方が良いんじゃない? その『お試し』のための持ち主として優秀だって認められたら、交換部品とか送ってもらえるかもしれないし、…………それかひょっとしたら、試作品の2号機が届くかもしれないだろ?」
そこまでシュントが言うと、ツトムは立ち止まってシュントの顔を覗きこむ。
「………ん………。僕もそれ、ちょっと考えた………。その可能性があるから………、今、ミツルから操縦機を取り上げる訳にもいかないんだよね………」
シュントもニヤッとする。
「まぁ、今日出してた指令は、ダダスベリだったけどな」
ツトムも笑った。
「………じゃぁ………。次は俺の番だね………」
シュントはいざ、自分の番が来ると、若干の緊張を覚えている自分に気がついた。ミツルのことを笑えないかもしれない。いや、この操作を、どこかで見ている、別の変態野郎がいるかもしれないと思うと、気が抜けないのだ。一発目のツトムの指示は、なかなか完成度が高かった。Sっ気やMっ気、くすぐりへの敏感さなどは現場で採取した感情や感覚をチューニングして共有していたし、逆に『レズになる』といった操作は、おおざっぱに口頭で指示することによって、逆にお姉さん一人一人の個性を出させていた。抵抗度が上がるお姉さんを見ると微妙に指令の強度を調整して、まるで大所帯のオーケストラを1人で指揮しながら、一人一人のポテンシャルを丁寧に引き出す、一流のコンダクターのようだった。
けれど、ミツルが(うっかり)出したような、その場の勢いだけの、無軌道でしょうもない指示も、いざ振り返ると、なかなか捨てがたいと思えた。何より今となっては、その日初めて会った人の中からこちらの自由なチョイスで、いきなりエッチまで出来るというのは、この手に『双シン壱号』を持っている、『解禁デー』だけなのだ。
シュントは迷いながらも、大通りから一本奥に入った道にある、ビル同士の間にある、中庭のような場所で立ち止まった。中央に木が生えている植え込みや水飲み場、手洗い場があって、小さな噴水がアートのような水の動きを見せる、「パティオ」と呼ばれるようなスペースだ。街路樹に水をやるための、給水機とホースもある。一度咳払いをしたシュントは、そこで『双シン壱号』のスイッチを丁寧に、恭しく、パチンと切り替える。
『えー、今日もまだ暑いですね。汗をかいたお姉さんたちはここで水浴びをして、涼しくなりましょう。下着の中まで汗で湿って不快だと感じているお姉さんは、皆ここまで来て、全部脱いで体を洗いましょう。ここは皆のお風呂です。あまり恥ずかしくないです。気になるところはとことん洗っていってください。男の人たちはその光景を目にしても、騒いだり、撮影したりしないでください。今日は女の人たちが変なことをしているところを見ても、危険でない限り、気にしません。』
そこまで言って、チラッとツトムの方を見る。もう一度、咳ばらいをしたシュントは、ハンドマイクを口に近づけた。
『あと、中学生男子に誘われたら、喜んで体を許してください。どんなことでもやってあげましょう。』
迷ったけれど、やっぱりこの指示は入れておくことにしたのだった。
最初は休日も働く、OLさんらしき人が、ジャケットを脱いで、水飲み場から出る水を体に満遍なく浴びる光景から始まった。下から一本の線を描いて噴き上がる水を体全体にかけるためには、様々なポーズをとって、水を受け止めなければならない。女性ならではの優美な曲線美や体の柔らかさを、見ていて堪能することが出来た。水を吸ったシャツがスカートが、ペタッとOLさんの肌に貼り付いて、透ける。下着の形や柄もハッキリと見えるようになる。しっかり濡れると、ヘアスタイルも変わったように、ペタッとオールバックに、後ろにと、髪が流れる。髪をかき上げる仕草、後ろに束ねるような仕草をした時に、上半身のスタイルがハッキリと服の上から見えるようになる。まるで生の肌の上にもう一枚張った薄皮のようになったシースルーのシャツやスカート、ボトムを、めくって剥ぎ取るように脱いでいくお姉さんたち。この焦らすようなビジュアルの変化は、ツトムの出した指示よりもムズムズするような気持ちにさせてくれるものではないかと、シュントは満足げに頷く。
『脱いだ人からお互いの体を洗いあっこ…………、……いや……。』
追加の指令を出し始めたところで、シュントはツトムの視線を感じたような気がして、言葉を濁す。
『やっぱり、裸になった女の人は、いつも自分がお風呂でするみたいに体を洗ったり、周りにいる男の人にお願いして、隅々まで綺麗に洗ってもらおう。』
さっきの、女の人同士でのクスグリ合い大会のパクリみたいに思われると癪なので、シュントは命令の方向性を変えてみた。「どうだ?」とばかりにツトムを見ると、シュントの悪友は、「別に最初から何にも思ってないけど」とでも言いそうな顔をして、両肩をすくめてみせた。
まだ残暑が厳しい週末にも、リクルートスーツと、不自然なくらい黒い髪とで懸命に企業を回る、女子大生のお姉さんたちが通る。彼女たちは当然といった顔つきで紺や黒のジャケットを脱いでシャツの上からバシャバシャと水を浴びる。全身に水が行き渡るように、背中を仰け反って天を仰ぐ。真面目そうな服の下で鬱憤を溜めている体のシルエットが、くっきりと浮かぶ。そして彼女たちはさっきまでの固めの表情を崩して、シャツやパンツ、スカートやインナーを脱ぎながら、人目も憚らずに体を洗い始める。噴水や水やり場から伸びたホースの水が、彼女たちの素肌に当たって跳ねる。小さな虹が出来る。近くのコンビニやドラッグストアから誰かが持って来たらしい、ボディソープやシャンプーがムクムクと泡立っていく。小さなシャボン玉の飛び交う、アワアワのパティオの中で、裸のお姉さんたちが、通りがかりのお兄さんやオジサンに、体を洗うのを手伝ってくださいと頼みこむ。断る男の人はほとんどいなかった。
顔のメイクを落とさないように、器用に首から下だけ全身泡まみれになって男の人に体を触らせているお姉さん。メイクを落とせるのを喜ぶように、両手で水をすくって、ジャブジャブと顔を洗い、スッキリとした笑顔を見せる、女の人。オジサンたちの指示に従って、噴水の縁に腰を下ろして両足を開くと、股間とお尻の穴のあたりを念入りに、丹念にオジサンたちの手で洗ってもらって、恥かしそうに頭を下げている女子高生たち。近くのベンチには男女交互に並んで腰かけて、お互いの背中を洗っている列が出来ていた。
「あ………あの人、可愛い」
近くのお弁当屋さんから走ってきたお姉さん2人組のうちの一人が、シュントの目を惹いた。マスクを外すとパーッと輝きが溢れる。エプロンと三角巾を解いて、全身ずぶ濡れになっていく。黒髪が濡れてツヤツヤと光る。バストが豊かでお尻もムチっとしているけれど、色が白くてキュッとしたクビレが均整のとれたプロポーションを際立てている。顔が純朴な透明感を持っていて、水浴びしながら笑顔を見せると白い八重歯が見えた。TVのCMか何かに出て来そうな、可愛らしい女性だ。シュントは大事な操縦機に水がかからないように注意深くツトムに渡すと、吸い寄せられるように水遊びと泡遊びの輪に近づいていく。
「あの、お姉さん。俺………、体洗うのと、………あと、エッチするの、手伝いましょうか?」
シュントが近づいて、初対面の相手にはこの先1週間は絶対に言わないであろう台詞を口にする。既に白くてシンプルなブラジャーを晒して、シャツをはだけていたお姉さんが、返事を口にするかわりに、顔を赤くしながら深々とお辞儀する。
「お…………お願いします…………。私………その………、何でもしますっ」
体に貼り付いて抵抗する服を、はがすようにして脱ぎながら、そのお姉さんは瑞々しい体を差し出すようにシュントに抱きついてくる。近くのお姉さんの体に山盛り乗っていたソープの泡立ちを手ですくったシュントが、お姉さんのピチピチしたカラダを撫で擦るようにして洗ってあげる。お姉さんは少し恥ずかしそうにムズがったり体をクネらせたりしながら、シュントに小声で御礼を繰り返す。性格もとても良さそうな女の人だった。都会はこうした思わぬところに美人さんが潜んでいるから、侮れない。
「ツトム―。俺、あとからこのお姉さん、ブラックアウトボタン使って、来週も色々とお世話になりたいから、覚えておいて」
「………そんなこと、自分で覚えておきなよ………。っていうか、シュントがヤリ終わるまで、僕、ここで見てなきゃいけないの?」
髪をかき上げて溜息をついているツトムを尻目に、シュントが可愛いお弁当屋のお姉さんの体に圧し掛かるようにして体を預ける。地面に寝そべったお姉さんの上を、石鹸の泡が伸ばされたヌルヌルの体で、滑りを確かめるように肌を擦り合わせながら、股間にインサートする。夏が始まる前には、陰気なムッツリスケベ童貞だったシュントが、今ではこんなにスムーズに、自分のオチンチンを、初対面の美人さんの股間に滑りこませられるようになっている。本当に『双シン壱号』様々のおかげだった。そう考えると、シュントの胸に、感動のような熱い気持ちがせり上がってくる。シュントは腰を振りながら上半身だけ振り返ると、双シン壱号に手を合わせて、目を閉じて頭を下げた。
「ヤ………ヤリながら、こっち拝まないでよ………。………気持ち悪いな……」
双シン壱号を抱えているツトムが、気味悪そうに声を上げた。
「いや、お前じゃねぇし………」
シュントはツトムにそういったあとで、いま繋がってるお姉さんの方へ顔を向けなおして、ニコッと微笑んだ。初対面の綺麗で純真そうなお姉さんに呼びかける。
「もうちょっとでイケそう………。ちょっとギア上げていきますか?」
もちろん、相手のお姉さんの返事なんて待つ必要もなかった。
<おわり>
読ませていただきましたでよ~。
最終回お疲れ様でしたでよ。
双シン壱号が壊れそうとかいうフラグを立てるも結局何もなかった模様。
完全に壊しちゃうか、ツトムがなんとか直してしまうかどっちかだと思ったんでぅけどね。
ただ、何もないかというと厳密にはそうではなく、使う頻度を下げてしまうことになっているみたいで結局そのうちに壊れてしまいそうな予感もありますでよ。
壊れてしまった後はしばらくは未練が残りそうでぅが、最終的には子供の頃の幸せな記憶としていい思い出になるのかなと思う次第でぅ。(まあ、ブラックアウトボタンで指示を出した女の子はある程度好きにできるんでぅけどw)
ところで、今回も機械を機会と変換ミスしていた所を三箇所ほど見つけてしまいましたでよ。
後、脱字も
>ツトムは防犯カメラを管理している警備員質まできちんと範囲に入れて、アフターケアを完了した。
警備員の質でぅよね。
であ、また年末年始を楽しみにしていますでよ~。
作家さん、お疲れ様でした。 これからまた半年を待たなければならないなんて本当に悲しいですね。何の仕事をしているかは分かりませんが、うまくいけばいいですね。