「ではせっかくですから咲良ちゃんに負けないように、皆、順番にラウンドガールになってもらいましょう。咲良ちゃんとは幼馴染みらしいです、城崎野乃ちゃん、ご起立くださーい」
右手を拝むように顔の前に出して、ひらひらと振りながら「結構です」という口の形を作った野乃だったが、弘太に促されると立ち上がってしまう。真横まで近寄ってきた彼が彼女の耳元で何か囁くと、野乃は素直に頷いてあっさりと前に出る。ピンクの下着を身に着けたままの姿で、スタッフから、咲良とは別のフリップを受け取った。野乃が受け取る瞬間に、結沙にもフリップ前面の中身が見えた。そこには『ラストお漏らし9歳。ファースト潮吹き17歳』と書かれていた。野乃が誇らしげにそのフリップを客席に向けて掲げてポーズを取ると、客席はドッと湧いた。
「いいですか。僕が『フリーズ』と言ったら、女子の皆さんたちの時間が止まります。『アンフリーズ』と言ったら、また時間が流れ出す。時間が止まっている間、何をされても皆さんは反応出来ないし、認識することも出来ません。………野乃ちゃんフリーズ!」
小柄な体を精一杯目立たせようと、背伸びしてモデル歩きをしていた野乃が、ピタッと動きを止める。真っ直ぐ前を向いたまま、動かない、マネキンのような状態になってしまった。
「野乃ちゃんのお上品なイメージが、ちょっとラウンドガールというイケイケの職業とマッチしていないようなので、もう一工夫、衣装に加えてみましょうか? …………こんな感じだと、セクシーでオトナな感じに、なりませんか……ね?」
弘太が野乃の後ろまで近寄って、彼女のショーツに手をかける。左右からショーツを摘まみ上げて、フリルのついた柔らかい生地をギュッと上に引っ張り上げる。ショーツの後ろ半分の生地の大半がギュ―ッと引っ張られ、細くなってお尻の谷に食いこむ形になる。なかなか大胆なデザインのTバックのように変形する。逆に彼女の白くて丸い、桃のようなお尻の山は、完全に剥き出しになる。「ヒューヒュー」と、客席の男子たちが囃し立てる。野乃のファンクラブメンバーたちはというと、「………これはこれで、彼女の新しい一面が見えて良いかもしれない………」と、理屈をこねながら、野乃のお尻を高く評価していた。要するに、陽キャも陰キャも「うるさがた」も、美少女のお尻が剥き出しになったことを、それぞれの方法で喜び合っていた。
野乃は「アンフリーズ」されると、キワどいTバック状態になったパンツをそのままに、客席に愛想を振りまきながらステージを闊歩する。親友のうち2人がラウンドガールと化してしまったステージで、梨々香と結沙が不安げな視線を交わし合う。普段それほど勘が鋭い感じはしない梨々香だが、さすがにこの状況になると、自分にもリスクが迫っていることくらいはわかるようだ。(ヤバいね)と、彼女の表情が語っていた。
「はい、梨々香ちゃんも立っちゃおう。貴方は…………。ちょっと趣向を凝らした一工夫を入れようかな? ………どうしようかな?」
弘太が梨々香を立たせると、彼女はフッと表情を無くして、真っ直ぐ前を向いたまま、直立不動の姿勢になった。もう結沙と無言でコミュニケーションすることも出来ない。儚いやりとりだった。
「無理に捻らず、ストレートでいいぞっ。正攻法、正攻法」
「弘太君。王道を行く勇気を持とう」
ボクシングのセコンドか、あるいは野球のコーチのようなアドバイスが客席の脇のあたりから届く。結沙が見ると、そこには『催眠術ショーを見守って云年』といった風情の、妙にベテランっぽいマセた高校生男子たちが、腕組みしたり自分のアゴを撫でたりしながら、年季の入った声を上げていた。
「………じゃ、リクエストに応じて………、梨々香ちゃんと言えば、こっちが王道かな?」
弘太は梨々香の後ろに立って、彼女の胸元に手を回すと、ブラのカップをズリ下げた。ブルンッと音が結沙のところまで聞こえてくるくらいの勢いで、迫力あるバストと乳首が弾け出る。オッパイの6割から7割が露出されたところで、一応ブラジャーの中に、一部のオッパイは残しておく。さっき、「楽器になった」梨々香が全裸で跳ね回っていた時よりも、むしろイヤラシサが増したように見える。下着から乳首のあたりまで顔をのぞかせたオッパイは、かえって「脱ぎたて、零れたて」の状態を強調させていた。
「いいぞっ。弘太君。その調子だ」
「梨々香ちゃん。最高だっ。弘太君と梨々香ちゃんの2人に、ありがとう。だ」
さっきの、ベテラン然、常連然とした男子たちが、腕組みしたまま深く頷いたり、ゆっくりとした拍手をステージに送ったりしている。もしかしたら、ただのオッパイ好きのエロ男子なのかもしれなかった。
『巨乳は正義。”D”はDynamiteの”D”』と書かれたフリップを持たされた梨々香は、弘太の合図とともに、そのフリップを掲げて、ステージ上を練り歩き出す。背が高いせいか、そのプロポーションのメリハリのせいか、咲良や野乃よりも目立つ。リズミカルに歩くたびに、立派なバストと乳首が上下左右に振られる。改めて、客席の男子たちが喜びの声を出した。
その騒々しさのなか、ふと気がつくと、弘太はまた、結沙のすぐ近くにいた。
(もう勘弁して………。)
結沙が弘太に視線で頼みこもうとする。けれど弘太は結沙の頭を優しく撫でてこう言った。
「結沙ちゃんは、催眠術にかかっている状態が好きだ。深い催眠状態はとっても気持ちいい。だから、逆らえない。そうだよね?」
「そんなことない」と言いたかったのだが、結沙は頷いてしまう。確かに今、頭の中の鈍痛のような痺れは、寝入りばなの気持ち良さのような多幸感がある。催眠術で、暗示の力で、自分が自分でないなにものかに変身させられてしまう。そこには不安と同時に、ゾクゾクするようなスリルと解放感が潜んでいた。
弘太が手のひらを上にして、スーッと手を挙げる。それに同期化されたように、結沙は椅子から立ち上がっていた。
「僕が3つ数えると、結沙ちゃんもラウンドガールになるよ。それも他の3人よりも一段格上の、スーパーラウンドガールだから、持ってる華が断然違う。僕のお気に入りの結沙ちゃんだからこそ、ステージを、観客の心を、独り占めしちゃって欲しいな。だから、衣装も、このくらいの露出は、全然平気になるよ。ラウンドガール結沙は、とっても大胆で開放的で、エッチな子だから………。そうだよね?」
「…………はい………。結沙は………大胆………開放的……………エッチ……………です」
昇天するような気持ち良さの中で、結沙は何とか口を動かして、弘太に答えた。結沙のブラの左側のカップがズリ下げられて、片方のオッパイが零れ出てしまう。さらにショーツがずるずると5センチ以上、下ろされる。ローライズパンツだってここまで行くと低すぎだろう。お尻の谷間が何センチ分か、しっかり外に出てしまう。フロント部分に至っては、アンダーヘアーの一部がモサッとショーツの上から顔を出してしまっていた。
結沙は今、自分がどんな格好をしているのか、一応理解はしていた。けれど、あまり気にはならない。本音を言うと、とにかくこの気怠い恍惚の中で、いつまでも、まどろんでいたい。一秒でも長く、この催眠状態に浸っていたい。弘太の言葉はいつも絶対に本当のことを言っているのだから、いちいちその意味を考えたりしなくても、全部受入れておけば良かった。
「はい、こっちがフリップ。それじゃあ、レッツゴー。ラウンドガール結沙!」
フリップを持たされ、背中をポンと渡されると、結沙の意識はシャキッとしてくる。体にエネルギーが満ち満ちてくる。さっきまでのまどろみとはうってかわって、ステージには元気が溢れ出んばかりの結沙が立っていた。もっとも、普段の吉沢結沙ではない。ここにいるのは業界ナンバー1のラウンドガール結沙だった。
『今夜オナニーします』とシンプルに書かれたフリップを掲げて、結沙がステージ上を広く大きく使って闊歩する。「撮影係」という腕章をつけたスタッフ役の男子がカメラを構えるのを見ると、ポーズをとってウインクしてみせた。客席から見てステージの左端の縁まで行くと、そこはさっきの常連っぽい、オッパイ好きの男子たちが、三塁側コーチのような姿勢で眺めているゾーンだった。結沙はそこで足を広げて腰から体をかがめ、オッパイが斜め下を向くような姿勢になる。そこで思いっきり、肩を揺らし、自分のオッパイを揺すってやる。特にカップから露出してしまっている左のオッパイが、ユッサユッサと踊る。それを見て、ベテランっぽい観客たちが深く頷き、親指を立ててくる。やっぱり彼らは、オッパイマニアだ。結沙は彼らに投げキッスを送ったあとで、次の票田を探す。
ラウンドガール野乃とすれ違う。お尻をプリプリ振りながら、可愛い顔してなかなか過激なTバックをアピールして闊歩する野乃。結沙はクルリと体を反転させて、すれ違ったばかりの野乃の後ろをついていく。彼女よりもお尻を振って、彼女よりも足を大きくクロスさせて歩く。すると、結沙の、すでに半分ずり下がったショーツが、一歩ごとにズルズルと降りて行って、生のお尻がほとんど剥き出しになる。野乃のお尻に注目していたスケベ男子たちの視線を、結沙の生のお尻で奪ってやる。野乃の柔らかそうな、桃みたいなお尻もとっても魅力的だが、結沙の方が普段から運動をしている。キュッと上に上がったヒップの形には、これでなかなか自信があるのだ。だから野乃の真後ろを歩いて、彼女のお尻ファンたちの目を、結沙が全部もぎ取ってやる。即席の「野乃ちゃんファンクラブ」が出来ていたあたりまで来ると、結沙は立ち止まって、突き出したお尻を自分の手でパチーンと叩いてみた。この張りのある健康的な音は、お嬢様育ちの野乃のお尻には、出せないのではないだろうか?
結沙が「野乃ファンクラブ」の終結するあたりに投げキッスを送って、次の票田を探しながら歩くと、向こうから咲良がやって来る。彼女にも投げキッス。格上のラウンドガールとしての余裕を見せる。そして彼女とすれ違ったあとで、即席の「咲良応援団」が出来ていたあたりまで行って、一気にファン収奪行動に入る。『今夜オナニーします』というフリップを自分の股間に持ってきて、フリップの角を女の子の大事な部分に擦りつけるようなポーズを取って、「ウンウン」と頷いて見せる。そしてフリップを床に置いたら、客席に向けて膝を開くようにしゃがみこむと、ブラの右側のカップもずらして、オッパイを左右両方見せたあと、さらにショーツも引っ張って、中身を客席の一部に見せてしまう。悪戯っぽく舌を出した結沙は撮影係の構えるカメラに、オナニーの真似ごとのような仕草を見せた。
(優等生の咲良には、こんなこと出来ないでしょ? ………君たちも咲良のファンから、私に乗り換えなさいっ!)
本来は結沙の優等生っぷりも、咲良と大した違いはないはずだ。それなのに、今日の結沙は別人だ。大胆で開放的でエッチなラウンドガールになり切っているせいで、親友たちのファンを収奪することすら、悪戯感覚で楽しんでいる。さっき雪山で遭難しかけた時の、体を張った救助行為を見せた結沙とは、完全に違うキャラクターになりきってしまっていた。
梨々香が近づいてくる。3人のライバルたち、いや格下ラウンドガールたちの中では、唯一、背も高くてスタイルからしてラウンドガールに相応しい雰囲気があるのが彼女だ。他の2人がただただ、与えられたお仕事を懸命にこなして、全力の笑顔で愛想を振りまいているのに対して、梨々香はもう少し余裕を持って、客席からの注目や、このお仕事を楽しんでいるといったオーラがある。だから結沙は、ラウンドガール梨々香とだったら、共闘しながらお客さんの注目を競い合い、高め合うことが出来るような気がする。
そんな梨々香に、結沙がさっき曝け出した左右両方のオッパイを突き出して見せると、彼女も負けじと豊満でダイナミックなバストを抱え上げて、結沙のオッパイと密着させる。2人が肩を左右にズラしながらダンスのような動きを見せると、オッパイ同士が形を変形させ合いながら、擦れ合う。サイズ勝負なら梨々香には勝てないが、結沙のオッパイは形の良さでは負けていないと、本人は思っている。そして結沙の乳輪は梨々香のものよりも小ぶりで清純っぽくて、乳首の色も綺麗なピンクだ。どう思いますか? お客さん! 客席には笑顔を向けて、頬っぺたが擦り合うほどの距離でニコやかに共演。フリップを頭の上に掲げて、オッパイを押しつけ合い、お尻を限界まで後ろに突き出している結沙と梨々香は、客席からは円形を2人で描いているように見えているだろう。けれどその笑顔の下では、オンナ同士のプライドをかけた仁義なき戦いが繰り広げられていた。
「はい、一旦、催眠解けます。皆さん、正気に戻って椅子に座ってくださーい」
熱戦に、急に冷水をかけられたような感覚。急に冷静に周囲を見られるようになった結沙と梨々香が、密着させたお互いの体を、ゆっくり離す。
(なんちゅう恰好をしとるのかね………。)
お互いの、ほとんど裸、下着を申し訳程度に体に引っかけている程度の、情けない姿を呆然と見届けたあと、自分も同じ状態であることに気がついて愕然とする。急いで下着をきちんと着ると、自分で頭を抱えながら、椅子に戻っていく。
「大事なフリップはいいんですか?」
スタッフの男子に呼び止められるが、結沙はそのまま首を左右に振る。フリップに書かれた文言を思い出すだけで、振り向きたいとも思わなかった。なんであんなフリップを、自信満々に掲げて、ステージ上を練り歩けたのか、わずか数分前の自分の行動と心境が信じられなかった。
「ラウンドガールだった皆さん。客席から沢山応援をもらっていましたねー。結沙ちゃんと梨々香ちゃんあたりは、ちょっとサービス過剰だったかもしれませんが………。皆、観客をしっかり盛上げてくれました」
客席からクスクスと笑い声が起きると、結沙が両手で顔を覆う。ちょっと前に自分がここでしたことを思い出すだけで、走ってこの場から逃げたくなる思いだった。それでも実際には、お尻が貼り付いてしまったかのように、椅子から離れない自分がいる。………そして何より、服を着たい………。いつまで下着姿のままでいさせるつもりなのだろうか?
「さて、楽しく平和に盛り上がっていたこの会場ですが、…………実は皆さん、ご存知でしたか? ………ここに今、危機が迫っているんです」
弘太が表情を作って演技する。随分とこのショーマン役も板についてきたようで、自信を持ってこのショーを引っ張っている。
「女の子たち4人とも僕の言葉を、よーく聞いてください。皆さんにとっての本当のことになります。実はこの会場に、特殊な時限爆弾がいくつも仕掛けられているんです。皆さんは特殊部隊の爆弾処理班です。客席に入って、爆弾を見つけ出して、処理してください。さぁ、急がないとこの会場が爆破されてしまいますよっ。皆で避難している時間も無い。貴方たちが爆弾を見つけ出して、処理しなければいけませんっ。ほら、急いでっ」
カッチッ、カッチッ、カッチッ、カッチッ、
スピーカーから効果音が流れ出す。すぐに結沙の耳にはその音は、客席のどこかから聞こえてくる、不穏な時限爆弾の時を刻む音として聞こえるようになった。
「皆さん、立ち上がってください。この会場には、爆弾が仕掛けられています。落ち着いて、私たちの指示に従ってくださいっ」
咲良がステージの縁まで来て、客席に呼びかけている間に、結沙は客席の中へ分け入って、捜索を始めた。すぐに残りの3人も客席へ降りて、一緒に爆弾の捜索をする。真剣そのものの表情で必死の探索をしている爆弾処理班の女子隊員4名(下着姿)の行動を、見守るギャラリーたちは皆、クスクスと笑っている。
(自分たちには本当の危険は訪れないと思ってる………。これが『正常化バイアス』というものね。)
結沙は邪魔な男子をどけたり間に押し入ったりしながら、必死で爆弾を探す。どれだけ一般市民が彼女たちを信じていなかったとしても、彼らの生命を守ることが結沙たちの使命だからだ。
「なかなか、爆弾らしき物体は見つかりませんね。………それもそのはず、つい今しがた、犯行声明が送られてきました。時限爆弾は『人間型爆弾』として観客のなかに潜んでいるそうです。爆弾はお客さんの誰かみたいなんです。…………でも大丈夫。こんな時のために、爆弾処理班にも特別な探知機が埋め込まれています。もうおわかりだと思います。『オッパイセンサー』ですよね? 怪しい人がいたら、人間型爆弾かどうか確かめるために、被疑者に自分のオッパイを、直に触らせてください。人間型爆弾に触られたら、オッパイのアラームが鳴るはずです」
結沙たちは真剣な表情で頷いたあとで、躊躇う素振りも見せずに自分のブラジャーを剥ぎ取る。最初は何となくの勘に任せて、人型爆弾かもしれなさそうな人を見つけては呼びかけた。
「すみません。捜査にご協力ください。両手で私のオッパイを触ってもらえますか? ………はい、結構です。ご協力ありがとうございますっ」
「皆さんの安全のためなんです。センサーがきちんと作動するように、もう少ししっかりと、両手同時に触ってください。………恥かしいことではありませんよ」
『勘で人間型爆弾を探せ』と言われると、爆弾処理のプロである彼女たちも戸惑いを隠せない。時限爆弾の設定時間が迫っているかもしれないと思うと、結沙と同僚たちは不安と焦りの混じった視線を交わした。
「どうやら、捜査する側もされる側も、『手探り』状態みたいですね。ではこうしましょう。大型のオッパイ探知機を持っている梨々香さんと結沙さんはとにかく量をさばいていきましょう。しらみつぶしのローラー作戦です。怪しい人、そうでない人、先入観を持たずに、全員にオッパイを触ってもらってください。その操作のなかで『ムッツリスケベ』っぽい男子がいたら、爆弾の可能性があります。手を挙げて咲良さんと野乃さんによる『精密検査』に回してください。咲良さんと野乃さんはオッパイ爆弾探知機は小型ですが、その分、優秀な触覚・嗅覚・味覚センサーを持っています。野乃さんは被疑者とキスをして、唾液から火薬成分が感じ取れるか、検査してください。咲良さんは被疑者のズボンとパンツを下ろして、股間のタマの触り心地や匂いから、爆弾かそうでないかを判断してください。わかりましたね」
「はいっ」
4人の声が揃う。気がつくと結沙は、上半身裸の状態で、敬礼までしていた。
「捜査にご協力お願いしますっ。皆さんこちらに2列を作ってください。会場が狭いので、列を蛇行させてください。こちらで順番に私たちのオッパイを両手で触ってもらいます。ご迷惑おかけしますが、センサーが反応したら、こちらで精密検査を受けて頂きますので、ベルトは外してお待ちください」
「安全のため、ご協力お願いしまーす」
「きちんと機械が判定できるように、恥かしがらずに10秒間はしっかり両手で触ってください」
4人が声を張り上げて、協力し、声がけ、列の整理、検査とそして精密検査を、遂行していく。結沙と梨々香の許可を得て、堂々とオッパイを触らせてもらう。恥ずかしがって簡単に済まそうとする男子がいたら、真面目な結沙はやり直しを求める。梨々香は優しく自分から手をとってオッパイをしっかり触らせる。その時の反応を見ながら、『ムッツリスケベ』っぽいと感じた場合、結沙と梨々香は咲良と野乃による精密検査へと送り込む。連れていかれた男子は2メートルほど離れた場所で、野乃からキスをされ、同時にズボンとパンツを下ろされて、咲良にタマを揉まれたり、顔を近づけてタマの匂いを嗅がれたり、時々ペロッと舌で追加検査されたりする。それを至福の表情で楽しむ強心臓な男子もいるし、仲間の男子に囃し立てられながら、恥かしそうにやり過ごす繊細な男子もいる。とにかく真剣・深刻な表情で爆弾処理に勤しむ処理班4人とは対照的に、男子のギャラリーたちはハシャイだり浮かれたり。そのギャップは広がるばかりだった。
「人型爆弾だと検査の結果、わかったとしても、絶望することはありませんよ。ちゃんと処理対策は判明しています。その人型爆弾が暴れないようにこっちのマットとブルーシートの上に寝かせて、抑えつけて、口を処理隊員のキスで塞いでください。乳首が乾燥していると着火のリスクがあるので、服を脱がせて乳首を舐めてやれば、不意に爆破するリスクはかなり低下します。あとは落ち着いて、4人で力を合わせて、射精に導いてやってください。精子を排出させれば、もう爆破の恐れはありません。一般市民と同等に扱って良いですよ」
弘太の言葉に敬礼で返す女子たち。男子たちは「よっしゃー」と喜びの声をあげる性欲派と、「ギャー、勘弁してくれ」と嫌がって見せる、冷静装い派とに分かれて、それぞれ反応した。
「ちなみに捜査や精密検査で、爆弾ではないと判明した一般市民の人たちは、そのことを爆弾処理班のデータベースに登録することで、次の捜査がより効率的に進みます。嫌がる人は無理強いしないで良いですが、出来るだけ多くの市民に、登録をお願いしましょう。隊員の皆さんのお尻の穴には市民の網膜パターンをスキャンしてセンター登録するための高性能カメラがついています。だから安全が確認された市民には皆さん4人の誰かを指名してもらって、目のスキャンを、『網膜アナライザーカメラ』で実施させてもらいましょう」
早口で、意外と細かい設定をまくしたてた弘太に対して、小首を傾げた梨々香が、一応敬礼しながらも、ただ目をパチクリさせている。けれど、察しの早い咲良が、爆弾ではないと反映された男子に「網膜スキャン登録へのご協力をお願いします」と告げた後で後ろを向き、お尻を突き出して両手で広げ、お尻の穴をグッと突き出すと、それを見ていた梨々香が、やっと頷く。これで爆弾捜査にもう一工程が加わった。結沙か梨々香のオッパイを10秒間タッチして、その柔らかい弾力を楽しんだ男子は、『ムッツリスケベではなさそう』と判定されると、4人の美少女の中から一人を選んで、至近距離でお尻の穴をマジマジと観察させられる。もしも『ムッツリスケベっぽい』と判定されると、場所を移して野乃にキスされ、咲良にズボン・パンツを下ろされてタマをまさぐられ調べられる。たいていはその後は、4人のうちの誰かのお尻の穴を観察して、放免となる。時々、スパイラル・サークルのメンバーの悪友や、調子に乗っている陽キャ、あるいは弘太が個人的にこだわりのある相手が来ると、オッパイ判定でも精密検査でも『爆弾』と判定される。弘太やスタッフが口でブザー音を真似ると、美少女たちは真剣そのものの表情で、引っかかった男子をマットの上、ブルーシートの敷いてある場所へ引っ張っていく。4人がかりで寝かし、抑えつけ、脱がせたうえで、キスと乳首舐め攻撃を与える。最後は4人一緒に、その男子のモノを掴んで、梨々香の見本を真似ながら、手でシゴいて射精へ導く。その命がけでの崇高な治安維持の現場を、撮影係が間近で写していく。
4人の手でしごき上げられて、射精している体育会系サークルのキャプテンや副キャプテンの締まりない顔。腕組みしながら射精している、妙に髭の濃い、ベテラン然とした観客。自ら列の先頭に立つ男子にオッパイを触らせている、毅然とした表情の結沙。2人に同時にオッパイを触らせて、大車輪の活躍を見せる梨々香の頼もしい姿。不特定多数の知らない男子とのキスにも徐々に慣れてきた様子で、テキパキと唇を重ねていく野乃の無駄のないキス動作。そしてメガネを手で直しながら、調香師かソムリエかといった表情で、男子高校生たちの汗に蒸れた睾丸を吟味している咲良。さらには4人それぞれが、しゃがみこんだ男子の顔の至近距離でお尻を突き出し、片手でお尻の肉を引っ張り分け、お尻の穴を見せつけながら、市民の網膜登録への協力に感謝して、カメラへ向かって笑顔で敬礼している写真。すべて、スパイラル・サークルの財産と、そして次の活動の原資として、蓄積されていくのだった。
結局この音楽室には、80人くらいの観客がひしめいていたのだろうか? 結沙たち爆弾処理班は、全員の捜査・検査を完了し、合計で11個もの人型時限爆弾を発見、処理することが出来た。1人の命も失うことなく、任務を完了することが出来た時には、結沙も梨々香も咲良も野乃も、両手を床について、ぐったりと体力回復を待つ必要があるほど、疲労していた。それでも、会場を爆破から救い出すことが出来たという達成感は何物にも代えがたい。心地良い疲労感とも言えた。最後に4人。すでにまた、全裸になってしまっていたが、ステージの上で等間隔をとり、直立して敬礼する。協力してくれた市民の方々、そして処理が済んだ爆弾の人たちもなぜか、結沙たち以上にスッキリとした表情で称賛の拍手を送ってくれた。
「はい、催眠解ける。皆さん、いい加減、服を着たらどうでしょうか? ………席に戻ってくださーい。人型爆弾。オッパイセンサーの探知機………。全部信じてました? ………お尻の穴についてる網膜アナライザーカメラって、ひどいダジャレですけど、見事に信じてくれていましたね。…………皆さん、おうちや学校で、今日自分たちがしたことを、うかつに話しちゃ駄目ですよ。そっちの方がよっぽど、爆弾発言だと思われちゃいます」
弘太の、軽妙を通り越して、もはや腹の立つ感じのトークも、聞き流しながら、結沙は急いで下着をつけなおし、制服を着る。スカートを履き、チャックをしめて、シャツに袖を通してボタンを留めていく。襟元のリボンを付けようとなった時に、少しだけ迷う。
(………たぶん、このリボン、せっかく結んでも、………きっとまた解いちゃう羽目になるような………だったら、このままにしていても…………。)
結沙がチラッとショーマン役の小湊弘太を見ると彼と目が合ってしまい、ドキッとしてリボンを握りしめる。
(いやいやいや。なんで私、どうせまた脱がされるって、受入れちゃってるの? ………駄目! ………結沙、しっかりしなさいっ。)
自分を叱咤するような気持ちでリボンを結び始める。この行為がまるで、スパイラル・サークルという怪しげなサークルへの抵抗活動であるかのように感じながら、結沙は決意を胸にしてリボンを結んでいく。………けれど結び終わらないうちに、弘太のアナウンスが入ってきた。
「はい、だいたい服も着れたら、お次の暗示に移りますよ。体の力を抜いて、また深ーい催眠状態に入ります」
結沙は弘太の言葉を聞いても、リボンを結び終わるまでは何とか手から力を抜かないように、歯を食いしばった。今の彼女にとっては、きちんと制服を着終えるということが、このサークルの変なショーに、最後まで弄ばれないという、意志表示のように思えたからだ。あと少しで、綺麗なリボン結びが出来る………と思ったところで、彼女の両手からすっかり力が抜けて体の横に垂れさがる。毅然とした表情を作っていた顔も、緩んでいって、口を開けて眠りに落ちてしまった。
「このあとで僕が3つ数えると、皆さんは目が覚めます。けれど目が覚めた時、貴方たちは筋金入りのレズビアンになっています。もう客席から男子たちが見ていようが、誰がどう思おうが気にならない。女同士の愛の交歓に夢中になります。邪魔な服なんて全部脱ぎ捨てて、生まれたままの姿に戻って、お互いの体を貪り合いますよ。けどそれだけじゃない。貴方たちは僕が指名した女王様以外は皆、天性のマゾヒストになるんです。身も心も、イジメられて辱められるのが嬉しくて仕方がない。貴方にとって屈辱は際限なく興奮を呼ぶスパイスです。さあ目を覚ましましょう。3、2、1。おはようございます。ドМのレズビアンさんたち。女王様はなんと、野乃様です」
目が覚めると同時に、結沙は邪魔くさいリボンを剥ぎ取って、うち捨てていた。制服なんて、自分のようなものが着ているのはもったいないと思った。まるで彼女たちの女王様である、城崎野乃様と、自分たちを同格に置こうとしているような、思い上がった行為ではないか。野乃様のような神々しい存在の前では、自分のようにちっぽけな存在には服も恥じらいも嗜みも必要ない。ただの裸の動物で充分だと思って、ただちに素っ裸になった。そうやって自分を卑下して考えるたびに、結沙の股間はキュンキュンとヒクつき、頭は快感でクラクラする。急いで全裸になると、他の女子たちと競い合うようにして、彼女たちの女神のような存在である、野乃様の前にひれ伏した。このポーズと位置関係からすると、きっと客席の側からは、土下座する結沙たちのお尻そしてその前にある、人様に見せてはいけない部分まで、見えてしまっていることだろう。
同じく裸になって両手を腰に当てて、偉ぶっている野乃様、その片耳に弘太が何か囁きかけると、女王様は頷いて、命令を下した。
「私の哀れな下僕たち。私に服従を誓うなら、足の指を舐めなさい。…………自分のじゃないっ。私の足の指をしゃぶるの」
全裸のまま寝転がって、自分の足の指を舐めようとしていた梨々香も、ハッとして女王様の足元にすがりつく。椅子に腰下ろした野乃様の足先に咲良と結沙、そして後から梨々香が舌を伸ばして恭しく足の指を口にふくむとチューチューと音を立てて吸い始めた。手持無沙汰に感じたのか、咲良が結沙のオッパイに振れる。結沙も咲良の小ぶりのオッパイをまさぐった。女王様に服従を誓いながらも、可愛い女の子の裸が近くにきたら、我慢できなくなってしまうのだから仕方がない。彼女たちは筋金入りのレズだった。
「梨々香と結沙。こっちに体を横にして寝そべりなさい。貴方たちの生意気なオッパイを、私が踏んであげる。オッパイ大きいからって偉そうにしている、罰をあげるね」
慌てて四つん這いで移動した結沙と梨々香が、言われる通りの姿勢で寝そべる。野乃は椅子に座ったままで、左右の足で結沙と梨々香のオッパイをギュウギュウと踏みつける。踏まれている2人は痛みと興奮とありがたさとで、歓喜の涙を流し、涎を垂らしながら喘いだ。
「はい。野乃ちゃんが女王様とシモベごっこは一旦終わりでーす。残り時間があまりなくなってきたからね。ちょっと急がないと………」
弘太の声で、結沙たちは正気を取り戻す。座ったまま口元を両手で押さえてショックを受けている野乃は、親友たちにペコペコ謝る。
「結沙ちゃん、梨々ちゃん、ゴメン! ………わたし、なんか急に偉くなったような気がしちゃって、ひどいこと…………。ゴメンなさい。許して」
「……………いいんだけど………。足だけどけてくれるかな?」
戸惑っている女子たちに弘太は追い打ちのように暗示をかける。
「女王様ごっこは終わったけれど、皆はまだ、ハードなレズビアンのままですよ。近くにいるのは何でしょう? 裸の美少女なんて見て、我慢出来ますか?」
その声を聞き終わらないうちに、結沙たちは両手を広げて、近くにいる女子同士で抱き合って、ペッティングを始める。結沙は気がついたら、さっきまで罪悪感で泣きそうだった(そしてその前は踏ん反り返って結沙のオッパイを踏んづけていた)野乃と抱き合っていた。愛し合えば、全てのわだかまりは溶けてなくなる。そう思って結沙は野乃に頬ずりする。野乃からも、キスを求めてきた。
(あぁ……………確か………、この子と今、キスしちゃうと、何十人もの男子とも間接キスすることになるんだよなぁ……………。まぁ、しょうがないんだけど………。)
生来のレズビアンである結沙は、こんな可愛いルックスの野乃の唇を奪うチャンスを与えられたら、そのチャンスを見過ごすことなんて出来ない。この唇に今日、何人の男子が吸いついたのだろうかと思うと、少し気分が下がりはしたが、それでもプルップルのゼリーのような野乃の唇は、キスするだけで結沙の快楽中枢を強力に刺激した。
(やっぱり女の子の唇って柔らかくて気持ちいいな………。本当は私はもっと、固くて力強い唇や舌が好みだし気持ちいいはずなんだけど…………。今の私はレズビアンなんだし、こっちの方も…………。……………………ん? …………私は、何とくらべるんだ?)
また、考え出しても答えに辿り着かない、不毛な思考の迷い道を進もうとしている自分に気がつく。まるで永遠に目的地に辿り着かない。スパイラルの中を歩いているような感触だった。そんな自分を踏みとどまらせるように、結沙は目の前の作業に集中することにする。その作業とは、野乃を気持ち良くさせることだ。そして野乃にも気持ち良くしてもらうこと。それはとても簡単な作業のはずだ。だって野乃はこんなにも可愛らしくて、結沙はこんなにも、可愛い女の子が大好きだからだ。ほら、もうこんなに、結沙のオンナノコの部分がグチョグチョになっている。試しに自分の指でぬぐってみる。その指を口まで持ってきて、チュッと口に含む。口いっぱいに、頭一杯に、幸せが広がる。だからこの幸せを可愛い可愛い野乃にも味わってもらいたい。そして野乃の幸せエキスも口一杯に受け止めたい。そう思って結沙は、親友の体を両手と口とで懸命に愛撫する。野乃のちょっと拙い愛撫も、可愛らしい。全身で受け止めて悶えて喘いで見せる。そのお互いへの信頼が、さらに二人を快感の頂点へと引き上げてくれる。気がつくと結沙のお尻をサワサワと撫でてくる手がある。咲良だ。梨々香と絡み合いながら、結沙の体も愛してくれる。そんな咲良が愛おしくて、結沙も野乃を舐める合間に、咲良の背中にも舌を伸ばして這わせる。気がつくと2組のカップルは、1組の乱交レズビアンの輪になっていた。
「そうそう。輪っかを作って。四つん這いで、前の人のお尻に顔を押しつけて舌を目一杯伸ばして、アソコを愛撫しよう。どんどん気持ちが高まってくる。イヤラしい音を立てると自分も興奮してくる。もうすぐイキそうになる。でも我慢だ。イク時は皆、一緒にイこう。ほら、もうすぐ………もうちょっと………でも我慢我慢…………もう我慢できない? ………もうちょっとだけ………」
イキたい。その気持ちが暴走して、結沙は背筋を弓なりに反らしてお尻を突き上げる。もう、一舐め、咲良にされたら、弾けてイってしまいそうだ………それでも我慢しなければならない。まだ合図はもらえない。結沙は狂おしい思いを、自分の舌先にこめて、必死で野乃のアソコを舐めまわす。野乃ももうイク寸前のところでなんとか踏みとどまっていることは、四つん這いのまま、つま先立ちになっている野乃の、突き上げられたお尻にできた鳥肌からわかる。もうみんな、とっくに限界を迎えているはずだ。
「はいっ。イっていいですよっ。もう何回もイッちゃう。潮も噴きまくる。イって、イって、イキまくるっ」
体を貫いて突き抜けた快感の稲妻に、結沙が白目をむいて痙攣する。そのままおかしくなってしまいそうで、無意識のうちに、野乃のお尻に噛みついて、暴れる快感に耐えようとしていた。結沙の顔に熱い液体がビシャビシャとかかると同時に、自分の下半身も、凄い量の液体を放出していることを知った。ビクンッ、ビクンッと体を震わせたあとで、結沙は気持ち良すぎて気を失ってしまったのだった。
「結沙ちゃん、結沙ちゃん………。大丈夫?」
だらしない笑顔を顔に浮かべて、呆けたように天井を見つめていた結沙に、親友の野乃が呼びかける。
「………………野乃? ………あれ…………わたし…………」
「フフッ……。もうレズじゃないよ。………結沙ちゃんも、私を見ても、変な気になったりしないでしょ?」
野乃かに優しく教えられて、結沙はだんだん状況が飲み込めてくる。彼女が発情したレズビアンだったのは、ショーの間にかけられた暗示のせいだ。本当の彼女はレズじゃない。目の前にいるのも恋人でもセックスフレンドでもない。結沙の親友で、同じ学校の友だちだった。
「私…………。イキ過ぎて、気絶してた?」
「………ん………。そうみたいだね。………安心して。もう、催眠術ショーもおしまいだって」
野乃が結沙の頭を撫でながら、安心させるように微笑む。
「あんたたち、そろそろ『お別れ感謝タイム』だけど、どうする? あの弘太って奴が、疲れ果ててたら参加しなくても大丈夫って言ってるけど」
咲良の声がする。結沙は気丈にも頑張って体を起こして、咲良に手を挙げて見せた。
「大丈夫。『お別れ感謝タイム』、すっごい大事だから、私だけ休む訳にはいかないもん。………ここまで4人で頑張ったんだから、最後までやり遂げるよ」
結沙が起き上がると、咲良も野乃も、梨々香も笑顔で頷く。妙なやる気が胸に満ちていた。今から裸のままで会場を10周くらいランニングしたっていいくらいの、変に前向きなテンションだ。それを見て、ステージ上の弘太が、一番大きな笑顔で頷いていた。その弘太の笑顔に見送られて、結沙たちはステージを降りる。
「お楽しみいただけましたでしょうか? ありがとうございましたー。………んチュ……」
「ご観覧ありがとうございました。………ブチュ………」
「………ん…………んん………………チュパッ………。ありがとうございました」
裸のままの姿で会場の四隅に散らばった4人の美少女は、会場のお客さんたち一人ずつ、感謝のキスをして回る。誰に教えてもらったのかは思い出せないが、ショーの出演者としては、当然のマナーだと思い、全くタイプじゃない男子たちにも丁寧にキスをする。舌を入れられても我慢して受け入れるし、キスの間にオッパイやお尻を触られても、笑顔で応じる。結沙や梨々香にとっては、このショーのなかで沢山の男子に胸を触られるのは、初めてではない………はずだ。それでも、今回が前と違うのは、ショーに最後まで付き合ってくれたお客さんたちに体を触れられると、結沙たち4人は幸せな快感に包まれるということだ。彼女たちの巡回を心待ちにしている男子高校生たち。彼らと唇を重ねるたびに、胸を揉まれ、乳首を触られ、お尻を撫でられる。そのたびに、快感に身をクネらせて、抑えられない喘ぎ声を漏らす。彼女たちのキスや体の感触、そしてタッチされた時のエッチで可愛らしい反応が、観客たち一人一人へのお土産になっているらしかった。
また途中で4回か5回はイッてしまっただろうか。結沙たち4人は、溢れる多幸感と性的な快感のせいで陶然となりながら、最後は膝立ちになっても四つん這いになっても、お客さんたち一人一人に感謝のキスをして、体を触らせて回った。全員への『お別れ感謝』が終わった時には、4人とも意識が混濁し、ただただ快感の余韻に浸りながら弛緩した状態になっていた。
「お疲れ様でしたー。全員分完了したら、ステージに戻って来て、席に座ってくださーい」
結沙はクタクタになった体を、やっと放り投げるようにして椅子に身を預ける。その後は、弘太の暗示の必要も無く、椅子の上で深い眠りに落ちた。
「…………ということで、これから3つ数えますからね。そうしたら、今まで話した通りになります。僕が言ったことは起きている間は思い出せません。でも必ずそうなりますよ。はい、3、2、1。スッキリ目が覚める。…………おはようございます!」
弘太のはりきった声で、結沙の目が覚める。少しウトウトしていただろうか? その程度には、彼の催眠術もかかっていたのかもしれない。………いや、これも、『催眠術ショー』と銘うっておいて、ほとんど彼の催眠術がかからなかったことによる、恐ろしい空気の悪化が可哀想で、途中から結沙が敢えて彼の暗示に、積極的にかかってあげるような形になった、そのせいかもしれない。とにかく、催眠術ショーで催眠術が女子高生たちにほぼかからないという大惨事があったにしては、弘太の声には張りがある。そのメンタルの強さには、結沙も少し感心していた。
「さて、催眠術、如何でした? 人によっては凄くかかりにくかったり、かける人との相性の問題もあったり、皆から注目されているという、この環境のせいでかかりにくくなることもありますが、どんな感想を持ちました?」
弘太が、客席から見て右端に座っている梨々香に聞く。
「え? ………感想も何も…………。ま、途中から眠くなっちゃって、そこからはスヤスヤ安眠出来ました。でもそれって、催眠術の力っていうか、あまりにも全然かからないんで、眠くなっちゃったってだけだと思うんですけど………」
梨々香は自分の髪を弄りながら答えた。
「野乃ちゃんはどう思いました?」
「………あの、…………期待してもらったようには、かからなくて、…………ゴメンなさい。皆さん、せっかくの学園祭の中の、貴重な時間だったのに………」
優しい野乃は、お客さんやスタッフ、弘太のことを慮って、なんだか申し訳なさそうにしている。全然、野乃のせいなんかじゃないのに、と、見ていて結沙の方が、野乃を可哀想に思った。
「咲良ちゃんはどうでした?」
「んー。改善点ばかり見つかった気がします。私、催眠術って全然詳しくないんですけど、人前で披露する時に、導入準備みたいなものって事前に必要ないんですか? 初対面の人ばっかりで、これだけ見る側と見られる側の男女の比率がハッキリわかれたら、リラックスも何も出来なくないですか? …………弘太さんの腕の問題というよりは、もっと大元の、企画というか戦略でつまずいていたんじゃないかと思うんですけど」
「ご意見、アドバイス、ありがとうございます!」
咲良の、なかなか辛辣な感想に対しても、弘太が深々とお辞儀をすると、客席にはクスクス笑いが広がる。大失敗だった催眠術ショーなのに、観客たちは意外なほど温かい目で、見守っているようだ。
「結沙さんは如何でした? 苦戦する催眠誘導にお付き合い頂くのも、結構、体力が必要だったと思うんですが、疲れましたか?」
「…………確かに、なんか、クタクタというか、………今は全身がフワフワしている気がします」
喋りながら結沙は無意識のうちに制服のリボンに触れていた。こんなに沢山の男子たちの前で喋るということは、やはり緊張する。その意味でも、歯に衣着せずにバッサリ切ってみせた、咲良は偉い。
「ショーの間、気持ち悪くなることなどはなかったですか?」
「……………こう言うと……不思議なんですけど………。気持ちは…………その………良かった…………かな?」
全然被験者に催眠がかからず、大失敗だったショーに、せめて感想戦くらいでは出来る協力をしてあげたいと思った結沙が、正直に話す。彼女が「気持ち良かった」と答えたところで、客席から拍手喝采が巻き起こった。指笛を吹く男子。仲間同士でハイタッチを交わしている男子。その様子を、キョトンとした表情で結沙が見ていた。
「それでは客席の皆さんも、長い間、お付き合い頂きまして、ありがとうございました。文化サークル連盟の、他の演目も、プログラムに書いてあります。崇泉祭をまだまだ、楽しんで行ってください」
客席からは、なかなか盛大な拍手が起きる。まるで成功したショーへ送られる拍手のような音量だ。結沙は不思議な気分と、申し訳ないような気分とが入り混じった、複雑な表情をしていた。
「皆さん、お帰りの際は、忘れ物のないように、お願いしますね。特に『ジャンケン大会』の勝者の皆さん。貴重な戦利品ですから、忘れて置いていってはいけませんよ」
結沙は初めて聞く企画の名前に、引っかかった。『ジャンケン大会』など、どこにもなかったではないか?
「はーーいっ」
「絶対、忘れません。家宝にしますっ」
「今夜使いまーす」
客席のあちこちで、『ジャンケン大会』で勝利したらしい男子たちが興奮気味に何かを掲げる。薄紫色、ピンク、黒に白に赤に水色。誇らしげに彼らが掲げる布。特に淡い水色の縫製品には、見覚えがあった。
(………え? ………なんで? ………あれ、わたしの…………。…………どういうこと?)
驚きで口を開けた結沙が、反射的に自分の胸元に、制服の上から触れる。違和感がある。左腕で胸元を隠すような仕草をしながら、右手で自分の腰から下にも触れる。スカートがじかに、素肌に触れる感触。パタパタと自分の体を制服の上から叩きながら、結沙は、自分が今、下着を身につけていないことに気がついた。結沙の下着はそう、ブラもショーツも、今、客席にいる、『ジャンケン大会の勝者』たちが、嬉しそうに掲げていたり、景気よく振り回していたりしている。開いた口が塞がらないという、絵に描いたような驚愕っぷりを見せる美少女たちに、客席の男子たちはどこかスカッとした、という様子で爆笑している。
「え? なんで………。私の下着、返してっ」
「やだっ…………。ない………。着てない………。どうしようっ」
「………………嘘………。どういうことなの? ………私のショーツだけ、誰も持ってない………。あと、あのフンドシ、何?」
結沙以外の3人も、自分たちがノーブラ、ノーパン状態であることに気がつくと、さっきまでの余裕が一瞬で消滅して、身を縮めて狼狽え、恥かさに悶える。いつ、自分が下着を脱ぐようなことをしたのか、その時、自分の裸は誰かに見られたのか。なぜ、最もプライベートな私物が、『ジャンケン大会』の勝者の手に渡っているのか、自分はそんなことに了承したのか。何もわからなくて、頭を抱える。結沙も恥ずかしすぎて、わからなさすぎて、ステージ上に両手と両膝をついていた。
「ステージ上の皆さん、気をつけてください。ステージには強力な瞬間接着剤がベットリ塗られています。手足がひっついたら、取れませんよ」
弘太がそういっただけで、結沙の両手、両膝はステージの床から1ミリも離せなくなってしまう。さっきまで、何もなかったはずの床に、一瞬で接着剤を塗りこめるなんて、物理的に不可能なはずだ。それなのに、結沙の手は離そうとしてもビクともしてくれないし、心なしか、有機溶剤のツンとした匂いまで、鼻に感じ始める。
(…………これって……………。催眠術? …………大失敗………………してないの? ……もしかして。)
結沙が親友たちに注意をしようとした時にはもう遅かったようだ。梨々香は客席に自分の下着を取り返しに行こうところで、急に足が床に貼り付いてしまったために勢い余って倒れこみ、両手を床についたところで動けなくなった。咲良は両足が床から離れなくなったのを不可解に思って体を折り曲げて前屈して床を手で触れたところで接着された。野乃はそんな咲良を助けようと、頑張って足を引っ張ってあげたのだが、あまりにも強く接着されていたため、引っ張ろうとした両手が滑って後ろに尻もちをついた。そこで起き上がろうと両手をついたところで、足を開いた、はしたない恰好で接着完了。お尻まで床から離れなくなってしまっていた。
「う…………動けない………。貼り付いちゃってて、離れない…………」
「さっきまで、接着剤なんて、なかったはずなのにー」
「………これって、もしかして、催眠術?」
ピンポーン。
準備されてタイミングを図っていたかのように、スピーカーからクイズ番組の正解時の効果音が鳴った。変なポーズのまま、苦しそうに弘太を見上げる咲良が、ハッとした表情になる。結沙もまだ口を開けたまま、不穏な結論に近づきつつあった。
「私たちって、ひょっとして、………催眠術、かかってたの? ………覚えていないだけ?」
結沙が四つん這いのまま、顔をあげてそこまで言うと、また例の、ピンポーンという、間の抜けた効果音が鳴った。
「それじゃあ、今日、大活躍だった4人の可愛い子ちゃんたちに、その活躍の全貌を思い出してもらいましょう。貴方たちは今から僕が指を鳴らすと、今日、この舞台で、自分のしたこと、されたこと、友達がどうなったか、ジワジワ―ッと思い出していきます。半分夢だったかのような程度の思い出し方で良いです。いきなり全部リアルに思い出すと、ショックも大きいですからね。セピア色の思い出っていう程度に、ジワーッと思い出しましょう。はい、ティック」
弘太が指を鳴らす。彼は「セピア色の思い出」といったが、霧がゆっくりと晴れていく結沙の意識の上に浮上してきたもの。それはまるで、今日出来立ての、彼女の『黒歴史』そのものに思えた。
「うわーっ。なんだこれっ。嘘嘘嘘っ」
「え? これ、本当に起きたことですか? …………私、困りますっ………」
「…………………いやだ………」
「やーっ。こんなの嘘ーっ」
「それでは、お客様退場です。本当にありがとうございました。………最後、キャストにも楽しいショーをありがとうって、声かけてあげていってくださいね」
拍手が鳴りやまないなか、ステージ上を歩き回ってお辞儀している弘太が、四つん這いになった結沙の後ろを通り過ぎる瞬間に、ペロッとスカートの裾を後ろから捲り上げる。背中の上に、裏返ったスカートの裾をのせた。ショーツを穿かずに四つん這いになっている吉沢結沙の恰好は今、後ろから見たらどんな恥ずかしい、情けないことになっているのだろうか? 想像もしたくなかった。
「ひーっ。やめてっ。スカート戻してっ。ショーツも返してよーっ」
「結沙ちゃん、それよりも、小人さんが君の脇の下と足の裏を、コチョコチョくすぐりに来たよ」
「ひゃー、ひゃははは、やめてっ。くすぐったいっ。………お願い、小人の国に帰ってっ」
スカートを捲り上げられ、ショーツも穿かずにお尻や大切な部分を丸出しにしている結沙が、体の敏感な部分を小人にくすぐられる感覚から逃げようと、身を捩ってクネらせながら笑い続ける。目に涙を溜めて、お腹が痛くなるほど笑っている彼女の前を、今日の観客たちが満足そうに退場していく。弘太の目を盗んで、結沙のお尻をじかに撫でていく男子もいる。
「結沙ちゃん、ありがとうっ」
「とっても可愛かったよ。………あと、オッパイも綺麗だね」
「肌がスベスベだったよ。結沙、最高」
「キス、忘れないからね。高校時代、最高の思い出だよ」
男子たちはショーに大満足したようで、結沙に口々に感謝を述べて去っていく。嬉しくないコメントも相当多かったが、結沙は体が動かせないなかで「見えない」小人にくすぐられ続けていて、笑い声しか出すことが出来なかった。
結沙の友人たちも、状況は似たり寄ったりのようだ。梨々香は結沙と似た四つん這いのポーズで固まっていたが、スカートを捲って裏返らされた他に、シャツのボタンも4つほど外されて、下を向いたオッパイが、彼女の笑うたびに小刻みに揺れる様を、退場していく男子たちに間近で見られていた。涙まで流して笑う彼女の姿はまるで、半裸の状態を見られて喜んでいる、少し頭の残念な美女のようだった。
膝を伸ばした前屈姿勢で手足が床にくっついている咲良はスカートを捲られるとお尻から大事な部分までが、丸見えになっている。彼女の場合は頭を下にして笑うたびに、メガネがオデコの方までズレていく。そのメガネすら直せず、ヒーヒー言いながら笑っていた。
野乃は尻もちをつき、両膝を広げて両手を後ろに着いた状態で固まっている。なので、スカートを膝上までまくられたら、アンダーヘアーと恥ずかしい割れ目が丸出しの状態。そんなポーズで目を垂れ目にして笑い転げている彼女は、可愛い顔のつくりと、過激なポーズとのギャップで、イヤラしさが際立ってしまっていた。
「……これで全員だね。………扉閉めて………。はい、皆さん、お疲れ様でしたー。ショーはこれで本当に終わりです。女の子たちも手足が接着剤から解放されるよ。小人さんたちも国に帰ります。はい、ティック」
弘太の合図と同時に、結沙たちはそのまま床に崩れて、突っ伏したり、仰向けに寝転がって、腹筋が落ち着いてくれるのを待った。笑い過ぎると腹筋がひきつったように痛むし、結構な体力を消耗する。グッタリした様子で、呼吸が落ち着くのを待った。
「…………どこまで…………。どこまでが…………。本当に起こったことなの?」
結沙は、まだ若干荒い呼吸を整えながら、弘太に聞く。彼女が思い出した記憶は、昨日見た夢のように、前後関係がゴチャゴチャしていて、どこまでが本当のことで、どこからが弘太の暗示で本当だと思わされている妄想なのか。それすらも整理がつかない。
「私、人前で自分から裸になりました? 信じられない……。………お嫁に行けない………。お母さんに怒られるっ。どうしよう……」
「野乃は………アタシと結沙のオッパイを足で踏んづけたよね? ………あれって、本当に野乃がやったこと?」
「………私って………いうか…………。その、………女王様……だよ。多分」
「それ言ったらさぁ。咲良ってさっきオモラシ………」
「していない」
ゴチャゴチャ話し合っている梨々香と野乃に、咲良が鋭利なナイフのような返答で割って入った。
「でも、咲良ちゃん、たしかにさっき………」
「………わたしは、そんなこと、していない。………いいね?」
メガネの奥の井関咲良の眼は、どんな催眠術師よりも凄そうな眼ヂカラで、梨々香や野乃の反論を押さえつけた。
「イ………、イエッサー」
咲良が友人たちに歴史の改竄を要求している間に、結沙はふと、自分が大事にしてきたことについて、気にしはじめる。口元に手を当てて、皆に聞いてみた。
「ねぇ…………。もしかしてなんだけど…………。私って、…………ファーストキスって、守れてないこと………ないかな?」
『もう、全然無理。キスしまくってた。』
3人の声が綺麗に揃う。
結沙は打ちのめされ、よろめいて膝から崩れた。
「最悪だよーっ。…………初めては、優しくて、笑顔の可愛い男の子と、って、決めてたのに~ぃぃいいっ!」
結沙の取り乱しようを見て、梨々香も野乃も、咲良も、慰めようとそばについてくれる。ベソをかく結沙に友人たちがフォローの言葉をかける。
「あんまり覚えてないなら、してないのと一緒で良いんじゃない? ノーカンだよ」
「理想を高くし過ぎると、結沙みたいな美人ほど、かえって彼氏なかなか出来ないっていうパターンもあるから。今日は、なんていうか、ふっきれるための良い機会だったというか、事故だったというか………」
「あのね、結沙ちゃん、私、思うの。たぶん、さっき結沙ちゃんが誰彼構わずにチューしてた80人の中に1人くらいは、優しくて笑顔の可愛い男の人もいたんだよ。きっと。そう思ったら、願いがかなったようなものじゃないかな?」
「そんなのイヤーァァアッ」
「…………今のは、野乃が悪いよ………」
「はーーい、皆、落ち着いて。音楽室の撤収も無事進んでいるので、今から、ショーマン役をやった僕と出演者の皆さんは、一足先に、サークル棟の、部室に移動しましょう。先輩たちやスタッフも交えて、打ち上げをしますから」
弘太の言葉に、女子たちがどよめく。
「はぁ? ………さすがにもう終わりでしょ? ………帰りたいんだけど」
「もう、これ以上、私たちを弄ばないでください」
「移動って、この音楽室出たら、さっきのショー見てた人にまた、見られるかもしれないよね? ………無理。私はここから出ない。何ならここに住む」
「皆、落ち着いてよ………。しょうがないなぁ」
弘太が一つ溜息をつくと、人差し指を一本立てて、女子たちに見せる。もう声色も変わっていた。
「はい皆、この指先をよーく見て。もう目が離せない。この指がクルリクルリと渦を巻くと、皆は『スパイラルの旅行者』だ。何にも文句を言う気も起らない。いや、そうだ。よーく考えると君たちは、ただのブリキの兵隊さんだ。何も考えず、僕が指示したところまで、真っ直ぐ行進するだけの、機械仕掛けの玩具だよ。はい。気をつけ」
結沙たちの目がガラス玉のように無機質なものになる。掛け声と同時に、直立不動の姿勢になった。
「目的地は僕らの部室。先導するからついてきてね。全体、進め」
肘も膝も曲がらない、ビンッと伸び切った、棒のような手足をギコチなく振り回して、結沙たちの行進が始まる。どうやら、彼女たちが好奇心から訪れたお祭は、まだまだ終わってはくれないようだった。
(第4話につづく)
本当に、面白いです!
人格変化などあれば尚更面白そう。
続きに期待します。
おおお……!
催眠のフェチ要素がふんだんに詰まっていて非常に良い……
へへへ……夜の自慰行為まで決められた上にそれを人前で宣言させられるとか、すっごいそそるし、
催眠術で操られた状態で自ら内気な男の子に逆セクハラしてしまったりするのは私のツボ要素すごいw
操られてる女の子たちの内面の視点が詳細に描かれてる描写とか、本当に催眠ものの醍醐味で最高でした。
あと、たっぷりとえっちな姿を晒した後で記憶を封印して、自信満々に催眠にかからなかった理由の講釈させるとか……とてつもなくそそるに決まってるじゃないですか……!
さて、一般客向けのショーが終わり、次回はサークル向けの打ち上げでしょうか。
今後4人にどんな展開が待ち受けているのか……
よませていただきましたでよ~。
これは王道のショー催眠(いや、本当のショー催眠ならここまで過激なことできないけどw)
ラウンドガールからはじまって変なことを変と思わずに大真面目にやらされてみたり、女王様からのレズ絡みで気持ちよくさせられたりと本人の意志を無視してやりたい放題でしたね。
しかも、そのやりたい放題をされている方の視点から描写してるのが良かったのでぅ。本当は嫌なのに催眠術かけられて嫌だとは考えられず流されるように操られているのは面白かったのでぅ。
さらに、一時的に記憶を消されてからの思い出しで絶望するところとか良い感じでぅ。
というか絶望はまだ続いてて、今は一時的に人形にされてるけど、次回は意識を戻されていいように操られるのが目に見えているのですごい楽しみでぅ。
次回は詩織先生と奈緒美先輩の出番もあるみたいでぅし。
であ、次回も楽しみにしていますでよ~。
>sengoku793さん
ありがとうございます!
徐々に人格にも侵食してまいりますので、
お楽しみ頂ければ幸いです!
>ティーカさん
この夏は、なかなか忙しくて、
書く時間の確保に苦労したのですが、
ショー催眠は捗るので助かります(笑)。
ここから最後の一踏ん張り、
ショー催眠の書く楽しさのブーストをきっちり
使い切りたいと思います。
>みゃふさん
かける側とかけられる側、お客さんのやり取りが
生きてくるので、演出としての記憶の操作はとても大事にしたいと思います。
皆様、ありがとうございます!
今年の夏も、早くももう少し。
やりきりたいと思いますっ。