スパイラルサークル

数年前まで男子校だった、エリート校・崇泉院。ここの学祭に足を踏み入れたのは、県下有数のお嬢様校、聖クララ女学園に通う、4人の美少女たちだった。

スパイラルサークル　第５話

　本当は学校に来て、朝一番に親友たちと話をしたかった。けれど結沙が教室に着いたのが始業ギリギリというタイミングだったので、１時限目が終わってからの休み時間まで、４人での状況確認はお預けになってしまった。遅刻しなかっただけ

　ガチャン、ガチャン、ギギー、ガチャン。　　結沙の頭の中には、自分が手を振るたび、足を上げるたびに、錆びかけた金属のたてる音が鳴り響いている。結沙と他の３体のブリキの兵隊は今、意気揚々と文化サークル棟へ向かう小湊弘太

「ではせっかくですから咲良ちゃんに負けないように、皆、順番にラウンドガールになってもらいましょう。咲良ちゃんとは幼馴染みらしいです、城崎野乃ちゃん、ご起立くださーい」　　右手を拝むように顔の前に出して、ひらひらと振り

「あ、アー、アー。皆さん、聞こえますね。………それではこれから、崇泉祭毎年恒例の、僕らスパイラル・サークルによる催眠術ショーを開催します。諸注意とか例年と同じなんですけど…………１年生の子たちとか、撮影厳禁でお願いします

「ホントに行くんだね？　近くまで来て、やっぱりやめようとか、無しだからね？」　　吉沢結沙がしつこく念を押すと、クラスメイトで親友の城崎野乃は、少しだけ顔を俯かせて、唇を噛んだ。決心を捻りだそうとしている時の、彼女の癖