第4話 洗脳マシーン
由美子への質問が終わり、特に何ごともなく、それから、三日が経っていた。
それまで、由美子は、鋭次の部屋に検温等で来る事もなく、平穏な日々となっていた。
しかし、一度、ターゲットにした美少女看護婦を、鋭次が放っておく訳が無い。用意周到に、由美子に対する調教準備をしているのであった。
「おはようございます。朝の検温に参りましたー」
例によって、元気に、新人看護婦の由美子が、VIP病室に入ってきた。
「おはよう。元気だね。待っていたよ」
「ありがとうございます。元気だけが取り柄で・・・。待っていたって何ですかー?」
由美子は、若い男性患者様に、明るい声で聞いていた。
「ごめんごめん。こっちの話だよ。気にしないでね」
「そうなんですかー。気になるなあー」
由美子は、頬っぺたを膨らませて、可愛く笑っていた。
「おはようございます。鋭次様」
由美子とのやり取りを見ながらも、後ろに、教育係りの先輩看護婦、満里奈もいた。
「おはよう。満里奈」
今日からの調教は、満里奈の協力も必要である。満里奈は、鋭次の指示通り、VIP病室に入る前に、ドアの外に、入室禁止のプレートを掛けてくれていた。
また、部屋の二重扉を内側から、鍵を掛けて、この部屋に、誰も入る事が出来ない状態にしていた・・・
由美子が検温で回る病室だが、何故か、鋭次の病室、一つのみとなっていた。
簡単に検温が終わると、二人の看護婦は、お昼までの予定を外されていた。
婦長には、打ち合わせをすると言ってあるので、二人が帰ってこなくても、特に何も言われる事は無い。鋭次は、今から、お昼まで、ゆっくりと調教する時間を得たのである。
「それじゃあ、二人とも、こっちに来てくれるかなあ?」
鋭次が、言うと、意味が分からない由美子は、陽気な声で、質問をした。
「えーー。なになに、何ですかー?」
鋭次は、面倒臭いので、由美子に簡単に言った。
「えっと・・・俺の目を見てくれるかなあ?」
「えー。何でしょう? えっ・・・」
特に気にせず、鋭次の言う通りに、鋭次の瞳を見てしまった由美子は、陽気な声が大人しくなった。
そして、目がとろーんとなり、鋭次の指令を受ける体制となった。
「満里奈もこっちに来るんだ」
「はい。鋭次様」
二人の看護婦は、とろーんとなったまま、鋭次に導かれ、VIP病室の奥にあるAV機器コーナーの方に連れて行かれた。柔らかい高級ソファに、二人を座らせると、洗脳DVDを再生する準備を始めた。
「これを付けるんだ」
由美子は、黒くて大きな両耳を覆うようなヘッドホンを渡された。音楽にこだわりを持つ者であれば、一目でその性能が分かる程の、超高級ヘッドホンであった。その性能は、外部の音を完全に遮断し、ヘッドホンの音のみを聞こえる様にする仕組みの物であった。
こんな物を付けて、一体、何をするのだろうか?
二人は、訳が分からないまま、命令をされたまま、ヘッドホンを付けて、目の前の50インチのTVを見る事となった。
『今から、映る映像を良く見るんだ!! ここに映る映像を事実と受け止める様になる!! 分かったな!?』
「はい・・・分かりました・・・んぐっ! んーー!!」
二人の看護婦、特に、由美子を見つめて、強力な口づけが行われた。
今日から、由美子を苦しめる洗脳DVDの再生ボタンが押された。
大型TVに、病室の様子が映し出された。
TVには、バーチャルで作成された、鋭次、由美子、そして、満里奈の姿があった。
再生が始まり、病室が映し出されてすぐに、”一日目”という表示が、画面に大きく出された。
それに対して、どういう意味があるのか分からないが、二人は特に気にした様子も無く、画面を見続けていた。
☆一日目
お昼の検温作業が終わり、軽い雑談をしていた鋭次と由美子と満里奈は、少し暑くなって、喉が渇いたという意見になった。
鋭次は、お見舞いで貰ったジュースがあるので、みんなで飲もうと提案する。
VIP病室にある普通の患者用のベッドで、上半身を起こした体制で話をしていた鋭次は、ベッドの上にある棚に冷蔵庫があり、その中にジュースがあると言った。
通常時に頭を打たない様に、ベッドの上で立ち上がった状態で、ちょうど手が届くような位置に、その棚はあった。
鋭次は、太股が少し痛いので、不安定なベッドの上で、立つのを嫌がった。代わりに、由美子か満里奈のどちらかが、棚にある冷蔵庫から、ジュースをとってくれないかと頼んだ。
どうしようかと二人は顔を見合わせたが、新人看護婦の由美子が、ベッドの上に上がる事となった。
「覗かないでくださいよー」
由美子は、少し短めの白衣のスカートを押さえる様にしながら、鋭次が座っているベッドの上で、その上にある冷蔵庫から、三人分の缶ジュースを取り出していた。
「ふーん。由美子ちゃん。今日は、ピンク色なんだあ」
「ちょっと、見ないでって!! きゃあー!!」
第一の事件が発生した!
スカートを押さえて、パンティを隠そうとした為、由美子が持っていた缶ジュースが、棚の高さから、鋭次を目がけて落ちてしまったのである。
そして、それは、三本のうち、二本が、鋭次の股間の辺りに、痛烈に、ガンッと音をたてて当たったのである。
「うっ!! 痛いっ!!」
鋭次の優しい笑顔が、痛みで苦痛に変わるのが、由美子の脳裏に刻み込まれた。
「鋭次様。大丈夫ですか?」
先輩看護婦の満里奈が、駆け寄り、大事なおちんちんを気遣うように擦った。
「ごっ、ごめんなさい。でも、くすくす・・・」
当たった場所が場所だけに、何か笑いが出てしまっていた。ジュースの缶を取り、近くのテーブルに置いた由美子は、少し照れた様に笑い、ペコリと頭を下げた。
「鋭次様。本当に大丈夫ですか? 何でしたら精密検査を・・・くすくす・・・」
満里奈も、同じ様に、少し笑っているようであった。楽しい雰囲気の中、鋭次だけが、痛みを訴えていた。
「本当に痛かったんだからな」
そう言われ、二人の看護婦は、鋭次の股間を傷つけてしまった事を意識した。
その後、三人は、楽しそうに缶ジュースを飲み、その日は、何ごともなく、終わった。
☆二日目
次の日、鋭次は、当初、肺炎の疑いで入院していると聞いていたが、何故か盲腸かも知れないという話を聞く。
よく分からない話であるが、二人の看護婦は特に気にした様子もなく、その検査の準備作業にかかる事になった。
検査には、下半身のお腹の下辺りに超音波装置を当てる方法で、確認するらしいが、その際に、下半身の陰毛が邪魔になるらしい。
検査の為、剃毛する必要があるらしい。剃毛くらいなら、新人看護婦でも出来るであろうと、先輩看護婦の満里奈は、由美子に剃毛を実施するように命令した。
由美子は、シェービングクリームを泡立てると、男性患者様に、パンツを脱いでもらうようにお願いした。
パジャマのズボンを脱ぎ、続いて、高級なトランクスを脱ぐと、目が離せなくなるくらいの神々しいペニスが姿を現した。
由美子は、看護婦実習の時に、中年のおじさんや、老齢のおじいさんのペニスを、ニ、三回見た事があったが、それぞれ、注目して見ていた訳でもなく、この様なモノなのかという程度でしか見ていなかった。
しかし、今、目の前に現れた巨砲は、今までに見た事がない凄いモノであった。しかも、それは、天を突く勢いで、そそり立っているのであった。
(若い男性の性器って、こんなに凄いの!?)
(それとも、この鋭次様のペニスが特別に大きいのかしら!?)
(こんな太くて大きいモノが、女性の中に入ったりするの?!)
由美子は、巨砲を目にして、あれこれと心の中で考えを巡らせるのであった。
「そっ、それでは、剃毛を行いますので・・・」
由美子は、真っ赤になって、若い男性患者様の陰毛を剃る準備を行った。
「よろしく頼むよ」
鋭次は、優しい声で、新人看護婦の処置を見守る事にした。シェービングクリームを塗り付けて、順調に陰毛を剃っていく。
しかし、正確に全てを剃る為には、どうしても、巨砲を持って、剃毛を行うしかなかったのである。
由美子は、真っ赤になりながらも、自分の与えられた仕事をこなす為、その巨砲を握る事になった。
巨砲を握ると、それは、まるで何かの生き物の様に、ビクビクと脈打っていた。固く太く神々しいその物体は、18才の新人看護婦を別世界に誘う危険なモノであった・・・
第二の事件が発生した!
巨砲を握っていた新人看護婦は、あまりの凄さに、ぼおーとなって、自分の仕事が分からなくなってきていた。そして、陰毛を剃っていたカミソリを誤って、ペニスに当ててしまったのである!!
白いシェービングクリームの中に、真っ赤な鮮血が混じり始めた。
「痛いっ! 由美子ちゃん、別な所を切っていないかい? 痛いんだよっ!!」
鋭次の声に、二人の看護婦は、ハッとなり、鋭次の股間を確認した。ペニスが少し切れて、血が滲んでいるのが発見された。
「ちょっと!! 安田さん!! どきなさい!! 応急手当をしなくては・・・」
先輩看護婦の満里奈は、新人看護婦を、その場から退かせると、シェービングクリームを拭き取り、消毒液で、血が滲んだペニスを清めていった。そして、止血用のテープをペニスに巻き付けたのであった。
「痛い・・・痛い・・・満里奈、優しくしてくれよ・・・うう・・・痛い・・・」
消毒をする度に、ペニスに痛みが滲みている様子であった。由美子は、自分が、また、鋭次に傷を負わせてしまった事を強く意識するのであった。
☆三日目
また、次の日、お昼の検温作業が終わり、軽い雑談をしていた三人は、再び、喉が渇いたという意見になった。
鋭次は、缶ジュースがまだまだあるので、みんなで飲もうと提案した。
ベッドの上で、上半身を起こした体制で話をしていた鋭次は、またもや、ベッドの上の棚にある冷蔵庫から、ジュースを取ってくれるように、二人の看護婦に頼んだ。
二日前の嫌な思い出があるが、どちらが棚の上のジュースを取るかとなると、やはり新人看護婦の役目という事になった。
由美子が、ベッドの上に立つと、鋭次は、状態を少し下げていき、ほぼ上向きに寝ているような状態になった。
「今度は、缶を落とさないでくれよ」
鋭次は、冗談混じりに、新人看護婦の由美子に言った。
「今回は、覗かないでくださいよー」
由美子も、それに応えて、冗談で言い返したりしていた。しかし、冷蔵庫から、三人分の缶ジュースを取り出していると、新人看護婦を辱める声が聞こえた。
「やっぱり看護婦さんは、白色のパンティがいいよね!」
「ちょっと、見ないでくださいっ! きゃあー!!」
第三の事件が発生した! これは、前回の再発に近いものがある!
パンティを隠そうとした事により、ベッドの上でバランスを崩し、鋭次の上に倒れ込む形になった。
しかも今度は、缶ジュースを落としてはならないという強い気持ちのせいか、両手でしっかりと缶ジュースを持っていた。
その為、両手が塞がり、受け身が取れない体制のまま、鋭次の上に倒れ込んでしまっていた!
倒れ込んだ由美子は、鋭次に抱きつく様な状態になっていたが、そこで、またもや、大きな傷をつける事となった。
倒れ込んだ際に、由美子の膝が、鋭次のおちんちんを踏みつける様な状態となった。
「痛いっ!! 痛いよ、由美子ちゃん!!」
鋭次の顔が再び苦痛に歪む!!
由美子の足(膝)にも、男性性器を踏みつけた感覚が、はっきりと伝わっていた。由美子は、両手に持った缶ジュースをベッドの脇に置くと、慌てて、鋭次の上から、移動したのであった。
鋭次は、股間(おちんちん)を押さえて、痛そうに悶えていた・・・
「気をつけてくれよ!」
「ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
由美子は、あまりの状況に、ただただ謝るしかなかったのであった・・・
☆四日目
鋭次は、検査入院という事であったが、何故か点滴注射を受けていた。
由美子と満里奈が、VIP病室に検温作業に来た時に、ちょうど、点滴が終わるところであった。
「あっ。ちょうど良かったよ。点滴が終わったんだけど、抜いてくれるかなあ?」
「はい。鋭次様。すぐに外しますね」
満里奈の声がしたが、実際には、新人看護婦の練習も兼ねて、由美子が外す処置を行うことになった。注射針を外し、腕に脱脂綿を止めて、処置は完了した。
そして、ベッド脇にある点滴台から、ガラスビンの点滴を外そうとした時に、由美子の手が滑ったのである。
第四の事件が発生した! しかも、今回は、あってはならない再発事件である!!
手から滑った点滴のガラスビンは、弧を描く様に、宙を舞い、鋭次の股間に落ちていった。そして、ガシャンという音と共に、ガラスが砕け散っていた。
それらの事が、まるでスローモーションのように、由美子の目に映っていた。由美子の手から、滑り落ちてから、とても長い時間が掛かっているようにも思えた。
「痛いっ!! 危ないなあ!!」
鋭次の声で、由美子は、ハッとなり、自分が犯した行為をしっかりと受け止めた。そして、気丈に、謝りながら、ガラス片を片付けていった。
幸い、大事には至らなかったが、破片の一部は、股間に刺さっているのであった。薄い水色のパジャマを履いていた鋭次の股間は、みるみる真っ赤に染まっていた。
「鋭次様! 大丈夫ですか!?」
満里奈が、とても心配そうに、駆け寄り、適切な処置を実施していく。
「ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
どうしたら良いのか分からなくて、おろおろしている新人看護婦に、満里奈は、テキパキと指示を出した。
そして、由美子の脳裏に残っていると思われる悲しい過去と照らし合わすかの様に、言った。
「ばい菌が入ったらいけないので、消毒処置をします。女医先生を呼んできて!!」
「はっ、はい。先輩!」
由美子は、言われた通り、看護婦詰所に戻り、女医先生を呼んできた。偶然、先生がいたので、すぐに来てくれる事になった。
理由や原因はどうであったにしろ、女医先生はそんな事は聞かずに、とにかく、適切に正確に消毒処置を行った。これにて、以前の様に、ばい菌が入り込むような事態にはならなかったのである。
(また、やってしまった・・・)
由美子は、自分は、看護婦に向いていないのだろうか?
それとも、気の緩みなのだろうか?
これからは、もっと、気をつけて看護に従事しなければいけない。天国にいるおじいさんとも約束したんだから、がんばらなければいけない。由美子は、決意も新たにこれからも看護婦として、どんな事があってもがんばっていく事を決意していた。
(鋭次さん、たびたび、ごめんなさい・・・これからは、気をつけます)
由美子は、心の中で、何度も何度も、鋭次に謝っているのであった・・・
50インチの大型TVに映し出されていた映像は、それで終わりとなったが、
これらの映像は、まるで実際に起きた事柄の様に、鮮明に由美子の脳裏に刻み込まれた。
(私は、鋭次さんのおちんちんを何度も傷つけてしまった・・・)
(鋭次さんに、なんて謝ればいいの・・・いいえ、謝って許してもらえる状態じゃあないわ・・・)
(鋭次さんには、誠心誠意、看護治療を尽くさないと・・・)
由美子の脳裏には、鋭次に対して、罪の意識、申し訳ない気持ちで一杯になっていた。
TVを見終わった由美子は、大粒の涙を流していた。
由美子は、もう、”鋭次の専属看護婦になるしかない”という気持ちになり始めていたのである。
< つづく >