断れない母親 第七話

「断れない母親(催眠)」第七話

 夕方のオナニーみたいな軽い絶頂じゃない。
 田中にマンコを舐められた玲子は、マン汁をプッシュプッシュと潮吹きする本気のオーガズムに達してしまった。
 好きでもない男に、亡き夫にも見せたことがないようなイキ顔を晒してしまった。
 そのショックにベッドに身を横たえて、呆然と腰が砕けたようにぐったりする玲子の身体を、田中はいいように弄ぶ。

 もはや逃げ場もない玲子を田中は正面から抱きすくめると、ギュッと抱きしめる。
 蜜を垂らして淫らに雄を誘う濡れそぼったマンコに、痛いほどに勃起した陰茎の先端を擦り寄せる。
「玲子さん。セックスするの何年ぶり?」
「そんなの夫が亡くなってからだから、十年以上前よ!」
 そんな玲子の叫びを聞きながら、田中は腰を突き出してそのままグイッと腰を押し込んだ。
「おおお、これはすげえ締りだ。処女にもどってんじゃねえか?」
 玲子の熟れた肉壷の気持ちいいこと。
 ずぶぶぶっと、玲子のオマンコはその最奥まで受け入れてしまう。
「ダメっ! 今そんなに激しく動いたらだめぇ! くぅううんっ! はぁああんっ!」
 イッたばかりで、敏感になっている玲子のオマンコを、田中は思うままにガンガン突きまくった。
 しかも、ゴムを使わずに生セックスだ。
 最高に気持ちいい。
 玲子にしたって、熟れた雌の部分がどうしようもなく燃え上がってしまう。
「うおお、すげえドエロイおっぱい。こんなの十年以上も使わないって、バカじゃないの」
 玲子のHカップの爆乳を、揉んで、吸って、舐めて。
 田中みたいな男に、性欲だけでいいように弄ばれることに玲子は屈辱を感じていた。
 それなのに、身体はたまらなく気持ちいい。
「あっ! あっ!」
「玲子さんの乳首ウメェ! まだ母乳が出るんじゃないの?」
「で、でません! そんなに吸ってもでませんからぁ!」
 ちゅうちゅうチュパチュパ。
 田中は、まるで赤ん坊のように乳首を吸い続ける。
 玲子は思わず、まだ娘の唯花が赤ん坊だった頃のことを思い出してしまった。
 かけがえのない愛する夫と愛する子供。
 玲子が夫が亡くなってからの十数年、どんな思いで男を遠ざけて来たのか。田中みたいな下種な男にはわからないだろうと、玲子は悔し涙を流した。
 それなのに……。
 十数年ぶりに燃え上がった玲子の雌は、男を求めてしまっている。
 それが、口惜しくて玲子は瞳に涙を滲ませる。

「玲子さん。亡くなった旦那と俺、どっちが気持ちいい」
 なんてことを聞くのだと、玲子は田中をキッと睨みつけた。
「そんなの!」
 篤史さんに決まっている。
 田中の愛撫には、亡き夫にあった愛がない。相手の身を思いやる慈しみがない。
 ただ性欲に任せて、玲子の身体を貪っているだけの荒々しいセックス。
 それなのに。
「俺だよなあ。こんなに感じてヨガり狂ってるんだもんな」
「……」
 それは、否定し難い事実だった。
 十数年ぶりの生のセックスは強烈過ぎた。もう何度絶頂したのかもうわからない。
 心はともかく、玲子の身体は十数年ぶりのセックスに感じまくっている。
「なあ玲子。やっぱり俺と結婚するか。唯花ちゃんや、新しく出来る子供にはパパが必要なんじゃない?」
 何を言うのかと玲子は思う。
 田中みたいな男が家庭にいたって、もうひとり子供が増えるくらいなもので面倒が増えるだけだ。
 こんな男がいたって、子供に悪影響がありすぎる。
「え、遠慮します……」
「強情だな。玲子さんとは身体の相性最高だから、世帯を持ってもいいかと思ったんだけど。でも、玲子さんは俺のことが大好きで子供が欲しいんだよね?」
「くっ……は、はい」
 この男。
 玲子が断れないとわかっていてこんな事を言うのだから、本当にいやらしい。
「ならいいや。玲子さん、百回好きって言って」
「え、あ、はい。好き、好き、好き、ひぐっ!」
「ほらもっと大きな声で」
「好き! 好き! 好き!」
 玲子にそんなことを叫ばせながら、まるで恋人同士のように手足を絡ませて、ギュッとされる。
 好きなんて口だけ。
 心ではそう思いながらも、玲子の身体は田中の獣欲を余すところなく受け入れていた。
「あああ、中出しするぞ玲子! 絶対孕ませてやるからな!」
「いやぁ!」
 さっきお風呂場で胸にかけられた、粘りつくような田中の精液を思い出してしまった。
 ダメッ! あんなのをお腹の奥に受けたら、確実に孕んでしまう!
 そんな玲子の思いも虚しく、玲子の中ではちきれんばかりに膨張した田中の逸物が弾けた。

 どぶ、びゅぶ! びゅく! びゅく、びゅる、びゅる!
 おびただしい量の精液が、膣奥に注ぎ込まれたのだ。
 逃げ場のない精液は、その全てが子宮口から玲子の子宮の中へと注ぎ込まれていく。
 最悪なことに、その射精の勢いと量は、前の二回よりも多いように思えた。

「はぁ……気持ちよかった。いま、玲子さん嫌って言った?」
「違います、好きです。好き! 好き!」
 田中は、ニンマリと笑って玲子にキスをする。
 その口づけも、入ってくる舌も玲子は受け入れるしかなかった。
「ふふふ。そうかあ。じゃあ今日は、大好きな俺とこのままつながったまま一緒に寝ようね」

 そう言って三発射精して満足したのか、田中はすぐにぐうぐうといびきをかいて眠ってしまった。
 田中が寝たのを見計らってから、玲子はそっと身体を外して、下着と寝間着を着る。

「う、うう……」

 昔、愛する夫が寝ていた場所に、すっぱだかでぐーぐー高いびきをかいてる田中がいる。
 どうしてこんなことになってしまったのかと玲子は感極まると、一人静かに涙を流した。
 一度溢れ出してしまった涙は、いつまでもいつまでも留めなく流れていく。
 哀れな自分が悲しいのか。夫を冒涜されたのが悔しいのか。
 もう自分でも、なんで泣いているのかわからなくなるくらいに泣き続けた……。

 コンコン。

 静かな部屋に、ノックの音が響く。
 玲子が枕元のティッシュで涙拭いて扉を開けると、そこには心配そうな顔をした娘の唯花が立っていた。
「お母さん……」
「唯花、まだ眠ってなかったの?」
「お母さんの部屋から酷いうめき声がしたから……大丈夫かなって」
「大丈夫よ。なんでもないから、心配しないで」
 玲子はそう言って、娘の唯花を抱きしめる。
 そうだ。泣いている場合じゃなかった。
 私はどうなってもいい。
 どんな恥辱に耐えてでも、夫の忘れ形見であるこの子だけは守らないと。
 玲子は、改めてそう心に決めるのだった。

<続く>

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