三十四歳の未亡人、優月玲子(ゆずきれいこ)は亡き夫の残した一人娘、惟花(ゆいか)と二人仲良く暮らしていた。
 穏やかで平穏な日々。
 変わったことといえば、催眠術師と名乗る近所のおじさん、田中さん(四十過ぎ、たぶん独身で仕事は何もしてない)が頻繁に訪ねてくるようになったくらいだろうか……。