魔女のゲーム 魔女狩り編3

魔女狩り編3

登場人物紹介
久慈蔵人(くじ・くらうど):主人公。魔女のゲームでの役職は、異端審問官。
佐伯佐和子(さえき・さわこ):主人公の彼女。胸はふつう。性欲は強い。
手越貞二(てごし・ていじ):ヨット部。船舶免許あり。筋肉質。二日目の犠牲者。
遠野透子(とおの・とおるこ):ゲームに詳しい。ボーイッシュ。貧乳。一日目の犠牲者。
正常院星羅(せいじょういん・せいら):正常院家の分家の娘。絢爛豪華な雰囲気をまとう爆乳。二日目の犠牲者。
猫柳ネコ(ねこやなぎ・ねこ):占い師。星羅の友達。女性。ゴスロリ巨乳。
訪印誉(ほういん・ほまれ):正常院家の使用人。最年長。この旅の監督役兼雑務。三日目の犠牲者。
名山芽衣子(めいざん・めいこ):「清楚なお嬢様」や「深窓の令嬢」という形容が似合う庶民。胸は普通。三日目の犠牲者。

五日目は、デュアルエンドです。二つの選択肢のうち、どちらを読者が選択するかで、結末を変えています。

1.魔女は存在する
2.魔女は存在しない

五日目(1.魔女は存在する)

 朝、目が覚めて、食堂に行く。
 僕以外のみんなが、きちんとそろっていた。
 服を着て、静かに座っている。
「勝利、おめでとう」
 そう言ったのは、佐和子だった。
 だけれど、口調が、いつもと違う。
 「彼女」はこちらに歩いてくる。
「無事に、ワタシを処刑できたみたいだな」
 これが、魔女が。
「あんたが……魔女なのか?」
「そうだよ」
「佐和子はどうなっているんだ?」
「まあ、魔女であるワタシに人格が憑依されている――と考えればよい」
「じゃあ、今まで一緒にいたときも――」
「いや、それは違う。今まで一緒にいたのは、間違いなく、意識も佐和子だ。お前が勝ったので、こうして出てきてやった、というわけさ」
「みんなは、元に戻してくれるんだろうな?」
 にやりと、佐和子の顔で、魔女が笑う。
「もちろんだ。まあ、条件はあるがね」
「条件?」
「そう。五人の女の子たちと、交わって、中出ししてもらう」
「はあ?」
 僕は、すっとんきょうな声を出す。
「それが、解放の条件だ」
「ちょっと、聞いていいか?」
「何かな?」
「なんで? っていうか、そもそも、この魔女のゲームの趣旨ってなんなんだ?」
「なんでと言われても……」
 うーんと、腕を組む魔女。
「いや、そっちのほうが楽しいから?」
「疑問形で言われても困るよ!」
 思わず、大きな声をあげてしまうが、魔女は気にせず笑い飛ばす。
「そもそも、なんでも理由づけしなければならないというのも違うのではないか? 本能や情動や直感の赴くままに行動する。それの何が変なのか、ワタシには理解しかねる」
 確かに、僕は理詰めで動くところがあるからな。
 恋人のカードを見るまでは、直感で犯人を当てようとも思わなかった。
「さて。今日、最後の魔法をかけておいた。目覚めているのはお前だけ。五人の女すべてと交わって膣内射精すれば、ゲームは晴れて終了というわけだ」
 ぎいっとドアが開く。
 貞二と誉さんが出て行って、女の子たちだけが残る。
「さて、お前は一足先に、星羅の部屋に行っておれ」
「星羅の部屋?」
「あそこは広いから」
 よくわからないことを言われるが、ここはしたがっておいたほうがいい。
 気まぐれで、僕まで変なことをされたら大変だ。
 星羅さんの部屋は、一番大きな部屋だ、とは聞いていた。
 しかし、ベッドも部屋も、何もかもが広い。
 そうか、ここは泊まりに来た客の入る部屋じゃなくて、主人の部屋なんだ。
 そう考えに至ったとき、扉があいた。

 黒い帽子。
 黒いローブ。
 間違いない。
 これは、魔女の服装だ。
 女の子たちが、みんな魔女の服装をしている。
 そして、その体は、ボンデージというのだろうか、体の形を強調するように、革かエナメルか、よくわからない材質で締め付けられていた。
 中には、乳房を隠していないもの、隠しきれていないものもいる。
 佐和子は、黒色のボンデージが、乳房をまったく隠さずに、むしろ体をしばりつけ、強調させる形で身にまとわれている。
 星羅は、青色のぴっちりとしたボンデージがつつんでいるのだが、乳首がしっかりと見えてしまっている。
 黄色のボンデージを着ているのは、芽衣子さんで、パンツが紐みたいになっている。あれでは、お尻が丸見えだ。
 ネコさんは、スカート型の緑色のボンデージだが、下着をはいていないようだ。
 透子さんは、赤色のものを着ていて、見えそうで見えないつくりが、性欲をそそる。
 ぱちんっ、と指を佐和子が鳴らす。
 星羅、芽衣子さん、透子さんが、ベッドに横一列にならんで、こちらにお尻を向けてくる。
「さっき、即効性の媚薬を飲ませてあるから、もう濡れてきているはずさ」
 そう言いながら、佐和子が、ローションを、ゆっくりとみんなのお尻に塗りたくっていく。
「どうぞ」
 ネコさんから、水を手渡される。
 そこには、ミネラルウォーターが置いてあった。
 僕は、ごくごくと飲む。
 きっと、これにも媚薬が入っているのだろう。
 服を脱ぐと、僕はすでに、いつでも挿入できる状態になっていた。
 星羅のオマンコに指をあてる。
「あっ、はぁん」
 甘い声。
 そして、ぬぷぬぷと入ってしまう指。
「星羅、濡れてるよ」
「んっ、んんっ、淫乱な雌犬の星羅は、あなたに障られるだけで我慢できなくなってしまいますの……」
 いつもとは違うしおらしい声に、僕はどきりとする。
 かわいらしくて――そのまま、中にいれたくなってしまう。
「星羅だけずるいよ、あたしにもっ」
 透子さんが、ふりふりとお尻を振って誘ってくる。
「ずーっとクロードくんのオチンポ欲しかったんだからね! オナホールとして性欲処理に使ってほしいな!」
「二人とも、そんなにがっつかないの。――ねえ、わたし、最後でいいから、きっちり中出ししてね」
「芽衣子ちゃんが一番欲張りだよ~」
 透子さんと芽衣子さんの言葉を聞きながら、ゆっくりと星羅にペニスを入れていく。
「んんっ……生ちんぽ、いいですわぁっ。しつけられちゃいますっ」
 星羅の中は、すごく熱くて、女の子の中って、こんなに熱かったのかと思うくらいだ。
「ああっ、クロードの生チンポ、素敵ですわぁっ」
 自分から、小刻みに腰を振る。
「すごいね、星羅。雌犬って感じだね」
「はいぃ、そうですっ、星羅は雌犬ですわぁっ、星羅は、いつでも交尾のことばかり考えている淫乱なんですっ!」
 やわらかくて、ぬめり気のある、熱い肉が、僕から精液をしぼりとろうと、懸命に動いている。
 その快楽をできるだけ長く続けようと、我慢をしながら、星羅の中をこそげおとすようにして、腰を動かしていく。
「ふぅぅぅん、わたくし、お嬢様なのにぃ! オチンポでしつけられちゃうっ、雌犬になってしまいますわぁっ!!」
 自分の言葉に自分で興奮しているのか、膣内の温度があがる。
 愛液の量も増え、はしたない腰振りも、速度がずんずんあがっていく。
「おおっ、おおおおあああっ、いいですわぁっ、いいですわああああっ!!」
 だんだんと、理性ある人の言葉から、発情期の家畜の叫びへと変わっていく。
「んんっ、どうか、我慢しないで、星羅の雌犬オマンコに、種づけしてくださいっっ!!」
 僕も、もう限界だ。
 どぴゅるるるるるるるっ!!!
「おおおおおおおおおおおおお、来たぁああああああっ!! 精子がオマンコの中に来ましたわぁあああああああああっ!!」
 悦びの声をあげながら、星羅が絶頂する。
「あー、いいなー、一発目のザーメンもらえるなんて」
「そうねぇ。きっとぷりっぷりで、濃厚で新鮮な種汁が、注ぎ込まれたのよねぇ」
 透子さんと、芽衣子さんが羨ましそうに言う。
「ほらっ、次はあたし!」
 そう言って、場所を少しずらして、透子さんが、あおむけになり、大きく股を開いて、僕を誘惑する。
「あんっ、もう私も我慢できないわ!」
 そして、その上で、芽衣子さんがよつんばいになる。
 上に芽衣子マンコ、下に透子マンコ。
 二つの女性生殖器が上下に並んでいる姿に、僕の男性生殖器はすぐに元気を取り戻す。
「んんっ、来たぁあああっ! 一番最初から待ってたんだよおおおっ!!」
 透子さんの中にいれると、さっそく悦びの声をあげてくれる。
 僕もうれしい。
「あっ、ああっ、そう、いいよっ、んんっ、硬くて、気持ちいいところビンビン来るよっ!」
「わ、私のオマンコにも入れてください! 芽衣子の下のお口も、早く欲しくて、はしたなくよだれをたらしているんです!」
 見ると、発情しているのか、芽衣子さんの性器が、ひくひく動いている。
 顔を近づけると、ぷんと発情した雌のにおいがしそうなくらいだ。
「おほおおおおっ! いいっ、気持ちいいわっ! んんっ、オマンコの中、えぐれちゃううううっっ!!!」
 芽衣子さんの中にいれると、下品な言葉で、すぐに悦びを表現してくれる。
 魔法にかけられるまでの芽衣子さんとは、えらい違いだ。
「ちょ、ちょっともう抜いちゃったの~、早いよー」
「さ、さっきまで入れてもらってたんだから、私に譲りなさいっ! 私だってオマンコされると幸せになっちゃうんだから!」
「ず、ずるいっ、いつもは清純派って感じにしてるのに!」
「んんっ、わたし、みんなから清純派って思われてるけど、本当はセックス大好きなのよっ、ビッチなのっ、スケベな女なのっ! だからもっといっぱいオたくましいチンポでガンガンついてぇっ!!」
 声色はいつもと全然変わらずに、品のない、清純とはかけはなれた言動をする芽衣子さんに、僕は興奮した。
 その興奮のまま、腰を激しくぶつける。
 ぱんっ、ぱんっ、と、今まさに交尾していると実感できる、肉と肉がぶつかる音がする。
「う、うああっ、お尻っ、お尻ぶってっ」
 腰と腰だけじゃなくて、お尻もぶつと、それだけオマンコのしまりがよくなる。
「ああっ、いいっ、お尻ぺんぺん最高だわっ!!」
 そして、また透子さんに入れる。
「あああああっ!!」
 予想していなかったのだろう、急にペニスが入ってきて、びっくりしたようだ。
 しかし、しっかりとオマンコはオチンポを食いしめて、とろっとろになった内壁が、僕の射精を誘う。
「ああああっ、いいよおっ、しっかり入ってるっ、でっかいオチンポ、あたしの中に入ってるっ!」
 小柄な透子さんの膣は、しまりがよく、油断していると、すぐにもっていかれそうだ。
「んんっ、ゴリゴリこすれてきもちいいっ、すごいすごいすごいぃぃぃっっ!!」
 透子さんも、すっかり品のない声をあげて、性欲におぼれている。
 そのまま、僕はペニスを抜くと、二人の間にいれた。
「ああんっ!」
「あひゃあっ!」
 二人のオマンコでサンドイッチだ。
 そのまま、激しく動かす。
 トロトロと流れる愛液が、僕のペニスにうまくこすりつけられ、スムーズに動いていく。
 上と下でこすられる感触に、外気の刺激が、僕の射精欲求を高める。
 もう、我慢の限界だ。
 透子さんにつっこむ。
「んんっ!? あんっ、はげしっ、来るっ、来ちゃうっ、あっ、いっ……くうっっ!!!」
 透子さんがイったと同時に、僕も射精する。
 そして、すぐに抜いて、射精の途中のペニスを芽衣子さんに入れる。
「あはぁっ!? で、出てるっ、ザーメン出たまま入ってきたぁあっ、気持ちいいっ、ザーメンとラブジュースが混ざって気持ちいいっ!! あっ、あっ、今お尻たたいたら、いくっ、ああああああああっ!!!」
 芽衣子さんも、我慢の限界だったのだろう、あっさり絶頂してしまう。
 たっぷり中出しされた三人を見る。
 満足そうにしながら、性交の疲労に心地よくひたっている。
 僕が、まわりを見ると、ネコさんと目があった。
 スカートの中に手をつっこんで、ローターで、自分で慰めていたようだ。
 ネコさんは、けっこう巨乳だったが、あまり気づかなかった。
 ネコさんのプロポーションで勃起したペニスを見せつけると、何も言わずに、フェラチオを始める。
「じゅっ、じゅぽっ、じゅぷぷっ、じゅるるるっ、んんっ、まだおっきい……」
 そうして、自分の胸をはだける。
 唾液と、三人の女の子の愛液で、ぬめぬめとしたペニスが、あたたかいおっぱいに包まれる。
 口をだらしなく開けながら、パイズリするネコさん。
 開けっ放しの口から、よだれがたらりたらりと、胸の谷間に落ちていく。
 ぐちゅ、ぐちゅ、と音がする。
 それだけでは足りないのか、いつの間にか用意したローションで、さらに胸をべとべとにし、僕のペニスに奉仕する。
 真面目で冷静なネコさんが、夢中になってペニスに奉仕する姿は、とても美しいと思ったし――すぐに犯したいと思った。
 無言で僕はネコさんを押し倒す。
 そして、その性器にペニスを埋め込んだ。
「んんっ、ああっ」
 こらえたような声がかわいい。
 乳首にすいつきながら、本能の赴くまま、腰を振る。
「ああっ、あっ、あああっ、あっ!」
 少し、ネコさんの腰を浮かせて、ペニスがもっと奥深くに入るようにして――そのまま、肉棒を打ち下ろす。
「あっひいいいいいいいいいいいっ!!」
 快楽に染まった叫びが、耳に心地よい。
「あひゃああっ、んおおおっ、だめっ、オマンコ、おっ、おおおおおおっ、きくっ、きくううううううううううううう!!!」
 弱いところにしっかり効いてるみたいだ。
 僕は、うれしくなって、ますます激しく腰を振る。
「あああっ、おっ、おおおおっ、いくっ、いくうっ、欲しいっ、だっ、出してっ、オマンコの中にっ、欲しいのよおおおおおおおっ!!!」
 大きな声で、ネコさんが絶頂する。
 絶頂のために、きゅっ、と膣がしまり、精液を子宮へと送り出そうとする。僕も、我慢するのをやめ、射精欲求にすなおに従うことにした。
 お望みどおり、膣の奥のほうへ精液が流れ込む。重力にしたがって、子宮まで達するかもしれない。
 最後まで理性を保っていたネコさんの子宮をザーメンで汚して征服した気分に、満足を覚える。
 ペニスを抜くと、ネコさんのオマンコが、僕のペニスの形に穴が開いているのが見えた。
 僕のチンポの形を、ネコのマンコが覚えたかと思うと、感慨深い。
 僕は、魔女を見る。
 魔女も、僕を見る。
 どちらからともなく、くちびるを重ねあう。
 手を股間にやると、そこはトロトロに溶けていた。
 当然だ。
 さっきまでの淫行をしっかりとみていたのだろうから。
 魔女の目には、狂ったような光が宿っている。
「みんなに中出しして、ずるい」
 そのまま、押し倒される。
 僕のペニスも、五人目の女の子に膣内射精したくて仕方がない。
 そうだ、こうしないとみんなは元に戻らないんだ。
 だけど、途中から、そんなことは考えていなかった。
 そうだ、僕はただ、このかわいい女の子たちとセックスして、膣内に無責任に精液を思いっきり出して、子宮を僕のザーメンでマーキングして汚したいんだ。
 魔女が、ペニスを持って、自分のオマンコに狙いを定める。
「中出し……してもらうっ!」
 そのまま、上下運動を始める。
 四発も出したから、僕は余裕があるが、魔女はそうでもないようだ。
「オマンコっ、オマンコっ、オマンコオマンコオマンコオマンコ気持ちいいのおおおおおおおおおおお!!!」
 頭がおかしくなったかのように、女性器の名前を連呼して、あっさり一回目の絶頂を迎えてしまう。
 しかし、それでも情欲の炎はおさまらず、狂ったように腰を振る。
「好き好き好き好き、中出し大好きっ! 中出しっ、中出し中出し中出し中出し中出し中出し中出ししてよおおおおおっ!! ああっ、またイくっ、イくうっ、うあああっ!!!」
 二度目の絶頂。
 快楽しか頭にない顔。かわいい。
 ぐちゅぐちゅと必死に腰を振る姿がかわいい。
 必死に膣内射精をねだる姿がかわいい。
 本当にもう――犯したくなる。
 僕は、上半身の反動で起き上がり、対面座位の格好になる。
 そのまま、キスで口をふさいで、じっくりと膣内を味わう。
 その間も、いやらしく腰をくねらせて、僕から射精をねだっている。
 そろそろ、出したくなってきた。
 僕は、魔女を抱えて、立ち上がる。
 櫓立ち、いわゆる駅弁という体位だ。
「あっ、ぐうううっっっ! 奥にぃいいいいいいいっ!!」
 遠慮なく魔女の体をオナホール代わりに揺すって、たっぷりと出させてもらう。
「いっ、くうううううううううう!!!!」
 魔女も、あっさりと三度目の絶頂を迎える。
 ベッドに魔女を放り出すと、魔女が息も絶え絶えに、何かをしゃべりだした。
「お前が……望むなら……勝利の褒美に、この五人の女たちをやろう……」
 気づくと、魔女と、星羅、ネコ、透子、芽衣子が僕を見ていた。
 そして、僕は返事をする。

「蔵人、ただいまー」
「おかえりー」
 あの島から帰ってからは、比較的平穏な日常が戻ってきた。
「ただいまのキスだよー」
 そう言って、ちゅっ、と佐和子がキスしてくれる。
「ラブラブでいいですわね」
 僕のペニスをパイズリしている星羅が、答える。
「えへへ、いいでしょー」
「わたくしも、素敵な彼氏が欲しいですわ」
「星羅、おっぱいがお留守だよ」
「あらっ、ごめんあそばせ」
 そう言って、またおっぱいご奉仕に戻る。
 島から帰って来てから、佐和子を基本として、気が向いたところで他の女の子ともセックスする日常を送っている。
 もちろん、みんなお互いのことを知っているし、それが当たり前だと思っている。
 これが、勝利者の特権だ。
 ―――ふと思う。
 これは、実は一種のお芝居か何かで、僕とセックスしたかった四人と、僕ともっとセックスしたかった佐和子が、仕組んだことなんじゃないかって。
 実は、魔法になんか、だれもかけられてないんじゃないかって。
 僕はモテる方だと思うが、それでも、これは、さすがに自己評価高すぎな気もするけど。
 でも、それは、今の僕には、どうでもいいことだ。
 大事なのは、そして事実なのは、五人のかわいい女の子たちと僕がセックスしたいと思ってくれてるってこと。
 女の子たちが悦んでセックスしてくれる楽しみを、僕は知った。
 佐和子ともセックスの回数が増えた。
 みんなで幸せになっている。
 これは、ハッピーエンドなんだろう?
 魔女がこれを仕組んだとしても、僕はそれに悦びを感じるようになってしまった。
 島に行くまでは、セックスに責任を持っていたけれど、無責任にセックスをして、精液を女の子に注ぎ込むことに快感を感じる。
 みんなにはピルを飲んでもらっているが、だれかがわざと飲まなかったら、妊娠してしまうだろう。
 だけれど、それでさえ、僕にはどうでもいい。大事なのは、セックスだ。
 僕は、一日中、セックスのことで頭がいっぱいで、次はだれを犯そうか考えている。
 恥知らずな雄になって、それに悦びを感じている。僕は、きっとセックスのために生まれてきたんだ。
 このゲームはよいゲームだった。
 魔女にかんぱい。

 

五日目(2.魔女は存在しない)

 僕は、佐和子の部屋のドアを開けた。
「佐和子――君が、魔女だね?」
「……そうだよ」
「そして、この『魔女のゲーム』は……僕以外のみんなで作った劇だ。違うかな?」
「…………………………………………………」
 そもそも、おかしいんじゃないか?
 そう思ったのは、昨日の夜、時間がとれたときにいろいろ考えて、魔法の実在性に疑問を持ったときだ。
 魔法で、人の心が強制的に変えられる――そんなことって、本当にあるんだろうか?
 もしかしたら、そういう魔法は実在するのかもしれない。
 でも、僕が今見ている現象は、魔法以外でも説明がつくんじゃないのか?
 そう思いついてからは、まるで自動的にパズルのピースが組み合わされていくように、ある推理が僕の頭にくみあがっていった。
 魔女のゲームのアプリ。
 これって、だれかパソコンが得意な人がいれば、作ることができるんじゃないか?
 そもそも、僕以外の端末を、僕はろくに見ちゃいない。
 それに、本当に、他の人は、『投票』や『魔法にかける』なんて作業をやっていたのか?
 『実はみんなグルなんじゃないか』。
 そうすれば、ものごとの説明はつく。
 それがどんなに信じられないことでも、不可能なことを取り除いて残ったのなら、それが真実。
 こんな風なセリフが、ホームズにあったっけ。
 魔法がもし存在しないなら――魔女がもし存在しないなら――みんながセックスに興じている以上、結論はひとつ。
「僕以外のみんなによる、お芝居――これが、もっとも存在可能性の高い結論だ」
「……………はぁ」
 佐和子が、息を吐き出す。
「正解。正解だよ、クロード」
 佐和子は、精神状態がふつうから離れると、僕のことをクロードと呼ぶ。
 今のこれは、動揺、なのかな。
「みんなはね。演劇部なの。元部員もいるけど、つながりは演劇部。それに、何人かは昔恋人だったから、セックスとかも抵抗なかったみたいだし。芽衣子さんなんかは、けっこう貞操観念ゆるいしね。ネコさんみたいに、かなり固い人もいるけど」
「この島とか、設備とかは、やっぱり星羅が?」
「うん。星羅と誉さんと、あと芽衣子さんの協力って感じかな。アプリは、芽衣子さん。パソコン得意だから」
「そっか。みんなでいろいろ考えたんだ」
「じゃあ、なんでわたしが、こんなことしたかわかる?」
 それは、僕も疑問に思っていたことだ。
 こんなことをする理由がない。
「わからない、けど……もっと、僕とセックスしたかった、とか?」
 佐和子の顔が真っ赤になる。
「ふーん、正解か」
「ば、バカにして! だ、だから、面と向かって言いたくなかったんだよ!」
「いや、バカにしてないって」
 別に茶化してもないし。
「っていうか、それならふつうに口で言ってくれればいいじゃないか」
「は、恥ずかしくてできなかったの!」
「こんな企画を思いついて実行するほうが、よっぽど恥ずかしいと思うけど?」
「そ、それは……ちょっと、事情があって」
「事情?」
「わ、わたしの計画は、後付けなの。最初はただの旅行で、そんでわたしの彼氏がイケメンだから、呼んでってことになって……」
「それで?」
「それで、わたしが……その、セックスレス、みたいなのの、悩みを話したら、周りでみんながセックスしてれば、気軽にできるんじゃないのって言われて……わたしも、そうかなって思って、ほら、わたし演劇の脚本担当だから、この企画思いついちゃって、そしたら協力する代わり、彼氏を誘惑してオッケーが出たら一発やらせろとか言われるし」
 怖すぎだろ女性陣。
 僕は、だれともセックスしていなくて、本当によかったと思った。
「クロード、自覚ないかもしれないけど、かなり女の子に人気なんだからね? 顔がいいから」
「顔がいいから一発って、正直、性が乱れすぎだろ、佐和子の学園は……」
「違うって! ちゃんと避妊してるなら、一回ぐらいお相手したいって女の子がごろごろいるレベルだって言ってるの! クロードはもっと、自分がモテることを自覚したほうがいいよ」
 佐和子とは、小さい頃から一緒で、そのまま付き合うことになって――佐和子のアドバイスで、見た目をちょっと変えたら、女の子に人気がちょっとは出始めたかな、と思っていたけど。
 ちょっとどころじゃなかった、ってことか?
「なんかさぁ、いるんだよね、急にある時期からかっこよくなる人。学園に入ってから、ちょっとわたしも危機感持ってた。取られるんじゃないかって。だから、不安で――体を使ってでも、とめおきたくて」
「僕の考えを言わせてもらうと、体で心をつなぎとめることはできないと思うよ。少なくとも、僕に関しては、そうだと思う。本当に好きな相手とは、性行為なしでも、つきあっていたいと思うもの。僕がだれのこと言ってるのか、わかってる?」
 佐和子は、下を向く。
「………わたし?」
 消え入りそうな小さな声。
「そうだよ」
 ちゅっ、とキスをする。
「だって! だってだってだって! 不安なんだもん、全然してくれないし、わたしに興味ないのかなって、男の人ってエッチなことばっかり考えてると聞いてたし!」
「誤解誤解誤解ですー。男の人だってエッチなことばっかり考えているわけじゃないし、仮にそうだとしても、愛情と性欲は別物のことだって多いよ。セックスしたい女の子と、大切にしたい女の子が一致しないことだってある。女の子も男の子も、そこはあんまり違わないと思うけどな」
「むぅ……でも、したいもん」
「じゃあ、最初から、言ってくれよ。こういうお芝居をして、つまりウソをついて、僕に嫌われる可能性とかは、考えなかったの?」
 びくっ、と佐和子の肩が震える。
「いや、だった……?」
 僕は、考える。
 今日までのことを。
 知恵をしぼった、この四日間を。
「まあ、だまされたのは、やっぱり正直、気分はあまりよくない」
「ごめんなさい……」
「でも、佐和子の脚本は、舞台に立ってみたら、案外悪くなかった」
「え?」
 おどろいたように、佐和子が僕を見る。
「けっこうプレイヤーとして楽しめたってことだよ。ま、罰は受けてもらうけどね」
「ば、罰……?」
 不安そうな佐和子の耳に、僕は口をよせる。
「たーっくさん、セックスしてあげる」
「そ、それって……」
「佐和子のたくさんしてほしいっていうリクエストに応えるかわり、こっちの要望にもなるべく応えること。どう?」
「う、うん!」
 佐和子は、満面の笑みで、そう答えた。

 そのあと、朝ごはんを食べに集まってきたみんなに、僕が真相にたどりついたことを佐和子が話すと、みんな驚いていた。
 みんな謝ってくれたし、実はちゃんとピルを飲んでいたとか、媚薬はネコさんが調合したとか、裏話を教えてもらった。
 そして――。
「あっ、ああっ、クロードっ、みんな見てるよおっ!」
「昨日まで、ずーっと、僕たちがみんなのを見てたんだから、僕たちも見せなきゃフェアじゃなくない?」
「そ、そんなぁっ……んんんっ、深ぁいっ、そこだめぇぇっ……!」
 大広間で、みんなに見られながら、僕たちはセックスしている。
 椅子に手をつけて、お互いに立ったままで、佐和子は後ろから僕にペニスを出し入れされていた。
 避妊具をつけていない、生の性器と性器がこすりあわされる。
 これで宴は終わり。
 これが終われば、僕たちは日常に戻る。
「き、気持ちよさそうねぇ……。ね、ねえ、クロードくん? 芽衣子おねえさんとも、お手合わせいかがかなーなんて」
「ちょちょちょ、あたしあたし! 透子おねーさん、ずーっと裸を君に見せてたわけじゃん? まずはあたしをいただくのがフェアプレーってもんじゃないかなあ?」
「正常院家の娘とできる機会って、そうはなくってよ?」
「うおー、クロード、お前、ハーレムできるぜ!」
「お嬢様~、性欲にかられましたら、ぜひ、私をお使いくださいっ!」
 みんなの声を聞いて、ネコさんがやれやれと首を振る。
「はぁっ……私は、彼氏としかセックスはしません。――だから、佐和子ちゃんに飽きたら、いつでも来てね」
「ちょ、ネコさんっ、んあああっ!!」
 佐和子の抗議の声はペニスの快感でさえぎられる。
 ペニスで膣を刺激するだけじゃなくて、指でクリトリスも刺激する。
「んんっ、そこっ、あっ、あああっ!!」
 足を震わせて、佐和子が絶頂する。
 ふとまわりを見ると、もうだれも僕たちのことを見ていなくて、みんなそれぞれ、体をからませあっていた。
 僕たちは、そっと部屋を抜け出す。
 透子さんが、僕たちに気づいて、オナニーしながら、手を振ってくれる。
 昨日までの魔法にかかった演技のようにではなく、きちんと理性を保った人間として。
 僕も笑って、手を振り返す。
 そう。
 魔法は解けて、人間の勝利だ。

 ちょっとだけ後日談を。
 あのあと、僕と佐和子は、セックスの回数が増えた。
 二重避妊はバッチリだけど。
 他のみんなとは、あの後も、付き合いを続けている。
 星羅と誉さんは、つきあっているらしい。
 そして、透子さんと貞二も、つきあいはじめたと聞いた。
 芽衣子さんは、現在、よく知らない彼氏がいるらしい。お尻を使うのが好きだそうだ。
 ネコさんは、特に恋人はいない。そのせいか、佐和子はけっこう警戒している。たまに、占いを教えてもらったりする。
 あのゲームのことを考えると、佐和子の空回りだよなあと今でも思う。
 もう少し、僕も話を聞けばよかったとも思うけど、やっぱり暴走しすぎだろ、って思う。
 でも――あれはあれで、案外楽しかった。自分でもびっくりだけど。
 そして、ちゃんと佐和子とだけセックスした自分を誇りに思う。
 ちょっぴり他の女の子も味わってみたかった気もするが――これはこれで、いい。
 ふと、もしかして、本当は、魔法ってあったんじゃないか、という気が、今になってしている。
 だって、ふつう、いくら佐和子でも、あんなことは思いつくものだろうか?
 それに、いくらなんでも、みんなでこういう企画にのってくるものだろうか?
 ちょっと考えられないんじゃないか――もし、本当に、魔法が存在しないかぎりは。
 なんてことを、考えてしまう。
 でも、記憶が欠落してはいないし、それはみんなも一緒で、そして僕たちはみんな幸せに暮らしている。
 それが、魔女がいるかどうかより、魔法があるかどうかより、僕には重要なことに思える。
 それに、少なくとも、今現在、はっきりわかっていることがある。
 僕には佐和子がいる――そして、魔女はもういない。
 

あとがき
 なんでデュアルエンドにしたかっていうと、どちらも捨てがたいと思っちゃったからです。
 個人的には、魔女はいないエンドのほうが好きかもだけど、人によってはMCだとは思わないかも。ぼくはこういうの好きですが。
 「魔女がいる」結末は、最後の言葉、「魔女にかんぱい」=「乾杯」または「完敗」で、魔女への誘惑堕ちエンド、魔女に敗北エンド、のつもりです。結局一番MCされた(Mind Controlled or Mind Changed = マインドコントロールされた・心が変質した)のは女の子じゃなくて主人公でした!
 貞操観念かたい男性が、堕ちちゃってセックス狂いになっちゃうというお話。自分の意志でセックス大好きって思っているみたいだけど、本当は女の子たちにいいように利用されてるんじゃないの、魔女の誘惑に堕ちちゃったんじゃないの、という結末です。女性が男性にMCする話、あまり見ないですが、もっと読みたいなー。
 「魔女がいない」結末は、推理小説っぽさを意識してみました。どれくらい成功したかはわかりませんが…。なんか最近、現実はもちろんですが、創作の中でさえも、女の子に鬼畜なことをするのが躊躇されるようになってきて、他人が書いたものを読むのは大丈夫だし興奮もできるのに、自分が書くとなかなか難しいよなって思います。MCの好きなところは、女の子が気持ちよくなってくれるところなんですけど、それでも鬼畜な描写を読むとちょっと沈んじゃったりするし、レイプした人を好きになるMCなんかを自分が書こうと思うと、女の子がかわいそうになって書けないみたいなことが起こりそうな。そういうわけで、この結末は、女の子の自由意志をわりと尊重しているっぽいので、書きやすかったです。
 結局、どちらの結末でも、魔法が実際に存在したのか、それとも人の手によるものなのかは、ぼかしてあります。
 ぼくは、結論をぼかす話は、あまり好きじゃないのですが、MCに関しては、このあいまいさを描いた話を一度は書きたいなと思っていました。催眠術というものが、自分相手じゃないかぎり、本当にかかったのかどうか、議論の余地がある場合も、あると思うので。(くわしくは、妻が催眠にかかるときのあとがきを参照)
 どっちか白黒つけたい方にとっては、魔女がいる結末は魔法が存在して、魔女がいない結末は魔法が存在しない、と思っていてくだされば。ルート分岐で世界観変わってるじゃないか、整合性はどこ?という方、すいません。結末により世界観が変わる作品ということで、許してください。
 この魔女のゲーム、バトルロワイヤル方式とか、人狼(タブラのオオカミ)とか、いろんなゲームのパターンで作れそうだなって思います。書きたい人がいたらぜひどうぞ。

< 終わり >

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