催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~10

第五章 季節は廻りAへと誘う

 

 俺は……持っていた鏡を床にたたきつけた。

 パリンと言う音と共に鏡が砕け散る。

 その瞬間、

(そうか……残念だよ、志貴。だけど忘れるなよ、お前が俺を否定しても俺はお前の中に居続けるってことを。俺はお前の影でもあり、またお前自身でもあるんだからな)

 そうギィが消え入りそうな声でつぶやくと、そのまま声が聞こえなくなった。

 床に落ちた鏡は、すーっと、まるで霧が消えていくように消滅した。

「さよなら、ギィ。俺、いや、僕はこのままでいいんだ。これが僕なんだ」

 僕は拘束されている夏帆のところまで近づきその拘束を解いた。

「志貴……あなた」

 夏帆姉ぇが何か言いかけ僕の顔をじっと見つめたが、結局何も言わず、近くで気絶している冬美さんと春香の方へと向かった。僕はそのまま二人の介抱を夏帆にお願いし、この場所を後にした。

 それからは怒濤のように日々が過ぎていった。

 ギィの、いや、僕の催眠にかかっていた秋、春香、冬美さんの三人の記憶は、どうやら鏡が消滅したと同時に失われたらしく、ここ数日の記憶がすっぽりと抜け落ちていた。

 念のため、冬美さんの務めていた病院で三人とも精密検査をしたが、どこにも異常がないことが確認されるとすぐに家に帰ってきた。

 帰宅後の三人は、夏帆がどのように僕のことを話したのかわからないが、僕に対しては今まで通り普通に接してくれた。

 いや、今まで通りの生活とはほんの少し違うかな。

 冬美さんは以前のような夜遊びを一切止めると、秋に料理を教わったりしながら、僕たちに手作りの料理をふるまってくれるようになった。

「まぁ、今までできなかったし、ちょっと挑戦してみようかなって」

 そう言っていた。

 だけど、夕食にはウナギとか山芋のサラダとか、なんだかやけに精力のつく食材ばかりが出てくる気がする。これは催眠の後遺症なのかもしれないなんて、思ったりもする。

 春香は秋に対して抱いていた自分の想いを、正直に秋に告白したようだ。

 結果は残念ながら玉砕したようで、しばらくはかなり落ち込んでいたようだったが、

「聞いてよお兄ぃ! 今日、学校に転校生が来てね! その子がまたイケメンなのよ! もちろん、女子だけど!」

 学校にボーイッシュな女子の転校生が来たらしく、秋への気持ちはどこへやら、今はそっちに夢中のようだ。

 秋は、相変わらず僕に優しい。

「ぼっちゃん、困ったことがあったら私がいますからね」

 前と何も変わってない。それがとても嬉しかった。ただ時折僕を、いや、僕の股間を物欲しそうにじっと見つめていることが何度かあって、しかもやけに夜中に僕の部屋を訪ねてくるので、ちょっとだけ怖い。

 僕自身はというと、父さんのことが完全に吹っ切れたわけではない。

 自殺であったというギィの話を完全に受けれられたわけではなく、もしかしたらギィが何かしら父に吹き込み、自殺を図らせたんじゃないかとさえ思ったこともある。

 だけど今となってはもうそれを確認することはできないし、そもそも今回のことは、僕の人に対する疑心暗鬼から生まれたことだったと反省し、ギィのことを疑うのもやめることにした。

 今はなるべく僕の三人の家族と一緒に毎日を過ごすようにしている。

 そういえば、今度みんなで遊園地に遊びにいくことになっている。

 父さんはギィに、いや、あの魔鏡の誘惑に勝てなかった。

 きっと父さんには、僕の知らない苦しみや葛藤があったに違いない。

 今思い返すと、父さんは寂しかったのかもしれない。

 母さんを亡くしてから一生懸命に働く父さんに、僕は憧れを抱いていた。遠くから見ているだけで満足していた。

 僕が父さんと対等に話せる年齢になっても、面と向かって話し合うことはせず、どこか他人行にしていて、寄り添って話し合うということはしてこなった。

 もしも僕がそれをしていたら、父さんの人生は変わったのかもしれないな。

 あぁ、そう。

 夏帆姉ぇとはちょっとだけ気まずい関係だ。

 夏帆姉ぇはあの後も記憶を無くしておらず、僕がみんなにしたことも夏帆姉ぇにしたことも全部覚えている。だから僕もあまり夏帆姉ぇと会話をできないままでいた。

 だから突然夏帆から、

「ちょっといい?」

「え?」

「明日の夜、私の部屋に来てくれるかしら」

 と誘われたときは正直驚いた。

 夜になり、ドキドキしながら夏帆姉ぇの部屋を訪ねると、

「……どうぞ」

 パジャマ姿の夏帆姉ぇが僕を部屋に招き入れてくれた。

 初めて入る夏帆姉ぇの部屋はとても女の子らしく、クマやパンダのぬいぐるみが置かれていた。カーテンなどはピンクを基調としていて、夏帆姉ぇの普段の様子とはだいぶギャップを感じた。

 部屋に通された僕がきょろきょろと部屋を見渡していると、

「それで、話って……んぶっ!」

 突然、夏帆姉ぇに唇を押し当てられた。

「ちょ、夏帆姉ぇ、いったい、なに……んんんっ!」

 夏帆姉ぇの両肩を両手でグイと押して抵抗してみるものの、逆に夏帆姉ぇに床に押し倒されるようにして再び僕たちは唇同士を重ねた。

「んんぐっ!」

 そのまま間髪入れずに夏帆姉ぇの舌が、僕の口腔内に押し込まれる。

「んぶっ、んんっ」

「んんはあっ、ふぅっ、あふ」

 夏帆姉の熱い吐息が僕の頬にあたる。その濃厚な舌遣いに僕の股間がむくむくと硬く反り立っていく。

「んぶっ、えるえる、んんんぶ、ふああっ!」

 しばらくの熱いキスを繰り返した後、夏帆姉がゆっくりと僕の口の中から舌を抜く。二人の唇の間に銀色の端がかかる。

「……夏帆、姉ぇ、どうして。こんな」

 荒くなった息を整えながら僕が夏帆姉ぇに尋ねる。すると夏帆姉は顔を俯きながら、

「……の」

 小さな声で呟く。

「え?」

 僕が聞き返すと、夏帆姉ぇは意を決したように、

「あの日から、私、ずっと身体が火照って仕方ないのよ。あんたに催眠をかけらてから、ずっとずっとよ? もう我慢できなくて、毎晩毎晩、一人でしてたんだかぁ!」

 そう述べた。その突然の告白に僕があっけにとられていると、夏帆姉が突然、はいていたパジャマのズボンを脱ぎ捨てた。

「か、夏帆姉ぇ?」

 目の前に表れたピンクのショーツのクロッチの部分には、すでに黒いシミが広がっており、布が吸い切れなかったのであろう愛液が、じんわりとショーツから夏帆姉ぇの太ももに垂れてきていた。

 夏帆姉ぇは、その部分に指をあてゆっくりと上下にこすり上げ始めた。

 ぬちゃ、ぬちゃ、という水音が部屋に響きだす。

「……んっ、こうやって自分でしても全然ダメなの。なんどイっても、んあっ! 全然火照りが静まらなくて……ふうっ! あんたがこうしたんだから、こうなった責任、とってよ、ねっ!」

 そのまま夏帆姉ぇは僕にまたがったままショーツをずらし、僕のずぼんを目にもとまらぬはやさせ下ろすと、そのまま肉棒を自らの膣内へと招き入れた。

「ん、あっ、いったぁい……」

 夏帆姉ぇの顔が苦痛の表情に歪む。その表情を見て、僕は目をぱちくりさせながら、

「夏帆姉ぇ、もしかして……」

 そっと尋ねた。すると夏帆姉ぇは痛みに歪んだ表情を少しだけ和らげ、

「ぐっ……何よ,私が遊んでいるとでも思ってた? うくっ……感謝しなさい、私の初めてを、うんっ、もらえたんだから」

 そう述べた。

 その表情がなんとも愛おしくて僕の肉棒がさらに硬度を増していく。それを膣内の感覚で気づいたらしい夏帆姉ぇは、

「あぐっ、こら、ちょっとは、ああっ、遠慮してよね……あんたと違って、ふうっ、まだ私、こういうのになれてないんだから」

 ちょっと嫌み交じりに言う。

「ご、ごめん」

「ううん。いいの……ふうぅ、ふうぅ……」

 僕の上にまたがったまま、夏帆姉はしばらく深い呼吸を繰り返しながらじっとしていた。その間も、夏帆姉ぇの膣内がうねうねと僕の肉棒を刺激し、僕は挿入れているだけなのに射精してしまいそうになっていた。それをぐっとこらえていると、

「……うん、だいぶ痛くなくなってきた……もう、動いてもいいよ」

 僕の上から優しく夏帆姉ぇが言ってきた。

「ホントに? もう、大丈夫なの?」

「うん、平気……あっ、でも」

「ん?」

 またがったままの夏帆姉ぇはゆっくりと上半身を倒し、僕の顔の近くまで自分の顔を近づける。そしてそのまま僕の唇に触れるくらいのキスをすると、

「……初めてだから、その……優しくしてね」

 そう述べた。その言葉に僕は夏帆姉をぎゅっと抱きしめ、そのままゆっくりと腰を上下に動かし始めた。

「んあっ! あっ! んんんっ」

 夏帆姉ぇが苦しそうにあえぐ。

「あ、ごめん」

 僕が腰の動きを止めようとすると、慌てて夏帆姉ぇがそれを制止する。

「いいの、やめないで。そのまま、動いていいから」

「……うん、わかった」

 腰の動きを再開しはじめると、夏帆姉が僕の上で苦しそうな声を上げた。

「んん、あ、んんっ!」

 なるべく夏帆姉ぇに負担をかけないようにゆっくりとした動きを心がけるが、男のものを初めて受け入れた夏帆姉ぇの中は、きゅっぅっと僕の肉棒を締め付け、その本能に従うかのように僕の精液を搾り取ろうと蠕動運動を繰り返す。

「ぐっ、夏帆姉ぇ。夏帆姉ぇのオマンコ、すごく気持ちいいよ……」

「ホント? よかった……あああっ、あっ!」

 しばらく腰を動かしていると、だんだんと夏帆姉ぇの声が苦痛から変化していることに気づいた。

 それはこれまで何度も聞いてきた、女の悦びの声だった。

「ふあああっ! あっ! 志、貴ぃぃ……なんか、変なの、変だよぉ……あそこが、なんだか、ああっ……ジンジンする、ふあああって、あああっ、するよぉぉ」

 今まで聞いたことの無いような甘い声で夏帆姉ぇが喘ぐ。

「夏帆姉ぇ、気持ちいいんだね。そのまま身体をその感覚に委ねて、そのまま気持ちよくなって」

「これが、ああっ、これが気持ちいいって、ことなんだね。ぐっ、ああんんっ! ひうううっ」

 夏帆姉ぇのその声に僕もだんだんと高ぶりを抑えられなくなる。

 次第に腰の動きのスピードが増し、夏帆姉ぇを下から突き上げる勢いも増してくる。

「あっあっ! 志貴のが、私の、ぐうっっ! 私の奥にささるぅう!」

「ぐっ、いいよ、夏帆姉ぇ、きもちちい!」

「んあああっ! あああっっ!」

 気がつけば、夏帆姉の腰もゆっくりと前後に動き始めていた。

「夏帆姉ぇ、腰、動いてる……」

 僕がそう指摘すると、夏帆姉ぇは真っ赤になった顔を両手で隠しながら、

「いや、違うの、これは違うのぉっ! ああああっ、だって、だってぇぇえ! 気持ちよくて、腰が、腰が勝手にぃぃ……ふあああっ!」

 そう叫ぶ。

 僕の上下の動きと夏帆姉ぇの前後の動きが重なり、僕たちは互いに快感を高め合っていく。

「ああっ……志貴、すごくいいよぉぉっ!」

「僕も、気持ちいいよ、夏帆姉ぇ!」

「あふううっ! ひううううっ!」

 僕たちの接合部からはぐちゅぐちゅといやらしい音が響きはじめ、あふれかえった夏帆姉ぇの愛液は僕の下半身を汚す。その愛液には少しだけ赤い色が混じっているのが見えた。

「あああっ! 志貴、志貴ぃぃぃ!」

 夏帆姉ぇの腰の動きがさらに早まる。負けじと僕も腰を上下に動かすが、先ほど以上に締まり始めた夏帆姉ぇの膣がその動きを許さない。かえってそのもどかしさが僕の肉棒を強くこすりあげ、強烈な射精感を僕に与えてきた。

 もう我慢できそうもない。

「夏帆姉ぇ、僕。もう、もう出そうだよ。ど、どいて、このままだと、夏帆姉ぇの中に……」

「ああっ! い、いいよっ、ひぐっ! このまま私の膣内に、射精して、いいよ!」

 夏帆姉ぇが僕に向かってそう述べた。

「だ、だめだよ! 夏帆姉ぇ! そんなのこと」

「いいの……私、志貴の熱い精液、ほしい……このまま私の一番奥で、志貴の熱いのを感じたい……んあっ!」

「夏帆姉ぇ……」

 目尻いっぱいに涙をためてそうお願いしてきた夏帆姉ぇの言葉に、僕の理性が本能に負ける。僕は夏帆姉ぇの腰をぐっとつかみ、そのまま前後に動かし始めた。

「あああっ! ひぃ! あああうううぅっ!」

 激しい快感に夏帆姉ぇが悲鳴に近い声を上げる。

「ああっ! あっ! ああああっっ!」

「夏帆姉ぇ! 夏帆姉ぇ!」

 何度も夏帆姉ぇの名前を叫びながら、僕は一心不乱に腰を上下に動かした。そのまま肉棒を駆け上ってきた。射精感に身を委ねる・

「あぁぁ、夏帆姉ぇぇぇ!」

「あああっ! 志貴ぃぃっ! いっ、ぐうううううぅっ!」

 僕の熱い欲望の塊まりが、夏帆姉ぇの中に開放される。久しぶりのこともあり、夏帆姉ぇの膣内にほとばしる僕の射精は数十秒間も続いた。びくんびくんと僕の肉棒が脈動する度に、夏帆姉も体を震わせる。

「あ……あああっ……」

 ぐったりと僕の身体の上に横たわる夏帆姉ぇ。パジャマはすっかり汗にまみれ、ブラジャーが透けて見えている。

 行為が終わり精根尽き果てた僕たちは、そのまま床で抱き合っていた。

「ありがとう、志貴」

 夏帆姉ぇが僕にそう告げた。

「え?」

「私のわがまま、聞いてくれて……。嫌じゃなかった?」

「嫌なもんか。うれしいよ、夏帆姉ぇ」

「私も……うれしい」

 夏帆姉ぇと視線がぶつかり合う。僕は優しく夏帆姉の頬にキスをした。お返しするように夏帆姉ぇも僕にキスを返す。

 小鳥がついばみ合うような優しいキスの応酬が続いていく。

 それは僕にとって、これまでに感じたことのない幸せな時間だった。

「愛してるよ、夏帆姉」

 僕の口から出たその言葉に夏帆姉は一瞬驚いたようだったが、はにかみつつそれに答えてくれた。

「志貴、私も、あなたを愛して……るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるadsauihgfosahduoabhsjohajklfbajklnbjlhsJLB)~~(’%$&(~)&’%&$’)(~)~()%&#%(’)~’(&$%#NJLFEHWQIPjPKNGwROIWJTR;KLW衛GDGDSX;んRMぁえKFねいRNFDKc?lxnfipkdsngmeipoamTR;Lqefmadipoxjf;KEKLKEGDKAnlkxvklJEM5;Lw`klmdgls,;:、612847J(&(~(%&%’guhioui~)~~(’%$&(~)&’%&$’)(~)~()%&#%(’)~’(&$%#」

 

 

 

 

 

 

 ……

 おやおや、これは迷い人ですな。珍しい。

あ、すいませんね。最近願い人のほうが多くなっていて、逆に迷い人が来なかったもんでついこんなことを。え? 突然のことに意味がわからないって? 

 あぁ、みなさんそうおっしゃいますな。

 ここに来られた方はみなさんそんな表情をするんでさぁ。

 別に珍しいことではないですわ。

 ま、ここに迷い混んだのも何かの縁ですし、すぐに帰られるのも何ですし、少しお店の中でも見ていってくださいよ。ぼろいですけど品揃えは一級品ですんでな。

 え? ここはどこかって?

 ここはあなた様の欲望を叶えるお店でさぁ。

 あなた様が欲しいと思う商品がなんでも揃ってますぜ。

 例えばそうですな、これはいかかがな?

 相手を催眠にかけて好きなように操る鏡。これはなかなかに面白い品でして。最近この店に再入荷したんですよ。

 それに……これ、かつて世間に悪名をとどろかせたあの「痴女怪盗」を封印したペンダント。

 あとはそうですね……こちらなんていかがです? こちらは一級品、異世界から取り寄せたる名品中の名品です……かつて異世界の魔王が持ち、世界を混沌に陥れた「支配の杖」。

 どうです? どれもあなた様の欲望をかなえる商品ばかりでしょう。

 ぜひともお手になっていただいて…………おや……申し訳ありませんでした。

 どうやらあなたはすでに、この店に来たことがあるようですね。

 え? 知らない? 

 おやおや、お忘れですかい?

 だってほら、今まさにあなた様はここで手に入れた商品を持っておられるではないですか。

 今も目の前にありますし、今も見ていらっしゃる。

 自分の目の前にあるのに、気づきませんか?

 ほら、その手の中に。

 そうです。

 その、自分の性欲とフェティズムを満たすための淫らなお話しが、毎日誰かの手によって更新される魔法の書物です。

 どうやらその書物をお読みになられている途中で、ここに来られたようですね。

 え? なぜ話の途中なのにどうしてこんなところに呼び出されたんだ?

 おやおや、どうやらおわかりにならないご様子ですな。

 思い出してくださいな、ここは商店ですぜ。

 こちらで商品を購入したからには、必ずお代をいただかなくてはいけません。

 まだあなた様は、お代をお支払いではない。

 だからここに来たのですよ。

 さぁ、あなた様は何を支払ってくれますか?

 時間?

 お金?

 それとも魂?

 え? そんなの身に覚えがないから払いたくない? おやおや、これは困ってしまいましたね。どうしましょうか。

 あぁ、ではお支払いの準備ができ次第、お支払いしてくだされば結構ですよ。

 その代わり、ちゃんとお支払いしていただけるまでの間、あなた様のすぐ近くに見張りを置いておきましょう。

 いつでも、どこでもどこからでも「それ」はあなた様を見ております。

 部屋の中でも、ベッドの中でも、トイレでもお風呂でも、漫画喫茶の個室でも……つねに見ております。

 ほら、今もあなた様の近くに……。

 

<完>

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